JP2003113556A - 流体噴射式織機の緯入れ装置 - Google Patents

流体噴射式織機の緯入れ装置

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JP2003113556A
JP2003113556A JP2001307809A JP2001307809A JP2003113556A JP 2003113556 A JP2003113556 A JP 2003113556A JP 2001307809 A JP2001307809 A JP 2001307809A JP 2001307809 A JP2001307809 A JP 2001307809A JP 2003113556 A JP2003113556 A JP 2003113556A
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speed
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Masa Anada
雅 穴田
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Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緯入れ後期での緯糸の飛走を安定化すると共
に緯糸を係止部材により係止する際に、緯糸に加わる張
力を過大とせず、緯糸の損傷を抑止する。 【解決手段】 緯糸測長貯留装置4と緯入れノズル9と
の間に、緯入れ期間中の平均緯入れ速度よりも遅い一定
の周速度で回転する一対の回転ローラ13、14を設
け、緯入れ後期で緯糸係止部材7により係止される前の
所定の期間に、一対の回転ローラ13、14間で緯糸2
を挟持することにより、緯糸2を損傷することなく、緯
糸2の飛走速度を減速し、かつ定速で送り出して、安定
な緯入れを実現すると共に、緯糸係止部材7による緯入
れ停止時の緯糸2に加わる張力を小さくしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、流体噴射式織機の
緯入れ装置において、緯入れの後期に、飛走中の緯糸の
緯入れ速度を減速する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭59−82447号公報の技術
は、緯入れノズルと緯糸測長貯留装置と間に糸ブレーキ
を設けておき、緯入れ終期に、緯糸の大きな屈曲により
緯糸を減速し、係止部材により係止されて緯糸の飛走を
停止する際に、緯糸に加わる瞬間的な張力(ピーク張
力)を小さくし、過大張力となるのを抑止し、緯糸の切
断、一部の繊維の切断や、毛羽の発生による織物品質の
低下を防止している。
【0003】また、実開平5−72986号公報の技術
は、緯入れノズルと緯糸測長貯留装置と間に一対のロー
ラ、およびこれらのローラを駆動するモータを設け、係
止部材により係止される前の緯入れ終期に、緯糸を減速
回転するローラ間で挟持することにより、緯糸の飛走速
度を減速し、係止部材による緯糸に加わる瞬間的な張力
を小さくしている。ローラ駆動用のモータは、回転制御
され、緯糸挟持期間中に、予め設定された速度曲線に基
づく所定の速度で減速回転する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の特開昭59−8
2447号公報の技術によると、緯糸は、大きく屈曲さ
せられた状態で、糸ブレーキを高速で滑り、このときに
発生する摩擦力により減速されるが、この摩擦力は、緯
糸を損傷するため、織物品質を損なわせる。さらに、糸
ブレーキと緯糸との摩擦係数は、糸ブレーキの表面状
態、つまり糸ブレーキの表面と緯糸との接触による表面
粗さの経時的な変化、緯糸に含まれる油剤の付着具合な
どのほか、緯糸の種類、太さ、それに含まれる油剤の種
類、油剤の量や、毛羽立ち状態などに影響され、それら
により変化する。したがって、緯糸の減速の程度にばら
つきが生じ、緯入れ時に、反給糸側織布端への緯糸の到
達タイミングが変化するなどの原因で、安定した緯入れ
が妨げられる。
【0005】また、後者の実開平5−72986号公報
の技術では、ローラ駆動用のモータの回転制御が難し
く、ローラ駆動系の駆動抵抗の変動などにより、制御時
に実際の速度曲線が変動するほか、緯糸挟持開始タイミ
ングまたは緯糸挟持終了タイミングに僅かな変動が生じ
ても、挟持開始時の糸速度または挟持終了時の糸速度に
大きな変化が発生する。そのため、織成のサイクル毎に
緯糸の反給糸側織布端への到達タイミングが遅れ、安定
した緯入れができない。
【0006】したがって、本発明の目的は、緯入れ後期
での緯糸の飛走を安定化すると共に緯糸を係止部材によ
り係止する際に、緯糸に加わる張力を過大とせず、緯糸
の損傷を抑止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、課題
を解決するために、緯糸測長貯留装置と緯入れノズルと
の間に、緯入れ期間中の平均緯入れ速度よりも遅い一定
の周速度で回転する一対の回転ローラを設け、緯入れ後
期で、緯糸係止部材により係止される前の所定の期間
に、一対の回転ローラ間で緯糸を挟持することにより、
緯糸を損傷することなく、緯糸の飛走速度を減速し、か
つ定速で送り出して、安定な緯入れを実現すると共に、
緯糸係止部材による緯入れ停止時の緯糸に加わる張力を
小さくしている。
【0008】具体的に記載すれば、請求項請求項1の流
体噴射式織機の緯入れ装置は、緯糸を測長しながら貯留
する緯糸測長貯留装置と、緯入れ流体の噴射により緯糸
を経糸開口中に緯入れする緯入れノズルと、緯入れ中の
緯糸に対する係止動作により緯糸の緯入れを停止する緯
糸係止部材とを有しており、緯糸測長貯留装置と緯入れ
ノズルとの間に、挟持切り換え装置および一対の回転ロ
ーラからなる緯糸定速送り出し装置を設けてなり、挟持
切り換え装置は、緯入れ後期で緯糸が緯糸係止部材によ
り係止される前の所定の期間にのみ、一対の回転ローラ
にローラ間で緯糸の挟持動作を行わせ、一対の回転ロー
ラは、緯糸測長貯留装置と緯入れノズルとの間に互いに
圧接可能に設けられ、少なくとも前記所定の期間中に、
緯入れ期間中の平均緯入れ速度よりも低い一定の周速度
で回転し、挟持している緯糸を送り出し、これによっ
て、緯糸は、前記所定の期間の終了後から緯糸係止部材
により係止されるまでの期間で、自由飛走して緯入され
る。なお、緯入れ期間は、緯糸係止部材の係止動作が解
除された後の緯入れノズルによる緯糸の飛走の開始か
ら、緯糸係止部材の係止動作が作動され、緯糸の飛走が
停止されるまでの期間である。
【0009】そして、請求項2の織機の流体噴射式織機
の緯入れ装置は、前記所定の期間中の回転ローラの周速
度を稼動条件により設定し、緯入れ期間中の平均緯入れ
速度の15%〜75%の周速度で一定に回転させる。ま
た、請求項3の流体噴射式織機の緯入れ装置は、複数の
緯入れノズルを有する多色織機であり、少なくとも2つ
の回転ローラは、緯糸種に応じて異なる前記周速度に設
定される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の流体
噴射式織機の緯入れ装置1の構成を示している。本発明
は、1色の緯入れのほか、多色の緯入れにも適用できる
ことから、図1および図2、その他の例は、多色の一例
として2色の流体噴射式織機の緯入れ装置1を示してい
る。なお、緯入れに必要な手段は、2色の緯入れに対応
して、No.1およびNo.1として2系列設けられて
いるが、これらの2系列の緯入れに必要な手段は、図1
で、側面から見て重なっているため、見かけ上1つの系
列として見える。
【0011】図1で、各緯糸2は、給糸体3から供給さ
れ、一例として固定ドラム式の緯糸測長貯留装置4によ
って1ピックの緯入れに必要な長さ例えば4巻分だけ測
長され、かつ緯入れクイミングまでピン状の緯糸係止部
材7で係止されて貯留されている。
【0012】緯糸測長貯留装置4の回転ヤーンガイド5
は、ドラム6の外周を回転することによって、緯糸係止
部材7で係止されている緯糸2をドラム6の外周に巻き
付けて測量し、かつ緯入れタイミングまで貯留してい
る。なお、緯糸係止部材7は、ドラム6の緯入れノズル
9側端部に設けられている。緯入れタイミングで、緯糸
係止部材7が電磁ソレノイドなどの操作器8によって後
退したとき、ドラム6の外周で貯留状態の緯糸2は、解
舒され、糸ガイド19を経て、緯入れノズル9から噴射
された緯入れ流体とともに経糸10の開口11に緯入れ
される。
【0013】そして、本発明の流体噴射式織機の緯入れ
装置1は、特徴的な構成として、2色の緯糸2毎に、緯
糸測長貯留装置4と緯入れノズル9との間で、緯糸定速
送り出し装置15を有する。緯糸定速送り出し装置15
は、緯糸2の走行経路を切り換える挟持切り換え装置1
2、および緯糸2を挟みながら、緯入れ期間の後期の所
定の期間中に、緯入れ期間中の平均緯入れ速度よりも低
い一定の周速度で回転し、挟持している緯糸2を緯入れ
方向に送り出す一対の回転ローラ13、14からなる。
【0014】図2で、挟持切り換え装置12は、緯糸測
長貯留装置4と緯入れノズル9との間で、緯糸2の走行
経路を変更するトラバースレバー16、およびこのトラ
バースレバー16の一端を回転軸17aにより回動自在
に支持するロータリソレノイドなどのアクチュエータ1
7からなる。アクチュエータ17は、緯入れ後期で、緯
糸2が緯糸係止部材7により係止される前の所定の期間
にのみ、トラバースレバー16の先端の糸ガイド16a
に通されている緯糸2の走行経路を変更し、一対の回転
ローラ13、14の側方位置から一対の回転ローラ1
3、14の圧接位置へと移動させ、それらの間で、緯糸
2を挟持させるにより、緯糸挟持動作を行わせる。
【0015】一対の回転ローラ13、14は、緯糸測長
貯留装置4と緯入れノズル9との間にあって、緯糸2を
挟み込む位置で互いに圧接可能に設けられ、少なくとも
前記所定の期間中に、緯糸2の緯入れ速度よりも遅い一
定の周速度で回転し、挟持している緯糸2を送り出す。
このため、一対の回転ローラ13、14のうち、いずれ
かのもの、例えば下方で駆動側の回転ローラ13は、モ
ータ18により、所望の伝達比の歯車22を介して、所
定の期間中に緯糸2の緯入れ速度よりも遅い一定の周速
度で駆動される。また、上方で従動側の回転ローラ14
は、スプリング20により駆動側の回転ローラ13に押
圧されている。
【0016】なお、回転ローラ13、14の外周面は、
ウレタンゴムなどの高摩擦弾性材料により被覆されお
り、駆動側の回転ローラ13は、中高形状となってお
り、従動側の回転ローラ14は、平形となっている。
【0017】この例では、No.1およびNo.2の緯
入れノズル9毎に二対の回転ローラ13、14が設けら
れているが、これらを軸線方向に長くすることによっ
て、複数の緯入れノズル9で一対の回転ローラ13、1
4を共用してもよい。ただし、後述の図6の例では、従
動側の回転ローラ14の共用はできない。また、図1お
よび図2のものは、モータ18を共用しているが、N
o.1、No.2の緯入れノズル9毎にモータ18を設
け、それぞれを一定の回転数に制御してもよい。
【0018】アクチュエータ17およびモータ18は、
主制御装置21により制御される。主制御装置21は、
織機主軸23に連結されているロータリエンコーダなど
の回転検出器24から主軸回転角の信号、解舒センサー
25からの解舒巻き数の信号を入力とし、緯糸挟持・解
除の信号によりアクチュエータ17を駆動し、その回転
軸17aのトラバースレバー16を回動させ、緯糸2の
走行経路を変更すると共に、回転数の信号を出力し、こ
の信号に基づきインバータ26を介して回転数(速度)
制御可能なモータ18を駆動する。この例で解舒センサ
ー25は、ドラム6の外周位置で、緯糸2の解舒数から
解舒巻き数の信号を出力している。この解舒巻き数は、
緯入れ過程で、緯入れされている長さに対応している。
【0019】この例は、多色の緯入れであるため、主制
御装置21は、緯糸選択制御装置27に対して主軸回転
角の信号を送ると共に、それから緯糸選択の信号を受け
取って、選択された緯糸2に対応する系列の緯入れ手段
(緯糸測長貯留装置4、緯入れノズル9および緯糸定速
送り出し装置15)を制御する。
【0020】図3は、横軸を緯糸2の解除巻き数または
織機主軸23の主軸回転角(経過時間)とすると共に、
縦軸を緯糸係止部材7の解除動作・係止動作、トラバー
スレバー16の動作(一対の回転ローラ13、14によ
る緯糸2の挟持・非挟持)、緯入れノズル9の緯入れ流
体の噴射、緯糸2の緯入れ速度、平均緯入れ速度、飛走
中の緯糸2に加わる張力(緯糸張力)およびモータ18
の回転数(回転速度)として、それらの関係のグラフを
示している。
【0021】以下の動作説明は、この図3に基づいてい
る。製織中に、それぞれの緯糸測長貯留装置4は、1ピ
ックのよこ入れに必要な長さとして、4巻分の緯糸2を
ドラム6の上で測長し、かつ緯入れタイミングまで貯留
している。一方、緯糸選択制御装置27は、回転検出器
24から主軸回転角の信号を受け取って、緯糸選択の信
号を発生し、この緯糸選択の信号を主制御装置21に送
り、2つの緯糸2を所定の順序で選択する。そこで、主
制御装置21は、選択された例えばNo.1の緯糸2を
緯入れするために、No.1の緯糸2に対応する緯糸係
止部材7、緯入れノズル9、アクチュエータ17、モー
タ18などを順次に作動させる。
【0022】まず、主制御装置21は、主軸回転角60
°で操作器8を駆動し、緯糸係止部材7を後退させるこ
とによって、緯糸2をドラム6の外周面上で解舒し、3
巻解舒した後に、主軸回転角290°で緯糸係止部材7
を前進させて、ドラム6上で緯糸2を係止する。これに
よって、1ピックのよこ入れに必要な長さとして、4巻
分の緯糸2がドラム6の上で解舒され、緯入れ可能な状
態となる。なお、緯糸2の解舒数(解舒長さ)は、ドラ
ム6の外周位置で、解舒センサー25により検出され
る。
【0023】この解舒とほぼ同時に、緯入れノズル9
は、主軸回転角70°から250°までの期間で、緯入
れ流体を噴射して、緯入れノズル9の内部に引き込まれ
ている緯糸2を緯入れする。これにより、貯留状態の緯
糸2は、ドラム6の外周から引き出され、緯入れノズル
9から噴射された緯入れ流体とともに経糸10の開口1
1に緯入れされ、開口11中を緯入れ速度で飛走する。
【0024】なお、緯入れ期間は、緯糸係止部材7が後
退した後の緯入れノズル9による緯入れ開始から緯糸係
止部材7による緯入れ停止までの主軸回転角であり、こ
の例で、主軸回転角70°から290°までの期間であ
る。この緯入れ期間の前期、つまり主軸回転角70°か
ら210°までの期間において、緯糸2の緯入れ速度
は、緯入れノズル9からの緯入れ流体の噴射により付与
される高い速度となっている。
【0025】一方、主制御装置21は、No.1の緯糸
2の緯入れに備えて、No.1の緯糸2の緯入れサイク
ル(主軸回転角0°から360°までの期間)で、回転
数の信号に基づきインバータ26を駆動し、インバータ
26の出力としての駆動用周波数電流のによって、N
o.1の緯糸2に対応するモータ回転数によりモータ1
8を駆動している。
【0026】また、主制御装置21は、緯入れ期間の後
期つまり主軸回転角210°から270°までの期間
で、挟持切り換え装置12のアクチュエータ17を駆動
し、トラバースレバー16をNo.1の緯糸2の非挟持
位置から挟持位置へ変位させ、その緯糸2の走行経路を
変更することにより、一対の回転ローラ13、14の間
でNo.1の緯糸2を挟持させる。一対の回転ローラ1
3、14は、No.1の緯糸2に対応するモータ回転数
で回転しながらNo.1の緯糸2を挟持し、緯糸2の緯
入れ速度を減速させる。
【0027】さて、緯入れ期間中で、主軸回転角70°
から210°までの緯入れ前期の期間において、緯糸2
の緯入れ速度は、緯入れノズル9からの緯入れ流体の噴
射により付与される高い速度となっている。しかし、緯
入れ期間中で、主軸回転角210°から290°までの
緯入れ後期の期間において、緯糸2の緯入れ速度は、回
転ローラ13、14の間での挟持により、回転ローラ1
3、14の一定の周速度まで減速され、回転ローラ1
3、14の回転数に規制されて、緯糸挟持を終了するま
で、所定の低い一定の飛走速度に保たれる。
【0028】緯入れ前期において、主軸回転角70°か
ら210°までの期間で、緯糸2の高い緯入れ速度は、
緯糸2のいわゆる自由飛走によるものであり、糸ブレー
キや一対の回転ローラ13、14の挟持などによって拘
束されず、緯入れノズル9から噴射された緯入れ流体、
図示しない緯入れサブノズルなどの搬送流体や、これら
の流体の慣性力の作用を受けての飛走である。これに対
して、緯入れ後期において、緯糸2の低い緯入れ速度
は、回転ローラ13、14の周速度に規制されて一定に
保たれる。
【0029】既述の通り、緯入れ期間は、緯入れ開始か
ら緯糸係止部材7による緯入れ停止までの期間、つまり
主軸回転角70°から290°までの期間であるが、こ
の期間に、緯糸2の緯入れ速度は、高い速度から低い速
度へと変化する。緯入れ期間における平均緯入れ速度
は、それをV〔m/min〕、緯糸2の緯入れ長さをL
〔cm〕、織機(織機主軸23)の回転数A〔rp
m〕、緯入れ期間θ〔°〕とすれば、V〔m/min〕
=(360×L×A)/(100×θ)となる。
【0030】No.1とNo.2の各緯糸2の選択時に
おいて、一対の回転ローラ13、14の周速度は、それ
ぞれ平均緯入れ速度Vの55%および70%であり、そ
の周速度の切り換えは、図3によると、織成サイクルの
主軸回転角0°で行われている。なお、図3で、二点鎖
線の平均緯入れ速度、緯入れ後期の緯入れ速度、および
二点鎖線の張力は、No.2のNo.1よりも過大張力
に耐える緯糸2の選択時のものを示している。
【0031】飛走中の緯糸2には、回転ローラ13、1
4間での挟持開始時の急激な減速による瞬間的な張力、
および緯糸係止部材7による緯入れ停止時に急激な減速
による瞬間的な高い張力(ピーク張力)が加わる。しか
し、これらの両者の瞬間的な高い張力は、従来例つまり
緯糸挟持動作が行われない場合よりも減速の程度が小さ
いため共に低い。したがって、緯糸2が過大張力とな
り、緯糸2の切断、一部の繊維の切断(毛羽の発生)に
よる織物品質の低下を招くことはない。
【0032】一対の回転ローラ13、14による緯糸挟
持期間中に、緯糸2の緯入れ速度が一定速度に維持され
て送り出されるため、飛走する緯糸2の長さが長く、安
定した飛走が困難な緯入れ後期においても、安定した一
定速度の飛走が可能となり、緯糸挟持期間終了後は、自
由飛走し、制動具合にばきらつきある糸ブレーキなどに
より摩擦制動されることがないので、反給糸側織布端へ
の到達タイミングのばらつきのない、安定した緯入れが
可能となる。
【0033】緯糸2が回転ローラ13、14間で挟持さ
れ、回転ローラ13、14の回転により送り出される。
したがって、緯糸2と回転ローラ13、14との間で
は、滑りが発生せず、糸ブレーキなどの摩擦制動のよう
な、緯糸2が押し付けられた状態で部材を滑ることによ
る緯糸2の損傷も発生しない。
【0034】緯入れ後期の期間において、回転ローラ1
3、14の周速度は、稼動条件により設定されるが、平
均緯入れ速度の15%〜75%の周速度で一定とされ
る。稼動条件としては、緯糸種、織機回転数、織布幅が
あり、平均緯入れ速度の15%〜75%とすることによ
り、稼動条件に最適な制動具合や、平均緯入れ速度Vに
設定できる。稼動条件に最適な制動具合は、挟持開始時
のピーク張力と、係止部材7による係止時のピーク張力
との両張力の大きさの程度であり、回転ローラ13、1
4の周速度をより低くして減速の程度をより大きくし、
前者をより高くすれば、係止時の減速の程度がより小さ
くなり、後者はより低くなる。平均緯入れ速度Vは、回
転ローラ13、14の周速度を低くすれば、反緯入れ側
織布端への到達タイミングが遅くなって低下し、程度に
よっては、織機回転数を下げざるをえない。
【0035】ちなみに、図4は、従来の技術において、
織機主軸の回転角(経過時間)に対する緯糸の緯入れ速
度、飛走中の緯糸に加わる張力の関係のグラフである。
緯糸の緯入れ速度は、緯入れ期間中、一定でほとんど変
化しない。また、緯糸に加わる張力は、緯糸係止部材に
より係止されるとき、急激に高い値になっている。この
高い張力値は、本発明のそれの2倍ほど高くなってい
る。
【0036】つぎに、図5は、本発明の流体噴射式織機
の緯入れ装置1において、横軸を(一対の回転ローラ1
3、14の周速度/平均緯入れ速度)%とし、縦軸を1
00万ピック当たりの緯糸切れ回数の関係のグラフを示
している。図4のAは、ポリエステル75d−36fの
加工糸の緯糸・織機回転数900rpm・通し幅(織り
幅)180cmのグラフ、図4のBは、ポリエステル5
0d−36fの加工糸の緯糸・織機回転数900rpm
・通し幅(織り幅)180cmのグラフ、図4のCは、
綿50番手の緯糸・織機回転数700rpm・通し幅
(織り幅)200cmのグラフである。
【0037】図5のA、B、Cのいずれの稼働条件で
も、一対の回転ローラ13、14の周速度を15%〜7
5%の範囲とすれば、緯糸切れ回数は、低く抑えられ
る。しかし、その15%〜75%の範囲外の周速度で
は、稼働条件に対して最適な周速度に設定しても、いず
れかのピーク張力が過張力となり、緯糸の許容張力を越
え、緯糸切れ回数は、次第に増大する。したがって、一
対の回転ローラ13、14の周速度が緯入れ速度の15
%〜75%の範囲であれば、緯糸切れ回数は、低く抑え
られる。
【0038】一般に、緯糸係止部材7が係止動作により
緯糸2を減速ないし停止させるときに、緯糸2は、ピー
ク張力が加わった状態で緯糸係止部材7を滑るため、緯
糸2は、摩擦により損傷を受け糸切れとなる。これに対
し、一対の回転ローラ13、14による減速ないし停止
は、緯糸2と回転ローラ13、14の外周面との間で滑
りがないので、同じ減速量でも緯糸を損傷しない。
【0039】図示の例のように、複数の緯入れノズル9
を有する多色織機であり、少なくとも2つの緯糸2に対
応する一対の回転ローラ13、14が異なる周速度に設
定されていると、各緯入れノズル9の緯糸種に応じた最
適な制動具合を得ることができる。
【0040】なお、多色織機でない場合、カム機構を介
して織機主軸23の回転により、トラバースレバー16
を揺動させ、緯糸挟持と緯糸非挟持の動作を行ってもよ
い。挟持切り換え装置12が一対の回転ローラ13、1
4に緯糸挟持動作を行わせる期間(緯糸挟持期間)の開
始と終了の時期としては、織機主軸23が所定の主軸回
転角になった時期、緯糸2が所定長さに緯入れされた時
期(この時期は、緯糸測長貯留装置4の解舒センサー2
5や、緯糸2の飛走経路に設けられたセンサーにより検
出される。終了の時期は、センサーによってもよいし、
開始時期から所定の時間経過後や回転角度進行後でもよ
い。)、さらに緯入れ開始からそれぞれの所定時間経過
後の時期として、設定することもできる。
【0041】つぎに、図6の挟持切り換え装置12は、
多色緯入れの織機で、一対の回転ローラ13、14のう
ち駆動側の回転ローラ13の位置を固定し、支軸28に
より支えられているレバー29およびこれを操作する電
磁式のプランジャ30により従動側の回転ローラ14を
回転ローラ13に対して接離可能として支持し、回転ロ
ーラ13に回転ローラ14を移動させて互いに圧接さ
せ、それらの間を走行する緯糸2を挟持する。なお、電
磁式のプランジャ30は、電動式または流体圧式のアク
チュエータにより駆動するもので置き代えることもでき
る。なお、多色織機でない場合、カム機構を介して織機
主軸23の回転により、従動側の回転ローラ14を揺動
させ、緯糸2の挟持と非挟持との動作を行ってもよい。
【0042】また、図7は、回転ローラ13の他の駆動
手段を例示している。図7で、回転数設定装置31は、
ギヤ式、チェーン式、ベルト式あるいはコーン式など無
段変速機または組み合わせ式の変速機により構成されて
おり、織機主軸23の回転を適切な回転数に変換して、
回転ローラ13を駆動する。
【0043】また、図1、図6および図7の例は、いず
れも緯糸測長貯留装置4を固定ドラム式のものとして構
成しているが、この緯糸測長貯留装置4は、測長ローラ
と貯留用空気プールとの組み合わせからなる空気プール
式の装置であってもよい。空気プール式の緯糸測長貯留
装置で、緯糸2は、緯入れ初期に自由飛走であるが、そ
のあと測長ローラの周速度で拘束飛走の状態となり、最
終的に緯糸係止部材としてのクランパなどによって係止
される。この空気プール式の緯糸測長貯留装置4でも、
緯糸がクランパなどによって係止されるときに、糸速度
が急速に減速されるため、糸切れなどが発生しやすい。
したがって、このような形式の測量貯留装置にも本発明
の装置は有効である。
【0044】
【発明の効果】請求項1によれば、回転ローラの緯糸挟
持期間中、緯入れ速度が一定の速度に維持されて送り出
されるため、緯糸の長さが長く、安定した緯糸の飛走が
困難な緯入れ後期においても、一定速度の安定した飛走
が可能となり、緯糸挟持期間終了後は、自由飛走し、制
動具合にばらつきがある糸ブレーキなどにより摩擦制動
されることがないので、反給糸側繊布端への到達タイミ
ングのばらつきのない安定した緯入れが可能となる。
【0045】緯糸が回転ローラ間で挟持され、回転ロー
ラの回転により送り出される。したがって、緯糸と回転
ローラでは滑りが発生せず、糸ブレーキ等の摩擦制動の
ような、緯糸が押し付けられた状態で部材を滑ることに
よる緯糸の損傷が発生しなくなる。
【0046】経糸開口中を飛走する緯糸の速度は回転ロ
ーラ間での挟持により、回転ローラの一定の周速まで減
速され、緯糸挟持を終了するまで定速に維持される。こ
れによって、飛走中の緯糸には、回転ローラ間での挟持
開始時と緯糸係止部材による緯入れ停止時に、それぞれ
急激な減速による瞬間的な張力(ピーク張力)が加わ
る。しかし、両張力は、従来の緯糸挟持動作が行われな
い場合よりも減速の程度が小さいため共に低い。よっ
て、緯糸が過大張力となり、緯糸の切断、一部の繊維の
切断(毛羽の発生)による織物品質の低下を招くことは
ない。
【0047】請求項2によれば、前記所定の期間中の回
転ローラの周速度を稼動条件によって設定し、平均緯入
れ速度の15%〜75%の周速度で一定に回転させてい
るから、稼動条件に最適な制動具合や平均緯入れ速度が
設定でき、緯糸のピーク張力が過張力とならず、緯糸切
れが少なくなり、また、緯糸係止部材の係止動作による
減速(停止)には、緯糸にピーク張力が加わった状態
で、緯糸が緯糸係止部材を滑るため、緯糸は摩擦により
損傷を受け糸切れとなりやすいが、回転ローラによる緯
糸の減速は、滑りがないので、同じ減速量でも緯糸を損
傷しない。
【0048】請求項3によれば、複数の緯入れノズルを
有する多色織機であり、少なくとも2つの回転ローラ
は、異なる前記周速に設定されるので、各緯入れノズル
の緯糸種に応じた最適な制動具合を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流体噴射式織機の緯入れ装置の主
要部の側面図である。
【図2】本発明による流体噴射式織機の緯入れ装置にお
いて、要部の緯糸定速送り出し装置(挟持切り換え装置
および一対の回転ローラ)の正面図である。
【図3】本発明による流体噴射式織機の緯入れ装置にお
いて、緯糸の解除巻き数または織機主軸の回転角(経過
時間)に対する緯糸係止部材の解除動作・係止動作、ト
ラバースレバーの動作(一対の回転ローラによる緯糸2
の挟持・非挟持)、緯入れノズルの緯入れ流体の噴射、
緯糸の緯入れ速度、飛走中の緯糸に加わる張力、および
モータの回転数(回転速度)の関係のグラフである。
【図4】従来の技術において、織機主軸の回転角(経過
時間)に対する緯糸の緯入れ速度、飛走中の緯糸に加わ
る張力の関係のグラフである。
【図5】(一対の回転ローラの周速度/平均緯入れ速
度)%に対する100万ピック当たりの緯糸切れ回数の
関係のグラフである。
【図6】本発明による流体噴射式織機の緯入れ装置にお
いて、他の緯糸定速送り出し装置(挟持切り換え装置お
よび一対の回転ローラ)の側面図である。
【図7】本発明による流体噴射式織機の緯入れ装置にお
いて、他の緯糸定速送り出し装置(挟持切り換え装置お
よび一対の回転ローラ)の側面図である。
【符号の説明】
1 流体噴射式織機の緯入れ装置 2 緯糸 3 給糸体 4 緯糸測長貯留装置 5 回転ヤーンガイド 6 ドラム 7 緯糸係止部材 8 操作器 9 緯入れノズル 10 経糸 11 開口 12 挟持切り換え装置 13 回転ローラ 14 回転ローラ 15 緯糸定速送り出し装置 16 トラバースレバー 16a 糸ガイド 17 アクチエータ 17a 回転軸 18 モータ 19 糸ガイド 20 スプリング 21 主制御装置 22 歯車 23 織機主軸 24 回転検出器 25 解舒センサー 26 インバータ 27 緯糸選択制御装置 28 支軸 29 レバー 30 プランジャ 31 回転数設定装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緯糸を測長しながら貯留する緯糸測長貯
    留装置と、緯入れ流体の噴射により緯糸を経糸開口中に
    緯入れする緯入れノズルと、緯入れ中の緯糸に対する係
    止動作により緯糸の緯入れを停止する緯糸係止部材とを
    有する流体噴射式織機の緯入れ装置において、 緯糸測長貯留装置と緯入れノズルとの間に、挟持切り換
    え装置および一対の回転ローラからなる緯糸定速送り出
    し装置を設けてなり、 挟持切り換え装置は、緯入れ後期で緯糸が緯糸係止部材
    により係止される前の所定の期間にのみ、一対の回転ロ
    ーラにローラ間で緯糸の挟持動作を行わせ、 一対の回転ローラは、緯糸測長貯留装置と緯入れノズル
    との間に互いに圧接可能に設けられ、少なくとも前記所
    定の期間中に、緯入れ期間中の平均緯入れ速度よりも低
    い一定の周速度で回転し、挟持している緯糸を送り出
    し、 緯糸は、前記所定の期間の終了後から緯糸係止部材によ
    り係止されるまでの期間で自由飛走して緯入されること
    を特徴とする流体噴射式織機の緯入れ装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の期間中の回転ローラの周速度
    を稼動条件により設定し、緯入れ期間中の平均緯入れ速
    度の15%〜75%の周速度で一定に回転させることを
    特徴とする請求項1記載の流体噴射式織機の緯入れ装
    置。
  3. 【請求項3】 複数の緯入れノズルを有する多色織機で
    あり、少なくとも2つの回転ローラは、緯糸種に応じて
    異なる前記周速度に設定されることを特徴とする請求項
    1記載の流体噴射式織機の緯入れ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102560835A (zh) * 2012-03-12 2012-07-11 天津海天长丰科技开发有限公司 织机自动放纬、喂纬装置

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