JP2003112116A - 自動車車体の製造方法 - Google Patents

自動車車体の製造方法

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JP2003112116A
JP2003112116A JP2001305974A JP2001305974A JP2003112116A JP 2003112116 A JP2003112116 A JP 2003112116A JP 2001305974 A JP2001305974 A JP 2001305974A JP 2001305974 A JP2001305974 A JP 2001305974A JP 2003112116 A JP2003112116 A JP 2003112116A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車車体の組み立てラインにおいて、アルミ
ウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板を用い、これを裁断成型
して自動車車体の部品とし、それを組み立てて自動車車
体とする自動車車体の製造方法に関し、特に自動車車体
の組み立てラインにおける低VOC化を主たる目的とし
ている。 【構成】アルミウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板(A)を
裁断、成型して自動車車体部品(B)を形成せしめ、必
要に応じてこの部品における金属露出部分を電着塗料
(C)の塗装により被覆してから、該部品(B)の少な
くとも外側表面に着色プラスチックフィルム(D)及び
クリヤプラスチックフィルム(E)を貼着してなる被覆
自動車部品(F)を用いて自動車車体を組み立てること
を特徴とする自動車車体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車車体の組み立て
ラインにおいて、アルミウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板
を用い、これを裁断成型して自動車車体の部品とし、そ
れを組み立てて自動車車体とする自動車車体の製造方法
に関し、特に自動車車体の組み立てラインにおける低V
OC化を主たる目的としている。
【0002】
【従来の技術とその課題】乗用車や軽自動車などの自動
車車体において、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装
着されていない主として板金で構成されている部分はシ
ェルボデ−と称されている。このシェルボデ−は、通
常、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、ア
ッパバック、ロアバックなどから構成されるメインボデ
−と、フ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、
カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの
外蓋物とから構成されている。
【0003】従来、これらのメインボデ−及び外蓋物を
形成するために、裸の無塗装の金属板をそれぞれの構成
部品の大きさや形状に適合するように裁断、成型し、こ
れらを組み立ててシェルボデ−とし、これをカチオン電
着塗料浴に浸漬して、金属板の表面、裏面、端面部など
に電着塗装して下塗塗膜を形成している。そして、これ
らの外側に位置する表面には中塗り塗料及び上塗り塗料
などが塗装されている。
【0004】しかしながら、最近、自動車車体の組み立
て製造ラインにおけるVOC(揮発性有機化合物)の使
用量の削減が、塗装ラインでの省工程、省エネルギ−、
CO2削減と共に強く望まれている。しかも、総合塗膜
の耐チッピング性、防食性、意匠性、仕上り外観などの
さらなる向上も要求されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、自動車車
体の組み立て製造ラインにおける上記の課題を解決すべ
く検討を重ねた。その結果、今回、アルミウム板又は熔
融亜鉛メッキ鋼板を自動車車体の組み立て製造ラインに
おいて裁断、成型して自動車車体の部品を形成せしめ、
さらに自動車車体に組み立てることにより、上記問題が
一挙に解決できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】かくして、本発明によれば、アルミウム板
又は熔融亜鉛メッキ鋼板(A)を裁断、成型して自動車
車体部品(B)を形成せしめ、必要に応じてこの部品に
おける金属露出部分を電着塗料(C)の塗装により被覆
してから、該部品(B)の少なくとも外側表面に着色プ
ラスチックフィルム(D)及びプラスチッククリヤフィ
ルム(E)を貼着してなる被覆自動車部品(F)を用い
て自動車車体を組み立てることを特徴とする自動車車体
の製造方法(以下、「本方法」という)が提供される。
【0007】本方法において、上記の自動車車体部品
(B)の少なくとも外側表面に、着色プラスチックフィ
ルム(D)の貼着に先立って、中塗り塗料(G)を予め
塗装することを含む自動車車体の製造方法も包含してい
る。
【0008】さらに、本方法は、自動車車体部品(B)
の少なくとも外側表面に着色プラスチックフィルム
(D)及びプラスチッククリヤフィルム(E)を貼着
し、さらに外側表面のプラスチッククリヤフィルム
(E)面に、塗装時の固形分含有率が80重量%以上の
高固形分型塗料(H)を塗装してなる被覆自動車部品
(F1)を使用して自動車車体を組み立てることを含む
自動車車体の製造方法も包含している。
【0009】さらに、本方法は、プラスチッククリヤフ
ィルム(E)の貼着に代えて、塗装時の固形分含有率が
80重量%以上の高固形分型塗料(H)を塗装してなる
被覆自動車部品(F2)を用いて自動車車体を組み立て
ることを含む自動車車体の製造方法も包含している。
【0010】以下に、本方法について詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の態様】本方法は、主として乗用車及び軽
自動車に適用しうるが、トラック、バス、オ−トバイな
どの自動車車体の製造にも同様にして適用することがで
きる。
【0012】アルミウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板
(A)は、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装着され
ていない主として板金で構成されている部分に使用され
るものであり、アルミニウム及びアルミニウム含有合
金、さらに、鉄、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅
及びこれらの金属を含有する合金から選ばれた金属から
なる鋼板の表面を亜鉛、亜鉛/ニッケルなどでメッキし
た金属板などがあげられ、これらは防錆性などがすぐれ
ているの特に好適である。これらの金属板は、コイル状
又は切り板状としたものを適用することができる。厚さ
は0.1〜2mm、特に0.3〜1mmの範囲内が適し
ている。金属板の表面は、電着塗膜、中塗り塗料、着色
プラスチックフィルムなどとの付着性や防食性などを向
上させるために、研磨処理、脱脂処理、りん酸塩処理な
どを適宜行っておくことが好ましい。
【0013】本方法では、アルミウム板又は熔融亜鉛メ
ッキ鋼板(A)から選ばれた1種以上を裁断、成型し、
さらに必要に応じて接合して自動車車体部品(B)を形
成する。
【0014】ここで、「自動車車体」とは、エンジンや
足まわりなどのぎ装品が装着されていない主として板金
で構成されている部分、すなわちシェルボデ−のことで
ある。シェルボデ−は、通常、アンダボデ−、サイドメ
ンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなど
から構成されるメインボデ−と、フ−ド、フロントバラ
ンス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ
−ジ(バックドア)などの外蓋物とから構成されてい
る。アンダボデ−は乗員室(キャビン)及び荷物室など
の床部を指し、フロントアンダボデ−、フロントフロ
ア、リアフロアなどを総称するものである。サイドメン
バ−は、フロントボデ−、ル−フパネル、アンダボデ−
などと結合し客室側面を形成し、車両の曲げや捩じれを
防ぐものである。カウルは左右前後のピラ−をつなぐパ
ネルである。アッパバックは車体後部の左右のクウォ−
タパネル(リアフェンダ)をつなぎ、車体外面を形成す
るパネルである。また、自動車車体部品(B)とは、メ
インボデ−及び外蓋物を構成する上記のパーツ又はこの
パーツを構成する単位部品などのことである。
【0015】本方法では、アルミウム板又は熔融亜鉛メ
ッキ鋼板(A)を目的とする形状、大きさに裁断し、プ
レス加工機などにより加圧成型し、必要に応じてそれら
を接着剤、溶接やボルト締めなどにより接合して自動車
車体部品(B)を形成する。これらの裁断、成型及び接
合はそれ自体既知の方法により行うことができる。
【0016】自動車車体部品(B)の表裏両面及び裁断
部の端面部は金属面が露出しており、これらの金属露出
部分から錆が発生することがあるので、必要に応じて、
電着塗料(C)を塗装してその金属露出部分を電着塗膜
により被覆しておくことが好ましい。
【0017】電着塗料(C)としてはアニオン型及びカ
チオン型のいずれでもよいが、一般的にには、防食性が
すぐれているカチオン型電着塗料を使用することが好ま
しい。
【0018】カチオン電着塗料としては既知のものを使
用することができ、例えば、水酸基及びカチオン性基を
有する基体樹脂及びブロックポリイソシアネ−ト化合物
を架橋剤として含有する水性塗料があげられる。
【0019】基体樹脂として、ポリフェノ−ル化合物と
エピクロルヒドリンとの反応により得られるポリグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂にカチオン化剤を反応せし
めた樹脂が、防食性のすぐれた塗膜を形成するので特に
好ましい。このエポキシ樹脂としては、数平均分子量が
200以上、好ましくは800〜2000、エポキシ当
量が190〜2000、好ましくは400〜1000の
範囲内にあるものが特に適している。ポリフェノ−ル化
合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,2−プロパン、4,4´−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチ
ル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロ
キシブチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テ
トラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エ
タン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、
4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノ−
ルノボラック、クレゾ−ルノボラックなどがあげられ
る。エポキシ樹脂中のエポキシ基の殆どもしくはすべて
に、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリア
ミンなどのアミン化合物を反応し、さらにギ酸、酢酸、
グリコ−ル酸、乳酸などの水溶性有機カルボン酸を反応
して中和することにより、水酸基含有カチオン樹脂(基
体樹脂)を得ることができる。
【0020】基体樹脂の水酸基は、カチオン化剤中のア
ルカノ−ルアミンとの反応、エポキシ樹脂中に導入され
ることがあるカプロラクトンとの開環反応やポリオ−ル
との反応などにより導入される第1級水酸基、エポキシ
樹脂中の2級水酸基などがあげられ、水酸基量は、水酸
基当量で20〜5000、特に100〜1000mgK
OH/gの範囲内にあることが好ましく、カチオン性基
の量は、基体樹脂を水中に安定に分散するために、KO
H(mg/g固形分)(アミン価)換算で一般に3〜2
00、特に10〜80の範囲内にあることが好ましい。
基体樹脂は遊離のエポキシ基は有していないことが望ま
しい。
【0021】架橋剤としてのブロックポリイソシアネ−
ト化合物は、ポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−
ト基の実質的にすべてを揮発性のブロック剤で封鎖され
ているものであり、所定温度以上に加熱するとこのブロ
ック剤が解離してイソシアネ−ト基が再生して、基体樹
脂との架橋反応に関与する。ポリイソシアネ−ト化合物
は1分子中に遊離のイソシアネ−ト基2個以上有する化
合物であり、既知の脂肪族ジイソシアネ−ト、脂環族ジ
イソシアネ−ト、芳香族ジイソシアネ−ト、これらのウ
レタン化付加物、ビユ−レットタイプ付加物、イソシア
ヌル環タイプ付加物等があげられる。ブロック剤として
は、フェノ−ル系、アルコ−ル系、活性メチレン系、メ
ルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミ
ダゾ−ル系、尿素系、カルバミン酸系、イミン系、オキ
シム系、亜硫酸系、ラクタム系などの既知のブロック剤
が使用できる。
【0022】基体樹脂とブロックポリイソシアネ−ト化
合物との比率は、両成分の合計固形分重量に基づいて、
前者は40〜90%、後者は60〜10%の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0023】カチオン電着塗料は、基体樹脂中のカチオ
ン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸性化合物で
中和してから、ブロックポリイソシアネ−ト化合物と共
に水に混合することにより調製することができ、塗装時
のpHは一般に3〜9、特に5〜7、固形分濃度は5〜
30重量%の範囲内が適している。さらに必要に応じ
て、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、ストロンチウム、
鉛、ジルコニウム、モリブデン、錫、アンチモン、ラン
タン、タングステン、ビスマス等から選ばれた金属の水
酸化物、酸化物、有機酸塩、無機酸塩のような防錆性を
有する硬化触媒、各種顔料、沈降防止剤などを配合する
ことができる。
【0024】アルミウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板
(A)を目的とする形状、大きさに裁断し、プレス加工
機などにより加圧成型し、必要に応じてそれらを接着
剤、溶接やボルト締めなどにより接合して製造した自動
車車体部品(B)を、カチオン電着塗料(C)の浴中に
浸漬し、該部品(B)をカソ−ドとし、浴温20〜35
℃、電圧100〜400V、通電時間1〜10分で電着
塗装することにより、該部品(B)の表面に電着塗膜を
析出せしめることができる。電着塗膜の膜厚は硬化塗膜
を基準に10〜40μm程度が好ましい。塗装後、電着
塗料浴から自動車車体部品(B)を引上げ、適宜水洗し
た後、100〜200℃に加熱して電着塗膜を硬化させ
ることにより、電着塗膜で被覆された自動車車体部品
(B)を得ることができる。
【0025】本方法において、このようにして調製され
た自動車車体部品(B)の外側に位置する表面に中塗り
塗料(G)を塗装することは、総合塗膜の平滑性を向上
させることができるのでより好ましいが、必須要件では
ない。中塗り塗料(G)としては既知のものが適用でき
るが、このうち、水性中塗り塗料、粉体中塗り塗料など
を使用するすると低VOC、省資源、公害防止などの観
点から好ましい。
【0026】水性中塗り塗料としては、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれた1種
又は2種以上の基体樹脂とメラミン樹脂、ブロックポリ
イソシアネート樹脂などから選ばれた架橋剤を主成分す
る熱硬化性塗料が好適に使用できる。また、粉体中塗り
塗料としては、グリシジル基を有するポリエステル樹脂
又はアクリル樹脂とカルボキシル基含有化合物とを含有
する熱硬化性塗料が好適である。中塗り塗料には着色顔
料、体質顔料などを適宜含有させることができる。
【0027】中塗り塗料(G)は、自動車車体部品
(B)の外側に位置する表面に塗装することが好ましい
が、内面側に塗装しても差し支えない。塗装はエアスプ
レー、エアレススプレー、静電塗装などにより行なうこ
とができ、膜厚は硬化塗膜を基準に、5〜200μm、
特に15〜150μmの範囲が適しており、その塗膜は
100〜200℃で10〜40分程度加熱することによ
り硬化させることができる。
【0028】本方法は、自動車車体部品(B)に、必要
に応じて端面部に電着塗料(C)、外側表面に中塗り塗
料(G)を塗装してから、その外面に位置する表面に上
塗り塗膜の相当する着色プラスチックフィルム(D)を
貼着する。
【0029】着色プラスチックフィルム(D)の材質と
しては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの
ポリオレフィン樹脂、ポリエテレンテレフタレ−ト(P
ET)などのポリエステル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹
脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素含有樹脂、
ポリビニルアセタ−ル樹脂、ナイロン、ポリアミド樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエ−テル樹脂、セルロ−スアセテ−トなどの熱
可塑性樹脂をあげることができる。
【0030】プラスチックフィルム(D)は、これらの
素材を、例えば、押出成型、射出成型、カレンダ−成
型、圧縮成型などにより、フィルム状に成型することに
よって調製することができ、その厚さは、通常、1〜1
00μm、特に5〜50μmの範囲内が適しており、こ
のものは、自動車車体部品(B)に貼着する前又は貼着
後に、その表面をコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎
処理などの処理をしておくことが可能である。着色プラ
スチックフィルム(D)はソリッドカラ−顔料、メタリ
ック顔料、光干渉顔料から選ばれた1種以上の着色顔料
により、ソリッドカラ−調、メタリック調、光干渉調に
着色されている。
【0031】又は、着色プラスチックフィルム(D)に
あらかじめ模様を付しておき、それを用いて自動車車体
部品(B)に貼着することが好ましい。模様とは、自動
車車体の外側部分に意匠性、美観性、独自性、識別性な
どを付与するものであれば何等制限されず、例えば、有
彩色及び/又は無彩色で、文字、変形文字、マ−ク、記
号、イラストレ−ション、絵、図柄及びこれらを組合わ
たものなどがあげられる。これらは単色、混色、複合
色、グラデ−ション、濃淡のいずれでも可能である。こ
れらの模様は、プラスチックフィルム(D)の表面及び
/又は裏面に形成せしめることができる。
【0032】プラスチックフィルム(D)への模様の付
与は、印刷用インキによる印刷、又は着色塗料を塗装す
ることなどによって行なうことができる。印刷用インキ
及び塗料としては、既知のものを使用することができ
る。これらは、一般に、色料(顔料、染料)、樹脂(又
は油脂)及び溶剤、さらに必要に応じて可塑剤、添加剤
(ろう、ドライヤ、分散剤、湿潤剤、乳化剤、皮張り防
止剤、安定剤)などから構成されている。色料として、
例えば、酸化チタン、カ−ボンブラック、アルミニウム
粉、ブロンズ粉などの無機系顔料;ジスアゾイエロ−、
ブリリアントカ−ミン、レ−キレッド、フタロシアニン
ブル−、メチルバイオレットレ−キなどの有機系顔料;
蛍光顔料;エオシン、ビクトリアブル−、ニグロシン、
ディスパ−スレッドなどの染料(酸性染料、塩基性染
料、油溶性染料、分散染料)などがあげられる。樹脂と
して、例えば、ロジン変性フェノ−ル樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、ケトン樹脂、塩化ビニル系樹脂、ブチラ
−ル樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、塩素化ポリプロ
ピレン、アクリル樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油
樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレン樹脂、ニトロセルロ−
ス、エチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、
ゴム系樹脂などがあげられる。溶剤としては有機溶剤や
水などが使用できる。
【0033】これらの印刷用インキ及び塗料として、蒸
発乾燥型、反応硬化型、酸化重合型、熱硬化型、1液硬
化型、多液硬化型、紫外線硬化型、ソリッドカラ−塗膜
形成型、メタリック塗膜形成型、光干渉塗膜形成型、有
色不透明塗膜形成型、有色透明塗膜形成型などから選ば
れるものが好適である。
【0034】プラスチックフィルム(D)への印刷用イ
ンキの印刷は既知の方法により行うことができる。印刷
するための版としては凸版、平版、凹版、孔版などが使
用でき、印刷方式として、平版印刷、凸版印刷、凹版印
刷、スクリ−ン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オ
フセット印刷、電子写真法、熱転写法、インクジェット
法、マグネトグラフィ−、電子プリンタ−、じか刷り、
ダイリソ、ディップス、デルファイ、両面印刷などがあ
る。さらに、ハ−フト−ン印刷、写真印刷、多重印刷な
どにより、立体感、高級感のある模様に印刷することも
可能である。また、プラスチックフィルム(D)に塗料
を塗布して模様を形成する方法は、例えば、上記の印刷
方法に加え、はけ塗り、スプレ−塗装、エアレス塗装、
静電塗装などによっても行なうことができる。
【0035】プラスチックフィルム(D)への印刷及び
塗装は、該フィルムの表面及び/又は裏面に行なうこと
ができる。裏面(金属板側)に印刷又は塗装した系で
は、プラスチックフィルム(D)を透して模様を見るの
で、無色透明もしくは有色透明のプラスチックフィルム
(D)を使用することが好ましい。
【0036】自動車車体部品(B)への着色プラスチッ
クフィルム(D)の貼着は、それ自体既知の方法によっ
て行なうことができ、例えば、加圧ロ−ルで、自動車部
品にプラスチックフィルムを圧着しながら行うことがで
きる。この工程で、自動車車体部品(B)及び/又は着
色プラスチックフィルム(D)を50℃以上、好ましく
は80〜200℃に加熱しておくことが好ましい。プラ
スチックフィルム(D)の貼着は、少なくとも、自動車
車体部品(B)の外側に位置する表面に行われるが、自
動車部品の両面をプラスチックフィルム(D)で被覆す
ることも可能である。
【0037】自動車車体部品(B)と着色プラスチック
フィルム(D)との接着性を向上させるために、この両
者又はいずれかの表面の所定部分に、接着剤を塗布して
おくことが好ましい。かかる接着剤としては、例えば、
ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂、レゾ−ル型エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、アミノプラスト樹脂、ポリエステル
樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂などから選ば
れた1又は2種以上の樹脂を含む熱硬化性又は熱可塑性
の接着剤などがあげられる。さらに、2,4,6−トリ
メルカプト−S−トリアジン、2−ジブチルアミノ−
4,6−ジメメルカプト−S−トリアジン、2,4,6
−トリメルカプト−S−トリアジン−モノソヂウムソル
ト、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン−ト
リソヂウムソルトなどのトリアジンチオ−ル系化合物も
接着剤として使用することができる。
【0038】自動車車体部品(B)に貼着した着色プラ
スチックフィルム(D)の表面に、無色透明又は有色透
明のプラスチッククリヤフィルム(E)をさらに貼着す
ることも可能である。このことにより、仕上り外観を一
層向上させることができる。
【0039】プラスチッククリヤフィルム(E)として
は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン樹脂、ポリエテレンテレフタレ−ト(PE
T)などのポリエステル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、
ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素含有樹脂、ポリ
ビニルアセタ−ル樹脂、ナイロン、ポリアミド樹脂、ポ
リスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエ−テル樹脂、セルロ−スアセテ−トなどから選ばれ
た耐候性などのすぐれた熱可塑性樹脂をあげることがで
きる。プラスチッククリヤフィルム(E)は無色透明又
は有色透明であるが、ソリッドカラー顔料、メタリック
顔料、光干渉顔料などにより、透明感を阻害しない程度
に着色されていると、美感製が一層向上するのでより好
ましい。
【0040】プラスチッククリヤフィルム(E)は、こ
れらの素材を、押出成型、射出成型、カレンダ−成型、
圧縮成型などにより、フィルム状に成型することによっ
て調製することができ、その厚さは、通常、1〜200
μm、特に20〜100μmの範囲内が適している。プ
ラスチックフィルム(E)は、プラスチックフィルム
(D)の表面に貼着する前又は貼着後に、その表面をコ
ロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの処理をし
ておくことが可能である。
【0041】自動車車体部品(B)に貼着したプラスチ
ックフィルム(D)の表面へのプラスチックフィルム
(E)の貼着は、それ自体既知の方法によって行なうこ
とができ、例えば、加圧ロ−ルで、プラスチックフィル
ム(D)面にプラスチックフィルム(E)を圧着しなが
ら行うことができる。この工程で、プラスチックフィル
ム(D)及び/又はプラスチックフィルム(E)を50
℃以上、好ましくは80〜200℃に加熱しておくこと
が好ましい。プラスチックフィルム(E)の貼着は、少
なくとも、車体の外板部の外側に位置する部分に行われ
るが、自動車車体部品(B)の両面をプラスチックフィ
ルム(E)で被覆することも可能である。
【0042】プラスチックフィルム(E)とプラスチッ
クフィルム(D)との接着性を向上させるために、両フ
ィルムのいずれか又は両者の所定部分に,前記した接着
剤をあらかじめ塗布しておくことが好ましい。
【0043】プラスチックフィルム(D)とプラスチッ
クフィルム(E)とをあらかじめ貼着しておき、プラス
チックフィルム(E)が外側になるようにして、自動車
車体部品(B)の外側部分又はさらに裏側部分に貼着す
ることも可能である。
【0044】自動車車体部品(B)の少なくとも外側表
面に着色プラスチックフィルム(D)及びプラスチック
クリヤフィルム(E)を貼着してなる被覆自動車部品
(F)を用いて、これらを組み立てて自動車車体とする
ことにより本方法が達成される。
【0045】被覆自動車部品(F)を用いて、アンダボ
デ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、
ロアバックなどから構成されるメインボデ−、さらにフ
−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル
−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの外蓋物を
製造する。ここで、アンダボデ−は、乗員室(キャビ
ン)および荷物室などの床部を指し、フロントアンダボ
デ−、フロントフロア、リアフロアなどを総称するもの
である。サイドメンバ−は、フロントボデ−、ル−フパ
ネル、アンダボデ−などと結合し客室側面を形成し、車
両の曲げや捩じれを防ぐものである。カウルは左右前後
のピラ−をつなぐパネルである。アッパバックは車体後
部の左右のクウォ−タパネル(リアフェンダ)をつな
ぎ、車体外面を形成するパネルである。
【0046】具体的には、アルミニウム板及び/又は亜
鉛メッキ鋼板(A)を目的とする形状、大きさに裁断
し、プレス加工機などにより成型加工し、必要に応じて
それらを接着剤、溶接、ボルト締めなどにより接合して
なる自動車車体部品(B)の端面部に必要に応じて電着
塗料(C)を塗装して被覆したのち、さらに主として外
側部分に中塗り塗料(G)を塗装してから、少なくとも
外側部分に着色プラスチックフィルム(D)及びプラス
チックフィルム(E)を貼着してなる被覆自動車部品
(F)を用いて、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−
フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどの各部材を
形成し、結合することによりメインボデ−が製造され
る。これらの裁断、成型加工、接合などは既知の方法で
行なえる。このようにして成型されるメインボデ−の少
なくともその外側は、プラスチックフィルム(D)及び
(E)で被覆されている。同様にして、フ−ド、フロン
トバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、
ラッゲ−ジなどの外蓋物も被覆自動車部品(F)を用い
て製造することができる。これらの裁断、成型加工、接
合などはそれ自体既知の方法で行なうことができる。
【0047】被覆自動車部品(F)を使用してメインボ
デ−及び外蓋物からなるシェルボデ−(自動車車体)を
形成することにより、本発明の目的とする自動車車体が
形成される。
【0048】本方法において、着色プラスチックフィル
ム(D)及びプラスチッククリヤフィルム(E)を貼着
してなる被覆自動車部品(F)のプラスチックフィルム
(E)の表面に、高固形分型上塗り塗料(H)を塗装す
ることにより、仕上り外観(平滑性、鮮映性、ツヤ感な
ど)を一層向上させることができる。
【0049】高固形分型上塗り塗料(H)は、塗装時に
おける固形分含有率が80重量%以上、特に85〜98
重量%の液状塗料であり、具体的には、下記に例示する
塗料が好適に使用することができる。
【0050】(H−1):(a)重量平均分子量が10
00以下、水酸基価が200〜800の水酸基含有化合
物及び(b)ポリイソシアネート化合物を含有し、かつ
この両成分の比率がNCO/OHのモル比で0.5/1
〜2.0/1である高固形分塗料組成物であり、このも
のは、塗料粘度が低く、かつ仕上がり外観、塗膜硬度、
耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれた塗膜を形成する。
【0051】(a)成分としては、カルボキシル基含有
化合物とエポキシ基含有化合物との開環エステル化反応
生成物を使用することが好ましく、水酸基はエポキシ基
の開環により生成する水酸基と、他の方法により導入さ
れる水酸基があげられる。(a)成分の重量平均分子量
が1000以下、特に300〜700、水酸基価が20
0〜800、特に300〜600が好ましく、1分子あ
たり2個以上の水酸基を有する。
【0052】カルボキシル基含有化合物は、1分子中に
1個又は2個以上のカルボキシル基を有する化合物であ
り、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘ
キサン酸、オクタン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、ピバル酸、バーサチック酸、
安息香酸などのモノカルボン酸;コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラ
ヒドロフタル酸、フタル酸、ブタントリカルボン酸、ブ
タンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸などのポリ
カルボン酸;グリコール酸、乳酸、りんご酸、クエン
酸、酒石酸、ヒドロキシピバル酸、ジメチロールプロピ
オン酸、ジメチロールブタン酸、グルコン酸などのオキ
シ酸などがあげられ、これらの無水物も適用できる。ま
た、あらかじめこれらの無水物とグリコール類を反応せ
しめたものを利用できる。この具体例としては、トリメ
チロールプロパンとヘキサヒドロ無水フタル酸との反応
物やトリメチロールプロパンと無水コハク酸との反応物
などがあげられる。これらのうち、水酸基及びカルボキ
シル基を併存するオキシ酸や無水物とグリコールとの反
応物を使用することにより、多数の水酸基を導入するこ
とができるので好ましい。
【0053】エポキシ基含有化合物は、1分子中に1個又
は2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、下記の
化合物が例示できる。
【0054】イ)グリシドール。2,3−エポキシ−1
−プロパノールであり、アリルアルコールと安息香酸又
はタングステン酸と過酸化水素の反応により得られる。
【0055】ロ)水酸基含有化合物とエピハロヒドリン
とのエーテル化反応により得られるエポキシ基含有化合
物 水酸基含有化合物として、例えば、フェノール、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック
樹脂、オルソクレゾールノボラック樹脂、これらの臭化
物などの芳香族系水酸基含有化合物;水素化ビスフェノ
ールAなどの脂環族系水酸基含有化合物;メタノール、
エタノールなどの炭素数が1〜20の脂肪族系モノアル
コール;エチレングリコール、プロピレングリコール、
へキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリット、ジペンタエリスリットなどの炭素
数が2〜20の脂肪族系ポリオールなどがあげられる。
エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリンが好適に
使用できる。水酸基含有化合物とエピハロヒドリンとの
エーテル化反応は既知の方法で行うことができる。ロ)
成分に相当する市販品として、長瀬産業社製、「デナコ
ールEX−313」、「デナコールEX−321」、
「デナコールEX−421」、「デナコールEX−61
1」(いずれも商品名)などがあげられる。
【0056】ハ)カルボキシル基含有化合物とエピハロ
ヒドリンとのエステル化反応により得られるエポキシ基
含有化合物。カルボキシル基含有化合物及びエピハロヒ
ドリンとしては、例えば、上記に例示したカルボキシル
基含有化合物及びエピハロヒドリンが好適に使用でき
る。カルボキシル基含有化合物とエピハロヒドリンとの
エステル化反応は既知の方法で行うことができる。かか
るハ)成分に相当する市販品として、「カージュラE1
0」(油化シェルエポキシ社製、商品名)、「グリデッ
クスN10」(エクソン社製、商品名)、「アラルダイ
トPT910」(チバガイギー社製、商品名)などがあ
げられる。
【0057】ニ)不飽和基と過酸化物の反応により得ら
れるエポキシ基含有化合物 該当する市販品として、ダイセル化学社製、「セロキサ
イド2021」、「セロキサイド3000」(いずれも商品名)
などがあげられる。
【0058】(b)成分のポリイソシアネ−ト化合物
は、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネ−ト基(非
ブロック)を有する化合物であり、数平均分子量は、2
000以下、特に200〜1000の範囲内が好まし
い。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイ
ソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ポ
リイソシアネ−ト類;水素添加キシリレンジイソシアネ
−ト、シクロヘキシレンジイソシアネ−ト、メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、イソホロンジイ
ソシアネ−トなどの脂環式ポリイソシアネ−ト類;トリ
レンジイソシアネ−ト、フェニレンジイソシアネ−ト、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリ
レンジイソシアネ−ト、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−トなどの芳香族
ポリイソシアネ−ト類;2−イソシアナトエチル−2,
6−ジイソシアナトカプロエ−ト、3−イソシアナトメ
チル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、4−
イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシ
アネ−ト(通称、トリアミノノナントリイソシアネ−
ト)などの3価以上の有機ポリイソシアネ−ト化合物;
これらの1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有す
るポリイソシアネ−ト化合物の2量体又は3量体;これ
らの1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有するポ
リイソシアネ−ト化合物と多価アルコ−ル、低分子量ポ
リエステル樹脂又は水などとイソシアネ−ト基過剰の条
件でウレタン化反応させてなるプレポリマ−などがあげ
られる。(b)成分おいて、これらの非ブロックのポリ
イソシアネ−ト化合物と共に、イソシアネ−ト基がブロ
ックされたブロックポリイソシアネ−ト化合物を併用す
ることができる。
【0059】ブロックポリイソシアネ−ト化合物は、ポ
リイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基をブロック
剤で封鎖した化合物である。ブロック剤として、例え
ば、フェノ−ル類、オキシム類、ラクタム類、アルコ−
ル類、メルカプタン類、マロン酸ジエチル等の活性メチ
レン化合物などがあげられる。これらのブロックポリイ
ソシアネ−ト化合物の比率は、非ブロックポリイソシア
ネ−ト化合物との合計量を基準に、50重量%以下、特
に30重量%以下の範囲が好ましい。
【0060】上記した(a)成分と(b)成分の比率
は、NCO/OHを基準に、モル比で、0.5/1〜
2.0/1、特に0.7/1〜1.5/1の範囲内が好
ましい。
【0061】高固形分型上塗り塗料(H−1)は、
(a)成分と(b)成分を上記した比率で有機溶剤に配
合し、均一に混合することにより調製することができ
る。
【0062】(H−1)には、これらの(a)及び
(b)成分に加えて、さらに(c)硬化触媒、(d)レ
オロジーコントロール剤などから選ばれた1種又は2種
以上を含有せしめることも可能である。
【0063】(c)成分は、上記の(a)成分と(b)
成分による塗膜の架橋反応を促進するのに有用であり、
具体的には、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチル
ヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサ
ノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリ
オクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛な
どの有機錫化合物をあげることができる。さらに、パラ
トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジ
ノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジス
ルホン酸、ブチルリン酸、オクチルリン酸などの酸、こ
れらの酸のアミン中和物などが好適である。(C)硬化
触媒の使用量は、使用目的により任意に選択できるが、
(a)成分及び(b)成分との合計100重量部あた
り、0.005〜5重量部、特に0.01〜3重量部の
範囲内が適している。
【0064】(d)成分を配合することによって(H−
1)にチキソトロピー性を付与することができ、これに
より、スプレー塗装時などの高剪断応力が加わるような
場合には、十分に粘度が下がって容易にスプレー塗装作
業を行うことができるようになり、一方、被塗面に塗着
してからの低剪断応力が加わるような場合には、見かけ
上の粘度を高くすることが可能となる。その結果、垂直
の被塗面に塗装する場合や、その部分へ塗装後の焼き付
け時においてタレ、ハジキ等の塗膜欠陥の発生を防止す
ることができ、仕上り外観の良好な塗膜を形成できると
いう効果が得られる。このようなレオロジーコントロー
ル剤として、架橋重合体微粒子やポリウレア化合物など
があげられる。
【0065】(d)成分は、上記の(a)及び(b)成
分や有機溶剤などに殆ど又は全く溶解せず、しかも(H
−1)中に安定に分散しうる内部架橋された粒子状重合
体である。
【0066】(d)成分の具体例としては、水性エマル
ジョンないしは水性サスペンジョン重合法又は非水分散
重合方法によって得られる公知の分子内架橋された微粒
子状重合体が使用可能である。このうち水性エマルジョ
ンないしは水性サスペンジョン重合法によって得られる
分子内架橋構造を有する微粒子状重合体は、水の蒸発も
しくは共沸又は重合体(粒子)の沈殿もしくは凝集等
の、物理的ないしは化学的手段によって、固形物の形で
分離せしめることもできるし、あるいは、物理的ないし
は化学的手段を施すに際して、目的とする架橋重合体微
粒子の媒体を、直接、水から他の樹脂や有機溶剤等に置
き換えることもできる。
【0067】(d)成分として、特開平3−66770
号公報に開示されているような分子内に少なくとも2個
のラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマー
及びその他のラジカル重合性不飽和モノマーを分子内に
アリル基を含有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合せ
しめて得られる架橋重合体微粒子を好適に使用できる。
この場合には、分子内に少なくとも2個のラジカル重合
可能な不飽和基を有する重合性モノマーにより重合体微
粒子が内部架橋されている。
【0068】また、(d)成分として、ポリ(12−ヒ
ドロキシステアリン酸)の分子鎖を有し、かつ重合性不
飽和二重結合を1分子あたり平均約1個以上有するマク
ロモノマー(イ)と、エチレン性不飽和単量体の共重合
体であって、溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜
9.2であり、かつ1分子あたり平均して約1.0〜約
1.5個の重合性不飽和二重結合を有するマクロモノマ
ー(ロ)との混合物の存在下に、相互に反応して結合す
ることができる相補的官能基をそれぞれ有する少なくと
も2種のビニル系単量体を少なくとも0.5重量%含有
するビニル系単量体混合物を、マクロモノマー(イ)、
マクロモノマー(ロ)及び該ビニル系単量体は溶解する
が、該ビニル単量体の重合体は実質的に溶解しない有機
溶媒中で共重合および架橋反応させてなるゲル重合体微
粒子の分散液を使用することができる。該架橋重合体微
粒子自体は既知のものであって、特公平6−70110
号公報に詳細に開示されている。マクロモノマー(イ)
は、ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)の末端カル
ボキシル基にエポキシ基含有重合性不飽和不飽和化合物
を付加してなる重合性不飽和基含有反応生成物を、エポ
キシ基を有する重合性モノマーを含有する重合性不飽和
モノマー混合物とグラフト共重合又はブロック共重合さ
せて得られる懸垂エポキシ基含有共重合体に重合性不飽
和カルボン酸を付加させて得られる、1分子中に約1〜
約10個の重合性不飽和二重結合を有するマクロモノマ
ーが好適である。特に、マクロモノマー(イ)は、ポリ
(12−ヒドロキシステアリン酸)の末端カルボキシル
基にエポキシ基含有重合性不飽和不飽和化合物を付加し
てなる1分子中に1個の重合性不飽和二重結合を有する
マクロモノマーが好適である。マクロモノマー(ロ)が
数平均分子量3000〜20000、水酸基価45〜1
50であることが好ましい。相補的官能基の組み合わせ
が、例えば、エポキシ基/カルボキシル基、アルコキシ
シリル基/水酸基、エポキシ基/りん酸基、イソシアネ
ート基/水酸基などがあげられる。
【0069】これらの(d)成分は、架橋密度が高く、
トルエンや酢酸エチルなどのポリマー溶解力の大きい有
機溶剤中においても、実質的に、非膨潤性でかつ非融着
性であり、しかも有機溶剤を含む本組成物に添加する
と、本組成物の粘度を殆ど上昇させることなく、樹脂含
有率の高い、つまり高固形分の溶液(分散液)を得るこ
とができる。また、架橋重合体微粒子を配合した本組成
物は、微粒子とバインダー樹脂とが共に硬化塗膜を形成
する。架橋重合体微粒子の平均粒子径は0.01〜2μ
m程度、特に0.05〜0.5の範囲内が適しており、
粒径がこの範囲内にあると塗膜のタレ防止効果及び塗膜
の仕上り外観が優れている。
【0070】さらに、(d)成分として、3〜20個の
炭素原子を有するジイソシアネ−ト化合物から得られる
イソシアヌレ−ト3量体と1個以上の1級アミノ基を有す
るアミン化合物との反応生成物からなる固体粒子状のポ
リウレア化合物も使用することができる(特公平7−8
1099号公報)。イソシアヌレ−ト3量体は、3〜2
0個、好ましくは5〜14個、さらに好ましくは8〜1
2個の炭素原子を有するジイソシアネート、特に好適に
はヘキサメチレンジイソシアネートから作られることが
好ましい。好適なジイソシアネートの例としては、メチ
レンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、ω,ω゜ジプロピルエーテルジイソ
シアネート、チオジプロピルジイソシアネート、シクロ
ヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシ
ルメタン−4,4゜−ジイソシアネート、1,5−ジメ
チルー2,4−ビス(イソシアナトメチル)−ベンゼ
ン、1,5−ジメチルー2,4−ビス(ω−イソシアナ
トエチル)―ベンゼン、1,3,5−トリメチルー2,
4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5
−トリエチルー2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベ
ンゼン、バイエル社のデスモジュール(Desmodu
r)TTの商標で販売されている複素環ジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4‘−ジイ
ソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、
2,6−トルエンジイソシアネート及びジフェニルメタ
ン−4,4‘−ジイソシアネートなどがあげられる。所
望により、2種又は3種類の異なったジイソシアネート
の複素環3量体を使用してもよい。また、上記複素環ト
リイソシアネートの混合物を使用することもできる。
【0071】ポリウレア化合物を作るのに使用する第2
成分である好適な第1級アミンの例としては、ベンジル
アミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−
プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルア
ミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、
α−メチルブチルアミン、α−エチルプロピルアミン、
β−エチルブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルア
ミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシ
ルアミン、アニリン及びヘキサメチレンジアミンなどが
あげられる。これらの第1級アミンは一般に55個以下
の炭素原子、好ましくは1〜24個、さらに好ましくは
1〜12個の炭素原子を含んでいる。1個以上の1級ア
ミノ基及び1個以上のエーテル及び/又はヒドロキシル
基を有するアミンも使用することができる。例えば、エ
タノールアミン、6−アミノヘキサノール、p−メトキ
シベンジルアミン、メトキシプロピルアミン、3,4−
ジメトキシフェニルエチルアミン、2,5−ジメトキシ
アニリン、フルフリルアミン、テトラヒドロフルフリル
アミン、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロ
フラン(約750の分子量を有するもの)があげられ
る。上記アミンの混合物も使用できる。
【0072】ポリウレア化合物を作るための複素環トリ
イソシアネートと第1級アミンとの反応においては一般
に複素環トリイソシアネート又は第1級アミンの一方を
化学量論量より過剰に使用することができる。例えば、
第1級アミンのアミノ基数対複素環トリイソシアネート
基数の比は0.7から1.5、好ましくは0.9〜1.
1とすることができる。
【0073】複素環トリイソシアネートと第1級アミン
との反応は、一般に、反応成分を混合し、必要により温
度を高めて任意の選ばれた方法で実施することができ
る。この反応は10℃〜150℃の温度、さらに好まし
くは20℃〜80℃の温度で行うことが好ましい。一般
に、反応成分は任意の選ばれた方法で混合することがで
きるが、第1級アミンに複素環トリイソシアネートを加
えることが望ましく、必要により数段階に分けてもよ
い。一般にこの反応は溶剤、例えば、アセトン、メチル
イソブチルケトン、1―メトキシープロパノールー2、
ベンゼン、トルエン、キシレン、又は石油エーテルのよ
うな脂肪族炭化水素の存在下で行われる。
【0074】(d)成分の配合量は、(a)及び(b)
成分の合計100重量部あたり、1〜20重量部、特に
2〜10重量部の範囲内が適している。
【0075】(H−1)は、上記の(a)成分及び
(b)成分を必須成分とし、さらに必要に応じて(c)
硬化触媒、(d)レオロジーコントロール剤などから選
ばれた1種又は2種以上を含有せしめることができ、こ
れに加えて、さらにソリッドカラー顔料、メタリック顔
料、光干渉顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、
沈降防止剤、塗面調整剤、その他塗料用添加剤などを含
有せしめることも可能であり、これらの成分を有機溶剤
に均一に混合することにより本組成物が得られる。
【0076】(H−1)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃度は、塗装時にお
いて、80重量%以上の高固形分であり、好ましくは8
5〜98重量%である。
【0077】(H−1)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な低粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよい。これらの塗装方法による
微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた
塗膜を形成することができる。
【0078】(H−2):(a)カルボキシル基含有化
合物とエポキシ基含有化合物との反応生成物であり、か
つ重量平均分子量が1000以下で、水酸基価が200
〜800である水酸基含有化合物、(b)ポリイソシア
ネート化合物及び(e)メラミン樹脂を含有し、さらに
必要に応じて上記(H−1)で例示した(c)硬化触媒
及び(又は)(d)レオロジーコントロール剤を含有せ
しめてなる高固形分塗料組成物。
【0079】(H−2)は、塗料の粘度が低くかつ仕上
がり外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐ
れた塗膜を形成する高固形分塗料組成物である。このう
ち(a)及び(b)成分は、上記(H−1)で例示した
(a)成分及び(b)成分が好適に使用できる。
【0080】(e)メラミン樹脂は、(b)成分と共に
架橋剤として使用するものであり、メラミン分子中のア
ミノ基(−NH)の一部又はすべてにアルデヒドを反
応させて得られるメチロール化メラミン樹脂(その分子
中にイミノ基>NHを含有するものも含む)があげられ
る。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドな
どが使用できる。また、このメチロール化メラミン樹脂
のメチロール基の一部又はすべてにアルコ−ルをエ−テ
ル化反応したアルキルエーテル化メラミン樹脂(その分
子中にイミノ基>NHを含有するものも含む)もメラミ
ン樹脂として使用できる。エ−テル化に用いられるアル
コ−ルとしては、例えば、メチルアルコ−ル、エチルア
ルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、i−プロピルアル
コ−ル、n−ブチルアルコ−ル、i−ブチルアルコ−
ル、2−エチルブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ルな
どの炭素数が1〜10の1価アルコ−ルがあげられる。
(e)成分の数平均分子量は150〜3000の範囲内
であることが好ましい。このうち、イミノ基を含有する
メラミン樹脂を使用すると塗膜の耐候性、特に光沢保持
性を改良することができるのでより好ましい。
【0081】(H−2)は、上記した(a)成分、
(b)成分及び(e)成分を含有しており、これらの各
成分の比率は、例えば、(a)成分、(b)成分及び
(e)成分の合計固形分量を基準に、(a)成分:10
〜60重量%、特に20〜45重量%、(b)成分:3
0〜70重量%、特に35〜60重量%、(e)成分:
3〜40重量%、特に5〜30重量%の範囲内が適して
おり、これらの各成分を有機溶剤に配合し、均一に混合
することにより本組成物を調製することができる。
【0082】(H−2)は、これらの(a)、(b)及
び(e)成分に加えて、さらに(c)硬化触媒及び(又
は)(d)レオロジーコントロール剤を含有せしめるこ
とも可能である。(c)成分の使用量は、(a)、
(b)及び(e)成分の合計100重量部あたり、0.
005〜5重量部、特に0.01〜3重量部の範囲内が
適している。(d)成分の配合量は、固形分比で、
(a)、(b)及び(e)成分の合計100重量部あた
り、1〜20重量部、特に2〜10重量部の範囲内が適
している。
【0083】(H−2)は、(a)、(b)及び(e)
成分に加えて、さらに必要に応じて(c)成分及び(又
は)(d)成分を含有せしめることも可能であり、さら
にソリッドカラー顔料、メタリック顔料、光干渉顔料、
体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面
調整剤、その他塗料用添加剤などを含有せしめることも
可能であり、これらの成分を有機溶剤に均一に混合する
ことにより(H−2)が得られる。
【0084】(H−2)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃度は、塗装時にお
いて、80重量%以上の高固形分であり、好ましくは8
5〜98重量%である。
【0085】(H−2)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な適正粘度であるため、
エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法な
どによって容易に塗装することができる。これらの塗装
は静電を印加して行ってもよく、塗装方法による微粒化
に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた塗膜を
形成することができる。 (H−3):(a)カルボキシル基含有化合物とエポキ
シ基含有化合物との反応生成物であり、かつ重量平均分
子量が1000以下で、水酸基価が200〜800であ
る水酸基含有化合物、(b)ポリイソシアネート化合
物、(e)メラミン樹脂及び(f)重量平均分子量が5
00〜6000、かつ水酸基価が50〜600の水酸基
含有樹脂を含有し、さらに必要に応じて上記(H−1)
で例示した(c)硬化触媒及び(又は)(d)レオロジ
ーコントロール剤を含有せしめてなる高固形分塗料組成
物であり、塗料の粘度が低くかつ仕上がり外観、塗膜硬
度、耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれた塗膜を形成す
ることができる。これらの成分のうち、(a)成分、
(b)成分及び(e)成分については、(H−1)及び
(H−2)で例示したものが好適に使用することができ
る。
【0086】(f)成分:重量平均分子量が500〜6
000、水酸基価が50〜600の水酸基含有樹脂であ
って、特に、重量平均分子量及び水酸基価がこのような
範囲内に含まれるポリエステル樹脂、アクリル樹脂など
が特に好適であり、上記の(a)成分は含まれない。
【0087】水酸基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸
のカルボキシル基と多価アルコ−ルの水酸基とをエステ
ル化反応させることによって製造することができる。多
塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化
合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などがあ
げられる。多価アルコ−ルは1分子中に2個以上の水酸
基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコ−
ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,2−ブチレン
グリコ−ル、2,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ヘ
キサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサ
ン、3−エトキシプロパン−1,2−ジオール、3−フ
ェノキシプロパン−1,2−ジオ−ルなどのα−グリコ
−ル;ネオペンチルグリコ−ル、2−メチル−1,3−
プロパンジオ−ル、2−メチル−2,4−ペンタンジオ
−ル、3−メチル−1,3−ブタンジオ−ル、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオ−ル、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオ−ル、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオ−ル、2−フェノキシプロパン−
1,3−ジオ−ル、2−メチル−2−フェニルプロパン
−1,3−ジオ−ル、1,3−プロピレングリコ−ル、
1,3−ブチレングリコ−ル、2−エチル−1,3―オ
クタンジオ−ル、1,3−ジドロキシシクロヘキサン、
1,4−ブタンジオ−ル、1,4−ジヒドロキシシクロ
ヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオ−ル、2,5−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−
1,5−ペンタンジオ−ル、1,4−ジメチロ−ルシク
ロヘキサン、トリシクロデカンジメタノ−ル、2,2−
ジメチルー3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピオネ−ト(これは、ヒドロキシ
ピバリン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物
である)、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF、ビス
(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス
(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、
グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエ
リスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル、ソルビト−
ル、マンニット、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−
ルプロパン、ジトリメチロ−ルプロパン、トリス(2−
ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−トなどがあげられ
る。
【0088】ポリエステル樹脂への水酸基の導入は、例
えば、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコ−
ルを併用することにより行なえる。
【0089】水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、水酸
基含有重合性単量体及びアクリル系単量体を含有する重
合性単量体成分を通常の方法で共重合せしめることによ
って製造できる。
【0090】水酸基含有重合性単量体は1分子中に水酸
基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合
物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレ−トなどの炭素数2〜2
0のグリコ−ルと(メタ)アクリル酸とのモノエステル
化物などがあげられる。また、アクリル系単量体は(メ
タ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコ−ルとの
モノエステル化物であり、例えばメチルアクリレ−ト、
メチルメタクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、エチルメ
タクリレ−ト、プロピルアクリレ−ト、プロピルメタク
リレ−ト、ブチルアクリレ−ト、ブチルメタクリレ−
ト、ヘキシルアクリレ−ト、ヘキシルメタクリレ−ト、
オクチルアクリレ−ト、オクチルメタクリレ−ト、ラウ
リルアクリレ−ト、ラウリルメタクリレ−ト、2−エチ
ルヘキシルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタクリ
レ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、イソボ
ルニル(メタ)アクリレ−トなどがあげられる。
【0091】水酸基含有アクリル樹脂の製造にあたり、
これらの水酸基含有重合性単量体及びアクリル系単量体
以外の、その他の重合性単量体を併用することができ
る。
【0092】その他の単量体として、例えば、メトキシ
ブチルアクリレ−ト、メトキシブチルメタクリレ−ト、
メトキシエチルアクリレ−ト、メトキシエチルメタクリ
レ−トなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のア
ルコキシエステル;N,N−ジメチルアミノエチルアク
リレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−
ト、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレ−ト、N,
N−ジエチルアミノエチルメタクリレ−ト、N−t−ブ
チルアミノエチルアクリレ−ト、N−t−ブチルアミノ
エチルメタクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピルメタ
クリレ−トなどのアミノアクリル系単量体;アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリル
アミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルア
クリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミドなどのア
クリルアミド系単量体;グリシジルアクリレ−ト、グリ
シジルメタクリレ−トなどのグリシジル基含有単量体;
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸、メサコン酸及びこれらの無水物やハ−フエス
テル化物などのカルボキシル基含有重合性単量体;スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、「べオバ9」、「べオバ10」
(いずれも油化シェルエポキシ)、塩化ビニルなどがあ
げられる。
【0093】また、1分子中に2個以上の水酸基を有す
る多価アルコールとラクトン類とを開環エステル化反応
せしめてなる水酸基含有変性オリゴマーも水酸基含有樹
脂として適用できる。これらに該当する市販品として、
例えば、「TONE 0200 Polyol」、「TO
NE 0301 Polyol」、「TONE 0305
Polyol」(これらは、いずれもユニオンカーバイ
ド社製、商品名)、「プラクセル205」、「プラクセ
ル303」、「プラクセル305」(これらは、いずれ
もダイセル化学社製、商品名)などがあげられる。
【0094】(f)成分の重量平均分子量は500〜6
000、好ましくは1000〜5200、水酸基価は5
0〜600、好ましくは80〜200、そして酸価は1
5以下、特に4〜10の範囲内が適している。(f)成
分の重量平均分子量が500より小さくなると塗膜物性
が低下し、又6000より大きくなると高固形分化が困
難となり、又水酸基価が50より小さくなると塗膜の硬
化性が低下し、600より大きくなると他の成分との相
溶性が低下するので、いずれも好ましくない。
【0095】(H−3)は、上記した(a)成分、
(f)成分、(b)成分及び(e)成分を含有してお
り、これらの各成分の比率は特に制限されず、目的に応
じて任意に選択できるが、例えば、(a)成分、(f)
成分、(b)成分及び(e)成分の合計固形分量を基準
に、(a)成分:5〜50重量%、特に10〜40重量
%、(f)成分:5〜50重量%、特に10〜40重量
%、(b)成分:30〜70重量%、特に40〜60重
量%、(e)成分:3〜30重量%、特に7〜25重量
%の範囲内が適しており、これらの各成分を有機溶剤に
配合し、均一に混合することにより本組成物を調製する
ことができる。
【0096】(H−3)には、これらの(a)成分、
(f)成分、(b)成分及び(e)成分に加えて、さら
に前記した(c)硬化触媒及び(又は)(d)レオロジ
ーコントロール剤を含有せしめることも可能である。
(c)成分量は(a)、(f)、(b)及び(e)成分
の合計100重量部あたり、0.005〜5重量部、特
に0.01〜3重量部の範囲内が適している。(d)成
分量は(a)、(f)、(b)及び(e)成分の合計1
00重量部あたり、1〜20重量部、特に2〜10重量
部の範囲内が適している。
【0097】(H−3)は、上記の(a)、(f)、
(b)及び(e)成分を必須成分とし、さらに必要に応
じて(c)及び(又は)(d)成分を含有せしめること
ができ、これに加えて、さらにソリッドカラー顔料、メ
タリック顔料、光干渉顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、
光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、その他塗料用添加
剤などを含有せしめることも可能であり、これらの成分
を有機溶剤に均一に混合することにより本組成物が得ら
れる。
【0098】(H−3)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃度は80重量%以
上、好ましくは85〜98重量%である。
【0099】(H−3)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な低粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよく、これらの塗装方法による
微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた
塗膜を形成することができる。
【0100】(H−4):(a)カルボキシル基含有化
合物とエポキシ基含有化合物との反応生成物であり、か
つ重量平均分子量が1000以下で、水酸基価が200
〜800である化合物、(f)重量平均分子量が500
〜6000、かつ水酸基価が50〜600の水酸基含有
樹脂、(b)ポリイソシアネート化合物、(e)メラミ
ン樹脂及び(g)アルコキシシリル基含有化合物を含有
することを特徴とする高固形分塗料組成物であり、さら
に必要に応じて前記の(c)硬化触媒及び(又は)
(d)レオロジーコントロール剤を含有せしめてなる高
固形分塗料組成物であり、塗料の粘度が低くかつ仕上が
り外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれ
た塗膜を形成する高固形分塗料組成物である。
【0101】これらの成分のうち、(a)、(f)、
(b)及び(e)成分は上記の(H−1)〜(H−3)
で例示したものが好適に使用することができる。
【0102】(g)成分:1分子中に1個以上のアルコ
キシシリル基を有する化合物であり、以下に例示する化
合物が好適である。
【0103】1)ジメトキシジメチルシラン、ジメトキ
シジエチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエ
トキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、ト
リメトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラ
ン、トリメトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジ
メトキシジエトシシランなどの非官能性アルコキシシラ
ン化合物、 2)γ―イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、
γ―イソシアナートプロピルメチルジメトキシシラン、
β―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシランなどのシ
ランカップリング剤、 3)ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジ
エトキシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ
―(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン、β―(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメト
キシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオキシブチルフ
ェニルジメトキシシランなどの重合性不飽和基含有アル
コキシシラン化合物、 4)上記1)の非官能性アルコキシシラン化合物、2)
のシランカップリング剤及び3)の重合性不飽和基含有
アルコキシシラン化合物から選ばれた1又は2種以上の
アルコキシシリル基含有化合物を部分縮合したシロキサ
ン結合含有アルコキシシラン化合物、 5)上記の1)〜4)のアルコキシシリル基含有化合物
から選ばれた1又は2種以上で変性されたアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂な
ど、 6)上記3)の重合性不飽和基含有アルコキシシラン化
合物から選ばれた1又は2種以上、さらに必要に応じて
その他の重合性不飽和モノマーを併用してなる重合体な
ど。
【0104】これらの(g)成分の重量平均分子量は1
50〜50000、特に500〜10000の範囲内で
あることが好ましい。
【0105】(H−4)は、上記した(a)カルボキシ
ル基含有化合物とエポキシ基含有化合物との反応生成物
であり、かつ重量平均分子量が1000以下で、水酸基
価が200〜800である化合物、(f)重量平均分子
量が500〜6000、かつ水酸基価が50〜600の
水酸基含有樹脂、(b)ポリイソシアネート化合物、
(e)メラミン樹脂及び(g)アルコキシシリル基含有
化合物を含有しており、これらの各成分の比率は特に制
限されず、目的に応じて任意に選択できるが、例えば、
(a)、(f)、(b)、(e)及び(g)成分の合計
固形分量を基準に、(a)成分:5〜50重量%、特に
10〜40重量%、(f)成分:5〜50重量%、特に
10〜40重量%、(b)成分:30〜70重量%、特
に40〜60重量%、(e)成分:3〜30重量%、特
に7〜25重量%、(g)成分1〜30重量%、特に3
〜15重量%の範囲内が適しており、これらの各成分を
有機溶剤に配合し、均一に混合することにより本組成物
を調製することができる。
【0106】また、(H−4)には、これらの(a)、
(f)、(b)、(e)及び(g)成分に加えて、さら
に前記した(c)硬化触媒及び(又は)(d)レオロジ
ーコントロール剤を含有せしめることも可能である。
(c)成分の使用量は、(a)、(f)、(b)、
(e)及び(g)成分の合計100重量部あたり、0.
005〜5重量部、特に0.01〜3重量部の範囲内が
適している。(d)成分の配合量は、(a)、(f)、
(b)、(e)及び(g)成分の合計100重量部あた
り、1〜20重量部、特に2〜10重量部の範囲内が適
している。
【0107】(H−4)は、上記の(a)、(f)、
(b)、(e)及び(g)成分を必須成分とし、さらに
必要に応じて(c)成分及び(又は)(d)成分を含有
せしめることができ、これに加えて、さらにソリッドカ
ラー顔料、メタリック顔料、光干渉顔料、体質顔料、紫
外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、その
他塗料用添加剤などを含有せしめることも可能であり、
これらの成分を有機溶剤に均一に混合することにより本
組成物が得られる。
【0108】(H−4)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用できる。(H−4)の塗装時にお
ける固形分濃度は、80重量%以上の高固形分であり、
好ましくは85〜98重量%である。
【0109】(H−4)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な低粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよく、これらの塗装方法による
微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた
塗膜を形成することができる。
【0110】(H−5):(h)重量平均分子量が10
00以下、かつ水酸基価が200〜800の水酸基含有
ラクトン変性オリゴマー:5〜30重量%、(f)重量
平均分子量が1000〜6000、かつ水酸基価が50
〜200の水酸基含有樹脂:5〜50重量%、(b)ポ
リイソシアネート化合物:30〜70重量%、(e)メ
ラミン樹脂:3〜30重量%及び(g)アルコキシシリ
ル基含有化合物1〜30重量からなる組成物を含有する
高固形分塗料組成物であり、さらに必要に応じて前記の
(c)硬化触媒及び(又は)(d)レオロジーコントロ
ール剤を含有せしめることができ、このものは、塗料の
粘度が低くかつ仕上がり外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び
耐スリキズ性のすぐれた塗膜を形成することができる。
これらの成分のうち、(f)、(b)、(e)及び
(g)成分などは上記の(H−1)〜(H−4)で例示
したものが好適に使用することができる。
【0111】(h)成分:重量平均分子量が1000以
下、かつ水酸基価が200〜800の水酸基含有ラクト
ン変性オリゴマーであり、例えば、1分子中に2個以上の
水酸基を有する多価水酸基化合物とラクトン類とを開環
エステル化反応せしめることによって得ることができ
る。
【0112】多価水酸基化合物は、1分子中に2個以上の
水酸基を有する化合物であって、例えば、エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチ
レングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,2
−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキ
サン、ピナコール、長鎖アルキルモノエポキサイドの加
水分解物、脂肪族モノグリセリド[例えば、グリセリン
モノアセテ−ト(α体)、グリセリンモノステアレート
(α体)など]、3−エトキシプロパンー1,2−ジオ
ール、3−フェノキシプロパンー1,2−ジオ−ルなど
のα−グリコール;ネオペンチルグリコール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオ−
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2
−エチル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシ
プロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニ
ルプロパン−1,3−ジオ−ル、1,3−プロピレングリ
コ−ル、1,3−ブチレングリコ−ル、ジメチロ−ルプ
ロピン酸、ジメチロ−ルブタン酸、2−エチル−1,3
―オクタンジオール、1,3−ジドロキシシクロヘキサ
ン、脂肪族モノグリセリド(例えば、グリセリンモノア
セテ−ト(β体)及びグリセリンステアレ−ト(β体)
など)などのβ−グリコ−ルなどをあげることができ
る。
【0113】これらのα−グリコール及びβ−グリコー
ル以外に、1,4−ブタンジオ−ル、1,4−ジヒドロ
キシシクロヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3
−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,4−ジメチ
ロ−ルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメタノ−
ル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルー2,
2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネ−ト(これ
は、ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコ−ルと
のエステル化物である)、ビスフェノ−ルA、ビスフェ
ノ−ルF、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−
プロパン、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、
3,9−ビス(1,1−ジメチルー2−ヒドロキシエチ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカン、ジエチレングリコ−ル、トリエチレン
グリコ−ル、テトラ以上のポリエチレングリコ−ル、エ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを共重合し
てなる両末端に水酸基を有する共重合体、両末端基に水
酸基を有する直鎖状ポリエステル、ポリカ−ボネ−トジ
オ−ル、ジエポキシドのカルボン酸付加物なども多価水
酸基化合物として適用できる。
【0114】さらに、グリセリン、ジグリセリン、トリ
グリセリン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリ
ト−ル、ソルビト−ル、マンニット、トリメチロ−ルエ
タン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロ−ルプロ
パン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−
ト、グルコン酸、3個以上の水酸基を含有するポリマ−
(3個以上の水酸基を有する例えばポリエステル樹脂、
ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂、フェノ
−ル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂のケン化物であるポリビニルアルコ−ル、グルコ
−スなどの天然糖類など)なども多価水酸基化合物とし
て適用できる。
【0115】また、これらの多価水酸基化合物と多塩基
酸とを反応せしめてなる水酸基含有エステル化物又はポ
リエステル化物;エポキシ基含有化合物又は樹脂にカル
ボキシル基含有化合物をエステル反応させてなる生成
物;エポキシ基含有化合物又は樹脂に水酸基含有化合物
をエーテル反応させてなる生成物などのオリゴマ−も多
価水酸基化合物として適用できる。
【0116】これらの多価水酸基化合物と反応せしめる
ラクトン類は環内にエステル基(−CO−O−)を有す
る環状化合物であり、環の員数は3〜10、特に4〜7
の範囲内がこのましく、具体的には、例えば、β−プロ
ピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプロラクトン、エナントラクトン、3−メチ
ル−β−プロピオラクトン、3−メチル−γ−ブチロラ
クトン、3−メチル−δ−バレロラクトン、3−メチル
−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクト
ン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトンなど
があげられ、特にε−カプロラクトン、3−メチル−ε
−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトンな
どが好ましい。
【0117】多価水酸基化合物とラクトン類との開環エ
ステル化反応は、それ自体既知の開環エステル化反応に
より行なうことができる。例えば、反応温度は80〜1
80℃の範囲内が適しており、この反応を促進するため
に、テトラアルコキシチタン、有機スズ化合物等の有機
金属化合物、ルイス酸、プロトン酸などの触媒を使用す
ることができる、これらの触媒量は、多価水酸基化合物
とラクトン類との合計100重量部あたり、0.005
〜3重量部が適している。
【0118】かかる(h)成分自体はすでに公知であ
り、市販品されており、例えば、「TONE 0200
Polyol」、「TONE 0301 Polyo
l」、「TONE 0305 Polyol」(これらは
いずれもユニオンカ−バイド社製、商品名)、「プラク
セル205」、「プラクセル303」、「プラクセル3
05」(これらはいずれもダイセル化学社製、商品名)
などがあげられる。
【0119】かかる(h)成分は、重量平均分子量は1
000以下、特に500〜1000、水酸基価は200
〜800、特に300〜600の範囲内に包含されてい
ることが好ましい。
【0120】(H−5)は、上記の(h)成分、(f)
成分、(b)成分、(e)成分及び(g)成分を必須成
分とし、さらに必要に応じて(c)成分及び(又は)
(d)成分を含有せしめることができ、これに加えて、
さらにソリッドカラー顔料、メタリック顔料、光干渉顔
料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、
塗面調整剤、その他塗料用添加剤などを含有せしめるこ
とも可能であり、これらの成分を有機溶剤に均一に混合
することにより本組成物が得られる。
【0121】(H−5)における各成分の構成比率は、
固形分比で、(h)重量平均分子量が1000以下、水
酸基価が200〜800の水酸基含有ラクトン変性オリ
ゴマー:5〜30重量%、好ましくは10〜25重量
%、(f)重量平均分子量が1000〜6000、水酸
基価が50〜200の水酸基含有樹脂:5〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%、(b)ポリイソシア
ネート化合物:30〜70重量%、好ましくは40〜6
0重量%、(e)メラミン樹脂:3〜30重量%、好ま
しくは7〜25重量%及び(g)アルコキシシリル基含
有化合物:1〜30重量%、好ましくは3〜15重量%
の範囲内が好ましい。でなる組成物を有機溶剤に配合
し、均一に混合することにより調製することができる。
また、(c)成分の使用量は、(h)成分、(f)成
分、(b)成分、(e)成分及び(g)成分の合計固形
分100重量部あたり、0.005〜5重量部、特に
0.01〜3重量部の範囲内が適している。(d)成分
の配合量は、(h)成分、(f)成分、(b)成分、
(e)成分及び(g)成分の合計固形分100重量部あ
たり、1〜20重量部、特に2〜10重量部の範囲内が
適している。
【0122】(H−5)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用でき、塗装時における固形分濃度
は80重量%以上、好ましくは85〜98重量%であ
る。
【0123】(H−5)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な低粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよく、これらの塗装方法による
微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた
塗膜を形成することができる。
【0124】(H−6):1分子中に2個以上の重合性
不飽和結合を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂、フッ素含有樹脂などに、1分子中に1個
以上の重合性不飽和単量体、例えばアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリ
ルなどを主成分とする活性エネルギー照射硬化型塗料。
(H−6)は、有機溶剤は必須成分ではないが、有機溶
剤としては、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶
剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶
剤、エーテル系溶剤等が使用でき、塗装時における固形
分濃度は80重量%以上、好ましくは85〜100重量
%である。
【0125】(H−7):上記(H−6)の活性エネル
ギー照射硬化型塗料に、水酸基などの架橋性官能基を有
するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、
シリコン樹脂などの基体樹脂とポリイソシアネート化合
物、ブロックポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂
などの架橋剤からなる熱硬化性樹脂を混合してなる活性
エネルギー及び加熱により硬化することができる高固形
分塗料組成物。(H−7)は、有機溶剤は必須成分では
ないが、有機溶剤としては、例えば、芳香族又は脂肪族
炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用でき、塗装時に
おける固形分濃度は80重量%以上、好ましくは85〜
100重量%である。
【0126】本方法において、着色プラスチックフィル
ム(D)及びプラスチッククリヤフィルム(E)を貼着
してなる被覆自動車部品(F)のプラスチッククリヤフ
ィルム(E)の表面に、上記した高固形分型上塗り塗料
(H)を塗装することにより、仕上り外観(平滑性、鮮
映性、ツヤ感など)、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキ
ズ性などを一層向上させることができる。
【0127】これらの高固形分型上塗り塗料(H)は、
着色プラスチックフィルム(D)及びプラスチックフィ
ルム(E)を貼着してなる被覆自動車部品(F)の外側
のプラスチックフィルム(E)の表面に塗装することが
好ましい。塗装はエアスプレー、エアレススプレー、静
電塗装などにより行なうことができ、膜厚は5〜200
μm、特に15〜150μmの範囲が適しており、その
塗膜は、紫外線照射、電子線照射、又は100〜200
℃で10〜40分程度加熱することにより硬化させるこ
とができる。
【0128】このように高固形分型上塗り塗料(H)を
塗装してなる被覆自動車部品(F1)を用いて、アンダ
ボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバッ
ク、ロアバックなどから構成されるメインボデ−、さら
にフ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウ
ルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの外蓋
物を製造する。具体的には、被覆自動車部品(F1)、
アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパ
バック、ロアバックなどの各部材を形成し、結合するこ
とによりメインボデ−が製造される。これらの裁断、成
型加工、接合などは既知の方法で行なえる。このように
して成型されるメインボデ−の少なくともその外側はプ
ラスチックフィルム(D)及び(E)で被覆されてい
る。同様にして、フ−ド、フロントバランス、フロント
フェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジなどの外蓋
物も被覆自動車部品(F1)を用いて製造することがで
きる。これらの裁断、成型加工、接合などはそれ自体既
知の方法で行なうことができる。被覆自動車部品(F
1)を使用してメインボデ−及び外蓋物からなるシェル
ボデ−(自動車車体)を形成することにより本発明の目
的とする自動車車体が形成される。
【0129】また、本方法では、自動車車体部品(B)
を必要に応じて電着塗装を行なって端面部を被覆してか
ら、着色プラスチックフィルム(D)のみを上記のよう
にして外側表面に貼着してから、クリヤプラスチックフ
ィルム(E)を貼着することなしに、着色プラスチック
フィルム(D)の表面に高固形分型上塗り塗料(H)を
エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装などにより
塗装してなる被覆自動車部品(F2)を使用してメイン
ボデ−及び外蓋物からなるシェルボデ−(自動車車体)
を形成することにより、本発明の目的とする自動車車体
が形成される。高固形分型上塗り塗料(H)の塗装膜厚
は硬化塗膜を基準に、5〜200μm、特に15〜15
0μmの範囲が適しており、その塗膜は、紫外線照射、
電子線照射、又は100〜200℃で10〜40分程度
加熱することにより硬化させることができる。
【0130】
【本発明の効果】以上に述べた本発明の方法によれば、
以下に述べるような効果が得られる。
【0131】自動車車体の組み立てラインでは、アルミ
ニウム板及び(又は)亜鉛メッキ鋼板を使用して自動車
車体の部品を形成し、さらに外側部分に着色プラスチッ
クフィルム及びプラスチッククリヤフィルムを貼着して
から、フ−ドパネル、フェンダパネル、ドアパネル、ラ
ゲ−ジドアパネルなどの外蓋物及びアンダボデ−、サイ
ドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバック
などから構成されるメインボデ−を製造するするので、
従来に比べて塗料の使用量を著しく削減することができ
た。その結果、自動車車体の製造ラインにおけるVOC
(揮発性有機化合物)の使用量を大幅に削減することが
でき、しかも塗装ラインでの省工程、省エネルギ−、C
O2削減が可能になった。
【0132】しかも、プラスチックフィルムの特性によ
り、総合塗膜の耐チッピング性、防食性、意匠性、仕上
り外観などもさらに向上させることが可能になる。
【0133】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。部及び%はいずれも重量基準であ
り、塗膜の膜厚は硬化塗膜についてのものである。
【0134】1.金属板 i)アルミニウム金属板: ii)亜鉛メッキ鋼板:冷延鋼板の両面に、メッキ付着量
が45g/m2となるように合金化溶融亜鉛メッキを施
し、ついで脱脂処理及びりん酸亜鉛化成処理(日本パ−
カライジング社製、「PB#3080処理」、商品名)
を行なった厚さ0.8mmの金属板。
【0135】2.実施例及び比較例 実施例 1 アルミニウム金属板(i)を裁断、成型、結合して、メ
インボデーを構成するアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの各部品の
模型を(大きさは現物の約25分の1)をあらかじめ製
造した。さらに、アルミニウム金属板(i)を裁断、成
型、結合して、外蓋物を構成するフ−ド、フェンダ、ド
ア、ラゲ−ジドアなどの各部品の模型(大きさは現物の
約25分の1)を製造した。
【0136】ついで、これらの模型の外側の位置する表
面に、アルミニウムメタリック顔料を含有せしめたアク
リル樹脂フィルム(厚さ25μm)と無色透明のアクリ
ル樹脂フィルム(厚さ50μm)とを1層ずつ積層して
なる複層フィルムを熱圧着により貼着して、被覆自動車
部品(F)を形成した。
【0137】かくして得られるフィルム貼着自動車部品
を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−
フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組み立
ててメインボデーとし、フ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ
−ジドアなどの模型を組み立てて外蓋物を形成し、つい
でこのメインボデーと外蓋物を結合して自動車車体(シ
ェルボデー)を形成せしめた。この実施例では電着塗料
の塗装は行なっていない。
【0138】実施例 2 亜鉛メッキ鋼板(ii)を裁断、成型、結合して、メイン
ボデーを構成するアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−
フ、カウル、アッパバック、ロアバックの各部品の模型
を(大きさは現物の約25分の1)をあらかじめ製造し
た。さらに、亜鉛メッキ鋼板(ii)を裁断、成型、結合
して、外蓋物を構成するフ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ
−ジドアなどの各部品の模型(大きさは現物の約25分
の1)を製造した。さらに、得られた模型をカチオン電
着塗料(「エレクロン#9600グレー」、関西ペイン
ト社製、商品名、エポキシ樹脂系)の浴に浸漬し、電着
浴温28℃、電圧250V、全没通電時間2分間の条件
で塗装して、電着塗装し水洗後、170℃で30分間加
熱して電着塗膜を硬化せしめた(電着塗膜の平面部の膜
厚20μm)。
【0139】ついで、これらの模型の外側の位置する表
面に、アルミニウムメタリック顔料を含有せしめたアク
リル樹脂フィルム(厚さ25μm)と無色透明のアクリ
ル樹脂フィルム(厚さ50μm)とを1層ずつ積層して
なる複層フィルムを熱圧着により貼着して、被覆自動車
部品(F)を形成した。
【0140】かくして得られるフィルム貼着自動車部品
を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−
フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組み立
ててメインボデーとし、フ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ
−ジドアなどの模型を組み立てて外蓋物を形成し、つい
でこのメインボデーと外蓋物を結合して自動車車体(シ
ェルボデー)を形成せしめた。
【0141】実施例 3 アルミニウム金属板(i)を裁断、成型、結合して、メ
インボデーを構成するアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの各部品の
模型を(大きさは現物の約25分の1)をあらかじめ製
造した。さらに、アルミニウム金属板(i)を裁断、成
型、結合して、外蓋物を構成するフ−ド、フェンダ、ド
ア、ラゲ−ジドアなどの各部品の模型(大きさは現物の
約25分の1)を製造した。
【0142】ついで、これらの模型の外側の位置する表
面に、アルミニウムメタリック顔料を含有せしめたアク
リル樹脂フィルム(厚さ25μm)と無色透明のアクリ
ル樹脂フィルム(厚さ50μm)とを1層ずつ積層して
なる複層フィルムを熱圧着により貼着し、さらに貼着し
たフィルムの表面に紫外線照射硬化型高固形分型クリヤ
塗料(注1)を膜厚30μmに塗装し、紫外線照射装置
(80W/cm2のメタルハライドランプ)で500m
J/cm2(0.25分)照射し、その塗膜を硬化せし
めて被覆自動車部品(F)を形成した。
【0143】かくして得られる被覆自動車部品(F)を
用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−
フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組み立
ててメインボデーとし、フ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ
−ジドアなどの模型を組み立てて外蓋物を形成し、つい
でこのメインボデーと外蓋物を結合して自動車車体(シ
ェルボデー)を形成せしめた。この実施例3では電着塗
料の塗装は行なっていない。
【0144】(注1)紫外線照射硬化型高固形分型クリ
ヤ塗料:反応容器にイソホロンジイソシアネート444
部、2−ヒドロキシエチルアクリレート232部を仕込
み、空気を吹き込みながら80℃で5時間反応させ、未
反応の2−ヒドロキシエチルアクリレートが残っていな
いことを確認してから、ポリエステル樹脂(無水フタル
酸296部、アジピン酸292部、エチレングリコール
124部、ネオペンチルグリコール312部を反応させ
てなり、数平均分子量880、水酸基価127)888
部を加え、80℃で7時間反応させた。イソシアネート
基がほぼ反応により消費された確認してから、酢酸イソ
ブチルを加え冷却し、固形分含有率85%の不飽和樹脂
溶液を得た。
【0145】この不飽和樹脂溶液70部あたり、ブチル
アクリレート50部、トリメチロールプロパントリアク
リレート10部、イルガキュア819(チバスペシャル
ティケミカルズ社製、商品名、光重合開始剤)4部、ス
ミジュールN75(住友バイエルウレタン社製、商品
名、ポリイソシアネート化合物)10部を加えて紫外線
照射硬化型高固形分型クリヤ塗料を得た。
【0146】実施例 4 亜鉛メッキ鋼板(ii)を裁断、成型、結合して、メイン
ボデーを構成するアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−
フ、カウル、アッパバック、ロアバックの各部品の模型
を(大きさは現物の約25分の1)をあらかじめ製造し
た。さらに、亜鉛メッキ鋼板(ii)を裁断、成型、結合
して、外蓋物を構成するフ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ
−ジドアなどの各部品の模型(大きさは現物の約25分
の1)を製造した。
【0147】ついで、これらの模型の外側の位置する表
面に、アルミニウムメタリック顔料を含有せしめたアク
リル樹脂フィルム(厚さ25μm)を熱圧着により貼着
し、さらに貼着したフィルムの表面に紫外線照射硬化型
高固形分型クリヤ塗料(注1)を膜厚30μmに塗装
し、紫外線照射装置(80W/cm2のメタルハライド
ランプ)で500mJ/cm2(0.25分)照射し、
その塗膜を硬化せしめて被覆自動車部品(F−1)を形
成した。
【0148】かくして得られる被覆自動車部品(F−
1)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、フ−ド、フェンダ、ドア、
ラゲ−ジドアなどの模型を組み立てて外蓋物を形成し、
ついでこのメインボデーと外蓋物を結合して自動車車体
(シェルボデー)を形成せしめた。この実施例では電着
塗料の塗装は行なっていない。
【0149】実施例 5 亜鉛メッキ鋼板(ii)を裁断、成型、結合して、メイン
ボデーを構成するアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−
フ、カウル、アッパバック、ロアバックの各部品の模型
を(大きさは現物の約25分の1)をあらかじめ製造し
た。さらに、亜鉛メッキ鋼板(ii)を裁断、成型、結合
して、外蓋物を構成するフ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ
−ジドアなどの各部品の模型(大きさは現物の約25分
の1)を製造した。
【0150】ついで、これらの模型の外側の位置する表
面に、粉体中塗り塗料(「エバクラット5600D
K」、関西ペイント社製、商品名)を膜厚50μmに塗
装し160℃で30分間加熱して硬化してから、その表
面にアルミニウムメタリック顔料を含有せしめたアクリ
ル樹脂フィルム(厚さ25μm)と無色透明のアクリル
樹脂フィルム(厚さ50μm)とを1層ずつ積層してな
る複層フィルムを熱圧着により貼着し、さらに貼着した
フィルムの表面に紫外線照射硬化型高固形分型クリヤ塗
料(注1)を膜厚30μmに塗装し、紫外線照射装置
(80W/cm2のメタルハライドランプ)で500m
J/cm2(0.25分)照射し、その塗膜を硬化せし
めて被覆自動車部品(F−2)を形成した。
【0151】かくして得られる被覆自動車部品(F−
2)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、フ−ド、フェンダ、ドア、
ラゲ−ジドアなどの模型を組み立てて外蓋物を形成し、
ついでこのメインボデーと外蓋物を結合して自動車車体
(シェルボデー)を形成せしめた。この実施例では電着
塗料の塗装は行なっていない。
【0152】比較例 1 自動車組み立てラインにおいて、亜鉛メッキ鋼板を裁
断、成型、結合して、メインボデーを構成するアンダボ
デ−、サイドメンバ−、ル−フ、カウル、アッパバッ
ク、ロアバックの各部品の模型を(大きさは現物の約2
5分の1)をあらかじめ製造しておく。同様にして、外
蓋物を構成するフ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ−ジドア
などの各部品の模型(大きさは現物の約25分の1)も
製造した。
【0153】これらの各部品を結合してメインボデー及
び外蓋物を形成し、さらにこの両者を組み合わせて自動
車車体としたものを、上記のカチオン電着塗料の浴に浸
漬し、電着浴温28℃、電圧250V、全没通電時間2
分間の条件で両面に塗装し、水洗後、170℃で30分
間加熱して電着塗膜を硬化せしめた(電着塗膜の平面部
の膜厚20μm)。
【0154】ついで、車体外面部側に中塗り塗料(「E
Sプライマー」、関西ペイント社製、商品名、ポリエス
テル樹脂・メラミン樹脂系)を膜厚20μmになるよう
に塗装し、140℃で30分間加熱して硬化してから、
さらにメタリック塗料((「マジクロンシルバー」、関
西ペイント社製、商品名、アクリル樹脂・メラミン樹脂
系)を膜厚15μmになるように塗装し、硬化させるこ
となく、該塗面にクリヤ塗料(「マジクロンクリヤ」、
関西ペイント社製、商品名、アクリル樹脂・メラミン樹
脂系)を膜厚45μmになるように塗装し、140℃で
30分間加熱して硬化した。
【0155】3.性能試験結果 平板に実施例及び比較例と同じ工程で行なって得た被覆
鋼板について各種の性能試験を行った。その結果を表1
に示す。
【0156】
【表1】
【0157】表1にける試験方法は下記のとおりであ
る。
【0158】塗膜外観:目視評価は、上層塗面における
フクレ、ヘコミなどの発生の有無を目視観察した結果で
あり、○はフクレ、ヘコミなどの発生が全く認められな
い、○フクレ、ヘコミなどの発生が少し認められる、
△はフクレ、ヘコミなどの発生がやや多く認められるフ
クレ、×はヘコミなどの発生が多く認められることを示
す。「ウエブスキャン」はBYK社製の商品名であり、
これを使用してショートウエーブ値を測定した結果であ
り、数値が小さいほど平滑性がすぐれている。
【0159】耐酸性:試験板を、80℃の40%硫酸水
溶液に10分間浸漬した後の塗面状態を目視観察した結
果である。○はフクレ、ヘコミなどの発生が全く認めら
れない、△はフクレ、ヘコミなどの発生がやや多く認め
られるフクレ、×はヘコミなどの発生が多く認められる
ことを示す。
【0160】耐候性:試験板をサンシャインウエザーメ
ータ800時間試験後の塗面を目視観察した結果であ
る。◎はフクレ、ヘコミなどの発生が全く認められな
い、○はフクレ、ヘコミなどの発生が少し認めらる、△
はフクレ、ヘコミなどの発生がやや多く認められるフク
レ、×はヘコミなどの発生が多く認められることを示
す。
【0161】防錆性:試験板の素地に達するようにカッ
ターで塗膜をクロスカットしてからソルトスプレーで4
80時間試験を行なった後、カット部からのサビ、フク
レなどの発生巾を観察した。◎はカット部からのサビ、
フクレなどの発生巾が0.5mm以下、○はカット部か
らのサビ、フクレなどの発生巾が1mm以下、△は1〜
5mm、×は5mm以上であることを示す。
【0162】VOC量:鋼板の状態から自動車車体が組
み立てられるまでの工程で発生すると思われるVOC量
を比較例1を基準にして、推定した結果である。○は非
常に少なくなった、△はやや少なくなった、×は殆ど変
わらないことを示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板
    (A)を裁断、成型して自動車車体部品(B)を形成せ
    しめ、必要に応じてこの部品における金属露出部分を電
    着塗料(C)の塗装により被覆してから、該部品(B)
    の少なくとも外側表面に着色プラスチックフィルム
    (D)及びクリヤプラスチックフィルム(E)を貼着し
    てなる被覆自動車部品(F)を用いて自動車車体を組み
    立てることを特徴とする自動車車体の製造方法。
  2. 【請求項2】自動車車体部品(B)の少なくとも外側表
    面に、着色プラスチックフィルム(D)の貼着に先立っ
    て、中塗り塗料(G)を予め塗装することを含む請求項
    1記載の自動車車体の製造方法。
  3. 【請求項3】自動車車体部品(B)の少なくとも外側表
    面に着色プラスチックフィルム(D)及びクリヤプラス
    チックフィルム(E)を貼着し、さらに外側表面のクリ
    ヤプラスチックフィルム(E)面に、塗装時の固形分含
    有率が80重量%以上の高固形分型塗料(H)を塗装し
    てなる被覆自動車部品(F1)を用いることを含む請求
    項1又は2記載の自動車車体の製造方法。
  4. 【請求項4】クリヤプラスチックフィルム(E)の貼着
    に代えて、塗装時の固形分含有率が80重量%以上の高
    固形分型塗料(H)を塗装してなる被覆自動車部品(F
    2)を用いて自動車車体を組み立てる請求項1、2、3
    のいずれかに記載の自動車車体の製造方法。
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