JP2003111862A - 予作動式スプリンクラー消火設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾式予作動式スプリンクラー消火設備の信頼
性およびメンテナンス性を向上する。 【解決手段】 水源から消火液を供給可能な状態に接続
された一次側配管と、作動センサーが設置されたスプリ
ンクラーヘッドが接続され、内部が無加圧状態の気体で
ある二次側配管を有し、該一次側配管と二次側配管を接
続し、常時は流路が閉じられ制御盤からの信号により該
流路を開放・閉鎖する制御弁と、スプリンクラーヘッド
の近傍に設置された火災感知器の火災信号および前記作
動センサーの信号を受信して制御弁の流路の開閉を制御
する制御盤と、前記制御弁の開放後に二次側配管内の残
留気体を排出するオートドリップ手段から成る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、予作動式のスプリ
ンクラー消火設備に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の予作動式スプリンクラー消火設備
の一例として、特公昭６２−４８５０８号公報に記載さ
れたものがある。

【０００３】上記公報のスプリンクラー消火設備は、常
時には二次側配管内が気体である乾式システムで、火災
検知センサーの信号または手動により一次側配管と二次
側配管を仕切る制御弁を開弁させて二次側配管に送水可
能とし、閉弁後は二次側配管に充填された水を急速排水
することが可能であり、さらに該制御弁の二次側配管末
端に空気抜き兼充水確認装置を設けたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
予作動式スプリンクラー消火設備は、火災検知センサー
が故障した場合には手動で制御弁を開弁しなければなら
ず、火災検知センサーが故障した状態で火災が深夜に発
生した場合に、人間が火災に気付いたときには火災が拡
大してスプリンクラーヘッドでの消火が困難な状態に陥
るおそれがある。

【０００５】そこで本発明では、上記の問題を解決した
予作動式スプリンクラー消火設備を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１記載の発明は、水源から消火液を供給可
能な状態に接続された一次側配管と、作動センサーが設
置されたスプリンクラーヘッドが接続され、内部が無加
圧状態の気体である二次側配管を有し、該一次側配管と
二次側配管を接続し、常時は流路が閉じられ制御盤から
の信号により該流路を開放・閉鎖する制御弁と、スプリ
ンクラーヘッドの近傍に設置された火災感知器の火災信
号および前記作動センサーの信号を受信して制御弁の流
路の開閉を制御する制御盤と、前記制御弁の開放後に二
次側配管内の残留気体を排出するオートドリップ手段か
ら成るものである。

【０００７】請求項２記載の発明は、前記請求項１に記
載した作動センサーは、スプリンクラーヘッドが作動し
て水が放出したときに作動信号を発するものである。

【０００８】請求項３記載の発明は、前記請求項１に記
載した作動センサーは、スプリンクラーヘッドに設置さ
れたカバーが外れたときに作動信号を発するものであ
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図1
を参照して説明する。図1は本発明のシステム概要図で
ある。図１に示すスプリンクラー消火設備は、水源10、
一次側配管20、二次側配管30、制御弁40、スプリンクラ
ーヘッド50、作動センサー60、火災感知器70、制御盤80
から構成される。

【００１０】水源10は、水槽内に消火液が貯蔵されてお
り、制御盤80からの信号によりポンプＰが起動して該水
源10より消火液を汲み上げ、該消火液が配管を通ってス
プリンクラーヘッド50に供給され、連続的に消火液を散
布することができる。

【００１１】一次側配管20、二次側配管30および制御弁
40は、水源10とスプリンクラーヘッド50の間に設置さ
れ、制御弁40によって一次側配管20と二次側配管30が分
けられている。

【００１２】二次側配管の末端には、制御弁40を開放し
て水源から消火液を充填する際に配管内に残留した空気
を排出するオートドリップ手段としてオリフィス31が設
けられている。

【００１３】オリフィス31の流出側にはドレン配管と開
口部が設けられており、ドレン配管内径はオリフィス口
径よりも充分大きいものを設置する。

【００１４】制御弁40の内部は隔壁により一次側配管20
に接続する一次側室41、二次側配管30に接続される二次
側室42に分けられており、隔壁には一次側室と二次側室
を連通する連通孔が設けられ、一次側室41から二次側室
42への流体の流通を可能にしている。

【００１５】上記連通孔は有底円筒形状の弁体43により
閉塞されており、一次側室41まで充填されている消火液
が二次側室42に流出しないようにしている。弁体43の上
部には弁体43の内部の空間と、制御弁40の内壁によって
制御室44が形成されている。

【００１６】制御室44と一次側室41はバイパス管Ｂによ
り連通しており、また内部には圧縮バネ45が設置されて
いる。前記バイパス管Ｂによって制御室44内には消火液
が充填され、該消火液の圧力と、圧縮バネ45によって弁
体43は連通孔の方向に力が作用して移動し、連通孔を閉
塞している。

【００１７】制御弁40の二次側室42にはオリフィス46が
設置されれおり、二次側室42の流体はオリフィス46を通
って少量ずつ排出される。該オリフィス46の口径は、二
次側配管の口径よりも充分小さいものを設置する。

【００１８】上記のように弁体43は常時閉じられてお
り、スプリンクラーヘッド50が作動して作動センサー60
の作動信号または火災感知器70の検知信号を制御盤80が
受けて、該制御盤80からの開放信号により電磁弁47が開
かれ、制御室44の流体が外部に流出することで弁体43が
開放され、水源10から供給される消火液を一次側配管20
から二次側配管30に設置されたスプリンクラーヘッド50
へ供給することができる。

【００１９】スプリンクラーヘッド50は、火災の熱によ
って開放され、消火液を散布して火を消し止めるもので
ある。該スプリンクラーヘッド50の作動を検知するため
に、作動センサー60を設置する必要がある。

【００２０】作動センサーの一例としては特開平3-2547
64号、特開平3-185598号、特開平2-209164号公報に記載
されているものがある。勿論これら以外の作動センサー
を用いることも可能である。

【００２１】作動センサー60の信号を発するタイミング
としては、スプリンクラーヘッド50内部の弁体が開放し
たとき、あるいはスプリンクラーヘッド50に火災の熱に
よって分離可能なカバーを設置しておき、該カバーが熱
によって落下したときを作動信号発生のタイミングとし
てもよい。

【００２２】火災感知器70は、煙感知器、熱感知器、炎
感知器等存在するが、スプリンクラーヘッド50が作動す
る温度よりも早い段階で作動するものを用いるのが好ま
しい。

【００２３】制御盤80は、システムを構成する各機器か
らの信号を送受信してシステムを制御するもので、スプ
リンクラーヘッド50の作動センサー60からの信号と、火
災感知器70の信号を受信し、制御弁40の開閉信号やポン
プの起動信号、火災警報信号を発する機能を有する。

【００２４】火災警報信号は、火災感知器70から信号を
受信した場合と、作動センサー60から信号を受信した場
合とでは別の信号を発するようにしてもよい。

【００２５】次に、本発明のスプリンクラー消火設備の
作用について説明する。火災が発生すると火災感知器70
が火災を感知して火災信号を制御盤80に送信する。

【００２６】制御盤80は、火災感知器からの火災信号を
受信すると、ポンプPを起動させると共に制御弁40の弁
体43を開放して、水源10の消火液をスプリンクラーヘッ
ド50が設置されている二次側配管30へ送水する。

【００２７】火災が進展してスプリンクラーヘッド50が
作動すると、既に二次側配管30内に消火液が充填されて
いるのでスプリンクラーヘッドの作動と同時に消火液を
散布して消火を行うことができる。

【００２８】また火災感知器の誤作動等によって、火災
感知器が作動した後にスプリンクラーヘッドが作動しな
かった場合には、制御弁40に設けられたオリフィス46に
より、二次側配管30内の消火液は排出される。

【００２９】続いて、火災感知器に故障等の不具合が生
じた場合の作用について説明する。

【００３０】火災が発生すると通常は火災感知器が作動
するのだが、何らかの事態により火災感知器が火災を検
知しなかった場合、二次側配管30内に消火液が充填され
ない状態でスプリンクラーヘッド50が作動する。

【００３１】スプリンクラーヘッド50の作動を作動セン
サー60が検知して、作動信号を制御盤80に送信する。制
御盤80は作動センサー60からの信号により、ポンプPを
起動させると共に制御弁40の弁体43を開放して、水源10
の消火液をスプリンクラーヘッド50が設置されている二
次側配管30へ送水する。

【００３２】スプリンクラーヘッド50は既に作動してい
るので、直ちに火元へ消火液を散布することができる。

【００３３】また別の事例として、スプリンクラーヘッ
ドが火災時以外に作動した場合の作用について説明す
る。

【００３４】スプリンクラーヘッド50が火災時以外に作
動した場合、例えばスプリンクラーヘッド50に外的衝撃
が加わって誤作動してしまった場合、二次側配管30内に
は消火液が充填されていないので、すぐに消火液は散布
されない。しかし制御盤80によってポンプＰが起動さ
れ、制御弁40も開放されるので、後に作動したスプリン
クラーヘッド50から消火液が散布されることから、手動
停止弁48を閉じてでシステムを停止する必要がある。

【００３５】またスプリンクラーヘッド50の誤作動に人
間が気付かないでいる場合には、制御盤80によって火災
警報信号が発せられるので、音や表示等で人間にスプリ
ンクラーヘッド50が作動したことを知らせてシステムを
停止することもできる。

【００３６】さらに周囲に誰もいない場合には、制御盤
80にタイマー機能を持たせておき、一定時間経してもシ
ステムが停止されない場合には、自動的にシステムを停
止する機能を持たせることもできる。

【００３７】他の実施形態として、制御弁40の開放信号
とポンプ起動信号の制御盤80からの出力を、作動センサ
ー60と火災感知器70を両方受信した場合に出力するよう
に設定しておくと、スプリンクラーヘッド50が誤作動し
ても消火液が散布されて水損被害が生じることはない。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、火
災感知器とスプリンクラーヘッドの作動センサーのどち
らかに不具合が生じても、火災時には確実にスプリンク
ラーヘッドへ消火液を供給して散布することができる信
頼性の高いスプリンクラー消火設備である。

【００３９】また、火災鎮火後や誤作動の後処理におい
て二次側配管内の消火液を排出する場合に、制御弁に設
けられたオリフィスにより二次側配管内の消火液は自動
的に排出されるので、従来のように人間が二次側配管の
水抜きを手動で行う必要がないというメンテナンス性に
も優れたスプリンクラー消火設備である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシステム概要図

【符号の説明】 10 水源 20 一次側配管 30 二次側配管 31 オリフィス 40 制御弁 43 弁体 46 オリフィス 50 スプリンクラーヘッド 60 作動センサー 70 火災感知器 80 制御盤 Ｐ ポンプ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水源から消火液を供給可能な状態に接続さ
   れた一次側配管と、作動センサーが設置されたスプリン
   クラーヘッドが接続され、内部が無加圧状態の気体であ
   る二次側配管を有し、該一次側配管と二次側配管を接続
   し、常時は流路が閉じられ制御盤からの信号により該流
   路を開放・閉鎖する制御弁と、スプリンクラーヘッドの
   近傍に設置された火災感知器の火災信号および前記作動
   センサーの信号を受信して制御弁の流路の開閉を制御す
   る制御盤と、前記制御弁の開放後に二次側配管内の残留
   気体を排出するオートドリップ手段から成ることを特徴
   とする予作動式スプリンクラー消火設備。
2. 【請求項２】前記請求項１に記載した作動センサーは、
   スプリンクラーヘッドが作動して水が放出したときに作
   動信号を発することを特徴とする予作動式スプリンクラ
   ー消火設備。
3. 【請求項３】前記請求項１に記載した作動センサーは、
   スプリンクラーヘッドに設置されたカバーが外れたとき
   に作動信号を発することを特徴とする予作動式スプリン
   クラー消火設備。