JP2003111323A - 発電電動機のロータ - Google Patents

発電電動機のロータ

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JP2003111323A
JP2003111323A JP2002055273A JP2002055273A JP2003111323A JP 2003111323 A JP2003111323 A JP 2003111323A JP 2002055273 A JP2002055273 A JP 2002055273A JP 2002055273 A JP2002055273 A JP 2002055273A JP 2003111323 A JP2003111323 A JP 2003111323A
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Japan
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permanent magnet
shaft
rotor
filament winding
winding layer
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JP2002055273A
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Shoei Abe
昇栄 阿部
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電電動機のシャフトの外周に永久磁石を配
置してフィラメントワインディング層で前記シャフト上
に巻きかけて固定してロータとするものにおいて、永久
磁石の保持強度を低下させることなく、浮き上がり回転
数を上げて永久磁石の浮き上がりを防止する。 【解決手段】 発電電動機のロータ26において、永久
磁石22のシャフト軸方向側端部に永久磁石より密度に
おいて小さい(低密度)部材36を配置すると共に、フ
ィラメントワインディング層24で永久磁石22と部材
36を巻きかけてシャフト上に固定し、よって低下した
保持強度以下の遠心力しか作用させないことで浮き上が
り回転数を上げることを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は発電電動機のロー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】発電電動機、即ち、発電機および/また
は電動機となる電気機器のシャフトの外周に永久磁石を
配置してフィラメントワインディング層で前記シャフト
上に巻きかけて固定してロータとした例としては、特開
平10−51985号公報記載の技術を挙げることがで
きる。この従来技術においては、フィラメントとして炭
素繊維を用いた強化樹脂層で永久磁石をシャフト上に巻
きかけて固定して高速同期発電機のロータとしている。
【0003】また、フィラメントとして上記した炭素繊
維以外にも、ガラス繊維、ケブラー(ポリアミド系繊
維)を用いた強化樹脂層で永久磁石をシャフト上に固定
したり、薄肉の金属円管を圧入して永久磁石をシャフト
上に固定することも、知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種のロータは、高
速で回転させられるとき、遠心力によって永久磁石はシ
ャフト径方向に浮き上がろうとする。永久磁石の浮き上
がりが発生すると、ロータ全体のバランスが崩れて振動
が生じたり、発電電動機の磁気特性に変化が生じたりす
る恐れがある。さらには、永久磁石の浮き上がりが発生
することにより、永久磁石が、円周方向(回転方向)あ
るいはシャフト軸方向にずれる恐れがある。
【0005】従って、かかるロータにあっては、永久磁
石の浮き上がりを防止する必要がある。浮き上がりが発
生する回転数(以下「浮き上がり回転数」という)は、
フィラメントワインディング加工時の張力の平方根、あ
るいはフィラメントワインディング層の厚み(層数)の
平方根に比例するが、フィラメントワインディング層の
厚みを増加させることは、ステータとのギャップから限
界がある。
【0006】そこで、フィラメントワインディング加工
時の張力を増加させて浮き上がり回転数を上げざるを得
ない。しかしながら、高い張力をかけながら永久磁石の
上にフィラメントワインディング層を重ねていくと、加
熱硬化工程で、永久磁石の端部相当位置においてフィラ
メントワインディング層の厚み(シャフト径方向の厚
み)が徐々に減少する、いわゆる肩落ちが発生する。こ
のことは、永久磁石を保持するフィラメントワインディ
ング層が減少すると同時に加工時の張力より低くなって
しまうため、肩落ち発生部分の永久磁石の保持強度が低
下することを意味する。
【0007】また、永久磁石がネオジウム、鉄、ボロン
などの希土類合金を焼結してなるような場合、永久磁石
自体の強度が低いため、遠心力に対する保持強度が部分
的に異なると、永久磁石が割れて破損する恐れもある。
【0008】従って、この発明の目的は上記した課題を
解消することにあり、発電電動機のシャフトの外周に永
久磁石を配置してフィラメントワインディング層で前記
シャフト上に巻きかけて固定してロータとするものにお
いて、永久磁石の保持強度を低下させることなく、浮き
上がり回転数を上げて永久磁石の浮き上がりを防止する
ようにした発電電動機のロータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1項にあっては、発電電動機のシャフトの
外周に永久磁石を配置し、前記永久磁石をフィラメント
ワインディング層で巻きかけて前記シャフト上に固定し
てロータとした発電電動機のロータにおいて、前記永久
磁石のシャフト軸方向側端部に、前記永久磁石より密度
において小さい部材を配置すると共に、前記フィラメン
トワインディング層で前記永久磁石と前記部材を巻きか
けて前記シャフト上に固定するように構成した。
【0010】永久磁石のシャフト軸方向側端部に永久磁
石より密度において小さい部材を配置すると共に、フィ
ラメントワインディング層で永久磁石と部材を巻きかけ
てシャフト上に固定するように構成したので、永久磁石
の端部相当位置においてフィラメントワインディング層
が肩落ちして永久磁石の保持強度が低下しても、密度の
小さい、換言すれば単位体積当たりの質量の小さい部材
を配置して永久磁石と共にフィラメントワインディング
層で固定することで、低下した保持強度以下の遠心力し
か作用しないようにすることができる。それによって、
永久磁石の保持強度を低下させることなく、浮き上がり
回転数を上げて永久磁石の浮き上がりを効果的に防止す
ることができる。また、永久磁石がネオジウム、鉄、ボ
ロンなどの希土類合金を焼結してなるような場合でも、
遠心力に対する保持強度が部分的に異なることがないた
め、永久磁石の破損を防止することができる。
【0011】請求項2項にあっては、前記フィラメント
ワインディング層の厚みを、前記部材上でシャフト軸方
向において徐々に減少させるように構成した。
【0012】フィラメントワインディング層の厚みをシ
ャフト軸方向において徐々に減少させる、即ち、意図的
に肩落ち形状となるように構成、具体的には完成後に肩
落ち形状となるように、フィラメントの巻き数を端部で
徐々に減少させて厚みが減少するように構成したので、
層の厚みの減少によって端部の保持強度は低いものの、
初期の張力を維持することができることから、保持強度
の低下率を一層抑えることができ、その分だけ(低密
度)部材の素材選択の自由度を拡大することができる。
【0013】請求項3項にあっては、前記部材にシャフ
ト径方向に延びる突起を形成する如く構成した。
【0014】前記部材にシャフト径方向に延びる突起を
形成する如く構成したので、前記した作用、効果に加
え、突起に相当する分だけ肩落ち部位を小さくすること
ができ、それに相応する密度の部材を配置すれば足るの
で、(低密度)部材の素材選択の自由度を拡大すること
ができる。
【0015】請求項4項にあっては、前記フィラメント
ワインディング層を構成するフィラメントが、ポリパラ
フェニレンベンゾビスオキサゾールを液晶紡糸した繊維
からなる如く構成した。
【0016】フィラメントワインディング層を構成する
フィラメントが、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサ
ゾールを液晶紡糸した繊維からなる如く構成したので、
浮き上がり回転数を上げて永久磁石の浮き上がりを効果
的に防止することができると共に、この繊維は非導電体
なので、発熱による永久磁石の減磁の恐れなども解消す
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即し、この発明
の一つの実施の形態に係る発電電動機のロータを説明す
る。
【0018】図1はその発電電動機のロータを全体的に
示す概略図である。
【0019】図1において、符号10は発電電動機を示
す。発電電動機10はハウジング12を備える。ハウジ
ング12の内部にはシャフト14と、シャフト14にボ
ルト16をボルト挿通孔16aから挿通して固定された
フライホイール20が、シャフト14によって回転自在
に収容される。尚、発電電動機10は電気エネルギをフ
ライホイール20の回転として蓄積する、特開昭52−
065804号公報に記載されるようなフライホイール
型蓄電装置、いわゆるフライホイール・バッテリとして
構成される。
【0020】シャフト14は鉄材からなり、図示の如
く、シャフト半部14a,14bからなる。シャフト半
部14a,14bは共に先端側からフライホイール20
に向けて径大に構成される。
【0021】フライホイール20は上面視でホイール状
を呈し、中央位置にボス20aを備え、ボス(ハブ)2
0aの両側でシャフト半部14a,14bにボルト16
で固定され、よってフライホイール20がシャフト14
を介して回転自在に構成される。
【0022】フライホイール20のボス20aと円周側
の環状のリム20bの間は複数本(具体的には4本)の
スポーク(アーム)20cで一体的に接続される。ボス
20a、リム20bおよびスポーク20cは、アルミニ
ウム材で製作される。また、リム20bは比較的肉薄に
形成され、そのさらに円周側には炭素繊維を用いた強化
樹脂材からなるロータ20dが圧入される。
【0023】ロータ20dは上面視でドーナツ状を呈
し、それぞれ炭素繊維を用いた強化樹脂を積層してな
る、軽量で回転強度の高い複数個のピース、例えば5個
のピースからなる。それぞれのピースは順次リム20b
の外周に圧入され、回転体が構成される。
【0024】シャフト14の半部14bの外周には永久
磁石22が配置され、永久磁石22をフィラメントワイ
ンディング層24でシャフト14上に巻き止め、前記し
た発電電動機のロータ(回転子)26が構成される。
【0025】他方、ハウジング12には、ロータ26と
所定のギャップ(間隙)をおいてステータ(固定子巻
線)30が固定される。ロータ26とステータ30で発
電機・電動機、より具体的には永久磁石式の同期発電機
・電動機が構成される。
【0026】シャフト14(およびそれに固定されたフ
ライホイール20)は、軸受け32を介してハウジング
12内に回転自在に収容される。尚、軸受け32は、図
示の簡略化のため、玉軸受けとして示すが、実際には磁
気軸受けからなり、非接触にシャフト14を支持する。
また、ハウジング12の内部34は減圧装置(図示せ
ず)に接続され、真空に保持されてフライホイール20
の回転時の空気抵抗を減少するように構成される。
【0027】発電電動機10は、充電時には図示しない
通電回路を介してステータ30が通電されてステータ3
0とロータ26が電動機として動作し、フライホイール
20を回転させると共に、放電時にはステータ30とロ
ータ26が発電機として動作し、フライホイール20の
回転を電気エネルギに変換する。かく発生された電力
は、図示しない回路を介して取り出されて所望の用途に
供される。
【0028】図2および図3は、図1のロータ26の構
成をより詳細に示す、シャフト14の部分縦断概略図お
よび部分横断概略図である。
【0029】図示の如く、ロータ26は、シャフト14
(より正確にはシャフト半部14b)の外周に配置され
た永久磁石22をフィラメントワインディング層24で
シャフト14b上に巻きかけて固定されてなる。
【0030】永久磁石22は例えば、ネオジウム、鉄、
ボロンの希土類合金を焼結してなるものから製作され、
図示の如く、空隙22aで細分された8個の磁石片から
なる、4極対構造とされる。
【0031】フィラメントワインディング層24は、ガ
ラス繊維を用いた強化樹脂からなるフィラメントを数本
束ねたロービングに樹脂を含浸させながら永久磁石22
に張力をかけて巻きかけ、次いで加熱硬化させるフィラ
メントワインディング加工で形成される。
【0032】尚、図示例のような発電電動機において
は、フィラメントとして、ガラス繊維に代え、ケブラー
(ポリアミド繊維)などを使用しても良い。また、フィ
ラメントの素材については第4の実施の形態で詳細に述
べる。
【0033】ロータ26は高速で回転させられることか
ら、先に述べたように、遠心力によって永久磁石22が
シャフト14の径方向に浮き上がろうとし、その浮き上
がりが発生すると、ロータ26の全体としてのバランス
が崩れて振動が生じるなどの不都合が起きる。
【0034】浮き上がり回転数(浮き上がりが発生する
回転数)は、フィラメントワインディング加工時の張力
あるいはフィラメントワインディング層の厚み(層数)
の平方根に比例するが、フィラメントワインディング層
の厚みを増加させることは、ステータ30とのギャップ
から限界があることから、浮き上がり回転数を上げて浮
き上がりを回避するには張力を増加せざるを得ない。
【0035】図4に、フィラメントワインディング加工
時の張力(プリテンション)に対する浮き上がり回転数
(図に「N」と示す)の特性を示す。図示の如く、張力
が増加するにつれて、浮き上がり回転数を上げることが
でき、よって浮き上がりを回避することができる。尚、
浮き上がり回転数の算出については第3の実施の形態で
詳説する。
【0036】しかしながら、フィラメントワインディン
グ加工において張力を増加させると、フィラメントワイ
ンディング層24の永久磁石22の端部(シャフト14
の軸方向端部)に相当する位置に、図2に想像線で示す
如く、肩落ち部24aが発生する。
【0037】即ち、先にも述べたようにフィラメントワ
インディング加工時の加熱硬化工程で、永久磁石22の
端部相当位置においてフィラメントワインディング層2
4の厚み(シャフト径方向厚み)が徐々に減少すると同
時に張力が低下する、いわゆる肩落ちが発生する。
【0038】この肩落ち部24aによって永久磁石22
の保持強度がその分だけ低下する。また甚だしいとき
は、永久磁石22に曲げ応力が発生することになって浮
き上がり回転数を低下させることになる。また、永久磁
石22がネオジウム、鉄、ボロンなどの希土類合金を焼
結してなり、それ自体の強度が低いため、遠心力に対す
る保持強度が部分的に異なると、割れて破損する恐れも
ある。
【0039】従って、この実施の形態においては、永久
磁石22の端部(シャフト14の軸方向の端部)、より
詳しくはその両端部に、永久磁石22より密度において
小さい(低密度)部材36を配置すると共に、フィラメ
ントワインディング層24で永久磁石22とその(低密
度)部材36をシャフト14上に巻きかけて固定するよ
うに構成した。尚、この明細書において「密度」は単位
体積当たり質量を意味する。
【0040】このように、フィラメントワインディング
層24の肩落ち部24aに相当する位置には、永久磁石
22の保持強度が低下しても、フライホイール20の高
速回転時、その低下した保持強度以下の遠心力しか作用
しないように、永久磁石22に代え、それより低密度
の、換言すれば単位体積当たりの質量の小さい部材36
を配置するようにした。
【0041】具体的には、部材36の素材は、フィラメ
ントワインディング層24の残余の部分と比較したとき
の肩落ち部24aの重量(質量)減少分と張力低下分に
相当する分だけ、もしくはそれ以上に密度が小さい素材
を選択して使用する。
【0042】即ち、永久磁石22が前記した希土類合金
材(例えば日立金属製HS−30EV(商品名。密度
7.5))を使用して製作することから、(低密度)部
材36は、一般的には合成樹脂材、具体的にはポリイミ
ド(密度1.43)からなる素材、より具体的にはユピ
モールSA201(商品名。密度1.32から1.3
4)の素材を使用して製作するようにした。
【0043】これによって、永久磁石22の保持強度を
低下させることなく、浮き上がり回転数を上げることが
でき、永久磁石22の浮き上がりを効果的に防止するこ
とができる。また、永久磁石22が希土類合金材から製
作されるときも、遠心力に対する保持強度が部分的に異
なることがないので、割れて破損することがない。
【0044】この実施の形態は上記の如く、永久磁石2
2のシャフト軸方向側端部に永久磁石より密度において
小さい、換言すれば単位体積当たりの質量において小さ
い(低密度)部材36を配置すると共に、フィラメント
ワインディング層24で永久磁石22と(低密度)部材
36を巻きかけてシャフト14の上に固定するように構
成した。
【0045】それによって、永久磁石22の端部におい
てフィラメントワインディング層24が肩落ちして永久
磁石22の保持強度が低下しても、低下した保持強度以
下の遠心力しか作用しないようにすることができる。さ
らには、永久磁石22の保持強度を低下させることな
く、浮き上がり回転数を上げて永久磁石の浮き上がりを
効果的に防止することができる。また、永久磁石22が
希土類合金材から製作されるときも、遠心力に対する保
持強度が部分的に異なることがないので、破損を防止す
ることができる。
【0046】尚、(低密度)部材36はフィラメントワ
インディング層24に肩落ち部24aが生じるときの対
策なので、例えば、片側にテーパや段差が形成されてい
る構造にあっては、両端部に配置することは必須の構成
ではなく、肩落ち部24aが生じる側の端部に配置すれ
ば足る。請求項1項において「両端部」とせず、「端
部」としたのは、この意味からである。
【0047】図5はこの発明の第2の実施の形態に係る
発電電動機のロータの一部を示す、図2に部分的に類似
する図面である。
【0048】第2の実施の形態は、永久磁石22の端部
に(低密度)部材36を配置すると共に、フィラメント
ワインディング層24で永久磁石22とその(低密度)
部材36をシャフト14上に巻きかけて固定するように
構成した点では第1の実施の形態と同様である。
【0049】しかしながら、第2の実施の形態において
特徴的なことは、フィラメントワインディング層24の
厚みを、シャフト軸方向において徐々に減少させるよう
に構成したことである。
【0050】即ち、第2の実施の形態にあっては、図5
に示すように、意図的に肩落ち形状となるように構成し
た。具体的には完成後に肩落ち形状となるように、フィ
ラメントの巻き数を端部で徐々に減少させて厚みが減少
するように構成した。
【0051】第2の実施の形態にあっては上記のように
構成したので、フィラメントワインディング層24の厚
みの減少によって永久磁石22の保持強度は低いもの
の、フィラメントワインディング加工で初期の張力を維
持することができることから、第1の実施の形態で述べ
た構成に比して永久磁石22の保持強度の低下率を抑え
ることができ、その分だけ(低密度)部材36の素材選
択の自由度を拡大することができる。
【0052】尚、残余の構成および効果は、第1の実施
の形態と同様である。また、第1の実施の形態と同様
に、肩落ち部24aが生じるときの対策なので、片側に
テーパや段差が形成されている構造などにあっては、両
端部に配置することは必須の構成ではなく、肩落ち部2
4aが生じる側の端部をかく構成すれば足る。請求項2
項において「端部」としたのも、同様の理由による。
【0053】図6はこの発明の第3の実施の形態に係る
発電電動機のロータの一部を示す、図2に部分的に類似
する図面である。
【0054】第3の実施の形態においては、(低密度)
部材36の端部(シャフト14の軸方向側の端部)に、
シャフト径方向に延びる突起36aを形成するように構
成した。
【0055】これにより、第1の実施の形態に比し、突
起36aに相当する分だけ、肩落ち部24aを小さくす
ることができ、それに相応する密度の部材を配置すれば
良いので、(低密度)部材36の素材選択の自由度を拡
大することができる。尚、残余の構成および効果は、第
1の実施の形態と異ならない。
【0056】図7はこの発明の第4の実施の形態に係る
発電電動機のロータを示す、図2に類似する図面であ
る。
【0057】第4の実施の形態においては、フィラメン
トワインディング層24を構成するフィラメントとし
て、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PB
O)を液晶紡糸されてなる繊維(商品名ザイロン(東洋
紡績製))を用いるようにした。
【0058】先に述べたように、浮き上がり回転数を上
げるためにフィラメントワインディング加工時の張力を
増加させるとしても、引っ張り強度は、ガラス繊維では
3.4GPaである。ケブラーはさらに低く、2.3G
Pa程度が限界である。
【0059】従って、第4の実施の形態ではフィラメン
トワインディング層24を構成するフィラメントとし
て、強度において優れたポリパラフェニレンベンゾビス
オキサゾール(PBO)なる繊維を使用するようにし
た。これによって、浮き上がり回転数を効果的に上げる
ことができる。また、この繊維は非導電体なので、発熱
による永久磁石22の減磁の恐れも解消することができ
る。
【0060】ここで、図4に示す浮き上がり回転数の算
出について説明する。
【0061】図8は、フィラメント(24bで示す)を
張力(「Pr」と示す)をかけて(永久磁石22の上
に)巻きかけてなるフィラメントワインディング層24
をモデル化して示す説明図である。尚、その各部の寸法
は図示の如く定義する。また、図8などで永久磁石22
は「MG」と、フィラメントワインディング層24は
「FW」と示す。
【0062】フィラメントワインディング加工時に張力
をかけることから、図9(a)に示すように繊維が丸断
面のまま巻かれることはなく、図9(b)に示すように
巻かれるので、図9(b)に示すような単位tf×lf
を1束としてその断面積Sを算出すると、同図の下部に
示すようになる。
【0063】tfとして実測値を使用すれば、lfは、
断面積Sから算出することができる。lfはlp(図8
に定義を示す)より小さい値で、図示のモデルの場合、
繊維占有率Vfはlf/lpで算出することができる。
【0064】また、永久磁石22の重心半径rGと質量
m、および永久磁石22に作用する遠心力Fは、図10
に示すように算出することができる。
【0065】さらに、フィラメントワインディング加工
時の張力(プリテンション)と上記の遠心力Fが釣り合
うシャフト14の回転角速度ωは、図11に示すよう
に、釣り合い式から求めることができる。
【0066】フィラメントワインディング層24の質量
も考慮するとき、回転角速度ωは同図下部に示すように
なり、以上から同図最下部に示すように、適宜な係数K
を用いることで、浮き上がり回転数Nを算出することが
できる。
【0067】この場合、ケブラーの張力は380dで2
4.5〔N〕であるが、PBOは500dで98〔N〕
であり、約3.04倍(=98/(24.5×500/
380))となる。即ち、図4に示す如く、張力が2倍
になれば、浮き上がり回転数は21/2 倍まで上げること
ができることから、この例では浮き上がり回転数は、
(3.04)1/2 =1.74倍まで上げることができ
る。
【0068】第4の実施の形態は上記の如く構成したの
で、浮き上がり回転数を上げて永久磁石22の浮き上が
りを効果的に防止することができる。
【0069】尚、第1から第4の実施の形態を適宜組み
合わせることも可能である。例えば、第2の実施の形態
のフィラメントワインディング加工において第4の実施
の形態のフィラメントを用いても良い。
【0070】上記の如く、第1の実施の形態において
は、発電電動機10のシャフト14(より正確にはシャ
フト半部14b)の外周に永久磁石22を配置し、前記
永久磁石22をフィラメントワインディング層24で巻
きかけて前記シャフト上に固定してロータ26とした発
電電動機のロータにおいて、前記永久磁石22のシャフ
ト軸方向側端部に、前記永久磁石より密度において小さ
い(低密度)部材36を配置すると共に、前記フィラメ
ントワインディング層24で前記永久磁石22と前記部
材36を巻きかけて前記シャフト上に固定するように構
成した。
【0071】また、第2の実施の形態においては、前記
フィラメントワインディング層24の厚みを、前記部材
上でシャフト軸方向において徐々に減少させるように構
成した。
【0072】また、第3の実施の形態においては、前記
部材36にシャフト径方向に延びる突起36aを形成す
る如く構成した。
【0073】また、第4の実施の形態においては、前記
フィラメントワインディング層24を構成するフィラメ
ントが、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
(PBO)を液晶紡糸した繊維からなる如く構成した。
【0074】尚、この発明をフライホイール・バッテリ
を例にとって説明してきたが、それに限られるものでは
なく、この発明は、高速で回転する回転体で図示の構成
を備えるものであれば、妥当する。
【0075】
【発明の効果】請求項1項にあっては、永久磁石のシャ
フト軸方向側端部に永久磁石より密度において小さい部
材を配置すると共に、フィラメントワインディング層で
永久磁石と部材を巻きかけてシャフト上に固定するよう
に構成したので、永久磁石の端部相当位置においてフィ
ラメントワインディング層が肩落ちして永久磁石の保持
強度が低下しても、密度の小さい、換言すれば単位体積
当たりの質量の小さい部材を配置して永久磁石と共にフ
ィラメントワインディング層で固定することで、低下し
た保持強度以下の遠心力しか作用しないようにすること
ができる。それによって、永久磁石の保持強度を低下さ
せることなく、浮き上がり回転数を上げて永久磁石の浮
き上がりを効果的に防止することができる。また、永久
磁石がネオジウム、鉄、ボロンなどの希土類合金を焼結
してなるような場合でも、遠心力に対する保持強度が部
分的に異なることがないため、永久磁石の破損を防止す
ることができる。
【0076】請求項2項にあっては、フィラメントワイ
ンディング層の厚みをシャフト軸方向において徐々に減
少させる、即ち、意図的に肩落ち形状となるように構
成、具体的には完成後に肩落ち形状となるように、フィ
ラメントの巻き数を端部で徐々に減少させて厚みが減少
するように構成したので、層の厚みが減少する分、永久
磁石の保持強度は低いものの、初期の張力を維持するこ
とができることから、保持強度の低下率を一層抑えるこ
とができ、その分だけ(低密度)部材の素材選択の自由
度を拡大することができる。
【0077】請求項3項にあっては、前記部材にシャフ
ト径方向に延びる突起を形成する如く構成したので、前
記した作用、効果に加え、突起に相当する分だけ肩落ち
部位を小さくすることができ、それに相応する密度の部
材を配置すれば足るので、(低密度)部材の素材選択の
自由度を拡大することができる。
【0078】請求項4項にあっては、フィラメントワイ
ンディング層を構成するフィラメントが、ポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾールを液晶紡糸した繊維から
なる如く構成したので、浮き上がり回転数を上げて永久
磁石の浮き上がりを効果的に防止することができると共
に、この繊維は非導電体なので、発熱による永久磁石の
減磁の恐れなども解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る発電電動機
のロータを全体的に示す概略図である。
【図2】図1のロータの構成をより詳細に示す、シャフ
トの部分縦断概略図である。
【図3】図1のロータの構成をより詳細に示す、シャフ
トの部分横断概略図である。
【図4】図1の装置のフィラメントワインディング加工
時の張力に対する浮き上がり回転数の特性を示す説明グ
ラフである。
【図5】この発明の第2の実施の形態に係る発電電動機
のロータの一部を示す、図2に部分的に類似する、シャ
フトの部分縦断概略図である。
【図6】この発明の第3の実施の形態に係る発電電動機
のロータの一部を示す、図2に部分的に類似する、シャ
フトの部分縦断概略図である。
【図7】この発明の第4の実施の形態に係る発電電動機
のロータを示す、図2に類似する、シャフトの部分縦断
概略図である。
【図8】図4に示す浮き上がり回転数の算出を説明する
説明図である。
【図9】同様に、図4に示す浮き上がり回転数の算出を
説明する説明図である。
【図10】同様に、図4に示す浮き上がり回転数の算出
を説明する説明図である。
【図11】同様に、図4に示す浮き上がり回転数の算出
を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 発電電動機 14 シャフト 20 フライホイール 22 永久磁石 24 フィラメントワインディング層 24a 肩落ち部 24b フィラメント 26 ロータ 30 ステータ 36 (低密度)部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電電動機のシャフトの外周に永久磁石
    を配置し、前記永久磁石をフィラメントワインディング
    層で巻きかけて前記シャフト上に固定してロータとした
    発電電動機のロータにおいて、前記永久磁石のシャフト
    軸方向側端部に、前記永久磁石より密度において小さい
    部材を配置すると共に、前記フィラメントワインディン
    グ層で前記永久磁石と前記部材を巻きかけて前記シャフ
    ト上に固定するように構成したことを特徴とする発電電
    動機のロータ。
  2. 【請求項2】 前記フィラメントワインディング層の厚
    みを、前記部材上でシャフト軸方向において徐々に減少
    させるように構成したことを特徴とする請求項1項記載
    の発電電動機のロータ。
  3. 【請求項3】 前記部材にシャフト径方向に延びる突起
    を形成したことを特徴とする請求項1項または2項記載
    の発電電動機のロータ。
  4. 【請求項4】 前記フィラメントワインディング層を構
    成するフィラメントが、ポリパラフェニレンベンゾビス
    オキサゾールを液晶紡糸した繊維からなることを特徴と
    する請求項1項から3項のいずれかに記載の発電電動機
    のロータ。
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