JP2003110869A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体

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JP2003110869A
JP2003110869A JP2002036013A JP2002036013A JP2003110869A JP 2003110869 A JP2003110869 A JP 2003110869A JP 2002036013 A JP2002036013 A JP 2002036013A JP 2002036013 A JP2002036013 A JP 2002036013A JP 2003110869 A JP2003110869 A JP 2003110869A
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data
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JP2002036013A
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English (en)
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Makio Goto
牧生 後藤
Shoichi Oyama
昌一 大山
Yosuke Konishi
陽介 小西
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色補正処理に用いるテーブルを固定的に格納
するメモリ領域のデータサイズを小型化することができ
る画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、プログ
ラム、および記録媒体を提供する。 【解決手段】 色補正データがテーブル値として作成さ
れた色補正テーブルを用いて入力画像データを出力画像
データに変換する色補正部10を備え、色補正部10
は、上記色補正テーブルが圧縮された色補正圧縮テーブ
ルを固定的に格納する圧縮テーブル格納部41と、上記
色補正圧縮テーブルを上記色補正テーブルとして展開す
る圧縮テーブル展開部42と、圧縮テーブル展開部42
によって展開された色補正テーブルを格納するRAMか
ら成る展開テーブル格納部43とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカラー複
写機等の画像形成装置あるいはカラーマネージメントシ
ステム等で使用されるテーブル参照(Look Up Table :
LUT )法(以下、「LUT法」と称する)により色補正
処理あるいは色変換処理を行う画像処理に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器のデジタル化が急速に進
展し、さらにカラー画像出力に対する需要性が増してき
たことにより、電子写真方式のデジタルカラー複写機な
らびにインクジェット方式あるいは熱転写方式のカラー
プリンタ等の画像形成装置が広く一般に普及してきてい
る。例えば、デジタルカメラやスキャナ等の画像入力装
置より入力された画像データ、あるいはコンピュータ上
で作成された画像データがこれらの画像形成装置を用い
て出力されている。
【0003】これらの画像形成装置においては、画像入
力装置より入力された画像データに対して、常に安定し
た状態で色再現された画像を出力することが必要とされ
ている。それゆえ、画像形成装置に備えられている画像
処理装置においては、デジタル画像処理技術の色補正処
理あるいは色変換処理が重要な役割を果たしている。
【0004】なお、これ以降の文章において、色再現さ
れたままで出力しては不適切な信号となってしまう色信
号の補正を行う処理と、色自体を変化させるために色信
号を変換する処理と、色自体が変化しないが色信号の座
標系を変換する処理とを、全て「色補正処理」と称す
る。
【0005】色補正処理の方法としては、入力画像デー
タを均等色空間データに変換するための色座標変換方法
を含めて、従来から種々の提案がなされている。その一
例として、色彩科学ハンドブック新編,第l137〜1
149頁(日本色彩学会編・東京大学出版会刊行)ある
いは日本画像学会誌,第37巻,第4号(1998),
第555〜559頁に記載されているLUT法がある。
【0006】上記LUT法を採用する従来の画像処理装
置においては、図52に示すように、色補正処理部20
1と、ROM等の不揮発性メモリである色補正テーブル
格納部200とを備えている。なお、画像処理装置全体
については図52には示していない。
【0007】そして、入力信号であるRGB信号(R:
赤・G:緑・B:青)に対応して色補正テーブル格納部
200に固定的に格納されたC(シアン)M(マゼン
タ)Y(イエロー)(K(ブラック))色の色補正テー
ブルを参照して、色補正処理部201が色補正処理を行
い、出力信号であるCMY(K)色の信号を出力する方
法を、総じて「LUT法」と称するのである。このよう
なLUT法をより詳細に分類すると、以下に示す直接変
換法、3次元補間法等を挙げることができる。
【0008】上記直接変換法とは、全ての入力画像デー
タと出力画像データとの組合せに対して色補正データを
予め計算して、その結果をテーブル値として色補正テー
ブルを作成し、作成された色補正テーブルを色補正テー
ブル格納部200に格納する。そして、入力画像データ
に対応するテーブル値を参照して変換されたデータを、
出力画像データとして出力する方法である。
【0009】上記直接変換法を色補正処理部201が行
う色補正処理の方法として採用した場合には、色補正テ
ーブル格納部200に直接アクセスして入力画像データ
に対応する出力画像データを1対1の対応で求めること
ができるので、後述する3次元補間法のように出力画像
データを入力画像データとテーブル値とに基づいて補間
して求める必要がなく、画像処理装置の回路構成を簡単
にすることができる。また、入力画像データと出力画像
データとの関係がどのような非線形特性にあっても、入
力画像データと出力画像データとが1対1の対応関係と
なるように上記テーブル値が計算されているので、入力
画像データから出力画像データへの高い変換精度を得る
ことができる。
【0010】一方、上記3次元補間法とは、選択された
一部の入力画像データに対応する出力画像データについ
て色補正データを予め計算して、その結果をテーブル値
として色補正テーブルを作成し、作成された色補正テー
ブルを色補正テーブル格納部200に格納する方法であ
る。そして、色補正テーブルにテーブル値が格納されて
いる入力画像データの近傍の入力画像データについて
は、色補正テーブルに記憶されているテーブル値と入力
画像データとに基づいて、3次元補間演算により出力画
像データを算出する方法である。
【0011】上記3次元補間法を色補正処理部201が
行う色補正処理の方法として採用した場合には、全入力
画像データのうち一部の入力画像データのみについて計
算されたテーブル値を使用しても、全ての入力画像デー
タに対する全ての出力画像データを求めることができ
る。それゆえ、色補正テーブルのデータサイズを直接変
換法の場合よりも小さくして、色補正テーブル格納部2
00のデータサイズも小型化することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記直接変
換法においては、全ての入力画像データに対応するテー
ブル値として色補正テーブルを作成する必要があり、色
補正テーブルのデータサイズが大きくなる。これに伴
い、色補正テーブルを固定的に格納する色補正テーブル
格納部200のデータサイズが非常に大きくなるという
問題点がある。例えば、8ビット3色の入力画像データ
の場合は48Mバイト、10ビット4色の入力画像デー
タの場合は4Gバイトとなり、少なくともそれだけのデ
ータサイズを有する大きなデータサイズの色補正テーブ
ル格納部200が必要となる。
【0013】また、3次元補間法においては、上述のよ
うに直接変換法の場合よりも色補正テーブルのデータサ
イズを小さくすることができるけれども、3次元補間演
算の精度をある程度維持するために、ある程度多くの入
力画像データについてテーブル値を計算し、色補正テー
ブル格納部200に固定的に格納しておく必要がある。
したがって、このようにしても、色補正テーブルのデー
タサイズ、すなわち色補正テーブル格納部200のデー
タサイズの小型化には限界がある。
【0014】すなわち、従来の図示しない画像処理装置
は、上記直接変換法あるいは上記3次元補間法を色補正
処理部201が行う色補正処理の方法として採用する場
合のいずれの場合においても、色補正処理において参照
する色補正テーブルのデータサイズの充分な小型化を行
うことができない。したがって、従来の色補正処理に用
いるテーブルを固定的に格納するメモリ領域のデータサ
イズも充分な小型化を行うことができないという問題点
を有している。
【0015】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、色補正処理に用いるテー
ブルを固定的に格納するメモリ領域のデータサイズを小
型化することができる画像処理装置、画像形成装置、画
像処理方法、プログラム、および記録媒体を提供するこ
とを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、第1の表色系より成る入力画像データを、色補正テ
ーブルを用いて、第2の表色系より成る出力画像データ
に変換することで色補正を行うようにした画像処理装置
において、上記出力画像データが圧縮された色補正圧縮
テーブルを固定的に格納する第1の記憶手段と、上記色
補正圧縮テーブルを上記色補正テーブルとして展開する
展開手段と、上記展開手段によって展開された色補正テ
ーブルを格納するRAMから成る第2の記憶手段とを含
むことを特徴とする。
【0017】上記の構成によれば、色補正テーブルを圧
縮した色補正圧縮テーブルは、ROMなどで実現される
第1の記憶手段によって、不所望な書換えが生じないよ
うに固定的に格納されている。そして、色補正を行うに
あたって、その色補正圧縮テーブルが展開手段で展開さ
れて、入力画像データに対応した出力画像データを直ち
に得ることができる形態とされ、色補正テーブルとし
て、RAMから成る第2の記憶手段に格納されている。
この色補正テーブルを用いて、第1の表色系より成る入
力画像データが第2の表色系より成る出力画像データに
変換されることになる。
【0018】ここで、第1の記憶手段に格納される色補
正圧縮テーブルは、色補正テーブルを圧縮して得られる
ものであり、そのデータサイズは小さい。特に、直接変
換法による色補正処理を行う場合には、色補正テーブル
のデータサイズは非常に大きいものであるので、その色
補正テーブルに対して、色補正圧縮テーブルのデータサ
イズを特に小さくすることができ、好適である。
【0019】したがって、上記のように不所望な書換え
が生じないように色補正テーブルを固定的に格納するに
あたって、色補正圧縮テーブルに圧縮しておくことで、
それを格納する第1の記憶手段のデータサイズを、非圧
縮の色補正テーブルをそのまま格納する場合に比べて小
さくすることができ、色補正処理に用いるテーブルを固
定的に格納するメモリ領域のデータサイズを従来の限界
を超えて小型化することができる。
【0020】一方、上記第2の記憶手段はRAMから成
るので、色補正処理に用いるために色補正テーブルを読
出す速度は、ROMやハードディスクなど、該色補正テ
ーブルを固定的に格納するメモリ領域から直接読出して
いた従来よりも向上することができ、画像処理装置全体
の処理をより高速化することができる。
【0021】また、本発明の画像処理装置は、上記第1
の記憶手段が、入力原稿の原稿種別毎に用意された複数
の色補正圧縮テーブルを固定的に格納し、上記入力原稿
の原稿種別に対応する色補正圧縮テーブルを上記複数の
色補正圧縮テーブルから選択し、上記展開手段に上記色
補正テーブルとして展開させる選択手段をさらに備える
ことを特徴とする。
【0022】上記の構成によれば、文字、写真、印刷物
等の原稿種別毎に用意された複数の色補正圧縮テーブル
から、入力原稿に対応する色補正圧縮テーブルのみを上
記選択手段により選択し、展開手段に色補正テーブルと
して展開させる。
【0023】したがって、入力原稿の原稿種別にまで対
応した色補正処理を行う場合においても、複数の色補正
圧縮テーブル間で第2の記憶手段を共用し、該第2の記
憶手段のデータサイズをより小さいものとすることがで
きる。
【0024】さらにまた、本発明の画像処理装置は、上
記入力原稿の原稿種別に対応して生成される原稿種別判
別信号を記憶する第3の記憶手段をさらに備え、上記第
2および第3の記憶手段が不揮発性メモリから成り、上
記選択手段は、上記第3の記憶手段に記憶されている現
在の入力原稿の原稿種別に対応した原稿種別判別信号
と、新たな入力原稿の原稿種別に対応して生成される原
稿種別判別信号とを比較し、相互に一致する場合に、上
記第2の記憶手段に記憶されている現在の色補正テーブ
ルを、そのまま新たな入力原稿の色補正処理に用いるこ
とを特徴とする。
【0025】上記の構成によれば、入力原稿の原稿種別
に対応して生成される原稿種別判別信号を記憶する第3
の記憶手段をさらに備え、上記第2および第3の記憶手
段を不揮発性メモリから構成し、上記原稿種別判別信号
および展開した色補正テーブルを電源が切断されても保
持できるようにする。そして、新たな入力原稿がある
と、判定された原稿種別と現在の原稿種別とが相互に一
致する場合は上記の色補正圧縮テーブルの第2の記憶手
段への展開を行わず、原稿種別が変化した場合にのみ、
その新たな原稿種別に対応した色補正テーブルの展開を
行う。
【0026】したがって、電源投入時に色補正テーブル
を展開する回数を低減し、また画像処理の開始までの所
要時間を短縮することができる。
【0027】また、本発明の画像処理装置は、第1の表
色系より成る入力画像データを、色補正テーブルを用い
て、第2の表色系より成る出力画像データに変換するこ
とで色補正を行うようにした画像処理装置において、上
記出力画像データが圧縮された色補正圧縮テーブルを固
定的に格納する第1の記憶手段と、RAMから成り、上
記第1の記憶手段から上記色補正圧縮テーブルを読出し
て格納しておく第2の記憶手段と、上記入力画像データ
に対応した色補正圧縮テーブルを上記第2の記憶手段か
ら読出して色補正テーブルとして展開する展開手段とを
含むことを特徴とする。
【0028】上記の構成によれば、色補正テーブルを圧
縮した色補正圧縮テーブルは、ROMなどで実現される
第1の記憶手段によって、不所望な書換えが生じないよ
うに固定的に格納されている。そして、色補正を行うに
あたって、その色補正圧縮テーブルはRAMから成る第
2の記憶手段に転送され、格納されており、入力画像デ
ータに対応した色補正圧縮テーブルが展開手段へ逐次読
出され、展開された色補正テーブルを用いて、第1の表
色系より成る入力画像データが第2の表色系より成る出
力画像データに変換される。
【0029】したがって、第2の記憶手段のデータサイ
ズも第1の記憶手段のデータサイズまで小さくすること
ができる。
【0030】さらにまた、本発明の画像処理装置では、
上記圧縮は、上記出力画像データと予め定める基準値と
の差分を求めることで行われることを特徴とする。
【0031】上記の構成によれば、色補正テーブルの出
力画像データ値と、その平均値などに設定される基準値
との差分を求めることで、圧縮された色補正圧縮テーブ
ルが作成されている。
【0032】したがって、第1の記憶手段のデータサイ
ズを、または第1および第2の記憶手段のデータサイズ
を縮小することができる。
【0033】また、本発明の画像処理装置では、上記圧
縮は、上記差分をさらに量子化することで行われること
を特徴とする。
【0034】上記の構成によれば、圧縮効率をさらに向
上することができる。
【0035】さらにまた、本発明の画像処理装置は、上
記量子化レベルが、上記色補正テーブル値の濃度範囲に
応じて決定されることを特徴とする。
【0036】上記の構成によれば、色補正テーブル値の
濃度範囲に応じて量子化レベルを切換えることで、中間
調濃度領域においてトーンギャップ等が発生するのを防
止して、効果的な色補正処理を行うことができる。
【0037】また、本発明の画像処理装置では、上記色
補正テーブルは複数の濃度範囲に分割され、上記出力画
像データは各濃度範囲に応じて予め定められる量子化レ
ベルで量子化された後、上記圧縮が行われることを特徴
とする。
【0038】上記の構成によれば、色補正テーブル値の
濃度範囲に応じて量子化レベルを切換えることで、中間
調濃度領域においてトーンギャップ等が発生するのを防
止して、効果的な色補正処理を行うことができ、また色
補正テーブルを量子化した後に圧縮を行っているので、
圧縮効果を向上することができ、第1の記憶手段のデー
タサイズを、または第1および第2の記憶手段のデータ
サイズを縮小することができる。
【0039】さらにまた、本発明の画像処理装置では、
上記圧縮の手法は、上記各濃度範囲毎に選択されること
を特徴とする。上記の構成によれば、各濃度範囲毎に最
適な圧縮手法を採用するので、記憶手段のデータサイズ
および転送するデータ量を縮小することができる。
【0040】また、本発明の画像処理装置では、上記第
2の表色系より成る出力画像データは黒色成分を含んで
おり、上記色補正圧縮テーブルは、上記黒色成分が残余
の色成分よりも高圧縮であることを特徴とする。
【0041】上記の構成によれば、黒色成分と残余の色
成分とで圧縮手法を切換えることで、特に低濃度領域や
高濃度領域において同じ値が連続する黒色成分は高圧縮
にでき、記憶手段のデータサイズおよび転送するデータ
量を縮小することができる。
【0042】さらにまた、本発明の画像形成装置は、上
記構成の何れかに記載の画像処理装置を備えていること
を特徴とする。
【0043】上記の構成によれば、色補正処理に用いる
色補正圧縮テーブルを固定的に格納する記憶手段のデー
タサイズを小さくすることができる画像形成装置を提供
することができる。また、処理速度が従来よりも向上し
た画像処理装置を備える画像形成装置を提供することが
できる。
【0044】また、本発明の画像処理方法は、第1の表
色系より成る入力画像データを、色補正テーブルを用い
て、第2の表色系より成る出力画像データに変換するこ
とで色補正を行う画像処理方法において、上記色補正テ
ーブルが圧縮された色補正圧縮テーブルを固定的に格納
する第1の記憶手段から上記色補正圧縮テーブルを読出
して上記色補正テーブルとして展開するステップと、展
開された色補正テーブルをRAMから成る第2の記憶手
段に格納するステップとを備えていることを特徴とす
る。
【0045】上記の構成によれば、不所望な書換えが生
じないように第1の記憶手段に固定的に格納されている
色補正圧縮テーブルは、色補正テーブルを圧縮して得ら
れるものであり、非圧縮の色補正テーブルに対して色補
正圧縮テーブルのデータサイズは小さい。
【0046】したがって、色補正処理に用いるテーブル
を固定的に格納する第1の記憶手段のデータサイズを従
来の限界を超えて小さくすることができる。これによ
り、色補正処理に必要な固定的なメモリ領域のデータサ
イズを増加させることなく、画像処理を行うことができ
る。
【0047】また、上記第2の記憶手段はRAMから成
るので、上記色補正処理のために該第2の記憶手段に格
納された色補正テーブルを読出す速度が、ROMやハー
ドディスクなど、該色補正テーブルを固定的に格納する
メモリ領域から直接読出していた従来の速度よりも向上
する。これにより、処理速度を高速化させて画像処理を
行うことができる。
【0048】さらにまた、本発明の画像処理方法は、第
1の表色系より成る入力画像データを、色補正テーブル
を用いて、第2の表色系より成る出力画像データに変換
することで色補正を行う画像処理方法において、入力原
稿の原稿種別毎に用意された複数の上記色補正テーブル
を圧縮することにより得られる複数の色補正圧縮テーブ
ルを固定的に格納する第1の記憶手段から、入力原稿の
原稿種別に対応する色補正圧縮テーブルを選択するステ
ップと、選択された色補正圧縮テーブルを上記色補正テ
ーブルとして展開するステップと、展開された色補正テ
ーブルをRAMから成る第2の記憶手段に格納するステ
ップとを備えていることを特徴とする。
【0049】上記の構成によれば、入力原稿の原稿種別
に対応する色補正処理を行う必要がある場合において
も、色補正処理に用いるテーブルを固定的に格納するデ
ータサイズを従来の限界を越えて小さくすることができ
る。これにより、色補正処理に必要な固定的なメモリ領
域のデータサイズを増加させることなく、画像処理を行
うことができる。
【0050】また、上記第2の記憶手段はRAMから成
るので、上記色補正処理のために該第2の記憶手段に格
納された色補正テーブルを読出す速度が、ROMやハー
ドディスクなど、該色補正テーブルを固定的に格納する
メモリ領域から直接読出していた従来の速度よりも向上
する。これにより、処理速度を高速化させて画像処理を
行うことができる。
【0051】また、本発明の画像処理方法は、第1の表
色系より成る入力画像データを、色補正テーブルを用い
て、第2の表色系より成る出力画像データに変換するこ
とで色補正を行う画像処理方法において、上記色補正テ
ーブルが圧縮された色補正圧縮テーブルを固定的に格納
する第1の記憶手段から上記色補正圧縮テーブルを読出
して第2の記憶手段に格納するステップと、上記入力画
像データに対応した色補正圧縮テーブルを上記第2の記
憶手段から読出して上記色補正テーブルとして展開する
ステップとを備えていることを特徴とする。
【0052】上記の構成によっても、色補正処理に用い
るテーブルを固定的に格納する第1の記憶手段のデータ
サイズを従来の限界を超えて小さくすることができ、ま
た第2の記憶手段のデータサイズも第1の記憶手段のデ
ータサイズまで小さくすることができ、色補正処理に必
要なメモリ領域のデータサイズを増加させることなく、
画像処理を行うことができる。また、色補正テーブルの
読出し速度を向上し、処理速度を高速化させて画像処理
を行うことができる。
【0053】本発明に係る画像処理装置は、上記課題を
解決するために、入力画像データ値を出力画像データ値
に対応づける色補正テーブルを用いて色補正処理を行う
色補正手段を備えた画像処理装置において、上記色補正
テーブルの上記出力画像データ値が圧縮されている色補
正圧縮テーブルを格納する記憶手段と、上記の圧縮され
ている出力画像データ値を復号する展開手段とを含んで
いることを特徴としている。
【0054】本発明に係る画像処理装置は、上記構成に
おいて、上記記憶手段に格納された色補正圧縮テーブル
にアクセスして圧縮されている出力画像データ値を得
て、その圧縮されている出力画像データ値を展開手段が
復号するようになっている。すなわち、上記構成におい
て、本発明に係る画像処理装置は、色補正圧縮テーブル
全体を展開することなく出力画像データ値を得て色補正
処理を行う。
【0055】ここで、記憶手段は、色補正手段の内部に
備えられるようになっていてもよいし、外部に備えられ
ていてもよい。また、展開手段も同様に、色補正手段の
内部に備えられるようになっていてもよいし、外部に備
えられていてもよい。要するに、記憶手段および展開手
段は、色補正手段とともに、上述のような動作をするも
のであればよい。
【0056】上記の構成によれば、色補正テーブルは圧
縮されて記憶手段に格納されるので、記憶手段の格納領
域を削減できる。また、色補正圧縮テーブル全体を展開
するための記憶容量を不要にできる。
【0057】また、上記の構成によれば、記憶手段と展
開手段との間では出力画像データ値が転送されるのみで
あり、色補正圧縮テーブル全体を転送する必要はない。
したがって、記憶手段と展開手段との間で、転送容量が
小さな、簡易な転送手段を用いることができる。
【0058】上記構成において、さらに、上記記憶手段
から上記色補正圧縮テーブルを読出して格納しておく高
速アクセス可能な第2の記憶手段を備え、前記第2の記
憶手段にアクセスして圧縮されている出力画像データ値
を得て、上記展開手段が復号する構成も好ましい。
【0059】上記構成によれば、記憶手段に格納されて
いる色補正圧縮テーブルは第2の記憶手段に読出され、
色補正を行う際には、第2の記憶手段に格納された色補
正圧縮テーブルにアクセスして圧縮されている出力画像
データ値を得て、その圧縮されている出力画像データ値
を展開手段が復号するようになっている。
【0060】上記の構成によれば、色補正を行う際には
高速アクセス可能な第2の記憶手段にアクセスするよう
になっているので、単に記憶手段にアクセスする場合と
比べて高速に処理できる。
【0061】なお、上記構成において、展開手段では、
例えば復号するための復号表を備えてそれを参照するこ
とによって復号を行ってもよいし、また、ソフトウェア
を用いて復号のためのアルゴリズムを実行して復号する
ようにしてもよい。
【0062】本発明に係る画像処理装置は、上記課題を
解決するために、上記構成において、上記色補正手段
は、上記入力画像データの濃度領域を判別する領域判別
部を備えており、上記色補正テーブルは、複数に分割さ
れた上記出力画像データ値の濃度領域ごとに、それぞれ
別個に圧縮された後にまとめて色補正圧縮テーブルとさ
れ、上記展開手段は、上記領域判別部が判別した結果を
用いて複数の領域より一つの領域を選択し、該一つの領
域における圧縮に対応した復号を行うことを特徴として
いる。
【0063】上記構成において、上記展開手段は、上記
領域判別部が判別した結果を用いて複数の領域より一つ
の領域を選択し、該一つの領域における圧縮に対応した
復号を行うとは、例えば展開手段が復号表を用いて復号
する場合には、領域判別部の判別結果を用いて適切な復
号表を選択し、その復号表を用いて復号するということ
である。
【0064】上記構成によれば、出力画像データの濃度
領域を複数に分割し、各領域ごとに別個に圧縮された後
まとめて色補正圧縮テーブルとされたものが、記憶手段
に格納される。ここで、符号化圧縮法においては、領域
分割して要素数が減少すれば、そもそも符号は要素同士
を区別するためのものでもあるので、区別する対象とな
る要素が減ることになり、したがってその要素同士を区
別するために作成される符号のコード長は一般に減少す
る。このため、各領域においてそれぞれ含まれる要素の
コード長が減少するので、結局各領域をまとめた色補正
圧縮テーブルの容量も減少する。すなわち、分割前の色
補正圧縮テーブルのデータ容量よりも、分割後の色補正
圧縮テーブルのデータ容量の方が小さくなる。よって、
圧縮効率を高めて、格納に必要な記憶容量を削減でき
る。
【0065】上記構成によれば、出力画像データの濃度
領域を分割し、それぞれの濃度領域ごとに別個に圧縮す
るため、異なる領域に属するが同じ符号をもつ場合が発
生しうるが、上記構成においては、領域判定部を設けて
領域を区別し、符号を正しく復号するようになってい
る。
【0066】本発明に係る画像処理装置は、上記課題を
解決するために、上記構成において、上記圧縮符号化に
用いられる符号法は、画像データの出現頻度に応じて、
出現頻度の大きいデータ値に短いコード長を割り当てる
符号法であって、上記の複数に分割された上記出力画像
データの濃度領域は、濃度分布の出現頻度がほぼ一様な
領域と、濃度分布の出現頻度が異なっている領域とから
なるものであることを特徴としている。
【0067】上記構成において、画像データの出現頻度
に応じて、出現頻度の大きいデータ値に短いコード長を
割り当てる符号法とは、例えばハフマン符号法である。
【0068】上記構成においては、データの出現頻度を
用いて符号化するため、各データの出現頻度がほぼ等し
い領域についてはあまり圧縮効率が高くない。一方、各
データの出現頻度が異なっている場合には、非常に高い
圧縮率を得ることができる。したがって、例えば、分割
した領域が各データの出現頻度がほぼ等しい多数の要素
とそれとは出現頻度が異なる小数の要素とからなるよう
な場合には、この領域の圧縮効率は、各データの出現頻
度がほぼ等しい多数の要素が含まれているため、それほ
ど高いものとはならないこととなる。一方、上記の本発
明の構成によれば、常に高い圧縮率を得ることができ
る。
【0069】したがって、上記構成によれば、単に分割
した場合と比べて圧縮効率を向上できる。また、記憶領
域における色補正圧縮テーブルの格納領域をさらに削減
することができる。
【0070】本発明に係る画像処理装置は、上記課題を
解決するために、上記構成において、前記展開手段は格
納している復号表を用いて復号を行うものであり、異な
る濃度領域で画像データが同様の出現頻度分布を示す場
合には、前記展開手段は、同様の出現頻度分布を持つ濃
度領域については、1つの復号表を格納しておき共用す
ることを特徴としている。
【0071】上記構成において、本発明に係る画像処理
装置は、前記展開手段には、同様の出現頻度分布を持つ
濃度領域について共用するための1つの復号表を格納し
ておき、その濃度領域の画像データを復号する際にはそ
の1つの復号表を用いて復号し、さらに、展開手段はそ
の画像データが含まれる領域における圧縮に対応した復
号となるように、復号表による復号の結果を変換するよ
うになっている。
【0072】上記構成において、展開手段が行う、画像
データが含まれる領域における圧縮に対応する復号とな
るような変換とは、例えば、同様の出現頻度分布を持つ
濃度領域ごとに、領域に含まれる最小の大きさの要素を
記憶しておき、領域の判定とともに、その要素間の差
を、復号表による復号の結果に加算することによって行
うことができる。
【0073】上記構成によれば、異なる濃度領域で画像
データが同様の出現頻度分布を示す場合には、共用する
1つの復号表を格納しておくので、展開手段に格納して
おく復号表の格納領域を削減できる。
【0074】本発明に係る画像形成装置は、上記課題を
解決するために、上記構成の画像処理装置を備えている
ことを特徴としている。
【0075】上記構成によれば、本発明に係る画像形成
装置は、上記の画像処理装置を備えているので、テーブ
ル参照法に必要な記憶手段の格納領域を削減できる。
【0076】また、上記構成によれば、上記の画像処理
装置を備えているので、テーブル参照法に必要な記録領
域の格納領域を削減でき、このため、直接変換法を用い
ることが現実的に可能となる。
【0077】また、上記構成によれば、テーブル参照法
に必要な記録領域の格納領域を削減できるので、同じ記
録領域でもより詳細な符号化テーブルを格納することが
でき、品質の良い(色再現)の優れた画像を出力するこ
とができる。同様に、同じ品質であってもよりコストを
削減できる。
【0078】本発明に係る画像処理方法は、上記課題を
解決するために、色補正テーブルを用いて入力画像デー
タを出力画像データに変換する色補正処理を行う画像処
理方法であって、上記色補正テーブルの出力画像データ
の濃度領域を複数の領域に分割するステップと、上記出
力画像データの分割された複数の領域ごとに、それぞれ
別個に色補正テーブルを圧縮して色補正圧縮テーブルと
し、前記色補正圧縮テーブルを格納するステップとを含
んでいることを特徴としている。
【0079】本発明に係る画像処理方法は、上記課題を
解決するために、色補正テーブルを用いて入力画像デー
タを出力画像データに変換する色補正処理を行う画像処
理方法であって、上記色補正テーブルの出力画像データ
の濃度領域を複数の領域に分割し、上記複数の領域ごと
に、それぞれ別個に色補正テーブルを圧縮して格納した
色補正圧縮テーブルを参照して、圧縮された出力画像デ
ータ値を得るとともに、前記入力画像データの属する濃
度領域を判別するステップと、上記判別した入力画像デ
ータの属する濃度領域における圧縮に対応する復号によ
って、上記圧縮された出力画像データ値を復号するステ
ップとを含んでいることを特徴としている。
【0080】本発明に係る画像処理方法は、上記課題を
解決するために、上記構成において、上記圧縮に用いら
れる符号法は、画像データの出現頻度に応じて、出現頻
度の大きいデータ値に短いコード長を割り当てる符号法
であって、上記の複数に分割された上記出力画像データ
の濃度領域は、濃度分布の出現頻度がほぼ一様な領域
と、濃度分布の出現頻度が異なっている領域とからなる
ものであることを特徴としている。
【0081】本発明に係る画像処理方法は、上記課題を
解決するために、上記構成において、上記復号するステ
ップは、格納された復号表を用いて行うものであり、異
なる濃度領域で画像データが同様の出現頻度分布を示す
場合には、同様の出現頻度分布を持つ濃度領域について
は格納された1つの復号表を共用して復号することを特
徴としている。
【0082】上記構成の画像処理方法を、画像処理装置
が実行すれば、上記した本発明に係る画像処理装置を実
現できるという効果を奏する。
【0083】すなわち、上記構成によれば、例えば、出
力画像データの濃度領域を複数の領域に分割し、領域ご
とに別個に色補正テーブルを圧縮して格納するので、格
納に必要な記憶領域を削減できる。
【0084】また、上記構成によれば、例えば、色補正
テーブルが領域ごとに個別に圧縮されている場合であっ
ても、入力画像データの属する濃度領域を判別して、適
切に復号を行うことが出来る。
【0085】さらにまた、本発明のプログラムは、上記
構成の画像処理方法における各ステップをコンピュータ
に実行させるためのプログラムである。
【0086】上記の構成によれば、色補正処理に用いる
テーブルを固定的に格納するメモリ領域のデータサイズ
を小さくすることができ、なおかつ処理速度が向上され
た画像処理方法をコンピュータが読取り、実行すること
ができる。
【0087】これにより、小さなデータサイズの固定的
なメモリ領域を用いた高速度の色補正処理が実行可能で
ある画像処理方法を汎用的なものとすることができる。
【0088】また、本発明の記録媒体は、上記構成のプ
ログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
である。
【0089】上記の構成によれば、色補正処理に用いる
テーブルを固定的に格納するメモリ領域のデータサイズ
を小さくすることができ、なおかつ処理速度が向上され
た画像処理方法をコンピュータが読取り、実行すること
ができる。
【0090】これにより、小さなデータサイズの固定的
なメモリ領域を用いた高速度の色補正処理が実行可能で
ある画像処理方法のプログラムをコンピュータに供給す
ることが容易となる。
【0091】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1〜図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0092】図12に示すように、本実施の形態のデジ
タルカラー複写機1(画像形成装置)は、電子写真プロ
セスを用いるものであり、カラー画像入力装置2と、カ
ラー画像処理装置(画像処理装置)3と、カラー画像出
力装置4と、操作パネル15とから成る構成である。
【0093】カラー画像入力装置2は、例えば図示しな
いCCD(Charge Coupled Device)を備えた図示しな
いスキャナ部により構成され、入力原稿からの反射光像
を、第1の表色系としてのRGB(R:赤・G:緑・
B:青)のアナログ信号としてCCDにて読取って、カ
ラー画像処理装置3に出力する。カラー画像処理装置3
は、カラー画像入力装置2にて読取られたRGBのアナ
ログ信号に対して所望の画像処理を行い、第2の表色系
としてのCMYKのデジタルカラー信号として、カラー
画像出力装置4へ出力する。
【0094】カラー画像出力装置4は、例えば図示しな
い感光体と、カラー画像処理装置3から出力される複数
色の画像信号に基づいて感光体を露光する図示しない露
光部と、上記露光によって感光体表面に形成される静電
潜像を複数色のトナーにより現像する図示しない現像部
と、現像されたトナー像を用紙に転写する図示しない転
写部とを少なくとも有しており、カラー画像処理装置3
にて処理された信号を基にしてカラー画像を用紙上に出
力する。
【0095】次に、カラー画像処理装置3についてより
詳細に説明する。カラー画像処理装置3は、A/D(ア
ナログ/デジタル)変換部5と、シェーディング補正部
6と、原稿種別自動判別部7と、入力階調補正部8と、
領域分離処理部9と、色補正部(色補正手段)10と、
黒生成/下色除去部11と、空間フィルタ処理部12
と、出力階調補正部13と、階調再現処理部14とを備
えている。
【0096】A/D変換部5は、カラー画像入力装置2
から出力されたRGBのアナログ信号をデジタル信号に
変換する。シェーディング補正部6は、A/D変換部5
より送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラ
ー画像入力装置2の照明系、結像系、撮像系で生じる各
種の歪みを取除くシェーディング補正を行う。
【0097】その後、原稿種別自動判別部7は、シェー
ディング補正部6にて各種の歪みが取除かれたRGB信
号、すなわちRGBの反射率信号を、濃度信号などのカ
ラー画像処理装置3に採用されている画像処理システム
にて扱い易い信号に変換するとともに、入力された原稿
画像が、文字原稿であるか、印刷写真または印画紙写真
等の写真原稿であるか、あるいはそれらを組合わせた文
字/写真原稿であるかの判別を自動で行う。詳細につい
ては後述する。
【0098】その後、入力階調補正部8は、カラーバラ
ンスを整えると同時に、上記原稿種別自動判別部7の判
定結果を基に下地濃度の除去やコントラストなどの画質
調整処理を施す。
【0099】領域分離処理部9は、RGB信号より、入
力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真領域の何
れかに分離するものである。さらに、その分離結果に基
づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信
号を、黒生成/下色除去部11、空間フィルタ処理部1
2、及び階調再現処理部14へと出力すると共に、入力
階調補正部8より出力された入力信号をそのまま後述す
る色補正部10に出力する。
【0100】色補正部10は、色再現の忠実化実現のた
めに、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マ
ゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁
りを取り除く色補正処理を行う。色補正部10の構成に
ついては後で詳述する。
【0101】黒生成/下色除去部11は、色補正部10
で色補正処理されたCMYの3色信号から黒(K)信号
を生成する黒生成処理、および元のCMY信号から黒生
成処理で得たK信号を差引いて新たなCMY信号を生成
する下色除去処理を行う。これらの黒生成処理および下
色除去処理により、CMYの3色信号はCMYKの4色
信号に変換される。
【0102】黒生成処理の一例として、スケルトンブラ
ックによる黒生成を行なう方法がある。この方法では、
スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力さ
れるデータをC,M,Y,出力されるデータをC’,
M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal )率
をα(0<α<1)とすると、黒生成/下色除去処理は
以下の第1式で表わされる。
【0103】
【数1】
【0104】空間フィルタ処理部12は、黒生成/下色
除去部11より入力されるCMYK信号の画像データに
対して、領域分離処理部9からの領域識別信号を基にデ
ジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周
波数特性を補正することによって出力画像のボヤケや粒
状性劣化を防ぐように処理する。また、階調再現処理部
14は、空間フィルタ処理部12と同様に、CMYK信
号の画像データに対して、領域識別信号を基に所定の処
理を施すものである。
【0105】例えば、領域分離処理部9にて文字に分離
された領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高め
るために、空間フィルタ処理部12による空間フィルタ
処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きく
される。同時に、階調再現処理部14においては、高域
周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化
または多値化処理が選択される。また、領域分離処理部
9にて網点に分離された領域に関しては、空間フィルタ
処理部12において、入力網点成分を除去するためのロ
ーパス・フィルタ処理が施される。
【0106】出力階調補正部13は、濃度信号などの信
号をカラー画像出力装置4の特性値である網点面積率に
変換する出力階調補正処理を行う。その後、階調再現処
理部14は、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの
階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調
生成)を行う。また、階調再現処理部14は、領域分離
処理部9にて写真に分離された領域に対して、階調再現
性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理を
行う。
【0107】上述した各処理が施された画像データは、
一旦図示しない記憶手段に記憶され、所定のタイミング
で読出されてカラー画像出力装置4に入力される。
【0108】カラー画像出力装置4は、画像データを印
字媒体(例えば紙等)上に出力する。例えば、電子写真
方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置
等を挙げることができるが特に限定されるものではな
い。
【0109】なお、以上の処理は図示しないCPU(Ce
ntral Processing Unit )により制御される。また、操
作パネル15は、液晶ディスプレイ等より成る図示しな
い表示部と図示しないボタンとを備えている。
【0110】次に、本実施の形態の特徴点である色補正
部10の構成および機能についてより詳細に説明する。
【0111】色補正部10(図12)は、図1に示すよ
うに、圧縮テーブル格納部(第1の記憶手段)41と、
圧縮テーブル展開部(展開手段)42と、展開テーブル
格納部(第2の記憶手段)43と、色補正処理部44と
を備えている。
【0112】圧縮テーブル格納部41は、CMY各色毎
の色補正圧縮テーブルを固定的に格納する。ここで、色
補正圧縮テーブルとは、LUT法で用いられるRGBの
入力信号に対応するCMYの出力信号のテーブル値を記
憶したCMY各色毎の色補正テーブルを、後述する圧縮
方法により圧縮して作成されるものである。また、圧縮
テーブル格納部41には、不所望な書換えが生じないよ
うに、データを固定的に格納するROM(Read Only Me
mory)やハードディスク等の不揮発性メモリが用いられ
る。他に、不揮発性メモリとして、EPROM(Erasab
le Programmable Read Only Memory)、EEPROM
(Electrically Erasable Programmable Read Only Mem
ory )、磁気ディスク、光ディスク、電池でバックアッ
プしたメモリ、SRAM(Static Random Access Memor
y )等を用いることができる。
【0113】なお、ここで「固定的に格納している」と
は、読出し専用に格納しているということである。
【0114】圧縮テーブル展開部42は、圧縮テーブル
格納部41に格納された色補正圧縮テーブルを展開テー
ブル格納部43に展開する。
【0115】展開テーブル格納部43は、圧縮テーブル
展開部42により展開されたCMY各色毎の色補正圧縮
テーブルを、CMY各色毎の色補正テーブルとして格納
する。展開テーブル格納部43は、FRAM(Ferroele
ctric Random Access Memory)、SRAM等の不揮発性
メモリ、あるいはDRAM(Dynamic Random AccessMem
ory)等の揮発性メモリを問わず、随時書換え可能なR
AMを用いるとよい。これは、後述する色補正処理部4
4がROMに直接アクセスして色補正テーブルを読出す
速度よりも、展開テーブル格納部43のRAMにアクセ
スして色補正テーブルを読出す速度の方が速いからであ
る。
【0116】色補正処理部44は、該色補正処理部44
への入力RGB信号に対応する出力信号CMY信号を、
展開テーブル格納部43に格納されたCMY各色毎の色
補正テーブルにアクセスすることによって求め、色補正
処理を行う。より具体的には、色補正処理部44は、L
UT法による色補正処理を行う。例えば、直接変換法、
ビット切捨て直接変換法、3次元補間法、2次元補間法
による色補正処理を行う。これら各方法により、色補正
処理部44の構成は異なるものとなる。詳細については
後述する。
【0117】なお、図1に図示されてはいないが、色補
正処理部44にてCMYK信号を出力することも可能で
ある(詳細については後述する)。この場合、圧縮テー
ブル格納部41にK色の色補正圧縮テーブルを格納し、
展開テーブル格納部43にK色の色補正テーブルを格納
しておくことが必要となる。その意味において、図1に
おいてはKについてかっこ書きで記載している。これ
は、次に説明する図2に示す色補正部(色補正手段)1
0aの記載についても同じである。
【0118】また、色補正部10は、図2に示すよう
に、圧縮テーブル格納部(第1の記憶手段)51と、圧
縮テーブル選択展開部(展開手段)52と、展開テーブ
ル格納部(第2の記憶手段)53と、色補正処理部54
と、原稿種別判別信号記憶部(第3の記憶手段)55と
を備えている色補正部10aであってもよい。ここで、
圧縮テーブル格納部51(図2)と圧縮テーブル格納部
41(図1)とは同一の構成とすることができ、展開テ
ーブル格納部53(図2)と展開テーブル格納部43
(図1)とは同一の構成とすることができ、色補正処理
部54(図2)と色補正処理部44(図1)とは同一の
構成とすることができる。
【0119】圧縮テーブル格納部51には、図2に示す
ように、原稿種別毎に用意された複数の色補正圧縮テー
ブルが固定的に格納される。複数の色補正圧縮テーブル
は、例えば、文字/写真原稿用の色補正圧縮テーブル
と、文字原稿用の色補正圧縮テーブルと、写真原稿用の
色補正圧縮テーブルとの3つの色補正圧縮テーブルとす
ることができる。なお、各原稿種別の色補正圧縮テーブ
ルには、CMY(K)の各色毎の色補正圧縮テーブルが
含まれている。
【0120】原稿種別判別信号記憶部55は、後述する
原稿種別自動判別部7(図12)より出力された原稿種
別判別信号を記憶し、圧縮テーブル選択展開部52に出
力する。
【0121】選択手段および展開手段である圧縮テーブ
ル選択展開部52は、原稿種別判別信号記憶部55から
出力された原稿種別判別信号に基づいて、入力原稿の原
稿種別に対応する色補正圧縮テーブルを圧縮テーブル格
納部51に格納された複数の色補正圧縮テーブルの中か
ら選択するとともに、選択された色補正圧縮テーブルを
展開テーブル格納部53に展開する。
【0122】次に、入力原稿の原稿種別に対応する色補
正圧縮テーブルを圧縮テーブル格納部51から選択する
フローについて、図3に示すフローチャートを参照しつ
つ以下により詳細に説明する。
【0123】先ず、デジタルカラー複写機1(図12)
や、カラー画像入力装置2(図12)とカラー画像処理
装置3(図12)とカラー画像出力装置4(図12)と
がネットワークや公衆回線を介して接続された形態であ
る図示しない画像処理サーバの電源が投入された時にお
いて、原稿種別判別信号記憶部55が予め設定された原
稿種別を表す信号を原稿種別判別信号として記憶すると
ともに、圧縮テーブル選択展開部52が予め設定された
原稿種別に対応する色補正圧縮テーブルを展開して展開
テーブル格納部53に格納する(S1)。
【0124】予め設定された原稿種別は、例えば文字/
写真原稿であってもよいし、文字原稿であってもよい
し、写真原稿であってもよい。例えば予め設定された原
稿種別が文字/写真原稿である場合、原稿種別判別信号
記憶部55は、文字/写真原稿を表す信号を原稿種別判
別信号として記憶するとともに、圧縮テーブル選択展開
部52は文字/写真原稿用の色補正圧縮テーブルを展開
して展開テーブル格納部53に格納する。
【0125】また、展開テーブル格納部53がFRAM
等の不揮発性メモリである場合、S1において、前回稼
働時のデジタルカラー複写機1(図12)や図示しない
画像処理サーバの稼働時の最後に圧縮テーブル選択展開
部52により展開された色補正テーブルの内容を展開テ
ーブル格納部53に記憶するとともに、原稿種別判別信
号記憶部55に最後に展開された色補正テーブルの原稿
種別に対応する原稿種別判別信号を記憶していてもよ
い。
【0126】その後、原稿種別判別信号記憶部55は、
現在の原稿種別に対応する原稿種別判別信号を圧縮テー
ブル選択展開部52に入力する(S2)。
【0127】なお、現在の原稿種別に対応する原稿種別
判別信号は、デジタルカラー複写機1(図12)に備え
られている操作パネル15を用いてユーザが入力原稿の
原稿種別を選択することにより発生するものでもよい
し、原稿種別自動判別部7(図12)によって原稿種別
の判定を自動的に行った結果発生するものでもよい。
【0128】そして、上記S2において現在の原稿種別
に対応する原稿種別判別信号が例えば原稿種別判別信号
Aである場合、少なくとも原稿種別自動判別部7(図1
2)から異なる種類の原稿種別判別信号、例えば原稿種
別判別信号Bが入力されるまでは、原稿種別判別信号記
憶部55(図2)は原稿種別判別信号Aを記憶してい
る。
【0129】また、圧縮テーブル選択展開部52(図
2)は入力された原稿種別判別信号Aに対応する色補正
圧縮テーブルを展開して展開テーブル格納部53(図
2)に格納する。格納された色補正テーブルは次の原稿
種別判別信号が原稿種別判別信号記憶部55(図2)に
入力されるまで、展開テーブル格納部53(図2)に格
納されたままとなる。
【0130】その後、原稿種別判別信号記憶部55(図
2)が、新たに入力される原稿種別判別信号が前回の原
稿種別判別信号と同一であるかを判断する(S3)。
【0131】S3においては、上記のように現在の原稿
種別に対応する原稿種別判別信号が原稿種別判別信号A
であって新たに入力される原稿種別判別信号が原稿種別
判別信号Bである場合、原稿種別判別信号記憶部55
(図2)は原稿種別判別信号Aと原稿種別判別信号Bと
を比較する。
【0132】両信号が同一であれば(S3で「Yes 」で
ある場合)、圧縮テーブル選択展開部52(図2)は色
補正圧縮テーブルの選択を行わず、色補正処理部54
(図2)はS2で展開テーブル格納部53(図2)に格
納された色補正テーブルをそのまま用いて色補正処理を
行う(S7)。
【0133】両信号が異なる場合(S3で「No」である
場合)には、圧縮テーブル選択展開部52は、圧縮テー
ブル格納部51から新たに入力された原稿種別判別信号
に対応する色補正圧縮テーブルを選択する(S4)。
【0134】その後、圧縮テーブル選択展開部52はS
4で選択された色補正圧縮テーブルを展開し(S5)、
展開テーブル格納部53に格納し(S6)、色補正処理
部54はS6にて展開テーブル格納部53に格納された
色補正テーブルを用いて色補正処理を行う(S7)。
【0135】以上のステップを踏むことにより、色補正
部10aは一連の画像処理プロセスにおいて、入力原稿
の原稿種別に対応する色補正圧縮テーブルを圧縮テーブ
ル格納部51から選択し、原稿種別に対応する色補正処
理を実行する。
【0136】次に、色補正テーブルを、図1および図2
の圧縮テーブル格納部41,51に格納する色補正圧縮
テーブルとして圧縮する方法についてより詳細に説明す
る。
【0137】色補正テーブルの圧縮方法としては、例え
ばC MAGAZINE 1998年10月号(ソフト
バンク社)52〜63頁に記載されているような、可逆
圧縮方法を使用する。なお、可逆圧縮方法とは、圧縮し
た状態から完全に元の非圧縮状態に戻せるデータの圧縮
方法を総じて指すものである。
【0138】なお、可逆圧縮方法は、後述するLUT方
法である直接変換法のための色補正テーブル、ビット切
捨て法のための色補正テーブル、3次元補間法のための
色補正テーブル、2次元補間法のための色補正テーブル
のいずれの色補正テーブルについても適用可能である。
圧縮データは、固定長符号(圧縮して符号化した時にデ
ータ幅が変わらない)または可変長符号(圧縮して符号
化した時にデータ幅が変わる)の何れで取扱われてもよ
く、本実施の形態では可変長として説明する。
【0139】また、直接変換法の色補正テーブルについ
ては数値の出現頻度に偏りがあり、数値も連続すること
が多いため、可逆圧縮方法の一例である後述するランレ
ングス符号化法、ハフマン符号法、ZIP圧縮方法など
の一般的な圧縮アルゴリズムでも高い圧縮率で圧縮する
ことが可能である。
【0140】上記ランレングス符号化法とは、連続する
データの個数を2進数で表すことにより圧縮して記憶す
る方法である。色補正テーブルの圧縮にランレングス符
号化法を用いる場合、色補正テーブルのテーブル値の最
大値や最小値などは値が連続することが多く、また隣り
合うテーブル値も数値が連続することが多いので、圧縮
効率を良くすることができる。
【0141】また、上記ハフマン符号法とは、データの
出現頻度にあわせて、ビット長を変化させることにより
圧縮して記憶する方法である。色補正テーブルの圧縮に
ハフマン符号法を用いる場合、色補正テーブルのテーブ
ル値の最大値や最小値のように出現頻度の高い信号に
は、短いビット長の信号を割当て符号化することによっ
て高い圧縮率を得ることができる。
【0142】さらにまた、上記ZIP圧縮方法とは、L
Z77と上記のハフマン符号法とを組合わせた方法であ
る。LZ77とは、繰返し現れる文字列をポインタ、す
なわち何バイト前という情報に置換える方法である。
【0143】色補正テーブルの圧縮にZIP圧縮法を用
いる場合、繰返し文字列を見つけ、距離(何バイト前)
と長さとが一対となった形態の情報で置換える。そし
て、文字が一致した長さの情報はあるハフマンツリーを
用いて圧縮し、一致した距離の情報は別のハフマンツリ
ーを用いて圧縮する。なお、ハフマンツリーは各ブロッ
ク(任意のサイズに設定することが可能)の先頭に格納
される。
【0144】以下の表1には、各色補正処理方法毎に1
色分の色補正テーブルをZIP圧縮方法により圧縮した
場合の圧縮前後の色補正テーブルのデータサイズの一例
を示す。
【0145】
【表1】
【0146】次に、上記したように、色補正処理部44
が直接変換法、ビット切捨て直接変換法、3次元
補間法、2次元補間法による色補正処理を行う場合に
ついて、上記〜の方法に対応する色補正処理部44
の構成を説明する。なお、以下の説明は、色補正処理部
44について行われるが、同様の構成を色補正処理部5
4(図2)にも適用することができる。
【0147】直接変換法に対応する色補正処理部44
の構成 色補正処理部44が直接変換法による色補正処理を行う
場合は、図4に示すように、色補正処理部44は、テー
ブルアクセス部60を備えている。テーブルアクセス部
60は、シアンテーブルアクセス部60Cと、マゼンタ
テーブルアクセス部60Mと、イエローテーブルアクセ
ス部60Yとを備えている。
【0148】シアンテーブルアクセス部60Cには、8
ビットのRGB信号から成るカラー画像データが入力さ
れる。その後、シアンテーブルアクセス部60Cは、展
開テーブル格納部43(図1)に格納されているシアン
色用に展開された色補正テーブルを参照して、8ビット
のC信号を出力信号として出力する。
【0149】同様に、マゼンタテーブルアクセス部60
Mには、8ビットのRGB信号から成るカラー画像デー
タが入力される。その後、マゼンタテーブルアクセス部
60Mは、展開テーブル格納部43(図1)に格納され
ているマゼンタ色用に展開された色補正テーブルを参照
して、8ビットのM信号を出力信号として出力する。
【0150】同様に、イエローテーブルアクセス部60
Yには、8ビットのRGB信号から成るカラー画像デー
タが入力される。その後、イエローテーブルアクセス部
60Yは、展開テーブル格納部43(図1)に格納され
ているイエロー色用に展開された色補正テーブルを参照
して、8ビットのY信号を出力信号として出力する。
【0151】上記のシアンテーブルアクセス部60C
と、マゼンタテーブルアクセス部60Mと、イエローテ
ーブルアクセス部60Yとにより、入力RGB信号に対
応するCMY信号が出力され、黒生成/下色除去部11
に入力される。
【0152】ビット切り捨て直接変換法に対応する色
補正処理部44の構成 色補正処理部44がビット切捨て直接変換法による色補
正処理を行う場合は、図5に示すように、色補正処理部
44は、上位ビット抽出部61と、テーブルアクセス部
62とを備えている。
【0153】上位ビット抽出部61は、シアン上位ビッ
ト抽出部61Cと、マゼンタ上位ビット抽出部61M
と、イエロー上位ビット抽出部61Yとを備えている。
テーブルアクセス部62は、シアンテーブルアクセス部
62Cと、マゼンタテーブルアクセス部62Mと、イエ
ローテーブルアクセス部62Yとを備えている。
【0154】なお、直接変換法の場合と同じく、入力
信号は8ビットのRGB信号であり、出力信号は8ビッ
トのCMY信号である。
【0155】シアン上位ビット抽出部61Cは、Cの補
色であるR信号について上位Nビットを抽出し、それ以
外のG信号およびB信号については上位Mビットを抽出
する。
【0156】シアンテーブルアクセス部62Cは、シア
ン上位ビット抽出部61Cにより抽出されたNビットの
R信号、MビットのG信号、MビットのB信号に基づい
て、展開テーブル格納部43(図1)に格納されている
シアン色用に展開された色補正テーブルを参照して、8
ビットのC信号を出力信号として出力する。
【0157】なお、上記の色補正テーブルには、入力R
GB信号の上位のビットデータと下位のビットデータと
の全ての組合わせについて作成された演算データに基づ
くテーブル値が格納されている。したがって、シアンテ
ーブルアクセス部62Cは入力RGB信号の上位ビット
に基づいて、色補正テーブルを参照して、8ビットのC
信号を出力信号として出力することができる。
【0158】同様に、マゼンタ上位ビット抽出部61M
は、Mの補色であるG信号について上位Nビットを抽出
し、それ以外のR信号およびB信号については上位Mビ
ットを抽出する。
【0159】マゼンタテーブルアクセス部62Mは、マ
ゼンタ上位ビット抽出部61Mにより抽出されたMビッ
トのR信号、NビットのG信号、MビットのB信号に基
づいて、展開テーブル格納部43(図1)に格納されて
いるマゼンタ色用に展開された色補正テーブルを参照し
て、8ビットのM信号を出力信号として出力する。
【0160】同様に、イエロー上位ビット抽出部61Y
は、Yの補色であるB信号について上位Nビットを抽出
し、それ以外のR信号およびG信号については上位Mビ
ットを抽出する。
【0161】イエローテーブルアクセス部62Yは、イ
エロー上位ビット抽出部61Yにより抽出されたMビッ
トのR信号、MビットのG信号、NビットのB信号に基
づいて、展開テーブル格納部43(図1)に格納されて
いるイエロー色用に展開された色補正テーブルを参照し
て、8ビットのY信号を出力信号として出力する。
【0162】以上のようにして、上位ビット抽出部61
とテーブルアクセス部62とを介して入力RGB信号が
出力CMY信号に変換され、黒生成/下色除去部11に
入力される。
【0163】3次元補間法に対応する色補正処理部4
4の構成 色補正処理部44が3次元補間法による色補正処理を行
う場合は、図6に示すように、色補正処理部44は、デ
ータ分離部63と、テーブルアクセス部64と、補間演
算部65とを備えている。
【0164】データ分離部63は、シアンデータ分離部
63Cと、マゼンタデータ分離部63Mと、イエローデ
ータ分離部63Yとを備えている。
【0165】テーブルアクセス部64は、シアンテーブ
ルアクセス部64Cと、マゼンタテーブルアクセス部6
4Mと、イエローテーブルアクセス部64Yとを備えて
いる。
【0166】補間演算部65は、シアン補間演算部65
Cと、マゼンタ補間演算部65Mと、イエロー補間演算
部65Yとを備えている。
【0167】シアンデータ分離部63Cは、8ビットの
入力RGB信号のうち上位Nビットを分離してシアンテ
ーブルアクセス部64Cに入力するとともに、8ビット
の入力RGB信号のうち下位Mビットを分離してシアン
補間演算部65Cに入力する。
【0168】シアンテーブルアクセス部64Cは、シア
ンデータ分離部63Cから入力された上位Nビットの入
力RGB信号をアドレスデータとして、展開テーブル格
納部43(図1)に格納されているシアン色用に展開さ
れた色補正テーブルから対応するテーブル値を読出し、
シアン補間演算部65Cに出力する。
【0169】シアン補間演算部65Cは、シアンデータ
分離部63Cから入力される下位MビットのRGB信号
と、シアンテーブルアクセス部64Cから入力されるテ
ーブル値とに基づいて、後述する第2式により補間演算
を行う。その演算結果を8ビットのC信号として出力す
る。
【0170】以上のようにして、8ビットの入力RGB
信号から、シアンデータ分離部63Cと、シアンテーブ
ルアクセス部64Cと、シアン補間演算部65Cとによ
り8ビットのC信号が出力される。
【0171】同様にして、8ビットの入力RGB信号か
ら、マゼンタデータ分離部63Mと、マゼンタテーブル
アクセス部64Mと、マゼンタ補間演算部65Mとによ
り8ビットのM信号が出力され、イエローデータ分離部
63Yと、イエローテーブルアクセス部64Yと、イエ
ロー補間演算部65Yとにより8ビットのY信号が出力
される。
【0172】このようにして、データ分離部63とテー
ブルアクセス部64と補間演算部65とを介して入力R
GB信号が出力CMY信号に変換され、黒生成/下色除
去部11に入力される。
【0173】次に、補間演算部65のシアン補間演算部
65Cが行う補間演算について説明する。なお、同様の
補間演算がマゼンタ補間演算部65M、イエロー補間演
算部65Yによっても行われている。
【0174】補間演算においては、図7に示すように、
入力画像データの色空間を163 個、すなわち4096
個の立方体に分割する。そして、総数173 個、すなわ
ち4913個の各立方体の格子点pi(i=0,1,・
・・,7)に入力画像データのテーブル値を格納した色
補正テーブルを作成する。任意の入力画像データpの各
格子内における格子幅に対する相対比をa,b,c(0
≦a≦1,0≦b≦1,0≦c≦1)とした場合、8点
補間(立方体補間)での補間値f(p)は、格子点pi
におけるテーブル値をf(pi)として、以下の第2式
によって求められる。
【0175】
【数2】
【0176】上記の補間演算により、3次元補間法で
は、予めテーブル値を算出しておくべき入力画像データ
数を限定した場合にも全ての入力画像データの組合わせ
に対して補正値または変換値を求めることができる。
【0177】2次元補間法に対応する色補正処理部4
4の構成 色補正処理部44が2次元補間法による色補正処理を行
う場合は、図8に示すように、色補正処理部44は、デ
ータ分離部66と、テーブルアクセス部67と、補間演
算部68とを備えている。
【0178】データ分離部66は、シアンデータ分離部
66Cと、マゼンタデータ分離部66Mと、イエローデ
ータ分離部66Yとを備えている。
【0179】テーブルアクセス部67は、シアンテーブ
ルアクセス部67Cと、マゼンタテーブルアクセス部6
7Mと、イエローテーブルアクセス部67Yとを備えて
いる。
【0180】補間演算部68は、シアン補間演算部68
Cと、マゼンタ補間演算部68Mと、イエロー補間演算
部68Yとを備えている。
【0181】すなわち、2次元補間法による色補正処理
を行う場合の色補正処理部44の基本的な構成は、図6
に示した3次元補間法による色補正処理を行う場合の色
補正処理部44の構成と同じである。従って、以下の説
明では2次元補間法と3次元補間法とで異なる点を中心
に説明する。
【0182】3次元補間法は、上述したように、全ての
入力RGB信号について、上位Nビットと下位Mビット
とに分離し図7に示すような3次元空間で補間演算を行
う方法であった。
【0183】一方、2次元補間法では、出力CMY信号
の補色となる、あるいは明度を表す入力RGB信号につ
いては、データ分離部66にて上位ビットと下位ビット
との分離は行わず、補間演算部68にて後述する2次元
平面による補間演算を行う方法である。この点において
大きく2次元補間法と3次元補間法とは異なる。
【0184】例えば、図8に示すように、シアンデータ
分離部66Cは、RGB信号からC信号への変換に際し
て、C色の補色となるR信号については上位ビットと下
位ビットとの分離を行わず8ビットのままとし、G信号
とB信号とについてそれぞれ上位Nビットと下位Mビッ
トとに分離する。
【0185】シアンテーブルアクセス部67Cは、シア
ンデータ分離部66Cから入力された8ビットのR信号
と上位NビットのG信号およびB信号とをアドレスデー
タとして、展開テーブル格納部43(図1)に格納され
ているシアン色用に展開された色補正テーブルから対応
するテーブル値を読出し、シアン補間演算部68Cに出
力する。
【0186】シアン補間演算部68Cは、シアンデータ
分離部66Cから入力される下位MビットのG信号およ
びB信号と、シアンテーブルアクセス部67Cから入力
されるテーブル値とに基づいて、後述する第3式により
補間演算を行う。その演算結果を8ビットのC信号とし
て出力する。
【0187】次に、補間演算部68のシアン補間演算部
68Cが行う2次元平面による補間演算について説明す
る。なお、同様の補間演算がマゼンタ補間演算部68
M、イエロー補間演算部68Yによっても行われてい
る。
【0188】上記の2次元平面による補間演算において
は、図9に示すように、入力画像データの色空間を、Y
軸に直交する平面で256分割するとともに、分割され
た各平面を、162 個、すなわち256個の正方形に分
割する。
【0189】分割された各平面は172 個、すなわち2
89個の格子点を有しているので、色空間全体として
は、289×256個、すなわち73984個の格子点
pi(i=0,1,・・・,4)に入力画像データのテ
ーブル値を格納した色補正テーブルを作成する。任意の
入力画像データpの各格子内における格子幅に対する相
対比をa,b(0≦a≦1,0≦b≦1)とした場合、
2次元平面による補間での補間値g(p)は、格子点p
iにおけるテーブル値をg(pi)として、以下の第3
式によって求められる。
【0190】
【数3】
【0191】なお、2次元補間法の詳細については、本
出願人により出願された特願平11−260977号
(平成12年9月14日出願)を参照されたい。
【0192】以上のようにして、上記〜の色補正処
理方法に対応して、色補正処理部44の構成も異なるも
のとなるのである。
【0193】また、色補正処理部44あるいは色補正処
理部54が、色補正処理と黒生成/下色除去部11が行
う黒生成/下色除去処理とを兼ね備えて行うことも可能
である。そのための構成を、色補正処理部44が3次元
補間法による色補正処理を行う場合について説明する。
【0194】色補正処理部44が黒生成/下色除去処理
を兼ね備えて行う場合は、図10に示すように、データ
分離部63がさらにブラックデータ分離部63Kを備
え、テーブルアクセス部64がさらにブラックテーブル
アクセス部64Kを備え、補間演算部65がさらにブラ
ック補間演算部65Kを備え、図6に示した黒生成/下
色除去部11を省略する構成とする。
【0195】さらに、黒生成の結果を展開テーブル格納
部43に展開されたK色用の色補正テーブルに予め記憶
させておくとともに、下色除去を施した結果をC・M・
Y色用の各色補正テーブルに予め記憶させておく。
【0196】図10に示すように構成された色補正処理
部44では、図6に示すように構成された色補正処理部
44に比べて、黒生成/下色除去部11(図6)が行う
黒生成/下色除去処理が不要になり、処理時間がさらに
短縮される。
【0197】なお、色補正処理部44が直接変換法、ビ
ット切り捨て直接変換法、あるいは2次元補間法による
色補正処理を行う場合についても、色補正処理部44が
色補正処理と黒生成/下色除去処理とを兼ね備えて行う
ことが可能である。
【0198】直接変換法について色補正処理部44が色
補正処理と黒生成/下色除去処理とを兼ね備えて行う場
合は、図4に示すテーブルアクセス部60に図示しない
ブラックテーブルアクセス部を備え、黒生成/下色除去
部11を省略する構成とするとともに、黒生成の結果を
展開テーブル格納部43に展開されたK色用の色補正テ
ーブルに予め記憶させておくとともに、下色除去を施し
た結果をC・M・Y色用の各色補正テーブルに予め記憶
させておけばよい。
【0199】ビット切捨て直接変換法について色補正処
理部44が色補正処理と黒生成/下色除去処理とを兼ね
備えて行う場合は、図5に示す上位ビット抽出部61に
図示しないブラック上位ビット抽出部を備え、テーブル
アクセス部62に図示しないブラックテーブルアクセス
部を備え、黒生成/下色除去部11を省略する構成とす
るとともに、黒生成の結果を展開テーブル格納部43に
展開されたK色用の色補正テーブルに予め記憶させてお
くとともに、下色除去を施した結果をC・M・Y色用の
各色補正テーブルに予め記憶させておけばよい。
【0200】2次元補間法について色補正処理部44が
色補正処理と黒生成/下色除去処理とを兼ね備えて行う
場合は、図8に示すデータ分離部66に図示しないブラ
ックデータ分離部を備え、テーブルアクセス部67に図
示しないブラックテーブルアクセス部を備え、補間演算
部68に図示しないブラック補間演算部を備え、黒生成
/下色除去部11を省略する構成とするとともに、黒生
成の結果を展開テーブル格納部43に展開されたK色用
の色補正テーブルに予め記憶させておくとともに、下色
除去を施した結果をC・M・Y色用の各色補正テーブル
に予め記憶させておけばよい。
【0201】また、色補正処理部44,54が行う色補
正処理は、入力RGB信号を変換したCIE L* * *
データに基づいて行ってもよい。なお、CIE(Commission
International de l'Eclairage )とは、国際照明委員
会のことであり、L* * * におけるL* は明度を表
し、a* ・b* はそれぞれ色度を表す。
【0202】色補正処理を上記CIE L* * * データ
に基づいて行うための構成を、色補正処理部44が3次
元補間法により、CIE 1976L* * * データに基づい
て色補正処理を行う場合について説明する。なお、CIE
1976L* * * データとはCIE L* * * データの
一例である。また、色補正処理が直接変換法、ビット切
り捨て変換法、2次元補間法による場合も、同様にCIE
* * * データに基づいて色補正処理を行うことは
可能である。
【0203】色補正処理を上記CIE 1976L* * *
ータに基づいて行う場合、図11に示すように、色補正
処理部44は、色座標変換部70と、色変換/データ処
理部71と、データ分離部63と、テーブルアクセス部
64と、補間演算部65とを備えている構成である。す
なわち、図6に示すような色補正処理部44の構成に加
えて、色座標変換部70と、色変換/データ処理部71
とをさらに備えている構成である。
【0204】色座標変換部70は、入力RGB信号を、
CIEの定める、均等色空間であるCIE 1976L* *
* データに変換する。このときの色座標変換の方法は、
以下のようにして行う。 (1)カラーチャート原稿の各色パッチを測色器で測色
し、L* * * 値を求める。 (2)測色に用いたカラーチャート原稿を前記カラー画
像入力装置2から読取り、RGBデータを得る。 (3)測色したL* * * 値と読み取ったRGB値を
対応付けるため、ニューラルネットワークやマスキング
演算係数決定法によりL* * * 値とRGB値との間
の係数を求める。 (4)前記手法で求められた係数で色座標変換を行な
う。この時、回路構成としては、マトリクスによるマス
キング演算であっても良いし、3次元補間によるルック
アップテーブル方式であっても良い。
【0205】次に、色変換/データ処理部71にて均等
色空間データL* * * に対して画像編集による色変
換処理、色再現領域補間による明度、彩度圧縮等のデー
タ処理を行なう。さらに、データ分離部63により、明
度データ(L* )と色度データ(a* ,b* )とを上位
Nビットと下位Mビットとに分離する。その後、色補正
処理後に黒生成/下色除去部11にて黒生成/下色除去
処理を行なう。
【0206】なお、上記図10の場合と同様に、色補正
処理部44の構成は、色補正処理部44が色補正処理と
黒生成/下色除去処理とを兼ね備えて行うための構成で
あっても構わない。
【0207】次に、原稿種別自動判別部7の構成および
原稿種別自動判別処理について説明する。なお、原稿種
別自動判別部7での原稿種別自動判別処理では、RGB
の画像入力信号、あるいは、RGBの補色であるCMY
に変換された信号を用いて行われるが、以下では、RG
Bの補色であるCMY信号を用いて処理を行う場合につ
いて説明する。
【0208】図13に示すように、原稿種別自動判別部
7は、信号変換部21と、ヒストグラム作成部22と、
第1最大度数濃度区分抽出部23と、第2最大度数濃度
区分抽出部24と、文字原稿判定部25と、写真原稿判
定部26と、原稿種別判別部27とを備えている。
【0209】信号変換部21は、CMYの反射率信号を
濃度信号に変換する。ヒストグラム作成部22は、原稿
画像の各画素の濃度とその度数との関係を示す濃度ヒス
トグラムを、信号変換部21から入力される画像データ
(C,M,Yの各信号)に基づいて作成する。
【0210】第1最大度数濃度区分抽出部23は、ヒス
トグラム作成部22にて作成された上記濃度ヒストグラ
ムにおける最大度数値を第1最大度数値(MAX1)と
して抽出するとともに、MAX1が属する濃度区分を第
1最大度数濃度区分として抽出する。
【0211】第2最大度数濃度区分抽出部24は、上記
第1最大度数濃度区分抽出部23で抽出された第1最大
度数濃度区分およびそれに隣接する濃度区分以外で、第
2最大度数値(MAX2)を抽出するとともに、MAX
2が属する濃度区分を第2最大度数濃度区分として抽出
する。つまり、第2最大度数濃度区分抽出部24は、少
なくともMAX1をとる濃度区分に隣接しない濃度区分
における2番目に大きな度数値をMAX2として抽出す
る。
【0212】文字原稿判定部25は、上記濃度ヒストグ
ラムに基づいて、入力原稿が文字原稿であるか否かを判
別する。より詳しくは、文字原稿判定部25は、上記濃
度ヒストグラムにて度数値が所定値(後述する低度数閾
値)以下となる濃度区分の数と、MAX1とのうち、少
なくとも一方を用いて原稿が文字原稿であるか否かを判
定する。
【0213】写真原稿判定部26は、上記MAX1およ
び上記MAX2に基づいて、入力原稿が写真原稿である
か否かを判別する。なお、上記写真原稿判定部26にお
いて、写真原稿であるか否かを判別する際、その写真原
稿が印刷写真であるか印画紙写真であるかの区別は行わ
れない。
【0214】原稿種別判別部27は、上記文字原稿判定
部25および上記写真原稿判定部26における各色
(C,M,Y)毎の判定結果に基づいて最終的な原稿種
別の判別を行う。
【0215】上記文字原稿判定部25は、さらに、低度
数閾値設定部31と、第1の閾値設定部32と、低度数
濃度区分数判定部33と、第2の閾値設定部34と、最
大度数値判定部35とを備えている。
【0216】低度数閾値設定部31は、低度数の濃度区
分を抽出するために用いられる低度数閾値を設定する。
【0217】第1の閾値設定部32は、上記濃度ヒスト
グラムにおける各濃度区分の度数を上記低度数閾値と比
較することにより抽出される低度数の濃度区分数と比較
される第1の閾値を設定する。
【0218】低度数濃度区分数判定部33は、上記濃度
ヒストグラムにおいて、上記低度数閾値よりも小さい低
度数の濃度区分を抽出してその数をカウントするととも
に、上記第1の閾値設定部32で設定された第1の閾値
と低度数の濃度区分数とを比較して、入力原稿が文字原
稿か否かを判定する。
【0219】第2の閾値設定部34は、上記MAX1が
総度数、すなわち総画素数に対してどれだけの割合を示
しているかを判定するために用いられる第2の閾値を設
定する。
【0220】最大度数値判定部35は、上記第2の閾値
設定部34で設定された第2の閾値と上記MAX1とを
比較して、上記MAX1の総度数に対する割合を判断す
ることにより原稿が文字原稿であるか否かを判定する。
【0221】また、写真原稿判定部26は、第3の閾値
設定部36と、最大度数比較部37とを備えている。
【0222】第3の閾値設定部36は、最大度数比較部
37での写真原稿判定を行う際に用いる第3の閾値を設
定する。
【0223】最大度数比較部37は、総度数と、上記M
AX1と、上記MAX2とに基づいて得られる結果と上
記第3の閾値とを比較することにより、入力原稿が写真
のみの画像であるか、文字と写真とが混在する文字/写
真原稿であるかを判定する。
【0224】次に、上記構成の原稿種別自動判別部7に
よる原稿種別自動判別処理を、図14に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。
【0225】先ず、プレスキャンが開始され(S11:
以下、ステップを「S」と記す)、読取られた原稿の全
画素のRGB信号が、信号変換部21にて濃度信号に変
換される(S12)。
【0226】次に、S12にて変換された各信号を用い
て、ヒストグラム作成部22では、例えば図15ないし
図17に示すような濃度ヒストグラムが各色毎に作成さ
れる(S13)。なお、図15ないし図17は、それぞ
れ文字原稿、写真原稿、文字/写真原稿の濃度ヒストグ
ラムの一例を示している。
【0227】第1最大度数濃度区分抽出部23は、S1
3において作成された濃度ヒストグラムを基に、最大度
数の濃度区分(第1最大度数濃度区分)を選択するとと
もにその濃度区分における第1最大度数値(MAX1)
を抽出する(S14)。
【0228】続いて、第2最大度数濃度区分抽出部24
は、上記MAX1を抽出した濃度区分および上記濃度区
分に隣接する濃度区分以外で、最大度数値をもつ度数区
分(第2最大度数濃度区分)を選択し、上記濃度区分に
おける度数値、すなわち、第2最大度数値(MAX2)
を抽出する(S15)。
【0229】次に、低度数濃度区分数判定部33は、低
度数の濃度区分を検出するために低度数閾値設定部31
にて予め用意された低度数閾値と上記濃度ヒストグラム
の各濃度区分における度数とを比較し、この低度数閾値
より小さい度数の濃度区分をカウントし、カウントされ
た低度数濃度区分数が第1の閾値以上であるか否かを判
定する(S16)。
【0230】上記S16にて、低度数濃度区分数が第1
の閾値以上の場合には、低度数濃度区分数判定部33
は、入力原稿を文字原稿と判定する(S21)。なお、
この条件により文字原稿を判定できる理由については後
述する。
【0231】一方、上記S16にて、低度数濃度区分数
が第1の閾値よりも少ない場合については、最大度数値
判定部35は、上記MAX1と第2の閾値とを比較する
ことにより、上記MAX1が全体の総度数に対してどれ
だけの割合を示しているかを判定する(S17)。上記
S17で、MAX1が第2の閾値以上であれば、最大度
数値判定部35は、入力原稿を文字原稿と判定する(S
21)。なお、この条件でも入力原稿が文字原稿である
か否かを判別できる理由については後述する。
【0232】次に、上記S17で、MAX1が第2の閾
値よりも小さい場合、すなわち上記S16、S17にお
ける文字原稿の判定において文字原稿と判定されなかっ
たものについて、写真原稿判定部26にて、入力原稿が
写真原稿であるかどうかの判定が行われる(S18)。
【0233】S18では、最大度数比較部37は、総度
数(ALL)を上記MAX1と上記MAX2との差(M
AX1−MAX2)で割り、それが第3の閾値設定部3
6により予め設定された第3の閾値以上であるか否かを
判定する。
【0234】ALL/(MAX1−MAX2)の値が第
3の閾値以上であれば、最大度数比較部37は、入力原
稿を写真原稿と判定する(S20)。なお、この条件で
入力原稿が写真原稿であるか否かの判定ができる理由に
ついては後述する。
【0235】そして、S18における写真原稿の判定に
おいて、写真原稿と判定されなかったものについては、
最大度数比較部37は、入力原稿画像が文字と写真が混
合した文字/写真原稿であると判定する(S19)。
【0236】上記S11〜S21までの処理をCMY各
色の信号毎に行い、3信号のうち2信号以上で同じ判定
結果が得られた場合、原稿種別判別部27は、その結果
を最終的に入力原稿の原稿種別として決定する(S2
2)。ただし、2信号以上で同じ判定結果が存在しなけ
れば、原稿種別判別部27は、最終原稿種別判別結果と
して、入力原稿を文字/写真原稿と判定する。
【0237】上記ステップにより、図12に示すよう
に、原稿種別自動判別部7における原稿種別判別が自動
で行われ、その原稿判別結果に基づいて、原稿種別自動
判別以降の入力階調補正部8における入力階調補正処
理、領域分離処理部9における領域分離処理、色補正部
10における色補正処理、黒生成/下色除去部11にお
ける黒生成/下色除去処理、空間フィルタ処理部12に
おける空間フィルタ処理、階調再現処理部14における
階調再現処理(中間調生成処理)などが切替えられる。
【0238】例えば入力画像が文字原稿であると判別さ
れた場合は、以下の通りである。
【0239】上記入力階調補正処理、或いは上記階調再
現処理においては、ハイライトを多めに除去したり、コ
ントラストを大きくするような補正曲線が用いられる。
【0240】また、上記領域分離処理では、例えば線画
等の文字領域として領域分離されたところを有効な領域
分離と判断する。一方で、文字原稿であったとしても、
原稿の種類によって誤判別が行われる可能性があるた
め、連続階調の網点領域、写真領域として領域分離され
たところは誤った領域分離とみなし、これ以降の処理に
反映させないようにする。
【0241】そして、その領域分離処理結果に基づい
て、色文字の場合には彩度を重視した色補正処理が行わ
れ、上記黒生成/下色除去処理では、黒文字に対して黒
生成量が多めに設定される。
【0242】また、上記空間フィルタ処理においては、
エッジを強調する強調フィルタを強くするか、または画
像データに含まれている雑音を取除く平滑化フィルタを
弱くする等のパラメータの切り替えなどが行われる。
【0243】また逆に入力画像が写真原稿であると判別
された場合は以下の通りである。
【0244】上記入力階調補正処理または上記階調再現
処理では、ハイライトを重視したり、階調性を大きくし
た補正曲線が用いられる。
【0245】上記領域分離処理では、連続階調の網点領
域または写真領域として領域分離された領域を有効な分
離と判断し、線画等の文字領域として領域分離された領
域は誤分離とみなし、これ以降の処理に反映させないよ
うにする。
【0246】そして、その領域分離処理結果に基づい
て、階調性を重視した色補正処理が行われ、黒生成/下
色除去処理では黒生成を少なくするなどの処理が行われ
る。
【0247】また、空間フィルタ処理では強調フィルタ
を弱くするか、または平滑化フィルタを強くする等のパ
ラメータの切替えなどが行われる。なお、文字/写真原
稿において、文字が小さいために写真原稿であると判別
される場合も考えられる。しかし、このような場合にお
いても、文字/写真原稿における文字領域については空
間フィルタ処理においては強調処理がなされず、写真領
域については対応する空間フィルタ処理がなされるの
で、画像全体としての劣化を少なくすることができる。
【0248】また、入力原稿が文字/写真原稿であると
判別された場合は、以下の通りである。
【0249】各処理において、文字原稿と判別した場合
の処理と写真原稿と判別した場合の処理との中間パラメ
ータを用いた処理が行われる。なお、上記中間パラメー
タは、文字原稿あるいは写真原稿のどちらを重視するか
により変更してもよい。
【0250】例えば、上記入力階調補正処理、上記階調
再現処理では、上記中間のパラメータを用いてハイライ
トの除去やコントラストの調整を行う。また、上記色補
正処理も、彩度の強弱や階調性のバランスが極端になら
ないように行ってもよい。
【0251】上記黒生成/下色除去処理では、写真画像
に影響が出ない程度に黒生成量の調整を行う。上記領域
分離処理では、各画素の領域分離処理の結果をそのまま
それ以降の処理に反映させるようにする。
【0252】次に、図14のフローチャート中、S16
およびS17によって文字原稿の判定ができる理由につ
いて説明する。
【0253】一般的に、文字原稿は、主に文字と下地と
からなっている。そのため、文字原稿の濃度ヒストグラ
ムにおいては、図15に示すように、全体の濃度階調幅
が狭くなる一方で、文字と下地に対応する濃度区分で高
度数となる。このことから、逆に、低度数の濃度区分が
多く存在するのが文字原稿の特徴の1つと言える。
【0254】したがって、図14のS16にて、各濃度
区分における度数と低度数閾値とを比較することで低度
数の濃度区分を抽出するとともに、その濃度区分数をカ
ウントし、上記濃度区分数と第1の閾値とを比較して低
度数の濃度区分数の大小を見ることにより入力原稿が文
字原稿であるか否かを判断することができる。
【0255】また、一般的な文字原稿のもう1つの特徴
として、原稿全面において下地の占める割合が大きいと
いう点がある。すなわち、上記濃度ヒストグラムにおい
て抽出された上記MAX1が総度数に近い値であれば、
上記MAX1が抽出された濃度区分が、文字原稿におけ
る下地に対応していると考えられる。
【0256】したがって、図14のS17にてMAX1
が総度数に近い値かどうかを決定できるように予め設定
された第2の閾値と、MAX1とを比較して、MAX1
が第2の閾値よりも大きいか否かを判断することによ
り、下地の有無を判断して入力原稿が文字原稿であるか
否かを判断することができる。
【0257】次に、上記S18によって写真原稿の判定
ができる理由について以下により詳細に説明する。
【0258】一般的に、写真原稿は、濃度階調幅が広
く、また階調幅の偏りが少ないので、濃度ヒストグラム
において、図16に示すように、濃度階調幅が広いとと
もに、少なくとも同等レベルに近い2つ以上の山が存在
するのが、写真原稿の特徴の1つと言える。
【0259】したがって、濃度ヒストグラムにおいて、
最も度数値の高い濃度区分を2つ抽出し、それぞれの濃
度区分の度数値をMAX1、MAX2とし、総度数をA
LLとすると、ALL/(MAX1−MAX2)の値を
見ることによって、濃度ヒストグラムで同等レベルに近
い2つの山が存在するか否かを判別することができる。
【0260】また、文字/写真原稿の場合、その濃度ヒ
ストグラムは、図17に示すように、文字原稿における
上述した特徴や、写真原稿の場合の上述した特徴を有し
ていない。したがって、図14のS16、S17、S1
8にて、文字原稿や写真原稿と判断されなかった入力原
稿については、このような文字/写真原稿と判断するこ
とができる。
【0261】以上のような原稿種別自動判別部7の構成
および機能により、原稿種別自動判別処理が行われる。
【0262】本発明の実施の他の形態について、図18
〜図28に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0263】図18は、本発明の実施の他の形態のデジ
タルカラー複写機81(画像形成装置)の電気的構成を
示すブロック図である。このデジタルカラー複写機81
は、前述のデジタルカラー複写機1に類似し、対応する
部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略す
る。注目すべきは、このデジタルカラー複写機81で
は、カラー画像処理装置(画像処理装置)83の色補正
部10Aは、圧縮された色補正テーブル値の展開を行わ
ずに、その色補正圧縮テーブルのままで色補正を行い、
上記操作パネル15で設定された倍率に従って、拡大・
縮小処理部84で拡大・縮小処理が行われた後に、圧縮
テーブル展開部(展開手段)85において展開が行われ
ることである。
【0264】すなわち、上記拡大・縮小処理にバイリニ
ア法やバイキュービック法の補間処理を用いる場合は、
展開後の色補正テーブルを用いる必要があり、前述の色
補正部10,10aを用いる必要があるけれども、上記
拡大・縮小処理に補間処理としてニアレストネイバ法を
用いる場合、たとえば倍率に応じて所定の画素に隣接し
て画素を挿入することで拡大処理を行い、所定の画素を
間引くことで縮小処理を行う場合は、展開後の色補正テ
ーブルを用いなくても、そのような処理を行うことがで
きるので、色補正圧縮テーブルのままで色補正を行う。
このため、色補正部10Aは、図19に示すように、圧
縮テーブル格納部(第1の記憶手段)41と、圧縮テー
ブル格納部(第2の記憶手段)43Aと、色補正処理部
44とを備えている。
【0265】前述のように、上記ROMやハードディス
ク等の不揮発性メモリから成る圧縮テーブル格納部41
は、CMY各色毎の色補正圧縮テーブルを不所望な書換
えが生じないように固定的に格納しており、その色補正
圧縮テーブルは、電源ON時に上記随時書換え可能なR
AMから成る圧縮テーブル格納部43Aにそのまま読出
されて格納されており、RGBの入力信号に逐次応答し
て、対応するCMYの出力信号のテーブル値がCMY各
色毎の色補正圧縮テーブルから読出され、色補正処理部
44での色補正処理に使用される。
【0266】この色補正部10Aが、前述の図2で示す
色補正部10aに対応して、原稿種別毎に対応した複数
の色補正圧縮テーブルを備える場合には、図20の色補
正部10aAのように構成される。また、前述の圧縮テ
ーブル選択展開部52に代えて用いられ、選択手段であ
る圧縮テーブル選択部52Aは、展開を行わずに、上記
原稿種別判別信号に応答して、圧縮テーブル格納部51
内の各原稿種別毎の色補正圧縮テーブルを選択的に読出
すだけとなる。この色補正部10aAのように圧縮テー
ブル格納部51内に複数の圧縮テーブルが格納されてい
る場合には、圧縮テーブル選択部52Aは、電源ON時
にデフォルトの圧縮テーブルを読出し、圧縮テーブル格
納部53Aに格納する。また、動作途中で、原稿の種別
/画像モード(文字/写真用、文字用、写真用)等の切
替えが必要になった場合には、圧縮テーブル選択部52
Aによって、所定の圧縮テーブルが圧縮テーブル格納部
53Aに再書込みされる。
【0267】これらの色補正部10A,10aAを用い
ることによって、色補正部10Aでは、圧縮テーブル格
納部43Aを圧縮テーブル格納部41と等しいデータサ
イズとすることができ、また色補正部10aAでは、圧
縮テーブル格納部53Aを圧縮テーブル格納部51の各
原稿種別間で共用して、一層小さいデータサイズとする
ことができる。また、拡大・縮小処理部84のビット数
も削減し、回路構成を簡略化することができる。
【0268】このように圧縮テーブル格納部43Aを圧
縮テーブル格納部41と等しいデータサイズとする構成
を、前述の画像処理装置3に用いる場合には、図21で
示す色補正部10bや、図22で示す色補正部10cの
ように、圧縮テーブル展開部42を該色補正部10b,
10c内に設けるようにすればよい。
【0269】図23は、上記色補正部10bでの色補正
処理を示すフローチャートである。先ず、圧縮テーブル
格納部41から色補正圧縮テーブルが圧縮テーブル格納
部43Aに読出されて格納されている(S31)。次
に、RGBの入力信号が入力されると、色補正処理部4
4は、それに逐次応答して、色成分毎に対応するアドレ
スデータを生成し、圧縮された色補正テーブルにアクセ
スし、対応する色補正テーブル値を選択する(S3
2)。続いて、選択されたデータが圧縮データのまま圧
縮テーブル展開部42に読出され(S33)、展開され
た後、色補正処理部44で色補正処理が行われる(S3
4)。
【0270】続いて、上記圧縮テーブル格納部41,5
1;43A,53Aに格納される圧縮データのフォーマ
ットについて説明する。なお、以下の説明では、色補正
部において黒生成処理をも行う例について説明する。こ
の場合、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ
ー)、K(ブラック)の各圧縮テーブル格納部41,5
1;43A,53Aには、下色除去が施された圧縮デー
タが格納される。すなわち、図12,図18の黒生成/
下色除去部11は不要となる。
【0271】圧縮データの作成は次のように行われる。
先ず、上記各CMYKデータに対してハフマン符号化を
行う。図24に色補正データをハフマン符号化する方法
を、表2にその時のハフマンコードを示す。ハフマン符
号化を行うには、色補正データの発生頻度を数え、各色
補正データの出現確率を算出する。次に、各色補正デー
タの中から最も出現確率の少ない2つの色補正データを
見つけて、そのうちの小さい方にビット0、大きい方に
1を割当てる。同じ出現確率の色補正データが複数ある
場合は、任意の2つの色補正データを選択し、それぞれ
任意にビット0、ビット1を割当てる。たとえば、図2
4において、色補正データ125(出現確率0.031
25)と色補正データ130(出現確率0.0312
5)とでは、色補正データ125にビット0を、色補正
データ130にはビット1を割当てる。
【0272】続いて、この2つの色補正データ繋ぎ、1
つの色補正データの組みにまとめて両者の出現確率を足
し合わせ、色補正データの組みの出現確率とする。上記
色補正データ125,130の場合には、その組の出現
確率は、0.0625となる。これらの作業を出現確率
の和が1になるまで繰返す。この結果、それぞれに割当
てられたビットを右から順番に並べた値がハフマン符号
(ハフマンコード)となる。上記した色補正データ12
5,130については、色補正データ125:0000
0、色補正データ130:00001となる。このよう
な作業により、全ての色補正データについて符号化した
結果が表2である。
【0273】
【表2】
【0274】一方、ハフマン符号化されたデータは、表
2で示すように可変長である。このデータを固定長とす
るためCMY(K)のデータを一つにまとめ、所定のビ
ット幅になるようにダミービットを挿入することにより
新たにデータを生成する。データを固定長にすることに
より、圧縮テーブル格納部43A,53Aへのアクセス
が容易になる(可変長の場合、アクセス時のアドレスが
複雑になる)。
【0275】ここで、CMYKの各色成分のデータをハ
フマン符号化して圧縮テーブル格納部41,51;43
A,53Aに格納する場合、データフォーマットとして
次の2種類が考えられる。
【0276】第1の種類としては、図25で示すよう
に、圧縮されたデータ、すなわち、CMYKの各色成分
毎のハフマンコードをCMYKの順で上位ビットから割
当て、1つのデータとして格納するものである。この場
合、格納されるデータ全体は固定長符号であるけれど
も、各色成分のデータは可変長符号である。そして、下
位ビットのデータがない場合は、図25において*で示
すダミービット(たとえば0)が挿入される。
【0277】一方、第2の種類としては、図26で示す
ように、CMYKの各色成分毎のハフマンコードが、固
定長符号で、個別のメモリ領域に格納される。
【0278】次に、データの圧縮方法を、入力画像デー
タがRGB、出力画像データがCMYKの場合につい
て、表3および図27を用いて、より詳細に説明を行
う。
【0279】
【表3】
【0280】色補正処理部44に対する入力画像データ
が、R:52,G:166,B:230であったとす
る。まず、この入力画像データをRGBからRGBの補
色であるCMYデータに変換すると、表3で示すよう
に、C:203,M:89,Y:25となる。これらの
データに対する色補正後のデータがC:205,M:8
8,Y:27であるとする。ただし、Kについては、対
応する入力画像データが存在しないので、たとえばCM
Y値(C:203,M:89,Y:25)の平均値をデ
ータとする(平均値K:106)。Kに対する色補正後
のデータはK:107とするそして、上記表2のハフマ
ンコード表より、上記色補正後のデータは、各々C:0
1010,M:11001,Y:011100,K:1
1100のようなコードとなる。これらのコードを上記
図25で示すデータフォーマットとする場合には、CM
YKの順で上位ビットから順に割当て、得られた21ビ
ットのデータを所定のビット幅、ここでは24ビットに
丸めるために、上記図25で示すように、下位3ビット
についてはダミービットが挿入される。また、上記図2
6で示すデータフォーマットとする場合には、CMYK
それぞれのデータが規定のビット数となるように、ダミ
ービットが挿入される。
【0281】図27には、図25に示すデータフォーマ
ットの圧縮データを読出して展開する方法を示す。ここ
での説明は、直接変換法を基に行う。直接変換法では、
色補正処理部44のアドレス生成部101は、入力され
た画像データ(R:52,G:166,B:230)か
ら、直接圧縮テーブル格納部43A,53Aに対するア
ドレスデータ(00110100,10100110,
11100110)を生成する。このアドレスデータを
用いて圧縮データが格納されている圧縮テーブル格納部
43A,53Aにアクセスし、シリアルの圧縮データ
(01010,11001,011100,11100
***)を読出す。
【0282】圧縮テーブル格納部43A,53Aから読
出された色補正圧縮データは、圧縮テーブル展開部42
において、CMYKそれぞれのハフマンコード表PC
1,PM1,PY1,PK1に従い、デコード部DC
1,DM1,DY1,DK1において、順次出力データ
(C:205,M:88,Y:27,K:107)にデ
コードされる。
【0283】なお、圧縮テーブル格納部43A,53A
と圧縮テーブル展開部42との間では、図27において
破線で示すように、色補正圧縮データをパラレルに読出
すことも可能であるけれども、パターンマッチング等で
各色成分のデータの識別を行う必要があり、また配線数
が増加する。
【0284】一方、上述の圧縮方法においては、CMY
Kそれぞれについてハフマン符号を用いて説明したけれ
ども、黒(K)に関しては、色空間がCMYとは異なる
ので、図28のように入出力特性が違っている。すなわ
ち、この黒(K)のデータにおいては、入力画像データ
に対して出力画像データ(色補正データ)がゼロまたは
最大値が連続する場合が多く存在する。このことからラ
ンレングス符号等により圧縮する方が圧縮効果が高くな
る場合があるため、黒(K)のデータに関してはCMY
と異なる符号化方式を用いて圧縮してもよい。このよう
に黒色成分と残余の色成分とで圧縮手法を切換えること
で、特に低濃度領域や高濃度領域において同じ値が連続
する黒色成分は高圧縮にでき、圧縮テーブル格納部4
1,51;43A,53Aのデータサイズおよび転送す
るデータ量を縮小することができる。また、CMYにつ
いても、ゼロまたは最大値が連続する場合は、同様にラ
ンレングス符号化を適用することが可能である。
【0285】本発明の実施のさらに他の形態について、
図29〜図40に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0286】図29および図30は、本発明の実施のさ
らに他の形態の色補正部10B,10aBのブロック図
である。これらの色補正部10B,10aBは、前述の
色補正部10,10aに類似し、対応する部分には同一
の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべき
は、これらの色補正部10B,10aBは、直接変換法
を用いて色補正処理を行い、圧縮テーブル格納部41
B,51Bには、CMYの出力信号のテーブル値が、た
とえば平均値などの予め定める基準値との差分データで
求められた後、圧縮されて格納されていることである。
このため、色補正圧縮テーブルを展開する圧縮テーブル
展開部42B,52Bには、上記基準値を格納しておく
基準値格納部90が設けられている。上記圧縮テーブル
格納部41B,51Bから読出された色補正圧縮テーブ
ルは、圧縮テーブル格納部43B,53Bに格納されて
おり、上記圧縮テーブル展開部42B,52Bは、RG
Bの入力信号に逐次応答して、対応するCMYの出力信
号のテーブル値を読出して展開し、さらに上記基準値を
用いて実際の出力信号を求め、色補正処理部44へ出力
する。
【0287】同様の考え方を前述のデジタルカラー複写
機81に適用すると、図31で示すデジタルカラー複写
機91のようになる。このデジタルカラー複写機91に
おいて、前述のデジタルカラー複写機81に類似し、対
応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省
略する。このデジタルカラー複写機91では、カラー画
像処理装置(画像処理装置)93において、拡大・縮小
処理部84で拡大・縮小処理が行われた後に色補正テー
ブルに展開する圧縮テーブル展開部(展開手段)95
に、前述の基準値格納部90が設けられ、上記色補正部
10Bからは、RGBの入力信号がその基準値格納部9
0内の何れの基準値で差分が求められているのかを表す
アドレスデータが入力される。
【0288】このような差分データを圧縮に用いる構成
の色補正処理は、図32で示すようになる。この図32
の処理は、前述の図23の処理に類似しており、対応す
るステップには、同じステップ番号に、添字aを付して
示している。先ず、圧縮テーブル格納部41B,51B
から色補正圧縮テーブルが圧縮テーブル格納部43B,
53Bに読出されて格納されている(S31a)。次
に、RGBの入力信号が入力されると、色補正処理部4
4は、それに逐次応答してアドレスデータを生成し、圧
縮された色補正差分テーブルにアクセスし、対応する色
補正差分テーブル値を選択する(S32a)。続いて、
選択されたデータが圧縮データのまま圧縮テーブル展開
部42B,52Bに読出されるとともに、その読出され
た圧縮データを復号するにあたって、入力信号に対応す
る上記基準値も読出され(S33a)、展開された後、
色成分毎に上記基準値に加算されて実際の出力信号が求
められ、色補正処理部44で色補正処理が行われる(S
34a)。
【0289】なお、上記色補正テーブルの圧縮方式に
は、前述のランレングスやハフマン符号法等の可逆圧縮
方法が使用される。また、圧縮データに関しては、圧縮
方法に適応して、上記固定長符号または可変長符号の何
れで取扱われてもよい。圧縮テーブル格納部41B,5
1B;43B,53Bに格納される圧縮データのフォー
マットは、前述の図25や図26で示すように構成され
る。上記色補正差分テーブルは、先ず色補正データと色
補正データの平均値との差分データが求められ、次にこ
の色補正差分データに対してハフマン符号化が行われる
ことで作成される。上記差分データの作成方法について
は後述する。
【0290】次に、差分データの圧縮方法を、入力画像
データがRGB、出力画像データがCMYKの場合につ
いて、より詳細に説明を行う。ここで、まずシアン
(C)出力データを得る場合の例を図33に示す。C
(b,g,r)は入力画像データがR=r,G=g,B
=bの時の色補正後のCの色補正データを、ΔC(b,
g,r)は同様に色補正後のCの差分データを表すもの
とする。
【0291】入力画像データが決定すると、色補正部か
ら出力される出力画像データは一意に決定される。図3
3(a)は、あらゆる組合わせの入力画像データを示し
たものである。たとえば、B=0,G=0に対してRの
データは0から255の値を取り、B=0,G=1に対
してもRのデータは同様に0から255の値を取り得る
(図33では簡単化のために、0〜255と表してい
る)。
【0292】図33(b)は、上記あらゆる組合わせの
入力画像データに対するCの色補正データを示したもの
である。たとえば、入力画像データ:B=0,G=0,
R=0に対してはC(0,0,0)が、入力画像デー
タ:B=0,G=1,R=0に対してはC(0,1,
0)のデータが対応する。
【0293】続いて、これらの色補正データの基準値
(上述の平均値)が求められる。その求め方は、先ず、
Cのデータ:C(x,y,0)からC(x,y,25
5)に対して、x,yがそれぞれ0から255まで変化
した場合の色補正データの平均値を求め、図33(b)
で示すように、それぞれC(0)〜C(255)とされ
る。これは以下の式で求めることができる。
【0294】
【数4】
【0295】ただし、nは0〜255の整数である。ま
た、C(0)は、C(0,0,0),C(0,1,
0),…,C(0,255,0);C(1,0,0),
…,C(255,255,0)の平均値、すなわちRが
「0」となる入力画像データに対するCの色補正データ
の平均値を表している。
【0296】次に、図33(c)に示すように、C
(0)〜C(255)を用いて、各色補正データとの色
補正差分データΔC(0,0,0)〜ΔC(255,2
55,255)が求められる。この時、入力画像データ
のR成分が「m」となるCの色補正データについては、
それに対応する平均値C(m)を用いて色補正差分デー
タが求められる。
【0297】上記処理結果の一例を図34に示す。ここ
で入力値としては、Rの入力画像データを補色反転した
ものを用いて表している。図34(a)はRの入力値に
対するCの色補正データの値を示している。この平均値
を求めると図34(b)のようになり、図34(a)と
図34(b)との差分を求めると、図34(c)で示す
ようになる。
【0298】同様にして、マゼンタ、イエローについて
の色補正データの平均値M(0)〜M(255),Y
(0)〜Y(255)および色補正差分データΔM
(0,0,0)〜ΔM(255,255,255),Δ
Y(0,0,0)〜ΔY(255,255,255)が
求められる。
【0299】ブラック(K)に対する色補正差分データ
を求める方法は、上述したCMYの色補正差分データを
求める方法とは少し異なる。ここで、K(b,g,r)
を入力画像データがR=r、G=g、B=bの時のKの
色補正データを表すものとする。そして、色補正データ
の平均値K(0)〜K(255)は、たとえば、以下に
示す方法を用いて求めることができる。平均値K(p)
は、色補正データK(r,g,b)よりrgbの平均値
がpとなるデータ(割り切れない場合は切り上げ、また
は、切り捨てを行う)を抽出し、これらのデータの平均
値として求められる。すなわち、この方法を式で示す
と、下記のようになる。なお、この式では、rgbをx
yzで表している。
【0300】
【数5】
【0301】ただし、p,x,y,zは、0〜255の
任意の整数である。また、K(x,y,z)は、(x+
y+zの整数部)=pを満たす場合のみ加算される。さ
らに、上記x+y+zの整数部とは、割り切れない場合
に切り上げ、または、切り捨て処理が施された後の値の
意味である。
【0302】次に、CMYの色補正差分データと同様
に、K(0)〜K(255)を用いて、色補正差分デー
タΔK(0,0,0)〜ΔK(255,255,25
5)が求められる。この時、入力画像データのRGB成
分の平均値の小数点以下を切り上げ、または切り捨て処
理を施した後の値が「q」となるKの色補正データにつ
いて、それに対応する平均値K(q)を用いて色補正差
分データが求められる。以上では、平均値K(0)〜K
(255)に対して差分データを求めているが、平均値
に限らず、最大値や最小値を元に差分データを求めても
よい。このようにして求められたCMYK各色毎の入力
画像データに対する色補正データの平均値は、色補正デ
ータ平均値として上記基準値格納部90に格納されるこ
とになる。
【0303】図35に、このように求めた色補正差分デ
ータの例を示す。ここでの入力値は、上記したように、
入力画像データを補色反転したもので表している。これ
らから理解されるように、今回の例では、色補正差分デ
ータは、−64から+63の範囲に収まっており、8ビ
ットのデータサイズが、色補正差分データを用いること
により、7ビットに削減されている。
【0304】さらに、色補正差分データの圧縮効率を一
層高めるために、この色補正差分データに対してハフマ
ン符号化が行われる。色補正差分データをハフマン符号
化する方法を図36に、その時のハフマンコードを表4
に示す。比較のために、差分データを用いずに8ビット
の色補正データをハフマン符号化する方法は前記図24
に、その時のハフマンコードを前記表2に示す。ハフマ
ン符号化を行う方法の詳細については、後述する。
【0305】
【表4】
【0306】これらの表4および表2を比較して明らか
なように、差分データを用いることでビット数が大幅に
削減することができる。これによって、圧縮テーブル格
納部41B,51B;43B,53Bのデータサイズを
縮小することができる。
【0307】さらにまた、圧縮効率をさらに向上させる
ために、ハフマン符号化の前処理として、色補正差分デ
ータに対して量子化を行ってもよい。量子化処理は、た
とえば図37で示すように、色補正差分データに対して
n段の閾値を設定し、閾値に応じた値(量子化値)に変
換することで行われる。図37では、上記−64〜+6
3の値(7ビット)の色補正差分データを、31段階の
閾値を用いて量子化処理を行う場合を示している。ただ
し、図37においては、閾値の間隔を等間隔「4」とし
ている(線形量子化)けれども、等間隔である必要はな
い(非線形量子化でもよい)。また、色補正差分データ
のサイズも色補正データの内容に応じて変化するので、
それに応じて閾値の間隔(段数)を設定すればよい。
【0308】一例として、色補正差分データを図37の
閾値に従って量子化し、色補正差分データをハフマン符
号化する方法を図38に、その時のハフマンコードを表
5に示す。
【0309】
【表5】
【0310】また、表6は、圧縮を行わない元の色補
正データ、色補正データをハフマン符号化法により圧
縮した場合、元の色補正データの平均値を求め、この
平均値との差分データを求めて圧縮した場合、上記差
分データを量子化した後、圧縮した場合のそれぞれにつ
いて、各データのコード長の合計と平均コード長を示し
たものである。
【0311】
【表6】
【0312】上記表6から、元の色補正データを圧縮す
る場合と比較して、差分データを用いて圧縮する、さら
に差分データを量子化した後、圧縮することで、圧縮効
率が向上してゆくことが理解される。
【0313】以上のようにして圧縮された色補正差分デ
ータは、所定のフォーマットで上記圧縮テーブル格納部
41B,51B内に格納される。
【0314】図39および図40は、圧縮テーブル格納
部43Bへのアクセスから、色補正差分データを展開し
て色補正データを読出す構成を説明するブロック図であ
る。ここでの説明は、直接変換法を基に行う。また、圧
縮テーブル格納部53Bについても同様であるので、そ
の説明は省略する。図39は前述の図25で示すデータ
フォーマットに対応する構成を示し、図40は図26で
示すデータフォーマットに対応する構成を示す。
【0315】直接変換法では、色補正処理部44のアド
レス生成部101は、入力された画像データから、直接
圧縮テーブル格納部43Bに対するアドレスデータを生
成する。このアドレスデータに基づいて圧縮テーブル格
納部43Bにアクセスし、上記色補正差分データが読出
される。また、圧縮テーブル格納部43Bに格納されて
いるテーブル値がデータの平均値と元の色補正データと
の差分データである場合、入力画像データに対応した色
補正データの平均値は、前述した方法で予め計算され、
圧縮テーブル展開部42Bの上記基準値格納部90に格
納されている。
【0316】前述したように、入力画像データのR成分
が「m」となるCの色補正データについては、それに対
応する平均値C(m)を用いて色補正差分データを求め
ているので、平均値C(m)の値は入力画像データのR
成分に基づいて読出される。同様に、M(マゼンタ)の
平均値は入力画像データのG成分、Y(イエロー)の平
均値は入力画像データのB成分により読出される。K
(黒)の平均値については、入力画像データ(RGB)
の平均値を上記平均値計算部102で計算し、この値を
用いて読出しを行う。この時、Kの平均値を求めた時と
同様の処理、すなわち、入力画像データの平均値が割り
切れない時は切り上げ、あるいは切り捨ての処理を行
う。
【0317】一方、圧縮テーブル格納部43Bから読出
された色補正差分データは、圧縮テーブル展開部42B
において、CMYKそれぞれのハフマンコード表PC
1,PM1,PY1,PK1;PC2,PM2,PY
2,PK2に従い、デコード部DC1,DM1,DY
1,DK1;DC2,DM2,DY2,DK2において
デコードされる。ここで、格納されているデータフォー
マットによって、図39と図40とで示すように、デコ
ード方法が異なる。それぞれの場合について詳述する。
【0318】図39では、図25のデータフォーマット
に対応して、色補正差分データは圧縮テーブル格納部4
3Bからシリアルに読出され、圧縮テーブル展開部42
Bにおいて、CMYKそれぞれのハフマンコード表PC
1,PM1,PY1,PK1に従い、デコード部DC
1,DM1,DY1,DK1で順次デコード化される
(パラレルに読出すことも可能であるが、各色成分のデ
ータの識別を行う必要がある)。
【0319】一方、図40では、図26のデータフォー
マットに対応して、色補正差分データは圧縮テーブル格
納部43Bからパラレルに読出され、圧縮テーブル展開
部42Bにおいて、CMYKそれぞれのハフマンコード
表PC2,PM2,PY2,PK2に従い、デコード部
DC2,DM2,DY2,DK2でパラレルにデコード
される。このようにデコードされた各差分データは、色
成分毎に読出された上記平均値に、加算器EC,EM,
EY,EKにおいてそれぞれ加算され、色補正データが
生成される。
【0320】このように差分データをさらに量子化する
ことで、圧縮効率をさらに向上することができる。
【0321】本発明の実施の他の形態について、図41
〜図51に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0322】注目すべきは、本実施の形態では、量子化
レベルを、色補正テーブル値の濃度範囲に応じて決定す
ることである。これは、たとえば人間が色を認識する場
合、中間濃度部分の濃度変化に対しては認識力が高いの
で、その濃度領域では、色補正データの量子化レベルを
細かく設定しておくことで行われる。カラー画像処理装
置(画像処理装置)としては、前述のカラー画像処理装
置3,83,93等を使用することができ、その説明は
省略する。
【0323】すなわち、たとえば図41(a)で示す色
補正データの例(この図41でも、入力値は入力画像デ
ータを補色反転した値を用いている)では、色補正デー
タの濃度値が10〜145の範囲は、比較的細かい量子
化レベル:2に設定され、上記濃度値が0〜9および1
46〜255の範囲では、比較的粗い量子化レベル:8
に設定されている。
【0324】この結果、色補正データの量子化誤差は低
濃度部および高濃度部で大きくなるけれども、これらの
濃度領域における人間の認識力は低く、その差はほとん
ど認識されない。そして、中間濃度領域に対しては量子
化レベルを細かく設定しているので、圧縮されたデータ
を復元した時、元の色補正データに近い値にすることが
でき、量子化処理で発生する誤差も抑制することができ
る。
【0325】次に、色補正処理の詳細について説明す
る。なお、本実施の形態では、前述の説明と同様に、最
も効果の大きい直接変換法を用いて色補正処理を実施す
るものとする。図42は、その色補正処理のフローチャ
ートである。上記図19,図20等を参照して、ROM
から成る圧縮テーブル格納部41,51等に格納されて
いるデータは、電源ON時に、RAMから成る圧縮テー
ブル格納部43A,53A等に、上記図25,図26に
示すような圧縮データのままダウンロードされる(S4
1)。なお、このS41においては、圧縮テーブル格納
部51の場合のように複数の圧縮テーブルが格納されて
いる場合には、電源ON時にデフォルトの圧縮テーブル
がダウンロードされる。また、動作途中で、処理モード
(文字/写真用、文字用、写真用)等の切替えが必要に
なった場合には、圧縮テーブル選択部52Aにより所定
の圧縮テーブルが、再ロードされる。
【0326】次に、入力画像データRGBが色補正処理
部44に入力される。色補正処理部44では、入力画像
データから色補正用RAMである圧縮テーブル格納部4
3A,53A等に対するアドレスデータを生成し、圧縮
された色補正テーブルにアクセスし、対応する色補正テ
ーブル値を選択する(S42)。選択された色補正デー
タは、量子化後に圧縮されたデータ(詳細は後述)であ
り、このデータは、圧縮データのまま圧縮テーブル展開
部85に読出されれる(S43)。圧縮テーブル展開部
85では、圧縮データを展開して後段の処理に送る。
(S44)。
【0327】次に、量子化処理について、図43を参照
しつつ説明する。前述の図37の量子化処理と類似して
いるけれども、図37の処理は、閾値、色補正データお
よび量子化値は中央値を0としているけれども、この図
43の処理では、下限値を0としている。図43に示す
ように、量子化処理は、色補正データに対してn段の閾
値を設定し、閾値に応じた値(量子化値)に変換する。
図43では、色補正データのサイズ:0〜255の値
(8ビット)を、31段階の閾値を用いて量子化処理を
行う場合について例示している。たとえば、色補正デー
タが28の場合、閾値24〜32の範囲であるので、量
子化値は24となる。ただし、図43では、閾値の間隔
を等間隔「8」としているけれも、等間隔である必要は
無く、また色補正データのサイズ、閾値の段数も色補正
データの内容に応じて変化することが可能である。
【0328】次に、色補正データを量子化処理した後に
行う圧縮処理について、表7〜表9および図44を参照
しつつ説明する。なお、色補正データ全てを用いて圧縮
処理を説明するとデータ量が膨大となるので、以下では
主な色補正データを抽出した場合を例として説明する。
また、以下の説明で用いるデータ値はあくまで一例を示
すものであり、これに限定されるものではない。まず、
上記図43の内容に従って量子化された色補正データを
ハフマン符号化法に基づき圧縮する。圧縮方法は、図4
4を参照しつつ説明する。
【0329】先ず、ハフマン符号化を行うために、量子
化された色補正データの発生頻度を数え、各量子化値の
出現確率を算出する。次に、各量子化値の中から最も出
現確率の少ない2つの量子化値を見つけて、そのうちの
小さい方にビット0、大きい方に1を割当てる。同じ出
現確率の量子化値が複数ある場合は、任意の2つの量子
化値を選択し、それぞれ任意にビット0、ビット1を割
当てる。図44において、たとえば量子化値24(出現
確率0.0313)と量子化値48(出現確率0.03
13)との場合では、量子化値24にビット0を、量子
化値48にはビット1を割当てる。
【0330】続いて、この2つの量子化値を繋ぎ、1つ
の量子化値の組みにまとめて両者の出現確率を足し合わ
せ、量子化値の組みの出現確率とする。上記量子化値2
4,48の場合には、量子化値24,48を組みとし、
出現確率は、0.0625となる。これらの作業を出現
確率の和が1になるまで繰返す。この結果、それぞれに
割当てられたビットを右から順番に並べた値がハフマン
符号(ハフマンコード)となる。上記した量子化値2
4,48については、量子化値24:00100、量子
化値48:00101となる。
【0331】このような作業により、全ての量子化値に
ついて符号化した結果が表7である。表8には、各量子
化データと圧縮データとについて、コード長の比較を示
す。また、表9には、量子化データと圧縮データとの比
較を示す。
【0332】
【表7】
【0333】
【表8】
【0334】
【表9】
【0335】圧縮データのデータフォーマットは、上記
図25や図26に示すものであり、その圧縮データの読
出しのための構成は、図45および図46で示すように
なる。これらの構成は、それぞれ前述の図39および図
40で示す構成に類似している。異なる点は、本実施の
形態では、色補正データは差分値を求めていないので、
圧縮テーブル展開部42Baには、前述の圧縮テーブル
展開部42Bにおける基準値格納部90、平均値計算部
102および加算器EC,EM,EY,EKが設けられ
ていないことである。その他の構成は同様であるので、
その説明は省略する。
【0336】次に、入力画像データの濃度領域に応じ
て、量子化レベルとともに、データの転送方法を変更す
る例について説明する。色補正処理において、各色の低
濃度部および高濃度部では、0または255(CMYK
の場合)の色補正データが多く発生する。したがって、
低濃度部および高濃度部においては、別の符号化方式
(たとえば、上記ランレングス符号化法)によりデータ
を転送することで、効率よく転送を行うことができる。
一方、中間濃度領域については、ハフマン符号のまま色
補正データの転送を行う。このようにして、入力画像デ
ータの濃度領域に応じてデータの転送方法を切換えても
よい。表10および図47,図48を用いて、その具体
例を説明する。ここでは、簡単のために、Kデータを例
として用いる。
【0337】
【表10】
【0338】表10の例では、Kのデータは入力アドレ
ス(入力画像データRGBの平均値であり、ここでは入
力アドレスをRGBに補色反転したCMYデータを用い
て表している)が0から94の比較的低濃度の領域でし
か存在せず、入力アドレスが99以上では0である(表
10の左から2列目のデータ)。この色補正データ(0
〜255の値:8ビット)を、31段階の閾値(閾値の
間隔:8)で量子化を行い(表10の左から3列目のデ
ータ)、入力アドレスが99以上の量子化値については
ハフマン符号化法を用いて圧縮し、ランレングス符号化
法を適用してデータの転送を行う。他の量子化値につい
てはハフマン符号化法を用いる。この場合、量子化値:
0のデータは34個連続しているので、ランレングスコ
ード(ランレングス符号)は「100010」となる。
【0339】量子化値に対してハフマン符号化法とラン
レングス符号化法とを適用する方法では、色補正用RA
Mにはハフマン符号化法により圧縮された色補正データ
が格納され、この色補正データを展開する際、ランレン
グス符号化法を用いて符号化してデータを転送するの
で、転送するデータ量を削減することが可能になる。
【0340】その場合の色補正部10C,10bCの構
成を、図47および図48で示す。これらの色補正部1
0C,10bCは、前述の色補正部10,10bに類似
している。色補正処理部44aからのアドレスデータに
対応して読出された圧縮データは、上述のランレングス
符号化法を用いてデータの転送を行う転送部111によ
って、圧縮テーブル展開部42Cまたは色補正処理部4
4aに読出される。
【0341】この様子を図49および図50を用いて説
明する。図49は、前述の図46のKのみの構成に類似
している。転送部111には、圧縮テーブル格納部43
Bから読出される色補正データに対して、ランレングス
符号化を行うか否かの判断を行う判定部112と、カウ
ント部113と、データ保持部114と、ランレングス
符号化部115とが設けられている。また、圧縮テーブ
ル展開部42Cには、圧縮データをデコードする上記デ
コード部DK1…が設けられるとともに、ランレングス
符号をデコードするためにハフマンコード表PK1…お
よびランレングスコード表LK1…が設けられている。
【0342】先ず、カウント部113およびデータ保持
部114が初期化され(S51)、続いて色補正処理部
44aでは、入力画像データRGB(この場合、RGB
データを補色反転したCMYデータ)の平均値によりK
用アドレスを生成し、このK用アドレスにより圧縮テー
ブル格納部43Bに格納されているK1の色補正データ
を読出して、データ保持部114に保持する(S5
2)。
【0343】そして、K1データ(ハフマンコード)
は、転送部111に設けられている判定部112におい
て、データ保持部114に格納されている1つ前に読出
されたデータと同じであるか否かが判定され(S5
3)、判定の結果、同一データであれば、カウント部1
13でカウント値をカウントアップし(S54)、新た
に読出された色補正データを、データ保持部に保持して
(S55)、あるいは読出したデータを上書きして、S
52に戻る。
【0344】上記判定の結果、同一データでない場合に
は、カウント値が初期値であるか否かが判断され(S5
6)、初期値である場合には、現在、データ保持部11
4に格納されている色補正データをそのまま出力する
(S57)。すなわち、カウント値が初期値なら、デー
タ保持部114に格納されているデータと圧縮テーブル
格納部43Bから読出されたデータとが異なる、すなわ
ち連続する同じデータではないと判断されるので、ラン
レングス符号化部115においてデータに何も処理を施
さずそのまま出力する。
【0345】一方、上記S57にてカウント値が初期値
でないなら、同じデータが幾つか連続していると判断さ
れるので、ランレングス符号化部115において、デー
タの前にランレングス符号が付加されることを示す符号
およびランレングス符号を付加して出力する(S5
8)。この時、ランレングス符号化部115から出力さ
れるデータフォーマットは、 xx,LAN,Kl xx:ランレングス符号が付加されることを示す符号 LAN:カウント値(ランレングス符号を表す。初期値
を「1」としている場合はカウント値−1。表10の例
では、「100010」) K1:ハフマン符号化された色補正データ(表10の例
では、「1」) となる。
【0346】出力された色補正データは、デコード部D
K1…においてハフマンコード表PK1…およびランレ
ングスコード表LK1…を用いてデコード(展開)さ
れ、カウント値と同じ数のデータが出力される(S5
9)。
【0347】その後、カウント部113のカウント値が
初期化され(S60)、続いて色補正処理部44a等に
データが格納された後(S61)、全ての入力画像デー
タについて処理が終了するまでS52に戻って処理を繰
返す(S62)。
【0348】こうして、同じ値が連続する場合は、ラン
レングス符号を用いてデータを転送し、ランレングス符
号化部115とデコード部DK1…との間を転送するデ
ータ量を少なくし、効率良くデータを転送することがで
きる。
【0349】また、ランレングス符号化を行うか否か
を、単に同じデータが連続するか否かではなく、カウン
ト値がある一定値を超えるか否かから判定するようにし
てもよい。この場合の処理を図51で示す。図51の処
理において、上述の図50の処理に対応する部分には、
同じステップ番号を付して示す。ここでは、S56でカ
ウント部113のカウント値が初期値でない場合は、さ
らに規定値、たとえば5以上であるか否かが判断され
(S63)、規定値以上である場合は上記S58のラン
レングス符号化した出力を行い、規定値以上でない場合
はデータ保持部114に格納されている色補正データを
カウント値分だけ出力する(ランレングス符号化部11
5において、ランレングス符号を付加せず、カウント値
分だけ色補正データをそのまま出力する)(S64)。
【0350】このように色補正テーブル値の濃度範囲に
応じて量子化レベルを切換えることで、中間調濃度領域
においてトーンギャップ等が発生するのを防止して、効
果的な色補正処理を行うことができる。
【0351】また、このような濃度範囲に応じた量子化
レベルの切換えは、直接変換法、ビット切捨て直接変換
法、補間演算法(3次元補間・2次元補間)の何れに対
しても適用可能であるけれども、特に色補正テーブルの
データサイズが大きい直接変換法およびビット切捨て直
接変換法で圧縮効果が顕著である。また、前述の差分量
子化と組合わせられてもよく、その場合、たとえば図4
1(a)の色補正データは、図41(b)で示すように
なる。
【0352】なお、色補正は、入力画像データであるR
GB信号をCMYK信号に変換する方法で説明したけれ
ども、これに限定するもではない。また、圧縮方式をハ
フマン符号および入力画像データに対応する色補正デー
タ平均値と色補正データとの差分データで説明したけれ
ども、同等の効果が得られる方法であればこれに限定す
るものではない。
【0353】本発明のさらに他の実施形態について、以
下で図53ないし図60を参照して説明する。
【0354】図53のブロック図に構成を示す本実施形
態のデジタルカラー複写機121は、例えば上記した実
施形態の図12に示すデジタルカラー複写機1と比較し
て、内部に備えられたカラー画像処理装置123の含む
色補正部(色補正手段)10Dが異なるのみで、その他
の構成および動作はデジタルカラー複写機1と同様であ
る。そこで、以下では主としてこの異なる点について説
明する。また、上述の実施形態と同じ機能、役割を果た
す部材については、同一の符号を用いて説明する。
【0355】本実施形態における色補正部10Dの構成
について、図56のブロック図を参照して説明する。色
補正部10Dは、LUT法(テーブル参照法)によって
色補正処理を行うためのものであり、本実施形態におい
ては、出力画像データ(色補正テーブルのテーブル値)
を複数の領域に分割し、それぞれの領域において異なる
圧縮をした色補正圧縮テーブルを用いるようになってい
る。
【0356】色補正部10Dは、圧縮テーブル格納部4
1と、圧縮テーブル格納部43Aと、色補正処理部44
と、領域判定部45と、圧縮テーブル展開部(展開手
段)42Dとを備えている。
【0357】圧縮テーブル格納部41は、色補正圧縮テ
ーブルを読出し専用に格納するためのものであり、いわ
ゆるROM(Read Only Memory)やハードディスクなどの
不揮発性メモリよりなる。
【0358】圧縮テーブル格納部43Aは、デジタルカ
ラー複写機121の電源ON時に、不図示のCPUの制
御により、圧縮テーブル格納部41から読出された色補
正圧縮テーブルを格納しておくためのものであり、高速
アクセス可能なRAM(Random Access Memory)よりな
る。このRAMは、DRAMなどの揮発性メモリであっ
てもよいし、FRAM及びSRAMのように不揮発性メ
モリであってもよい。
【0359】色補正処理部44は、図53に示す領域分
離処理部9より入力されるRGB信号を色補正処理し
て、図53に示す黒生成/下色除去部11に送るための
ものである。図56に戻ると、色補正処理部44は、入
力画像データをアドレスデータとして圧縮テーブル格納
部43Aの色補正圧縮テーブルを参照し、対応するテー
ブル値である符号化圧縮された出力画像データを圧縮テ
ーブル展開部42Dに送るようになっている。また、色
補正処理部44は、入力画像データを領域判定部45に
送るようにもなっている。
【0360】領域判定部45は、色補正処理部44より
送られた入力画像データが、領域分割された出力画像デ
ータのどの濃度領域に属するかを判定するためのもので
ある。領域判定部45は、判定した結果を表す判別信号
を、圧縮テーブル展開部42Dに送るようになってい
る。
【0361】圧縮テーブル展開部42Dは、符号化圧縮
された出力画像データを復号して、出力画像データとし
て色補正処理部44に送るためのものである。圧縮テー
ブル展開部42Dは、図56には図示しないデコード部
と、同様に不図示のROM中に複数の復号表とを備えて
いる。
【0362】上記の構成において、本実施形態の色補正
部10Dは、例えば上記した図12に示す色補正部10
とは異なった手順で色補正処理を行うようになってい
る。すなわち、色補正部10Dは、出力画像データを複
数の領域に分割し、それぞれの領域において色補正テー
ブルをそれぞれ異なるように圧縮をした色補正圧縮テー
ブルを用いるようになっている。
【0363】ここで、まず、上記の色補正テーブルにつ
いて説明する。
【0364】色補正テーブルとは、色補正処理法の一つ
であるテーブル参照法(LUT法)において用いられる
ものであり、アドレス値は入力画像データ値、テーブル
値は出力画像データ値となっている対応表である。テー
ブル参照法においては、例えば入力画像データ値を出力
画像データ値に変換する色変換関数を予め計算しておく
などして色補正テーブルを準備しておき、入力画像デー
タ値をアドレスデータとして色補正テーブルを参照し、
テーブル値である出力画像データ値を得るようになって
いる。
【0365】本実施形態において、上記の色補正処理
は、上記色補正テーブルの出力画像データ値を符号化圧
縮して色補正圧縮テーブルとして格納しておき、その色
補正圧縮テーブルを参照して符号化圧縮された出力画像
データ値を得て、さらに符号化圧縮された出力画像デー
タ値を復号して出力画像データ値を得るというように行
われる。
【0366】本実施形態においては、上記色補正テーブ
ルを圧縮する可逆圧縮符号化法の一例として、以下では
ハフマン符号法を用いた場合について説明する。ここで
ハフマン符号法とは、出現頻度が大きいデータに短いコ
ード長の圧縮符号が割り当てられるように、データの出
現頻度にあわせてコード長を変化させることにより圧縮
する方法である。
【0367】また、本実施形態において、上記の符号化
は、出力画像データの濃度領域を複数の領域に分割し、
それぞれの領域ごとに行われるようになっている。
【0368】図55は本実施形態の色補正処理に用いる
色変換関数を表したグラフである。横軸は入力画像デー
タを8ビットで表したときの濃度値、縦軸は出力画像デ
ータを8ビットで表したときの濃度値を示している。な
お、この図で、入力画像データは、RGB信号を補色反
転したCMY信号を用いている。
【0369】図55に示すように、本実施形態において
は、出力データの濃度領域が濃度領域1と濃度領域2の
2つに分割されている。
【0370】このように領域を分割した上で、各領域ご
とにそれぞれハフマン符号法を用いて符号化圧縮するこ
とによって、以下で説明するように、符号化圧縮する際
のコード長が短くなり、圧縮効率を高めることができ
る。
【0371】本実施形態におけるハフマン符号法につい
て、図57、図58、および表11ないし表13を参照
して簡単に説明する。
【0372】図57は、図55に示す濃度領域1でのハ
フマン符号法を説明する図である。図57に示す色補正
値とは、上述の出力画像データ値のことである。また、
頻度および確率として示されているのは、出力画像デー
タ値の出力画像データ全体における出現頻度および確率
である。また、図58は、図55に示す濃度領域2での
ハフマン符号化を説明する図である。図58に示す色補
正値、頻度および確率は、図57と同じ意味で用いてい
る。この図57および図58に示すハフマン符号化の詳
細な手順については、例えば図24の説明として上記し
たので、ここでは説明を省略する。
【0373】そして、それぞれ図57、図58で作成さ
れたハフマンコード表を示すのが表11、表12であ
る。このハフマンコード表は、圧縮テーブル展開部42
Dに備えられる復号表でもある。
【0374】
【表11】
【0375】
【表12】
【0376】そして表13には、表11および表12の
結果をまとめて、上記のように出力画像データの濃度領
域を領域分割した場合と、領域分割しない場合とを比較
した結果を示す。
【0377】
【表13】
【0378】表13に示すように、領域分割した場合の
方が、領域分割しない場合と比較して、コード長が減少
している。本実施形態においては、表11ないし13に
おいて、領域分割の一例を示してコード長が減少するこ
とを説明したが、一般に、領域分割して要素数が減少す
れば、その要素同士を区別するための符号のコード長は
減少する。すなわち領域分割を上記の例とは異なるよう
に行ったとしても、領域を分割すれば、符号のコード長
は一般に減少する。
【0379】また、本実施形態においては、出力画像デ
ータ値の濃度領域は、単に分割されているだけではな
く、次に説明するように設定して分割されている。
【0380】本実施形態の領域分割は、図57および図
58に示すように、濃度領域1においては各色補正デー
タの出現頻度はほぼ等しくなっている一方、濃度領域2
においては各色補正データの出現頻度が異なるようにな
っている。
【0381】このように、領域内で各データの出現頻度
がほぼ一様な領域と、それ以外で領域内で各データの出
現頻度が異なるようになっている領域とに、領域の分割
を行えば、圧縮符号化においてさらに圧縮効率を高める
ことができる。
【0382】すなわち、本実施形態で用いているハフマ
ン符号法は、データの出現頻度を用いて符号化するた
め、各データの出現頻度がほぼ等しい領域についてはあ
まり圧縮効率が高くない。一方、各データの出現頻度が
異なっている場合には、非常に高い圧縮率を得ることが
できる。したがって、もし本実施形態とは異なり、分割
した領域が、各データの出現頻度がほぼ等しい部分と、
それとは出現頻度が異なる小数の要素とからなるような
場合には、この領域の圧縮効率は、各データの出現頻度
がほぼ等しい部分を含むため、それほど高いものとはな
らないこととなる。よって、上記した本実施形態のよう
に分割すれば、単に分割した場合と比べて圧縮効率を向
上できる。
【0383】本実施形態においては、出力画像データの
濃度領域は、出力画像データの出現頻度が異なる領域に
分割しているので、出現頻度を利用して符号化圧縮する
ハフマン符号法を用いれば、単に領域分割する場合と比
較して、さらに圧縮効率を高めることができる。
【0384】なお、本実施形態においては、色補正処理
は、図54のグラフに示す色変換関数を用いて行う。こ
の色変換関数について説明する。
【0385】図54は色補正処理に用いるための色変換
関数を表したグラフである。横軸は入力画像データを8
ビットで表した時の濃度値、縦軸は出力画像データを8
ビットで表した時の濃度値を示している。
【0386】図54に示すように、例えば入力画像デー
タの端の部分の0からX1 の領域(A領域)は、出力画
像データの0からY1 の領域(B領域)に変換される。
すなわち、この領域において色変換関数の変化率は小さ
いので、入力画像データの濃度領域は出力画像データの
濃度領域の内の小さな領域に変換される。
【0387】上記のような色変換関数を用いる理由は、
低濃度部分においては、色に対する人間の認識能力(色
を識別する能力)が低いので、この濃度領域では濃度の
細かい刻みを設定しても、観測者はその違いを識別でき
ないからである。また、高濃度部分の入力画像データが
2 から255の領域が、出力画像データのY2 から2
55の領域に変換されるのも同様の理由である。
【0388】これに対して、例えば入力画像データのX
1 からX2 の領域(C領域)は、出力画像データのY1
からY2 の領域(D領域)に変換される。これは、中間
濃度部分の濃度変化に対しては、色に対する人間の認識
能力が高い(細かな色の変化を人間が認識できる)の
で、この濃度領域ではより詳しい表現が望まれるためで
ある。
【0389】したがって、図54に示すような色変換関
数を用いて色補正処理を行うことによって、ダイナミッ
クレンジを有効活用して、人間の認識能力を考慮した色
再現をすることができる。
【0390】以上に説明したように、本実施形態におい
ては、出力画像データの濃度領域が2つの領域に分割さ
れているため、圧縮テーブル格納部41と圧縮テーブル
格納部43Aとには2つの領域ごとにそれぞれ別個に出
力画像データ値が圧縮符号化された一つの色補正圧縮テ
ーブルが備えられ、また、圧縮テーブル展開部には2つ
の領域に対応して2つの復号表が備えられている。
【0391】上記の構成における、色補正部10D内部
でのデータの流れを、図59のブロック図を参照して説
明する。図59は、例えば上記した実施形態の図27と
比較して、領域判定部45が備えられていることが異な
っている。ここでは、主としてその異なる部分について
説明する。
【0392】まず、色補正処理部44は、入力画像デー
タをアドレスデータとして圧縮テーブル格納部43Aを
参照するだけでなく、入力画像データを領域判定部45
に送るようにもなっている。
【0393】このデータ転送は、各画素点のデータごと
にシリアルに、また、各画素点におけるデータの各色成
分が同時であるという意味ではパラレルに行われる。
【0394】領域判定部45は、入力画像データが領域
分割した領域のうちどの領域に属するかを判定する。例
えば、図55の出力画像データの濃度領域1に対応する
0〜Xの領域の画像データであるのか、あるいは、濃度
領域2に対応するX〜255の画像データであるのかの
判定を行う。ここで例えば入力画像データの濃度領域が
ほぼ均等に2等分されるように出力画像データの濃度領
域が分割されている場合には、領域は入力画像データの
上位1ビットを見ることによって判別できる。同様に任
意の分割についても、例えば分割位置を指定して上位数
ビットを読み取ることにより簡単に判別できる。したが
って、本実施形態の領域判定部45のように、領域判定
部45をハードウェアによって実現して高速に判定処理
を行うこともできる。
【0395】そして、領域判定部45は判定した結果を
判別信号として圧縮テーブル展開部42Dに送る。この
判別信号としては、例えば濃度領域が3分割されている
場合には、2ビットの信号であればよい。
【0396】また、色補正処理部44は、入力画像デー
タ値をアドレスデータとして圧縮テーブル格納部43A
に格納されている色補正圧縮テーブルを参照し、圧縮さ
れた出力画像データ値を得て、圧縮テーブル展開部42
Dに送るようになっている。
【0397】圧縮テーブル展開部42Dでは、圧縮され
た出力画像データ値と、領域判定部の判別信号とを、各
色成分ごとに備えられたデコード部DC3,DM3,D
Y3,DK3が受信するようになっている。
【0398】デコード部DC3,DM3,DY3,DK
3では、判別信号を用いて、コード表が備えられたRO
MのPC3,PM3,PY3,PK3より、適切な復号
表を選択し、その復号表を用いて、圧縮された出力画像
データ値を復号する。
【0399】復号された出力画像データ値は、色補正処
理部44に送られる。
【0400】本実施形態の色補正部10Dにおいては、
上記した一連の処理を、画像データに含まれる画素点ご
とに行うようになっている。
【0401】上記した色補正処理の動作について、以下
で図60のフローチャートを参照して説明する。
【0402】まず、ステップS71では、デジタルカラ
ー複写機121の電源がONされると、図56に示す圧
縮テーブル格納部41に格納される色補正圧縮テーブル
は、圧縮テーブル格納部43Aに読出される。
【0403】ステップS72では、色補正処理部44
は、入力画像データをアドレスデータとして圧縮テーブ
ル格納部43Aを参照するとともに、入力画像データを
領域判定部45に送る。
【0404】以下、ステップS73およびステップS7
4と、ステップS75とは、並列処理される。
【0405】ステップS73では、色補正処理部44が
圧縮テーブル格納部43Aを参照して、対応する圧縮さ
れた出力画像データ値を選択する。
【0406】ステップS74では、選択された出力画像
データ値が、圧縮テーブル展開部42Dに読出される。
【0407】また、ステップS75では、領域判定部4
5において、入力画像データを用いて濃度領域が判別さ
れ、判別信号が圧縮テーブル展開部42Dに送られる。
【0408】ステップS76では、圧縮テーブル展開部
42Dにおいて、判別信号を用いて復号表が選択され、
圧縮された出力画像データ値が復号される。復号された
出力画像データ値は、色補正処理部44に送られる。
【0409】本実施形態の色補正部10Dは、以上の処
理を画像データに含まれる全ての画素点について順次行
うことによって、色補正処理を行う。
【0410】本実施形態におけるデジタルカラー複写機
121は、以上のように、データの出現頻度を利用して
圧縮するハフマン符号化法を用い、出力画像データの出
現頻度分布に応じて濃度領域を分割し、各濃度領域で色
補正テーブルをそれぞれ独立に圧縮符号化して色補正圧
縮テーブルとして格納している色補正部10D及び圧縮
テーブル展開部42Dを備えているので、圧縮テーブル
格納部41および圧縮テーブル格納部43Aの格納領域
を削減できる。
【0411】なお、上記した本実施形態の構成の代わり
に、例えば、判別信号に対応するような領域を判別する
ためのビットを、色補正圧縮テーブルのハフマンコード
および復号表のハフマンコードに付け加える構成も好ま
しい。
【0412】上記構成によれば、領域を判別するための
領域判定部45は不要となる。その代わり、デコード部
DC3,DM3,DY3,DK3が上記した領域を判別
するためのビットを用いて復号表を選択し、復号すれば
よい。そうすれば、本実施形態とほぼ同様の効果を得る
ことができる。
【0413】なお、本実施形態においては、色補正テー
ブルの可逆な符号化圧縮法として、ハフマン符号化を用
いた場合を説明したが、本発明はこれに限るものではな
い。例えば他の可逆圧縮方法であっても、出現頻度の情
報を用いて、出現頻度の大きい要素に短い符号を割り当
てるようにする圧縮符号法であれば同様の効果が得られ
る。
【0414】なお、本実施形態においては、上記圧縮テ
ーブル展開部42Dに復号のための復号表が備えられて
いる場合について説明したが、本発明はこれに限るもの
ではない。例えば、圧縮テーブル展開部42Dに備えら
れる上記したデコード部が、圧縮符号化されたデータは
圧縮符号化される前のどの色補正データに対応するかを
条件分岐することにより求めるようにしておいてもよ
い。すなわち、復号のために復号表を格納しておくので
はなく、圧縮符号化されたデータと元の色補正データを
ソフトウェアにより対応づけてもよい。どちらの方法を
用いるかは、ハフマンコード表の数などにより決めれば
よい。
【0415】なお、上記の本実施形態においては、圧縮
テーブル格納部43Aが備えられた構成について説明し
たが、本発明はこれに限るものではない。圧縮テーブル
格納部43Aを含まず、色補正処理部44が圧縮テーブ
ル格納部41の色補正圧縮テーブルにアクセスして圧縮
された出力画像データ値を得る構成であってもよい。た
だし、上記した本実施形態のように、圧縮テーブル格納
部43Aが備えられた構成であれば、アクセスを早くし
て高速に処理できる。
【0416】なお、上記の本実施形態の説明において
は、色補正部10Dが、各画素点ごとにシリアルに処理
するように説明したが、複数の画素点ごとにパラレルに
処理するものであってもよい。
【0417】なお、上記の構成においては、領域判定部
45を圧縮テーブル展開部42Dの外側に設けた場合を
説明したが、領域判定部45は圧縮テーブル展開部42
Dの内部に備えられる構成であってもよい。
【0418】なお、本実施形態においては、直接変換法
が用いられるものとして説明したが、3次元補間法、ビ
ット切捨て直接変換法、2次元補間法を用いることもで
きる。その場合も、色圧縮テーブルおよび復号表を備え
るためのメモリ容量を削減できる。ただし、上記のよう
に、直接変換法を用いた場合が、最も圧縮量が多くな
る。
【0419】本発明のさらに他の実施形態について、以
下で図61ないし図68を参照して説明する。
【0420】図61のブロック図に構成を示す本実施形
態のデジタルカラー複写機131は、例えば上記した実
施形態の図53に示すデジタルカラー複写機121と比
較して、内部に備えられたカラー画像処理装置133の
含む色補正部(色補正手段)10Eが異なるのみで、そ
の他の構成および動作はデジタルカラー複写機121と
同様である。そこで、以下では主としてこの異なる点に
ついて説明する。また、上述の実施形態と同じ機能、役
割を果たす部材については、同一の符号を用いて説明す
る。
【0421】本実施形態における色補正部10Eの構成
について、図63のブロック図を参照して説明する。色
補正部10Eは、LUT法(テーブル参照法)によって
色補正処理を行うためのものであり、本実施形態におい
ては、出力画像データを複数の領域に分割し、それぞれ
の領域において異なる圧縮をした色補正圧縮テーブルを
用いるようになっている。
【0422】色補正部10Eは、圧縮テーブル格納部4
1と、圧縮テーブル格納部43Aと、色補正処理部44
と、領域判定部45Aと、圧縮テーブル展開部(展開手
段)42Eとを備えている。
【0423】圧縮テーブル格納部41は、色補正圧縮テ
ーブルを読出し専用に格納するためのものであり、いわ
ゆるROM(Read Only Memory)やハードディスクなどの
不揮発性メモリよりなる。
【0424】圧縮テーブル格納部43Aは、デジタルカ
ラー複写機131の電源ON時に、不図示のCPUの制
御により、圧縮テーブル格納部41から読出された色補
正圧縮テーブルを格納しておくためのものであり、高速
アクセス可能なRAM(Random Access Memory)よりな
る。このRAMは、DRAMなどの揮発性メモリであっ
てもよいし、FRAM及びSRAMのように不揮発性メ
モリであってもよい。
【0425】色補正処理部44は、図61に示す領域分
離処理部9より入力されるRGB信号を色補正処理し
て、図61に示す黒生成/下色除去部11に送るための
ものである。図63に戻ると、色補正処理部44は、入
力画像データをアドレスデータとして圧縮テーブル格納
部43Aの色補正圧縮テーブルを参照し、対応するテー
ブル値である符号化圧縮された出力画像データを圧縮テ
ーブル展開部42Eに送るようになっている。また、色
補正処理部44は、入力画像データを領域判定部45A
に送るようにもなっている。
【0426】領域判定部45Aは、色補正処理部44よ
り送られた入力画像データが、領域分割された出力画像
データのどの濃度領域に属するかを判定するためのもの
である。領域判定部45Aは、判定した結果を表す判別
信号を、圧縮テーブル展開部42Eに送るようになって
いる。
【0427】圧縮テーブル展開部42Eは、符号化圧縮
された出力画像データを復号して、出力画像データとし
て色補正処理部44に送るためのものである。圧縮テー
ブル展開部42Eは、加算部42eと、図63には図示
しないデコード部と、同様に不図示のROM中に複数の
復号表とを備えている。
【0428】加算部42eは、1つの復号表で異なる領
域の復号化を実行することができるように、領域判定部
45Aより入力される信号と、不図示のデコード部より
出力される信号とを用いて、デコード部からの出力信号
に加算を行うためのものである。
【0429】上記の構成において、本実施形態の色補正
部10Eは、例えば上記した図56に示す色補正部10
Dとは異なった手順で色補正処理を行うようになってい
る。すなわち、色補正部10Eは、複数に分割した出力
画像データの濃度領域のうち、同様の出現頻度分布をも
つ領域があれば、復号表を共用して用いることによっ
て、復号表のために必要な記憶領域を節約するようにな
っている。
【0430】本実施形態においては、色補正テーブルを
圧縮する可逆圧縮符号化法の一例として、以下ではハフ
マン符号法を用いた場合について説明する。
【0431】また、本実施形態において、上記の符号化
は、出力画像データの濃度領域を複数の領域に分割し、
それぞれの領域ごとに行われるようになっている。
【0432】図62は本実施形態の色補正処理に用いる
色変換関数を表したグラフである。横軸は入力画像デー
タを8ビットで表したときの濃度値、縦軸は出力画像デ
ータを8ビットで表したときの濃度値を示している。な
お、この図で、入力画像データは、RGB信号を補色反
転したCMY信号を用いている。
【0433】図62に示すように、本実施形態において
は、出力画像データの濃度領域が濃度領域1、濃度領域
2、および濃度領域3の3つに分割されている。
【0434】このように領域を分割した上で、各領域ご
とにそれぞれハフマン符号法を用いて符号化圧縮する。
【0435】本実施形態におけるハフマン符号法につい
て、図64、図65、図66および表14ないし表17
を参照して簡単に説明する。
【0436】図64は、図62に示す濃度領域1でのハ
フマン符号法を説明する図である。図65は、図62に
示す濃度領域2でのハフマン符号化を説明する図であ
る。図66は、図62に示す濃度領域3でのハフマン符
号化を説明する図である。図64ないし図66は、例え
ば上記した図57および図58と同様の意味で単語を用
いている。この図64ないし図66に示すハフマン符号
化の詳細な手順については、例えば図24の説明として
上記したので、ここでは説明を省略する。
【0437】そして、それぞれ図64ないし図66で作
成されたハフマンコード表を示すのが、表14ないし表
16である。
【0438】
【表14】
【0439】
【表15】
【0440】
【表16】
【0441】ここで、図64に示す濃度領域1における
頻度分布と、図66に示す濃度領域3における頻度分布
とは、ほぼ同様となっている。このため、表14として
示す濃度領域1におけるハフマンコード表と、表16と
して示す濃度領域3におけるハフマンコード表とは、要
素の個数およびハフマンコードの並びが共通しているこ
とが分かる。そこで、本実施形態においては、濃度領域
1と濃度領域3における復号表を共用して、表17に示
す復号表として格納しておくこととする。
【0442】
【表17】
【0443】すなわち、本実施形態においては、濃度領
域1と濃度領域3とのための復号表として、表17に示
すハフマンコード表を圧縮テーブル展開部42Eに備え
ておき、濃度領域2のための復号表として、表15に示
すハフマンコード表を圧縮テーブル展開部42Eに備え
ておくようになっている。
【0444】上記の構成における、色補正部10E内部
でのデータの流れを、図67のブロック図を参照して説
明する。図67は、例えば上記した実施形態の図59と
比較して、加算部42eC,42eM,42eY,42
eKが備えられていることが異なっている。ここで、加
算部42eC,42eM,42eY,42eKは、図6
3に示した加算部42eに対応するものである。ここで
は、主としてその異なる部分について説明する。
【0445】まず、色補正処理部44は、入力画像デー
タをアドレスデータとして圧縮テーブル格納部43Aを
参照するだけでなく、入力画像データを領域判定部45
Aにも送る。
【0446】このデータ転送は、各画素点のデータごと
にシリアルに、また、各画素点におけるデータの各色成
分が同時であるという意味ではパラレルに行われる。
【0447】領域判定部45Aは、入力画像データが領
域分割した領域のうちどの領域に属するかを判定する。
例えば、図62の出力画像データの濃度領域1あるいは
濃度領域3に対応する入力画像データであるのか、ある
いは、濃度領域2に対応する入力画像データであるのか
の判定を行う。ここで例えば入力画像データの濃度領域
がほぼ均等に2等分されるように出力画像データの濃度
領域が分割されている場合には、領域は入力画像データ
の上位1ビットを見ることによって判別できる。同様に
任意の分割についても、例えば分割位置を指定して上位
数ビットを読み取ることにより簡単に判別できる。した
がって、本実施形態の領域判定部45Aのように、領域
判定部45Aをハードウェアによって実現して高速に判
定処理を行うこともできる。
【0448】そして、領域判定部45Aは判定した結果
を判別信号として圧縮テーブル展開部42Eに送る。こ
の判別信号としては、例えば濃度領域が3分割されてい
る場合には、2ビットの信号であればよい。
【0449】また、色補正処理部44は、入力画像デー
タ値をアドレスデータとして圧縮テーブル格納部43A
に格納されている色補正圧縮テーブルを参照し、圧縮さ
れた出力画像データ値を得て、圧縮テーブル展開部42
Eに送るようになっている。
【0450】圧縮テーブル展開部42Eでは、各色成分
ごとに備えられたデコード部DC4,DM4,DY4,
DK4が、圧縮された出力画像データ値と、領域判定部
45Aの判別信号とを受信するようになっている。ま
た、各色成分ごとに備えられた加算部42eC,42e
M,42eY,42eKが、領域判定部45Aの判別信
号を受信するようになっている。
【0451】デコード部DC4,DM4,DY4,DK
4では、判別信号を用いて、コード表が備えられたRO
MのPC4,PM4,PY4,PK4より、適切な復号
表を選択し、その復号表を用いて、圧縮された出力画像
データ値を復号する。
【0452】そして、加算部42eC,42eM,42
eY,42eKが、領域判定部45Aの判別信号に応じ
て、対応するデコード部の出力に、濃度領域に応じた値
を加算するようになっている。図67の例では、濃度領
域が3であると判定された場合には254が加算され、
濃度領域が1または2であると判定された場合には0が
加算される。
【0453】なお、一般には、濃度領域に応じて加算さ
れる値は、出力される色補正値によって色成分ごとに異
なるので、色成分ごとに濃度領域に応じた値をデコード
された色補正値に加算する。
【0454】復号された出力画像データ値は、色補正処
理部44に送られる。
【0455】本実施形態の色補正部10Eにおいては、
上記した一連の処理を、画像データに含まれる画素点ご
とに行うようになっている。
【0456】上記した色補正処理の動作について、以下
で図68のフローチャートを参照して説明する。
【0457】まず、ステップS81では、デジタルカラ
ー複写機131の電源がONされると、図63に示す圧
縮テーブル格納部41に格納される色補正圧縮テーブル
は、圧縮テーブル格納部43Aに読出される。
【0458】ステップS82では、色補正処理部44
は、入力画像データをアドレスデータとして圧縮テーブ
ル格納部43Aを参照するとともに、入力画像データを
領域判定部45Aに送る。
【0459】以下、ステップS83およびステップS8
4と、ステップS85とは、並列処理される。
【0460】ステップS83では、色補正処理部44が
圧縮テーブル格納部43Aを参照して、対応する圧縮さ
れた出力画像データ値を選択する。
【0461】ステップS84では、選択された出力画像
データ値が、圧縮テーブル展開部42Eに読出される。
【0462】また、ステップS85では、領域判定部4
5Aにおいて、入力画像データを用いて濃度領域が判別
され、判別信号が圧縮テーブル展開部42Eに送られ
る。
【0463】ステップS86では、圧縮テーブル展開部
42Eのデコード部DC4,DM4,DY4,DK4に
おいて、判別信号を用いて復号表が選択され、圧縮され
た出力画像データ値が復号される。
【0464】ステップS87では、圧縮テーブル展開部
42Eの加算部42eC,42eM,42eY,42e
Kにおいて、デコード部で復号された値に対して、濃度
領域に対応した値が加算される。そして、復号された出
力画像データ値は、色補正処理部44に送られる。
【0465】本実施形態の色補正部10Eは、以上の処
理を画像データに含まれる全ての画素点について順次行
うことによって、色補正処理を行う。
【0466】本実施形態のデジタルカラー複写機は、以
上のように、同じような頻度分布をもつ濃度領域が複数
あれば、同じ復号表を共用して復号を行う圧縮テーブル
展開部42E及び色補正部10Eを備えているので、復
号表を備える記憶領域を削減できる。
【0467】すなわち、例えば、出現頻度分布がほぼ同
様であって、適切な濃度領域の分割によって復号表を共
用できる場合には、その復号表を共用することにより、
上記の効果を得ることが出来る。
【0468】また、図54を用いて説明したように、濃
度の低濃度領域および高濃度領域においては、通常、人
間の色識別能力が低いため、色変換関数の変化率は同様
に小さくなっている。このため、出現頻度分布も、ほぼ
同様に生じるようになっている。したがって、例えば上
記実施形態のように、低濃度領域(濃度領域1)及び高
濃度領域(濃度領域3)における復号表を共用して、記
憶領域を削減できる。
【0469】また、上述した、同様の出現頻度分布と
は、例えば出力画像データの分散が所定の範囲内にある
場合における出現頻度分布を意味する。この場合、所定
の範囲としては、種々のデータに基づいて適切な値を定
めておけばよい。また、これに限らず、その他の方法
で、同様の出現頻度分布であるか否かを判別することも
できる。
【0470】なお、本実施形態においては、直接変換法
が用いられるものとして説明したが、3次元補間法、ビ
ット切捨て直接変換法、2次元補間法を用いることもで
きる。その場合も、復号表を備えるためのメモリ容量を
削減できる。ただし、上記のように、直接変換法を用い
た場合が、最も圧縮量が多くなる。
【0471】以上説明したカラー画像処理装置3,8
3,93,123,133は、画像処理方法としてコン
ピュータに実行させるためのプログラムにより実現され
る。このプログラムはコンピュータで読取り可能な図示
しない記録媒体に格納されている。本発明では、この記
録媒体として、例えばROMのようなプログラムメディ
アであってもよいし、また図示していないが外部記憶装
置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録
媒体を挿入することで読取り可能なプログラムメディア
であってもよい。
【0472】何れの場合においても、記録媒体に格納さ
れているプログラムはカラー画像処理装置3,83,9
3,123,133がアクセスして実行させる構成であ
ってもよいし、あるいは何れの場合もプログラムを読出
し、読出されたプログラムは、デジタルカラー複写機
1,81,91,121,131の図示されていないプ
ログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログ
ラムが実行される方式であってもよい。このダウンロー
ド用のプログラムは予めデジタルカラー複写機1,8
1,91,121,131に格納されているものとす
る。
【0473】ここで上記プログラムメディアは、本体と
分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカ
セットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)デ
ィスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−RO
M/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、
ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカー
ド系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPRO
M、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固
定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。上記
記録媒体に格納されている内容としてはプログラムに限
定されず、データであってもよい。
【0474】
【発明の効果】本発明の画像処理装置は、以上のよう
に、色補正テーブルを固定的に格納するにあたって、第
1の記憶手段に圧縮して色補正圧縮テーブルとして格納
し、それを展開手段で上記色補正テーブルに展開してR
AMから成る第2の記憶手段に格納する。
【0475】それゆえ、非圧縮の色補正テーブルを固定
的に格納した場合に比べてデータサイズを小さくするこ
とができ、色補正処理に用いるテーブルを固定的に格納
するメモリ領域のデータサイズを従来の限界を超えて小
型化することができる。また、上記第2の記憶手段はR
AMから成るので、色補正処理に用いる際に読出す速度
が、ROMから直接読出していた従来の場合よりも向上
することができ、画像処理装置全体の処理をより高速化
することができる。
【0476】また、本発明の画像処理装置は、以上のよ
うに、上記第1の記憶手段が、入力原稿の原稿種別毎に
用意された複数の色補正圧縮テーブルを固定的に格納し
ており入力原稿の原稿種別に対応した色補正圧縮テーブ
ルのみを色補正テーブルとして展開する。
【0477】それゆえ、入力原稿の原稿種別にまで対応
した色補正処理を行う場合においても、複数の色補正圧
縮テーブル間で第2の記憶手段を共用し、該第2の記憶
手段のデータサイズをより小さいものとすることができ
る。
【0478】さらにまた、本発明の画像処理装置は、以
上のように、入力原稿の原稿種別に対応して生成される
原稿種別判別信号を記憶する第3の記憶手段を備えてい
るとともに、上記第2および第3の記憶手段が不揮発性
メモリから成り、新たな入力原稿の原稿種別が現在の原
稿種別と同じであるときには、上記現在の色補正テーブ
ルをそのまま新たな原稿種別に対応する色補正処理に用
いる。
【0479】それゆえ、電源投入時に色補正テーブルを
展開する回数を低減し、また画像処理の開始までの所要
時間を短縮することができる。
【0480】また、本発明の画像処理装置は、以上のよ
うに、色補正テーブルを圧縮した色補正圧縮テーブルを
第1の記憶手段によって固定的に格納し、色補正を行う
にあたって、その色補正圧縮テーブルをRAMから成る
第2の記憶手段に転送して格納しておき、入力画像デー
タに対応した色補正圧縮テーブルを逐次読出して展開す
る。
【0481】それゆえ、第2の記憶手段のデータサイズ
も第1の記憶手段のデータサイズまで小さくすることが
できる。
【0482】さらにまた、本発明の画像処理装置は、以
上のように、上記圧縮を、上記出力画像データと予め定
める基準値との差分を求めることで行う。
【0483】それゆえ、記憶手段のデータサイズを縮小
することができる。
【0484】また、本発明の画像処理装置は、以上のよ
うに、上記圧縮を、上記差分をさらに量子化することで
行う。
【0485】それゆえ、圧縮効率をさらに向上すること
ができる。
【0486】さらにまた、本発明の画像処理装置は、以
上のように、上記量子化のレベルを、上記色補正テーブ
ル値の濃度範囲に応じて切換える。
【0487】それゆえ、中間調濃度領域においてトーン
ギャップ等が発生するのを防止して、効果的な色補正処
理を行うことができる。
【0488】また、本発明の画像処理装置は、以上のよ
うに、上記色補正テーブルを複数の濃度範囲に分割し、
上記出力画像データを各濃度範囲に応じて予め定められ
る量子化レベルで量子化した後、上記圧縮を行う。
【0489】それゆえ、中間調濃度領域においてトーン
ギャップ等が発生するのを防止して、効果的な色補正処
理を行うことができるとともに、圧縮効果を向上し、記
憶手段のデータサイズを縮小することができる。
【0490】さらにまた、本発明の画像処理装置は、以
上のように、上記圧縮の手法を、上記各濃度範囲毎に選
択する。
【0491】それゆえ、記憶手段のデータサイズおよび
転送するデータ量を縮小することができる。
【0492】また、本発明の画像処理装置は、以上のよ
うに、上記第2の表色系より成る出力画像データは黒色
成分を含んでおり、その黒色成分と残余の色成分とで上
記色補正圧縮テーブルの圧縮手法を切換える。
【0493】それゆえ、特に低濃度領域や高濃度領域に
おいて同じ値が連続する黒色成分は高圧縮にでき、記憶
手段のデータサイズおよび転送するデータ量を縮小する
ことができる。
【0494】さらにまた、本発明の画像形成装置は、以
上のように、上記構成の何れかの画像処理装置を備えて
いるものである。
【0495】それゆえ、色補正処理に用いる色補正圧縮
テーブルを固定的に格納する記憶手段のデータサイズを
小さくすることができる画像形成装置を提供することが
できる。また、処理速度が従来よりも向上した画像処理
装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【0496】また、本発明の画像処理方法は、以上のよ
うに、色補正テーブルが圧縮された色補正圧縮テーブル
を固定的に格納する第1の記憶手段から上記色補正圧縮
テーブルを読出して上記色補正テーブルとして展開し、
展開された色補正テーブルをRAMから成る第2の記憶
手段に格納する。
【0497】それゆえ、非圧縮の色補正テーブルに対し
て色補正圧縮テーブルのデータサイズは小さく、色補正
処理に用いるテーブルを固定的に格納する第1の記憶手
段のデータサイズを従来の限界を超えて小さくすること
ができ、色補正処理に必要な固定的なメモリ領域のデー
タサイズを増加させることなく、画像処理を行うことが
できる。また、上記第2の記憶手段はRAMから成るの
で、色補正テーブルを読出す速度が、ROMやハードデ
ィスクなど、該色補正テーブルを固定的に格納するメモ
リ領域から直接読出していた従来の速度よりも向上し、
処理速度を高速化させて画像処理を行うことができる。
【0498】さらにまた、本発明の画像処理方法は、以
上のように、入力原稿の原稿種別毎に用意された複数の
上記色補正テーブルを圧縮することにより得られる複数
の色補正圧縮テーブルを固定的に格納する第1の記憶手
段から、入力原稿の原稿種別に対応する色補正圧縮テー
ブルを選択し、選択された色補正圧縮テーブルを上記色
補正テーブルとして展開し、展開された色補正テーブル
をRAMから成る第2の記憶手段に格納する。
【0499】それゆえ、入力原稿の原稿種別に対応する
色補正処理を行う必要がある場合においても、色補正処
理に用いるテーブルを固定的に格納するデータサイズを
従来の限界を越えて小さくすることができ、色補正処理
に必要な固定的なメモリ領域のデータサイズを増加させ
ることなく、画像処理を行うことができる。また、上記
第2の記憶手段はRAMから成るので、色補正テーブル
を読出す速度が、該色補正テーブルを固定的に格納する
メモリ領域から直接を読出していた従来の速度よりも向
上し、処理速度を高速化させて画像処理を行うことがで
きる。
【0500】また、本発明の画像処理方法は、以上のよ
うに、色補正テーブルが圧縮された色補正圧縮テーブル
を固定的に格納する第1の記憶手段から上記色補正圧縮
テーブルを読出して第2の記憶手段に格納し、上記入力
画像データに対応した色補正圧縮テーブルを上記第2の
記憶手段から読出して上記色補正テーブルとして展開す
る。
【0501】それゆえ、色補正処理に用いるテーブルを
固定的に格納する第1の記憶手段のデータサイズを従来
の限界を超えて小さくすることができ、また第2の記憶
手段のデータサイズも第1の記憶手段のデータサイズま
で小さくすることができ、色補正処理に必要なメモリ領
域のデータサイズを増加させることなく、画像処理を行
うことができる。また、色補正テーブルの読出し速度を
向上し、処理速度を高速化させて画像処理を行うことが
できる。
【0502】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、入力画像データ値を出力画像データ値に対応づける
色補正テーブルを用いて色補正処理を行う色補正手段を
備えた画像処理装置において、上記色補正テーブルの上
記出力画像データ値が圧縮されている色補正圧縮テーブ
ルを格納する記憶手段と、上記の圧縮されている出力画
像データ値を復号する展開手段とを含んでいる構成であ
る。
【0503】本発明に係る画像処理装置は、上記構成に
おいて、上記記憶手段に格納された色補正圧縮テーブル
にアクセスして圧縮されている出力画像データ値を得
て、その圧縮されている出力画像データ値を展開手段が
復号するようになっている。すなわち、上記構成におい
て、本発明に係る画像処理装置は、色補正圧縮テーブル
全体を展開することなく、出力画像データ値を得て色補
正処理を行う。
【0504】上記の構成によれば、色補正テーブルは圧
縮されて記憶手段に格納されるので、記憶手段の格納領
域を削減できる。また、色補正圧縮テーブル全体を展開
するための記憶容量を不要にできる。
【0505】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、上記色補正手段は、上記入力画
像データの濃度領域を判別する領域判別部を備えてお
り、上記色補正テーブルは、複数に分割された上記出力
画像データ値の濃度領域ごとに、それぞれ別個に圧縮さ
れた後にまとめて色補正圧縮テーブルとされ、上記展開
手段は、上記領域判別部が判別した結果を用いて複数の
領域より一つの領域を選択し、該一つの領域における圧
縮に対応した復号を行う構成である。
【0506】上記構成によれば、出力画像データの濃度
領域を複数に分割し、各領域ごとに別個に圧縮された後
まとめて色補正圧縮テーブルとされたものが、記憶手段
に格納される。したがって、分割前の色補正圧縮テーブ
ルのデータ容量よりも、分割後の色補正圧縮テーブルの
データ容量の方が小さくなる。よって、圧縮効率を高め
て、格納に必要な記憶容量を削減できる。
【0507】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、上記圧縮符号化に用いられる符
号法は、画像データの出現頻度に応じて、出現頻度の大
きいデータ値に短いコード長を割り当てる符号法であっ
て、上記の複数に分割された上記出力画像データの濃度
領域は、濃度分布の出現頻度がほぼ一様な領域と、濃度
分布の出現頻度が異なっている領域とからなるものであ
る構成である。
【0508】上記構成においては、データの出現頻度を
用いて符号化するため、各データの出現頻度がほぼ等し
い領域についてはあまり圧縮効率が高くない。一方、各
データの出現頻度が異なっている場合には、非常に高い
圧縮率を得ることができる。したがって、上記構成によ
れば、単に分割した場合と比べて圧縮効率を向上でき
る。
【0509】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、前記展開手段は格納している復
号表を用いて復号を行うものであり、異なる濃度領域で
画像データが同様の出現頻度分布を示す場合には、前記
展開手段は、同様の出現頻度分布を持つ濃度領域につい
ては、1つの復号表を格納しておき共用する構成であ
る。
【0510】上記構成によれば、異なる濃度領域で画像
データが同様の出現頻度分布を示す場合には、共用する
1つの復号表を格納しておくので、展開手段に格納して
おく復号表の格納領域を削減できる。
【0511】本発明に係る画像形成装置は、以上のよう
に、上記構成の画像処理装置を備えている構成である。
【0512】上記構成によれば、本発明に係る画像形成
装置は、上記の画像処理装置を備えているので、テーブ
ル参照法に必要な記憶手段の格納領域を削減できる。
【0513】また、上記構成によれば、上記の画像処理
装置を備えているので、テーブル参照法に必要な記録領
域の格納領域を削減でき、直接変換法を用いることが現
実的に可能となる。
【0514】本発明に係る画像処理方法は、以上のよう
に、色補正テーブルを用いて入力画像データを出力画像
データに変換する色補正処理を行う画像処理方法であっ
て、上記色補正テーブルの出力画像データの濃度領域を
複数の領域に分割するステップと、上記出力画像データ
の分割された複数の領域ごとに、それぞれ別個に色補正
テーブルを圧縮して色補正圧縮テーブルとし、前記色補
正圧縮テーブルを格納するステップとを含んでいる構成
である。
【0515】本発明に係る画像処理方法は、以上のよう
に、色補正テーブルを用いて入力画像データを出力画像
データに変換する色補正処理を行う画像処理方法であっ
て、上記色補正テーブルの出力画像データの濃度領域を
複数の領域に分割し、上記複数の領域ごとに、それぞれ
別個に色補正テーブルを圧縮して格納した色補正圧縮テ
ーブルを参照して、圧縮された出力画像データ値を得る
とともに、前記入力画像データの属する濃度領域を判別
するステップと、上記判別した入力画像データの属する
濃度領域における圧縮に対応する復号によって、上記圧
縮された出力画像データ値を復号するステップとを含ん
でいる構成である。
【0516】本発明に係る画像処理方法は、以上のよう
に、上記構成において、上記圧縮に用いられる符号法
は、画像データの出現頻度に応じて、出現頻度の大きい
データ値に短いコード長を割り当てる符号法であって、
上記の複数に分割された上記出力画像データの濃度領域
は、濃度分布の出現頻度がほぼ一様な領域と、濃度分布
の出現頻度が異なっている領域とからなるものである構
成である。
【0517】本発明に係る画像処理方法は、以上のよう
に、上記構成において、上記復号するステップは、格納
された復号表を用いて行うものであり、異なる濃度領域
で画像データが同様の出現頻度分布を示す場合には、同
様の出現頻度分布を持つ濃度領域については格納された
1つの復号表を共用して復号する構成である。
【0518】上記構成の画像処理方法を、画像処理装置
が実行すれば、上記した本発明に係る画像処理装置を実
現できる。
【0519】さらにまた、本発明のプログラムは、以上
のように、上記構成の画像処理方法における各ステップ
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0520】それゆえ、小さなデータサイズの固定的な
メモリ領域を用いた高速度の色補正処理が実行可能であ
る画像処理方法を汎用的なものとすることができる。
【0521】また、本発明の記録媒体は、以上のよう
に、上記構成のプログラムを記録したコンピュータ読取
り可能な記録媒体である。
【0522】それゆえ、小さなデータサイズの固定的な
メモリ領域を用いた高速度の色補正処理が実行可能であ
る画像処理方法のプログラムをコンピュータに供給する
ことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における画像処理装置の実施の一形態を
示すものであり、色補正部の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明における画像処理装置の実施の一形態を
示すものであり、色補正部の他の構成を示すブロック図
である。
【図3】図2の構成の色補正部が行う色補正処理を示す
フローチャートである。
【図4】図1に示す構成の色補正処理部を直接変換法に
適用する場合の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す構成の色補正処理部をビット切り捨
て直接変換法に適用する場合の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】図1に示す構成の色補正処理部を3次元補間法
に適用する場合の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の色補正処理部が行う3次元補間演算方法
を説明する説明図である。
【図8】図1に示す構成の色補正処理部を2次元補間法
に適用する場合の構成を示すブロック図である。
【図9】図8の色補正処理部が行う2次元補間演算方法
を説明する説明図である。
【図10】図1に示す構成の色補正処理部を別の3次元
補間法に適用する場合の構成を示す図である。
【図11】図1に示す構成の色補正処理部をさらに別の
3次元補間法に適用する場合の構成を示す図である。
【図12】本発明における画像処理装置の実施の一形態
が適用されるデジタルカラー複写機の構成を示すブロッ
ク図である。
【図13】図12のデジタルカラー複写機の原稿種別自
動判別部の構成を示すブロック図である。
【図14】図13の原稿種別自動判別部による原稿種別
自動判別処理を示すフローチャートである。
【図15】図13の原稿種別自動判別部による原稿種別
の判別処理における文字原稿の濃度ヒストグラムの一例
を示す説明図である。
【図16】図13の原稿種別自動判別部による原稿種別
の判別処理における写真原稿の濃度ヒストグラムの一例
を示す説明図である。
【図17】図13の原稿種別自動判別部による原稿種別
の判別処理における文字/写真原稿の濃度ヒストグラム
の一例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の他の形態のデジタルカラー複
写機の電気的構成を示すブロック図である。
【図19】図18で示すデジタルカラー複写機における
色補正部の一例を示すブロック図である。
【図20】図18で示すデジタルカラー複写機における
色補正部の他の例を示すブロック図である。
【図21】図12で示すデジタルカラー複写機における
色補正部の他の例を示すブロック図である。
【図22】図12で示すデジタルカラー複写機における
色補正部のさらに他の例を示すブロック図である。
【図23】色補正処理を説明するためのフローチャート
である。
【図24】色補正データをハフマン符号化する方法を示
す図である。
【図25】圧縮データを色補正テーブルに格納するデー
タフォーマットの一例を示す図である。
【図26】圧縮データを色補正テーブルに格納するデー
タフォーマットの他の例を示す図である。
【図27】色補正データをアクセスする方法および色補
正テーブルに格納されている圧縮された色補正データを
読出して展開する方法を説明する図である。
【図28】色補正部におけるCMYの各色成分のデータ
と黒(K)データとの入出力特性を示す図である。
【図29】本発明の実施のさらに他の形態のデジタルカ
ラー複写機における色補正部の一例を示すブロック図で
ある。
【図30】本発明の実施のさらに他の形態のデジタルカ
ラー複写機における色補正部の他の例を示すブロック図
である。
【図31】本発明の実施のさらに他の形態のデジタルカ
ラー複写機の電気的構成を示すブロック図である。
【図32】差分データを圧縮に用いる色補正処理を説明
するためのフローチャートである。
【図33】入力画像データから、基準値となる色補正デ
ータ平均値と色補正差分データとを求める方法を説明す
る図である。
【図34】入力画像データから、基準値となる色補正平
均値と色補正差分データとを求めた一例を示す図であ
る。
【図35】色補正差分データの例をいくつか示す図であ
る。
【図36】表4に示した色補正データをハフマン符号化
する方法を示す図である。
【図37】色補正差分データを量子化した後、圧縮して
色補正テーブルに格納する際の量子化処理を説明する図
である。
【図38】表5に示した色補正差分データの量子化デー
タをハフマン符号化する方法を示す図である。
【図39】図25に示したフォーマットの圧縮データを
読出して展開する方法を示す図である。
【図40】図26に示したフォーマットの圧縮データを
読出して展開する方法を示す図である。
【図41】本発明の実施の他の形態である入力画像デー
タの濃度領域に応じて量子化レベルを変える方法を説明
する図である。
【図42】図41で示す本発明の実施の他の形態を実現
する色補正方法を説明するためのフローチャートであ
る。
【図43】色補正データを量子化した後、圧縮して色補
正テーブルに格納する際の量子化処理を説明する図であ
る。
【図44】表8に示す色補正データを量子化処理した量
子化値をハフマン符号化する方法を示す図である。
【図45】図25に示すフォーマットの圧縮データを読
出して展開する方法を示す図である。
【図46】図26に示すフォーマットの圧縮データを読
出して展開する方法を示す図である。
【図47】入力画像データの濃度領域に応じてデータの
転送方法まで変更する場合の色補正部の一例を示すブロ
ック図である。
【図48】入力画像データの濃度領域に応じてデータの
転送方法まで変更する場合の色補正部の他の例を示すブ
ロック図である。
【図49】入力画像データの濃度領域に応じてデータの
転送方法まで変更する場合の圧縮データを読出して展開
する方法を示す図である。
【図50】上記転送方法まで変更する場合のデータの読
出し処理の一例を示すフローチャートである。
【図51】上記転送方法まで変更する場合のデータの読
出し処理の他の例を示すフローチャートである。
【図52】従来の画像処理装置の色補正部の構成を示す
ブロック図である。
【図53】本発明のさらに他の実施形態のデジタルカラ
ー複写機の電気的構成を示すブロック図である。
【図54】図53で示すデジタルカラー複写機における
色変換関数を示すグラフである。
【図55】図53で示すデジタルカラー複写機における
色変換関数の領域分割を示すグラフである。
【図56】図53で示すデジタルカラー複写機における
色補正部の例を示すブロック図である。
【図57】色補正データをハフマン符号化する方法を示
す図である。
【図58】色補正データをハフマン符号化する方法を示
す図である。
【図59】色補正データをアクセスする方法および色補
正テーブルに格納されている圧縮された色補正データを
読出して展開する方法を説明する図である。
【図60】図53で示すデジタルカラー複写機における
色補正処理を説明するフローチャートである。
【図61】本発明のさらに他の実施形態のデジタルカラ
ー複写機の電気的構成を示すブロック図である。
【図62】図61で示すデジタルカラー複写機における
色変換関数の領域分割を示すグラフである。
【図63】図61で示すデジタルカラー複写機における
色補正部の例を示すブロック図である。
【図64】色補正データをハフマン符号化する方法を示
す図である。
【図65】色補正データをハフマン符号化する方法を示
す図である。
【図66】色補正データをハフマン符号化する方法を示
す図である。
【図67】色補正データをアクセスする方法および色補
正テーブルに格納されている圧縮された色補正データを
読出して展開する方法を説明する図である。
【図68】図61で示すデジタルカラー複写機における
色補正処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,81,91,121,131 デジタルカラー複
写機(画像形成装置) 3,83,93,123,133 カラー画像処理装
置(画像処理装置) 10,10A,10B,10C,10D,10E 色
補正部(色補正手段) 10a,10aA,10aB 色補正部(色補正手段) 10b,10bC 色補正部(色補正手段) 10c 色補正部(色補正手段) 41,41B 圧縮テーブル格納部(第1の記憶手
段、記憶手段) 42,42B,42C,52B,42D,42E圧縮テ
ーブル展開部(展開手段) 43,43A,43B 展開テーブル格納部(第2の
記憶手段) 44,44a 色補正処理部 45,45A 領域判別部 51,51B 圧縮テーブル格納部(第1の記憶手
段) 52 圧縮テーブル選択展開部(選択手段・展開手
段) 52A 圧縮テーブル選択部(選択手段) 53,53A,53B 展開テーブル格納部(第2の
記憶手段) 55 原稿種別判別信号記憶部(第3の記憶手段) 84 拡大・縮小処理部 85,95 圧縮テーブル展開部(展開手段) 90 基準値格納部 101 アドレス生成部 102 平均値計算部 111 転送部 112 判定部 113 カウント部 114 データ保持部 115 ランレングス符号化部 EC,EM,EY,EK 加算器 DC1,DM1,DY1,DK1;DC2,DM2,D
Y2,DK2;DC3,DM3,DY3,DK3;DC
4,DM4,DY4,DK4デコード部 PC1,PM1,PY1,PK1;PC2,PM2,P
Y2,PK2;PC3,PM3,PY3,PK3;PC
4,PM4,PY4,PK4ハフマンコード表
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 陽介 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C262 AB20 BA01 BA09 BA12 BC01 BC11 BC17 GA12 GA13 GA14 GA15 5B057 AA11 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CE17 CE18 CH07 CH08 5C077 LL17 LL18 MP08 PP32 PP33 PP36 PP37 PQ12 PQ23 RR19 TT02 TT06 5C079 HB01 HB03 HB08 HB11 HB12 LA26 LA28 LB02 MA04 MA11 NA10 NA11 PA02 PA03

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の表色系より成る入力画像データを、
    色補正テーブルを用いて、第2の表色系より成る出力画
    像データに変換することで色補正を行うようにした画像
    処理装置において、 上記出力画像データが圧縮された色補正圧縮テーブルを
    固定的に格納する第1の記憶手段と、 上記色補正圧縮テーブルを上記色補正テーブルとして展
    開する展開手段と、 上記展開手段によって展開された色補正テーブルを格納
    するRAMから成る第2の記憶手段とを含むことを特徴
    とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】上記第1の記憶手段が、入力原稿の原稿種
    別毎に用意された複数の色補正圧縮テーブルを固定的に
    格納し、 上記入力原稿の原稿種別に対応する色補正圧縮テーブル
    を上記複数の色補正圧縮テーブルから選択し、上記展開
    手段に上記色補正テーブルとして展開させる選択手段を
    さらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理
    装置。
  3. 【請求項3】上記入力原稿の原稿種別に対応して生成さ
    れる原稿種別判別信号を記憶する第3の記憶手段をさら
    に備え、 上記第2および第3の記憶手段が不揮発性メモリから成
    り、 上記選択手段は、上記第3の記憶手段に記憶されている
    現在の入力原稿の原稿種別に対応した原稿種別判別信号
    と、新たな入力原稿の原稿種別に対応して生成される原
    稿種別判別信号とを比較し、相互に一致する場合に、上
    記第2の記憶手段に記憶されている現在の色補正テーブ
    ルを、そのまま新たな入力原稿の色補正処理に用いるこ
    とを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】第1の表色系より成る入力画像データを、
    色補正テーブルを用いて、第2の表色系より成る出力画
    像データに変換することで色補正を行うようにした画像
    処理装置において、 上記出力画像データが圧縮された色補正圧縮テーブルを
    固定的に格納する第1の記憶手段と、 RAMから成り、上記第1の記憶手段から上記色補正圧
    縮テーブルを読出して格納しておく第2の記憶手段と、 上記入力画像データに対応した色補正圧縮テーブルを上
    記第2の記憶手段から読出して色補正テーブルとして展
    開する展開手段とを含むことを特徴とする画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】上記圧縮は、上記出力画像データと予め定
    める基準値との差分を求めることで行われることを特徴
    とする請求項1〜4の何れかに記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】上記圧縮は、上記差分をさらに量子化する
    ことで行われることを特徴とする請求項5記載の画像処
    理装置。
  7. 【請求項7】上記量子化レベルが、上記色補正テーブル
    値の濃度範囲に応じて決定されることを特徴とする請求
    項6記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】上記色補正テーブルは複数の濃度範囲に分
    割され、上記出力画像データは各濃度範囲に応じて予め
    定められる量子化レベルで量子化された後、上記圧縮が
    行われることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載
    の画像処理装置。
  9. 【請求項9】上記圧縮の手法は、上記各濃度範囲毎に選
    択されることを特徴とする請求項8記載の画像処理装
    置。
  10. 【請求項10】上記第2の表色系より成る出力画像デー
    タは黒色成分を含んでおり、上記色補正圧縮テーブル
    は、上記黒色成分が残余の色成分よりも高圧縮であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像処理
    装置。
  11. 【請求項11】上記請求項1〜10の何れかに記載の画
    像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】第1の表色系より成る入力画像データ
    を、色補正テーブルを用いて、第2の表色系より成る出
    力画像データに変換することで色補正を行う画像処理方
    法において、 上記色補正テーブルが圧縮された色補正圧縮テーブルを
    固定的に格納する第1の記憶手段から上記色補正圧縮テ
    ーブルを読出して上記色補正テーブルとして展開するス
    テップと、 展開された色補正テーブルをRAMから成る第2の記憶
    手段に格納するステップとを備えていることを特徴とす
    る画像処理方法。
  13. 【請求項13】第1の表色系より成る入力画像データ
    を、色補正テーブルを用いて、第2の表色系より成る出
    力画像データに変換することで色補正を行う画像処理方
    法において、 入力原稿の原稿種別毎に用意された複数の上記色補正テ
    ーブルを圧縮することにより得られる複数の色補正圧縮
    テーブルを固定的に格納する第1の記憶手段から、入力
    原稿の原稿種別に対応する色補正圧縮テーブルを選択す
    るステップと、 選択された色補正圧縮テーブルを上記色補正テーブルと
    して展開するステップと、 展開された色補正テーブルをRAMから成る第2の記憶
    手段に格納するステップとを備えていることを特徴とす
    る画像処理方法。
  14. 【請求項14】第1の表色系より成る入力画像データ
    を、色補正テーブルを用いて、第2の表色系より成る出
    力画像データに変換することで色補正を行う画像処理方
    法において、 上記色補正テーブルが圧縮された色補正圧縮テーブルを
    固定的に格納する第1の記憶手段から上記色補正圧縮テ
    ーブルを読出して第2の記憶手段に格納するステップ
    と、 上記入力画像データに対応した色補正圧縮テーブルを上
    記第2の記憶手段から読出して上記色補正テーブルとし
    て展開するステップとを備えていることを特徴とする画
    像処理方法。
  15. 【請求項15】入力画像データ値を出力画像データ値に
    対応づける色補正テーブルを用いて色補正処理を行う色
    補正手段を備えた画像処理装置において、 上記色補正テーブルの上記出力画像データ値が圧縮され
    ている色補正圧縮テーブルを格納する記憶手段と、 上記の圧縮されている出力画像データ値を復号する展開
    手段とを含んでいることを特徴とする画像処理装置。
  16. 【請求項16】上記色補正手段は、上記入力画像データ
    の濃度領域を判別する領域判別部を備えており、 上記色補正テーブルは、複数に分割された上記出力画像
    データ値の濃度領域ごとに、それぞれ別個に圧縮された
    後にまとめて色補正圧縮テーブルとされ、 上記展開手段は、上記領域判別部が判別した結果を用い
    て複数の領域より一つの領域を選択し、該一つの領域に
    おける圧縮に対応した復号を行うことを特徴とする請求
    項15記載の画像処理装置。
  17. 【請求項17】上記圧縮符号化に用いられる符号法は、
    画像データの出現頻度に応じて、出現頻度の大きいデー
    タ値に短いコード長を割り当てる符号法であって、 上記の複数に分割された上記出力画像データの濃度領域
    は、濃度分布の出現頻度がほぼ一様な領域と、濃度分布
    の出現頻度が異なっている領域とからなるものであるこ
    とを特徴とする請求項16記載の画像処理装置。
  18. 【請求項18】前記展開手段は格納している復号表を用
    いて復号を行うものであり、 異なる濃度領域で画像データが同様の出現頻度分布を示
    す場合には、 前記展開手段は、同様の出現頻度分布を持つ濃度領域に
    ついては、1つの復号表を格納しておき共用することを
    特徴とする請求項16または17に記載の画像処理装
    置。
  19. 【請求項19】請求項15ないし請求項18のいずれか
    1項に記載の画像処理装置を備えていることを特徴とす
    る画像形成装置。
  20. 【請求項20】色補正テーブルを用いて入力画像データ
    を出力画像データに変換する色補正処理を行う画像処理
    方法であって、 上記色補正テーブルの出力画像データの濃度領域を複数
    の領域に分割するステップと、 上記出力画像データの分割された複数の領域ごとに、そ
    れぞれ別個に色補正テーブルを圧縮して色補正圧縮テー
    ブルとし、前記色補正圧縮テーブルを格納するステップ
    とを含んでいることを特徴とする画像処理方法。
  21. 【請求項21】色補正テーブルを用いて入力画像データ
    を出力画像データに変換する色補正処理を行う画像処理
    方法であって、 上記色補正テーブルの出力画像データの濃度領域を複数
    の領域に分割し、上記複数の領域ごとに、それぞれ別個
    に色補正テーブルを圧縮して格納した色補正圧縮テーブ
    ルを参照して、圧縮された出力画像データ値を得るとと
    もに、前記入力画像データの属する濃度領域を判別する
    ステップと、 上記判別した入力画像データの属する濃度領域における
    圧縮に対応する復号によって、上記圧縮された出力画像
    データ値を復号するステップとを含んでいることを特徴
    とする画像処理方法。
  22. 【請求項22】上記圧縮に用いられる符号法は、画像デ
    ータの出現頻度に応じて、出現頻度の大きいデータ値に
    短いコード長を割り当てる符号法であって、 上記の複数に分割された上記出力画像データの濃度領域
    は、濃度分布の出現頻度がほぼ一様な領域と、濃度分布
    の出現頻度が異なっている領域とからなるものであるこ
    とを特徴とする請求項21記載の画像処理方法。
  23. 【請求項23】上記復号するステップは、格納された復
    号表を用いて行うものであり、 異なる濃度領域で画像データが同様の出現頻度分布を示
    す場合には、 同様の出現頻度分布を持つ濃度領域については格納され
    た1つの復号表を共用して復号することを特徴とする請
    求項21または22に記載の画像処理方法。
  24. 【請求項24】上記請求項12〜14または請求項20
    〜23の何れか1項に記載の画像処理方法における各ス
    テップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  25. 【請求項25】上記請求項24に記載のプログラムを記
    録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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