JP2003110265A - 電子ユニットの格納箱 - Google Patents

電子ユニットの格納箱

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JP2003110265A
JP2003110265A JP2001306382A JP2001306382A JP2003110265A JP 2003110265 A JP2003110265 A JP 2003110265A JP 2001306382 A JP2001306382 A JP 2001306382A JP 2001306382 A JP2001306382 A JP 2001306382A JP 2003110265 A JP2003110265 A JP 2003110265A
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upper lid
electronic unit
storage box
cooling
box
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JP2001306382A
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Isamu Yatougo
勇 八藤後
Mutsumi Suwada
睦 諏訪田
Takaaki Katsumata
孝明 勝亦
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却能力を十分に確保しながら、コンパクト
で部品点数が削減できる電子ユニットの格納箱を提供す
る。 【解決手段】 上側に開口を有した箱本体6と箱本体6
の上側開口を閉止する上蓋体7とを備え、電子ユニット
3を少なくとも1つ以上収容し、外部から供給され外部
に排出される冷却空気により電子ユニット3を冷却する
電子ユニット3の格納箱1において、上蓋体7または箱
本体6に電子ユニット3の少なくとも一面に対面された
中空状の冷却体が一体に形成され、冷却体が形成された
上蓋体7または箱本体6に、冷却空気を導入する流入口
11および排出する流出口12とが設けられ、流入口1
1および流出口12を上蓋体7の任意の箇所に配置して
流入口11から流出口12に至る流路を上蓋体内に区画
して形成したり、流入口11または流出口12を上蓋体
7に形成した開口または開口を備えた突出部とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子素子などの
電気部品を用いて構成された電子ユニットを格納する格
納箱に関し、特に、電子ユニットを間接空冷する冷却体
を上蓋または箱本体に一体に形成した格納箱に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に車両には、エンジンなどを制御す
る電子制御装置(以降、電子ユニットと称する)が搭載
されている。この電子ユニットは、その作動により発熱
するので、発熱した電子ユニットを自然冷却したり、空
冷装置などを設けて強制冷却するようにしている。
【0003】ところで、従来、電子ユニットは車両の室
内側に配置されていたが、近年、電子ユニットをエンジ
ン室内に配置する構成が採用されている。
【0004】すなわち、例えば、エンジン制御用の電子
ユニットを室内側に配置すると、エンジンと電子ユニッ
トとを接続する電線(ワイヤーハーネス)をエンジン室
内を引き回す必要があり、電線が長くなるとともに、車
室とエンジン室を仕切る車体パネルに貫通孔を設けて電
線を挿通させる必要があるので、作業も煩わしくコスト
高を招く要因となっていた。
【0005】これに対して、電子ユニットをエンジン室
内に配置すると、上記電線の本数の削減および電線の長
さの短縮を図ることができ、関連する部品の軽量化およ
び低コスト化を図ることができる。また、エンジンを車
両に搭載する工程において、電線を取り回す作業が簡略
化され、かつ、電線の傷付きや破損を防止でき、さら
に、取り回し作業の容易化から保守サービス性が向上す
る利点がある。
【0006】しかしながら、エンジン室は、エンジンの
運転により発生した熱が室内の空気中に放散されて、高
温雰囲気にある。このため、エンジン室内の熱が、電子
ユニットに伝達されることを抑制するため、電子ユニッ
トを格納箱に収容した状態で、エンジン室に配置するこ
とが必須となっている。すなわち、この電子ユニットを
収容する格納箱には、断熱性や冷却性のほかに、防塵
性、防水性を十分に備えていることが要求されている。
【0007】特に、電子ユニットは、本来は室温での使
用を前提にした電子部品で構成されているので、電子ユ
ニット周囲の雰囲気温度が80℃以下で、かつ、電子ユ
ニット内の電子素子の動作保証温度が105℃以下とな
っており、格納箱の断熱機能に加えて、電子ユニットの
温度上昇を防止する冷却機能を十分に備える必要があ
る。
【0008】このような電子ユニットを格納し空冷する
装置が、特開平9−207691号公報に記載されてい
る。この公報に記載された冷却装置は、電子部品からな
る電子ユニットを、冷却用空気の通路が区画形成された
冷却ボックス内に、その通路に隣接させて格納した構成
とされ、この通路に外部からの冷却用空気を通流するこ
とにより、電子装置を冷却するようにしている。
【0009】この構成によれば、電子部品もしくは電子
回路などからなる電子ユニットを、冷却用空気に直接接
触させていないので、比較的に劣悪な環境条件の下に電
子部品などの電子ユニットが設置される場合にも、この
冷却装置を好適に使用することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した格
納箱においては、電子ユニットの周囲を覆うように冷却
空気を通流させる空間を配置したので、格納箱自体が大
型化し、エンジン室に対し比較的に大きな容積を占有し
ていた。そのため、エンジン室内の配置スペースに余裕
が少ないときには、格納箱が他の部品の干渉してしまう
ので、部品の組み付け作業が困難になってしまう不都合
が生じた。
【0011】また、この格納箱の配置によっては、ラジ
エータファンの風や走行風の通風性が低下し、エンジン
の冷却効率が低下するので、エンジン性能が制約され、
十分なエンジンの能力が発揮できないおそれがある。
【0012】さらに、冷却用空気を通流して電子ユニッ
トを空冷する冷却部分が、格納箱と独立した別体であ
り、この別体の冷却部分が格納箱内に収納される構成の
場合には、格納箱の構成が複雑化するとともに、格納箱
の部品点数および組立工数が増加するので、製作コスト
がアップする不都合が生じた。
【0013】すなわち、例えば、格納箱と別体の冷却装
置に、外部から冷却用空気を導入および排出する入口出
口を突出して設け、格納箱に貫通孔を設けて冷却装置の
入口出口を通過させ、入口出口の開口を格納箱の外部に
引き出すとともに、入口出口の途中にシール部材を設け
て、冷却装置の入口出口と格納箱の貫通孔との密閉性を
確保した構成(例えば、特願2001―234124
号)においては、別体の冷却装置やシール部材を設けて
いるので、部品点数が増加するとともに、組立工数が増
加することになる。
【0014】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、冷却能力を十分に確保しながら、
コンパクトで部品点数が削減できる電子ユニットの格納
箱を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、上側に開口を
有した箱本体と、前記箱本体の上側開口を閉止する上蓋
体とを備え、電気部品を収めた電子ユニットを少なくと
も1つ以上、収容し、外部から供給され外部に排出され
る冷却空気により、前記電子ユニットを冷却する電子ユ
ニットの格納箱において、前記上蓋体または箱本体に、
前記電子ユニットの少なくとも一面に対面された中空状
の冷却体が一体に形成され、前記冷却体が形成された上
蓋体または箱本体に、冷却空気を導入する流入口および
排出する流出口とが設けられていることを特徴とするも
のである。
【0016】したがって、請求項1の発明では、格納箱
を構成する上蓋体または箱本体に中空状の冷却体を一体
に形成するとともに、冷却体が形成された上蓋体または
箱本体に流入口および流出口を設けたことにより、格納
箱を小型化することができ、格納箱が他の部品の干渉す
ることが減少され、他の部品の組み付け作業性を低下さ
せずに済む。また、格納箱がエンジン室内に設置された
場合には、格納箱が小型化されているので、室内の通風
性を低下させること無く、エンジンの性能を十分に発揮
することができる。
【0017】さらに、格納箱の上蓋体または箱本体に冷
却体を一体に設けた構成としたので、冷却部を別体と
し、この冷却部を格納箱に収納した構成に比べて、格納
箱の軽量化を図ることができるともに、格納箱の部品点
数および組立て工数を大幅に削減することができる。す
なわち、別体の冷却部を無くした構成としたので、別体
の冷却部を構成する部材や、流入口および流出口が格納
箱の外壁を貫通させるときに格納箱の密閉性を維持する
ために必要な流入口および流出口用のシール部材が無く
なるので、これらの部品点数や、別体の冷却部を製作す
る工数、さらには、冷却部を格納箱に組付ける工数が削
減されることになる。
【0018】また、上蓋体または箱本体に一体形成され
た冷却体を電子ユニットの一面に対面させた構成として
いることにより、電子ユニット内の自然対流などによっ
て、その作動熱が集まりやすい上面から、上蓋体内を流
れる冷却空気によって、熱を運び去る構成とすることが
可能となり、高い冷却効率を得ることができる。
【0019】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、請求項1の構成に加え、前記流入口および流出口
が、前記上蓋体または箱本体の外部に露出された任意の
箇所に配置され、前記流入口から流出口に至る流路が、
上蓋体または箱本体内に区画されて形成されていること
を特徴とするものである。
【0020】したがって、請求項2の発明では、請求項
1の発明の作用に加えて、上蓋体内または箱本体内を区
画して、上蓋体内または箱本体内に流路を形成したこと
により、流入口および流出口を設ける箇所が制約されな
いので、これらの流出入口自体や流出入口に接続される
給排気用のダクトの配置を自由に変更でき、格納箱が設
置される周囲の構造物や部品の配置に応じたダクトの引
き回しが可能となる。この結果、ダクトの取り付け性を
向上できるとともに、ダクトが電子ユニットに接続され
る配線や周囲の構造物と干渉することを回避することが
できる。
【0021】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、請求項1または2の構成に加え、前記流入
口または流出口が、前記上蓋体または箱本体に形成され
た開口または、開口を備えた突出部であることを特徴と
するものである。
【0022】したがって、請求項3の発明では、請求項
1または2の発明の作用に加えて、上蓋体または箱本体
に形成した開口を流入口または流出口とした場合には、
流入口および流出口が外部に突出されないので、上蓋体
または箱本体がより簡素な構成となり、さらには、格納
箱として突起物が少ないコンパクトなものとなる。
【0023】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの発明において、請求項1ないし3のいずれかの
構成に加え、前記冷却装置を収納する上方開口された箱
本体と、前記箱本体の上方開口を閉塞する上蓋体とから
なる電子ユニットの格納箱において、前記箱本体の上蓋
体との接合部に、上方に突出された突条を形成するとと
もに、前記突条に対応して、前記上蓋体の箱本体との接
合部に、下方に向けた溝条を形成し、さらに、前記溝条
の底部に、前記突条に押圧されるシール部材を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0024】したがって、請求項4の発明では、請求項
1ないし3のいずれかの作用に加えて、格納箱を構成す
る箱本体と上蓋体の接合部が凹凸嵌合され、かつその凹
部にシール部材を配置したことにより、箱本体と上蓋体
とが組み付けられた後には、箱本体と上蓋体との接合部
分において、その外側から内部に至る経路に複数の段差
が設けられるとともに、溝条のシール部材が弾性変形し
て突条に密着するので、接合部分に隙間が生じることを
防止でき、密閉性を向上することができる。
【0025】また、上蓋体の接合部に溝条を下向きに向
けて設けたことにより、溝条内に微細なゴミなどが詰ま
ることが回避されるとともに、箱本体の接合端部に突条
を上向きに向けて設けたことにより、突条に微細なゴミ
などが付着する機会が減少される。
【0026】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照してこの発明
の具体例を説明する。図1は、この発明の格納箱1の主
要構成を示す各部を展開した斜視図である。また、図2
(a)は、その正面図、図2(b)は、その各部を展開
した正面図である。さらに、図3(a)は、その左側面
図、図3(b)は、その各部を展開した左側面図であ
り、図4(a)は、その平面図、図3(b)は、その各
部を展開した平面図である。ここに示す例では、電子部
品からなる電子装置をケースに格納した電子ユニット3
を、防水・防塵・耐熱・冷却機能を有する格納箱1に収
容するように構成されている。なお、本発明の電子ユニ
ット3の格納箱1は、エンジン室内に配置され、車両に
適用された例を説明していく。また、この例の電子装置
は、エンジン(図示せず)や変速装置(図示せず)など
を電子制御する重要部品であるコントロール・ユニット
とする。
【0027】この電子装置(図示せず)は、基本的に、
回路の配線パターンが印刷された回路基板(図示せず)
上に、各種の電気部品(図示せず)や電子部品(図示せ
ず)を所定に搭載した構成とされ、これらの電気・電子
部品の電磁波などに対する保護や耐衝撃性、放熱性を確
保するようにケースに収納されている。
【0028】これらの電気部品及び電子部品は、その通
電動作時に不可避的に熱を発する部品であり、各部品に
は、その定格の動作を保証する温度範囲が定められてい
る。したがって、電子装置の動作状況によって異なる
が、各部品の動作保証温度の近傍まで、または動作保証
温度を越えて部品を含めたケース内の温度が上昇する
と、電気的な回路動作が不調となったり、機能不全や部
品故障を招く虞がある。
【0029】なお、電子ユニット3の側面の所定箇所に
は、接続コネクタ(図示せず)が設けられ、この接続コ
ネクタに電子ユニット3内の電子装置の入出力線が接続
されており、このコネクタに接続される配線を束ねたワ
イヤーハーネス(図示せず)を介して、外部の各種装置
に電子ユニット3が電気的に接続されている。
【0030】すなわち、このワイヤーハーネスにより、
電子ユニット3が電源であるバッテリ(図示せず)に接
続されて動作電流が供給され、所定箇所に設けた各種の
センサ(図示せず)の出力線に接続されてセンサ信号が
入力され、各種の入力装置(図示せず)に接続されて各
種の指示信号が入力され、各種のアクチュエータ(図示
せず)に接続されて指令信号が出力され、表示装置(図
示せず)や報知装置(図示せず)に接続されて表示や報
知信号が出力されている。
【0031】そして、これらのセンサ信号や指示信号に
基づき、電子装置が所定の判断処理を行い、各種のアク
チュエータを用いて、判断に応じた制御を実現する動作
を行なうようにしている。また、各種センサなどから得
られた情報や各機器の動作状況を、電子装置が適宜、表
示装置や報知装置を用いて、情報表示して報知したり、
異常を警告したりしている。
【0032】電子ユニット3は、平箱形状に形成され、
その表面積が最も大きい面を上下方向に向けて、格納箱
1に収容されている。
【0033】格納箱1は、電子ユニット3を収容する箱
本体6と、この箱本体6の上側開口を閉止するととも
に、冷却用の空気通路が一体に形成され電子ユニット3
を冷却する冷却体とされた上蓋体7とから構成されてい
る。
【0034】すなわち、この箱本体6は、上方が開口さ
れ、その内形状が、電子ユニット3の外形状と相似で所
定に大きな箱形状に形成されている。
【0035】また、この箱本体6は、熱伝導性の良好な
ポリプロピレンやポリアミドなどの合成樹脂が素材とし
て用いられ、軽量化や低コスト化を図るとともに、エン
ジン室などの高熱源体が設置された場所によって必要と
される耐熱性を十分に確保できるようにしている。
【0036】さらに、電子ユニット3の接続コネクタ
(図示せず)に対向した箱本体6の側面の箇所には、円
形の開口形状に開口部6Aが形成され、この接続コネク
タに接続されるワイヤーハーネス(図示せず)用にグロ
メット型のシール部材4を取着できるようにしている。
【0037】すなわち、ワイヤーハーネス用のシール部
材4は、電子ユニット3と外部の機器を電気的に接続す
るワイヤーハーネスを箱本体6に設けた開口部6Aを通
過させて電子ユニット3に接続するときに、箱本体6の
密閉性を確保するとともにワイヤーハーネスを保護する
ため、ワイヤーハーネスと開口部6Aとの間に介装され
た部材とされている。また、このシール部材4は、開口
部6Aに嵌着されるリング状の基部と、円錐状の中間部
を介して、基部に接続されたパイプ状の先端部とから構
成され、これらの各部は絶縁性を備え弾性変形可能な素
材を用いて、一体に形成されている。
【0038】上蓋体7は、その下側が開口された箱形状
に形成された蓋部材8と、蓋部材8の下側開口を閉塞す
る底部材9とから構成され、この蓋部材8に底部材9が
固定された状態のまま、箱本体6の取付けられるように
している。
【0039】すなわち、この蓋部材8は、箱本体6の平
面形状と同一で、箱本体6の高さよりも僅かに低い高さ
を有している。
【0040】この底部材9は、図5(a),(b)に示
すように、熱伝導性の良好な素材を用いて、下側に突出
された浅い凹部を有した平皿形状に形成され、その周縁
が、蓋部材8の内壁に接合されている。なお、底部材9
は、蓋部材8に溶着、接着、ボルトおよびナットのいず
れかの手段で固定されている。
【0041】したがって、底部材9の周縁が蓋部材8の
側壁の内面側と接触されているので、蓋部材8の側壁に
よって、底部材9と蓋部材8との接合箇所が外部から保
護され、底部材9と蓋部材8との接合部の密着性を十分
に維持して確保できるようにしている。
【0042】また、上蓋体7の高さが所定に設定される
とともに、底部材9の底部が蓋部材8の開口端から下側
に突出されているので、これらの底部材9と蓋部材8と
によって形成された密閉体である上蓋体7の内部に十分
な容積が確保され、後述するように、この内部に冷却空
気が十分な流量で通流できるようにしている。
【0043】さらに、上蓋体7が底部材9によって、そ
の下側開口を閉塞された中空状の箱体に形成したことに
より、上蓋体7の構造強度が高まるので、上蓋体7の単
体としての取扱い性を向上できる。
【0044】特に、蓋部材8の下側に設けられた箱本体
6への接合部付近は、その内周側が底部材9の周縁に接
合されているので、外部から外力が加わることにより、
接合部の平面形状が箱本体6の接合部に適合した形状か
ら異なる形状に変形することが底部材9によって阻止さ
れ、上蓋体7の箱本体6への確実な取り付け性と、上蓋
体7と箱本体6との間の良好な密閉性とを確保すること
が可能となる。
【0045】また、上蓋体7と底部材8とからなる中空
状の冷却体に構成したことにより、格納箱1の一部を構
成する上蓋体7の外壁が何らかの理由で損傷して、外壁
から水分や埃が侵入しても、上蓋体7自体が中空状の箱
体なので、水分や埃が上蓋体7内に留まって、電子ユニ
ット3に影響を与えることが回避され、耐障害性を確保
することができる。
【0046】そして、この底部材9の底面は、電子ユニ
ット3の上面に対して、熱伝達可能に所定の間隙を設け
て対向または接触され、この底部材9の底面が受熱面9
Aとなっている。
【0047】したがって、上述したように底部材9の底
面を蓋部材8の開口端から下側に突出したことにより、
電子ユニット3からの熱の受熱面9Aが、上蓋体7と箱
本体6との接合部よりも、上下方向で下方に位置させて
いるので、格納箱1の外部からの影響を減少させて、安
定した熱交換を行なえるようにしている。
【0048】なお、車両の走行やエンジンなどの各種機
器の作動に伴う振動を電子ユニット3に伝達させないた
めに、電子ユニット3と上蓋体7との間に、ウレタンな
どの柔軟で振動を吸収する部材を介在させても良い。
【0049】また、上蓋体7には、冷却空気の流入口1
1と流出口12とが一体に設けられるとともに、その内
部を区画形成することにより、上蓋体7の側面に、流入
口11と流出口12とが互いに近傍に配置されている。
【0050】すなわち、これらの流入口11および流出
口12は、角形状の横断面形状を有したパイプ状に形成
され、蓋部材8の側面の幅方向に間隔を設けた箇所か
ら、側面に直交する方向に、互いに平行に突出されて設
けられている。また、流入口11および流出口12は、
上蓋体7内に連通されるとともに、その先端に、角形状
に開口された開口11aおよび開口11bが設けられて
いる。
【0051】また、上蓋体7の内部は、所定の流路を形
成するように区画されており、流入口11および流出口
12を任意の箇所に配置できるようにしているととも
に、この上蓋体7と電子ユニット3との熱交換効率を向
上できるようにしている。
【0052】すなわち、図6(a)に示すように、上蓋
体7の内部は、蓋部材8の側面に並べられた流入口11
と流出口12との中間で内側の壁面から、対向する壁面
の近傍まで伸ばされた中央隔壁8aによって、連絡箇所
を設けながら流入口11側と流出口12側とに区画さ
れ、一方の流入口11から他方の流出口12に至るま
で、上蓋体7の全域を巡るU状の流路が上蓋体7内に形
成されている。
【0053】したがって、このように上蓋体7内に隔壁
8aを設けて区画して、上蓋体7内に任意に流路を形成
したことにより、流入口11および流出口12を蓋部材
8に設ける箇所が制約されないので、これらの流出入口
11,12自体や流出入口11,12に接続される給排
気用のダクトの配置を自由に変更でき、格納箱1が設置
される周囲の構造物や部品の配置に応じたダクトの引き
回しが可能となる。
【0054】また、上蓋体7内に流入口11から流出口
12に至る単一の流路を区画形成するようにしたが、複
数の流路に一旦分岐し、分岐した流路が流出口12で集
合するように区画形成しても良い。
【0055】したがって、例えば、少なくとも、エンジ
ン室内の高熱源体であるエンジンからの輻射熱を避ける
ような箇所に、流入口11を設けることができ、この場
合には、輻射熱による上蓋体7内に導入する冷却空気の
温度上昇を僅かでも抑制できるので、冷却性能を向上さ
せることができる。
【0056】さらに、流入口11および流出口12の開
口8a,9aが互いに近傍に配置されているので、流入
口11または流出口12に、それぞれ、冷却空気を供給
または排出する専用のダクト(図示せず)を接続すると
きには、各ダクトの取り付け・取り外し作業を容易に行
なうことが可能となる。また、両ダクトの取り付け状態
を確認する場合にも、両流出入口11,12の開口8
a,9aが一箇所にまとめられているので、視認などに
よる確認作業を容易に行なうことができる。
【0057】なお、上記の具体例においては、蓋部材8
に流出入口11,12を同一の側面から同一の方向に突
出させて設けた構成としたが、流出入口11,12の設
置する箇所や個数、その形状は、これに限定されるもの
ではない。
【0058】すなわち、上記の例においては、流入口1
1および流出口12が蓋部材8から突出された構成とし
たが、蓋部材8に直接、流出入口11,12の開口11
a,11bを形成し、流出入口11,12の突出部分を
削減した構成としても良い。
【0059】したがって、この構成によれば、流入口1
1および流出口12が外部に突出されないので、上蓋体
7がより簡素な構成となり、さらには、格納箱1として
突起物が少ないコンパクトで取扱いが容易なものとな
る。
【0060】また、冷却空気を送給する流入口11また
は流出口12を複数設けても良く、それに応じて上蓋体
7内の流路を複数の流路に区画形成しても良い。
【0061】したがって、この場合には、複数のダクト
から冷却空気を従前と同様な送給圧で供給しても、単位
時間当たりの格納箱1内を通過するる冷却空気の総量を
増大できるので、この増量された冷却空気による熱の運
び出し量も増加され、冷却性能を増強することができ
る。
【0062】さらに、流入口8および流出口9の突出部
分の中間を屈曲させたり、湾曲させたりして、その流出
入口11,12の開口8a,9aが向いている向きを、
流入口8および流出口9が突出された向きと異ならせた
り、開口8a,9a同士で互いに異ならせた構成として
も良い。
【0063】したがって、流入口8および流出口9の開
口8a,9aを互いに異なる方向に向けて構成した場合
には、流入口8または流出口9に、それぞれダクトを接
続するときに、それぞれ取り付け方向が異なるので、ダ
クトの取り付け性や取り外し性が十分に確保されるとと
もに、取り付けミスが生じる機会を減少することができ
る。
【0064】また、流入口11および流出口12の開口
11a,11bが有した開口形状を、同一に形成した
が、互いに異なる開口形状に形成しても良い。
【0065】したがって、この場合には、流入口8およ
び流出口9の開口8a,9aを互いに異なる開口形状に
形成したことにより、これに対応した異なる開口形状に
取り付け部を有したダクトを接続するので、ダクトの取
り付けミスを防止することができる。
【0066】さらに、上記流路は、蓋部材8に一体に形
成された隔壁8aではなく、別部材の仕切り板を設ける
ことにより、上蓋体7内を区画して流路を形成しても良
い。さらに、この場合には、上蓋体7内に流路を形成す
る部材が、別部材の仕切り板とされているので、この仕
切り板に、流路を形成する機能に加えて、上蓋体7から
冷却空気への熱伝達を促進させる機能を持たせるように
しても良い。
【0067】すなわち、例えば、仕切り板に冷却空気の
流れ方向に沿った放熱フィンを設けることにより、冷却
風との接触面積を増大させた構成としてもよく、この場
合には、上蓋体7を構成する部材から冷却空気への熱伝
達を促進させ、冷却効率を向上させることができる。
【0068】また、例えば、仕切り板に突起を不規則に
配置することによって、通流される冷却空気に適度の乱
流を形成する構成としてもよく、この場合には、上蓋体
7の構成部材から伝熱されずに温度上昇が少ない冷却空
気の部分を、構成部材の放熱箇所に接触させる機会を増
大できるとともに、通流される冷却空気の全体を攪拌す
ることにより、温度上昇された部分と未上昇の部分とを
混合させて均一化できるので、冷却空気が吸収できる熱
量が増大され、冷却効率を向上させることができる。
【0069】そして、流入口11から導入された冷却空
気は、流路に沿って、上蓋体7内のほぼ全域を通過し
て、他方の流出口12に至り、排出される。
【0070】すなわち、このような流路が上蓋体7内に
形成されていない場合には、図6(b)に示すように、
破線で囲んで示す上蓋体7内の局所的な領域が、冷却空
気が通流されにくいことから電子ユニット3から伝わっ
た作動熱が滞留したホットゾーンとなってしまい、この
領域の熱的な飽和状態が持続してしまうので、電子ユニ
ット3から上蓋体7への熱を伝達する経路が部分的に削
減されてしまうとともに、上蓋体7による冷却能力が最
大限まで発揮されないことになる。
【0071】これに対して、図6(a)に示す本構成に
よれば、流入口11から上蓋体7内の少なくとも受熱す
る箇所を巡って流出口13に至る流路を区画して形成し
たことにより、常に上蓋体7内の電子ユニット3から伝
達された熱を冷却空気によって運び去り続けることがで
きるので、上蓋体7の電子ユニット3に対する冷却効率
を向上することができる。
【0072】また、この流入口11には、上蓋体7に外
気を供給するパイプ状の吸入ダクト(図示せず)が接続
される一方、流出口12には、上蓋体7から供給された
外気を排出するパイプ状の排出ダクト(図示せず)が接
続されるようになっている。
【0073】そして、この流入口11に接続される吸入
ダクトの先端は、車両の前進方向先端の車体下部に設置
され、外気を導入できるようにしている。また、流出口
12に接続される排出ダクトの終端は、エンジン室内の
ラジエータ部(図示せず)に設けられたモータ駆動され
るファン(図示せず)の吸入側付近の箇所に配置されて
いる。したがって、ラジエータ部に設けられたファンの
回転動作に伴い、負圧が発生し、吸入ダクトから外気が
導入され、この導入された外気は格納箱1の上蓋体7を
通過し、排出ダクトの一端部からラジエータ部側に排出
される。
【0074】上記上蓋体7においては、電子ユニット3
における一面として最大の表面積を備えた上面が、上蓋
体7の底面となる受熱面9Aに対向しまたは接触されて
いるので、電子ユニット3の作動により生じた作動熱の
大部分が、効率的に受熱面9Aに伝達される。他方、外
気すなわち冷却空気が、流入口11から上蓋体7に導入
される。この冷却用空気は、その上蓋体7内が区画形成
されていることにより、その下面、少なくとも受熱面9
Aの全域に接触するように導かれ、受熱面9Aから熱を
運び去り、その結果、電子ユニット3が間接的に空冷さ
れる。この場合、電子ユニット3は、自然対流などによ
って、その発生した熱が集まりやすく最大の表面積を備
えた上面から熱が運び去られるので、効率よく冷却され
る。
【0075】そして、電子ユニット3の熱が伝達され温
度が幾分上昇した冷却空気は、流出口12から格納箱1
の外部に排出される。
【0076】なお、電子ユニット3の箱本体6への固定
は、金属製または樹脂製のブラケットを上蓋体7の所定
箇所に設けて、ブラケットにより行なっても良く、これ
に限らず、ロック部材を設け、ロック部材により行なっ
たり、ボルト・ナットの組み合わせで締結したりしても
良く、適宜、適切なものを選択することができる。
【0077】このように、上記の上蓋体7では、冷却空
気が冷却空気の流路の内部のみを通流され、冷却空気を
電子ユニット3に直接接触させていないので、電子ユニ
ット3が冷却空気によって汚染されるなどの影響を受け
ることがなく、電子ユニット3を清潔に保つことができ
る。特に、例えば、外部からの冷却空気とともに上蓋体
7内に運ばれた水分がエンジン室内の高温状態によって
気化した場合にも、この水蒸気が電子ユニット3に触れ
ること無く、そのまま格納箱1から排出されることにな
る。
【0078】また、上記の上蓋体7では、電子ユニット
3の上面から熱を運び去って冷却しているので、効率よ
く冷却することができ、全体として格納箱6の大きさを
コンパクトなものとすることができる。特に、電子ユニ
ット3の最も表面積の大きな面を上方に向け、この上面
から作動熱を運び去るようにしているので、高い熱効率
を得ることができる。
【0079】さらに、箱本体6と上蓋体7との接合部に
は、図7に示すように、互いに噛み合う凹凸部が設けら
れるとともに、その凹部の底部には、シール部材23が
固定されている。
【0080】すなわち、箱本体6の上方への開口端に
は、その壁の厚さ方向の略中央から、壁面に沿った上方
に向けて、所定の長さに突出された突条21が、その開
口周縁に沿って設けられ、その先端側の横断面形状が角
形状に形成されている。また、蓋部材9の下方への開口
端には、その付近の壁の厚みが外側に向けて増加される
とともに、上記突条21に対応して、その壁の厚さ方向
の略中央に、突条21の突出長さよりも僅かに長い深さ
の溝条22が、その開口周縁に沿って設けられ、その底
部側の横断面形状が四角形状の形成されている。
【0081】また、この溝条22の底部には、弾性変形
可能なシール部材23が設置されている。
【0082】すなわち、このシール部材23は、その横
断面形状が角形状に形成され、溝条22の全周に亘っ
て、設置されている。また、このシール部材23には、
例えば、独立発泡させたゴムなどのように、柔軟な弾性
に富み防水性を有した素材が用いられている。
【0083】したがって、箱本体6と上蓋体7との接合
箇所に、突条21と溝条22とをそれぞれ設け、溝条2
2にシール部材23を設置し、箱本体6と上蓋体7とを
凹凸嵌合させた構成としたことにより、格納箱本体6と
上蓋体7とが組み付けられた後には、溝条22のシール
部材23が柔軟に突条21の先端に沿った形に変形し
て、突条21に密着するので、接合箇所に隙間が生じ
ず、また、外部からの水分や埃が侵入する経路に複数の
段差を設けたことになるので、水分や埃の通過が阻止さ
れ、箱本体6と上蓋体7との接合部に、格納箱1として
の密閉性を十分に確保することができる。
【0084】また、上側の上蓋体7における箱本体6と
の接合部に凹部を設けていることにより、つまり溝条2
2が下向きに向けて設けられたことにより、溝条22か
ら微細な塵や埃の脱落が促進され、溝条22のゴミ詰ま
りが回避される。
【0085】これとともに、箱本体6における上蓋体7
との接合部に凸部を設けていることにより、つまり突条
21が上向きに向けて設けられたことにより、突条21
から微細な塵や埃の脱落が促進され、突条21に微細な
ゴミなどが付着することが減少される。
【0086】これらの結果、電子ユニット3の点検整備
などにより、上蓋体7の箱本体6への着脱が繰り返され
ても、上蓋体7と格納箱本体6との接合部における微細
なゴミ詰まりが減少されるので、接合部の密閉性が確保
でき、格納箱1としての密閉性能を維持することが可能
になる。
【0087】上記実施形態の構成と、この発明の構成と
の対応関係を説明する。すなわち、格納箱1がこの発明
の格納箱に相当し、格納箱本体6がこの発明の箱本体に
相当し、上蓋体7がこの発明の上蓋体に相当し、流入口
11がこの発明の流入口に相当し、流出口12がこの発
明の流出口に相当し、突条21がこの発明の突条に相当
し、溝条22がこの発明の溝条に相当し、シール部材2
3がこの発明の溝条に設けられたシール部材に相当す
る。
【0088】なお、上記具体例においては、電子ユニッ
ト3の一面のうち、最も表面積が大きい一面を上方に向
けて上面とし、この上面に冷却体である上蓋体7の底面
を間隔を設けて対向させ、または接触させた構成とした
が、これに限らず、電子ユニット3の内部構成によって
は、電子ユニット3の最も温度が高くなる面を上面とし
ても良く、この場合にも、冷却空気によって、電子ユニ
ット3の温度が高くなる面で、しかも、熱が集まりやす
い上面から作動熱を運び去り続ける構成となるので、電
子ユニット3を効率的に冷却することが可能となり、十
分な冷却性能を確保することができる。
【0089】また、電子ユニット3の上面に冷却体であ
る上蓋体7の底面を間隔を設けて対向させ、または接触
させた構成としたが、これに限らず、上面以外の電子ユ
ニット3の周囲の側面のいずれか、または複数の面に相
対させた冷却空気の通路を、上蓋体7を構成する部材を
延在させることにより確保した構成としても良い。特
に、格納箱1の外部から熱を受けやすい面に、冷却空気
の通路を確保した構成とすれば、この外部から熱による
電子ユニット3への影響を低減できるので、電子ユニッ
ト3への冷却に寄与しなくても十分に効果的である。
【0090】以上説明したように、上記構成の格納箱に
よれば、上蓋体を中空体とし、上蓋体に流入口および流
出口を設けて、上蓋体に冷却体を一体に形成した構成に
より、格納箱を小型化することができ、格納箱が他の部
品の干渉することが減少されるので、他の部品の組み付
け作業性を低下させずに済むとともに、他の部品の保守
サービス性を向上することができる。
【0091】また、格納箱がエンジン室内に設置された
場合には、格納箱が小型化されているので、室内の通風
性を低下させること無く、エンジンの冷却効率を維持で
きるので、エンジンの性能を十分に発揮することがで
き、車両の走行性能を向上することができる。
【0092】さらに、上蓋体に冷却体を一体に設けた構
成により、冷却部を別体とし、この別体の冷却部を格納
箱に収納した構成に比べて、格納箱の軽量化を図ること
ができるとともに、大幅に部品点数および組立て工数を
削減することができ、格納箱の製作コストを低減でき
る。
【0093】すなわち、この構成によれば、別体の冷却
部を無くした構成としたので、冷却部を形成する部材
や、冷却部の流入口および流出口が格納箱の外壁を貫通
させるときの密閉性を確保するために必要なシール部材
なども無くなり、これらの部品点数や、別体の冷却部を
製作する工数、さらには、冷却部を格納箱に組付ける工
数が削減されることになる。
【0094】また、上蓋体7を電子ユニット3の上面に
対面させた構成により、電子ユニット3内の自然対流な
どによって、その作動熱が集まりやすい上面から、上蓋
体7内を流れる冷却空気によって、熱を運び去り続ける
ことができるので、高い冷却効率を得ることができ、十
分な冷却性能を確保することができる。特に、電子ユニ
ット3の一面のうち、最も表面積が大きな面を上面に向
けていることにより、電子ユニット3から発生した作動
熱の大部分を効率良く運び去ることが可能となり、電子
ユニット3の冷却性を向上させることができる。
【0095】さらに、上蓋体内を区画して、上蓋体内に
任意に流路を形成したことにより、流入口および流出口
を上蓋体に設ける箇所が制約されないので、これらの流
出入口自体や流出入口に接続される給排気用のダクトの
配置を周囲の他の部品や構造物に応じて柔軟に変更で
き、ダクトの取り付け性を向上できるとともに、ダクト
が電子ユニットに接続される配線や周囲の他の部品、構
造物と干渉することを回避することができる。
【0096】また、流入口または流出口を上蓋体に設け
た開口によって構成した場合には、流入口および流出口
が外部に突出されないので、上蓋体がより簡素な構成と
なり、さらには、格納箱として突起物が少ないコンパク
トで取扱いが容易なものとなる。
【0097】さらに、格納箱を構成する箱本体と上蓋体
の接合部が凹凸嵌合され、かつその凹部にシール部材を
配置したことにより、箱本体と上蓋体とが組み付けられ
た後には、溝条のシール部材が弾性変形して突条に密着
することになり、接合部分に隙間が生じることが無くな
るとともに、凹凸嵌合により、接合部における外部から
内部への侵入経路に複数の段差が設けられたことになる
ので、水分や埃の侵入が阻止され、格納箱としての密閉
性を十分に確保することができる。
【0098】また、上蓋体の接合端部に溝条を下向きに
向けられて設けられたことにより、溝条内に微細なゴミ
などが詰まることが回避されるとともに、箱本体の接合
端部に突条を上向きに向けられて設けたことにより、突
条に微細なゴミなどが付着する機会が減少される。これ
らの結果、電子ユニットの点検整備などにより、上蓋体
の箱本体への着脱が繰り返されても、上蓋体と箱本体と
の接合部における密閉性が確保でき、収納箱としての密
閉性能を維持することが可能となる。
【0099】なお、上記具体例は、電子部品からなる電
子装置をケースに格納した電子ユニットを格納箱に収納
した例を説明したが、リレー、ヒューズ、コネクタなど
の電気部品を納めたケースを格納箱に収納し、冷却して
もよい。
【0100】また、電子ユニットの一面のうち、最も表
面積が大きい一面を上方に向けた構成としたが、これに
限らず、この一面を側方に向けて、この面に箱本体に一
体に形成した冷却体を間隔を設けて対向させ、または接
触させた構成としても良く、また、複数の電子ユニット
を格納箱に収納する場合に、各電子ユニットごとに、上
蓋体および箱本体に冷却体を一体に形成して両者を併用
した構成としても良く、これらの各構成においては、別
体の冷却体を不要としているので、上記具体例と同様に
格納箱の小型軽量化や低コスト化を図ることができる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、格納箱を構成する上蓋体または箱本体に中空状
の冷却体を一体に形成するとともに、冷却体が形成され
た上蓋体または箱本体に流入口および流出口を設け、別
体の冷却部を無くした構成としたことにより、別体の冷
却部を構成する部材や、流入口および流出口が格納箱の
外壁を貫通させるときに格納箱の密閉性を維持するため
に必要な流入口および流出口用のシール部材が無くなる
ので、これらの部品点数や、別体の冷却部を製作する工
数、さらには、冷却部を格納箱に組付ける工数が削減さ
れることになり、格納箱の部品点数および組立て工数を
大幅に削減することができ、格納箱の低コスト化を図る
ことができるとともに、軽量化を図ることができる。
【0102】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の効果に加えて、上蓋体内または箱本体内を区画して、
上蓋体内または箱本体内に流路を形成したことにより、
流入口および流出口を設ける箇所が制約されずに済み、
これらの流出入口自体や流出入口に接続される給排気用
のダクトの配置を自由に変更できるので、格納箱が設置
される周囲の構造物や部品の配置に応じたダクトの引き
回しが可能となり、ダクトの取り付け性を向上できると
ともに、ダクトを設置する自由度を向上することができ
る。
【0103】さらに、請求項3の発明によれば、請求項
1または2の効果に加えて、上蓋体または箱本体に形成
した開口を流入口または流出口とした場合には、流入口
および流出口が外部に突出されないので、上蓋体または
箱本体がより簡素な構成となり、さらには、格納箱とし
て突起物が少ないコンパクトで取扱いが容易なものとな
る。
【0104】また、請求項4の発明によれば、請求項1
ないし3のいずれかの効果に加えて、上蓋体の接合端部
に溝条を下向きに設けたことにより、溝条内に微細なゴ
ミなどの詰まりが回避されるとともに、箱本体の接合端
部に突条を上向きに設けたことにより、突条に微細なゴ
ミなどが付着する機会が減少されるので、電子ユニット
の点検整備などによって、上蓋体の箱本体への着脱が繰
り返されても、上蓋体と箱本体との接合部における密閉
性が確保でき、収納箱としての密閉性を維持することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一具体例の全体構成を示す主要部を
拡散して分解した斜視図である。
【図2】 本具体例の格納箱を示し、(a)は、その正
面図、(b)はその分解した状態の正面図である。
【図3】 本具体例の格納箱を示し、(a)は、その左
側面図、(b)はその分解した状態の左側面図である。
【図4】 本具体例の格納箱を示し、(a)は、その平
面図、(b)はその分解した状態の平面図である。
【図5】 本具体例の冷却体である上蓋体を示し、
(a)は、その平面図、(b)は、(a)図中のb−b
矢視の拡大断面図である。
【図6】 本具体例の冷却体である上蓋体を示し、
(a)は、隔壁を設けた場合の冷却空気の流れを示す平
断面図、(b)は、隔壁を設けない場合の冷却空気の流
れを示す平断面図である。
【図7】 本具体例の箱本体と上蓋体との接合部の構成
を説明し、(a)は、その接合部分を示す拡大した部分
の横断面図、(b)は、その接合部分の拡大した部分の
一部を破断した斜視図である。
【符号の説明】
1…格納箱、 3…電子ユニット、 6…箱本体、 7
…上蓋体、 8…底部材、 11…流入口、 12…流
出口、 21…突条、 22…溝条、 23…溝条用シ
ール部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝亦 孝明 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 5E322 AB11 BA05 BB07 EA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上側に開口を有した箱本体と、前記箱本
    体の上側開口を閉止する上蓋体とを備え、電気部品を収
    めた電子ユニットを少なくとも1つ以上、収容し、外部
    から供給され外部に排出される冷却空気により、前記電
    子ユニットを冷却する電子ユニットの格納箱において、 前記上蓋体または箱本体に、前記電子ユニットの少なく
    とも一面に対面された中空状の冷却体が一体に形成さ
    れ、 前記冷却体が形成された上蓋体または箱本体に、冷却空
    気を導入する流入口および排出する流出口とが設けられ
    ていることを特徴とする電子ユニットの格納箱。
  2. 【請求項2】 前記流入口および流出口が、前記上蓋体
    または箱本体の外部に露出された任意の箇所に配置さ
    れ、 前記流入口から流出口に至る流路が、上蓋体または箱本
    体内に区画されて形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の電子ユニットの格納箱。
  3. 【請求項3】 前記流入口または流出口が、前記上蓋体
    または箱本体に形成された開口または、開口を備えた突
    出部であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    電子ユニットの格納箱。
  4. 【請求項4】 前記箱本体の上蓋体との接合部に、上方
    に突出された突条を形成するとともに、 前記突条に対応して、前記上蓋体の外箱本体との接合部
    に、下方に向けた溝条を形成し、 さらに、前記溝条の底部に、前記突条に押圧されるシー
    ル部材を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の電子ユニットの格納箱。
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