JP2003109202A - 情報記録媒体の記録方法 - Google Patents

情報記録媒体の記録方法

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JP2003109202A
JP2003109202A JP2001297630A JP2001297630A JP2003109202A JP 2003109202 A JP2003109202 A JP 2003109202A JP 2001297630 A JP2001297630 A JP 2001297630A JP 2001297630 A JP2001297630 A JP 2001297630A JP 2003109202 A JP2003109202 A JP 2003109202A
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JP2001297630A
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Norio Ota
憲雄 太田
Hiroyuki Awano
博之 粟野
Susumu Imai
奨 今井
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Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報記録媒体に1Gbps以上の転送速度で
高速に情報を記録する方法を提供する。 【解決手段】 情報記録媒体に照射する光及び情報記録
媒体に印加する磁界の少なくとも一方を1GHz以上、
より好ましくは10GHz以上の周波数で高速変調す
る。情報記録媒体の磁性層が局所的に瞬時に加熱され、
磁性層を構成する原子同士のスピン−スピン間の相互作
用が低減または消失し、極めて短い期間、磁性層の磁気
モーメントが消失する。その後冷却されると磁性層の磁
気モーメントが出現し、印加した磁界の方向に磁気モー
メントが反転している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体の記録方
法に関し、更に詳細には、情報記録媒体に高速に情報を
記録する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットの普及とコンピュ
ータの高速化に伴って、取り扱う情報は多種多様化し、
情報量も飛躍的に増大している。このため、磁気ディス
クや光磁気ディスクなどの情報記録媒体においては高密
度記録化、大容量化及び高速記録化が要求されている。
【0003】高密度記録化の技術として、例えば、光磁
気ディスクで用いられている光磁気記録の技術と、磁気
ディスクで用いられている磁気記録技術とを融合させ、
高保磁力な記録媒体に微小な磁区を形成する技術(以
下、熱アシスト型磁気記録と称する)が提案されてい
る。かかる熱アシスト型磁気記録の一例として、日本応
用磁気学会第113回研究会資料(pp11−40、2
000)をあげることができる。熱アシスト磁気記録に
より記録された情報の再生には、従来の磁気ディスクの
再生と同様に、磁気ヘッドに搭載された再生用素子を用
いて、磁気記録媒体からの漏れ磁界を検出する。かかる
記録方法によれば熱安定性に優れた磁気記録媒体に情報
を記録することができるので高密度記録が期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、データ通信
分野では電気データ通信から光データ通信へと移行し、
大容量のデータを極めて高速に伝送することが可能とな
っている。現時点において光データ通信では100Gb
ps(ギガビット/秒)の伝送速度でデータ伝送が可能
である。一方、磁気記録においては、記録媒体へのデー
タ転送速度は、現状では最高で700〜800MHz程
度であり、光データ通信の伝送速度よりも極めて遅い。
すなわち、光データ通信のデータ伝送速度と記録媒体の
データ転送速度との間には大きな懸隔があった。
【0005】本発明は、情報記録媒体に極めて高速に情
報を記録する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、磁性層を備える情報記録媒体に磁界を印加しつつ
光を照射して磁性層に情報を記録する方法であって、記
録する情報に応じて、上記光及び磁界の少なくとも一方
を10GHz以上の周波数でパルス変調する記録方法が
提供される。
【0007】上述したように、光データ通信のデータ伝
送速度と記録媒体のデータ転送速度との間には大きな隔
たりがあるため、今後は、光データ通信回線を通じて高
速に伝送されたデータを記録媒体に高速に記録する技術
が必要になると考えられる。例えば、磁気ディスク装置
においてデータ転送速度を向上させるには、記録用磁気
ヘッドで発生させる磁界の変調周波数を高めなければな
らず、光データ通信と同様の100Gbpsの転送速度
を得るためには、記録磁気ヘッドから発生させる磁界の
変調周波数を100GHz(ギガヘルツ)に高める必要
がある。しかしながら、一般に、磁気ディスクの記録層
などに用いられているCoやFe、Niなどの強磁性元
素を含む磁性体に1GHz以上の変調周波数の磁界を印
加すると、その高周波磁界の磁気エネルギーが記録層の
CoやFe、Niなどの強磁性元素に吸収される、いわ
ゆる強磁性共鳴と呼ばれる現象が生じることが知られて
いるために、磁気記録においては、かかる強磁性共鳴の
ために記録層の磁化反転が起こらなくなり、1Gbps
以上の転送速度で記録層に情報を記録することはできな
いと考えられていた。また、かかる強磁性共鳴の現象
は、記録用の磁界を発生させるための磁気ヘッドの磁極
においても発生し、磁気記録媒体に高速に情報を書き込
むには限界があると考えられていた。
【0008】ところが、本発明者らは、GdFeCoの
非晶質膜の磁気モーメントを所定の方向に配向させた
後、非晶質膜に磁気モーメントの向きと逆向きの磁界を
外部から印加しながら波長800nmのレーザ光を10
0fs(100×10−15秒)間照射したところ、図
8に示すように、照射後500fs(500×10−1
秒)で磁気モーメントMupまたはMdownの大き
さがゼロになり、磁気モーメントが消失していることを
見出した。そして、非晶質膜のレーザ光照射部分が冷却
することにより出現した磁気モーメントは、外部から印
加した磁界の方向に反転していることがわかった。この
ことは、磁性膜に記録した磁気マークを500fs(1
psの半分)で消去できることを意味している。レーザ
光照射部が冷却されて磁化が出現するまでの時間を考慮
すると、磁性膜に記録した磁気マークの磁化を1psよ
りも短い時間で完全に反転させることができる。すなわ
ち、一定強度の磁界の下で、磁性膜に1psの周期で6
mJ/cm2以上の強度の光をスイッチングさせて照射
すること、すなわち1THz(テラヘルツ)の周波数で
光を変調して磁性膜に照射することにより、強磁性共鳴
による書き込み速度の限界を超えて、磁性膜に磁気マー
クを極めて高速に形成できることがわかった。
【0009】このように非晶質磁性膜に磁界を印加しつ
つ、高速変調されたパルス光を照射することにより非晶
質磁性膜の磁気モーメントが高速に反転する理由は、磁
性膜に極めて短時間で熱を与えたことによって磁性膜を
構成する原子同士のスピン−スピン間の相互作用が局所
的に弱まるか或いは切断されるため、各原子のスピンが
個別に磁界の方向に極めて容易に反転したためであると
考えられる。それゆえ、磁性膜に照射する光及び印加す
る磁界の少なくとも一方を強磁性共鳴の限界を超えた1
GHz以上の周波数でパルス変調することにより磁性膜
に磁気マークを高速に書き込むことができる。これによ
り1Gbps以上のデータ転送速度での磁気記録を実現
することができる。
【0010】本発明の記録方法においては、例えば光フ
ァイバ通信網を通じて高速伝送された光信号を、光ファ
イバから直接媒体に導いて照射することにより、その光
信号を媒体に直接記録することができる。光ファイバか
らの光量が弱い場合には、例えば、特開平5−8036
9号公報に開示されているような光増幅器などにより光
ファイバの光量を増幅することが望ましい。光ファイバ
を通じて伝送された光は複数の波長に情報が付与された
マルチモードの光であってもよい。
【0011】本発明の記録方法では、媒体に印加する磁
界の強度が低くても磁性膜に記録可能である。従来は、
原子同士のスピン−スピン間の相互作用が強く働いてい
る集合体すなわち磁区を磁化反転させていたために比較
的強い磁界が必要であったが、本発明の記録方法では、
10[Oe]〜300[Oe]の低磁界で磁性膜に磁気
マークを形成できる。これは、6mJ/cm2以上の強
度の光照射したことにより、磁性膜を構成する原子同士
のスピン−スピン間の相互作用が互いに弱くなるか切断
されているため微小な磁界強度でも磁化反転できるため
であると考えられる。それゆえ、本発明の記録方法にお
いて、磁界または光を極めて狭い領域にのみ照射するこ
とによって原子レベルでの記録が可能となり高速で且つ
超高密度記録が可能となる。
【0012】本発明の記録方法においては、更なる高速
記録を実現するために情報記録媒体に照射する光を1G
Hz以上の周波数でパルス変調することができる。
【0013】本発明の記録方法により記録される情報記
録媒体は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体が好適であ
り、磁気記録媒体は面内磁気記録方式または垂直磁気記
録方式のいずれの方式に従う磁気記録媒体であってもよ
い。
【0014】本発明の第2の態様に従えば、磁気記録媒
体の記録方法であって、磁気記録媒体に記録磁界を印加
しながら、パルス幅50ピコ秒以下で且つパルス間隔1
00ピコ秒以下のパルス光を6mJ/cm2以上の強度
で磁気記録媒体に照射することによって情報を記録する
磁気記録媒体の記録方法が提供される。
【0015】本発明の第2の態様の記録方法では、磁気
記録媒体に記録磁界を印加しつつ、パルス幅50ピコ秒
以下で且つパルス間隔100ピコ秒以下のパルス光を6
mJ/cm2以上の強度で照射するため、磁気記録媒体
の磁性膜に瞬時に熱が与えられる。それゆえ、前述した
ように磁性膜を構成する原子同士のスピン−スピン間の
相互作用が局所的に弱まるか或いは切断され、各原子の
スピンが個別に記録磁界の方向に極めて容易に反転す
る。したがって、第2の態様の記録方法も磁性膜に磁気
マークを高速に書き込むことができ、超高速データ転送
を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う記録方法の実
施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0017】図1に、後述の実施例で用いる情報記録媒
体の概略断面図を示す。情報記録媒体10は、基板1上
に、裏打ち層2、磁性層(記録層)3及び保護層4を備
える。図1において、基板1としては、例えばポリカー
ボネートやアモルファスポリオレフィンなどの樹脂材料
を所望の形状に成形したものや、所望の形状に形成され
たガラス製の基板、アルミニウムなどの金属製基板など
任意の基板を用い得る。裏打ち層2は、記録時に効率よ
く熱を外部に放散させるための層であり、例えば、A
u、Ag、Cu、Al、Pd、Rhあるいはそれらの合
金などを用いて形成される。磁性層3は、情報を記録す
るための層であり、例えば、TbFeCo、DyFeC
o、TbDyFeCoなどの希土類と遷移金属の非晶質
膜や、Pd/Co多層膜、PtCo合金、L10型磁性
合金などの他の知られた磁気記録材料を用いることもで
きる。保護層は、基板1上に形成された裏打ち層2及び
磁性層3を腐食等の化学的な悪影響から保護するための
層であり、例えば、SiNやカーボン、AlN、Si
O、ZnS、ZnS−SiOから形成される。これら
の層2〜4の成膜には、例えば、マグネトロンスパッタ
装置による連続スパッタリング等のドライプロセスによ
り形成することができる。
【0018】つぎに、本発明の記録方法を実施するため
の記録装置について説明する。図2に、記録装置の概略
構成図を示す。記録装置200は、主に、レーザ光源2
1、レーザ駆動装置22、ミラー23、光磁気ヘッド2
4及び図1に示した情報記録媒体10を備える。図2の
記録装置200において、情報記録媒体10は、磁性層
3が存在する面上に光磁気ヘッド24が位置するように
記録装置内に装着され、不図示の回転駆動装置により所
定の回転速度で回転される。
【0019】レーザ光源21は、例えば、波長200n
m〜1400nmの半導体レーザを用いて構成すること
ができる。情報記録媒体の磁性層に微小な記録マークを
形成する場合には、レーザ光によるスポット径がレーザ
光の波長に比例することから、レーザ光の波長は短いほ
うが好ましい。レーザ光源21はレーザ駆動装置22と
接続されており、データ記録の際には、レーザ光源21
はレーザ駆動装置22により1GHz〜1000GHz
のクロック周波数でオンオフされ、パルス状の光を放射
することができる。レーザ光源21から出射した光はミ
ラー23により光磁気ヘッド24の方向に反射される。
【0020】光磁気ヘッド24は、情報記録媒体10上
を所定の高さで浮上可能な浮上型の光磁気ヘッドであ
り、磁気コイル25と対物レンズ26を備えている。対
物レンズ26としては後述する固体イマージョンレンズ
を用いることもできる。磁気コイル25は、記録する情
報に応じて極性の異なる磁界を、例えば10〜300
[Oe]の大きさで印加することができる。光磁気ヘッ
ド24は、レーザ光源21からのパルス光を対物レンズ
26により情報記録媒体10の記録領域に集光して記録
領域を加熱することができるとともに、情報記録媒体2
1の加熱領域に磁気コイル25により磁界を印加するこ
とができる。
【0021】つぎに、かかる記録装置を用いて情報記録
媒体に情報を高速に記録する方法について具体的に説明
する。
【0022】<実施例1>本実施例では、φ130mm
の情報記録媒体10に、200[Oe]の強度の外部磁
界を印加しながら、1GHzの記録クロックに同期する
ように記録する情報に応じてパルス状に変調した記録用
レーザ光を照射することによって信号を記録する。この
とき、パルス光のパルス幅は100フェムト秒にし、パ
ルス間隔は1000ピコ秒にする。レーザ光源21とし
ては波長650nmの半導体レーザを用い、光磁気ヘッ
ド24の対物レンズ26としては開口数1.8の固体イ
マージョンレンズを用いた。情報記録媒体10の記録層
は、予め初期化状態として磁化の向きが一方向に揃えら
れているものとする。かかる情報記録媒体10を不図示
の回転駆動装置により駆動させて、情報記録媒体10を
光磁気ヘッド24に対して18000rpmで回転させ
る。次いで、光磁気ヘッド24をφ120mmの位置に
位置付けた後、記録信号を記録する。
【0023】記録信号を記録する際、光磁気ヘッド24
の磁気コイル25から一定方向の磁界を印加しておき、
記録情報に応じて固体イマージョンレンズから射出した
エバネッセント光を6mJ/cm2の強度で情報記録媒
体10の記録すべき所定の領域に照射して記録層を瞬間
的に加熱させる。これにより記録層の磁化が瞬時に反転
し、記録層に100nm程度の磁気マークが形成され、
記録層に高速に記録信号を記録することができた。
【0024】<実施例2>本実施例では、φ300mm
の情報記録媒体10に、200[Oe]の強度の外部磁
界を印加しながら、10GHzの記録クロックに同期す
るように記録する情報に応じてパルス状に変調した記録
用レーザ光を照射することによって信号を記録する。こ
のとき、パルス光のパルス幅は100フェムト秒にし、
パルス間隔は100ピコ秒にする。本実施例では実施例
1と同様にレーザ光源21として波長650nmの半導
体レーザを用い、光磁気ヘッド24の対物レンズ26と
して開口数1.8の固体イマージョンレンズを用いた。
情報記録媒体10の記録層は、予め初期化状態として磁
化の向きが一方向に揃えられているものとする。かかる
情報記録媒体10を不図示の回転駆動装置により駆動さ
せて、情報記録媒体10を光磁気ヘッド24に対して1
8000rpmで回転させる。次いで、光磁気ヘッド2
4をφ290mmの位置に位置付けた後、記録信号を記
録する。
【0025】記録信号を記録する際、光磁気ヘッド24
の磁気コイル25から一定方向の磁界を印加しておき、
記録情報に応じて固体イマージョンレンズから射出した
エバネッセント光を6mJ/cm2の強度で情報記録媒
体10の記録すべき所定の領域に照射して記録層を瞬間
的に加熱させる。これにより記録層の磁化が瞬時に反転
し、記録層に30nm程度の磁気マークが形成され、記
録層に高速に記録信号を記録することができた。
【0026】<実施例3>この実施例では、図2に示し
た記録装置の光磁気ヘッド24の代わりに、図3に示す
磁気ヘッド300を用いて情報記録媒体に情報を記録す
る例について説明する。図3(a)は、磁気ヘッド30
0をスライダ32の長手方向に切断した際の概略断面図
である。磁気ヘッド300は、図3(a)に示すように
主にスライダ32とレンズ33を備える。スライダ32
は、記録媒体10上を浮上させるためのものであり、記
録媒体10が回転している間、安定に浮上することが可
能な構造を有する。スライダ32の底面には保護膜13
が形成されており、磁気ヘッド300が記録媒体10と
接触することによって生じる磁気ヘッド300の破損を
回避することができる。保護膜13の材質としてはダイ
ヤモンドライクカーボンが強度の点から好適であった。
【0027】スライダ32には、円形の貫通孔が形成さ
れており、貫通孔に円柱状の磁心35が嵌め込まれてい
る。磁芯35の外周は非磁性熱制御膜36で被覆されて
おり、非磁性熱制御膜36の更に外側に磁気コイル34
が形成されている。磁芯35は、軟磁性体で、かつレー
ザ光39が照射された時にキュリー温度に達するような
材料を用いる。本実施例では、高周波磁芯材料として知
られるCoFeNiSiB系アモルファス材料を用い
て、キュリー温度210℃程度で保磁力180mA/m
程度の軟磁性体の磁芯35を形成した。磁芯35に用い
る材料は、軟磁性体で、かつレーザ光39が照射された
時にキュリー温度に達するような材料であれば、CoF
eNiSiB系アモルファス材料に限定されない。磁芯
35の外周を被覆する非磁性熱制御膜36は、磁心35
へのレーザ光39の照射を停止した後、磁心35を急速
に冷却させることができる。非磁性熱制御膜36は多層
膜構成とすることが好適であり、例えば、磁芯35の外
周を直接被覆する部分にSiNを用い、その外側を熱伝
導率の高いAl合金等の金属膜で被覆する形態とするこ
とができる。Al合金としては例えばTi等を含有する
合金を用いることが可能である。磁気コイル34は、図
4(a)または(b)に示すように多様な形状をとるこ
とができる。磁心35の直上に配置されたレンズ33は
不図示のレーザ光源から出射したレーザ光を磁心35に
集光して照射して磁心35を所望の温度に加熱すること
ができる。
【0028】また、図3(a)及び(b)においては、
磁気ヘッドに対して記録媒体の進行方向前方から記録媒
体に不図示のレーザ光源(別光源)から加熱用レーザ光
が連続的に照射されるよう構成されており、加熱用レー
ザ光により記録媒体の所定領域を加熱することができ
る。かかるレーザ光照射により加熱された領域を磁気ヘ
ッドが通過し、記録媒体の加熱領域に磁気ヘッドにより
磁界を印加することができる。
【0029】次に、磁気ヘッド300による外部磁界印
加の高速スイッチングの原理を説明する。磁気ヘッド3
00を不図示のドライバで駆動することにより、磁気コ
イル34に直流電流を流す。磁気コイルに流す電流は、
かかるドライバにより制御される。磁気ヘッド300の
磁心35にレーザ光39を照射せずに、磁気コイル34
に直流電流を流すと、図3(b)に示すように、磁気コ
イル34から外部磁界Hを発生させることができる。こ
のとき、磁心35は、レーザ光39が照射されていない
ためキュリー温度以下であり軟磁性体として機能する。
これにより、記録媒体10を記録するのに十分な磁界強
度の外部磁界Hの印加が可能となる。記録媒体10とし
ては垂直磁気記録媒体を用いた。ここで、図3(a)に
示すように、レンズ33を介してレーザ光39を磁芯3
5に照射すると、磁芯35の軟磁性体はキュリー温度に
達するために磁芯としての機能を失う。このため、磁気
コイル34に直流電流が流れていても、記録媒体に十分
な磁界強度の外部磁界を印加することができず、磁気ヘ
ッド300の浮上量が適切であれば記録媒体10に達す
る外部磁界の絶対値は減少する。
【0030】この後、磁心35へのレーザ光39の照射
を停止すると、磁芯35を被覆している非磁性熱制御膜
36に熱が逃げ、磁芯35の温度は急速に冷却され、キ
ュリー温度以下となる。キュリー温度以下となった磁芯
35は、再び軟磁性体としての機能が復活し、記録媒体
に十分な磁界強度の外部磁界を印加することが可能とな
る。このように、磁心35に照射するレーザ光のオンオ
フを高速に切り換えることによって、磁気ヘッド300
からの外部磁界印加を高速にスイッチングできる。すな
わち、図5(a)のようにレーザ光7をオンオフさせな
がらパルス状に照射し、図5(b)のように直流電流I
DCを磁気コイル4に流す。図5(a)及び(c)に示
すように、レーザ光を照射したときに磁気ヘッドから発
生する磁界はゼロであり、レーザ光の照射を停止したと
きには磁気ヘッドから図3(b)の下向きに外部磁界H
が発生する。これにより、図5(c)のように、磁気
ヘッドから発生させる磁界をスイッチングさせることが
可能となる。図3(b)において記録媒体の記録層の磁
化が上向きに初期化されており、図中下向きを記録方向
とすれば、レーザ光照射を停止したときに磁気ヘッドか
ら磁界が発生して記録層に下向き磁化の記録マークが形
成され、情報が記録層に記録される。したがって、磁心
に照射するレーザ光39を、記録を所望する情報のチャ
ネルビットに対応させるように、図示しないドライバを
用いて制御することにより極めて高速な記録が可能とな
る。
【0031】本実施例では、かかる磁気ヘッド300を
用いてφ300mmの情報記録媒体10に信号を記録す
る。記録時には、磁気ヘッド300の磁気コイル34に
電流を流して200[Oe]の強度の外部磁界を発生さ
せながら、10GHzの周波数で記録情報に応じてパル
ス状に変調したレーザ光を6mJ/cm2の強度で磁心
35に照射する。これにより、磁気ヘッド300の磁心
35からは、記録情報に応じて磁界が発生するため、記
録媒体に磁界が印加され記録層に磁気マークが形成され
る。このとき、磁心35に照射するパルス光のパルス幅
は100フェムト秒にし、パルス間隔は100ピコ秒に
する。また、記録媒体10を不図示の回転駆動装置によ
り駆動させて、記録媒体10を磁気ヘッド300に対し
て18000rpmで回転させる。次いで、磁気ヘッド
300をφ260mmの位置に位置付けた後、記録信号
を記録する。これにより記録層に25nm程度の磁気マ
ークが形成され、記録層に高速に記録信号を記録するこ
とができた。
【0032】<実施例4>この実施例では、図6及び図
7に示した光磁気ヘッド600を用いて情報記録媒体に
高速に記録信号を記録する例について説明する。
【0033】図6(a)は光磁気ヘッド600の概略断
面図であり、図6(b)は光磁気ヘッド600を上方か
ら見た平面図である。本実施例で用いる光磁気ヘッド6
00は、磁心35として、レンズ33により集光される
レーザ光のスポット径60に比較して直径が極めて小さ
い円柱状の磁心65を搭載しており、磁芯65の周囲に
は透明誘電体64が形成されている。かかる光磁気ヘッ
ド600は、磁心65の周囲が透明誘電体64により囲
まれているため、レンズ33で集光されたレーザ光を、
透明誘電体64を透過させて光磁気ヘッド600の直下
に位置する記録媒体10に到達させることができる。こ
のため、レーザ光39は磁心65を加熱するのみなら
ず、記録媒体10の所定領域をも加熱することができ
る。また、光磁気ヘッド600は、レーザ照射時の外部
磁界オフセット用に永久磁石61を搭載している。永久
磁石61は環状の構造を有し、永久磁石61の内側に磁
気コイル34が位置付けられている。永久磁石61は、
その中心が磁心65の中心とほぼ一致するように配置さ
れており、磁心65の位置に図中上向きの磁界を発生さ
せることができる。磁気コイル34は、図6(b)に示
すように、隣接トラックからのクロストークを低減する
ために楕円形で作製した。磁芯65の位置は、光磁気ヘ
ッドを記録媒体に対して相対移動させたときにレーザ光
照射により生じる熱中心がスポット中心よりもビーム進
行方向に対して後方にずれることを考慮して、スポット
中心よりビーム進行方向に対して後方にずらして形成し
た。
【0034】かかる光磁気ヘッドは、上述した構成を有
するため、記録媒体10として熱アシスト型磁気記録媒
体や光磁気記録媒体を用いることが可能となる。すなわ
ち、スポット径60に比較して磁芯65の直径が極めて
小さく、磁芯65の周囲を透明誘電体64で囲っている
ため、レーザ光39は、透明誘電体64を透過した後、
記録媒体10にまで達して記録媒体10の所定領域を加
熱することが可能となる。これにより、記録媒体10の
レーザ光照射部の保磁力を局所的に低下させ、比較的弱
い磁界強度の外部磁界の印加で記録することが可能とな
る。図6(a)に示すように、レーザ光39を磁心65
に照射すると磁芯65の磁性が消失するため、磁気コイ
ル34から発生する外部磁界そのものは小さくなるが、
永久磁石61から逆方向の外部磁界が印加されるため、
記録媒体10の記録位置における外部磁界のオフセット
を実現できる。
【0035】一方、図6(c)に示すように、磁心65
へのレーザ光照射がない場合には磁芯65が機能し、記
録媒体にはレーザ光照射時とは反対の向きに外部磁界が
印加される。すなわち、磁心65に照射するレーザ光の
オンオフを切り換えることによって、光磁気ヘッドから
の外部磁界印加を高速にスイッチングできる。例えば、
図7(a)のようにレーザ光をオンオフさせながらパル
ス状に照射し、図7(b)のように直流電流IDCを磁
気コイルに流すと、図7(c)に示すように、レーザ光
がオンのときに磁気ヘッドから、永久磁石61による外
部磁界オフセットによる磁界Hが発生し、レーザ光が
オフのときには磁気ヘッドからは磁界H が発生する。
これにより、図7(c)のように、磁気ヘッドから発生
させる磁界をスイッチングさせることが可能となる。
【0036】このように、本実施例の光磁気ヘッドは、
永久磁石61による外部磁界オフセットにより、記録媒
体の記録位置で外部磁界の向きをスイッチングすること
ができる。図7(c)の磁界Hは、図6(a)及び
(c)において下向きの磁界を示し、磁界Hは、図6
(a)及び(c)において上向きの磁界を示している。
図6(a)及び(c)において上向きを記録方向とすれ
ば、レーザ光を照射したときに磁気ヘッドから上向きの
磁界Hが発生して記録層に上向き磁化の記録マークが
形成され、記録層に情報が記録される。本実施例で用い
た光磁気ヘッドは、磁芯60の直径が非常に小さいこと
から高密度記録が可能であり、しかも外部磁界を高速に
スイッチングすることができるため、極めて高速で且つ
高密度の記録が可能となる。
【0037】本実施例では、かかる光磁気ヘッド600
を用いてφ300mmの情報記録媒体10に信号を記録
する。記録時には、光磁気ヘッド600の磁気コイル3
4に電流を流して200[Oe]の強度の外部磁界を発
生させながら、10GHzの周波数で記録情報に応じて
パルス状に変調したレーザ光を6mJ/cm2の強度で
磁心に照射する。これにより、光磁気ヘッドの磁心から
記録情報に応じた極性の磁界が発生する。また、レーザ
光は、磁心の周囲に存在する透明誘電体を透過して記録
媒体の磁界印加部分を所望の温度で加熱する。このと
き、磁心に照射するパルス光のパルス幅は100フェム
ト秒にし、パルス間隔は100ピコ秒にする。また、記
録媒体10を不図示の回転駆動装置により駆動させて、
記録媒体10を光磁気ヘッド600に対して18000
rpmで回転させる。次いで、光磁気ヘッド600をφ
290mmの位置に位置付けた後、記録信号を記録す
る。これにより記録層に30nm程度の磁気マークが形
成され、記録層に高速に記録信号を記録することができ
た。
【0038】以上、本発明の記録方法について実施例に
より具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではない。例えば、上記実施例では、レーザ光を一定
の強度でパルス状に変調させて照射したが、1パルス中
で複数の強度変化を持たせて照射することも可能であ
る。また、レーザ光を連続光として一定強度にて情報記
録媒体に照射し、磁気コイルから発生させる磁界を記録
情報に応じた極性で高速に変調してもよい。
【0039】また、上記実施例では、レーザ光の変調周
波数を10GHzとしたが、更に100GHz以上に高
速変調することも可能である。この場合は、記録媒体の
回転速度を更に上げることによって記録媒体の記録層に
磁気マークを形成することができる。これにより超高速
記録が可能となる。
【0040】
【発明の効果】本発明の記録方法は、情報記録媒体に照
射する光と、情報記録媒体に印加する磁界の少なくとも
一方を1GHz以上の周波数でパルス変調することによ
り、極めて高速に情報記録媒体に情報を記録することが
できた。すなわち本発明の記録方法により100Gbp
s以上のデータ転送速度を実現することできる。それゆ
え、光通信回線を通じて高速伝送された光信号を記録媒
体に記録する方法として極めて最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録方法により情報が記録される情報
記録媒体の一例の概略断面図である。
【図2】本発明の記録方法を実施するための記録装置の
概略構成図である。
【図3】本発明の実施例1に係る磁気ヘッドの構成及び
外部磁界印加の高速スイッチングの原理を説明する概念
図である。
【図4】図3の磁気ヘッドの磁気コイル4の形状の具体
例を示した模式図である。
【図5】図3の磁気ヘッドの磁心に照射するレーザ光
と、磁気コイルに流す電流と、磁気ヘッドから発生する
外部磁界の時間的変化の関係を説明するための説明図で
ある。
【図6】本発明の実施例2に係る磁気ヘッドの構成及び
外部磁界印加の高速スイッチングの原理を説明する概念
図である。
【図7】図6の磁気ヘッドの磁心に照射するレーザ光
と、磁気コイルに流す電流と、磁気ヘッドから発生する
外部磁界の時間的変化の関係を説明するための説明図で
ある。
【図8】100フェムト秒間のレーザ光照射後の磁気モ
ーメントの消失の様子を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 裏打ち層 3 磁性層 10 情報記録媒体 21 レーザ光源 22 レーザ駆動装置 23 ミラー 24 光磁気ヘッド 25 磁気コイル 26 対物レンズ 200 記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 奨 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D075 CC01 CD12 CF04 5D090 AA01 BB10 CC01 FF21 KK03 5D091 AA08 CC17 CC18 CC23 HH20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層を備える情報記録媒体に磁界を印
    加しつつ光を照射して磁性層に情報を記録する方法であ
    って、 記録する情報に応じて、上記光及び磁界の少なくとも一
    方を10GHz以上の周波数でパルス変調する記録方
    法。
  2. 【請求項2】 上記光を100GHz以上の周波数でパ
    ルス変調する請求項1に記載の記録方法。
  3. 【請求項3】 上記光は、光通信回線を通じて伝送され
    た光である請求項1または2に記載の記録方法。
  4. 【請求項4】 上記光の波長が200nm〜1400n
    mの範囲内にある請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    記録方法。
  5. 【請求項5】 上記情報記録媒体が磁気記録媒体である
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録方法。
  6. 【請求項6】 磁気記録媒体の記録方法であって、 磁気記録媒体に記録磁界を印加しながら、パルス幅50
    ピコ秒以下で且つパルス間隔100ピコ秒以下のパルス
    光を磁気記録媒体に照射することによって情報を記録す
    る磁気記録媒体の記録方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008010083A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Fujitsu Ltd 情報記録装置
JP2012248266A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Hgst Netherlands B V 熱アシスト記録用のチャネルソースレーザーパルシングシステム構造

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