JP2003107239A - 液晶表示装置用カラーフィルターおよびこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置用カラーフィルターおよびこれを用いた液晶表示装置

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JP2003107239A
JP2003107239A JP2002181001A JP2002181001A JP2003107239A JP 2003107239 A JP2003107239 A JP 2003107239A JP 2002181001 A JP2002181001 A JP 2002181001A JP 2002181001 A JP2002181001 A JP 2002181001A JP 2003107239 A JP2003107239 A JP 2003107239A
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chromaticity
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color
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JP2002181001A
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Tetsuo Yamashita
哲夫 山下
Ikumi Haneda
育美 羽田
Hiroyuki Sasaki
浩行 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反射モードと透過モードでの色度差を少なく
し、かつ色特性に優れ、明るい反射表示を可能とする半
透過型液晶表示装置用カラーフィルターならびに半透過
型液晶表示装置を安価に得る。 【解決手段】透過用領域と反射用領域を含むカラーフィ
ルターであって、緑画素が2種類以上の着色層からなる
ことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター。お
よび、このカラーフィルターと3波長型白色LEDを具
備していることを特徴とする半透過型液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルタ
ー、およびそれを用いた液晶表示装置、とくに透過型液
晶表示装置と反射型液晶表示装置、両方の特性を兼ね備
えた半透過型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示装置は軽量、薄型、低消
費電力等の特性を生かし、ノートPC、携帯情報端末、
デスクトップモニタ、デジタルカメラなど様々な用途で
使用されている。バックライトを使用した液晶表示装置
においては、低消費電力化を進めるためにバックライト
光の利用効率を高めることが求められ、カラーフィルタ
ーの高透過率化が要求されている。一方、カラーフィル
ターの透過率は年々向上しているが、透過率向上による
消費電力の大幅な低下は望めなくなってきている。最近
では電力消費量の大きなバックライト光源を必要としな
い反射型液晶表示装置の開発が進められており、透過型
液晶表示装置にくらべ約1/7と大幅な消費電力の低減
が可能であることが発表されている(日経マイクロデバ
イス別冊フラットパネル・ディスプレイ1998、P.
126)。
【0003】反射型液晶表示装置は、透過型液晶表示装
置に比べ低消費電力であり、屋外での視認性に優れると
いう利点はあるものの、十分な環境光強度が確保されな
い場所では表示が暗くなってしまい、視認性が極端に悪
くなるという問題点がある。暗い環境化でも表示が視認
されるようにするために、(1)バックライトを設け、
反射膜の一部に切り欠きを入れ、一部が透過型表示方
式、一部を反射型表示方式とした液晶表示装置(いわゆ
る半透過半反射型表示方式、文献としては例えばファイ
ンプロセステクノロジージャパン’99、専門技術セミ
ナーテキストA5)、(2)フロントライトを設けた液
晶表示装置などが考案されている。
【0004】携帯端末に用いられるバックライト光源、
フロントライト光源としては、3波長型の蛍光管、なら
びに小型化、薄型化に有利な白色LEDがある。3波長
型の蛍光管は消費電力の点からは有利であり、また透過
色の色再現性を向上させることが知られており、携帯端
末としては比較的大きめのモバイルPC、PDAなどに
使用されている。
【0005】白色LEDはスペクトルの形状により、2
波長型と3波長型に分けられる。2波長型の白色LED
は青色LEDと蛍光体とを組み合わせ白色とし(図
4)、3波長型の白色LEDは、紫外LEDと赤緑青蛍
光体との組み合わせ(図2)、または赤緑青の3色LE
Dの組み合わせで白色としている(図3)。いままで
は、もっぱら白色LED光源としては2波長型の白色L
EDがほぼ唯一の選択肢として使用されてきた(日経エ
レクトロニクス、2002年2−25号)。
【0006】バックライトを設けた半透過型液晶表示装
置では、バックライト光を利用する透過表示と環境光を
利用する反射表示が共存するが、透過表示を行うときに
はバックライト光がカラーフィルターを1回透過するの
に対して、反射表示では、環境光が入射時と反射時の2
回カラーフィルターを透過する。透過表示と反射表示と
でカラーフィルターを透過する回数が異なるために透過
用領域と反射用領域の色材料を同一にした場合には 、
表示される色の濃さ、すなわち色純度が大きく異なる。
また、透過表示では光源がバックライト光である一方、
反射表示では光源が自然光であるために、色純度だけで
なく色調も変化してしまう。
【0007】透過用領域と反射用領域の表示色を同一に
する方法としては、透過用領域と反射用領域で色材料の
膜厚を変えることが考えられる。しかし、色材料の膜厚
を変えただけでは、透過表示での光源がバックライト
光、反射表示での光源が自然光であることによる色調の
変化を補正することはできない。
【0008】透過用領域と反射用領域の表示色を同一に
するその他の方法としては、すべての画素について透過
用領域および/または反射用領域を複数の色材料で塗り
分けることが考えられる。しかし、現在主流のフォトリ
ソ法では、6回以上色材料を塗布形成することになり、
コストが増大してしまう。
【0009】透過表示と反射表示とで色再現性の高い表
示を可能とする方法として、反射用領域に透明領域を形
成し、反射表示での明るさを向上させる方法、いわゆる
ピンホール方式が特開2000−111902号公報に
記載されている。この構成の半透過型液晶表示装置用カ
ラーフィルターでは、フォトリソ工程は3回で済むもの
の上述の透過用領域および/または反射用領域を塗り分
ける方法に比べて、反射表示での色純度−反射率特性が
低下してしまい、色の鮮やかさと十分な明るさを満足で
きるレベルでは両立することが出来ないという問題点が
あった。特に透過表示ならびに反射表示での色再現性を
高くした場合には、反射表示での明るさが暗くなり、液
晶表示装置としての性能が不十分なものとなっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み創案されたもので、反射モードと透過
モードでの色度差を少なくし、かつ色特性に優れ、明る
い反射表示を可能とする半透過型液晶表示装置用カラー
フィルターならびに半透過型液晶表示装置を安価に提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の構成
とすることで反射モードと透過モードでの色度差を少な
くし、かつ明るい反射表示を実現するカラーフィルター
ならびに半透過型液晶表示装置を低コストに製造可能で
あることを見いだした。そして、緑画素が2種類以上の
着色層からなることによって、反射表示での明るさを向
上させることが出来、特に透過表示での色再現範囲が高
い領域で、その効果が顕著であることを見出した。ま
た、3波長型LED光源を具備した液晶表示装置と組み
合わせることで、反射表示での明るさを向上させる効果
が顕著であることを見出した。
【0012】すなわち、上記課題を解決するため本発明
は下記の構成からなる。 (1)赤、青、緑の画素のうちの少なくとも一色の画素
が透過用領域と反射用領域を含んだカラーフィルターで
あって、緑画素が2種類以上の着色層からなることを特
徴とする液晶表示装置用カラーフィルター。 (2)少なくとも一色の画素において、透過用領域と反
射用領域が同一着色層からなり、反射用領域には透明領
域を含むことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置
用カラーフィルター。 (3)透過用領域の色度(x0,y0)と反射用領域の
色度(x、y)の色度差δが以下の色を満たす画素を含
まないことを特徴とする(1)、(2)に記載の液晶表
示素子用カラーフィルター。
【0013】 δ=(x−x0)2+(y−y0)2≧1×10-3 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のカラーフ
ィルターを用いたものである液晶表示装置。 (5)バックライト光源として、3波長型のLED光源
を具備してなる(4)に記載の液晶表示装置。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の液晶表示装置において
は、反射膜が形成される基板は、カラーフィルター側基
板、カラーフィルターに対向する基板のいずれでもよ
い。カラーフィルター側に反射膜が形成されている場合
は、色材料が形成されている画素領域の内、反射膜が形
成されている領域が反射用領域となり、画素領域の中で
反射膜が形成されていない領域が透過用領域となる。反
射膜がカラーフィルターに対向する基板上に形成されて
いる場合は、該基板の反射膜形成領域に対応するカラー
フィルター画素領域が反射用領域となり、該基板の反射
膜が形成されていない領域に対応するカラーフィルター
画素領域が透過用領域となる。
【0015】本発明のカラーフィルターでは、緑画素に
ついては複数の着色層からなる。さらに少なくとも一色
については画素の反射用領域が着色領域と透明領域から
なる。ここでいう透明領域とは具体的には可視領域での
平均透過率が80%以上である領域である。
【0016】2種類以上の着色層とは、顔料、ホ゜リマを含
めた画素を構成する材料、および該材料の構成比が異な
る着色層を言う。
【0017】少なくとも一色の画素について反射用領域
に透明領域を含むことで、同一膜厚の同一色材料であり
ながら、反射表示での明るさを向上させることが出来
る。透明領域が存在する色が少なくとも一色あれば、よ
り透過表示と反射表示の差が小さくなり、工程数も少な
くなるので、本発明の効果が発揮される。また、緑画素
を2種類以上の着色層で形成することで透過モードと反
射モードでの色度差低減と反射モードでの明るさをさら
に向上することができる。緑画素に2種類以上の着色層
を形成する方法は特に限定されず、平面的に2種類以上
の着色層を並べてもよく、または2種類以上の着色層を
透過用領域に積層してもよい。
【0018】透過用領域の色度(x0,y0)と反射用
領域の色度(x、y)の色度差δについては、δ=(x
−x0)2+(y−y0)2≧1×10-3である画素を含
まないことが好ましい。
【0019】ここでいう透過領域色度とは、上述のカラ
ーフィルター透過領域を顕微分光光度計などで測定した
ときに得られる分光スペクトルから求められるものであ
る。反射領域色度とは該領域中の着色領域の分光スペク
トル、透明領域の分光スペクトルをそれぞれ各波長で自
乗し、着色領域と透明領域との面積についての加重平均
を取ることにより求められるものである。
【0020】色度の計算には、光源の違いを考慮に入れ
るため、透過用領域はC光源、2波長型光源、3波長型
光源の内のいずれかにより、反射用領域はD65光源で
行うことが好ましい。ここでいう2波長型のLED光源
の例としては、青色LEDと黄色蛍光体または黄緑色蛍
光体とを組み合わせて白色光を発するLED光源があげ
られる。また、3波長型光源の例としては、3波長蛍光
管、紫外LEDと赤、青、緑蛍光体とを組み合わせた白
色LED光源、赤、青、緑各色のLEDを組み合わせた
白色LED光源、有機エレクトロルミネッセンス光源な
どがあげられる。
【0021】本発明のカラーフィルターにおいて、透明
領域を含む画素については、透明領域の面積の反射用領
域全体の面積に対する割合(以下「透明領域率」と呼
ぶ)が重要である。透明領域を含む色画素が複数ある場
合は、透明領域率が緑>赤の順に大きいことが好まし
い。また、青は赤とほぼ同等であることが好ましい。具
体的には、赤画素についていえば、5%以上20%以
下、青画素についていえば、20%以下であることが好
ましい。さらには赤画素についていえば、8%以上16
%以下、青画素についていえば、5%以上16%以下で
あることがより好ましい。
【0022】上記範囲から透明領域率が狭い方向にはず
れると、反射表示の時に明るい表示が得られず、また、
透明領域率が広い方向にはずれると反射表示の時に色鮮
やかな表示を得ることができない。
【0023】本発明のカラーフィルターは、少なくとも
赤、緑、青の3色の色画素から構成され、使用される着
色材料は、有機顔料、無機顔料、染料問わず着色剤全般
を使用することができる。代表的な顔料の例として、ピ
グメントレッド(PR−)、2、3、22、38、4
8:1、122、149,166、168、177、2
02、206、207、209、224、242,25
4、ピグメントオレンジ(PO−)5、13、17、3
1、36、38、40、42、43、51、55、5
9、61、64、65、71、ピグメントイエロー(P
Y−)12、13、14、17、20、24、83、8
6、93、94、109、110、117、125、1
37、138、139、147、148、150,15
3、154、166、173、185、ピグメントブル
ー(PB−)15(15:1、15:2、15:3、1
5:4、15:6)、21、22、60、64、ピグメ
ントバイオレット(PV−)19、23、29、32、
33、36、37、38、40、50などが挙げられ
る。本発明ではこれらに限定されずに種々の顔料を使用
することができる。
【0024】上記顔料は必要に応じて、ロジン処理、酸
性基処理、塩基性処理、顔料誘導体処理などの表面処理
が施されているものを使用しても良い。なお、PR(ピ
グメントレッド)、PY(ピグメントイエロー)、PV
(ピグメントバイオレット)、PO(ピグメントオレン
ジ)等は、カラーインデックス(C.I.;The Societ
y of Dyers and Colourists社発行)の記号であり、正
式には頭にC.I.を付するもの(例えば、C.I.P
R254など)である。これは染料や染色の標準を規定
したものであり、それぞれの記号は特定の標準となる染
料とその色を指定するものもである。なお、以下の本発
明の説明においては、原則として、前記C.I.の表記
は省略(例えば、C.I.PR254ならば、PR25
4)する。
【0025】なかでも、本発明のカラーフィルターの赤
画素用着色剤においては、PR48:1、PR122、
PR202、PR206、PR207,PR209、P
R242、PR254、PO38、PY17、PY13
8、PY150、PV19を使用することがより好まし
い。
【0026】本発明のカラーフィルターの緑画素用着色
剤においては、PG7、PG36、PY17、PY13
8、PY150を使用することがより好ましい。また、
青画素用着色剤としてはPB15(15:1、15:
2、15:3、15:4、15:6)、60、PV1
9、23を使用することがより好ましい。
【0027】透明領域の形成によって、表面の平坦性を
向上させるため、色材料の上に平坦化層としてオーバー
コート層を形成するのが好ましい。具体的には、エポキ
シ樹脂膜、アクリルエポキシ樹脂膜、アクリル樹脂膜、
シロキサンポリマ系の膜、ポリイミド膜、ケイ素含有ポ
リイミド膜、ポリイミドシロキサン膜等が挙げられる。
【0028】カラーフィルターの形成は、ガラス、高分
子フィルム等の透明基板側に限定されず、駆動素子側基
板にも行うことができる。カラーフィルターのパターン
形状については、ストライプ状、アイランド状などがあ
げられるが特に限定されるものではない。また、必要に
応じてカラーフィルター上に柱状の固定式スペーサーが
配置されていてもよい。画素の形成方法については、フ
ォトリソ法、印刷法、電着法等があげられるが特に限定
されない。パターン形成性などを考慮するとフォトリソ
法で行うことがより好ましい。
【0029】本発明のカラーフィルターは、半透過型液
晶表示装置と組み合わせて使用される。ここで、半透過
型液晶表示装置とは、アルミニウム膜や銀膜等から成る
反射膜を備え、スリットを有することを特徴とする液晶
表示装置である。本発明のカラーフィルターは、液晶表
示装置の駆動方法、表示方式にも限定されず、アクティ
ブマトリクス方式、パッシブマトリクス方式、TNモー
ド、STNモード、ECBモード、OCBモードなど種
々の液晶表示装置に適用される。また、液晶表示装置の
構成、例えば偏光板の数、散乱体の位置等にも限定され
ずに使用することができる。
【0030】本発明に使用されるバックライト光源とし
ては、3波長型の光源であることが重要であり、また赤
色、緑色、赤色に対応する各ピーク以外に不純成分とな
るサイドピークがなく/または小さく、スペクトル形状
が急峻であることが重要である。上記条件を満たす光源
であれば、冷陰極蛍光管、熱陰極蛍光管、発光ダイオー
ド(LED)、有機エレクトロルミネッセンス光源、無
機エレクトロルミネッセンス光源、平面蛍光ランプ、メ
タルハライドランプなど光源全般を使用することもでき
るが、3波長型のLED光源であれば、本発明の目的と
するところの透過表示での高い色再現性と反射表示での
優れた特性(色再現性、明るさ)を得るに対して著しい
効果があることを見出した。
【0031】3波長型のLED光源には、RGB各色の
発色を持つダイオードをそれぞれ組み合わせた白色光
源、ならびに紫外発光のダイオードとRGB各色に対応
した蛍光体とを組み合わせた白色光源がある。一例とし
ては、シャープ(株)のチップLED”GM1WA80350
A”、”GM4WA10350A”などがあげられ、紫外発光のダイ
オードとRGB各色に対応した蛍光体とを組み合わせた
白色LED光源としては、豊田合成(株)の白色LED
がある(日経エレクトロニクス、2002年2−25
号)。
【0032】本発明のカラーフィルター作製方法の一例
を述べる。少なくともポリイミド前駆体、着色剤、溶剤
からなるカラーペーストを透明基板上に塗布した後、風
乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより、ポリイミド前駆体
着色被膜を形成する。加熱乾燥の場合、オーブン、ホッ
トプレートなどを使用し、50〜180℃の範囲で1分
〜3時間行うのが好ましい。次に、このようにして得ら
れたポリイミド前駆体着色被膜に、通常の湿式エッチン
グによりパターンを形成する。まず、ポリイミド前駆体
着色被膜上にポジ型フォトレジストを塗布し、フォトレ
ジスト被膜を形成する。続いて該フォトレジスト被膜上
にマスクを置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。
露光後、ポジ型フォトレジスト用アルカリ現像液によ
り、フォトレジスト被膜とポリイミド前駆体着色被膜の
エッチングを同時に行う。エッチング後、不要となった
フォトレジスト被膜を剥離する。
【0033】ポリイミド前駆体着色被膜は、その後、加
熱処理することによって、ポリイミド着色被膜に変換さ
れる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるい
は、真空中などで、150〜350℃、好ましくは18
0〜250℃の温度のもとで、0.5〜5時間、連続的
または段階的に行われる。
【0034】以上の工程を赤、緑、青のカラーぺースト
および必要に応じてブラックのカラーぺーストについて
行うと、液晶表示装置用カラーフィルターが作製でき
る。
【0035】次に、このカラーフィルターを用いて作成
した液晶表示装置の一例について述べる。上記カラーフ
ィルター上に、透明保護膜を形成し、さらにその上にI
TO膜などの透明電極を製膜する。次に、このカラーフ
ィルター基板と、金属蒸着膜などの反射電極が形成され
た反射電極基板とを、さらにそれらの基板上に設けられ
た液晶配向のためのラビング処理を施した液晶配向膜、
およびセルギャップ保持のためのスペーサーを介して、
対向させて貼りあわせる。なお、反射電極基板上には、
反射電極以外に、光拡散用の突起物、薄膜トランジスタ
(TFT)素子や薄膜ダイオード(TFD)素子、およ
び走査線、信号線などを設け、TFT液晶表示装置や、
TFD液晶表示装置を作成することができる。次に、シ
ール部に設けられた注入口から液晶を注入した後に、注
入口を封止する。つぎに、ICドライバー等を実装する
ことによりモジュールが完成する。
【0036】次に、本発明で用いるバックライト光源の
作製方法の一例を説明する。
【0037】LEDを用いたバックライト光源は、必要
な電圧を印加するよう配線がパターニングされた基板上
にLED素子を配置し、駆動用のドライバICを取り付
け、拡散板、導光板、プリズムシート、ガイドロット等
を適宜組み合わせ、バックライト光源が完成する。
【0038】
【実施例】<測定法>透過率、色座標:大塚電子(株)
製、“MCPD−2000”顕微分光光度計を用い、カ
ラーフィルター上に製膜されているものと同一製膜条件
により作製されるITOを製膜したガラスをリファレン
スとして測定した。
【0039】ここでいう透過領域色度とは、上述のカラ
ーフィルター透過領域を顕微分光光度計などで測定した
ときに得られる分光スペクトルから求められるものであ
る。反射領域色度とは該領域中の着色領域の分光スペク
トル、透明領域の分光スペクトルをそれぞれ各波長で自
乗し、着色領域と透明領域との面積についての加重平均
を取ることにより求められるものである。
【0040】次に、本発明を実施例、比較例を用いて説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されること
はない。なお、以下の実施例、比較例では、設計上の自
由度がある画素開口部に対する反射板の形成領域(反射
用領域)の割合は、特に断りがない場合は50%とす
る。また、透明樹脂層を形成する領域は、各画素の反射
用領域とする。
【0041】実施例1 A.ポリアミック酸溶液の作成 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル 95.1gお
よびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン 6.2gをγ−ブチロラクトン 525g、N−メチ
ル−2−ピロリドン 220gと共に仕込み、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
144.1gを添加し、70℃で3時間反応させた
後、無水フタル酸 3.0gを添加し、さらに70℃で
2時間反応させ、25重量%のポリアミック酸溶液(P
AA)を得た。
【0042】B.ポリマー分散剤の合成 4,4′−ジアミノベンズアニリド 161.3g、
3,3′−ジアミノジフェニルスルホン 176.7
g、およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシ
ロキサン 18.6gをγ−ブチロラクトン 2667
g、N−メチル−2−ピロリドン 527gと共に仕込
み、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物 439.1gを添加し、70℃で3時間反応
させた後、無水フタル酸2.2gを添加し、さらに70
℃で2時間反応させ、20重量%のポリアミック酸溶液
であるポリマー分散剤(PD)を得た。
【0043】C.分散液の作成 ピグメントレッドPR209、2.7g(60wt
%)、ピグメントレッドPR254、1.8g(40w
t%)とポリマー分散剤(PD) 22.5gおよびγ
−ブチロラクトン 42.8g、3−メトキシ−3−メ
チル−1−ブタノール 20.2gをガラスビーズ 90
gとともに仕込み、ホモジナイザーを用い、7000r
pmで5時間分散後、ガラスビーズを濾過し、除去し
た。このようにしてPR209とPR254からなる分
散液5%溶液(RD)を得た。
【0044】D.カラーペーストの作成 分散液(RD) 50.0gにポリアミック酸溶液(P
AA) 8.0gをγ−ブチロラクトン 70.0gで希
釈した溶液を添加混合し、赤色カラーペースト(R−
1)を得た。同様にして、表1に示す割合で赤ペースト
(R−2〜R−5)、緑ペースト(G−1〜G−5)、
青ペースト(B−1〜B−5)を得た。
【0045】
【表1】
【0046】E.着色塗膜の作成と評価 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に赤ペースト(R−1)をスピンナーでガラス基板上に
塗布した。該塗膜を、120℃で20分乾燥し、この上
にポジ型フォトレジスト(東京応化株式会社製“OFP
R−800”)を塗布し、90℃で10分乾燥した。キ
ャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”を
用い、クロム製のフォトマスクを介して60mJ/cm2
(365nmの紫外線強度)露光した。このとき用いた
フォトマスクは、反射用領域内での透明領域の割合(透
明領域率)が9%のものである。露光後、テトラメチル
アンモニウムハイドロオキサイドの2.25%の水溶液
からなる現像液に浸漬し、フォトレジストの現像、ポリ
イミド前駆体の着色塗膜のエッチングを同時に行った。
エッチング後不要となったフォトレジスト層をアセトン
で剥離した。さらにポリイミド前駆体の着色塗膜を24
0℃で30分熱処理し、ポリイミドに転換した。熱処理
後の塗膜厚さは1.1μmで、C光源を通したときの色
度(x、y)は(0.490、0.284)であった。
次にスピンナーでカラーペースト(B−1)を塗布し、
赤画素と同様にフォトリソ加工し、透過用領域に着色層
を形成した。該青色着色層の膜厚は1.1μmで、C光
源を通したときの仕上がりの色度(x、y)は(0.1
60、0.202)であった。このとき用いたフォトマ
スクは、反射用領域内での透明領域の割合(透明領域
率)が11%のものである。次に緑画素についてスピン
ナーでカラーペースト(G−1)を塗布、フォトリソ加
工し、透過用領域に着色層を形成した。このときの緑画
素膜厚は1.1μmでC光源を通したときの色度(x、
y)が(0.293,0.456)であった。最後にス
ピンナーでカラーペースト(G−2)を塗布し、フォト
リソ加工し、緑画素の反射用領域に緑着色層を形成し
た。緑画素の反射用領域にC光源を通したときの色度
(x、y)は(0.316、0.383)、膜厚は1.
1μmであった。このようにして得られた画素膜上にオ
ーバーコート層(JSR社製”オプトマーSS6500
/SS0500”)を2μmの厚みで製膜し、さらにそ
の上にITO膜を膜厚0.1μmとなるようにスパッタ
リングした。作製したカラーフィルターの断面図を模式
的に図1に示す。この様にして得られたカラーフィルタ
ー基板について、基板中央部の1つの画素、基板のそれ
ぞれの角部の4つの画素について、分光スペクトルを測
定した。測定した画素スペクトルを各測定部について平
均し、色度を求めた。D65光源での反射領域色度、2
波長型LED光源での透過領域色度、色度差δを表2に
示す。上記測定の部位の中に、色度差δ=1×10-3
越える画素はなかった。
【0047】
【表2】
【0048】比較例1 熱処理後の膜厚が1.1μmとなるようにスピンナーで
カラーペースト(G−1)を塗布したこと、反射用領域
内での透明領域率が23%となるフォトマスクを使用し
たこと、カラーペースト(G−2)を塗布しないこと以
外は実施例1と同様にして、カラーフィルターを作製し
た。このとき緑画素の透過用領域をC光源を通したとき
の色度(x、y)は(0.293、0.456)であっ
た。この様にして得られたカラーフィルター基板につい
て、基板中央部の1つの画素、基板のそれぞれの角部の
4つの画素について、分光スペクトルを測定した。測定
した画素スペクトルを各測定部について平均し、色度を
求めた。D65光源での反射領域色度、2波長型LED
光源での透過領域色度、色度差δを表3に示す。上記測
定の部位の中に、色度差δ=1×10-3を越える画素は
なかった。
【0049】
【表3】
【0050】比較例2 赤画素、緑画素については、比較例1と同様に加工し、
青画素については、カラーペースト(B−1)を塗布、
フォトリソ加工し、透過用領域に着色層を形成した。こ
のときの青画素膜厚は1.1μmで、C光源を通したと
きの色度(x、y)は(0.160,0.202)であ
った。また、スピンナーでカラーペースト(B−2)を
塗布し、フォトリソ加工し、青画素の反射用領域に青着
色層を形成した。青画素の反射用領域の膜厚は、1.1
μmで、C光源を通したときの色度(x、y)は(0.
210、0.243)であった。この様にして得られた
カラーフィルター基板について、基板中央部の1つの画
素、基板のそれぞれの角部の4つの画素について、分光
スペクトルを測定した。測定した画素スペクトルを各測
定部について平均し、色度を求めた。D65光源での反
射領域色度、2波長型LED光源での透過領域色度、色
度差δを表4に示す。上記測定の部位の中に、色度差δ
=1×10-3を越える画素はなかった。
【0051】
【表4】
【0052】比較例3 緑画素、青画素については、比較例1と同様に加工し、
赤画素については、カラーペースト(R−1)を塗布、
フォトリソ加工し、透過用領域に着色層を形成した。こ
のときの赤画素膜厚は1.1μmで、C光源を通したと
きの色度(x、y)は(0.490、0.284)であ
った。また、スピンナーでカラーペースト(R−2)を
塗布し、フォトリソ加工し、赤画素の反射用領域に赤着
色層を形成した。赤画素の反射用領域の膜厚は1.1μ
mで、C光源を通したときの色度(x、y)は(0.4
27、0.290)であった。この様にして得られたカ
ラーフィルター基板について、基板中央部の1つの画
素、基板のそれぞれの角部の4つの画素について、分光
スペクトルを測定した。測定した画素スペクトルを各測
定部について平均し、色度を求めた。D65光源での反
射領域色度、2波長型LED光源での透過領域色度、色
度差δを表5に示す。上記測定の部位の中に、色度差δ
=1×10-3を越える画素はなかった。
【0053】
【表5】
【0054】比較例4 赤、青、緑画素のフォトリソ加工時に画素内に透明領域
が形成されないフォトマスクを使用し、カラーペースト
としてR−3、G−3、B−3を用いて、実施例1と同
様にしてカラーフィルターを作製した。該カラーフィル
ターの赤画素、緑画素、青画素の着色層膜厚は、すべて
1.1μmであった。また、C光源を通したときの仕上
がりの色度(x,y)は、赤画素について(0.41
7,0.278)、緑画素について(0.303,0.
381)、青画素について(0.190,0.237)
であった。この様にして得られたカラーフィルター基板
について、基板中央部の1つの画素、基板のそれぞれの
角部の4つの画素について、分光スペクトルを測定し
た。測定した画素スペクトルを各測定部について平均
し、色度を求めた。D65光源での反射領域色度、2波
長型LED光源での透過領域色度、色度差δを表6に示
す。上記測定の部位のすべてが、色度差δ=1×10-3
を越えていた。
【0055】
【表6】
【0056】比較例1〜4で作製したカラーフィルター
を用いた半透過型液晶表示装置と実施例1のカラーフィ
ルターを用いた液晶表示装置との表示特性の違いを透過
表示については暗室で、反射表示については屋外の環境
光下で比較した。なお、透過モードに使用する光源は2
波長型のLED光源を用いた。実施例1のカラーフィル
ターを用いた液晶表示装置は反射モードと透過モードで
の色合いの違いがほとんどなく、明るい良好な表示特性
を示した。比較例1、比較例2、比較例3の液晶表示装
置は実施例1に比べると反射モードでの明るさが暗かっ
た。これは、実施例1のカラーフィルターの反射領域色
度と透過領域色度との差が小さく、白の反射領域輝度が
比較例1、比較例2、比較例3のカラーフィルターより
も明るいからであると推測される。また、比較例4の液
晶表示装置は実施例1に比べると透過モードでの色合い
が薄く、反射モードと透過モードとの間の視認性に大き
な違いがあり、表示品位がよくなかった。これは、実施
例1のカラーフィルターが反射領域色度と透過領域色度
との差が小さいのに対して、比較例4のカラーフィルタ
ーは反射領域色度と透過領域色度との差が大きいからで
あると推測される。
【0057】実施例2 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に赤ペースト(R−4)をスピンナーでガラス基板上に
塗布した。該塗膜を、120℃で20分乾燥し、この上
にポジ型フォトレジスト(東京応化株式会社製“OFP
R−800”)を塗布し、90℃で10分乾燥した。キ
ャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”を
用い、クロム製のフォトマスクを介して60mJ/cm2
(365nmの紫外線強度)露光した。このとき用いた
フォトマスクは、反射用領域内での透明領域の割合(透
明領域率)が11%のものである。露光後、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイドの2.0%の水溶液
からなる現像液に浸漬し、フォトレジストの現像、ポリ
イミド前駆体の着色塗膜のエッチングを同時に行った。
エッチング後不要となったフォトレジスト層をアセトン
で剥離した。さらにポリイミド前駆体の着色塗膜を24
0℃で30分熱処理し、ポリイミドに転換した。熱処理
後の塗膜厚さは1.8μmで、透過用領域でのC光源を
通したときの色度(x、y)は(0.622、0.32
8)であった。
【0058】次に緑画素についてスピンナーでカラーペ
ースト(G−4)を塗布、フォトリソ加工し、透過用領
域に着色層を形成した。このときの緑画素膜厚は1.8
μmでC光源を通したときの色度(x、y)が(0.2
98,0.581)であった。最後にスピンナーでカラ
ーペースト(G−5)を塗布し、フォトリソ加工し、緑
画素の反射用領域に緑着色層を形成した。緑画素の反射
用領域にC光源を通したときの色度(x、y)は(0.
316、0.383)、膜厚は1.8μmであった。
【0059】次にスピンナーでカラーペースト(B−
4)を塗布し、反射領域での透明領域率が18%である
フォトマスクを用いたこと以外は赤画素と同様にフォト
リソ加工し、着色層を形成した。青色着色層の膜厚は
1.8μmで、透過用領域でのC光源を通したときの仕
上がりの色度(x、y)は(0.136、0.099)
であった。このようにして得られた画素膜上にオーバー
コート層(JSR社製”オプトマーSS6500/SS
0500”)を2μmの厚みで製膜した。その上にIT
O膜を膜厚0.1μmとなるようにスパッタリングし
た。この様にして得られたカラーフィルター基板につい
て、基板中央部の1つの画素、基板それぞれの角部4つ
の画素について、分光スペクトルを測定した。測定した
画素スペクトルを各測定部について平均し、色度を求め
た。D65光源での反射領域色度、2波長型LED光源
での透過領域色度を表7に示す。
【0060】
【表7】
【0061】比較例5 熱処理後の膜厚が1.8μmとなるようにスピンナーで
カラーペースト(G−4)を塗布したこと、反射用領域
内での透明領域率が26%となるフォトマスクを使用し
たこと、カラーペースト(G−5)を塗布しないこと以
外は実施例2と同様にして、カラーフィルターを作製し
た。このとき緑画素の透過用領域をC光源を通したとき
の色度(x、y)は(0.298、0.581)であっ
た。この様にして得られたカラーフィルター基板につい
て、基板中央部の1つの画素、基板のそれぞれの角部の
4つの画素について、分光スペクトルを測定した。測定
した画素スペクトルを各測定部について平均し、色度を
求めた。D65光源での反射領域色度、2波長型LED
光源での透過領域色度を表8に示す。
【0062】
【表8】
【0063】比較例6 赤画素、緑画素については、比較例5と同様に加工し、
青画素については、カラーペースト(B−4)を塗布、
フォトリソ加工し、透過用領域に着色層を形成した。こ
のときの青画素膜厚は1.8μmで、C光源を通したと
きの色度(x、y)は(0.136,0.099)であ
った。また、スピンナーでカラーペースト(B−5)を
塗布し、フォトリソ加工し、青画素の反射用領域に青着
色層を形成した。青画素の反射用領域の膜厚は、1.8
μmで、C光源を通したときの色度(x、y)は(0.
210、0.243)であった。この様にして得られた
カラーフィルター基板について、基板中央部の1つの画
素、基板のそれぞれの角部の4つの画素について、分光
スペクトルを測定した。測定した画素スペクトルを各測
定部について平均し、色度を求めた。D65光源での反
射領域色度、2波長型LED光源での透過領域色度を表
9に示す。
【0064】
【表9】
【0065】比較例7 緑画素、青画素については、比較例5と同様に加工し、
赤画素については、カラーペースト(R−4)を塗布、
フォトリソ加工し、透過用領域に着色層を形成した。こ
のときの赤画素膜厚は1.8μmで、C光源を通したと
きの色度(x、y)は(0.622、0.328)であ
った。また、スピンナーでカラーペースト(R−5)を
塗布し、フォトリソ加工し、赤画素の反射用領域に赤着
色層を形成した。赤画素の反射用領域の膜厚は1.8μ
mで、C光源を通したときの色度(x、y)は(0.4
27、0.290)であった。この様にして得られたカ
ラーフィルター基板について、基板中央部の1つの画
素、基板のそれぞれの角部の4つの画素について、分光
スペクトルを測定した。測定した画素スペクトルを各測
定部について平均し、色度を求めた。D65光源での反
射領域色度、2波長型LED光源での透過領域色度を表
10に示す。
【0066】
【表10】
【0067】比較例5〜7で作製したカラーフィルター
を用いた半透過型液晶表示装置と実施例2のカラーフィ
ルターを用いた液晶表示装置との表示特性の違いを透過
表示については暗室で、反射表示については屋外の環境
光下で比較した。なお、透過モードに使用する光源は2
波長型のLED光源を用いた。実施例2のカラーフィル
ターを用いた液晶表示装置は比較例5〜7のカラーフィ
ルターを用いた液晶表示装置に比べ、非常に明るい良好
な表示特性を示した。比較例5〜比較例7の液晶表示装
置は実施例2に比べると反射モードでの明るさが暗く、
視認性が非常に悪かった。これは、実施例2のカラーフ
ィルターの白の反射領域輝度が比較例5〜比較例7のカ
ラーフィルターよりも明るいからであると推測される。
【0068】透過表示の色再現性が22%の場合(実施
例1、比較例1〜3)の反射表示の明るさの向上効果に
比べて、透過表示の色再現性が60%の場合(実施例
2、比較例5〜7)の明るさ向上効果は大きく、色再現
範囲の高い領域で特に本発明の効果が高いことがわかっ
た。
【0069】実施例3 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に赤ペースト(R−4)をスピンナーでガラス基板上に
塗布した。該塗膜を、120℃で20分乾燥し、この上
にポジ型フォトレジスト(東京応化株式会社製“OFP
R−800”)を塗布し、90℃で10分乾燥した。キ
ャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”を
用い、クロム製のフォトマスクを介して60mJ/cm2
(365nmの紫外線強度)露光した。このとき用いた
フォトマスクは、反射用領域内での透明領域の割合(透
明領域率)が11%のものである。露光後、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイドの2.0%の水溶液
からなる現像液に浸漬し、フォトレジストの現像、ポリ
イミド前駆体の着色塗膜のエッチングを同時に行った。
エッチング後不要となったフォトレジスト層をアセトン
で剥離した。さらにポリイミド前駆体の着色塗膜を24
0℃で30分熱処理し、ポリイミドに転換した。熱処理
後の塗膜厚さは1.2μmで、透過用領域でのC光源を
通したときの色度(x、y)は(0.567、0.31
0)であった。
【0070】次に緑画素についてスピンナーでカラーペ
ースト(G−4)を塗布、フォトリソ加工し、透過用領
域に着色層を形成した。このときの緑画素膜厚は1.2
μmでC光源を通したときの色度(x、y)が(0.3
21,0.541)であった。最後にスピンナーでカラ
ーペースト(G−2)を塗布し、フォトリソ加工し、緑
画素の反射用領域に緑着色層を形成した。緑画素の反射
用領域にC光源を通したときの色度(x、y)は(0.
316、0.383)、膜厚は1.1μmであった。
【0071】次にスピンナーでカラーペースト(B−
4)を塗布し、反射領域での透明領域率が20%である
フォトマスクを用いたこと以外は赤画素と同様にフォト
リソ加工し、着色層を形成した。青色着色層の膜厚は
1.2μmで、透過用領域でのC光源を通したときの仕
上がりの色度(x、y)は(0.138、0.127)
であった。このようにして得られた画素膜上にオーバー
コート層(JSR社製”オプトマーSS6500/SS
0500”)を2μmの厚みで製膜した。その上にIT
O膜を膜厚0.1μmとなるようにスパッタリングし
た。この様にして得られたカラーフィルター基板につい
て、基板中央部の1つの画素、基板それぞれの角部4つ
の画素について、分光スペクトルを測定した。測定した
画素スペクトルを各測定部について平均し、色度を求め
た。D65光源での反射領域色度、紫外LEDと赤緑青
蛍光体とを組み合わせた3波長型LEDでの透過領域色
度ならびにRGB各色のLEDを組み合わせた3波長型
LEDでの透過領域色度を表11に示す。
【0072】
【表11】
【0073】比較例8 熱処理後の膜厚が1.2μmとなるようにスピンナーで
カラーペースト(G−4)を塗布したこと、反射用領域
内での透明領域率が27%となるフォトマスクを使用し
たこと、カラーペースト(G−5)を塗布しないこと以
外は実施例3と同様にして、カラーフィルターを作製し
た。このとき緑画素の透過用領域をC光源を通したとき
の色度(x、y)は(0.321、0.541)であっ
た。この様にして得られたカラーフィルター基板につい
て、基板中央部の1つの画素、基板のそれぞれの角部の
4つの画素について、分光スペクトルを測定した。測定
した画素スペクトルを各測定部について平均し、色度を
求めた。D65光源での反射領域色度、紫外LEDと赤
緑青蛍光体とを組み合わせた3波長型LEDでの透過領
域色度ならびにRGB各色のLEDを組み合わせた3波
長型LEDでの透過領域色度を表12に示す。
【0074】
【表12】
【0075】比較例9 赤画素、緑画素については、比較例8と同様に加工し、
青画素については、カラーペースト(B−4)を塗布、
フォトリソ加工し、透過用領域に着色層を形成した。こ
のときの青画素膜厚は1.2μmで、C光源を通したと
きの色度(x、y)は(0.138,0.127)であ
った。また、スピンナーでカラーペースト(B−2)を
塗布し、フォトリソ加工し、青画素の反射用領域に青着
色層を形成した。青画素の反射用領域の膜厚は、1.1
μmで、C光源を通したときの色度(x、y)は(0.
210、0.243)であった。この様にして得られた
カラーフィルター基板について、基板中央部の1つの画
素、基板のそれぞれの角部の4つの画素について、分光
スペクトルを測定した。測定した画素スペクトルを各測
定部について平均し、色度を求めた。D65光源での反
射領域色度、紫外LEDと赤緑青蛍光体とを組み合わせ
た3波長型LEDでの透過領域色度ならびにRGB各色
のLEDを組み合わせた3波長型LEDでの透過領域色
度を表13に示す。
【0076】
【表13】
【0077】比較例10 緑画素、青画素については、比較例8と同様に加工し、
赤画素については、カラーペースト(R−4)を塗布、
フォトリソ加工し、透過用領域に着色層を形成した。こ
のときの赤画素膜厚は1.2μmで、C光源を通したと
きの色度(x、y)は(0.567、0.310)であ
った。また、スピンナーでカラーペースト(R−2)を
塗布し、フォトリソ加工し、赤画素の反射用領域に赤着
色層を形成した。赤画素の反射用領域の膜厚は1.1μ
mで、C光源を通したときの色度(x、y)は(0.4
27、0.290)であった。この様にして得られたカ
ラーフィルター基板について、基板中央部の1つの画
素、基板のそれぞれの角部の4つの画素について、分光
スペクトルを測定した。測定した画素スペクトルを各測
定部について平均し、色度を求めた。D65光源での反
射領域色度、紫外LEDと赤緑青蛍光体とを組み合わせ
た3波長型LEDでの透過領域色度ならびにRGB各色
のLEDを組み合わせた3波長型LEDでの透過領域色
度を表14に示す。
【0078】
【表14】
【0079】比較例8〜10で作製したカラーフィルタ
ーを用いた半透過型液晶表示装置と実施例3のカラーフ
ィルターを用いた液晶表示装置との表示特性の違いを透
過表示については暗室で、反射表示については屋外の環
境光下で比較した。なお、透過モードに使用する光源は
紫外LEDと赤緑青蛍光体とを組み合わせた3波長型L
ED(豊田合成(株)製)ならびにRGB各色のLED
を組み合わせた3波長型LED(シャープ(株)製"GM4
WA10350A")を用いた。実施例3のカラーフィルターを
用いた液晶表示装置は比較例8〜10のカラーフィルタ
ーを用いた液晶表示装置に比べ、非常に明るい良好な表
示特性を示した。比較例8〜10の液晶表示装置は実施
例3に比べると反射モードでの明るさが暗く、視認性が
非常に悪かった。これは、実施例3のカラーフィルター
の白の反射領域輝度が比較例8〜10のカラーフィルタ
ーよりも明るいからであると推測される。
【0080】透過表示の色再現性が22%の場合(実施
例1、比較例1〜3)の反射表示の明るさの向上効果に
比べて、透過表示の色再現性が60%の場合(実施例
3、比較例8〜10)の明るさ向上効果は大きく、色再
現範囲の高い領域で特に本発明の効果が高いことがわか
った。また、2波長型のLED光源を用いた実施例2に
比べ、3波長型のLED光源を用いた実施例3は、非常
に明るく、3波長型LED光源との組み合わせは、特に
明るさの向上効果が高くなることがわかった。
【0081】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したので、反
射モードと透過モードでの色度差を少なくし、かつ色特
性に優れ、明るい反射表示を可能とする半透過型液晶表
示装置用カラーフィルターならびに半透過型液晶表示装
置を安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用されるカラーフィルターの断面図
【図2】本発明で使用される3波長型光源のスペクトル
例(紫外LED+赤緑青蛍光体)
【図3】本発明で使用される3波長型光源のスペクトル
例(赤緑青LEDの組み合わせ)
【図4】従来の2波長型LED光源のスペクトル例
【符号の説明】
1 :透明基板 2 :ブラックマトリックス 3 :着色層 4 :反射用領域 5 :透過用領域 6B:青画素領域 6G:緑画素領域 6R:赤画素領域 7 :透明領域 8 :オーバーコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA02 BA11 BA45 BA48 BA58 BB02 BB07 BB13 BB14 BB15 BB37 BB42 2H091 FA02Y FA45 FB13 FC10 FC26 FC29 FC30 FD04 FD13 FD24 LA03 LA12 LA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤、青、緑の画素のうちの少なくとも一
    色の画素が透過用領域と反射用領域を含んだカラーフィ
    ルターであって、緑画素が2種類以上の着色層からなる
    ことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター。
  2. 【請求項2】 少なくとも一色の画素において、透過用
    領域と反射用領域が同一着色層からなり、反射用領域に
    は透明領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の液
    晶表示装置用カラーフィルター。
  3. 【請求項3】透過用領域の色度(x0,y0)と反射用
    領域の色度(x、y)の色度差δが以下の色を満たす画
    素を含まないことを特徴とする請求項1、2に記載の液
    晶表示素子用カラーフィルター。 δ=(x−x0)2+(y−y0)2≧1×10-3
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のカラーフ
    ィルターを用いたものである液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 バックライト光源として、3波長型のL
    ED光源を具備してなる請求項4に記載の液晶表示装
    置。
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US9247614B2 (en) 2012-07-27 2016-01-26 Samsung Display Co., Ltd. Organic light-emitting display device

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