JP2003106771A - ロータリーキルンおよびこれを用いた可燃性廃棄物の処理方法 - Google Patents

ロータリーキルンおよびこれを用いた可燃性廃棄物の処理方法

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    • C04B7/36Manufacture of hydraulic cements in general
    • C04B7/43Heat treatment, e.g. precalcining, burning, melting; Cooling
    • C04B7/44Burning; Melting
    • C04B7/4407Treatment or selection of the fuel therefor, e.g. use of hazardous waste as secondary fuel ; Use of particular energy sources, e.g. waste hot gases from other processes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投入した可燃性廃棄物を効率良く燃焼させる
ことができるようにする。 【解決手段】 主燃料バーナ10及び可燃性廃棄物燃焼
バーナ11を備えたセメントクリンカ製造用のロータリ
ーキルンにおいて、可燃性廃棄物バーナ11を、ロータ
リーキルン1の回転中心から下ろした鉛直線1aと、こ
の鉛直線1aに対して上記回転中心回りにロータリーキ
ルン1の回転方向Xに110度傾く直線1bとの範囲に
設けることにより、可燃性廃棄物Sがセメントクリンカ
Cの上に降下するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチック等
の可燃性廃棄物を補助燃料として用いるロータリーキル
ン及びこれを用いた可燃性廃棄物の処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物の発生量は年々増加の一途を
たどっている。その処理方法としては埋め立て処理、焼
却処理等が知られている。しかし、埋め立て場の確保が
難しくなってきていることから、焼却処理が注目を浴び
てきている。かかる産業廃棄物の中でも廃プラスチック
等の可燃性廃棄物は、焼却によって充分な熱量を発生す
るため、その燃焼によって生じる熱量を有効に利用すべ
く、各種の燃焼炉の燃料として利用されつつある。
【0003】例えば、廃プラスチック等の可燃性廃棄物
を燃料として利用する方法として、その破砕品をセメン
ト焼成設備のロータリーキルンの窯前部からロータリー
キルン内に空気流に乗せて吹き込んで燃焼させ、主燃料
として使用する微粉炭の使用量を削減する技術が以前よ
り知られている。
【0004】そして、例えば、特開2000−3190
49号公報には、主燃料バーナの上側に可燃性廃棄物バ
ーナを設けて、可燃性廃棄物を主燃料による火炎中に投
入させることにより、ロータリーキルン壁への着地前に
空間燃焼を完了させるロータリーキルンが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ロータリーキルンにおいては、主燃料の火炎中に投入し
た可燃性廃棄物の周囲が酸素不足となるため、必ずしも
可燃性廃棄物を効率良く燃焼させることができないとい
う問題があった。
【0006】この発明は、上記事情を考慮し、投入した
可燃性廃棄物を効率良く燃焼させることのできるロータ
リーキルンおよびこれを用いた可燃性廃棄物の処理方法
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るロ
ータリーキルンは、主燃料バーナ及び可燃性廃棄物バー
ナを備えたセメントクリンカ製造用のロータリーキルン
において、上記可燃性廃棄物バーナを、上記ロータリー
キルンの回転中心から下ろした鉛直線と、この鉛直線に
対して上記回転中心回りに上記ロータリーキルンの回転
方向に110度傾く直線との範囲に設けたことを特徴と
している。
【0008】請求項2の発明に係るロータリーキルンを
用いた可燃性廃棄物の処理方法は、セメントクリンカ製
造用のロータリーキルン内を加熱するために、主燃料バ
ーナに加えて設けられた可燃性廃棄物バーナによる可燃
性廃棄物の処理方法において、上記可燃性廃棄物バーナ
から投入する可燃性廃棄物を、上記ロータリーキルンの
回転中心から下ろした鉛直線と、この鉛直線に対して上
記回転中心回りに上記ロータリーキルンの回転方向に1
10度傾く直線との範囲であって、かつ上記セメントク
リンカの上に降下するようにしたことを特徴としてい
る。
【0009】請求項1及び2の発明では、可燃性廃棄物
バーナを、上記ロータリーキルンの回転中心から下ろし
た鉛直線と、この鉛直線に対して上記回転中心回りに上
記ロータリーキルンの回転方向に110度傾く直線との
範囲に設けているので、可燃性廃棄物バーナから投入さ
れた可燃性廃棄物がロータリーキルンのセメントクリン
カ上に降下することになる。すなわち、セメントクリン
カは、ロータリーキルンの回転に伴って、周方向に掻き
上げられてはその上端部から崩れ落ちることを繰り返す
ため、上記110度の範囲に斜めに滞留した状態にな
る。このため、この110度の範囲に位置する可燃性廃
棄物バーナから投入される可燃性廃棄物は、セメントク
リンカ上に降下することになる。
【0010】そして、可燃性廃棄物は、掻き上げられて
はその上端部から崩れ落ちる約1400℃のセメントク
リンカ上に降下することになるので、該セメントクリン
カから極めて効率良く熱を受けると共に、ロータリーキ
ルン内に供給される2次空気とも極めて効率よく触れ合
うことになる。従って、可燃性廃棄物の燃焼効率の向上
を図ることができると共に、この燃焼効率の向上による
高温の作用によってフリーライムが下がるため最終的に
強度の高いセメントを得ることができる。また、可燃性
廃棄物の焼却灰は、セメントの製造原料の一部として有
効に利用できる。
【0011】さらに、可燃性廃棄物バーナからの可燃性
廃棄物の到達距離を短くすることによって、該可燃性廃
棄物の滞空時間を短くしても問題がないので、可燃性廃
棄物を投入するための例えば吹き出しブロワーの容量を
小さくすることができる。したがって、ブロワーの小型
化及び消費エネルギの低減を図ることができるので、セ
メントの製造コストの低減を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明のロータリーキルン
の概略構成図、図2は図1のII−II線に沿う断面図であ
る。
【0013】図1において、被焼成物であるセメント原
料は、ロータリーキルン1内の上流端である窯尻部側
(図中左側)から投入され、ロータリーキルン1内を矢
印Yのように、下流側である窯前部1A側(図中右側)
に移動しならが焼成され、焼成されたセメントクリンカ
Cは、窯前部1Aの下部に接続されたクリンカクーラー
2に落ちてさらに下流側に移動しながら二次空気Dによ
って冷却される。この二次空気Dは、クリンカクーラー
2においてセメントクリンカCから熱を吸収して高温に
なると共に、窯前部1Aを通ってロータリーキルン1内
を上流側に流れる。
【0014】ロータリーキルン1の下流端である窯前部
1Aの端壁1Aaには、主燃料である微粉炭Tをブロワ
ーB1から供給される一次空気と共にロータリーキルン
1内に吹き込む円筒形状の主燃料バーナ10が設けられ
ている。この主燃料バーナ10は、主燃料である微粉炭
Tを一次空気と共に、窯前部1Aから窯尻部の方向に向
かって吹き出して、微粉炭Tを燃焼させるものである。
さらに、主燃料バーナ10は、図2に示すように、窯前
部1Aの端壁1Aaにおけるロータリーキルン1の回転
中心に対応する位置に配置されており、微粉炭Tを該ロ
ータリーキルン1の回転中心軸に沿って吹き出すように
なっている。
【0015】また、窯前部1Aの端壁1Aaには、図1
に示すように、廃プラスチック等の可燃性廃棄物Sであ
って細かく砕いたものを補助燃料用のブロワーB2から
供給される補助一次空気と共にロータリーキルン1内に
吹き込む円筒形状の可燃性廃棄物バーナ11が設けられ
ている。この可燃性廃棄物バーナ11は、図2に示すよ
うに、ロータリーキルン1の回転中心から下ろした鉛直
線1aと、この鉛直線1aに対して上記回転中心回りに
上記ロータリーキルン1の回転方向Xに110度傾く直
線1bとの範囲内に配置されている。すなわち、可燃性
廃棄物バーナ11は、主燃料バーナ10が存在する部分
以外の上記範囲内にあって、外周面が鉛直線1aに接す
る位置や、直線1bに接する位置に設けてもよい。
【0016】さらに、可燃性廃棄物バーナ11は、その
可燃性廃棄物Sの吹出口が、ロータリーキルン1の軸線
に直交する断面において、後述するセメントクリンカC
が滞留する部分と重なる位置にあってもよい。ただし、
この場合には、吹出口が斜め上方に位置するように可燃
性廃棄物燃焼バーナ11を傾けて設置し、吹き出した可
燃性廃棄物SがセメントクリンカC上に降下するように
することになる。
【0017】また、セメントクリンカCは、窯前部1A
側に移動する間に、原料の一部が溶融するまで灼熱され
て粒状態となり、ロータリーキルン1の内周面に沿って
その回転方向に掻き上げられると共に、上端部から崩れ
落ちることを繰り返しながら、さらに窯前部1A側に移
動してクリンカクーラー2に落ちることになる。
【0018】そして、セメントデータブック(Cement d
ata book / Walter H.Duda.-Wiesbaden; Berlin:Bauver
lag Bd. 1 bis 2 Aufl. ausserdem im Verl. Macdonld
andEvans,London )によれば、鉛直線1aを基準にし
て、ロータリーキルン1の回転中心回りにその回転方向
Xに傾く角度であって、セメントクリンカCが滞留する
部分の角度αと、ロータリーキルン1内のセメントクリ
ンカCの充填率との関係は、表1のようになる。
【0019】
【表1】
【0020】一方、生産技術専門委員会報告(T−20
焼成工程に関する実態調査 1996年9月 社団法
人 セメント協会)によれば、国内全キルンの充填率
は、3.0〜10.3%の範囲にある。したがって、鉛
直線1aと直線1bとのなす角度αを110度にしてお
けば、例えば15.65%の充填率であっても、斜めに
滞留するセメントクリンカCの上に可燃性廃棄物Sを降
下させることが可能となる。
【0021】次に、本発明の可燃性廃棄物の処理方法
を、上記ロータリーキルン1の作用効果と共に説明す
る。
【0022】セメントクリンカCを製造するに当たり、
主燃料用のブロワーB1から供給した一次空気を、微粉
炭Tと共に主燃料バーナ10から吹き出して燃焼を行
う。一方、補助燃料用のブロワーB2から供給される補
助一次空気を、例えば廃プラスチックを細かく砕いた可
燃性廃棄物Sと共に可燃性廃棄物バーナ11から吹き出
して燃焼を行う。
【0023】可燃性廃棄物Sは、主燃料バーナ10の火
炎からの輻射熱や、高温のセメントクリンカCからの輻
射熱や、クリンカクーラー2においてセメントクリンカ
Cから熱を吸収して高温となった二次空気Dからの熱
や、その他からの熱を受けて高温となり、該二次空気D
の高温雰囲気中で燃焼を開始することになる。そして、
燃焼を開始した可燃性廃棄物Sは、可燃性廃棄物バーナ
11が上記角度αの範囲に設けられていることから、所
定量空中を移動した後にセメントクリンカC上に降下す
る。
【0024】また、ロータリーキルン1内では、セメン
トクリンカCが周方向に掻き上げられてはその上端部か
ら崩れ落ちることを繰り返すため、上記角度αの範囲に
斜めに滞留した状態になる。
【0025】このため、可燃性廃棄物Sは、掻き上げら
れてはその上端部から崩れ落ちる約1400℃のセメン
トクリンカC上に降下し、該セメントクリンカCから極
めて効率良く熱を受けると共に、ロータリーキルン1内
に供給される2次空気とも極めて効率よく混合されるこ
とになる。従って、可燃性廃棄物Sが極めて効率よく燃
焼すると共に、この燃焼効率の向上による高温の作用に
よってフリーライムが下がるため最終的に強度の高いセ
メントを得ることができる。なお、可燃性廃棄物Sの焼
却灰は、セメントの製造のために必要な原料の一部とな
る。
【0026】また、可燃性廃棄物Sの燃焼を空中で終了
させるために、可燃性廃棄物Sを遠くまで飛翔させる必
要がないので、可燃性廃棄物Sを投入するための補助燃
料用のブロワーB2の吹き出し容量を小さくすることが
できる。したがって、ブロワーB2の小型化及び消費電
力の低減を図ることができるので、結局、セメントの製
造コストの低減を図ることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2に
記載の発明によれば、可燃性廃棄物がセメントクリンカ
から極めて効率良く熱を受けると共に、ロータリーキル
ン内に供給される二次空気とも極めて効率よく触れ合う
ことになる。従って、可燃性廃棄物の燃焼効率の向上を
図ることができると共に、この燃焼効率の向上による高
温の作用によってフリーライムが下がるため最終的に強
度の高いセメントを得ることができる。また、可燃性廃
棄物の焼却灰は、セメントの製造原料の一部として有効
に利用することができる。
【0028】さらに、可燃性廃棄物バーナから投入する
可燃性廃棄物の到達距離を短くすることができるので、
可燃性廃棄物を投入するための例えば吹き出しブロワー
の容量を小さくすることができる。したがって、ブロワ
ーの小型化及び消費エネルギの低減を図ることができる
ので、セメントの製造コストの低減を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態として示したロータリ
ーキルンの概略構成図である。
【図2】同ロータリーキルンであって、図1のII−II線
に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 ロータリーキルン 1a 鉛直線 1b 直線 10 主燃料バーナ 11 可燃性廃棄物バーナ B2 可燃性廃棄物投入用の吹き出しブロワー C セメントクリンカ D 二次空気 S 可燃性廃棄物 X 回転方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主燃料バーナ及び可燃性廃棄物バーナを
    備えたセメントクリンカ製造用のロータリーキルンにお
    いて、 上記可燃性廃棄物バーナを、上記ロータリーキルンの回
    転中心から下ろした鉛直線と、この鉛直線に対して上記
    回転中心回りに上記ロータリーキルンの回転方向に11
    0度傾く直線との範囲に設けたことを特徴とするロータ
    リーキルン。
  2. 【請求項2】 セメントクリンカ製造用のロータリーキ
    ルン内を加熱するために、主燃料バーナに加えて設けら
    れた可燃性廃棄物バーナによる可燃性廃棄物の処理方法
    において、 上記可燃性廃棄物バーナから投入する可燃性廃棄物を、
    上記ロータリーキルンの回転中心から下ろした鉛直線
    と、この鉛直線に対して上記回転中心回りに上記ロータ
    リーキルンの回転方向に110度傾く直線との範囲であ
    って、かつ上記セメントクリンカの上に降下するように
    したことを特徴とするロータリーキルンを用いた可燃性
    廃棄物の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005225736A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Mitsubishi Materials Corp ロータリーキルンおよびこれを用いた可燃性廃棄物の処理方法
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