JP3678184B2 - ロータリーキルンの燃料燃焼方法及び燃焼装置 - Google Patents

ロータリーキルンの燃料燃焼方法及び燃焼装置 Download PDF

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    • C04B7/44Burning; Melting
    • C04B7/4407Treatment or selection of the fuel therefor, e.g. use of hazardous waste as secondary fuel ; Use of particular energy sources, e.g. waste hot gases from other processes

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃プラスチック等の可燃性廃棄物をセメント焼成の補助燃料として有効利用しながらセメントクリンカを製造する場合に利用するロータリーキルン用燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物の発生量は年々増加の一途をたどっている。その処理方法としては埋め立て処理、焼却処理等が知られている。しかし、埋め立て場の確保が難しくなってきていることから、焼却処理が注目を浴びてきている。かかる産業廃棄物の中でも廃プラスチック等の可燃性廃棄物は、焼却によって十分な熱量を発生するため、その燃焼によって生じる熱量を有効に利用するべく、各種の燃焼炉の燃料として使用されつつある。
【0003】
例えば、廃プラスチック等の可燃性廃棄物を燃料として利用する方法として、その破砕品をセメント焼成設備のロータリーキルンの窯前部からロータリーキルン内に空気流に乗せて吹き込んで燃焼させ、主燃料として使用している微粉炭の使用量を削減する技術が以前より知られている。
【0004】
その例として、
(1)特開平8−283052号公報
(2)特開2001−58857号公報
(3)特開2001−12705号公報
(4)特開2000−310410号公報
等に示されるものが知られている。
【0005】
上記(1)、(2)の公報には、主燃料バーナーの上部に別の専用バーナーを設けて、そこから可燃性廃棄物を吹き込む例、(3)、(4)の公報には、主燃料バーナーの中心部に専用のバーナーを組み込んで、主燃料バーナーの中心部から可燃性廃棄物を吹き込む例が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記(1)、(2)の公報に記載の技術のように、主燃料バーナーの上に位置する専用バーナーから可燃性廃棄物を水平に吹き込んだ場合、比較的温度の低い二次空気中への吹き込みとなるため、可燃性廃棄物の着火が遅いという問題がある。また、(3)、(4)の公報に記載の技術のように、主燃料バーナーの中心から可燃性廃棄物を吹き込んだ場合、吹き込んだ部分の外周側で微粉炭が燃焼するため、吹き込まれた可燃性廃棄物の周囲での酸素濃度が低下し、同じく燃焼速度が遅くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮し、吹き込んだ可燃性廃棄物を速やかに燃焼させることができて、燃焼性の改善を図ることのできるロータリーキルンの燃料燃焼方法及び燃焼装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るロータリーキルンの燃料燃焼方法は、円筒外壁の内側に同心状に、外側一次空気吹出口、主燃料吹出口、内側一次空気吹出口が外周側から中心側に向けて順番に設けられ、前記主燃料吹出口が、円周方向に配列され且つ互いに画成された複数の主燃料吹出通路の群として構成された主燃料バーナーから、主燃料及び一次空気をロータリーキルン内に吹き出して燃焼させる方法において、前記複数の主燃料吹出通路の一部を、補助燃料として可燃性廃棄物をロータリーキルン内に吹き出すための補助燃料吹出通路として転用し、他の主燃料吹出通路から主燃料を吹き出すと共に、前記補助燃料吹出通路として転用した主燃料吹出通路から可燃性廃棄物を吹き出してロータリーキルン内で混合燃焼させることを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記主燃料として微粉炭を送給し、前記可燃性廃棄物として廃プラスチック、古紙、厚木材、繊維くず、ゴムくずの少なくとも一種を送給することを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記補助燃料吹出通路として使用する主燃料吹出通路が、主燃料バーナーの半分から上側で、且つ、ロータリーキルンの運転時にセメントクリンカの滞留する側に位置するものであることを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明に係るロータリーキルンの燃料燃焼装置は、円筒外壁の内側に同心状に、外側一次空気吹出口、主燃料吹出口、内側一次空気吹出口が、外周側から中心側に向けて順番に設けられ、前記主燃料吹出口が、円周方向に配列され且つ互いに画成された複数の主燃料吹出通路の群として構成された主燃料バーナーと、該主燃料バーナーの前記主燃料吹出通路に個別に主燃料を空気流に乗せて送給し得る主燃料送給手段とを有し、前記主燃料吹出口及び一次空気吹出口からそれぞれ主燃料及び一次空気を吹き出すことにより主燃料を燃焼させる装置であって、前記複数の主燃料吹出通路の一部を、補助燃料として可燃性廃棄物をロータリーキルン内に吹き出すための補助燃料吹出通路として転用し、その補助燃料吹出通路に補助燃料としての可燃性廃棄物を送給する可燃性廃棄物送給手段を接続したことを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明に係るロータリーキルンの燃料燃焼装置は、円筒外壁の内側に同心状に、外側一次空気吹出口、主燃料吹出口、内側一次空気吹出口が、外周側から中心側に向けて順番に設けられ、前記主燃料吹出口が、円周方向に配列され且つ互いに画成された複数の主燃料吹出通路の群として構成された主燃料バーナーと、該主燃料バーナーの前記主燃料吹出通路に個別に主燃料を空気流に乗せて送給し得る主燃料送給手段とを有し、前記主燃料吹出口及び一次空気吹出口からそれぞれ主燃料及び一次空気を吹き出すことにより主燃料を燃焼させる装置であって、前記複数の主燃料吹出通路の一部を、補助燃料の吹き出しが可能な補助燃料吹出通路として構成し、その補助燃料吹出通路に、補助燃料を空気流に乗せて送給する補助燃料送給手段と主燃料を空気流に乗せて送給する主燃料送給手段とを切り替え可能に接続したことを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4または5において、前記主燃料として微粉炭を送給し、前記可燃性廃棄物として廃プラスチック、古紙、厚木材、繊維くず、ゴムくずの少なくとも一種を送給することを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明は、請求項4〜6にいずれかにおいて、前記補助燃料吹出通路として使用する主燃料吹出通路が、主燃料バーナーの半分から上側で、且つ、ロータリーキルンの運転時にセメントクリンカの滞留する側に位置するものであることを特徴としている。
【0015】
請求項1〜7の発明では、主燃料バーナーの同一円周上に配列された主燃料吹出通路の一部を使って、可燃性廃棄物をロータリーキルン内に吹き出すので、主燃料の吹き出しによって安定燃焼している火炎の中に可燃性廃棄物を吹き込むことができ、そのため、セメントクリンカの輻射熱(約1400℃)や主燃料バーナーの火炎輻射熱(約1700℃以上)等の高温雰囲気に可燃性廃棄物を直接長時間接触させることができ、燃焼速度の遅い廃プラスチックや難燃性の可燃性廃棄物であっても、また、あまり可燃性廃棄物を細かく破砕しないでも、速やかに燃焼させることができる。また、ロータリーキルンへの吹き出し直後に、クーラーからロータリーキルン内に呼び込まれて高温に加熱された純粋な二次空気にも接触させることができるため燃焼速度が早まる。
【0016】
特に請求項4の発明では、可燃性廃棄物専用の吹き出しであるため(主燃料との混合吹き出しではないため)、バーナー火炎の燃焼状態やロータリーキルンの状態の変化に応じて、可燃性廃棄物の供給量をコントロールすることができ、常時安定した燃焼条件を維持できる。
【0017】
また請求項5の発明では、可燃性廃棄物の吹き出しに使用する吹出通路に、補助燃料送給手段と主燃料送給手段の両方を切り替え可能に接続したから、必要なときだけ可燃性廃棄物をロータリーキルン内に吹き出すことができる。
【0018】
また、請求項2、6の発明では、微粉炭を主燃料として用いながら、廃プラスチック等を有効に処分することができる。
【0019】
また、請求項3、7の発明では、可燃性廃棄物の吹き出し箇所を、ロータリーキルンの回転方向に応じた特定の箇所に限定したことにより、燃料利用効率を最も高くできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のロータリーキルン用燃焼装置の概略構成図、図2は図1のII−II矢視図、図3は前記燃焼装置を構成する主燃料バーナーの構成図で、(a)はバーナー先端部の断面図、(b)はバーナー先端部の正面図、図4は主燃料バーナーの各主燃料吹出通路に対する燃料供給系統の構成図である。
【0021】
図1において、被焼成物であるセメント原料は、ロータリーキルン1内の上流端である窯尻部側(図中右側)から投入され、ロータリーキルン1内を矢印Yのように、下流側である窯前部1A側(図中左側)に移動しながら焼成され、焼成されたセメントクリンカは、窯前部1Aの下部に接続されたクリンカクーラー2に落ちて移動しながら冷却される。
【0022】
ロータリーキルン1の下流端である窯前部1Aには、主燃料である微粉炭を一次空気と共にロータリーキルン1内に吹き込む円筒形状の主燃料バーナー10が設けられている。この主燃料バーナー10は、主燃料である微粉炭を一次空気と共に、窯前部1Aから窯尻部の方向に向かって吹き出して、微粉炭を燃焼させるものである。この主燃料バーナー10は、図3に示すように、円筒の中心部に着火バーナー挿入孔11を有すると共に、その外周部に、微粉炭吹出口(主燃料吹出口)12及び一次空気吹出口13、14、15を有するものである。
【0023】
更に詳述すると、この主燃料バーナー10は、円筒形状のもので、円筒外壁に近い側から中心に向けて順に同心状に配置された、外側一次空気吹出口13、微粉炭吹出口12、内側一次空気吹出口14、中心部周辺一次空気吹出口15、着火バーナー挿入孔11を有している。
【0024】
外側一次空気吹出口13は、円筒外壁の内側に円周方向に等間隔で配列された多数の小孔13aの群(集合)よりなり、各小孔13aは、主燃料バーナー10の軸線方向と平行な方向に一次空気を吹き出すことができるように開けられている。
【0025】
微粉炭吹出口12を挟んで更に内側に配された内側一次空気吹出口14は、微粉炭吹出口12の内側に円周方向に密接して配列された多数の斜め噴射孔14aの群(集合)よりなり、各斜め噴射孔14aは、主燃料バーナー10の軸線方向に対して捻れた関係で外向きに放射状に開けられ、一次空気を外周方向に旋回流として吹き出すことができるようになっている。
【0026】
その更に内側に着火バーナー挿入孔11を取り囲むように設けられた中心部周辺一次空気吹出口15は、多数の微細小孔15aの群(集合)よりなり、各微細小孔15aは、主燃料バーナー10の軸線方向と平行な方向に一次空気を吹き出すことができるように開けられている。
【0027】
また、微粉炭吹出口12は、円筒空間を軸線方向及び半径方向に沿った間仕切り壁12bで仕切った多数(図示例では12個)の微粉炭吹出通路(主燃料吹出通路・微粉炭吹出チャンネルとも言う)12aの群(集合)よりなり、各微粉炭吹出通路12aは同一円周上に等間隔(所定のピッチ)で配列され、主燃料バーナー10の軸線方向と平行な方向に微粉炭を搬送空気流に乗せて吹き出せるようになっている。
【0028】
ここでは、図3(b)に示すように、12個の微粉炭吹出通路12aにA〜Lの12個の符号を付して区別できるようにしている。バーナー正面から見た場合を時計に見立てると、12時〜1時の位置にある微粉炭吹出通路12aに符号Aを付し、後は時計回りに順番に符号を振り、11時〜12時の位置にある微粉炭吹出通路12aに符号Lを付してある。この主燃料バーナー10はロータリーキルン1の中心に挿入され、図3(b)の12時の位置がちょうど真上に位置するような向きで配置されている。
【0029】
図4に示すように、A〜Lまでの12個の微粉炭吹出通路12aのうちA〜Iまでの9個の微粉炭吹出通路12aには、個別に微粉炭T(ここではホッパ内の内容物を指している)を空気流に乗せて送給する微粉炭供給ライン(主燃料送給ライン)20のみが接続されている。また、残るJ、K、Lの3個の微粉炭吹出通路12aには、個別に微粉炭Tを空気流に乗せて送給する微粉炭供給ライン20と、個別に可燃性廃棄物S(同じくホッパ内の内容物を指している)を空気流に乗せて送給する可燃性廃棄物供給ライン(補助燃料送給手段)30とが、それぞれ切り替え可能に接続され、必要に応じて微粉炭吹出通路12aを可燃性廃棄物吹出通路(補助燃料吹出通路)として利用できるようになっている。ここで、可燃性廃棄物としては主に廃プラスチックを使用するが、それ以外に古紙、厚木材、繊維くず、ゴムくず等を、単独または混合して使用することができる。各ライン20、30は、供給ホッパ36、バルブ37、及び、図示しない空気圧送手段を備えており、微粉炭吹出通路12aのJ、K、Lに接続されたラインは、バルブ37の開閉により、微粉炭と可燃性廃棄物のどちらのホッパ36の燃料を送給するかを択一的に選択できるようになっている。
【0030】
ここで、可燃性廃棄物を送給することの可能なJ、K、Lの3個の微粉炭吹出通路12aは、図2に示すように、主燃料バーナー10の半分から上側で且つロータリーキルン1の運転時(回転方向X)にセメントクリンカMの滞留する側に位置するものとされている。
【0031】
次に前記のロータリーキルン用燃焼装置の作用を説明する。なお、本発明の燃焼方法の実施形態は作用の説明に含まれる。
【0032】
セメントクリンカを製造するに当たり、主燃料バーナー10に微粉炭及び一次空気を送り、主燃料バーナー10の微粉炭吹出口12及び一次空気吹出口13、14、15から、微粉炭及び一次空気を吹き出して微粉炭を燃焼させる。このとき、必要に応じて、J、K、Lの3個の微粉炭吹出通路12aには、可燃性廃棄物Sのホッパ36から可燃性廃棄物Sの破砕品を送り込み、他のA〜Iまでの微粉炭吹出通路12aからの微粉炭の吹き出しと同様に、可燃性廃棄物Sの破砕品をロータリーキルン内に吹き出して燃焼させる。これにより、ロータリーキルン1内でセメントクリンカの焼成作用が進み、所定品質のセメントクリンカが生成される。
【0033】
この場合、主燃料バーナー10の同一円周上に配された微粉炭吹出通路12aの一部を使って、可燃性廃棄物Sをロータリーキルン1内に吹き出すので、微粉炭Tの吹き出しによって安定燃焼している火炎の中に可燃性廃棄物Sを吹き込むことができる。そのため、セメントクリンカの輻射熱(約1400℃)や主燃料バーナー10の火炎輻射熱(約1700℃以上)等の高温雰囲気に可燃性廃棄物Sを直接長時間接触させることができ、燃焼速度の遅い廃プラスチックや難燃性の可燃性廃棄物であっても、また、あまり可燃性廃棄物Sを細かく破砕しない場合でも、速やかに燃焼させることができる。
【0034】
また、ロータリーキルン1への吹き出し直後にクーラー2からロータリーキルン1内に呼び込まれて、主にバーナー火炎やクリンカの輻射熱によって更に加熱された高温で且つ純粋な二次空気にも直接接触させることができるため、燃焼速度が早まる。しかも、可燃性廃棄物専用の吹き出しであるため(微粉炭との混合吹き出しではないため)、バーナー火炎の燃焼状態やロータリーキルン1の状態の変化に応じて、可燃性廃棄物Sの供給量をコントロールすることができ、常時安定した燃焼条件を維持できる。
【0035】
また、この燃焼装置の場合、可燃性廃棄物Sの吹き出しを行わない場合は、通常のように微粉炭を、J、K、Lの3つの微粉炭吹出通路12aから吹き出すことができる。また、可燃性廃棄物Sの吹き出し箇所を、図2に示すように、ロータリーキルン1の回転方向に応じた特定の箇所(J、K、L)に限定したことにより、燃料利用効率を最も高くすることができる。
【0036】
なお、可燃性廃棄物(主に廃プラスチックの破砕片)Sを吹き出す場合の条件は次のように設定する。
(1)可燃性廃棄物Sの破砕品1個の最大寸法は15〜20mm程度に設定する。また、形状は、塊状または薄片状(フィルムやシートの場合)にしておく。
(2)可燃性廃棄物Sの吹き出し速度は、30m/sec以下にする。最適吹き出し速度は15〜25m/s(微粉炭の吹き出し速度と同程度)である。これより速いと、燃焼用空気との接触時間が短くなるため燃焼不良となる。これより遅いと、可燃性廃棄物Sが元の微粉炭吹出通路12aに引っ掛かって、吹き出しが順調にできなくなる。
(3)微粉炭吹出通路12aの幅X〔図3(b)参照〕は10〜50mm程度とするのが望ましく、また、長さY〔同〕は30〜200mmとするのが望ましい。これらの寸法は、可燃性廃棄物Sの粒径に応じて自由に選択するのがよい。例えば、可燃性廃棄物の粒径が15mmであれば、微粉炭吹出通路12aの幅Xを20〜30mmに設定し、長さYを60〜100mmに設定すれば、詰まりを生じない。
(4)可燃性廃棄物Sの吐出方向は微粉炭と同じ直進とする。そうした場合、微粉炭の燃焼と同様に一次空気内筒の旋回空気によって外周に飛ばされるが、高温二次空気や微粉炭火炎の高温に接触され続けることが可能となり、好ましい燃焼条件が維持される。
【0037】
このような条件で可燃性廃棄物(廃プラスチック)をロータリーキルン内に吹き出してセメントクリンカを製造した場合(実施例)と、可燃性廃棄物を吹き出さないでセメントクリンカを製造した場合(比較例)の違いを次表に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003678184
【0039】
この表から分かるように、同じクリンカ生産量を得るために廃プラスチックを吹き出した場合、例えば、微粉炭の使用量を8.1(t/h)から6.7(t/h)に節約することができる。同様に、A、B、CやD、E、Fの微粉炭吹出通路12aからの吹き出しも行ったが、1〜5kcal/kg−cliのエネルギー原単位上昇が見られた(表省略)。
【0040】
なお、上記実施の形態では、J、K、Lの3個の微粉炭吹出通路12aから可燃性廃棄物を吹き出す例を示したが、それ以外の微粉炭吹出通路12aを可燃性廃棄物の吹き出し用に利用してもよい。その場合、熱量利用効率が若干劣るものの、可燃性廃棄物の燃焼に特に問題はない(クリンカ品質に問題は生じない)。また、可燃性廃棄物の吹き出しに利用する吹出通路の数は任意に設定してよい。また、上記実施の形態では、主燃料として微粉炭を例示し、粒状可燃性廃棄物として廃プラスチックを例示したが、それらに限定されるものではない。
【0041】
また、可燃性廃棄物の吹き出し用に転用した吹出通路12aの先端は、ロータリーキルン1内の原料に当たるように外向きに角度を付けてもよいし、主バーナー火炎の中心部に向かうよう内向きに角度を付けてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態では、可燃性廃棄物吹き出し用に転用したJ、K、Lの3つの吹出通路12aに、微粉炭送給ライン20と可燃性廃棄物送給ライン30の両方を切り替え可能に接続した場合を示したが、後者のみを接続することで、J、K、Lの3つの吹出通路12aを、可燃性廃棄物の吹き出し専用としてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、一定間隔の間仕切り壁12bで仕切った3つの微粉炭吹出通路J、K、L(他の通路でも可)からそれぞれに可燃性廃棄物を吹き出す場合を説明したが、可燃性廃棄物の粒径が大きい場合には、通路が狭いために詰まりを生じる可能性が出てくるので、可燃性廃棄物吹き出し用に転用したJ、K、Lの3つの吹出通路12aの間仕切り壁12bを必要に応じて取り去り、3つのJ、K、Lの吹出通路をつなげて、一つの吹出通路として拡大してもよい。その場合、可燃性廃棄物の吹き込み装置(貯蔵、計量、バーナーまでの吹き込み接続管等)は、当初のJ、K、Lの3通路分を1本にまとめても装置化してもよいし、バーナーまではJ、K、Lが個別に仕切られているものとして個別に装置化し、バーナーへ入った時点で可燃性廃棄物がまとめてロータリーキルン内に吹き出されるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜7の発明によれば、ロータリーキルンに吹き込んだ可燃性廃棄物を速やかに燃焼させることができて、燃焼性の改善を図ることができる。従って、燃焼速度の遅い廃プラスチックや難燃性の可燃性廃棄物であっても、有効利用しながら処分することができる。また、あまり可燃性廃棄物を細かく破砕しないでも、燃焼速度を早くすることができる。特に、請求項5の発明によれば、必要なときだけ可燃性廃棄物をロータリーキルン内に吹き出すことができるし、請求項3、7の発明によれば、燃料利用効率を最も高く設定できる。また、本発明によれば、主燃料バーナーから可燃性廃棄物をロータリーキルン内に吹き込むようにしたので、主燃料バーナーとは別に可燃性廃棄物の吹き込み用のバーナーを設ける必要もない。また、既存の主燃料バーナーの主燃料通路の一部を可燃性廃棄物の吹き出し用に転用するだけであるから、主燃料バーナーに特別に手を加える必要もなく、実現が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のロータリーキルン用燃焼装置の概略構成図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】前記燃焼装置を構成する主燃料バーナーの構成図で、(a)はバーナー先端部の断面図、(b)はバーナー先端部の正面図である。
【図4】主燃料バーナーの各主燃料吹出通路に対する燃料供給系統の構成図である。
【符号の説明】
1 ロータリーキルン
1A 窯前部
10 主燃料バーナー
12 微粉炭吹出口(主燃料吹出口)
12a 微粉炭吹出通路(主燃料吹出通路)
13 外側一次空気吹出口
14 内側一次空気吹出口
20 微粉炭送給ライン(主燃料送給手段)
30 可燃性廃棄物送給ライン(可燃性廃棄物送給手段)
T 微粉炭(主燃料)
S 可燃性廃棄物

Claims (7)

  1. 円筒外壁の内側に同心状に、外側一次空気吹出口、主燃料吹出口、内側一次空気吹出口が外周側から中心側に向けて順番に設けられ、前記主燃料吹出口が、円周方向に配列され且つ互いに画成された複数の主燃料吹出通路の群として構成された主燃料バーナーから、主燃料及び一次空気をロータリーキルン内に吹き出して燃焼させるロータリーキルンの燃料燃焼方法において、
    前記複数の主燃料吹出通路の一部を、補助燃料として可燃性廃棄物をロータリーキルン内に吹き出すための補助燃料吹出通路として転用し、他の主燃料吹出通路から主燃料を吹き出すと共に、前記補助燃料吹出通路として転用した主燃料吹出通路から可燃性廃棄物を吹き出してロータリーキルン内で混合燃焼させることを特徴とするロータリーキルンの燃料燃焼方法。
  2. 前記主燃料として微粉炭を送給し、前記可燃性廃棄物として廃プラスチック、古紙、厚木材、繊維くず、ゴムくずの少なくとも一種を送給することを特徴とする請求項1に記載のロータリーキルンの燃料燃焼方法。
  3. 前記補助燃料吹出通路として使用する主燃料吹出通路が、主燃料バーナーの半分から上側で、且つ、ロータリーキルンの運転時にセメントクリンカの滞留する側に位置するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のロータリーキルンの燃料燃焼方法。
  4. 円筒外壁の内側に同心状に、外側一次空気吹出口、主燃料吹出口、内側一次空気吹出口が、外周側から中心側に向けて順番に設けられ、前記主燃料吹出口が、円周方向に配列され且つ互いに画成された複数の主燃料吹出通路の群として構成された主燃料バーナーと、該主燃料バーナーの前記主燃料吹出通路に個別に主燃料を空気流に乗せて送給し得る主燃料送給手段とを有し、前記主燃料吹出口及び一次空気吹出口からそれぞれ主燃料及び一次空気を吹き出すことにより主燃料を燃焼させるロータリーキルンの燃料燃焼装置であって、
    前記複数の主燃料吹出通路の一部を、補助燃料として可燃性廃棄物をロータリーキルン内に吹き出すための補助燃料吹出通路として転用し、その補助燃料吹出通路に補助燃料としての可燃性廃棄物を送給する可燃性廃棄物送給手段を接続したことを特徴とするロータリーキルンの燃料燃焼装置。
  5. 円筒外壁の内側に同心状に、外側一次空気吹出口、主燃料吹出口、内側一次空気吹出口が、外周側から中心側に向けて順番に設けられ、前記主燃料吹出口が、円周方向に配列され且つ互いに画成された複数の主燃料吹出通路の群として構成された主燃料バーナーと、該主燃料バーナーの前記主燃料吹出通路に個別に主燃料を空気流に乗せて送給し得る主燃料送給手段とを有し、前記主燃料吹出口及び一次空気吹出口からそれぞれ主燃料及び一次空気を吹き出すことにより主燃料を燃焼させるロータリーキルンの燃焼装置であって、
    前記複数の主燃料吹出通路の一部を、補助燃料の吹き出しが可能な補助燃料吹出通路として構成し、その補助燃料吹出通路に、補助燃料を空気流に乗せて送給する補助燃料送給手段と主燃料を空気流に乗せて送給する主燃料送給手段とを切り替え可能に接続したことを特徴とするロータリーキルンの燃料燃焼装置。
  6. 前記主燃料として微粉炭を送給し、前記可燃性廃棄物として廃プラスチック、古紙、厚木材、繊維くず、ゴムくずの少なくとも一種を送給することを特徴とする請求項4または5に記載のロータリーキルンの燃料燃焼装置。
  7. 前記補助燃料吹出通路として使用する主燃料吹出通路が、主燃料バーナーの半分から上側で、且つ、ロータリーキルンの運転時にセメントクリンカの滞留する側に位置するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のロータリーキルンの燃料燃焼装置。
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