JP2003106255A - 密閉型圧縮機の製造方法 - Google Patents

密閉型圧縮機の製造方法

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JP2003106255A
JP2003106255A JP2001306137A JP2001306137A JP2003106255A JP 2003106255 A JP2003106255 A JP 2003106255A JP 2001306137 A JP2001306137 A JP 2001306137A JP 2001306137 A JP2001306137 A JP 2001306137A JP 2003106255 A JP2003106255 A JP 2003106255A
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Japan
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main shaft
treatment
compressor
scroll
compound layer
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Application number
JP2001306137A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Fukuhara
弘之 福原
Fumitoshi Nishiwaki
文俊 西脇
Hidenobu Shintaku
秀信 新宅
Takashi Morimoto
敬 森本
Hideo Hirano
秀夫 平野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐焼き付き性など優秀な特性を持つ浸硫窒化
処理の表面は面粗さが粗く、効率が悪くなるという課題
を解決し、浸硫窒化処理の優れた特性を維持しつつ信頼
性と効率の高い圧縮機を実現する。 【解決手段】 浸硫窒化処理後に表面をペーパーでわず
かに削り取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍空調機器等に用
いられて冷媒を圧縮する密閉型圧縮機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】冷凍空調機器の冷媒を圧縮する密閉型圧
縮機は、レシプロ式、ローリングピストン式、スクロー
ル式等の圧縮機構が使用される。これらの圧縮機構は主
軸を介して電動機などの動力源に連結して駆動される
が、圧縮動作により主軸には大きな径方向応力が加わ
り、その結果主軸とこれを軸支するジャーナル軸受との
間は片当りが発生しやすい苛酷な摺動条件となってい
る。以下に、スクロール式の密閉型圧縮機を例に取り図
を用いて従来の技術を説明する。
【0003】図4に従来のスクロール圧縮機の縦断面図
を示す。図4において1は密閉容器であり、圧縮機構
2、電動機7、主軸5、ジャーナル軸受8と一体に形成
された軸受ハウジング4、マフラー21等を内部に収納
し、外部から冷媒ガスを吸入する吸入管11と圧縮され
た冷媒ガスを密閉容器外へ吐出する吐出管16とを備え
ている。また、密閉容器1の底部は潤滑油9を貯留する
油だめ10となっている。
【0004】圧縮機構2は中心部に吐出口を有する固定
スクロール2aと、反スクロールラップ側端面に偏芯軸
受2cを形成した可動スクロール2bと、可動スクロー
ル2bの自転を拘束するオルダムリング20と、吐出さ
れた冷媒ガスの逆流を防止する逆止弁19とから構成さ
れている。
【0005】軸受ハウジング4は可動スクロール2bを
固定スクロール2aとの間で軸直角方向摺動可能に挟持
し、さらに内周面を仕上加工することにより一体に形成
されたジャーナル軸受8により主軸5を軸支している。
【0006】主軸5は軸方向に貫通する貫通穴13を有
しており、一方の端部が油だまり10に浸漬され、もう
一方の端部は偏芯軸5aを形成している。偏芯軸5aは
可動スクロールに形成された偏芯軸受2cに回転自在に
挿入されている。電動機7は密閉容器1の内壁に焼き嵌
め固定された固定子7bと、主軸5に固定された回転子
7aとで構成されている。
【0007】次に上記構成による圧縮機の作用を説明す
る。冷凍サイクルより戻った低圧ガスは吸入管11を介
して圧縮機構2に吸入される。圧縮機構2は固定スクロ
ール2aに対して可動スクロール2bを自転しないよう
に旋回運動させ、固定スクロール2aと可動スクロール
2bとの間に形成された複数の圧縮空間を外側から内側
に向かって移動させながら次第に縮小することにより圧
縮動作を行う。圧縮されたガスは高圧ガスとなり、一旦
マフラー21に吐出された後、密閉容器1内を通り吐出
管16より密閉容器1外へと吐出されて冷凍サイクルに
供給される。
【0008】一方、潤滑油9はポンプまたは密閉容器内
の圧力差により汲み上げられて主軸5の貫通穴13の中
を上昇し、ジャーナル軸受8、偏芯軸受2cおよび各摺
動部を潤滑、冷却した後、固定スクロール2aに設けら
れた圧力調整弁から圧縮室に吸入され、冷媒ガスと一緒
に圧縮され密閉容器内で潤滑油と冷媒ガスに分離されて
油溜め10に戻る潤滑サイクルを形成している。
【0009】圧縮室内ガス圧力の径方向成分および慣性
力等のため旋回スクロールには径方向の荷重が作用す
る。この荷重は、その作用する方向が主軸5の回転と同
じ方向に回転し、偏芯軸受2cを介してジャーナル軸受
8で支持される。すなわち、主軸5は、ガス圧縮等によ
り発生する非常に大きな荷重で、ジャーナル軸受8の内
面に押し付けられながら回転運動する。
【0010】ハウジング4はネズミ鋳鉄材からなり、主
軸5は合金鋼で作製され、摺動部表面に窒化、軟窒化ま
たは浸硫窒化などにより生成された窒化鉄を主体とする
化合物層を形成している。これにより互いに相手を攻撃
することが少なく耐磨耗性を有する材料組合せを実現し
ている。
【0011】窒化鉄を主体とする化合物層は生産コスト
を低減するため通常5〜10μm程度の薄さに形成され
る。図5は主軸の表面粗さを縦倍率5000倍で示した
図である。図5(c)に示すようにすようにバフなどで
表面を清掃する程度の後処理を行う場合もあるが、図5
(b)に示す表面処理のままのものとほとんど変わら
ず、図5(a)に示す研削仕上げ後の表面粗さよりも悪
化している。
【0012】塩浴で浸硫窒化処理した場合には、表層側
に多孔質の化合物層、その下側に緻密な化合物層、さら
にその下側に拡散層が形成される。また、気相で浸硫窒
化処理した場合には、鉄に侵入する速さの差から表面は
硫化鉄が多い化合物層、その下は鉄と窒素の化合物層、
さらにその下は塩欲処理と同じく拡散層が形成される。
何れの処理でも表面の多孔質部分の保油能力または硫化
鉄が初期なじみに有効で、耐焼き付き性が非常に優れた
処理であると言われている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、浸硫窒化処理を行った主軸の表面粗さが大
きいため、表面粗さの山部が油膜を突き破ってジャーナ
ル軸受8の内周面と直接接触する場合がある。このと
き、主軸の表面は窒化鉄が主体の化合物層であるので油
膜が切れても焼き付きまで至ることはないが、摩擦係数
が大きくなって効率が低下するという問題があった。
【0014】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、主軸のジャーナル軸受との摺動部表面を適
切な量だけ除去加工することにより表面の形状精度およ
び表面粗さを良化させて油膜形成を容易にし効率が高く
しかも安価に信頼性の向上を実現することを目的とする
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに請求項1の本発明は、密閉容器内に固定子と回転子
からなる電動機と前記回転子が固定された主軸により駆
動される圧縮機構とを収容した密閉型圧縮機において、
前記主軸の表面に浸硫窒化処理を施した後に表面をわず
かに除去するものである。
【0016】上記の課題を解決するために請求項2の本
発明は、主軸の表面に浸硫窒化処理を施した後にペーパ
ーで表面をわずかに除去するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0018】(実施の形態1)図1は本発明における第
1の実施の形態における主軸の表面粗さを表す図であ
る。主軸は浸硫窒化により表面に5μmの厚さの化合物
層を形成され、#1000のペーパで表面を1μm除去
されている。図1を図5(b)に示す処理後の面粗さに
比べると明らかに粗さの山が小さくなっていることが判
る。この結果、油膜形成が容易であり、また油膜を突き
破って主軸受内面と接触することが少なくなるので、流
体潤滑状態に移行しやすく効率の高い圧縮機を提供する
ことが容易となる。
【0019】図2はリングオンディスク方式の単品摩擦
摩耗試験の結果である。試験方法としては、リングにS
CM415の浸硫窒化処理を行ったもの、ディスクにネ
ズミ鋳鉄FC250を用い、リングの試験面を表面処理
のままと表面を1μmペーパーで削り落としたものを供
試材とし、徐々に荷重を上げて摩擦係数を測定した。
【0020】図2からわかるように、表面を1μm削り
落としたものにおいても、荷重を上げた時の摩擦係数の
上昇はなくすなわち、焼き付いていないことがわかる。
さらに、本図には載せていないが、リングをSACM6
45の窒化後表面の化合物層を殆ど除去加工した場合は
荷重が低い時点で摩擦係数が急激に上昇、つまり焼き付
きが発生していることから、浸硫窒化の表面をわずかに
除去加工した場合にはその優れた耐焼き付き性に影響が
ないことがわかる。
【0021】また、摩擦係数はペーパーラップをかけた
方が低くなっており、特に負荷の高い領域で顕著であ
る。さらに、実機ではペーパーラップをかけると、表面
粗さが良くなるためにジャーナル軸受と主軸の固体接触
が防止できるので駆動動力が低減され、効率の高い圧縮
機となることが確認された。
【0022】現実的には、浸硫窒化処理で化合物層厚さ
を4〜6μm生成させた後、#2000〜#4000の
ペーパーで表面を0.5〜1μm程度除去加工するのが
性能、信頼性ともに良好であった。
【0023】(実施の形態2)図4は本発明における実
施の形態における主軸の製作工程である。仕上げ加工後
に浸硫窒化処理を施し、表面をペーパーでわずかに除去
する工程となっている。このような工程を取ることによ
り、浸硫窒化で荒れた表面が平滑となり信頼性が高く効
率の高い圧縮機を実現することが出来る。
【0024】
【発明の効果】上記実施形態から明らかなように、請求
項1記載の発明によれば、主軸の表面に浸硫窒化処理を
施した後に表面をわずかに除去したことにより、表面が
平滑でなおかつ表面の浸硫窒化特有の化合物が残留する
ので信頼性が高く、性能の高い圧縮機を実現することが
出来る。
【0025】さらに、請求項2記載の発明によれば表面
を削りすぎることなく浸硫窒化特有の化合物層を活用で
きるので、量産でも安定した特性を持った主軸を供給す
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態における主軸の表面粗さを表
す図
【図2】本発明実施の形態におけるリングオンディク摩
擦摩耗試験結果を表す図
【図3】本発明実施の形態における主軸の製作工程図
【図4】従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【図5】(a)浸硫窒化処理後研削仕上した主軸の表面
粗さを表す図 (b)浸硫窒化処理後そのままの主軸の表面粗さを示す
図 (c)浸硫窒化処理後バフがけをした主軸の表面粗さを
示す図
【符号の説明】
1 密閉容器 2 圧縮機構 4 軸受ハウジング 5 主軸 7 電動機 8 ジャーナル軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新宅 秀信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森本 敬 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 平野 秀夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AA05 AB03 AC03 AD00 CA01 3H029 AA02 AA05 AA14 AB03 BB42 BB44 BB50 CC16 CC38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内に、固定子と、回転子からな
    る電動機と、前記回転子が固定された主軸により駆動さ
    れる圧縮機構とを収容した密閉型圧縮機において、前記
    主軸の表面に浸硫窒化処理を施した後に表面をわずかに
    除去することを特徴とする密閉型圧縮機の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面をわずかに除去するのにペーパーを
    用いたことを特徴とする請求項1記載の密閉形圧縮機の
    製造方法。
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