JP2003105062A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2003105062A
JP2003105062A JP2001297167A JP2001297167A JP2003105062A JP 2003105062 A JP2003105062 A JP 2003105062A JP 2001297167 A JP2001297167 A JP 2001297167A JP 2001297167 A JP2001297167 A JP 2001297167A JP 2003105062 A JP2003105062 A JP 2003105062A
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JP
Japan
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epoxy resin
compound
resin composition
hydroxyl groups
molecule
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Application number
JP2001297167A
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English (en)
Inventor
Naoko Toyosawa
尚子 豊澤
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金線流れがなく、成形後や半田処理時での反
りが小さい特性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成
物を提供すること。 【解決手段】 (A)トリフェノールメタン型エポキシ
樹脂、(B)トリフェノールメタン型フェノール樹脂、
(C)溶融シリカ、及び(D)テトラ置換ホスホニウム
(X)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基を
2個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会合体
であって、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Y)が、ジヒドロキシベンゼン類、トリヒ
ドロキシベンゼン類、ビスフェノール類の中から選択さ
れる1種以上であり、該共役塩基が前記フェノール性水
酸基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)から1個
の水素を除いたフェノキシド型化合物からなる硬化促進
剤を含むことを特徴とするエリア実装型半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エリア実装型半導
体装置に適した半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこ
れを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化、高性
能化の市場動向において、半導体素子の高集積化が年々
進み、又半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、
新規にエリア実装型半導体装置が開発され、従来構造の
半導体装置から移行し始めている。エリア実装型半導体
装置としてはBGA(ボールグリッドアレイ)或いは更
に小型化を追求したCSP(チップスケールパッケー
ジ)等が代表的であるが、これらは従来QFP、SOP
に代表される表面実装型半導体装置では限界に近づいて
いる多ピン化・高速化への要求に対応するために開発さ
れたものである。構造としては、BT樹脂/銅箔回路基
板(ビスマレイミド・トリアジン樹脂/ガラスクロス基
板)に代表される硬質回路基板、或いはポリイミド樹脂
フィルム/銅箔回路基板に代表されるフレキシブル回路
基板の片面上に半導体素子を搭載し、その半導体素子搭
載面、即ち基板の片面のみがエポキシ樹脂組成物等で成
形・封止されている。又基板の半導体素子搭載面の反対
面には半田ボールを2次元的に並列して形成し、半導体
装置を実装する回路基板との接合を行う特徴を有してい
る。更に半導体素子を搭載する基板としては、上記の有
機回路基板以外にもリードフレーム等の金属基板を用い
る構造も開発されている。
【0003】これらエリア実装型半導体装置の構造は、
基板の半導体素子搭載面のみをエポキシ樹脂組成物で封
止し、半田ボール形成面側は封止しないという片面封止
の形態をとっている。リードフレーム等の金属基板等で
は、半田ボール形成面でも数十μm程度の封止樹脂層が
存在することもあるが、半導体素子搭載面では数百μm
から数mm程度の封止樹脂層が形成されるため、実質的
に片面封止となっている。このため、有機基板や金属基
板とエポキシ樹脂組成物の硬化物との間での熱膨張・熱
収縮の不整合、或いはエポキシ樹脂組成物の成形硬化時
の硬化収縮による影響で、これらの半導体装置では成形
直後から反りが発生しやすい。更に、これらの半導体装
置を実装する回路基板上に半田接合を行う場合、200
℃以上の加熱工程を経るが、この際にも半導体装置の反
りが発生し、多数の半田ボールが平坦とならず、半導体
装置を実装する回路基板から浮き上がってしまい、電気
的接合の信頼性が低下する問題が起こる。
【0004】基板上の実質的に片面のみをエポキシ樹脂
組成物で封止した半導体装置において、反りを低減する
には、基板の熱膨張係数とエポキシ樹脂組成物の硬化物
の熱膨張係数とを近づけること、及びエポキシ樹脂組成
物の硬化物の硬化収縮量を小さくすることの二つの方法
が重要である。基板としては、有機基板ではBT樹脂や
ポリイミド樹脂のような高いガラス転移温度(以下、T
gという)を有する樹脂が広く用いられており、これら
はエポキシ樹脂組成物の成形温度である170℃近辺よ
りも高いTgを有する。従って、成形温度から室温まで
の冷却過程では有機基板の線膨張係数(以下、α1とい
う)の領域のみで収縮する。従って、エポキシ樹脂組成
物の硬化物も、Tgが高く且つα1が有機基板と同じ
で、更に硬化収縮量がゼロであれば、反りはほぼゼロで
あると考えられる。このため、多官能型エポキシ樹脂と
多官能型フェノール樹脂との組み合わせによりTgを高
くし、無機充填材の配合量でα1を合わせる手法が既に
提案されている。しかし多官能型エポキシ樹脂と多官能
型フェノール樹脂との組み合わせでは流動性が低下し金
線変形率が低下する等の不具合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金銭流れが
なく、成形後や半田処理時の反りが小さく、特にエリア
実装型半導体装置に適した半導体封止用エポキシ樹脂組
成物及びこれを用いた半導体装置を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、成形後や半
田処理後の反りが小さく、且つ金銭流れをなくすべく鋭
意検討した結果、多官能型エポキシ樹脂と多官能型フェ
ノール樹脂とを組み合わせても、特定の化合物を硬化促
進剤として用いたエポキシ樹脂組成物が、極めて優れた
特性を示すことを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。すなわち本発明は、[1](A)一
般式(1)又は一般式(2)で示される多官能エポキシ
樹脂、(B)一般式(3)で示されるフェノール樹脂、
(C)溶融シリカ、及び(D)テトラ置換ホスホニウム
(X)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基を
2個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会合体
であって、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Y)が、ジヒドロキシベンゼン類、トリヒ
ドロキシベンゼン類、ビスフェノール類の中から選択さ
れる1種以上であり、該共役塩基が前記フェノール性水
酸基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)から1個
の水素を除いたフェノキシド型化合物からなる硬化促進
剤を含むことを特徴とするエリア実装型半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物、
【0007】
【化4】 (Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同
一であっても、異なっていてもよい。nは平均値であり
1〜10の正数、aは0もしくは1〜3の整数、bは0
もしくは1〜3の整数である。)
【0008】
【化5】 (Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同
一であっても、異なっていてもよい。nは平均値であり
1〜10の正数、aは0もしくは1〜3の整数であ
る。)
【0009】
【化6】 (Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同
一であっても、異なっていてもよい。nは平均値であり
1〜10の正数、aは0もしくは1〜3の整数、bは0
もしくは1〜3の整数である。)
【0010】[2]1分子内にフェノール性水酸基を2
個以上有する化合物(Y)が、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン、ピロガロール又はフロログルシンで
ある請求[1]項記載のエリア実装型半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物、[3]基板の片面に半導体素子が搭載
され、該半導体素子が搭載された基板面側の実質的に片
面のみが第[1]項又は[2]項のいづれかに記載のエ
ポキシ樹脂組成物を用いて封止されていることを特徴と
する半導体装置、である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる一般式(1)
で示されるエポキシ樹脂又は一般式(2)で示されるエ
ポキシ樹脂は、下記する一般式(3)で示されるフェノ
ール樹脂と組み合わせることにより、得られる硬化物の
架橋密度が高く、Tgも高くなり、又硬化収縮率が小さ
いという特徴を有するため、本発明のエポキシ樹脂組成
物の用途であるエリア実装型の半導体装置の封止では、
反りの低減に効果的である。一般式(1)及び一般式
(2)の具体例としては以下のものが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】一般式(1)で示されるエポキシ樹脂又は
一般式(2)で示されるエポキシ樹脂の特性を損なわな
い範囲で他のエポキシ樹脂と併用してもよい。併用でき
るエポキシ樹脂としては、特に限定しないが、例えばフ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビス
フェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹
脂、フェノールアラルキル(フェニレン、ビフェニル骨
格を含む)型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹
脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェ
ノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキ
シ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いて
もよい。これらの内では、常温では結晶性の固体である
が、融点を越えると極めて低粘度の液状となり、無機充
填材を高充填化できるビフェニル型エポキシ樹脂、ビス
フェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂
が好ましい。特にビフェニル型エポキシ樹脂を用いる
と、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下でき、無機充填材
を高充填化できるため、耐湿性の向上や低線膨張化が図
れ、成形品としての特性も向上するので好ましい。ビフ
ェニル型エポキシ樹脂としては、例えば、3,3’,
5,5’−テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテ
ル、ビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。
その他のエポキシ樹脂も極力粘度の低いものを使用する
ことが望ましい。
【0015】本発明で用いられる一般式(3)で示され
るフェノール樹脂は、前記した一般式(1)で示される
エポキシ樹脂又は一般式(2)で示されるエポキシ樹脂
と組み合わせることにより、得られる硬化物の架橋密度
が高くなり、Tgの高い硬化物が得られるため、半導体
装置の反りを低減できる。一般式(3)の具体例として
は以下のものが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0016】
【化9】
【0017】一般式(3)で示されるフェノール樹脂の
特性を損なわない範囲で他のフェノール樹脂と併用して
もよい。併用できるフェノール樹脂としては、特に限定
しないが、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、フェノ
ールアラルキル(フェニレン、ビフェニル骨格を含む)
樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等が挙
げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。
【0018】本発明で用いられる溶融シリカは、破砕
状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの
配合量を高め、且つエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上
昇を抑えるためには、球状シリカを主に用いる方が好ま
しい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状
シリカの粒度分布をより広くとるよう調整することが望
ましい。
【0019】本発明で用いられる硬化促進剤(D)であ
るテトラ置換ホスホニウム(X)と、1分子内にフェノ
ール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及び1分子
内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)
の共役塩基との分子会合体は、1分子内にフェノール性
水酸基を2個以上有する化合物(Y)が、ジヒドロキシ
ベンゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、ビスフェノー
ル類の中から選択される1種以上であり、該共役塩基
は、前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有す
る化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型
化合物である。1個のテトラ置換ホスホニウムカチオン
と、1個以上3個未満のフェノール性水酸基及び1個の
フェノキシドアニオンの単位で構成され、テトラ置換ホ
スホニウムイオンの正電荷の周囲を1個以上3個未満の
フェノール性水酸基と1個のフェノキシドアニオンが取
り囲み、安定化した構造となっているものと考えられ
る。
【0020】このような構造をとり得るホスホニウムイ
オンは、置換又は無置換のアリール基やアルキル基を置
換基として有するテトラ置換ホスホニウムイオンが、熱
や加水分解に対して安定であり好ましい。具体的には、
テトラフェニルホスホニウム、テトラトリルホスホニウ
ム、テトラエチルフェニルホスホニウム、テトラメトキ
シフェニルホスホニウム、テトラナフチルホスホニウ
ム、テトラベンジルホスホニウム、エチルトリフェニル
ホスホニウム、n−ブチルトリフェニルホスホニウム、
2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム、トリ
メチルフェニルホスホニウム、メチルジエチルフェニル
ホスホニウム、メチルジアリルフェニルホスホニウム、
テトラ−n−ブチルホスホニウム等を例示できる。
【0021】本発明の分子会合体の構成成分である、1
分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(Y)としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビス
フェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール、
4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフ
ェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒ
ドロキシフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒ
ドロキシフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)・製、
ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2
−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,
4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、
1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベ
ンゼン類等が挙げられるが、分子化合物の安定性や硬化
性、硬化物物性の点で、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ピロガロール又はフロログルシンが好適
である。更に他の構成成分である共役塩基は、上記の化
合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合
物である。
【0022】本発明の分子会合体は、前述のようにホス
ホニウム−フェノキシド型の塩を構造中に有するが、従
来の技術におけるホスホニウム−有機酸アニオン塩型の
化合物と異なる点は、本発明の分子会合体では水素結合
による高次構造がイオン結合を取り囲んでいる点であ
る。従来の技術における塩では、イオン結合の強さのみ
により反応性を制御しているのに対し、本発明の分子会
合体では、常温ではアニオンの高次構造による囲い込み
が活性点の保護を行う一方、成形の段階においては、こ
の高次構造が崩れることで活性点がむき出しになり、反
応性を発現する、いわゆる潜伏性が付与されている。
【0023】本発明に用いる硬化促進剤として作用する
分子会合体の配合量は、エポキシ樹脂と硬化剤として作
用するフェノール樹脂の合計重量を100重量部とした
場合、0.5〜20重量部程度が硬化性、保存性、他特
性のバランスがよく好適である。
【0024】本発明の分子会合体の特性を損なわない範
囲で他の硬化促進剤と併用してもよい。併用できる硬化
促進剤としては、特に限定されるものではないが、例え
ば1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、トリブチルアミン等のアミン系化合物、トリフェニ
ルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラ
フェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチル
イミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられ、こ
れらは単独でも混合して用いてもよい。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分の他、必要に応じてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブ
ラック等の着色剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモ
ン、リン化合物等の難燃剤、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワック
ス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等
の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することが
できる。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分及びその他の添加剤等をミキサーを用いて常
温混合し、ロール、押出機等の混練機で混練し、冷却後
粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物を用い
て、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製
造するには、トランスファーモールド、コンプレッショ
ンモールド、インジェクションモールド等の成形方法で
硬化成形すればよい。特に、本発明のエポキシ樹脂組成
物は、エリア実装型半導体装置用に適している。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
これにより何ら限定されるものではない。 [分子会合体の合成例]以下、合成した分子会合体の構
造確認は、NMR、マススペクトル、元素分析及び以下
の方法による中和滴定(ホスホニウムフェノキシド当量
の測定)により実施した。合成した分子会合体をメタノ
ール/水系溶媒中で、重量既知の過剰のシュウ酸と反
応させ、残余のシュウ酸を規定度既知の水酸化ナトリウ
ム水溶液で定量して、分子会合体の重量あたり規定度
(N/g)を算出した。この値の逆数がホスホニウムフ
ェノキシド当量となる。 (合成例1)撹拌装置付きの1リットルのセパラブルフ
ラスコに日華化学工業(株)・製BPS−N(4,4’
−ビスフェノールSを主成分とする)37.5g(0.
15モル)、メタノール100mlを仕込み、室温で撹
拌溶解し、更に攪拌しながら予め50mlのメタノール
に水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)を溶解した
溶液を添加した。次いで予め150mlのメタノールに
テトラフェニルホスホニウムブロマイド41.9g
(0.1モル)を溶解した溶液を加えた。しばらく攪拌
を継続し、300mlのメタノールを追加した後、フラ
スコ内の溶液を大量の水に撹拌しながら滴下し、白色沈
殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、白色結晶66.0gを
得た。この化合物をD1とする。D1は、NMR、マス
スペクトル、元素分析の結果から、テトラフェニルホス
ホニウム1分子と4,4’−ビスフェノールSとが、モ
ル比1:1.5で錯化した目的の分子化合物であること
が確認された。又中和滴定の値からホスホニウムフェノ
キシド当量が、理論値713に近く、前述の構造を示し
た。合成の収率は92.6%であった。 (合成例2)撹拌装置付きの1リットルのセパラブルフ
ラスコにピロガロール27.7g(0.2モル)、テト
ラフェニルホスホニウムブロマイド41.9g(0.1
モル)、メタノール100mlを仕込み、室温で撹拌溶
解し、更に攪拌しながら5.0規定の水酸化ナトリウム
水溶液23.9g(0.1モル)を添加した。しばらく
攪拌を継続し、200mlの純水を追加した後、撹拌を
止めてフラスコを氷冷し、白色沈殿を得た。沈殿を濾
過、乾燥し、白色結晶27.0gを得た。この化合物を
D2とする。D2は、NMR、マススペクトル、元素分
析の結果から、テトラフェニルホスホニウム1分子とピ
ロガロールとが、モル比1:2で錯化した目的の分子化
合物であることが確認された。また中和滴定の値からホ
スホニウムフェノキシド当量が、理論値590に近く、
前述の構造を示した。合成の収率は91.5%であっ
た。 (合成例3)合成例3では、表1に示した条件により、
基本的な操作はすべて合成例2と同様に行い、化合物D
3を調製した。結果を表1に示す。 (合成例4)合成例4では、表1に示した条件により、
基本的な操作はすべて合成例1と同様に行い、化合物D
4を調整した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】[エポキシ樹脂組成物の製造例]配合割合
は重量部とする。 実施例1 エポキシ樹脂1:式(4)で示されるエポキシ樹脂(軟化点60℃、エポキシ 当量170) 9.0重量部
【0030】
【化10】
【0031】 フェノール樹脂1:式(5)で示されるフェノール樹脂(軟化点107℃、水 酸基当量97) 5.0重量部
【0032】
【化11】
【0033】 球状溶融シリカ 84.8重量部 化合物D1 0.4重量部 カルナバワックス 0.5重量部 カーボンブラック 0.3重量部 をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と4
5℃の2本ロールを用いて30回混練し、冷却後粉砕し
てエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組
成物を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0034】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力6.9MPa、硬化時間2分で測定した。単位
はcm。 パッケージ反り量:225ピンBGAパッケージ(基板
は0.36mm厚のBT樹脂基板、パッケージサイズは
24×24mm、厚み1.17mm、シリコンチップは
サイズ9×9mm、厚み0.35mm、チップと回路基
板のボンディングパッドとを25μm径の金線でボンデ
ィングしている)を、金型温度180℃、注入圧力7.
8MPa、2分間でトランスファー成形し、更に175
℃、8時間で後硬化した。室温に冷却後、パッケージの
ゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて高さ方向
の変位を測定し、変異差の最も大きい値を反り量とし
た。単位はμm。 金線変形率:パッケージ反り量の評価で成形した225
ピンBGAパッケージを軟X線透視装置で観察し、金線
の変形率を(流れ量)/(金線長)の比率で表した。単
位は%。
【0035】実施例2〜7、比較例1〜3 表2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。実施例及び比較例で用いたエポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂の詳細を以下に示す。 エポキシ樹脂2:式(6)で示されるエポキシ樹脂を主
成分とする樹脂(軟化点65℃、エポキシ当量210)
【0036】
【化12】
【0037】エポキシ樹脂3:ビフェニル型エポキシ樹
脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000
H、融点105℃、エポキシ当量195) フェノール樹脂2:フェノールノボラック樹脂(軟化点
80℃、水酸基当量104) なお、比較例1で用いた硬化促進剤はトリフェニルホス
フィン、比較例2で用いた硬化促進剤は、1,8−ジア
ザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DB
Uという)である。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明に従うと、金線流れがなく、特に
エリア実装型半導体封止用に適したエポキシ樹脂組成物
が得られ、これを用いた半導体装置は、成形後や半田処
理時での反りが小さい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC032 CC052 CC062 CC072 CD001 CD071 DA036 DJ016 EJ028 EJ038 EU117 EW017 EW177 FA086 FD016 FD142 FD147 FD148 GQ00 GQ05 4J036 AA02 AA04 AD08 AE05 AF01 AF03 AF05 AF06 AF07 AF09 AF19 BA02 DB05 DB06 DC02 DC41 DC46 FA02 FA05 FB08 GA04 GA29 JA07 4M109 AA01 EA02 EB04 EB13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)又は一般式(2)で
    示される多官能エポキシ樹脂、(B)一般式(3)で示
    されるフェノール樹脂、(C)溶融シリカ、及び(D)
    テトラ置換ホスホニウム(X)と、1分子内にフェノー
    ル性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及び1分子内
    にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)の
    共役塩基との分子会合体であって、1分子内にフェノー
    ル性水酸基を2個以上有する化合物(Y)が、ジヒドロ
    キシベンゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、ビスフェ
    ノール類の中から選択される1種以上であり、該共役塩
    基が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有す
    る化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型
    化合物からなる硬化促進剤を含むことを特徴とするエリ
    ア実装型半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同
    一であっても、異なっていてもよい。nは平均値であり
    1〜10の正数、aは0もしくは1〜3の整数、bは0
    もしくは1〜3の整数である。) 【化2】 (Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同
    一であっても、異なっていてもよい。nは平均値であり
    1〜10の正数、aは0もしくは1〜3の整数であ
    る。) 【化3】 (Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示し、互いに同
    一であっても、異なっていてもよい。nは平均値であり
    1〜10の正数、aは0もしくは1〜3の整数、bは0
    もしくは1〜3の整数である。)
  2. 【請求項2】 1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(Y)が、ビス(4−ヒドロキシフェニ
    ル)スルホン、ピロガロール又はフロログルシンである
    請求項1記載のエリア実装型半導体封止用エポキシ樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 基板の片面に半導体素子が搭載され、該
    半導体素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみが
    請求項1又は2のいづれかに記載のエポキシ樹脂組成物
    を用いて封止されていることを特徴とする半導体装置。
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Citations (3)

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JP2001226451A (ja) * 2000-02-14 2001-08-21 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
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