JP2003104982A - アミド誘導体の製造方法及び中間体化合物 - Google Patents

アミド誘導体の製造方法及び中間体化合物

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JP2003104982A JP2002199718A JP2002199718A JP2003104982A JP 2003104982 A JP2003104982 A JP 2003104982A JP 2002199718 A JP2002199718 A JP 2002199718A JP 2002199718 A JP2002199718 A JP 2002199718A JP 2003104982 A JP2003104982 A JP 2003104982A
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泰樹 山田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 HIVプロテアーゼ阻害剤として有用な化合
物を効率よく製造できる方法,中間体化合物の製造方法
を提供する。 【解決手段】式1で示される(5R,5S)−6−置 換アミノ−1,3−ジオキセパン−5−オール又はその
鏡像体を,酸の存在下に,式2に示す5員環に異性化さ
せる。(1,2式中,R,RはHアルキル基等,
はアミノ保護基を示す) 次いで,アミノ保護基の除去,アシル化等の諸工程を経
ることによって,HIVプロテアーゼ阻害剤として有用
な式3で示すアミド誘導体又はその鏡像体を製造するこ
とができる。(3式中,R,R,RはH,アルキ
ル基等,Rはアルキル基,アリール基等である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウイルス由来のプ
ロテアーゼ阻害作用を有するHIV関連疾患治療薬とし
て有用な式〔XVI〕
【0002】
【化8】 〔式中、Meはメチル基、Bu-tはt−ブチル基、Ph
はフェニル基である〕で示される化合物の新規製造方法
に関するものであり、また、当該化合物〔XVI〕を製造
するために有用な各種新規中間体化合物及びその製造方
法に関するものである。なお、これら中間体化合物は、
上記化合物〔XVI〕の製造に限らず、各種化合物の製造
にも使用できる。
【0003】
【従来の技術】上記HIVプロテアーゼ阻害剤として有
用な化合物〔XVI〕は、国際公開番号WO95/098
43号に記載されるように公知である。また、当該化合
物〔XVI〕は、従来においてはセリンを出発原料として
これに増炭反応を施すとともに、立体選択的なカルボニ
ル基の還元反応等を含む非常に多くの工程を経て製造さ
れるものであった。しかし、これら従来の製造方法は高
価な原料を必要とするばかりか、反応条件も一定の低温
条件を必要とする等、極めて繁雑であるとともに非効率
なものであった。従って、従来の合成法を工業的に実施
するためには、なお多くの解決しなければならない問題
点があった。
【0004】また、2,2−ジメチル−6−アミノ−
1,3−ジオキセパン−5−オールは、例えば米国特許
第4439613号明細書に記載されているが、これは
X線造影剤として有用な化合物を製造するための中間体
であり、得られる化合物はラセミ体であって、このもの
自体を再結晶等の方法でラセミ分割することは甚だ困難
であった。また、同文献には本発明のような特定のエナ
ンチオマーを製造することについては、何ら示唆する記
載はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点の解決された、HIVプロテアーゼ阻害剤として
有用な上記化合物〔XVI〕を立体選択的に極めて効率よ
く製造できる製造方法を提供することである。また、本
発明の他の目的は、当該化合物を製造するために有用な
新規中間体化合物及びその製造方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、(z)−2−ブテン−
1,4−ジオールをアセタール化又はケタール化し、更
にエポキシ化して得られる3,5,8−トリオキサビシ
クロ〔5.1.0〕オクタン誘導体を、キラルなアミン
によりエポキシ開環反応を行うことにより、立体特異的
に(5R,6S)−6−置換アミノ−1,3−ジオキセ
パン−5−オール誘導体又はその鏡像体となし、更に諸
工程を経ることによって、下記式〔XV〕で表される化合
物、つまりHIVプロテアーゼ阻害剤として有用な上記
化合物〔XVI〕を含む化合物を、立体選択的に極めて効
率よく製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は下記(1)〜(14)に示
す通りである。 (1)一般式〔VII〕
【0008】
【化9】
【0009】〔式中、R1及びR2は同一又は異なってい
てもよく、それぞれ水素原子、アルキル基又はアリール
基であるか、或いはR1とR2が隣接する炭素原子と一緒
になってシクロアルキル環を形成してもよく、R4はア
ミノ保護基である〕で示される(5R,6S)−6−置
換アミノ−1,3−ジオキセパン−5−オール誘導体又
はその鏡像体又はその塩。 (2)一般式〔VIII〕
【0010】
【化10】
【0011】〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じで
ある〕で示される1,3−ジオキソラン−4−イル−エ
タノール誘導体又はその鏡像体又はその塩。 (3)一般式〔VII〕
【0012】
【化11】
【0013】〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じで
ある〕で示される(5R,6S)−6−置換アミノ−
1,3−ジオキセパン−5−オール誘導体又はその鏡像
体を、酸の存在下に、5員環に異性化させることを特徴
とする、一般式〔VIII〕
【0014】
【化12】
【0015】〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じで
ある〕で示される1,3−ジオキソラン−4−イル−エ
タノール誘導体又はその鏡像体の製造方法。 (4)一般式〔VI〕
【0016】
【化13】
【0017】〔式中、R1及びR2は前記と同じである〕
で示される(5R,6S)−6−アミノ−1,3−ジオ
キセパン−5−オール誘導体又はその鏡像体のアミノ基
を保護し、一般式〔VII〕
【0018】
【化14】
【0019】〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じで
ある〕で示される(5R,6S)−6−置換アミノ−
1,3−ジオキセパン−5−オール誘導体又はその鏡像
体又はその塩を製造した後、これを酸の存在下、5員環
に異性化させることを特徴とする、一般式〔VIII〕
【0020】
【化15】
【0021】〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じで
ある〕で示される1,3−ジオキソラン−4−イル−エ
タノール誘導体又はその鏡像体の製造方法。 (5)一般式〔IX〕
【0022】
【化16】
【0023】〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じで
あり、R5は水素原子、置換されていてもよいアルキル
基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されてい
てもよいアリール基又は置換されていてもよいアラルキ
ル基である〕で示される1,3−ジオキソラン−4−イ
ル−エチルチオ誘導体又はその鏡像体又はその塩。 (6)一般式〔VIII〕
【0024】
【化17】
【0025】〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じで
ある〕で示される1,3−ジオキソラン−4−イル−エ
タノール誘導体又はその鏡像体を、ハロゲン化剤又はス
ルホニル化剤と反応させた後、R5SH〔式中、R5は前
記と同じである〕で示されるメルカプタンと反応させ
て、チオエーテル化することを特徴とする、一般式〔I
X〕
【0026】
【化18】
【0027】〔式中、R1、R2、R4及びR5は前記と同
じである〕で示される1,3−ジオキソラン−4−イル
−エチルチオ誘導体又はその鏡像体の製造方法。 (7)一般式〔X〕
【0028】
【化19】
【0029】〔式中、R4及びR5は前記と同じである〕
で示される3−置換アミノブタン−1,2−ジオール誘
導体又はその鏡像体又はその塩。 (8)一般式〔IX〕
【0030】
【化20】
【0031】〔式中、R1、R2、R4及びR5は前記と同
じである〕で示される1,3−ジオキソラン−4−イル
−エチルチオ誘導体又はその鏡像体を、酸の存在下に加
水分解することを特徴とする、一般式〔X〕
【0032】
【化21】
【0033】〔式中、R4及びR5は前記と同じである〕
で示される3−置換アミノブタン−1,2−ジオール誘
導体又はその鏡像体の製造方法。 (9)一般式〔XI〕
【0034】
【化22】
【0035】〔式中、R4及びR5は前記と同じであり、
6は水酸基の保護基であり、Zは酸素原子と一体とな
って脱離基として機能する置換基である〕で示される3
−置換アミノブタン誘導体又はその鏡像体又はその塩。 (10)一般式〔X〕
【0036】
【化23】
【0037】〔式中、R4及びR5は前記と同じである〕
で示される3−置換アミノブタン−1,2−ジオール誘
導体又はその鏡像体の第一級水酸基を保護基で保護し、
これを単離、或いは単離することなく、さらに第二級水
酸基を脱離基に変換せしめることを特徴とする、一般式
〔XI〕
【0038】
【化24】
【0039】〔式中、R4、R5、R6及びZは前記と同
じである〕で示される3−置換アミノブタン誘導体又は
その鏡像体の製造方法。 (11)一般式〔XII〕
【0040】
【化25】
【0041】〔式中、R4及びR5は前記と同じである〕
で示される置換1−ブテンオキシド誘導体又はその鏡像
体又はその塩。 (12)一般式〔XI〕
【0042】
【化26】
【0043】〔式中、R4、R5、R6及びZは前記と同
じである〕で示される3−置換アミノブタン誘導体又は
その鏡像体を、塩基の存在下に処理して、第一級水酸基
の脱保護反応とエポキシ化反応を同時に行うことを特徴
とする、一般式〔XII〕
【0044】
【化27】
【0045】〔式中、R4及びR5は前記と同じである〕
で示される置換1−ブテンオキシド誘導体又はその鏡像
体の製造方法。 (13)一般式〔X〕
【0046】
【化28】
【0047】〔式中、R4及びR5は前記と同じである〕
で示される3−置換アミノブタン−1,2−ジオール誘
導体又はその鏡像体の第一級水酸基を保護基で保護し、
これを単離、或いは単離することなく、さらに第二級水
酸基を脱離基に変換せしめ、一般式〔XI〕
【0048】
【化29】
【0049】〔式中、R4、R5、R6及びZは前記と同
じである〕で示される3−置換アミノブタン誘導体又は
その鏡像体となした後、これを塩基の存在下に処理し
て、第一級水酸基の脱保護反応とエポキシ化反応を同時
に行うことを特徴とする、一般式〔XII〕
【0050】
【化30】
【0051】〔式中、R4及びR5は前記と同じである〕
で示される置換1−ブテンオキシド誘導体又はその鏡像
体の製造方法。 (14)一般式〔XII〕
【0052】
【化31】
【0053】〔式中、R4及びR5は前記と同じである〕
で示される置換1−ブテンオキシド誘導体又はその鏡像
体を、一般式〔XIII〕
【0054】
【化32】
【0055】〔式中、R7及びR8は同一又は異なってい
てもよく、それぞれ水素原子、置換されていてもよいア
ルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換され
ていてもよいヘテロアリール基又は置換されていてもよ
いアラルキル基であるか、或いはR7とR8が隣接する窒
素原子と一緒になってヘテロ環(当該ヘテロ環は、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
アミノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキサミド基
又はアルキル置換カルバモイル基で置換されていてもよ
い)を形成してもよい〕で示されるアミンと反応させた
後、アミノ保護基を除去することにより、一般式〔XI
V〕
【0056】
【化33】
【0057】〔式中、R5、R7及びR8は前記と同じで
ある〕で示される1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシブ
タン誘導体又はその鏡像体となし、さらにこれをアシル
化剤と反応させ、必要に応じてR9上の保護基を脱保護
することを特徴とする、一般式〔XV〕
【0058】
【化34】
【0059】〔式中、R5、R7及びR8は前記と同じで
あり、R9は置換されていてもよいアルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテ
ロアリール基、置換されていてもよいアラルキル基又は
置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基であ
る〕で示されるアミド誘導体又はその鏡像体の製造方
法。
【0060】
【発明の実施の形態】ここで、「アルキル基」として
は、好ましくは炭素数1〜6であり、直鎖状でも分枝鎖
状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−
ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イ
ソヘキシル基、ネオヘキシル基等が挙げられる。より好
ましくは炭素数1〜4の「低級アルキル基」であり、具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−
ブチル基である。
【0061】「置換されていてもよいアルキル基」と
は、上記アルキル基が反応に影響のない1以上の置換基
で置換されていてもよいものである。置換基としては、
具体的には、水酸基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等の
ハロゲン原子;アミノ基;ニトロ基;メチルアミノ基、
エチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜6のモノまたはジ
アルキルアミノ基;シアノ基;シクロプロピル基、シク
ロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基等の炭素数3〜7のシクロアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、
ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6
のアルコキシ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基等
の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基等が挙げられ
る。好ましくは水酸基、ハロゲン原子、アミノ基等であ
る。
【0062】なお、アルキル基に対する置換基の置換位
置及び数については、特に制限されるものではない。
【0063】「アルケニル基」としては、好ましくは炭
素数2〜6であり、直鎖状でも分枝鎖状でもよく、具体
的には、ビニル基、アリル基、クロチル基、2−ペンテ
ニル基、3−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘ
キセニル基等が挙げられ、より好ましくは炭素数2〜4
であり、ビニル基、アリル基、クロチル基である。
【0064】「置換されていてもよいアルケニル基」と
は、上記アルケニル基が反応に影響のない1以上の置換
基で置換されていてもよいものである。置換基として
は、前記「置換されていてもよいアルキル基」で示した
置換基等が挙げられる。
【0065】なお、アルケニル基に対する置換基の置換
位置及び数については、特に制限されるものではない。
【0066】R1とR2が隣接する炭素原子と一緒になっ
て形成する「シクロアルキル環」としては、好ましくは
炭素数3〜7のシクロアルキル環であり、具体的には、
シクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル
環、シクロヘキシル環、シクロヘプチル環等が挙げら
れ、より好ましくは炭素数4〜6であり、シクロブチル
環、シクロペンチル環、シクロヘキシル環である。
【0067】「アリール基」としては、具体的には、フ
ェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられ、好
ましくはフェニル基である。
【0068】「置換されていてもよいアリール基」と
は、上記アリール基が反応に影響のない1以上の置換基
で置換されていてもよいものである。置換基としては、
前記「置換されていてもよいアルキル基」で示した置換
基等が挙げられる他、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜
6のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペ
ンテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6のアルケニ
ル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチ
リルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキ
シ基等の炭素数2〜6のアシルオキシ基等が挙げられ
る。好ましくはアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ア
ミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アシルオキシ基であ
り、より好ましくはアルキル基、水酸基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基である。
【0069】なお、アリール基に対する置換基の置換位
置及び数については、特に制限されるものではないが、
好ましくは1〜3置換体、より好ましくは1〜2置換体
である。
【0070】「アラルキル基」としては、そのアリール
部は前述と同様のもの(フェニル基、ナフチル基、ビフ
ェニル基等)が挙げられ、そのアルキル部は前述と同様
のもの(炭素数1〜6)が挙げられ、具体的には、ベン
ジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニル
ブチル基、フェニルヘキシル基等が挙げられる。好まし
くはフェニル基及び炭素数1〜4のアルキル基からなる
アラルキル基である。
【0071】「置換されていてもよいアラルキル基」と
は、上記アラルキル基が反応に影響のない1以上の置換
基で置換されていてもよいものである。置換基として
は、前記「置換されていてもよいアリール基」で示した
置換基等が挙げられる他、クロロメチル基、クロロエチ
ル基、クロロブチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル
基等が挙げられる。好ましくは水酸基、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、ニトロ
基、アシルオキシ基、アミノ基、シアノ基等が挙げら
れ、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコ
キシ基、アシルオキシ基である。「置換されていてもよ
いアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、ハロ
ゲン置換ベンジル基、アルキル置換ベンジル基、アルコ
キシ置換ベンジル基、フェネチル基、ハロゲン置換フェ
ネチル基、アルキル置換フェネチル基、アルコキシ置換
フェネチル基、フェニルプロピル基、ハロゲン置換フェ
ニルプロピル基、アルキル置換フェニルプロピル基、ア
ルコキシ置換フェニルプロピル基等が挙げられ、好まし
くはベンジル基、フェネチル基等である。
【0072】なお、上記アラルキル基におけるアリール
上の置換基の置換位置及び数については、特に制限され
るものではないが、好ましくは1〜3置換体である。
【0073】「ヘテロアリール基」としては、具体的に
は、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、フリル
基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、オキサ
ゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチ
アゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、キノリ
ル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニ
ル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、キノキサリニ
ル基等が挙げられ、好ましくはキノリル基、イソキノリ
ル基等である。
【0074】「置換されていてもよいヘテロアリール
基」とは、上記ヘテロアリール基が反応に影響のない1
以上の置換基で置換されていてもよいものである。置換
基としては、前記「置換されていてもよいアリール基」
で示した置換基等が挙げられるが、好ましくはアルキル
基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、モノ
またはジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アシルオキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基であ
り、より好ましくはアルキル基、水酸基、ハロゲン原
子、モノまたはジアルキルアミノ基、アルコキシ基、ア
シルオキシ基である。
【0075】なお、ヘテロアリール基に対する置換基の
置換位置及び数については、特に制限されるものではな
いが、好ましくは1〜3置換体、より好ましくは1〜2
置換体である。
【0076】「ヘテロアリールアルキル基」としては、
そのヘテロアリール部は前述と同様のものが挙げられ、
そのアルキル部は前述と同様のもの(炭素数1〜6)が
挙げられる。具体的には、2−チエニルメチル基、3−
フリルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−キノリル
メチル基、3−イソキノリルメチル基等が挙げられ、好
ましくは2−キノリルメチル基等である。
【0077】「置換されていてもよいヘテロアリールア
ルキル基」とは、上記ヘテロアリールアルキル基が反応
に影響のない1以上の置換基で置換されていてもよいも
のである。置換基としては、前記「置換されていてもよ
いヘテロアリール基」で示した置換基と同じもの等が挙
げられる。
【0078】なお、上記ヘテロアリールアルキル基にお
けるヘテロアリール上の置換基の置換位置及び数につい
ては、特に制限されるものではないが、好ましくは1〜
3置換体である。
【0079】R7とR8が隣接する窒素原子と一緒になっ
て形成する「ヘテロ環」としては、1つ以上の窒素原子
を有する飽和又は不飽和のヘテロアリール基等が挙げら
れ、具体的には、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テ
トラゾリル基、ピロリル基、ピロリジニル基、イミダゾ
リジニル基、ヒドロピリジル基、ピペリジノ基、ピペラ
ジニル基、オキサジニル基、モルホリノ基、アゼピニル
基、ヒドロアゼピニル基、インドリル基、ヒドロインド
リル基、イソインドリル基、ヒドロイソインドリル基、
ヒドロキノリル基、ヒドロイソキノリル基等が挙げられ
る。好ましくは下式
【化35】
【0080】〔式中、点線は二重結合でも単結合でもよ
いことを示す〕で表される基等であり、より好ましくは
下式
【0081】
【化36】
【0082】で表される基である。
【0083】当該ヘテロ環は、ハロゲン原子;アルキル
基(炭素数1〜6);アルケニル基(炭素数2〜6);
アルコキシ基(炭素数1〜6);アミノ基;アルコキシ
カルボニル基(炭素数2〜6);カルボキサミド基;ア
ルキル置換カルバモイル基(アルキル部の炭素数1〜
6)で置換されていてもよい。
【0084】なお、ヘテロ環に対する置換基の置換位置
及び数については、特に制限されるものではないが、好
ましくは1〜3置換体、より好ましくは1〜2置換体で
ある。
【0085】ヘテロ環の置換基としての「ハロゲン原
子」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ
る。
【0086】ヘテロ環の置換基としての「アルキル基」
としては、前述と同様の炭素数1〜6のものが挙げられ
る。
【0087】ヘテロ環の置換基としての「アルケニル
基」としては、前述と同様の炭素数2〜6のものが挙げ
られる。
【0088】ヘテロ環の置換基としての「アルコキシ
基」としては、好ましくは炭素数1〜6であり、直鎖状
でも分技鎖状でもよく、具体的には、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ
基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ
基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペ
ンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、より
好ましくは炭素数1〜4であり、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基であ
り、さらに好ましくは炭素数1〜2であり、メトキシ
基、エトキシ基である。
【0089】ヘテロ環の置換基としての「アルコキシカ
ルボニル基」としては、好ましくは炭素数2〜6であ
り、上記アルコキシ基のうち炭素数1〜5のものにカル
ボニル基がついたもの等が挙げられる。
【0090】ヘテロ環の置換基としての「アルキル置換
カルバモイル基」としては、そのアルキル部は好ましく
は炭素数1〜6であり、具体的には、N−メチルカルバ
モイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカ
ルバモイル基、N−t−ブチルカルバモイル基、N−ペ
ンチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基等
が挙げられ、好ましくはN−t−ブチルカルバモイル基
である。
【0091】「アミノ保護基」としては、具体的には、
ベンジリデン基、4−クロロベンジリデン基、4−ニト
ロベンジリデン基、サリチリデン基、α−ナフチリデン
基、β−ナフチリデン基等の置換されていてもよいアラ
ルキリデン基;ベンジル基、4−メトキシベンジル基、
3,4−ジメトキシベンジル基、2−ニトロベンジル
基、4−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビス
(4−メトキシフェニル)メチル基、トリチル基等の置
換されていてもよいアラルキル基;ホルミル基、アセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基、2
−クロロアセチル基、2−ブロモアセチル基、2−ヨー
ドアセチル基、2,2−ジクロロアセチル基、2,2,
2−トリクロロアセチル基、2,2,2−トリフルオロ
アセチル基、フェニルアセチル基、フェノキシアセチル
基、ベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基、4−メト
キシベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基、ナフチル
カルボニル基、アダマンチルカルボニル基等の置換され
ていてもよいアシル基;
【0092】メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボ
ニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカ
ルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、シクロ
ヘキシルオキシカルボニル基、2−クロロエトキシカル
ボニル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニル基、2,2,2−ト
リクロロ−t−ブトキシカルボニル基、ベンズヒドリル
オキシカルボニル基、ビス−(4−メトキシフェニル)
メトキシカルボニル基、フェナシルオキシカルボニル
基、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基、2−
トリフェニルシリルエトキシカルボニル基、フルオレニ
ル−9−メトキシカルボニル基等の置換されていてもよ
いアルコキシカルボニル基;
【0093】ビニルオキシカルボニル基、2−プロペニ
ルオキシカルボニル基、2−クロロ−2−プロペニルオ
キシカルボニル基、3−メトキシカルボニル−2−プロ
ペニルオキシカルボニル基、2−メチル−2−プロペニ
ルオキシカルボニル基、2−ブテニルオキシカルボニル
基、シンナミルオキシカルボニル基等の置換されていて
もよいアルケニルオキシカルボニル基;フェノキシカル
ボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、4−ブロモベ
ンジルオキシカルボニル基、2−クロロベンジルオキシ
カルボニル基、3−クロロベンジルオキシカルボニル
基、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、
4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル基、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベン
ジルオキシカルボニル基、3,4,5−トリメトキシベ
ンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニ
ル基等の置換されていてもよいアラルキルオキシカルボ
ニル基;
【0094】トリメチルシリル基、t−ブチルジメチル
シリル基等の置換されていてもよい低級アルキルシリル
基;メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル
基、ブチルチオカルボニル基、t−ブチルチオカルボニ
ル基等の置換されていてもよいアルキルチオカルボニル
基;ベンジルチオカルボニル基等の置換されていてもよ
いアラルキルチオカルボニル基;ジシクロヘキシルホス
ホリル基、ジフェニルホスホリル基、ジベンジルホスホ
リル基、ジ−(4−ニトロベンジル)ホスホリル基、フ
ェノキシフェニルホスホリル基等の置換されていてもよ
いホスホリル基;
【0095】ジエチルホスフィニル基、ジフェニルホス
フィニル基等の置換されていてもよいホスフィニル基等
が挙げられる。また、場合によっては、フタロイル基等
であってもよい。好ましくはアラルキルオキシカルボニ
ル基であり、より好ましくはベンジルオキシカルボニル
基である。
【0096】「水酸基の保護基」としては、具体的に
は、メトキシメチル基、メトキシエチル基、テトラヒド
ロピラニル基、ベンジル基、トリチル基等のエーテル系
保護基;トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリ
ル基等のシリルエーテル系保護基;アセチル基、ピバロ
イル基、ベンゾイル基、トルオイル基、p−ニトロベン
ゾイル基、p−メトキシベンゾイル基等のエステル系保
護基等が挙げられ、好ましくはエステル系保護基であ
り、より好ましくはp−ニトロベンゾイル基である。
【0097】「酸素原子と一体となって脱離基として機
能する置換基(Z基)」としては、具体的には、酸素原
子と一体となった基(脱離基:OZ基)として、トシル
オキシ基(p−トルエンスルホニルオキシ基)、ブロシ
ルオキシ基(p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ
基)、メシルオキシ基(メタンスルホニルオキシ基)、
ベンゼンスルホニルオキシ基、カンファースルホニルオ
キシ基、トリフィルオキシ基(トリフルオロメタンスル
ホニルオキシ基)等のスルホン酸誘導体等が挙げられ、
好ましくはメシルオキシ基(メタンスルホニルオキシ
基)である。
【0098】「塩」としては、具体的には、ナトリウム
塩、カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩;カル
シウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ト
リエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノー
ルアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシ
ルアミン塩、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン塩
等の有機アミン塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、燐
酸塩等の無機酸塩;蟻酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸
塩、マレイン酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩;メタンスル
ホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩等のスルホン酸塩;アルギニン、アスパラギン
酸、グルタミン酸等のアミノ酸塩等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0099】なお、本発明においては、各化合物の各種
異性体等も包含される。
【0100】次に、(z)−2−ブテン−1,4−ジオ
ールを出発原料とした、化合物〔XV〕の製造方法、つま
り最終目的化合物である前記HIVプロテアーゼ阻害剤
として有用な化合物〔XVI〕を含む化合物の製造方法に
ついて詳しく述べる。
【0101】
【化37】
【0102】〔式中、R1、R2、R4、R5、R6、R7
8、R9及びZは前記と同じであり、R3はアラルキル
アミン残基又はアミノ酸誘導体残基である〕
【0103】工程(1):ジオール水酸基の保護 この反応自体は公知であり、(z)−2−ブテン−1,
4−ジオール〔I〕に対し、無溶媒もしくは適当な溶媒
中で、酸等の適当な触媒あるいは脱水剤の存在下、アセ
タール化剤もしくはケタール化剤を反応させることによ
り、水酸基の保護を行い、化合物〔II〕を得るものであ
る。
【0104】「アセタール化剤」、「ケタール化剤」と
しては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、アセトン、ジエチルケトン、メ
チルエチルケトン、アセトフェノン、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン等のカルボニル化合物;ジメトキ
シメタン、1,1−ジメトキシアセトアルデヒド、ベン
ズアルデヒドジメチルアセタール、2,2−ジメトキシ
プロパン、シクロヘキサノンジメチルアセタール等のge
m-ジアルコキシ化合物;もしくはメチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、2−メトキシプロペン、2
−エトキシプロペン、1−メトキシシクロヘキセン等の
ビニルエーテル化合物等が挙げられ、好ましくはgem-ジ
アルコキシ化合物であり、より好ましくは2,2−ジメ
トキシプロパンである。
【0105】触媒は、アセタール化剤又はケタール化剤
の種類により適宜選択されるが、適当な触媒としては、
例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸;酢酸、トリフル
オロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有
機酸等が挙げられ、好ましくは有機酸であり、より好ま
しくはp−トルエンスルホン酸である。脱水剤として
は、五酸化リン、モレキュラーシーブス、五塩化リン等
が挙げられ、好ましくはモレキュラーシーブスである。
【0106】溶媒は、アセタール化剤又はケタール化剤
の種類により適宜選択されるが、適当な溶媒としては、
例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、キシレン等の
炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、ジグリム等のエーテル
系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、
1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;N,
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル、アセトン等の極性溶媒等が挙げられ、好
ましくは炭化水素系溶媒であるが、より好ましくは無溶
媒である。
【0107】反応(還流)温度は0〜200℃が適当であ
り、好ましくは80〜160℃である。なお、化合物〔II〕
は単離することなく、直接次工程に用いることができ
る。
【0108】工程(2):酸化剤によるエポキシ化 本工程は、化合物〔II〕に対し、無溶媒もしくは適当な
溶媒中、酸化剤によりエポキシ化を行い、化合物〔II
I〕を得るものである。なお、工程(1)と同様、この
反応自体は公知である(米国特許第4439613号明
細書参照)。
【0109】「酸化剤」としては、例えば、過酸化水
素、オキソン(商品名)等の無機酸化剤;メタクロロ過
安息香酸、過酢酸、t−ブチルハイドロペルオキシド等
の有機酸化剤等が挙げられ、好ましくは無機酸化剤であ
り、より好ましくは過酸化水素である。なお、この場
合、反応を円滑に進行させるために、水酸化ナトリウム
を用いるか、又は水酸化ナトリウムとリン酸水素二ナト
リウムを共存させることが望ましい。
【0110】溶媒は酸化剤の種類により適宜選択される
が、適当な溶媒としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の
アルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘキサン、キ
シレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、1,2
−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジグリム等
のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四
塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶
媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル
系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、アセトン、ギ酸、酢酸、水等の極性溶媒;或いはこ
れらの混合溶媒等が挙げられ、好ましくはアルコール系
溶媒であり、より好ましくはメタノールとアセトニトリ
ルと水からなる混合溶媒である。
【0111】反応温度は酸化条件によって適宜選択され
るが、0〜150℃が適当であり、好ましくは50〜100℃で
ある。反応時間は3〜8時間が好ましい。なお、化合物
〔III〕は単離することなく、直接次工程に用いること
ができる。
【0112】工程(3):キラルなアミンによるエポキ
シ開環反応 本工程は、適当な溶媒中或いは無溶媒で、化合物〔II
I〕のエポキシ環を、R3−NH2〔式中、R3は前記と同
じである〕で示されるキラルなアミン〔IV〕で開環し、
生成した異性体混合物を結晶化(例えば再結晶等)する
ことにより、光学的に純粋な化合物〔V〕又はその鏡像
体を得るものである。
【0113】「キラルなアミン」としては、アミノ基に
隣接した不斉炭素原子を有するようなアミン、即ち
(R)又は(S)の立体配置を有するアミンであり、主
なものは「アラルキルアミン」と「アミノ酸誘導体」で
ある。
【0114】「アラルキルアミン」としては、例えば、
(R)−1−フェニルエチルアミン、(S)−1−フェ
ニルエチルアミン、(R)−1−(1−ナフチル)エチ
ルアミン、(S)−1−(1−ナフチル)エチルアミ
ン、(R)−α−フェニルグリシノール、(S)−α−
フェニルグリシノール等が挙げられ、好ましくは(R)
−1−フェニルエチルアミンである。
【0115】「アミノ酸誘導体」としては、例えば、
(R)−セリン、(S)−セリン、(R)−α−フェニ
ルグリシン、(S)−α−フェニルグリシン等のアミノ
酸;(R)−セリンメチルエステル、(S)−セリンメ
チルエステル、(R)−α−フェニルグリシンメチルエ
ステル、(S)−α−フェニルグリシンメチルエステル
等のアミノ酸誘導体等が挙げられ、好ましくは(R)−
α−フェニルグリシンである。
【0116】また、R3における「アラルキルアミン残
基」、「アミノ酸誘導体残基」とは、上記「アラルキル
アミン」、「アミノ酸誘導体」においてアミノ基に結合
しているアミノ基以外の部分の基を意味する。
【0117】なお、キラルなアミンを適宜選択すること
により、化合物〔V〕か、化合物〔V〕の鏡像体かを得
ることができる。
【0118】反応に用いる適当な溶媒としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、キシレン等の炭化水素系溶
媒;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テ
トラヒドロフラン、ジグリム等のエーテル系溶媒;ジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタン等のハロゲン系溶媒;N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ア
セトン、水等の極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が
挙げられ、好ましくはアルコール系溶媒であり、より好
ましくはイソプロピルアルコールである。
【0119】反応温度は0〜150℃が適当であり、好ま
しくは50〜100℃である。反応時間は20〜30時間が好ま
しい。
【0120】結晶化に用いる適当な溶媒としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキ
サン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロ
ゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等の
エステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、水等の
極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ま
しくは炭化水素系溶媒、又は炭化水素系溶媒とアルコー
ル系溶媒の混合溶媒であり、より好ましくはヘキサンも
しくはヘプタンとイソプロピルアルコールからなる混合
溶媒である。
【0121】工程(4):キラル素子の除去 本工程は、工程(3)で得られた化合物〔V〕又はその
鏡像体を、適当な条件下、キラル素子(R3)を除去す
ることにより、キラルな化合物〔VI〕又はその鏡像体を
得るものである。
【0122】除去条件はキラル素子の種類によって適宜
選択されるが、例えばR3が1−フェニルエチル基であ
る場合、適当な溶媒中、水酸化パラジウム等の適当な触
媒存在下、水素源存在下で接触還元することによりキラ
ル素子は除去される。
【0123】この場合、適当な触媒としては、例えばパ
ラジウム系触媒(水酸化パラジウム−炭素、パラジウム
−炭素、パラジウム−アルミナ等)、白金系触媒(酸化
白金等)、ロジウム系触媒(ロジウム−アルミナ等)、
ルテニウム系触媒(ルテニウム−アルミナ等)等が挙げ
られ、好ましくはパラジウム系触媒であり、より好まし
くは水酸化パラジウム−炭素である。
【0124】水素源としては、例えば、水素ガス、ギ酸
アンモニウム、ギ酸、シクロヘキサジエン等が挙げら
れ、好ましくは水素ガスである。
【0125】適当な溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアル
コール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロ
ゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等の
エステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ギ
酸、酢酸、水等の極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等
が挙げられ、好ましくはアルコール系溶媒、極性溶媒、
アルコール系溶媒と極性溶媒の混合溶媒であり、より好
ましくはイソプロピルアルコールと酢酸と水の混合溶媒
である。
【0126】反応温度は0〜100℃が適当であり、好ま
しくは20〜60℃である。反応時間は5〜20時間が好まし
い。
【0127】工程(5):アミノ基の保護 本工程は、工程(4)で得られた化合物〔VI〕又はその
鏡像体に、適当な条件下、R4に対応する酸ハライド又
は酸無水物等を反応させることにより、そのアミノ基を
保護基(R4)によって保護し、化合物〔VII〕又はその
鏡像体を得る工程である。アミノ保護基(R4)として
は、前述したものが挙げられる。
【0128】R4に対応する酸ハライドとしては、R4
対応するものであれば特に限定されないが、例えば、ベ
ンジルオキシカルボニルクロライド、エトキシカルボニ
ルクロライド等が挙げられる。また、R4に対応する酸
無水物としては、R4に対応するものであれば特に限定
されないが、例えば、ジ−t−ブチルジカーボネート、
ジ−(2,2,2−トリクロロ−t−ブチル)ジカーボ
ネート等が挙げられる。
【0129】適当な溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアル
コール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロ
ゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等の
エステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、水等の
極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ま
しくはエステル系溶媒と水との2層系であり、より好ま
しくは酢酸エチルと水との2層系である。
【0130】反応温度は0〜100℃が適当であり、好ま
しくは20〜60℃である。反応時間は2〜10時間が好ま
しい。
【0131】工程(6):7員環から5員環への異性化 本工程は、適当な溶媒中、適当な酸により、化合物〔VI
I〕又はその鏡像体の7員環部分を、より熱力学的に有
利な5員環構造に異性化させることにより、化合物〔VI
II〕又はその鏡像体を得る工程である。
【0132】適当な酸としては、例えば、硫酸、塩酸、
硝酸等の無機酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸ピリジニウム、ベンゼンスルホン酸、カンファース
ルホン酸等の有機酸等が挙げられ、好ましくは有機酸で
あり、より好ましくはp−トルエンスルホン酸ピリジニ
ウムである。
【0133】適当な溶媒としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、ヘキサン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジ
エチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン、ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエ
タン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢
酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセ
トン等の極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げら
れ、好ましくは極性溶媒であり、より好ましくはアセト
ンである。
【0134】反応温度は0〜100℃が適当であり、好ま
しくは20〜50℃である。反応時間は2〜6時間が好まし
い。
【0135】工程(7):水酸基のチオエーテル化 本工程は、化合物〔VIII〕又はその鏡像体を、適当な塩
基の存在下、適当な溶媒中、ハロゲン化剤又はスルホニ
ル化剤と反応させることによって、その水酸基を適当な
脱離基に置換し、これを単離、或いは単離することな
く、適当な塩基の存在下、所望のR5SH〔式中、R5
前記と同じである〕で示されるメルカプタン類と反応さ
せることにより、化合物〔IX〕又はその鏡像体を得るも
のである。
【0136】適当な脱離基としては、例えば、塩素、臭
素、ヨウ素等のハロゲン;メタンスルホニルオキシ、ト
リフルオロメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニ
ルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、カンファースル
ホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基等が挙げられ、
好ましくはスルホニルオキシ基であり、より好ましくは
メタンスルホニルオキシ基である。
【0137】ハロゲン化剤としては、例えば、三塩化リ
ン、オキシ塩化リン、三臭化リン、塩化チオニル、五塩
化リン等の通常のハロゲン化剤を使用することができ
る。
【0138】スルホニル化剤としては、例えば、メタン
スルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライ
ド、トルエンスルホニルクロライド、カンファースルホ
ニルクロライド等のスルホニルクロライド;メタンスル
ホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等
のスルホン酸無水物等が挙げられ、好ましくはスルホニ
ルクロライドであり、より好ましくはメタンスルホニル
クロライドである。
【0139】適当な塩基としては、例えば、ピリジン、
ルチジン、ピコリン、トリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、DBU(1,
8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン)、DBN(1,
5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン)等の有機塩基等が
挙げられ、好ましくはピリジン、トリエチルアミンであ
り、より好ましくはトリエチルアミンである。
【0140】適当な溶媒としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、ヘキサン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジ
エチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン、ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエ
タン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢
酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセ
トン等の極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げら
れ、好ましくは極性溶媒であり、より好ましくはN,N
−ジメチルホルムアミドである。
【0141】所望のメルカプタン類としては、メルカプ
ト基を有するものであればいかなるものでもよく、例え
ば、チオフェノール、トルエンチオール等の置換されて
いてもよいアリールメルカプタン類;メチルメルカプタ
ン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソ
プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、イソブチ
ルメルカプタン、s−ブチルメルカプタン、t−ブチル
メルカプタン等の置換されていてもよいアルキルメルカ
プタン類;ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプ
タン、ナフチルメチルメルカプタン等の置換されていて
もよいアラルキルメルカプタン類;ビニルメルカプタ
ン、アリルメルカプタン等の置換されていてもよいアル
ケニルメルカプタン類等が挙げられる。好ましくはアリ
ールメルカプタン類であり、より好ましくはチオフェノ
ールである。
【0142】所望のメルカプタン類との反応に用いられ
る適当な塩基としては、例えば、ピリジン、ルチジン、
ピコリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルア
ミン、ジメチルアミノピリジン、DBU、DBN等の有
機塩基;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられ、
好ましくは無機塩基であり、より好ましくは炭酸カリウ
ムである。
【0143】反応温度は0〜100℃が適当であり、好ま
しくは0〜50℃である。反応時間は5〜20時間が好ま
しい。
【0144】工程(8):ジオール保護基の除去 本工程は、適当な酸の存在下に、適当な溶媒中、化合物
〔IX〕又はその鏡像体のアセタール或いはケタール部分
を加水分解し、ジオール体〔X〕又はその鏡像体を得る
工程である。
【0145】適当な酸としては、例えば、塩酸、硫酸、
硝酸等の無機酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホ
ン酸等の有機酸等が挙げられ、好ましくは無機酸であ
り、より好ましくは塩酸である。
【0146】適当な溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の
アルコール系溶媒;ジエチルエーテル、1,2−ジメト
キシエタン、テトラヒドロフラン、ジグリム等のエーテ
ル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトニトリル、アセトン、水等の極性溶
媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ましくは
アルコール系溶媒であり、より好ましくはメタノールで
ある。
【0147】反応温度は0〜100℃が適当であり、好ま
しくは20〜80℃である。反応時間は30分間〜2時間が
好ましい。
【0148】工程(9):第一級水酸基の保護並びに第
二級水酸基の脱離基への誘導 本工程は、塩基の存在下、適当な溶媒中、R6に対応す
る酸ハロゲン化物或いは酸無水物等と反応させることに
より、化合物〔X〕又はその鏡像体の第一級水酸基を保
護基(R6)で保護し、これを単離、或いは単離するこ
となく、さらにスルホニル化剤と反応させることによ
り、同じく第二級水酸基を脱離基(OZ)に誘導し、化
合物〔XI〕はその鏡像体を得る工程である。
【0149】適当な塩基としては、例えば、ピリジン、
ルチジン、ピコリン、トリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、DBU、D
BN等の有機塩基;水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられ、好まし
くは有機塩基であり、より好ましくはトリエチルアミン
である。
【0150】適当な溶媒としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、ヘキサン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジ
エチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン、ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエ
タン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢
酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセ
トン等の極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げら
れ、好ましくはエーテル系溶媒であり、より好ましくは
テトラヒドロフランである。
【0151】水酸基の保護基(R6)としては、前述し
たものが挙げられる。保護基の導入剤としては、R6
対応する酸ハロゲン化物或いは酸無水物等が挙げられ、
保護基の種類により適宜選択される。例えば、エステル
系保護基の場合には、相当するカルボン酸の無水物もし
くは酸塩化物等が挙げられ、例えば塩化p−ニトロベン
ゾイル等が好ましく用いられる。
【0152】脱離基(OZ)としては、前述のように、
トシルオキシ基(p−トルエンスルホニルオキシ基)、
ブロシルオキシ基(p−ブロムベンゼンスルホニルオキ
シ基)、メシルオキシ基(メタンスルホニルオキシ
基)、ベンゼンスルホニルオキシ基、カンファースルホ
ニルオキシ基、トリフィルオキシ基(トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ基)等のスルホン酸誘導体等が挙げ
られ、好ましくはメシルオキシ基(メタンスルホニルオ
キシ基)である。
【0153】スルホニル化剤としては、例えば、メタン
スルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライ
ド、トルエンスルホニルクロライド、カンファースルホ
ニルクロライド等のスルホニルクロライド;メタンスル
ホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等
のスルホン酸無水物等が挙げられ、好ましくはスルホニ
ルクロライドであり、より好ましくはメタンスルホニル
クロライドである。
【0154】反応温度は0〜20℃が適当であり、好まし
くは0〜10℃である。反応時間は1〜5時間が好まし
い。
【0155】工程(10):エポキシ化 本工程は、化合物〔XI〕はその鏡像体を適当な溶媒中、
適当な塩基で処理して、第一級水酸基の脱保護とエポキ
シ化を同時に行い、化合物〔XII〕又はその鏡像体に導
くものである。
【0156】適当な塩基としては、例えば、水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の無機塩
基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウムt−ブトキシド等のアルコキシド類等の有機塩基
等が挙げられ、好ましくは無機塩基、より好ましくは水
酸化カリウムである。
【0157】適当な溶媒としては、使用する塩基により
適宜選択されるが、例えば、メタノール、エタノール、
n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n
−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコ
ール系溶媒;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、ジグリム、1,4−ジオキ
サン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセト
ン、水等の極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げ
られ、好ましくはエーテル系溶媒と水からなる混合溶媒
であり、より好ましくは1,4−ジオキサンと水からな
る混合溶媒である。
【0158】反応温度は0〜30℃が適当であり、好まし
くは0〜20℃である。反応時間は30分間〜5時間が好
ましい。
【0159】工程(11):アミンによるエポキシ開環
反応とアミノ保護基の除去 本工程は、化合物〔XII〕又はその鏡像体を適当な溶媒
中、アミン〔XIII〕と反応させてエポキシ環を開環さ
せ、このものを単離、或いは単離することなく、アミノ
保護基(R4)を除去し、化合物〔XIV〕又はその鏡像体
を得る工程である。
【0160】「アミン」としては、窒素上に少なくとも
一つの水素原子を有するアミンであればいかなるもので
も用いることが可能である。例えば、アンモニア、メチ
ルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピ
ルアミン、アニリン、アニシジン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、メチルエチルアミン、メチルイソプロピルアミン、
メチルアニリン、ピロリジン、ピペリジン、デカヒドロ
イソキノリン、(3S,4aS,8aS)−デカヒドロ
イソキノリン−3−カルボン酸 t−ブチルアミド等が
挙げられる。
【0161】適当な溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアル
コール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロ
ゲン系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、アセトニトリル、アセトン、水等の極性
溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ましく
はアルコール系溶媒であり、より好ましくはイソプロピ
ルアルコールである。
【0162】アミンによる開環反応の反応温度は0〜10
0℃が適当であり、好ましくは50〜80℃である。反応時
間は1〜10時間が好ましい。
【0163】アミノ保護基(R4)の除去法は、保護基
の種類により適宜選択されるが、例えば保護基がt−ブ
トキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の
カルバメート類である場合には、適当な溶媒中、適当な
塩基で処理することにより、脱保護することができる。
【0164】適当な塩基としては、例えば、水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の無機塩
基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウムt−ブトキシド等のアルコキシド類、アンモニ
ア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン等の有機塩基等が挙げられ、好ましくは無
機塩基であり、より好ましくは水酸化カリウムである。
【0165】適当な溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアル
コール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジグリム等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセ
トン、水等の極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙
げられ、好ましくはアルコール系溶媒と水からなる混合
溶媒であり、より好ましくはイソプロピルアルコールと
水からなる混合溶媒である。
【0166】反応温度は0〜100℃が適当であり、好ま
しくは50〜80℃である。反応時間は5〜20時間が好ま
しい。
【0167】工程(12):アミノ基の修飾 本工程は、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、所望の
アシル化剤で、化合物〔XIV〕又はその鏡像体のアミノ
基をアシル化し、必要に応じてR9上の保護基を脱保護
し、化合物〔XV〕又はその鏡像体を得る工程である。
【0168】適当な塩基としては、例えば、ピリジン、
ルチジン、ピコリン、トリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、DBU、D
BN等の有機塩基;水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられ、好まし
くは無機塩基であり、より好ましくは炭酸水素ナトリウ
ムである。
【0169】アシル化剤としては、第一級アミノ基と反
応するものであればいかなるものでもよく、例えば、無
水酢酸、無水ピバル酸等の置換されていてもよいアルキ
ルカルボン酸無水物;無水安息香酸、無水トルイル酸等
の置換されていてもよいアリールカルボン酸無水物;塩
化アセチル、塩化ピバロイル等の置換されていてもよい
アルキルカルボン酸塩化物;塩化ベンゾイル、塩化トル
オイル等の置換されていてもよいアリールカルボン酸塩
化物;置換されていてもよいヘテロアリールカルボン酸
無水物、置換されていてもよいヘテロアリールカルボン
酸塩化物;置換されていてもよいアラルキルカルボン酸
無水物、置換されていてもよいアラルキルカルボン酸塩
化物;置換されていてもよいヘテロアリールアルキルカ
ルボン酸無水物、置換されていてもよいヘテロアリール
アルキルカルボン酸塩化物等が挙げられる。また、3−
アセトキシ−2−メチルベンゾイルクロリド等の保護基
を有する酸クロリド等も用いることができる。
【0170】適当な溶媒としては、用いられる塩基の種
類により適宜選択されるが、例えば、メタノール、エタ
ノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等
のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘキサン、
キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、1,
2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジグリム
等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶
媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル
系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、アセトニトリル、アセトン、水等の極性溶
媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ましくは
エステル系溶媒と水との2層系であり、より好ましくは
酢酸エチルと水との2層系である。
【0171】反応温度は0〜20℃が適当であり、好まし
くは0〜10℃である。反応時間は30分間〜3時間が好
ましい。
【0172】また、上記アシル化剤中に保護基が存在す
る場合、その保護基を脱保護することもできる。
【0173】脱保護法は、保護基の種類により適宜選択
されるが、例えば、アシル化剤として3−アセトキシ−
2−メチルベンゾイルクロリドを用いた場合、保護基の
アセチル基は、適当な溶媒中、適当な塩基で処理するこ
とにより除去することができる。
【0174】なお、保護基としては、例えば、アセチル
基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル
基、トリフルオロアセチル基等が挙げられる。
【0175】適当な塩基としては、例えば、アンモニ
ア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン等のアミン類等の有機塩基;水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基等
が挙げられ、好ましくはアミン類であり、より好ましく
はアンモニアである。
【0176】適当な溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアル
コール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロ
ゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等の
エステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、水等の
極性溶媒;或いはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ま
しくはアルコール系溶媒であり、より好ましくはメタノ
ールである。
【0177】反応温度は0〜100℃が適当であり、好ま
しくは20〜50℃である。反応時間は1〜5時間が好まし
い。
【0178】なお、上記化合物〔XV〕および各種中間体
化合物の鏡像体は、工程(3)により得られた化合物
〔V〕の鏡像体を用いて上記と同様の反応を行うこと等
により得ることができる。
【0179】上記のようにして合成される化合物〔XV〕
および各種中間体化合物およびその鏡像体は、公知の分
離精製手段、例えば、濃縮、抽出、クロマトグラフィ
ー、再沈殿、再結晶等の手段を適宜施すことにより、任
意の純度のものとして採取することができる。
【0180】また、上記化合物〔XV〕および各種中間体
化合物およびその各種異性体の塩は、公知の方法により
製造することができる。
【0181】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に述べる
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例をフローで示せば下記の通りである。
【0182】
【化38】
【0183】〔式中、Phはフェニル基、Acはアセチ
ル基、Cbzはベンジルオキシカルボニル基、Msはメ
タンスルホニル基、Bu-tはt−ブチル基である〕
【0184】参考例1:化合物〔2〕の製造(工程1) (z)−2−ブテン−1,4−ジオール(化合物
〔1〕;211.4g,2.4mol)及び2,2−ジ
メトキシプロパン(590.2ml,4.8mol)の
混合物に、p−トルエンスルホン酸・1水和物(30m
g)を加えた。得られた溶液を常圧下で蒸留することに
より、無色透明液状の2,2−ジメチル−4,7−ジヒ
ドロ−1,3−ジオキセピン(化合物〔2〕;245
g,収率80%)を得た。 沸点 140-145℃/760mmHg1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ:5.67(diff
used s,2H),4.26(diffused s,4H),1.44(s,6H)
【0185】参考例2:化合物〔3〕の製造(工程2) 2,2−ジメチル−4,7−ジヒドロ−1,3−ジオキ
セピン(化合物〔2〕;94.0g,0.734mo
l)、メタノール(220ml)及びアセトニトリル
(116ml,2.20mol)を混合し、60℃に加
温した。本液に30%の過酸化水素水(208ml,
1.84mol)を60〜70℃にて1.5時間かけて
滴下した。この時、同時に1M水酸化ナトリウム水溶液
を滴下し、反応系内がpH9.1〜9.6となるよう調
製した。過酸化水素水の滴下終了後、更に1M水酸化ナ
トリウム水溶液の滴下を継続し、pH9.1〜9.6、
50〜70℃に保ち、1.5時間撹拌した。混合物を室
温まで冷却し、飽和食塩水(220ml)にて希釈し、
クロロホルムにて抽出(180ml×1、90ml×
2)した。有機層を合わせ、亜硫酸水素ナトリウム水溶
液(300ml,15g)にて洗浄し、硫酸マグネシウ
ムにて乾燥した。溶媒を溜去後、残渣を蒸留し、無色透
明液状の4,4−ジメチル−3,5,8−トリオキサビ
シクロ〔5.1.0〕オクタン(化合物〔3〕;86.
7g,収率82%)を得た。 沸点 70-74℃/17mmHg1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ:4.08-3.97
(m,4H),3.22-3.18(m,2H),1.37(s,3H),1.32(s,3H)
【0186】参考例3:化合物〔5〕の製造(工程3) 上記によって得られた4,4−ジメチル−3,5,8−
トリオキサビシクロ〔5.1.0〕オクタン(化合物
〔3〕;142g,0.988mol)及び(R)−1
−フェニルエチルアミン(化合物〔4〕;120g,
0.988mol)をイソプロピルアルコール(400
ml)に溶解し、この混合液を24時間加熱還流後、3
66gになるまで濃縮した。残渣にヘキサン(400m
l)を加え、5℃にて1時間撹拌した。析出した結晶を
濾取し、ヘキサンにて洗浄後、乾燥することにより無色
結晶の(5R,6S)−2,2−ジメチル−6−
〔(R)−1−フェニルエチルアミノ〕−1,3−ジオ
キセパン−5−オール(化合物〔5〕;94.0g,収
率36%)を得た。
【0187】融点 108-108.5℃1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.33-7.22
(m,5H),3.95(q,1H,J=6.5Hz),3.75(dd,1H,J=1.8,12.1H
z),3.74(dd,1H,J=2.0,12.5Hz),3.52(dd,1H,J=5.5,12.
5Hz),3.48(ddd,1H,J=0.5,5.9,12.1Hz),3.37(dt,1H,J=
1.4,5.6Hz),2.44(br s,1H),2.34(dt,1H,J=1.7,5.5H
z),1.34(d,3H,J=6.5Hz),1.34(s,3H),1.31(s,3H) IR(KBr):3406,2590,1452,1374,1219,107
2,1052,841,758,696cm -1 〔α〕D 25: +91.0°(c1.00,MeOH) 元素分析(C1523NO3): 理論値:C,67.90;H,8.7
4;N,5.28. 測定値:C,67.90;H,9.01;N,5.31.
【0188】参考例4:化合物〔6〕の製造(工程4) 20%水酸化パラジウム−炭素(50%ウェットタイ
プ,9.20g)をイソプロピルアルコール(550m
l)に懸濁し、(5R,6S)−2,2−ジメチル−6
−〔(R)−1−フェニルエチルアミノ〕−1,3−ジ
オキセパン−5−オール(化合物〔5〕;92.0g,
37,7mmol)及び酢酸(20.8ml,37.7
mmol)を加えた。混合液を室温、水素雰囲気下
(3.0atm)にて8時間撹拌した。その後、触媒を
セライト濾過により取り除き、濾液を105gになるま
で濃縮した。残渣にヘキサン(400ml)を加え、得
られた懸濁液を撹拌することにより、薄片結晶が析出し
た。結晶を濾取し、乾燥することにより無色結晶の(5
R,6S)−6−アミノ−2,2−ジメチル−1,3−
ジオキセパン−5−オール 酢酸塩(化合物〔6〕;7
6.6g,収率100%)を得た。
【0189】融点133-134℃1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ:3.84(dd,
1H,J=2.5,12.7Hz),3.74(dd,1H,J=2.5,12.5Hz),3.67-
3.53(m,3H),2.98(dt,J=2.4,6.5Hz),1.91(s,3H),1.33
(s,6H) IR(KBr):3178,2993,1617,1561,1525,140
9,1385,1223,1087,1031,846cm-1 〔α〕D 25: +29.6°(c1.05,MeOH) 元素分析(C919NO5): 理論値:C,48.86;H,8.66;
N,6.33. 測定値:C,48.98;H,8.70;N,6,36.
【0190】実施例1:化合物〔7〕の製造(工程5) (5R,6S)−6−アミノ−2,2−ジメチル−1,
3−ジオキセパン−5−オール 酢酸塩(化合物
〔6〕;29.0g,0.131mol)と炭酸水素ナ
トリウム(33.0g,0.393mol)を、水(1
50ml)及び酢酸エチル(50ml)から成る懸濁液
に撹拌しながら加えた。この混合物に、撹拌しながらク
ロロ炭酸ベンジル(18.7ml,0.131mol)
の酢酸エチル(50ml)溶液を滴下し、室温で6時間
撹拌した。有機層を分離し、0.5Mクエン酸水溶液
(30ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30m
l)及び飽和食塩水(30ml)で順次洗浄した後、硫
酸マグネシウムで乾燥した。溶液を減圧溜去することに
より(5R,6S)−6−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−2,2−ジメチル−5−ヒドロキシ−1,3−ジ
オキセパン(化合物〔7〕;38.5g,収率99.5
%)を無色油状物質として得た。
【0191】1H−NMR(CDCl3,300MHz)
δ:7.4-7.3(m,5H),5.39(brd.d,1H),5.13(d,J=12.1H
z,1H),5.07(d,J=12.1Hz,1H),3.99(d,J=12.7Hz,1H),
3.79(d,J=12.9Hz,1H),3.8-3.6(m,2H),3.57(m,1H),3.
49(ddd,J=12.8,2.8,1.8Hz,1H),2.73(brd.s,1H),1.34
(s,3H),1.32(s,3H) IR(neat):3334,2942,1703,1508,1454,13
76,1288,1218,1157,1049,854cm-1 〔α〕D 25: +38.8°(c1.45,MeOH) MS(FAB):m/z 296[M+H]+,測定値:296.1501,
理論値:296.1498示性式:C1522NO5
【0192】実施例2:化合物〔8〕の製造(工程6) (5R,6S)−6−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−2,2−ジメチル−5−ヒドロキシ−1,3−ジオキ
セパンの粗生成物(化合物〔7〕;38.5g)をアセ
トン(200ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸
ピリジニウム(1.31g,5.2mmol)を加え
た。混合液を50〜55℃で4時間加温した。室温まで
冷却した後、トルエン(400ml)と飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(100ml)を加え、有機層を分離
後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)及び
水(100ml)で順次洗浄した。硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧濃縮することにより(2S)−2−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−2−[(4R)−2,2−
ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]エタノー
ル(化合物〔8〕;36.0g,収率94%)を得た。
【0193】1H−NMR(CDCl3,300MHz)
δ:7.5-7.2(m,5H),5.32(brd.d,1H),5.15(d,J=12.2H
z,1H),5.09(d,J=12.2Hz,1H),4.4-4.3(m,1H),4.05(t,
J=7.5Hz,1H),3.9-3.6(m,4H),2.54(bs,1H),1.42(s,3
H),1.35(s,3H) IR(neat):3440,2985,2938,2885,1703,15
30,1454,1372,1250,1216,1156,1069,856cm-1 〔α〕D 25: -23.5°(c1.02,MeOH) MS(FAB):m/z 296[M+H]+,測定値:296.1491,
理論値:296.1498示性式:C1522NO5
【0194】実施例3:化合物
〔9〕の製造(工程7) (2S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−
[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン
−4−イル]エタノールの粗生成物(化合物〔8〕;3
6.0g)及びトリエチルアミン(17.0ml,0.
122mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(36
0ml)に溶解し、その溶液を4℃まで冷却した。この
溶液に、メタンスルホニルクロライド(9.40ml,
0.122mol)を4〜12℃にて滴下し、滴下終了
後、4℃にて30分間撹拌した。その後、この混合物に
炭酸カリウム(33.7g,0.244mol)とチオ
フェノール(12.5ml,0.122mol)を窒素
雰囲気下にて順次加え、混合液を室温にて16時間撹拌
した。反応終了後、混合液にトルエン(500ml)を
加え、水(200ml)、10%炭酸カリウム水溶液
(150ml)、飽和食塩水(150ml)、0.5M
クエン酸水溶液(150ml)、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液(150ml)及び飽和食塩水(150ml)
にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
減圧溜去し、(1R)−1−ベンジルオキシカルボニル
アミノ−1−[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソラン−4−イル]−2−フェニルチオエタン
(化合物
〔9〕;45.0g,収率98%)を油状物質
として得た。
【0195】1H−NMR(CDCl3,300MHz)
δ:7.5-7.0(m,10H),5.2-5.0(m,3H),4.50(td,J=6.9,
1.8Hz,1H),3.99(m,1H),3.86(m,1H),3.66(dd,J=8.1,
7.0Hz,1H),3.24(dd,J=13.8,5.9Hz,1H),3.04(dd,J=13.
8,8.6Hz,1H),1.42(s,3H),1.30(s,3H) MS(FAB):m/z 388[M+H]+,測定値:388.1588,
理論値:388.1583示性式:C2126NO4
【0196】実施例4:化合物〔10〕の製造(工程
8) (1R)−1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−
[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン
−4−イル]−2−フェニルチオエタンの粗生成物(4
5.0g)をメタノール(360ml)に溶解し、0.
1N塩酸(90ml)を加えて80℃にて1時間加熱し
た。反応混合物を減圧濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液(100ml)と水(50ml)を加え、酢酸エ
チル(400ml×2)で抽出した。得られた有機層を
合わせ、飽和食塩水(100ml)で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下溜去することにより
(2R,3R)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−4−フェニルチオ−1,2−ブタンジオール(化合物
〔10〕;39.0g,収率94%)を油状物質として
得た。1 H−NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.5-7.0
(m,10H),5.27(brd.d,1H),5.09(s,2H),4.01(m,1H),
3.86(m,1H),3.6-3.4(m,2H),3.21(dd,J=13.7,6.7Hz,1
H),3.12(dd,J=13.7,7.5Hz,1H),2.62(brd.d,1H),2.52
(m,1H)
【0197】実施例5:化合物〔11〕の製造(工程
9) (2R,3R)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−4−フェニルチオ−1,2−ブタンジオール(化合物
〔10〕;39.0g)及びトリエチルアミン(39.
1ml,0.280mol)をテトラヒドロフラン(3
00ml)に溶解し、5℃以下に冷却した。この溶液に
塩化p−ニトロベンゾイル(20.8g,0.112m
ol)を3〜10℃にて加え、氷冷下、1時間撹拌し
た。次に、メタンスルホニルクロライド(10.4m
l,0.135mol)を2〜12℃にて滴下し、混合
液を引き続き氷冷下で1時間撹拌した。反応終了後、不
溶物を濾別し、酢酸エチルにて洗浄した。濾液と洗浄液
を合わせ、減圧濃縮し、得られた残渣を再び酢酸エチル
(300ml)に溶解した。この溶液を水(50m
l)、0.5Mクエン酸水溶液(50ml)、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液(50ml)及び飽和食塩水(5
0ml)で順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧濃縮し、得られた残渣をトルエン(400ml)/
ジイソプロピルエーテル(300ml)より再結晶する
ことにより(2R,3R)−3−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−4−フェニルチオ−2−メタンスルホニル
オキシ−1−(4−ニトロベンゾイルオキシ)ブタン
(化合物〔11〕;38.6g,収率51%:(5R,
6S)−6−アミノ−2,2−ジメチル−5−ヒドロキ
シ−1,3−ジオキセパンから)を無色結晶として得
た。
【0198】1H−NMR(CDCl3,300MHz)
δ:8.5-8.0(m,4H),7.5-7.2(m,10H),5.44(ddd,J=6.9,
5.1,2.3Hz,1H),5.11(s,2H),5.09(brd.d,1H),4.57(d
d,J=12.0,6.9Hz.1H),4.50(dd,J=12.0,5.1Hz,1H),4.21
(m,1H),3.25(dd,J=14.0,6.2Hz,1H),3.05(s,3H),3.05
(dd,J=14.0,8.2Hz,1H) IR(KBr):3347,1725,1699,1531,1514,134
9,1283,1172,1109,1028,925cm-1 〔α〕D 25: -14.0°(c1.01,CHCl3) 元素分析(C2626292): 理論値:C,54.35;H,
4.56;N,4.88. 測定値:C,54.49;H,4.19;N,4.75.
【0199】実施例6:化合物〔12〕の製造(工程1
0) (2R,3R)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−4−フェニルチオ−2−メタンスルホニルオキシ−1
−(4−ニトロベンゾイルオキシ)ブタン(化合物〔1
1〕;15.0g,26.1mol)を1,4−ジオキ
サン(120ml)に溶解し、2N水酸化カリウム水溶
液(28.7ml,57.4mmol)を加えた。混合
物を室温にて1時間撹拌した後、トルエン(200m
l)を加え、水(200ml)、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液(200ml)及び飽和食塩水(100ml)
で順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮
することにより(2S,3R)−3−ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ−4−フェニルチオ−1−ブテンオキシ
ド(化合物〔12〕;8.43g,収率98%)を無色
油状物質として得た。
【0200】1H−NMR(CDCl3,300MHz)
δ:7.5-7.1(m,10H),5.2-5.0(m,3H),3.70(m,1H),3.2
2(d,J=5.6Hz,2H),2.99(m,1H),2.9-2.6(m,2H) IR(KBr):3302,1694,1538,1323,1256,110
0,1028,1006,882cm-1〔α〕D 25: -26.2°(c1.01,C
HCl3) 元素分析(C1819NO3S): 理論値:C,65.63;H,5.
81;N,4.25. 測定値:C,65.36;H,5.85;N,4.33.
【0201】実施例7:化合物〔14〕の製造(工程1
1) (2S,3R)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−4−フェニルチオ−1−ブテンオキシドの粗生成物
(化合物〔12〕;8.43g)及び(3S,4aS,
8aS)−デカヒドロイソキノリン−3−カルボン酸
t−ブチルアミド(化合物〔13〕;4.98g,2
0.9mmol)をイソプロピルアルコール(70m
l)に溶解し、70〜75℃にて5時間加熱した。続い
て2N水酸化カリウム水溶液(52.3ml,104.
5mmol)を加えてさらに70〜75℃にて15時間
加熱した。室温まで冷却した後、トルエン(120m
l)を加え、水(120ml)で洗浄した。有機層を1
N塩酸(80ml×1、40ml×1)で抽出して得ら
れた水溶液を合わせ、これをトルエン(100ml×
3)で洗浄した。この水溶液を5N水酸化カリウム水溶
液でpH12に調製した後、トルエン(120ml)で
抽出し、この有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、減圧濃縮することにより(3S,
4aS,8aS)−2−((2R,3R)−3−アミノ
−2−ヒドロキシ−4−フェニルチオブチル)デカヒド
ロイソキノリン−3−カルボン酸 t−ブチルアミド
(化合物〔14〕;9.39g,収率85%)を無色油
状物質として得た。
【0202】1H−NMR(CDCl3,300MHz)
δ:7.5-7.1(m,5H),6.05(brd.s,1H),3.68(m,1H),3.3
7(dd,J=13.0,2.8Hz,1H),3.02-2.88(m,2H),2.83(dd,J=
13.0,9.8Hz,1H),2.64(dd,J=13.2,5.1Hz,1H),2.60(dd,
J=8.0,3.7Hz,1H),2.30(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),2.27(d
d,J=11.8,3.3Hz,1H),1.32(s,9H),2.0-1.0(m,12H)
【0203】実施例8:化合物〔15〕の製造(工程1
2) (3S,4aS,8aS)−2−((2R,3R)−3
−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルチオブチル)
デカヒドロイソキノリン−3−カルボン酸 t−ブチル
アミド(化合物〔14〕;9.39g)と炭酸水素ナト
リウム(4.55g,54.2mmol)を、水(40
ml)及び酢酸エチル(40ml)の懸濁液に加えた。
この懸濁液に、3−アセトキシ−2−メチルベンゾイル
クロライド(4.37g,20.6mmol)の酢酸エ
チル(40ml)溶液を撹拌しながら氷冷下にて滴下し
た。氷冷下でさらに1時間撹拌した後、水(20ml)
を加え、有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液(20ml)で洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥
後、減圧濃縮することにより、(3S,4aS,8a
S)−2−[(2R,3R)−3−(3−アセトキシ−
2−メチルベンゾイルアミノ)−2−ヒドロキシ−4−
フェニルチオブチル]デカヒドロイソキノリン−3−カ
ルボン酸 t−ブチルアミド(12.7g,収率96
%)を無色アモルファスとして得た。
【0204】1H−NMR(CDCl3,300MHz)
δ:7.5-7.1(m,8H),7.1-7.0(m,1H),5.51(brd.s,1H),
4.48(m,1H),4.07(m,1H),3.81(dd,J=13.7,9.2Hz,1H),
3.41(dd,J=13.7,4.7Hz,1H),2.91(dd,J=11.7,2.0Hz,1
H),2.56(dd,J=12.9,9.1Hz,1H),2.44(m,1H),2.32(s,3
H),2.27(s,3H),2.3-2.1(m,2H),1.99(m,1H),1.9-1.1
(m,11H),1.07(s,9H)
【0205】得られた(3S,4aS,8aS)−2−
[(2R,3R)−3−(3−アセトキシ−2−メチル
ベンゾイルアミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニルチ
オブチル]デカヒドロイソキノリン−3−カルボン酸
t−ブチルアミド(12.7g)をメタノール(96m
l)に溶解し、28%アンモニア水(24ml)を加え
て1.5時間撹拌した。生成した沈殿を濾取し、メタノ
ール(75ml)/水(25ml)からなる混合溶液で
洗浄した。50℃にて減圧乾燥することにより(3S,
4aS,8aS)−2−[(2R,3R)−2−ヒドロ
キシ−3−(3−ヒドロキシ−2−メチルベンゾイルア
ミノ)−4−フェニルチオブチル]デカヒドロイソキノ
リン−3−カルボン酸 t−ブチルアミド(化合物〔1
5〕;8.00g,収率54%:(2R,3R)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−4−フェニルチオ−2−
メタンスルホニルオキシ−1−(4−ニトロベンゾイル
オキシ)ブタンから)を無色結晶として得た。
【0206】1H−NMR(CD3OD,300MHz)
δ:7.49(m,2H),7.27(m,2H),7.17(m,1H),7.01(m,1
H),6.90(m,1H),6.79(m,1H),4.43(m,1H),4.06(m,1
H),3.54(dd,J=10.1,3.5Hz,1H),3.37(m,1H),3.04(dd,
J=8.7,1.7Hz,1H),2.60(m,2H),2.24(s,3H),2.17(m,2
H),2.01(m,1H),1.9-1.1(m,11H),1.17(s,9H)
【0207】実施例9:化合物〔15〕のメタンスルホ
ン酸塩の製造 (3S,4aS,8aS)−2−[(2R,3R)−2
−ヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシ−2−メチルベン
ゾイルアミノ)−4−フェニルチオブチル]デカヒドロ
イソキノリン−3−カルボン酸 t−ブチルアミド(化
合物〔15〕;7.80g,13.7mmol)をテト
ラヒドロフラン(40ml)に懸濁し、メタンスルホン
酸(0.918ml,14.1mmol)を加えて固体
が完全に溶解するまで撹拌した。この混合液をメチル−
t−ブチルエーテル(470ml)中に滴下した(5m
lのテトラヒドロフランにて濯いだ)。滴下と同時に沈
殿が直ちに生じ、滴下終了後も室温にて2時間撹拌を継
続した。沈殿を濾取し、メチル−t−ブチルエーテル
(27ml)にて洗浄、65℃にて1昼夜減圧乾燥する
ことにより、(3S,4aS,8aS)−2−[(2
R,3R)−2−ヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシ−
2−メチルベンゾイルアミノ)−4−フェニルチオブチ
ル]デカヒドロイソキノリン−3−カルボン酸 t−ブ
チルアミド メタンスルホン酸塩(8.68g,収率9
5%)を無色固体として得た。
【0208】1H−NMR(CD3OD,300MHz)
δ:7.93(brd.s,1H),7.43(m,1H),7.30(m,2H),7.22
(m,1H),7.03(t,J=5.9Hz,1H),6.86(m,2H),4.19(m,1
H),4.08(m,1H),3.61(dd,J=9.7,1.3Hz,1H),3.45(dd,J
=10.4,2.6Hz,1H),3.38(dd,J=9.8,2.9Hz,1H),3.28(m,1
H),3.17(m,1H),3.05(dd,J=10.4,7.7Hz,1H),2.68(s,3
H),2.26(s,3H),2.2-2.1(m,12H),1.30(s,9H)
【0209】
【発明の効果】本発明の製造方法は、従来の方法に比べ
て極めて簡便な方法であり、しかも収率よく効果的に、
化合物〔XV〕、つまりHIVプロテアーゼ阻害作用を有
する化合物〔XVI〕を含む化合物を製造することが可能
である。また、本発明に係わる新規中間体は、上記化合
物〔XVI〕のみならず、X線造影剤として有用な化合物
(例えば米国特許第4439613号明細書中に記載の
X線造影剤用化合物)等を製造するための中間体として
極めて有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 隆之 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 山田 泰樹 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 シャンリー、ジェームズ アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92117、サン ディエゴ、マウント ハキ ー アヴェニュー、4232 (72)発明者 ディーソン、マイケル アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92064、パウェイ、フレイム ロード、 13826 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB20 AC82

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔VII〕 【化1】 〔式中、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、そ
    れぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基であるか、
    或いはR1とR2が隣接する炭素原子と一緒になってシク
    ロアルキル環を形成してもよく、R4はアミノ保護基で
    ある〕で示される(5R,6S)−6−置換アミノ−
    1,3−ジオキセパン−5−オール誘導体又はその鏡像
    体又はその塩。
  2. 【請求項2】 一般式〔VIII〕 【化2】 〔式中、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、そ
    れぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基であるか、
    或いはR1とR2が隣接する炭素原子と一緒になってシク
    ロアルキル環を形成してもよく、R4はアミノ保護基で
    ある〕で示される1,3−ジオキソラン−4−イル−エ
    タノール誘導体又はその鏡像体又はその塩。
  3. 【請求項3】 一般式〔VII〕 【化3】 〔式中、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、そ
    れぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基であるか、
    或いはR1とR2が隣接する炭素原子と一緒になってシク
    ロアルキル環を形成してもよく、R4はアミノ保護基で
    ある〕で示される(5R,6S)−6−置換アミノ−
    1,3−ジオキセパン−5−オール誘導体又はその鏡像
    体を、酸の存在下に、5員環に異性化させることを特徴
    とする、一般式〔VIII〕 【化4】 〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じである〕で示さ
    れる1,3−ジオキソラン−4−イル−エタノール誘導
    体又はその鏡像体の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式〔VI〕 【化5】 〔式中、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、そ
    れぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基であるか、
    或いはR1とR2が隣接する炭素原子と一緒になってシク
    ロアルキル環を形成してもよい〕で示される(5R,6
    S)−6−アミノ−1,3−ジオキセパン−5−オール
    誘導体又はその鏡像体のアミノ基を保護し、一般式〔VI
    I〕 【化6】 〔式中、R1及びR2は前記と同じであり、R4はアミノ
    保護基である〕で示される(5R,6S)−6−置換ア
    ミノ−1,3−ジオキセパン−5−オール誘導体又はそ
    の鏡像体又はその塩を製造した後、これを酸の存在下、
    5員環に異性化させることを特徴とする、一般式〔VII
    I〕 【化7】 〔式中、R1、R2及びR4は前記と同じである〕で示さ
    れる1,3−ジオキソラン−4−イル−エタノール誘導
    体又はその鏡像体の製造方法。
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