JP2003104764A - 水硬性組成物用混和剤及びこれを含む水硬性組成物 - Google Patents

水硬性組成物用混和剤及びこれを含む水硬性組成物

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JP2003104764A
JP2003104764A JP2001299087A JP2001299087A JP2003104764A JP 2003104764 A JP2003104764 A JP 2003104764A JP 2001299087 A JP2001299087 A JP 2001299087A JP 2001299087 A JP2001299087 A JP 2001299087A JP 2003104764 A JP2003104764 A JP 2003104764A
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acid ester
hydraulic composition
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JP2001299087A
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English (en)
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Takeaki Sasage
剛明 捧
Tsutomu Yamakawa
勉 山川
Kazuhisa Hayakawa
和久 早川
Akinori Ito
昭則 伊藤
Keiji Hirao
佳二 平尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
NOF Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 水溶性セルロースエーテル及び(ポリ)
グリセリン部分脂肪酸エステルを含むことを特徴とする
水硬性組成物用混和剤。 【効果】 本発明によれば、水溶性セルロースエーテル
と(ポリ)グリセリン部分脂肪酸エステルを併用した混
和剤を水硬性組成物に添加することにより、水溶性セル
ロースエーテルを単独で使用した時と同様の保水性と増
粘性を有し、更に流動性に優れる水硬性組成物が調製で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築材料として使
用されるセメントモルタルやコンクリート及び押出成形
方法で成型される押出成形用組成物等の水硬性組成物用
の混和剤、及びこれを含む水硬性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
水硬性のセメント類であるケイ酸カルシウム材料や石膏
に、砂、繊維補助剤や各種添加剤を添加したモルタルや
コンクリート材料が建築材料として使用されている。こ
こで使用される各種添加剤としては、これらのモルタ
ル、コンクリート材料の分散性を高めるための材料とし
て各種の界面活性剤が使用されている。この界面活性剤
の例としては、リグニンスルホン酸塩系、ナフタレンス
ルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、メラミン樹脂スル
ホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物系、オレフィン/マレ
イン酸共重合物、アクリル酸やアクリル酸エステルポリ
マー類、あるいはその共重合物からなるポリカルボン酸
系及びポリスチレンスルホン酸系のものが知られている
(1995年 CMC発行 コンクリート混和剤の開発
技術)。
【0003】更に、組成物中に泡を連行させて凍害等を
防止する目的で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類や脂肪酸類のポリオキシエチレン系のエステル類を添
加することが知られている(1985年工学図書発行
新版 界面活性剤ハンドブック)。
【0004】一方、一度分散した各種材料が硬化に至る
まで、重力等で分離せず、分散安定性を保ち、モルタ
ル、コンクリートの流動性や可塑性を高める目的で、各
種の増粘剤が配合されている。とりわけ、メチルセルロ
ース等のアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースやヒドロキシエチルエチルセル
ロース等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース等の
セルロースエーテル類が専ら用いられてきた(1995
年CMC発行 コンクリート混和剤の開発技術p3−9
3及び1985年工学図書発行 新版 界面活性剤ハン
ドブックp489−497)。
【0005】これらのセルロースエーテルが優れた可塑
性と潤滑性を付与できる理由としては、増粘性と保水性
能がある。増粘性の効果とは、セルロースエーテルを使
用することにより、モルタルやコンクリートの施工時に
組成物中の岩石や砂等の沈降を防止する効果を付与する
ことができることである。また、保水性の効果とは、水
硬化のために添加された水が分離することなく均一にモ
ルタル、コンクリート材料に分散して存在させる機能で
ある。また、モルタルやコンクリートの施工時におい
て、施工下地にモルタルやコンクリート中の水が吸水さ
れることによる吸水部分の硬化不良を防止する効果も付
与している。
【0006】更に、押出成形のような加圧成形にあって
は、加圧によって水が分離しないセルロースエーテル類
の保水効果が、極めて有用に作用することが知られてい
る(2001年 日本科学情報(株)発行 水溶性・水
分散型高分子材料の最新技術動向と工業応用p82)。
【0007】しかし、これらセルロースエーテルは、優
れた可塑性と保水性能は有しているものの、一種の界面
活性剤であること、また増粘剤であることより、組成物
中に気泡を巻き込み、脱泡が容易でないという問題点を
有している。
【0008】そのため、モルタル類にあっては、泡によ
る鏝さばきの不良が生じたり、コンクリート類にあって
は、コンクリートの流動性が悪くなるという問題があっ
た。また、押出成形に使用する場合においては、真空下
で組成物を処理しても泡が充分抜けきれず、緻密で比重
が高く、強度特性に優れる成形体を得るのは困難であっ
た。
【0009】一般に押出成形では、比重や強度特性を上
げようとして水量を低下させることも試みられている
が、概して可塑性が低下し、押出成形を行なうには自ず
と限界が生じていた。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、水溶性セルロースエーテルの優れた増粘性と保水性
を確保したまま、モルタルやコンクリートの流動性を高
めること、また押出成形用組成物にあっては、比重が高
く、強度特性に優れた押出成形物を得ることができる水
硬性組成物用の混和剤及びこれを配合した水硬性組成物
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結
果、水溶性セルロースエーテルと共に(ポリ)グリセリ
ン部分脂肪酸エステルを混和剤として水硬性組成物に添
加することにより、モルタルやコンクリートの流動性を
高め、また押出成形用組成物とした場合には、押出成形
性を確保したまま、緻密で比重が高く、強度特性に優れ
た押出成形物が得られることを知見し、本発明をなすに
至ったものである。
【0012】従って、本発明は、水溶性セルロースエー
テル及び(ポリ)グリセリン部分脂肪酸エステルを含む
ことを特徴とする水硬性組成物用混和剤、及びこの水硬
性組成物用混和剤を含むことを特徴とする水硬性組成物
を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の水硬性組成物用混和剤に用いる水溶性セル
ロースエーテルとしては、アルキルセルロース、ヒドロ
キシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキル
セルロースが好ましい。具体的には、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルエチルセルロース等が挙げられ
る。この水溶性セルロースエーテルの粘度は、20℃に
おける1重量%水溶液の粘度が100〜50,000m
Pa・sであることが好ましいが、コストを考慮した場
合、比較的高粘度のものを使用することが好ましく、上
記粘度が200〜30,000mPa・sであることが
特に好ましい。
【0014】水溶性セルロースエーテルの添加量は、水
硬性組成物に対して本発明の目的とする保水性、増粘
性、押出成形性を付与するのに適切な添加量でよいが、
通常は、水硬性物質と骨材との合計量に対し、0.01
〜3.0重量%、特に0.1〜2.5重量%の範囲で使
用される。添加量が少なすぎると、必要な保水性が得ら
れなかったり、可塑性が不足して押出成形が困難となる
場合がある。逆に、多すぎる場合は、コスト高になった
り、その粘着力の増加のために押出成形圧力が不必要に
高くなったりするといったことが起こるおそれがある。
【0015】一方、本発明で使用される(ポリ)グリセ
リン部分脂肪酸エステルは、セルロースエーテルと併用
して水硬性組成物に配合した場合、例えばモルタルにあ
っては、鏝により圧力のかかる組成物の表面やコンクリ
ートのチキソトロピー性が増し、押出成形にあっては、
組成物が移動して圧力のかかるダイスの壁面部分及びオ
ーガスクリューとの接触部分において、チキソトロピー
性が増し、更に微量の水を滲みだしながら組成物を吐き
出せることにより、鏝滑り、鏝切れ、保形性及び流動性
等が改善される効果を有するものと考えられる。
【0016】本発明の水硬性組成物用混和剤に用いられ
る(ポリ)グリセリン部分脂肪酸エステルは、グリセリ
ン又はポリグリセリンの部分脂肪酸エステル化物であ
る。ここで、ポリグリセリンとしては、重合度2〜2
0、特に重合度2〜10のポリグリセリンが好ましく、
これらは直鎖状、分岐状、環状となる異性体を含むもの
である。また、脂肪酸としては、炭素数8〜22の脂肪
酸が好ましく、例えばカプリル酸、カプリン酸、カプロ
レイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン
酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、
アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグ
ノセリン酸等が挙げられる。(ポリ)グリセリン部分脂
肪酸エステル化物は、グリセリン又はポリグリセリン1
モルに対して、少なくとも1モルの脂肪酸によりエステ
ル化されたものであり、かつ、少なくとも1当量の水酸
基を有するものである。
【0017】このような(ポリ)グリセリン部分脂肪酸
エステルとしては、(ポリ)グリセリンの種類によって
上記脂肪酸のモノエステル、ジエステル、トリエステ
ル、テトラエステルなどが挙げられるが、特にモノエス
テルが好ましく、例えば、グリセリンモノカプリル酸、
グリセリンモノカプリン酸エステル、グリセリンモノカ
プロレイン酸エステル、グリセリンモノラウリン酸エス
テル、グリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリ
ンモノミリストレイン酸エステル、グリセリンモノパル
ミチン酸エステル、グリセリンモノパルミトレイン酸エ
ステル、グリセリンモノマルガリン酸エステル、グリセ
リンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイ
ン酸エステル、グリセリンモノリノール酸エステル、グ
リセリンモノリノレン酸エステル、グリセリンモノアラ
キン酸エステル、グリセリンモノアラキドン酸エステ
ル、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノ
エルカ酸エステル、グリセリンモノリグノセリン酸エス
テル、ジグリセリンモノカプリル酸エステル、ジグリセ
リンモノカプリン酸エステル、ジグリセリンモノカプロ
レイン酸エステル、ジグリセリンモノラウリン酸エステ
ル、ジグリセリンモノミリスチン酸エステル、ジグリセ
リンモノミリストレイン酸エステル、ジグリセリンモノ
パルミチン酸エステル、ジグリセリンモノパルミトレイ
ン酸エステル、ジグリセリンモノマルガリン酸エステ
ル、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、ジグリセ
リンモノオレイン酸エステル、ジグリセリンモノリノー
ル酸エステル、ジグリセリンモノリノレン酸エステル、
ジグリセリンモノアラキン酸エステル、ジグリセリンモ
ノアラキドン酸エステル、ジグリセリンモノベヘン酸エ
ステル、ジグリセリンモノエルカ酸エステル、ジグリセ
リンモノリグノセリン酸エステル、トリグリセリンモノ
カプリル酸エステル、トリグリセリンモノカプリン酸エ
ステル、トリグリセリンモノカプロレイン酸エステル、
トリグリセリンモノラウリン酸エステル、トリグリセリ
ンモノミリスチン酸エステル、トリグリセリンモノミリ
ストレイン酸エステル、トリグリセリンモノパルミチン
酸エステル、トリグリセリンモノパルミトレイン酸エス
テル、トリグリセリンモノマルガリン酸エステル、トリ
グリセリンモノステアリン酸エステル、トリグリセリン
モノオレイン酸エステル、トリグリセリンモノリノール
酸エステル、トリグリセリンモノリノレン酸エステル、
トリグリセリンモノアラキン酸エステル、トリグリセリ
ンモノアラキドン酸エステル、トリグリセリンモノベヘ
ン酸エステル、トリグリセリンモノエルカ酸エステル、
トリグリセリンモノリグノセリン酸エステル、ヘキサグ
リセリンモノカプリル酸エステル、ヘキサグリセリンモ
ノカプリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノカプロレ
イン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エス
テル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘ
キサグリセリンモノミリストレイン酸エステル、ヘキサ
グリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリ
ンモノパルミトレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモ
ノマルガリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステア
リン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エス
テル、ヘキサグリセリンモノリノール酸エステル、ヘキ
サグリセリンモノリノレン酸エステル、ヘキサグリセリ
ンモノアラキン酸エステル、ヘキサグリセリンモノアラ
キドン酸エステル、ヘキサグリセリンモノベヘン酸エス
テル、ヘキサグリセリンモノエルカ酸エステル、ヘキサ
グリセリンモノリグノセリン酸エステル等が挙げられ、
これらの中でもグリセリンモノラウリン酸エステル、グ
リセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオ
レイン酸エステル、ジグリセリンモノラウリン酸エステ
ル、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、ジグリセ
リンモノオレイン酸エステル、トリグリセリンモノラウ
リン酸エステル、トリグリセリンモノステアリン酸エス
テル、トリグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサ
グリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリン
モノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレ
イン酸エステル等が好適に用いられる。
【0018】(ポリ)グリセリン部分脂肪酸エステルの
添加量は、水硬性物質と骨材との合計量に対し、0.0
01〜2.0重量%、より好ましくは0.005〜1.
0重量%、更に好ましくは0.01〜1.0重量%の範
囲であることが望ましい。添加量が少なすぎると、期待
した効果が得られない場合があり、添加量が多すぎる
と、著しい保水性の低下を引き起こし、水溶性セルロー
スエーテルの本来の効果が発揮されない場合がある。
【0019】本発明の水硬性組成物は、上記混和剤を含
むが、更にセメントや石膏等の水硬性物質などの常用成
分が配合される。ここで、本発明の水硬性組成物用混和
剤を含む水硬性組成物に使用されるセメントとしては、
普通ポルトランドセメント、高炉セメント、早強セメン
ト、フライアッシュセメント、アルミナセメント等が挙
げられる。珪酸カルシウムも通常のもので差し支えな
い。石膏系の場合は、二水石膏、半水石膏等が主に用い
られる。セメントや石膏系等の水硬性物質の使用量は、
必要強度となるように使用すればよい。
【0020】また、本発明の水硬性組成物においては、
必要に応じて各種の骨材や添加剤を添加することができ
る。骨材として具体的には、珪石粉やフライアッシュ、
高炉スラグ、シリカフューム等が主に使用される。ま
た、必要に応じて珪砂等の比較的大きい骨材も使用され
る。骨材の添加量は、水硬性物質に対し、0〜90重量
%、好ましくは10〜90重量%の範囲で使用すること
ができる。
【0021】なお、押出成形の場合、補強繊維を添加す
ることが好ましく、従来より使用されてきたクリソタイ
ル系鉱物繊維をはじめ、ワラストナイト、セピオライ
ト、雲母等も使用され、その他パルプ繊維やビニロン繊
維、アクリル系繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊
維等が用いられる。この場合の補強繊維の添加量は、所
望される曲げ強さや衝撃強さによって異なるが、一般に
は水硬性物質と骨材との合計量に対して0.1〜30重
量%の範囲が好ましい。補強繊維の添加量がこの範囲よ
り少ない場合は、充分な補強効果が得られなかったり、
多すぎる場合は、繊維の分散が十分に行われなくなり、
却って強度低下を招いたりする場合がある。
【0022】また、必要に応じて、セメントや石膏に対
する凝結遅延剤、凝結促進剤、増粘剤、高性能AE減水
剤等も用いられる。凝結遅延剤や凝結促進剤は、押出成
形後などに養生に入るまでの状態を勘案して使用量を決
めればよいが、通常は水硬性物質と骨材との合計量に対
して0.01〜10重量%の範囲で使用される。増粘剤
やAE減水剤などは、系の流動性を確保できる程度の使
用量でよく、通常、水硬性物質と骨材との合計量に対し
て0.05〜6重量%の範囲で使用される。
【0023】更に、従来より水溶性セルロースエーテル
に併用されていたポリビニルアルコール、ポリアルキレ
ングリコール、ポリアクリルアミド等の合成水溶性高分
子、グアーガム等の天然水溶性高分子、ウエランガム等
の微生物発酵多糖類等を本発明の目的を損なわない範囲
で併用することも差し支えない。
【0024】また、水硬性組成物には水が加えられ、こ
の水の量は水硬性組成物の種類等に応じて選定され、常
用量とすることができるが、水硬性物質と骨材との合計
量に対して15〜100重量%の範囲が好ましい。
【0025】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0026】[実施例1,2、比較例1]押出成形用セメ
ント組成物として以下の材料を使用し、表1に示す配合
の組成物を得た。 (1)セメント:普通ポルトランドセメント (2)珪石粉:珪石粉砕品 (3)珪砂:珪砂5号 (4)パルプ:平均繊維長0.8mm (5)水溶性セルロースエーテル:メトローズ90SH
−30000(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
(20℃、1重量%水溶液粘度:2,300mPa・
s,信越化学工業製) (6)(ポリ)グリセリン部分脂肪酸エステル テトラグリセリンモノオレイン酸エステル (7)水:水道水
【0027】水以外の材料をヘンシェル型ミキサーにて
3分間混合し、所定量の水を加えた後、更に2分間混合
した。その後、10Lのニーダールーダーにて8分間混
練した後、押出成形を行った。押出成形は、ダイス形状
20×40mmを使用し、得られた成型物を160mm
にカットしたものを測定用の供試体とした。
【0028】測定用の供試体は、密封状態で65℃で1
5時間一次養生し、その後170℃で8時間オートクレ
ーブ養生を行った。これを用いて比重及び曲げ強さを測
定した。測定法は、JIS R 5201に準じた。結
果を表1に併記する。
【0029】
【表1】
【0030】[実施例3]実施例1のテトラグリセリンモ
ノオレイン酸エステルに代えて、グリセリンモノオレイ
ン酸エステルを使用した以外は、実施例1と同様の配合
で同様に評価したところ、押出成形性は良好であり、比
重1.93、曲げ強さ23.9(N/mm2)の成形体
を得た。
【0031】これらの結果より、混和剤として水溶性セ
ルロースエーテルと(ポリ)グリセリン部分脂肪酸エス
テルを併用した本発明の水硬性組成物(実施例1〜3)
は、混和剤として水溶性セルロースエーテルを単独で使
用した水硬性組成物(比較例1)よりも緻密で比重が高
く、強度特性に優れた押出成形物であることがわかる。
【0032】[実施例4,5、比較例2,3]下記表2
に示す材料及び配合割合で、普通ポルトランドセメント
を使用したモルタルを調合し、垂直に立てたコンクリー
ト製の下地材にセメントモルタルを鏝で塗布した。この
時の鏝の滑り具合及び鏝切れと、JIS R 5201
に準じてテーブルフローを評価した。更にモルタルの塗
布面に2丁掛けタイルを張り、20℃±3℃で28日養
生後、このタイルの接着強度を測定した。これらの結果
を表2に併記した。
【0033】
【表2】
【0034】表2の結果より、本発明の水硬性組成物
(実施例4,5)が、強度特性に悪影響を与えず、鏝塗
り作業性に優れるセメントモルタルであることがわか
る。
【0035】[実施例6]実施例4のヘキサグリセリン
モノラウリン酸エステルに代えて、グリセリンモノオレ
イン酸エステルを使用した以外は、実施例4と同様の配
合で同様に評価したところ、鏝滑り及び鏝切れは良好で
あり、タイル接着強度は1.3(N/mm 2)であっ
た。
【0036】[実施例7、比較例4]実施例7として、
以下に示す配合量の材料を強制パン式ミキサーにて空練
り1分、加水後3分混練し、コンクリートを調製した。
調製されたコンクリートをJIS A 1101に準じ
て、スランプコーンにつめて引き抜き、スランプを測定
したところ17cmであった。また、JIS A 11
23のブリーディング測定により水の分離状態を観察し
たところ、ブリーディングは観察されず、水の分離はな
かった。
【0037】一方、比較例4として、実施例7で使用し
たテトラグリセリンモノオレイン酸エステルを添加しな
いコンクリートについて、実施例7と同様にしてスラン
プを測定したところ、スランプは25cmであり、実施
例7よりチキソ性が劣ることが確認された。
【0038】 [使用材料] セメント:普通ポルトランドセメント 細骨材:最大粒径 5mm、信濃川産川砂 吸水率2.29%、比重:2.57 粗骨材:最大粒径 20mm、新井市下濁川産 吸水率:2.05%、比重:2.61 水溶性セルロースエーテル:メトローズ90SH−30000 (ヒドロキシプロピルメチルセルロース) (20℃、1重量%水溶液粘度:2,300mPa・s, 信越化学工業製) (ポリ)グリセリン部分脂肪酸エステル: テトラグリセリンモノオレイン酸エステル 水:水道水
【0039】[コンクリート配合量] 水/セメント比:0.53 砂/(砂+砂利)比:0.49単位量(kg/m3) 水:180 セメント:340 細骨材:846 粗骨材:895 メトローズ90SH−30000:0.05 テトラグリセリンモノオレイン酸エステル:0.06
【0040】[実施例8]実施例7のテトラグリセリン
モノオレイン酸エステルに代えて、グリセリンモノオレ
イン酸エステルを使用した以外は、実施例7と同様にコ
ンクリートを調製した。調製されたコンクリートをJI
S A 1101に準じてスランプコーンにつめて引き
抜き、スランプを測定したところ、11cmであり、チ
キソ性が高かった。また、JIS A 1123のブリ
ーディング測定により水の分離状態を観察したところ、
ブリーディングは観察されず、水の分離はなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、水溶性セルロースエー
テルと(ポリ)グリセリン部分脂肪酸エステルを併用し
た混和剤を水硬性組成物に添加することにより、水溶性
セルロースエーテルを単独で使用した時と同様の保水性
と増粘性を有し、更に流動性に優れる水硬性組成物が調
製できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 103:46 C04B 103:46 (72)発明者 山川 勉 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内 (72)発明者 早川 和久 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内 (72)発明者 伊藤 昭則 東京都目黒区祐天寺1−17−11 (72)発明者 平尾 佳二 兵庫県神戸市中央区山本通4−15−16− 101 Fターム(参考) 4G012 PB16 PB40 PC02 PC03 PC08 PC11 PE02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性セルロースエーテル及び(ポリ)
    グリセリン部分脂肪酸エステルを含むことを特徴とする
    水硬性組成物用混和剤。
  2. 【請求項2】 水溶性セルロースエーテルが、アルキル
    セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース又はヒドロ
    キシアルキルアルキルセルロースであることを特徴とす
    る請求項1記載の水硬性組成物用混和剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の水硬性組成物用混
    和剤を含むことを特徴とする水硬性組成物。
JP2001299087A 2001-09-28 2001-09-28 水硬性組成物用混和剤及びこれを含む水硬性組成物 Pending JP2003104764A (ja)

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JP2001299087A JP2003104764A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 水硬性組成物用混和剤及びこれを含む水硬性組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101974091A (zh) * 2010-09-28 2011-02-16 新疆大学 利用制浆黑液中沉淀的废弃纤维素制备混凝土减水剂的新方法

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JPH1053448A (ja) * 1996-06-04 1998-02-24 Daicel Chem Ind Ltd セメント混和剤およびセメント系成形用組成物

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