JP2003103907A - インクジェット記録物の作成方法 - Google Patents

インクジェット記録物の作成方法

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JP2003103907A
JP2003103907A JP2001298434A JP2001298434A JP2003103907A JP 2003103907 A JP2003103907 A JP 2003103907A JP 2001298434 A JP2001298434 A JP 2001298434A JP 2001298434 A JP2001298434 A JP 2001298434A JP 2003103907 A JP2003103907 A JP 2003103907A
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ink
resin
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Satoshi Kaneko
智 金子
Hiroshi Sakaguchi
博 坂口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フォトライクの高光沢、高インク吸収性のイン
クジェット記録材料に形成された印字画像の耐光性およ
び耐ガス性が飛躍的に改良される記録物の作成方法の提
供。 【解決手段】耐水性支持体上に無機微粒子と親水性バイ
ンダー及びヒドラジン誘導体またはジシアンジアミド系
樹脂を含有する多孔質のインク受容層を有するインクジ
ェット記録材料に印字した後、記録した表面に被覆層を
設けることを特徴とするインクジェット記録物の作成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録物の作成方法に関し、更に詳しくは、フォトライクな
高い光沢を有し、インク吸収性に優れ、かつ印字後の保
存性が改良されたインクジェット記録物の作成方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカやアルミナ等の顔料をポ
リビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔
質のインク吸収層を設けてなる記録材料が知られてい
る。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】一方、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11ー34481号公報等には、
気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと
称す)を用いることが開示されている。一次粒子の平均
粒径が30nm以下の超微粒子とくに気相法シリカは、
インク吸収性が良好で高い光沢の記録材料が得られると
いう特徴がある。近年、フォトライクの記録シートが要
望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリ
オレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポ
リオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステ
ルフィルム等の耐水性支持体上に気相法シリカを主体と
するインク受容層が塗設された記録材料が提案されてい
る。
【0005】従来から一般的に用いられてきた紙支持体
は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していた
が、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持
体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができな
いため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸
収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要
がある。従って、気相法シリカ等の無機微粒子の塗布量
を多くし、更に、無機微粒子に対するバインダーの比率
を低減する必要があった。
【0006】しかしながら無機の超微粒子を用いた高空
隙率の記録層を有するインクジェット記録材料は、イン
ク吸収性は非常に優れているが、耐水性に劣っていた
り、印字後の保管中に印字画像が変色しやすいという問
題を有している。即ち、無機超微粒子の空隙層を有する
記録媒体は、耐光性に劣るだけでなく、特に大気中の微
量ガスによる退色が生じやすいという問題が十分には解
決できていない。
【0007】微量ガスによる退色の防止剤および耐光性
改良剤として知られている化合物には、無機超微粒子か
らなる多孔質インク受容層に含有した場合、微量ガスに
よる退色を防止する効果(以降、耐ガス性という)があ
っても完全とは言えず、耐光性が良くなっても耐ガス性
が悪くなったりするため、銀塩写真並の保存性を確保す
るのは極めて困難である。
【0008】一方、印字後の画像表面に被覆層を設け
て、その保護作用により画像保存性を改良するという技
術も多数提案されている。例えば、特開平11−277
724号、特開2000−25370号、同2001−
18379号、同2001−18380号等には各種樹
脂溶液を塗布して被覆層を形成する方法が、また特開平
8−174989号、特開2001−213044号等
にはオーバーコート樹脂層を耐熱性フィルムを介して熱
転写する方法が、さらに特開平8−252883号、同
9−226107号、同11−301099号、特開2
000−280601号等には記録した表面にラミネー
トフィルムを貼り合わせる技術が開示されているが、い
ずれも高い空隙率の多孔質インクジェット記録層を有す
る記録材料における耐ガス性及び耐光性の両効果を同時
に十分満足することはできなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、フォトライクの高光沢、高インク吸収性のインクジ
ェット記録材料に形成された印字画像の耐ガス性および
耐光性が飛躍的に改良される記録物の作成方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、耐
水性支持体上に無機微粒子と親水性バインダー及びヒド
ラジン誘導体またはジシアンジアミド系樹脂を含有する
多孔質のインク受容層を有するインクジェット記録材料
に印字した後、記録した表面に被覆層を設けることを特
徴とするインクジェット記録物の作成方法により達成さ
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるインクジェット記録材料には、好ま
しくはシリカ、アルミナもしくはアルミナ水和物の微粒
子が用いられ、特に気相法シリカ超微粒子によって皮膜
中に形成された空隙にインクを吸収させるものである。
高いインク吸収性を発現させるためには空隙容量を高め
る必要があり、このため支持体上には比較的多量の無機
微粒子を塗布する必要があり、また、親水性バインダー
量は空隙率を高めるために減量することが好ましい。
【0012】本発明に好ましく用いられる無機超微粒子
は、インク受容層に8g/m2以上含有するのが好まし
く、10〜30g/m2の範囲で用いるのがより好まし
い。この範囲より少ないと、インク吸収性が劣る。親水
性バインダー量は、無機微粒子に対して5〜40質量%
(すなわち親水性バインダーに対する無機微粒子の質量
比(PB比)が20〜2.5)、好ましくは10〜35
質量%(すなわちPB比が10〜約2.9)であること
が好ましい。このように親水性バインダーの比率を小さ
くすることによって、インク吸収性は向上するが、印字
後の耐ガス性がとくに低下しやすく、本発明はこの耐ガ
ス性を著しく改善することができる。
【0013】本発明において、無機微粒子はインク受容
層中に主たる割合、すなわちインク受容層の全固形分に
対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、よ
り好ましくは65質量%以上含有することが好ましい。
【0014】気相法シリカは、湿式法に対して乾式法と
も呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られ
る。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼
して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素
の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン
等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状
態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロ
ジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQ
Sタイプとして市販されており入手することができる。
【0015】本発明に用いられる無機超微粒子とくに気
相法シリカ、アルミナもしくはアルミナ水和物の一次粒
子の平均粒径は30nm以下が好ましい。とくに好まし
くは一次粒子の平均粒径が3〜20nmでかつBET法
による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250
〜500m2/g)のものを用いることである。本発明で
云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定
法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表
面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体
としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気
体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く
用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著
名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってB
ET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BE
T式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占
める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0016】本発明において、無機超微粒子とともに用
いられる親水性バインダーとしては、公知の各種バイン
ダーを用いることができるが、透明性が高くインクのよ
り高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用
いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水
性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を
塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較
的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく
用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全また
は部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変
性ポリビニルアルコールである。
【0017】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化し
たものである。平均重合度200〜5000のものが好
ましい。
【0018】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0019】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、
好ましくは下記化1で表される。
【0020】
【化1】
【0021】化1中、R1〜R4は独立して水素原子、置
換もしくは未置換の脂肪族基、芳香族基、複素環基、カ
ルボニル基、スルホニル基、スルホキシ基、ホスホリル
基、イミノメチレン基等を表し、これらは連結して環を
形成してもよく、またポリマーになっていてもよい。
【0022】上記の置換基としては、例えばアルキル
基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アミノ基、
ヒドラジノ基、カルボニル基、カルバモイル基等が挙げ
られ、これらの置換基はさらに別の置換基を有していて
もよい。
【0023】R1〜R4の少なくとも1つに置換もしくは
非置換のカルボニル基またはスルホニル基を有するヒド
ラジン誘導体が特に好ましい。本発明に用いられるヒド
ラジン誘導体としては以下の化合物が例示される。
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】本発明に用いられるヒドラジン誘導体のイ
ンク受容層中における含有量は、無機微粒子100重量
部に対して約0.1〜約15重量部、好ましくは約0.
5〜約10重量部の範囲である。
【0029】本発明に用いられるジシアンジアミド系樹
脂としては、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミ
ン縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物等が挙げ
られ、分子量は10,000以下、好ましくは5,00
0以下であることが好ましい。これらの樹脂は例えば日
華化学からネオフィックスRP−70Y、大原パラジウ
ム化学からパラフィックスEP、里田化工からジェット
フィックス20、三洋化成からサンフィックス70、日
本カーバイドからニカフロックD1000、里田化工か
らジェットフィックス105の商品名で入手することが
できる。
【0030】上記ジシアンジアミド系樹脂のインク受容
層中における含有量は、無機微粒子100重量部に対し
て約0.1〜約15重量部、好ましくは約0.5〜約1
0重量部の範囲である。
【0031】本発明において、ヒドラジン誘導体とジシ
アンジアミド系樹脂は、いずれか一方だけでもよいが、
両者を併用して用いることもできる。
【0032】本発明においては、上記親水性バインダー
と共にそのバインダーの架橋剤(硬膜剤)を用いること
が特に好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルム
アルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化
合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン
化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキ
シ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特
許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲン
を有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,6
35,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化
合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−
メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記
載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,2
80号、同2,983,611号記載の如きアジリジン
化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如き
カルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,5
37号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如き
ハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキ
サンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジル
コニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機架橋剤等があ
り、これらを1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。これらの中でも、特にほう酸またはほう酸
塩が好ましい。
【0033】上記架橋剤の使用量は、親水性バインダー
の種類、架橋剤の種類、無機微粒子の種類やPB比など
により変化するが、概ね親水性バインダー1g当たり5
〜600mg、好ましくは10〜500mgの範囲であ
る。
【0034】本発明に用いられるインクジェット記録材
料は、無機微粒子と組み合わせて、カチオン性化合物を
含有することが好ましい。カチオン性化合物としては、
例えばカチオン性ポリマーや水溶性金属化合物が挙げら
れる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミ
ン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキル
アミン重合物、特開昭59−20696号、同59−3
3176号、同59−33177号、同59−1550
88号、同60−11389号、同60−49990
号、同60−83882号、同60−109894号、
同62−198493号、同63−49478号、同6
3−115780号、同63−280681号、特開平
1−40371号、同6−234268号、同7−12
5411号、同10−193776号公報等に記載され
た1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポ
リマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマ
ーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,0
00〜10万程度が好ましい。これらのカチオン性ポリ
マーの使用量は無機超微粒子に対して0.1〜20質量
%、好ましくは1〜10質量%である。
【0035】水溶性金属化合物として、特に水溶性アル
ミニウム化合物が好ましい。水溶性アルミニウム化合物
は、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその
水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニ
ウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含
アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化
アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化ア
ルミニウム化合物が好ましい。
【0036】前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例
えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+
[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等
のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含ん
でいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0037】 [Al2(OH)nCl6-nm 式1 [Al(OH)3nAlCl3 式2 Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 式3
【0038】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0039】本発明において、上記水溶性の金属化合物
のインク受容層中の含有量は、気相法シリカ微粒子に対
して0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1
〜5質量%である。
【0040】インク受容層の膜面pHは3〜6が好まし
く、この膜面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方法
N0.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30
秒後に測定した表面pHである。
【0041】インク受容層には、更に皮膜の脆弱性を改
良するために各種油滴を含有することができる。そのよ
うな油滴としては室温における水に対する溶解性が0.
01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動
パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホス
フェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、
スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブ
チルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート
等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有
させることができる。そのような油滴は好ましくは親水
性バインダーに対して10〜50重量%の範囲で用いる
ことができる。
【0042】本発明において、インク受容層に界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいず
れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のも
のでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用することもできる。界面活性剤の添加量
はインク受容層を構成するバインダー100gに対して
0.001〜5gが好ましく、より好ましくは0.01
〜3gである。
【0043】本発明において、インク受容層には更に、
着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング
剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤などの公知の各種
添加剤を添加することもできる。
【0044】本発明に用いられる耐水性支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹
脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイ
ミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂
フィルム、及び紙の両面もしくは片面にポリオレフィン
樹脂をラミネートした樹脂被覆紙が挙げられる。本発明
に用いられる耐水性支持体の厚みは、約50〜300μ
m程度が好ましい。
【0045】本発明において好ましく用いられる樹脂被
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。さらに、表面サイズ剤、
表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー
剤等が表面塗布されていてもよい。
【0046】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0047】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0048】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0049】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0050】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0051】本発明において、インク受容層の塗布方法
は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることがで
きる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーテ
ィング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0052】本発明において、インクジェット記録材料
には、少なくとも1つの無機微粒子とくに気相法シリカ
を含有する層に加え、さらにインク吸収層、インク定着
層、中間層、保護層等を設けてもよい。例えば、下層に
水溶性ポリマー層を塗設したり、上層に膨潤層や多孔質
層を塗設しても良い。特に下層の気相法シリカより少な
い塗布量でアルミナもしくはアルミナ水和物の多孔質上
層を設けることにより印字濃度が高く保存性に優れたイ
ンクジェット記録材料を得ることができる。
【0053】本発明に用いられるインク組成物の染料と
しては、多く一般に知られるところの直接染料、酸性染
料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建
染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、油性染料など
が挙げられ何れも使用できるが、中でも水溶性染料は記
録液の性能上好ましく使用される。
【0054】特に好ましいものとしては、C.I.ダイ
レクトレッド−2、−4、−9、−23、−26、−3
1、−39、−62、−63、−72、−75、−7
6、−79、−80、−81、−83、−84、−8
9、−92、−95、−111、−173、−184、
−207、−211、−212、−214、−218、
−221、−223、−224、−225、−226、
−227、−232、−233、−240、−241、
−242、−243、及び−247、C.I.ダイレク
トバイオレット−7、−9、−47、−48、−51、
−66、−90、−93、−94、−95、−98、−
100、及び−101、C.I.ダイレクトイエロー−
8、−9、−11、−12、−27、−28、−29、
−33、−35、−39、−41、−44、−50、−
53、−58、−59、−68、−86、−87、−9
3、−95、−96、−98、−100、−106、−
108、−109、−110、−130、−132、−
142、−144、−161、及び−163、C.I.
ダイレクトブルー−1、−10、−15、−22、−2
5、−55、−67、−68、−71、−76、−7
7、−78、−80、−84、−86、−−87、−9
0、−98、−106、−108、−109、151、
−156、−158、−159、−160、−168、
−189、−192、−193、−194、−199、
−200、−201、−202、−203、−207、
−211、−213、−214、−218−225、−
229、−236、−237、−244、−248、−
249、−251、−252、−264、−270、−
280、−288、−289、及び−291。
【0055】C.I.ダイレクトブラック−9、−1
7、−19、−22、−32、−51、−56、−6
2、−69、−77、−80、−91、−94、−9
7、−106、−154、−166、−168、−17
3、及び−199、C.I.アシッドレッド−35、−
42、−52、−57、−62、−80、−82、−1
11、−114、−118、−119、−127、−1
28、−131、−143、−151、−154、−1
58、−249、−254、−261、−263、−2
66、−289、−299、−301、−305、−3
36、−337、−361、−396、及び−397、
C.I.アシッドバイオレット−5、−34、−43、
−47、−48、−90、−103、及び−126、
C.I.アシッドイエロー−17、−19、−23、−
25、−39、−40、−42、−44、−49、−5
0、−61、−64、−76、−79、−110、−1
27、−135、−143、−151、−159、−1
69、−174、−190、−195、−196、−1
97、−199、−218、−219、−222、及び
−227。
【0056】C.I.アシッドブルー−9、−25、−
40、−41、−62、−72、−76、−78、−8
0、−82、−92、−106、−112、−113、
−120、127:1、−129、−138、−14
3、−175、−181、−205、−207、−22
0、−221、−230、−232、−247、−25
8、−260、−264、−271、−277、−27
8、−279、−280、−288、−290、及び−
326、C.I.アシッドブラック−7、−24、−2
9、−48、−52:1、及び−172−1、C.I.
リアクティブレッド−3、−13、−17、−19、−
21、−22、−23、−24、−29、−35、−3
7、−40、−41、−43、−45、−49、及び−
55、C.I.リアクティブバイオレット−1、−3、
−4、−5、−6、−7、−8、−9、−16、−1
7、−22、−23、−24、−26、−27、−3
3、及び−34、C.I.リアクティブイエロー−2、
−3、−13、−14、−15、−17、−18、−2
3、−24、−25、−26、−27、−29、−3
5、−37、−41、及び−42、C.I.リアクティ
ブブルー−2、−3、−5、−8、−10、−13、−
14、−15、−17、−18、−19、−21、−2
3、−26、−27、−28、−29、及び−38。
【0057】C.I.リアクティブブラック−4、−
5、−8、−14、−21、−23、−26、−31、
−32、及び−34、C.I.ベーシックレッド−1
2、−13、−14、−15、−18、−22、−2
3、−24、−25、−27、−29、−35、−3
6、−38、−39、−45、及び−46、C.I.ベ
ーシックバイオレット−1、−2、−3、−7、−1
0、−15、−16、−20、−21、−25、−2
7、−28、−35、−37、−39、−40、及び−
48、C.I.ベーシックイエロー−1、−2、−4、
−11、−13、−14、−15、−19、−21、−
23、−24、−29、−32、−36、−39、及び
−40、C.I.ベーシックブルー−1、−3、−5、
−7、−9、−22、−26、−41、−45、−4
6、−47、−54、−57、−60、−62、−6
5、−66、−69、及び−71、C.I.ベーシック
ブラック8等が挙げられる。銅フタロシアニン染料とし
ては、C.I.ダイレクトブルー−86、−87、−1
99等が挙げられる。
【0058】本発明に用いられるインク組成物には、有
機溶媒として多価アルコールが用いられることが好まし
い。多価アルコールの添加量は1〜30質量%程度が好
ましく、より好ましくは3〜20質量%である。多価ア
ルコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6
−ヘキサントリオール、グリセリン、およびそれらの混
合物が挙げられる。
【0059】また本発明に用いられるインク組成物に
は、グリコールエーテル類が用いられることが好まし
い。グリコールエーテル類としては、例えばエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテルなどが挙げられる。その添加量は3〜3
0質量%程度が好ましく、より好ましくは5〜15質量
%である。
【0060】本発明においては、前述のインクジェット
記録材料に、インクジェット方式で印字した後、印字後
の画像表面に前述したような被覆層、すなわち加熱によ
り成膜する熱可塑性樹脂あるいは熱溶融性樹脂、紫外線
照射により硬化する樹脂等の各種樹脂溶液を塗布(例え
ばバーコーター、ロールコーター、アプリケーター、ス
ピナーあるいはインクジェット記録装置等を用いる)し
て被覆層を形成する方法、オーバーコート樹脂層を耐熱
性フィルムを介して熱転写する方法、さらに記録した表
面にラミネートフィルムを貼り合わせる等により被覆層
が設けられる。被覆層は、インク画像が乾かない内に、
もしくは乾いた後のいずれに施すことも可能である。被
覆層を付与後、熱、風、UV光、マイクロ波、赤外線等
を必要に応じて被覆層に与えることができる。
【0061】好ましい方法は、画像表面に透明なラミネ
ートフィルムを貼り合わすことであり、貼り合わせは加
熱しても加熱しなくても構わない。ラミネートフィルム
は、透明の基材に粘着剤ないし接着剤を塗布したものが
好ましく用いられる。透明基材としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリフェ
ニレンサルファイト、ポリエーテルスルフォン、ポリ塩
化ビニル等の各種フィルムが挙げられる。透明基材の厚
みは、一般的には20〜200μm、好ましくは30〜
100μm程度である。これらの基材には、2−ヒドロ
キシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン等のベンゾフェノン類、(2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシフェニル−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の紫外線吸
収剤を含有せしめても良い。
【0062】粘着剤ないし接着剤には、ヒートシールタ
イプや感圧接着剤タイプの樹脂が公的に用いられる。樹
脂としてはスチレン系、ブタジエン系、アクリル系、ウ
レタン系等の任意のものが用いられるが、アクリル系接
着剤が好ましく、例えばメタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミ
ン等のアクリルモノマーと、これに共重合可能なエチレ
ン系モノマーやスチレン系モノマー等の共重合物が使用
できる。
【0063】
【実施例】以下、本発明を代表的な実施例により詳しく
説明する。なお、部とは固形分質量部を意味する。
【0064】実施例1 広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルフ
ァイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディア
ン スタンダード フリーネスで300mlになるまで
叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤と
してアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、
強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量
%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミ
ドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加
し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを
長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾
燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄
造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリ
エチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のア
ナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組
成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μm
になるように押出コーティングし、微粗面加工されたク
ーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面に
は密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂
70質量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂
30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶
融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、
粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し
た。
【0065】上記ポリオレフィン樹脂被覆紙表面に高周
波コロナ放電処理を施した後、下引き層をゼラチンが5
0mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成し
た。
【0066】気相法シリカとシャロールDC902P
(カチオン性ポリマー)を含む水溶液を高圧ホモジナイ
ザーで分散し、ポリビニルアルコール等を加えて下記組
成となるようなインク受容層塗液を調整し、気相法シリ
カの塗布量が固形分で18g/m2となるように塗布、乾
燥してインクジェット記録シートを作成した。尚、いず
れの記録シートもインク受容層の膜面pHが4.0にな
るように調整した。
【0067】 <記録シート1A> 気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)100部 ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重縮合物 3部 (第一工業製薬(株)製、商品名シャロールDC902P) ポリビニルアルコール 25部 (商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500) 塩基性ポリ水酸化アルミニウム(理研ク゛リーン株製のヒ゜ュラケムWT) 3部 ほう酸 4部 両性界面活性剤 0.3部 (商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント製)
【0068】<記録シート2A>上記記録シート1のイ
ンク受容層にヒドラジン誘導体(例示化合物18)5部
加えた以外は記録シート1と同様とした。
【0069】<記録シート3A>上記記録シート1のイ
ンク受容層にヒドラジン誘導体(例示化合物25)5部
加えた以外は記録シート1と同様とした。
【0070】<記録シート4A>上記記録シート1のイ
ンク受容層にポリアルキレンポリアミン・ジシアンジア
ミド系重縮合物(大原パラジウム化学製パラフィックス
EP)5部加えた以外は記録シート1と同様とした。
【0071】<記録シート5A>上記記録シート1のイ
ンク受容層にジシアンジアミドホルマリン系重縮合物
(里田化工製ジェットフィックス105)5部加えた以
外は記録シート1と同様とした。
【0072】得られた各々のインクジェット記録シート
について、下記の通り評価した。
【0073】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン社製PM−800C)を用いて、
C,M,Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後にPP
C用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写
したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価
した。 ○:全く転写しない。 △:少し転写する。 ×:かなり転写する。
【0074】<耐水性>幅100μmの細線を100μ
m間隔で印字し、1日放置した後で、35℃90%相対
湿度(RH)の条件下に2日間置いた後、細線の滲みを
下記の基準で評価した。 ○:ほとんど滲んでいなく、細線と細線の間隔が明確で
ある。 △:滲みがあるが、細線と細線の間が完全には潰れてい
ない。 ×:細線が滲み、細線と細線の間隔が無くなっている。
【0075】<耐光性>インクジェットプリンター(セ
イコーエプソン社製PM−770C)を用いてCYMK
のインクでそれぞれベタ印字を行い、アトラス社製サン
テストCPS光退色試験機にて600W/m2で30時間
照射した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(照射
後濃度/照射前の濃度)を求め、CMYK画像の内、最
も残存率が低いものを表示した。
【0076】<耐ガス性>上記耐光性試験と同様に印字
後、空気中に室温で2ヶ月間曝露した後、印字部の濃度
を測定し、画像残存率(曝露後濃度/曝露前の濃度)を
求め、CMYK画像の内、最も残存率が低いものを表示
した。
【0077】<光沢度>JIS P−8142(紙及び
板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従っ
て測定した。
【0078】
【表1】 ───────────────────────────────── 記録シート インク吸収性 耐水性 光沢度 保 存 性(%) 備考 耐光性 耐カ゛ス性 ───────────────────────────────── 1A ○ ○ 62 71 67 比較 2A ○ ○ 61 79 75 比較 3A ○ ○ 61 78 75 比較 4A ○ ○ 61 75 74 比較 5A ○ ○ 60 75 73 比較 ─────────────────────────────────
【0079】一方、別の記録シート1A〜5Aのインク
画像が乾いた後、ラミネートフィルム(粘着層を有する
厚み50μmのフィルム:LAMI CORPORAT
ION製;LAMINATING FILM)の間に記
録シートを挟み、ラミネーター(NAKABAYASH
I Co.LTD製;PACLAMI PRO;Mod
el PLP−325)を用いて加熱温度125℃で貼
り付け、それぞれ記録シート1B〜5Bを作成した。光
沢度、耐光性および耐ガス性を上記のように評価し、そ
の結果を表2に示す。
【0080】
【表2】 ───────────────────────────────── 記録シート 光沢度 保 存 性(%) 備考 耐光性 耐カ゛ス性 ───────────────────────────────── 1B 65 73 99 比較 2B 66 89 99 本発明 3B 66 88 99 本発明 4B 66 86 99 本発明 5B 65 86 99 本発明 ─────────────────────────────────
【0081】上記結果から明らかなように、記録シート
1Aにラミネートフィルムを貼り付けた記録シート1B
は、耐ガス性が著しく改良されるが、耐光性の向上は僅
かであるのに対し、本発明に用いる記録シート2A〜5
Aにラミネートフィルムを貼り付けた記録シート2B〜
5Bは、著しく耐ガス性が改良されるだけでなく、耐光
性も著しく改良されることが分かる。
【0082】実施例2 実施例1に用いた気相法シリカを平均一次粒径が15n
mのものに代える以外は同様に試験した。その結果、イ
ンク吸収性及び保存性はほぼ同じ結果が得られた。
【0083】実施例3 実施例1のラミネートフィルムを、厚さ80μmの紫外
線吸収剤を配合した透明塩化ビニルフィルムにアクリル
系接着剤を塗布したものを用いて同様に評価したとこ
ろ、耐光性はいずれの記録シートも実施例1よりは若干
良くなり、耐ガス性は実施例1と同様な結果が得られ
た。
【0084】実施例4 実施例1の支持体としてポリエステルフイルムを用いる
以外は実施例1と同様に試験した結果、実施例1と同様
の結果であった。
【0085】実施例5 実施例1の支持体上に下記2種類の組成のインク受容層
A、B塗布液を同時にスライドビード塗布装置で塗布し
乾燥した。下記に示す支持体に近い下層用のインク受容
層A、上層用のインク受容層B塗布液は、無機微粒子を
9質量%の固形分濃度になるように高圧ホモジナイザー
で分散した後調製した。これらの塗布液を、インク受容
層Aは気相法シリカが固形で16g/m2、インク受容層
Bの擬ベーマイトが4g/m2になるように塗布、乾燥し
た。
【0086】 <インク受容層A塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径7nm) ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重縮合物 4部 (第一工業製薬(株)製、商品名シャロールDC902P) ほう酸 4部 ポリビニルアルコール 25部 (ケン化度88%、平均重合度3500) ヒドラジン誘導体(例示化合物25) 4部 パラフィックスEP 4部 界面活性剤 0.3部 酢酸ジルコニウム 2部
【0087】 <インク受容層B塗布液> 擬ベーマイト 100部 (平均一次粒径15nm、アスペクト比5の平板状) ほう酸 4部 ポリビニルアルコール 20部 (ケン化度88%、平均重合度3500) ヒドラジン誘導体(例示化合物25) 3部 パラフィックスEP 3部 界面活性剤 0.3部 酢酸ジルコニウム 2部
【0088】塗布後の乾燥条件を下記に示す。5℃で3
0秒間冷却後、全固形分濃度が90質量%までを45℃
10%RHで乾燥し、次いで35℃10%RHで乾燥し
た。
【0089】上記のようにして作成したインクジェット
記録シートについて実施例1と同様に試験をした。フィ
ルムラミネートによる耐光性と耐ガス性の改良効果は実
施例1と同様に確認され、耐ガス性のレベルは実施例1
と同様、耐光性のレベルは実施例1よりも優れた結果を
示した。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、高インク吸収性、高耐
水性、高光沢でかつ耐光性、耐ガス性に飛躍的に優れた
フォトライクなインクジェット記録物が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に無機微粒子と親水性バ
    インダー及びヒドラジン誘導体またはジシアンジアミド
    系樹脂を含有する多孔質のインク受容層を有するインク
    ジェット記録材料に印字した後、記録した表面に被覆層
    を設けることを特徴とするインクジェット記録物の作成
    方法。
  2. 【請求項2】 無機微粒子が一次平均粒径30nm以下
    の無機微粒子である請求項1記載のインクジェット記録
    物の作成方法。
  3. 【請求項3】 親水性バインダーに対する無機微粒子の
    質量比が2.5以上である請求項1または2記載のイン
    クジェット記録物の作成方法。
  4. 【請求項4】 無機微粒子が気相法シリカ、アルミナも
    しくはアルミナ水和物である請求項1〜3のいずれか記
    載のインクジェット記録物の作成方法。
  5. 【請求項5】 架橋剤を含有する請求項1〜4のいずれ
    か記載のインクジェット記録物の作成方法。
  6. 【請求項6】 耐水性支持体がポリオレフィン樹脂ラミ
    ネート紙であり、該ラミネート紙上にインク受容層を有
    する請求項1〜5のいずれか記載のインクジェット記録
    物の作成方法。
  7. 【請求項7】 被覆層がラミネートフィルムを貼り合わ
    せたものである請求項1〜6のいずれか記載のインクジ
    ェット記録物の作成方法。
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