JP2004255690A - インクジェット記録材料及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高光沢と高い発色性、インク吸収性、画像保存性が改良され、印字後保存時の画像滲みが改良されたインクジェット記録用材料を提供する。
【解決手段】耐水性支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けたインクジェット記録用材料において、該支持体と該インク受容層の間にアルコール系溶剤のゲル化剤を主成分とする溶剤固定層を設けることを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字後の画像保存性を改良したインクジェット記録材料に関し、更に詳しくは、フォトライクな高い光沢を有し、発色性、インク吸収性に優れ、印字後の画像の耐光性及び耐ガス性が改良され、かつ印字後保存時の画像滲みが改良されたインクジェット記録材料に関するものである。更に本発明は、上記記録材料を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同平10−193776号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いることが開示されている。
【0005】
また、特開昭62−174183号、同平2−276670号、同平5−32037号、同平6−199037号公報等には、アルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。
【0006】
上記した気相法シリカやアルミナ水和物は、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に気相法シリカやアルミナ水和物等の無機微粒子を主体とするインク受容層が塗設された記録材料が提案されている。
【0007】
従来から一般的に用いられてきた紙支持体は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していたが、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができないため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸収性が重要であり、インク受容層の空隙容量を高める必要がある。従って、無機微粒子の含有量を多くし、更に、空隙率を高めるために無機微粒子に対するバインダーの比率を低減する必要があった。
【0008】
しかしながら、上記したような空隙率を高くした記録材料は、印字後の保管中に印字画像が変色しやすいという問題があった。即ち、光による変色や大気中の微量ガスによる変色が生じやすかった。特に、大気中の微量ガスによる変色は深刻であった。
【0009】
一方、インク中のアルコール系溶剤の影響に注目し、インク受容層にアルコール系容剤のゲル化剤を含有させることが、特開2002−79743号公報に開示され、また特願2001−220017号で提案されている(特許文献1、2)。しかしながら、インク受容層にアルコール系溶剤のゲル化剤を含有させると、画像の発色が鮮明でなくなったり、保存時に画像滲みが起こったり、あるいはインクの吸収性が低下する等の不都合が生じた。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−79743号公報(第2頁)
【特許文献2】
特願2001−220017号(第2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、フォトライクの高光沢と高い発色性、インク吸収性を有し、画像の発色性及び印字後の画像保存性が改良され、かつ印字後保存時の画像滲みが改良されたインクジェット記録用材料及び画像形成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の発明によって基本的に達成された。
(1)耐水性支持体上に無機微粒子と親水性バインダーを含有する多孔性のインク受容層を有するインクジェット記録用材料において、該支持体と該インク受容層の間にアルコール系溶剤のゲル化剤を主成分とする溶剤固定層を設ける事を特徴とするインクジェット記録材料。
(2)前記(1)のインクジェット記録材料に、アルコール系溶剤を含有する水溶性染料インクを用いて印字した後に、該インクジェット記録材料のインク受容層表面に透明フィルムによる加熱ラミネーション処理を施す事を特徴とする画像形成方法。
【0013】
インクジェット記録方法に用いられるインクには、インクジェットノズルの目詰まり等の防止のために、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶剤が含まれている。これらの溶剤は画像の耐光性や耐ガス性を低下させる1つの要因として考えられているが、本発明は、この溶剤の影響を抑制することを検討し、これらの溶剤を記録媒体中でゲル化することによって、画像保存性が向上することを見い出した。更に該ゲル化剤がインク受理層全体に分布している場合、ゲル化剤粒子により光散乱が生じインク受理層表面の光沢が低下したり、発色濃度の低下及び画像の滲みを招く事がある。またインク受理層表面の平滑性が低下し、表面光沢性の低下を招く。そこで本発明では該支持体と該インク受理層の間にゲル化剤層を設けることにより上記課題を解決できる事を見いだし本発明を完成するに至った。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、アルコール系溶剤とは、特に多価アルコールを意味する。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、これらグリコール類のモノアルキルエーテル類、及びグリセリン等が挙げられる。
【0015】
有機溶剤あるいは油脂類のゲル化剤は、海洋への油流出の問題や、一般家庭から出る廃油の問題に対応するために従来から研究開発されている。例えば、特公昭54−33798号のN−アシルアミノ酸アミド、特公昭60−44968号の12−ヒドロキシステアリン酸、特開昭51−91884号の直鎖状型ペプチド誘導体、特開昭59−77859号のジベンジリデンソルビトールに代表される多価アルコールとベンズアルデヒドの縮合物、特開平7−247473や同7−247474号の環状ジペプチド、特開平8−231942号のビス(アルキルウレア)シクロヘキサン、特開平10−226614号や同10−245396号のオリゴペプタイドアルキルアミド誘導体、特開平10−237034号のビス(アシルアミノ)シクロヘキサン誘導体、特開平10−273477号のシクロヘキサンカルボキサミド、特開2000−256303号のアシルアミノ酸エステル化合物等が知られている。
【0016】
上記した化合物はいずれも本発明に用いることができるが、以下の条件を満足する化合物が本発明のゲル化剤として好ましく用いられる。例えば、エチレングリコールやジエチレングリコール等のグリコール類もしくはグリセリンを試験管に10g採取し、その中にゲル化剤を0.5g以下添加し、加熱溶解した後、25℃に冷却したときの状態を観察し、内容物全体がゲル状を呈し、試験管を傾けたときに液状物が滲み出さず、流動化しなくなることをゲル化とし、このゲル化能を有する化合物が好ましく用いられる。
【0017】
本発明において上記ゲル化条件を満足する好ましいゲル化剤は、炭素数が5以上の脂肪族基と水素結合形成官能基、例えば−OH基、−C(O)−基、または−N(H)−基を有する化合物である。更に好ましくは、水素結合形成官能基として、−N(H)−C(O)−基を有する化合物である。上記脂肪族基の好ましい長さは、炭素数が7〜30程度である。以下に具体例を示す。
【0018】
【化1】
Figure 2004255690
【0019】
【化2】
Figure 2004255690
【0020】
【化3】
Figure 2004255690
【0021】
【化4】
Figure 2004255690
【0022】
【化5】
Figure 2004255690
【0023】
【化6】
Figure 2004255690
【0024】
【化7】
Figure 2004255690
【0025】
【化8】
Figure 2004255690
【0026】
上記ゲル化剤を主成分とする溶剤固定層について説明する。ここで、ゲル化剤を主成分にするとは、溶剤固定層を構成する全成分に対してゲル化剤を50質量%以上含有するという意味である。該溶剤固定層は支持体とインク吸収層の間に設けられる。ゲル化剤はスチレン・無水マレイン酸共重合体のような分散剤の存在化で湿式粉砕する。分散粒子径は2μm以下が好ましく、更に好ましくは1μm以下である。分散粒径が大きい場合、インク受理層表面の平滑性が損なわれ、良好な表面光沢性が得られない場合がある。またゲル化剤の分散粒子径を細かくする事によりインク受理層に打ち込まれたインク中の溶剤をゲル化する効率(ゲル化速度、ゲル化容量)を高めることもできる。
【0027】
溶剤固定層において、ゲル化剤と共に親水性バインダーが使用される。インク受理層に打ち込まれたインク成分、特に溶剤成分がゲル化剤粒子に効率良く到達できるように比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全ケン化または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0028】
また溶剤固定層中における親水性バインダー量はゲル化剤に対して5質量%から30質量%が好ましい。バインダー比率が高いと上述のようにインクの溶剤成分がゲル化剤粒子に効率良く到達できなくなる事がある。溶剤固定層中にゲル化剤を1g/m以上含有する事が好ましく、特に好ましくは2g/m以上含有することである。
【0029】
本発明のインクジェット記録材料ではアルコール系溶剤を含有する水溶性染料インクを用いて印字した後に、該インクジェット記録材料のインク需要層表面に透明フィルムによる加熱ラミネーション処理を施す画像形成方法を行うことにより更に画像保存性に優れ、かつ印字後保存時の画像滲みに優れた特性が得られる。加熱ラミネーション処理によりインク中の溶剤が溶剤固定層中のゲル化剤と効率良く反応し、溶剤固定層中に保持される事から印字後保存時の画像滲みが改善されるとい考えられる。
【0030】
本発明の画像形成方法の好ましい態様は、印字後のインク受容層表面に透明フィルムを加熱ラミネーション処理により貼り合わすことである。ラミネートする透明フィルムは、透明フィルムの基材に粘着剤ないし接着剤を塗布したものが好ましく用いられる。透明フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイト、ポリエーテルスルフォン、ポリ塩化ビニル等の各種フィルムが挙げられる。透明フィルムの厚みは、一般的には20〜200μm、好ましくは30〜100μm程度である。これらの基材には、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシフェニル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を含有せしめても良い。
【0031】
加熱ラミネーション処理を施す際に用いられる粘着剤ないし接着剤には、ヒートシールタイプの樹脂が好適に用いられる。樹脂としてはスチレン系、ブタジエン系、アクリル系、ウレタン系等の任意のものが用いられるが、アクリル系接着剤が好ましく、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミン等のアクリルモノマーと、これに共重合可能なエチレン系モノマーやスチレン系モノマー等の共重合物が使用できる。
【0032】
画像面の加熱温度は、用いられる透明フィルムや接着剤、粘着剤の種類によるが、好ましくは60〜200℃の範囲であり、更に好ましくは70〜150℃の範囲である。加熱時間は加熱温度に関係するが、0.1秒以上であり、0.5秒以上が好ましい。上限は特に無いが30秒以上加温しても効果に差は無い。
【0033】
本発明のインクジェット記録材料は、支持体上に少なくとも1層のインク受容層を有する。該インク受容層は無機微粒子と親水性バインダーを主体とする空隙タイプであり、インク受容層の全固形分に対して無機微粒子を50質量%以上、更には60質量%以上含有する。
【0034】
本発明のインク受容層に用いられる無機微粒子としては、シリカ、アルミナ等各種微粒子が挙げられるが、好ましくは平均一次粒子径が50nm以下、更に好ましくは30nm以下のシリカ微粒子やアルミナ水和物である。インク吸収性を高めるためには、インク受容層に無機微粒子を8g/m以上含有するのが好ましく、10〜40g/mの範囲で用いるのがより好ましい。
【0035】
本発明に用いられるシリカ微粒子には、湿式法によるものと気相法によるものがある。本発明は、気相法による合成シリカあるいは湿式法シリカを湿式粉砕方法により微粒粉砕し平均二次粒子径を500nm以下にしたものを用いることが好ましい。 気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0036】
湿式法シリカとしては、▲1▼ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または▲2▼このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、▲3▼シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミクロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には▲4▼シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。通常、湿式シリカの平均二次粒子径は数μmと大きく、そのままの分散状態で塗液を調製し塗布した場合に得られるインク受理層では塗層の不透明度が高く良好なインク発色濃度が得られない。そこで湿式シリカをビーズミルや高圧ホモジナイザー等の湿式粉砕機を用い平均二次粒子径500nm以下にすることにより良好な塗層透明性、高いインク発色濃度が得られる。
【0037】
本発明に用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は、30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、3〜20nmでBET法による比表面積が100m/g以上以下が好ましい。更に好ましくは一次粒子の平均粒径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が150m/g以上(好ましくは200〜500m/g)のものを用いることである。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0038】
本発明に用いられる他の好ましい無機微粒子として、アルミナ水和物(カチオン性アルミナ水和物)がある。アルミナ水和物の例としては、特開昭60−232990号、同60−245588号公報、特公平3−24906号公報、特開平6−199035号、同7−82694号公報に記載されているように微細な擬ベーマイト形アルミナ水和物を親水性バインダーとともに支持体表面に塗工したインクジェット記録媒体が開示されている。アルミナ水和物としては、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2、カタロイドAS−3(以上、触媒化学工業製)アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、日産化学工業製)、M−200(以上、水澤化学工業製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル製)が市販されている。
【0039】
本発明に用いられるアルミナ水和物は、下記の一般式により表すことができる。
Al・nH
アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
【0040】
本発明において、無機微粒子とともに用いられる親水性バインダーとしては、公知の各種バインダーを用いることができるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0041】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200〜5000のものが好ましい。また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0042】
インク受容層中における親水性バインダー量は、無機微粒子に対して40質量%以下が好ましく、更に10〜30質量%がより好ましい。このように親水性バインダーの比率を小さくすることによって、インク吸収性は向上するが、印字後の保存性、特に耐ガス性が低下しやすく、本発明は、これらの性能を同時に満足させることを特徴とする。
【0043】
本発明は、上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸またはほう酸塩が好ましい。
【0044】
本発明のインク受容層は、カチオン性化合物を含有するのが好ましい。
【0045】
カチオン性化合物としては、例えばカチオン性ポリマーや水溶性金属化合物が挙げられる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0046】
これらのカチオン性ポリマーの使用量は無機微粒子に対して1〜10質量%、好ましくは2〜7質量%である。
【0047】
本発明に用いられる水溶性金属化合物として、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、フェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
【0048】
本発明において、特に水溶性アルミニウム化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
【0049】
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0050】
[Al(OH)Cl6−n 一般式1
[Al(OH)AlCl 一般式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n 一般式3
【0051】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
【0052】
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物としては酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0053】
本発明において、上記水溶性の金属化合物のインク受容層中の含有量は、無機微粒子に対して0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜5質量%である。
【0054】
上記したカチオン性化合物は2種以上を併用することができる。例えば、カチオン性ポリマーと水溶性金属化合物を併用するのが好ましい。
【0055】
本発明において、保存性の観点からインク受容層の膜面pHが2〜6であることが好ましく、特に3〜5が好ましい。インク受容層の膜面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方法N0.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した表面pHである。
【0056】
インク受容層のpHは、塗布液の段階で調整するのが好ましが、塗布液のpHと塗布乾燥された状態での膜面pHとは必ずしも一致しないため、塗布液と膜面pHとの関係を予め実験等によって求めておくことが所定の膜面pHにするために必要である。インク受容層塗布液のpHは、酸またはアルカリを適当に組み合わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸が用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、または弱アルカリとして、酢酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ金属塩が用いられる。
【0057】
本発明のインク受容層は、更に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
【0058】
本発明において、インク受容層に界面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくない。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバインダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、より好ましくは0.01〜3gである。
【0059】
本発明において、インク受容層には更に、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0060】
本発明に用いられる耐水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙の両面にポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂被覆紙が挙げられる。本発明に用いられる耐水性支持体の厚みは、約50〜300μm程度が好ましい。
【0061】
本発明において好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0062】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0063】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
【0064】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0065】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0066】
本発明において好ましく用いられる耐水性支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面あるいは半光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面にコーティングされる。
【0067】
本発明における耐水性支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0068】
本発明において、インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0069】
本発明において、インクジェット記録材料には、無機微粒子を含有するインク受容層に加え、さらにインク吸収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。例えば、下層に水溶性ポリマー層を塗設したり、上層に膨潤層を塗設しても良い。
【0070】
インクジェット記録に用いられるインクには、顔料インクと水溶性染料インクがあるが、本発明の記録材料は水溶性染料インクを用いた場合にその効果は顕著になる。水溶性染料インクは、溶媒として水が主体に用いられているが、インクジェットノズルの目詰まり防止のために、インク全体に対して5〜40質量%程度の水溶性アルコール系溶剤が一般的に含まれている。アルコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、これらグリコールのモノアルキルエーテル、グリセリン等の多価アルコールが一般的に用いられている。
【0071】
染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料など各種染料を使用することができる。
【0072】
例えば染料の例としては、C.I.ダイレクトブラック−4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、−80、−151、−154、−168、−171、−194及び−195、C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−142、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236及び−287、C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189及び−227、C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−86、−87、−88、−135、−142及び−144、C.I.フードブラック−1及び−2、C.I.アシッドブラック−1、−2、−7、−16、−24、−26、−28、−31、−48、−52、−63、−107、−112、−118、−119、−121、−172、−194及び−208、C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−62、−78、−80、−81、−90、−102、−104、−111、−185及び−254、C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−52、−249及び−257、C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76及び−79、ブロジェットシアン1、ブロジェットマゼンタ1、ブロジェットマゼンタ1T、ボルジェットイエロー1G(以上Zeneca社)、AE−SF VP344、Duasyn Brilliant Red F3BSF VP180(以上ヘキスト社)、Basacid Black X34 liquid、Basacid Black X38 liquid、Basacid Red495 liquid、Basacid Blue 752 liquid、Basacid Blue 624 liquid、Basacid Blue765 liquid、Basacid Yellow SE0840 liquid、Basacid Yellow SE0173 liquid、Basacid Yellow 099 liquid(以上BASF社)、Special Black SP liquid、Special Black HF(以上バイエル社)等が挙げられる。これら染料は単独で、あるいは2種以上混合して、さらにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4原色の他、赤、青、緑等のカスタムカラーに調色したものものを用いてもよい。
【0073】
インク中における染料の含有量は、0.5〜20質量%の範囲、より好ましくは1〜10質量%である。
【0074】
次に、本発明の好ましい画像形成方法について説明する。前述したようなインク受容層と支持体の間にゲル化剤を主成分とする溶剤固定層を設けた記録材料にアルコール系溶剤を含有する水溶性染料インクを用いて印字した後、該記録材料の印字面を加熱処理することによって、画像保存性が更に向上する。これは、溶剤固定層中に吸収されたアルコール系溶剤のゲル化が加熱処理によって促進されるためと考えられる。
【0075】
加熱処理は、記録材料の表面温度が40℃以上になる程度に加熱するが、好ましくは50℃以上になるように加熱する。上限は90〜100℃程度が適当である。加熱手段としては特に制限はなく、具体的には熱風を直接当てる方法、アイロンを当てる方法、大判プリンター出力画像の後処理によく使われているラミネーター等の加熱ロールの間を通す方法、写真の乾燥等に使われる加熱鏡面ドラムに密着させるフェロタイプ乾燥器を用いる方法等が挙げられる。
【0076】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部とは固形分質量部を意味する。
【0077】
実施例1
耐水性支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合からなる160g/mの基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物を25g/m塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を25g/m塗布してなる樹脂被覆紙を用意した。
【0078】
次に下記組成のインク受像層塗布液を調製した。
<インク受容層塗布液>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重縮合物 3部
(第一工業製薬(株)製、商品名シャロールDC902P)
ポリビニルアルコール 24部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4.5部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部
(理研グリーン株製のピュラケムWT)
両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWAM AM−2150、日本サーファクタント製)
【0079】
次に、直径2mmのアルミナビーズの存在下で下記組成を混合、シェイクしてゲル化剤の水系分散物(分散平均粒子径1.4μm)を調製した。
<ゲル化剤の水系分散物>
ゲル化剤(化1の化合物) 15部
分散剤(スチレン・無水マレイン酸共重合体) 0.75部
水 100部
【0080】
次に上記のゲル化剤の水系分散液を使用して下記組成の溶剤固定層塗布液を調製した。
<溶剤固定層塗布液>
ゲル化剤分散液(ゲル化剤としての含有量) 100部
ポリビニルアルコール 10部
ほう酸 1部
水 100部
【0081】
次に、上記支持体にインク受像層塗布液、溶剤固定層塗布液を、乾燥塗布量がインク受容層が23g/m、溶剤固定層が4g/mになるように塗布し、乾燥した。インク受容層が上層、溶剤固定層が支持体に近い下層である。塗布後の乾燥条件は、5℃で30秒間冷却後、全固形分濃度が90重量%までを45℃10%RHで乾燥し、次いで35℃10%RHで乾燥した。
【0082】
<記録シート2の作製>
上記記録シート1のゲル化剤を化2に代えた以外は記録シート1と同様にして作製した。
【0083】
<記録シート3の作製>
上記記録シート1のゲル化剤を化3に代えた以外は記録シート1と同様にして作製した。
【0084】
<記録シート4の作製>
上記記録シート1のゲル化剤を化4に代えた以外は記録シート1と同様にして作製した。
【0085】
<記録シート5の作製>
上記記録シート1のゲル化剤の分散平均粒子径を5μmに代えた以外は記録シート1と同様にして作製した。
【0086】
<記録シート6>
上記記録シート1の溶剤固定層を設けず、代わりにゲル化剤の水系分散物をインク受像層塗布液に100部添加した以外は記録シート1と同様にして作製した。
【0087】
<記録シート7の作製>
上記記録シート1と同様にして作製した。但し、溶剤固定層は設けなかった。
【0088】
得られた各々のインクジェット記録シートについて、印字後の画像保存性(耐光性及び耐ガス性)、インク吸収性、インク発色濃度及び光沢度を評価した。その結果を表1に示す。
【0089】
<耐光性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−800C)を用いて、下記組成のC、M、Yのインクでそれぞれ100%印字した後、記録シートを常温放置したサンプルと、70℃になるように加熱処理したサンプルを作製した。これらのサンプルをアトラス社製サンテストCPS光退色試験機にて600W/mで50時間照射した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(照射後濃度/照射前の濃度)を求め、C、M、Y画像の内、最も残存率が低いものを以下の基準で評価した。
○;残存率が80%以上
△;残像率が75%以上、80%未満
×;残存率が75%未満
【0090】
[イエローインク]
ダイレクトイエロー86 2.0g
ジエチレングリコール 22.2g
グリセリン 4.5g
純水で100mlに仕上げる。
[マゼンタインク]
ダイレクトレッド227 1.8g
グリセリン 3.5g
ジエチレングリコール 21.5g
純水で100mlに仕上げる。
[シアンインク]
ダイレクトブルー199 2.4g
エチレングリコール 16.1g
グリセリン 9.5g
純水で100mlに仕上げる。
【0091】
<耐ガス性>
上記耐光性試験と同様に印字した後に常温放置したサンプル、加熱処理したサンプルについて、空気中に室温で5ヶ月間曝露した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(曝露後濃度/曝露前の濃度)を求め、C、M、Y画像の内、最も残存率が低いものを以下の基準で評価した。
◎;残存率が85%以上
○;残存率が80%以上、85%未満
△;残像率が75%以上、80%未満
×;残存率が75%未満
【0092】
<インク吸収性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−800C)を用いて、C、M、Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:全く転写しない。
△:転写が認められる。
×:著しく転写する。
【0093】
<発色性>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−800C)を用いて、C、M、Yをそれぞれ100%で印字して、光学濃度をマクベス反射濃度計で測定し、各色の光学濃度の合計値を示した。数値が大きい方が発色性が良いことを意味する。
【0094】
<白紙部光沢性>
記録材料の印字前の白紙部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。
○:高い光沢感が有る。
△:アート、コート紙並の光沢感が有る。
×:上質紙並の沈んだ光沢感が有る。
【0095】
<保存時の滲み>
細線画像を印字後、30℃相対湿度80%の条件下で1週間保管後、細線画像の滲みの状態を目視にて観察し、下記の基準で判定した。
○:ほとんど滲みがない。
△:滲みが認められる。
×:著しく滲んでいる。
【0096】
実施例2
<記録シート8の作製>
実施例1の記録シート1について、実施例1に記載されているプリンタ、インク組成で印字を行った後、このインク受容層に、ラミネートフィルム(粘着層を有する厚み50μmのフィルム:LAMI CORPORATION製;LAMINATING FILM)をラミネーター(NAKABAYASHI Co.LTD製;PACLAMI PRO;Model PLP−325)を用いて加熱温度125℃で貼り付けて、記録シート8を作製した。
【0097】
<記録シート9の作製>
上記の記録シート8で記録シート1の代わりに記録シート6を用いる以外は記録シート8と同様にして作製した。
【0098】
<記録シート10の作製>
上記の記録シート8で記録シート1の代わりに記録シート7を用いる以外は記録シート8と同様にして作製した。
【0099】
【表1】
Figure 2004255690
【0100】
上記結果から明らかなように、耐水性支持体と該インク受容層の間にアルコール系溶剤のゲル化剤を主成分とする溶剤固定層インク受容層に水溶性アルコール系溶剤のゲル化剤を含有させることによって、印字画像の保存性が著しく改良され、更に保存時のインク滲みも改善される。また記録シート6に示されるゲル化剤をインク受像層に混在したサンプルではインク吸収性、発色性が劣り、本発明の優位性を示している。本発明の中でもゲル化剤の分散平均粒径が2μmを上回る記録シートでは白紙部の光沢性が若干低下し、分散平均粒径を2μm以下にする事が好ましい事が分かる。また本発明の記録材料に印字後に透明フィルムによる加熱ラミネーション処理を施す事により良好な保存特性が得られる事がわかる。
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、フォトライクな高い光沢を有し、発色性、インク吸収性に優れ、印字後の画像の耐光性及び耐ガス性が改良され、かつ印字後保存時の画像滲が改良された、フォトライクなインクジェット記録材料が得られる。

Claims (4)

  1. 耐水性支持体上に無機微粒子と親水性バインダーを含有する多孔質のインク受容層を有するインクジェット記録材料において、該支持体と該インク受容層の間にアルコール系溶剤のゲル化剤を主成分とする溶剤固定層を設ける事を特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 該ゲル化剤の水溶媒中の分散平均粒径が2ミクロン以下である事を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録材料。
  3. 該ゲル化剤の塗設量が1g/m以上である事を特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のインクジェット記録材料に、アルコール系溶剤を含有する水溶性染料インクを用いて印字した後に、該インクジェット記録材料のインク受容層表面に透明フィルムによる加熱ラミネーション処理を施す事を特徴とする画像形成方法。
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