JP2003103800A - 液滴ジェットパターニング装置 - Google Patents

液滴ジェットパターニング装置

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JP2003103800A
JP2003103800A JP2001301263A JP2001301263A JP2003103800A JP 2003103800 A JP2003103800 A JP 2003103800A JP 2001301263 A JP2001301263 A JP 2001301263A JP 2001301263 A JP2001301263 A JP 2001301263A JP 2003103800 A JP2003103800 A JP 2003103800A
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nozzle head
liquid container
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Makoto Goto
誠 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液容器内の液面の高さを液の消費に追従して基
準高さ位置に維持し、ヘッド部の昇降に追従して前記基
準高さ位置を昇降させ、ヘッド部のノズルヘッドから液
滴を確実かつ安定して吐出させることのできる液滴ジェ
ットパターニング装置を提供する。 【解決手段】液滴ジェットパターニング装置のヘッド部
に供給する3種類の液を収容する3つの液容器152R,152
G,152Bが、夫々弾性支持手段を有する液面維持機構166
を介して可動フレーム162 に支持され、ヘッド部の昇降
に追従して可動フレーム162 を液容器152R,152G,152Bと
共に昇降させる液容器昇降機構163 が設けられている。
液面維持機構166 は、ケーシング168 、スリーブ171 、
圧縮コイルバネ170 、軸状部材169 を有し、各液容器15
2R,152G,152B内の液消費に追従して液容器を上昇させて
液面を基準高さ位置に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、液滴ジェットパ
ターニング装置に関し、特にノズルヘッドに供給する液
を収容した液容器の液面を、ノズルヘッドの高さ位置
と、液の消費に応じて自動的に調整し、ノズルヘッドか
ら液滴を確実に安定的に吐出させるようにした技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】 最近、種々の構造のインクジェットプ
リンタが広く実用に供され、写真と同程度に高解像度の
カラー印刷が可能なカラーのインクジェットプリンタが
普及しつつある。インクジェットプリンタでは、キャリ
ッジに複数のノズルヘッドを装備し、各ノズルヘッドに
例えば128個の微細なノズルを副走査方向に1又は
複数列に形成し、各ノズルからインクの液滴を吐出する
ことでドットパターンにて画像を記録する。特開平11
−334049号公報には、この種のインクジェットプ
リンタにおいて、ノズル間ピッチ(ノズルピッチ)を可
変にして印字する為に、固定リンクに対して可動リンク
を移動させてノズルヘッドを傾斜回動させて、ノズルピ
ッチを可変にする技術が記載されている。
【0003】他方、近年、パーソナルコンピュータ、ワ
ープロ、複写機、ファクシミリ装置、携帯電話、種々の
携帯端末機などに、一般に液晶ディスプレイが採用さ
れ、最近ではカラーフィルターを介してカラー表示可能
なカラーの液晶ディスプレイも広く採用されている。前
記カラーフィルターは、透明膜にR(赤)、G(緑)、
B(青)の光3原色のフィルター画素を微細なドットパ
ターンにて規則的に形成したものであるが、このカラー
フィルターも、前記のインクジェットプリンタと同様の
液滴ジェットパターニング装置により製作することがで
きる。
【0004】特許第3121226号公報や特開平9−
300664号公報には、前記のカラーフィルターを製
作する為の液滴ジェットパターニング装置が記載されて
いる。この装置では、R,G,Bの3色の各ノズルヘッ
ドの複数のノズルから液滴を吐出させてガラス基板に
R,G,Bのドットパターンを記録する。そして、副走
査方向に対してノズルヘッドを傾斜させることにより、
副走査方向のドットピッチ(吐出ピッチ)をノズルピッ
チよりも適宜小さく調整して記録する技術も提案されて
いる。
【0005】前記特開平2001−105627号公報
に記載の液滴ジェットパターニング装置では、ノズルヘ
ッドに供給される液体を収容する液容器と、この液容器
を上下方向に移動可能な昇降機構と、液容器内の液面を
検出する液面検出部と、液容器内の液体の重量を検出す
る液重量検出部と、検出された液面、重量等に基づいて
前記昇降機構を制御する制御部を備えている。
【0006】前記特開2001−18411号公報に記
載のインクジェットプリンタでは、液面が下限位置より
も下がると、液面検知装置に検出されて液面制御装置が
モータを所定量回動させる。モータの回動によりラック
・ピニオン機構を介してカートリッジ(液容器)を上昇
させ、液面が上昇位置まで上昇したタイミングで停止さ
せる。
【0007】ここで、前記のような液晶ディスプレイに
代わる次世代のディスプレイとして、有機ELディスプ
レイが実用化されつつある。尚、ELはElectro Lumine
scenceの略称である。有機ELディスプレイのEL基板
は、例えば、ガラス基板の表面に、陽極膜、正孔輸送
層、発光層、陰極膜を形成したもので、発光層として発
光色に応じて種々の発光性有機化合物が適用される。カ
ラーELディスプレイのEL基板の発光層では、R
(赤)、G(緑)、B(青)の3色の発光画素を規則的
にドットパターンに形成してある。有機ELディスプレ
イでは、構造が簡単で薄型化、軽量化、低コスト化が可
能となるうえ、視野角依存性が少なく、低消費電力であ
るなどの優位性がある。
【0008】前記カラーの有機ELディスプレイのEL
基板を製作する方法について概略説明すると、ガラス基
板の上に形成された陽極膜の上に、正孔輸送層形成用の
液滴を液滴ジェット記録装置のノズルヘッドからガラス
基板上に吐出させ、真空中または不活性ガス中で加熱し
て定着させる。次に、EL発光層形成用のR,G,Bに
対応する3種類の液滴を正孔輸送層の上に3つのノズル
ヘッドから夫々ガラス基板上に吐出してドットパターン
を形成し、次にそのドットパターンを真空加熱し、その
後EL発光層の上に陰極膜を形成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 前記公報に記載のも
のでは、結局液面を検出するセンサーからの信号に基づ
いて液容器を上昇させているから、センサーを必要個数
設ける分製作コストが高くなるうえ、センサーが故障し
た場合には、その交換自体が難しい。本発明の目的は、
液容器内の液面の高さを基準高さ位置に維持すること、
ノズルヘッドの複数のノズルから液滴を確実かつ安定し
て吐出させること、製作コストを低減すること、等であ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】 請求項1の液滴ジェッ
トパターニング装置は、ノズルヘッドの複数のノズルか
ら液滴を吐出して被吐出媒体にパターンを形成する液滴
ジェットパターニング装置において、前記ノズルヘッド
に供給する為の液体が収容された液容器を弾性支持する
弾性支持手段を有し、前記液容器内の液体の液消費に追
従して液容器内の液面の高さを、前記弾性支持手段を介
して基準高さ位置に維持する液面位置維持手段と、この
液面位置維持手段により維持される液面の基準高さ位置
を、ノズルヘッドの高さ位置に対して所定の関係に設定
する基準位置設定手段とを備えたものである。
【0011】複数のノズルから液滴を吐出して被吐出媒
体にパターンを形成するのに伴い、弾性支持手段で弾性
支持された液容器内の液体が徐々に消費され、液面位置
維持手段は、弾性支持手段を介して、液容器内の液体の
液消費に追従して液容器内の液面の高さを基準高さ位置
に維持する。基準位置設定手段は、液面位置維持手段に
より維持される液面の基準高さ位置を、ノズルヘッドの
高さ位置に対して所定の関係に設定する。例えば、ノズ
ルヘッドが昇降手段により上昇位置と下降位置とに切換
えられるとき、基準位置設定手段は、昇降手段に追従し
て液容器を上昇位置と下降位置とに切換える。
【0012】請求項2の液滴ジェットパターニング装置
は、ノズルヘッドの複数のノズルから液滴を吐出して被
吐出媒体にパターンを形成する液滴ジェットパターニン
グ装置において、前記ノズルヘッドを被吐出媒体に対し
て昇降させるヘッド昇降手段と、前記ノズルヘッドに供
給する為の液体が収容された液容器を保持する保持台
と、前記昇降手段によるノズルヘッドの昇降に連動し、
前記保持台を液容器内の液面がノズルヘッドの高さ位置
に対して所定の関係になるように昇降させる液容器昇降
手段とを備えたものである。
【0013】ヘッド昇降手段によりノズルヘッドを被吐
出媒体に対して昇降させると、この昇降に連動して、こ
のノズルヘッドの高さ位置に対し液容器内の液面が所定
の関係になるように、液容器昇降手段が保持台を昇降さ
せるため、ノズルヘッドにおける液圧が一定に維持され
る。
【0014】ここで、請求項2の発明において、請求項
3のように、前記ヘッド昇降手段は、ノズルヘッドによ
る被吐出媒体に対するパターン形成を行う使用位置と、
それよりも上方でパターン形成を行わない不使用位置と
の間で前記ヘッド部を昇降させる構成にしてもよい。ノ
ズルヘッドにより被吐出媒体にパターン形成を行う際に
は、ヘッド昇降手段によりヘッド部を使用位置に下降さ
せる。パターン形成を行わない場合には、ヘッド昇降手
段によりヘッド部を不使用位置に上昇させる。
【0015】請求項2又は3の発明において、請求項4
のように、前記保持台と液容器との間に配設され且つ液
容器を弾性支持する弾性支持手段を有し、この弾性支持
手段を介して液容器内の液体の液消費に追従して液容器
内の液面の高さを基準高さ位置に維持する液面維持手段
を備えた構成にしてもよい。液容器を弾性支持する弾性
支持を介して、液面維持手段により液容器内の液体の液
消費に追従して液容器内の液面の高さを基準高さ位置に
維持することができる。
【0016】請求項5の液滴ジェットパターニング装置
は、ノズルヘッドの複数のノズルから液滴を吐出して被
吐出媒体にパターンを形成する液滴ジェットパターニン
グ装置において、複数のノズルヘッドを含むヘッド部
と、前記ヘッド部を被吐出媒体に対して昇降させるヘッ
ド昇降手段と、複数のノズルヘッドに夫々供給される液
体を収容した複数の液容器を保持する保持台を備え且つ
この保持台をヘッド昇降手段によるヘッド部の昇降に連
動して昇降させる液容器昇降手段と、前記複数の液容器
を保持台に弾性部材を介して夫々弾性支持し、複数の液
容器における液消費に追従して液面を夫々一定高さ位置
に補正する複数の容器レベル補正手段とを備えたことを
特徴とするものである。
【0017】ヘッド昇降手段によりヘッド部を被吐出媒
体に対して昇降させる場合に、この昇降に連動させて、
液容器昇降手段により複数の液容器を昇降させるため、
ヘッド部の昇降によるノズルヘッド内の液圧の変動を確
実に防止できる。容器レベル補正手段が、複数の液容器
を保持台に弾性部材を介して夫々弾性支持し、液容器に
おける液消費に追従して液面を一定高さ位置に補正する
ため、各液容器における液が消費されても液面が保持台
に対して一定高さ位置に維持されるからである。
【0018】請求項5の発明において、請求項6のよう
に、前記容器レベル補正手段は、弾性部材としての圧縮
コイルバネにより液容器を保持台に弾性支持する構成に
してもよい。この場合、液消費により液容器内の液体の
重量が軽くなると、軽くなった分圧縮コイルバネの付勢
力により保持台を押上げて液面を一定高さ位置に補正す
る。
【0019】請求項5または6の発明において、請求項
7のように、前記複数の液容器は、所定の複数色で発光
するEL発光層を形成する為の液を夫々収容して構成に
してもよい。また、請求項5または6の発明において、
請求項8のように、前記複数のノズルヘッドは、EL発
光層に正孔を輸送してEL発光層を発光させる為の正孔
輸送層を吐出形成するノズルヘッドを含む構成にしても
よい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本実施形態は、有機ELデ
ィスプレイに用いるEL基板(薄いガラス板に3色(R,
G,B)用の発光層を形成したもの)を製造する為の液滴ジ
ェットパターニング装置に本発明を適用した場合の一例
を示すものである。尚、ELはElectro Luminescenceの
略称である。
【0021】この液滴ジェットパターニング装置1は、
ベースフレーム2と、ケーシング3と、被吐出媒体4を
保持し主走査方向と副走査方向に独立に移動駆動可能な
媒体保持移動装置5と、Z軸スライド機構6と、このZ
軸スライド機構6に昇降可能に保持されたノズルヘッド
保持装置7と、ノズルヘッド8からの液滴の吐出状態を
検査したりノズルヘッド8の保守や調整を行う為の検査
調整装置9と、3色のEL発光層を形成する為の吐出用
液10やフラッシング用溶剤(フラッシング液)11等
を供給する液供給装置12と、これらの装置や機器を制
御する制御装置13などで構成されている。
【0022】次に前記のように列挙した順序に従って、
図面に基づいて詳細に説明するが、図2は前記液滴ジェ
ットパターニング装置1の平面図であり、図2の前後左
右を前後左右として以下説明するが、左右方向がX軸方
向(主走査方向)であり、前後方向がY軸方向(副走査
方向)、上下方向がZ軸方向である。
【0023】図1〜図4に示すように、液滴ジェットパ
ターニング装置1のベースフレーム2の上に直方体状の
ケーシング3が形成され、このケーシング3の内部空間
は、中段位置の水平な仕切り板14(仕切り部材)によ
り、1Fのパターニングルーム15と2Fのメンテナン
スルーム16とに仕切られ、仕切り板14はノズルヘッ
ド保持装置7が通過可能な開口部14aも形成されてい
る。
【0024】この仕切り板14はパターニングルーム1
5とメンテナンスルーム16とを仕切るものであればよ
く、必ずしも水平に配設される必要はない。パターニン
グルーム15内のパターン処理ステージにおいてガラス
基板4(被吐出媒体)に多数の3色の微細な画素部から
なるドットパターンを形成する吐出記録処理が行われ、
メンテナンスルーム16内の検査調整ステージ44にお
いてノズルヘッド8に対する検査や調整が行われる。
【0025】最初に、媒体保持移動装置5について説明
する。この媒体保持移動装置5は、外部システムの後方
の搬送ローダーHから搬送されてくるガラス基板4を所
定の受け渡し位置(待機位置)(図2に2点鎖線で図
示)で受取り、吐出開始位置に移動させ、ガラス基板4
を初期設定位置(原点位置)にアライメント調整し、吐
出記録時にはそのガラス基板4をX軸、Y軸方向へ夫々
独立に移動駆動し、吐出記録終了後にはガラス基板4を
待機位置へ移動させて搬送ローダーHへ受け渡すもので
ある。
【0026】図1、図4〜図6に示すように、パターニ
ングルーム15(例えば1500×1500×500mm のサイズ)
内にベースフレーム2の上面に大理石のベース台17が
配設され、このベース台17の4隅から夫々支柱18が
立ち上がっている。尚、パターニングルーム15内の空
気を圧縮窒素ガスで置換し,室内の水蒸気濃度及び酸素
濃度を所定レベル以下にして吐出記録が行われる。
【0027】図4〜図6に示すように、ベース台17上
にはY軸スライド機構19が装備され、Y軸スライド機
構19の出力部材19aにはX軸スライド機構20が夫
々装備され、このX軸スライド機構20の出力部材20
aにはガラス基板4を載置する為の基板受台21が設け
られている。これら両スライド機構19,20によって
ガラス基板4をX,Y軸方向に夫々独立に移動可能にな
っている。この基板受台21はアライメント調整の為に
ピン22を中心に鉛直軸心回りに回転可能になってい
る。
【0028】この基板受台21は合成樹脂製の多孔材、
あるいは焼結金属製の多孔材などで構成され、基板受台
21上に載せたガラス基板4に多孔材を介して負圧を作
用させて吸着可能になっている。尚、基板受台21はガ
ラス基板4よりも左右に幅広に形成され、基板受台21
にはフラッシング液11(ヘッド洗浄用溶剤)を受ける
為の左右1対のトレイ21aが一体的に形成されてい
る。ガラス基板4を搬出入する際ガラス基板4を基板受
台21から所定小距離リフトさせる4本のリフトバー2
3aとこれらリフトバー23aを昇降させるエアシリン
ダを含む基板リフト機構23(図5参照)も設けられて
いる。
【0029】媒体送り機構24としてのX軸スライド機
構20とY軸スライド機構19について説明する。図
1、図4〜6に示すように、基板受台21とその上に載
置したガラス基板4はX軸スライド機構20により主走
査方向へ移動駆動可能であり、Y軸スライド機構19に
より副走査方向へ移動駆動可能である。ガラス基板4へ
のパターン形成時には、ノズルヘッド保持装置7を所定
の下降位置に停止させた状態で、前記の両スライド機構
19,20により、ガラス基板4と、ヘッド組取付台2
5に装着されたノズルヘッド保持装置7の複数のノズル
ヘッド8との間に主走査方向と副走査方向とに夫々相対
移動を発生させながら吐出記録を行う。
【0030】つまり、媒体送り機構24は、基板受台2
1に保持されたガラス基板4と、ヘッド組取付台25に
装着されたノズルヘッド保持装置7のノズルヘッド8と
の間に、主走査方向と副走査方向とに夫々相対移動を発
生させる相対移動発生手段(相対移動手段)に相当す
る。X軸スライド機構20のX方向駆動部26はX軸エ
ンコーダ27を含むサーボモータ28により、X方向案
内部材に対して出力部材20aを移動駆動するものであ
り、Y軸スライド機構19のY方向駆動部29はY軸エ
ンコーダ30を含むサーボモータ31により、Y方向案
内部材に対して出力部材19aを移動駆動するものであ
る。X軸スライド機構20には、それに付随的にその出
力部材20aの移動量を精密に検出可能なX軸リニアス
ケール189が設けられ、同様に、Y軸スライド機構19
には、それに付随的にその出力部材19aの移動量を精
密に検出可能なY軸リニアスケール198 が設けられてい
る(図38参照)。
【0031】基板受台21上に載置したガラス基板4を
原点位置にアライメント調整する際には、2Fのメンテ
ナンスルーム16に装備した4つのCCDカメラ32a
〜32dによりガラス基板4の4つのアライメントマー
クAM1〜AM4を撮像してガラス基板4の位置を検出
し、その検出位置情報に基づいて、X軸,Y軸スライド
機構20,19により基板受台21をX軸,Y軸方向へ
夫々位置調整すると共に、基板受台21の下面に摩擦係
合したカム片33とこのカム片33をX軸方向へ微動可
能な電動シリンダ34とを含む回動調整装置35によ
り、基板受台21をピン22を中心に角度(α)を調整
し、ガラス基板4を初期設定位置にアライメント調整す
るようになっている。
【0032】つまり、ガラス基板4を初期設定位置にア
ライメント調整する自動アライメント調整機構36が、
X軸,Y軸スライド機構20,19と、回動調整装置3
5と、4つのCCDカメラ32a〜32dと、制御装置
13などで構成されているが、このアライメント調整に
関する補足説明は後述する。
【0033】Z軸スライド機構6について説明する。図
1〜図4、図6に示すように、昇降手段(ヘッド昇降手
段)としてのZ軸スライド機構6は、ノズルヘッド保持
装置7を支持して昇降させる為のものであり、このZ軸
スライド機構6をベース台17に支持する構造として、
2Fのメンテナンスルーム16において仕切り板14上
の左右両側には、前後方向に延びる1対のボックスフレ
ーム37が支柱18で支持され、これらボックスフレー
ム37には支持フレーム38が架設され、この支持フレ
ーム38にZ軸スライド機構6が取付けられている。こ
のZ軸スライド機構6は、支持フレーム38に固定され
たスライドケース39、このスライドケース39に昇降
自在に案内された出力部材40(スライド部材)、この
出力部材40を昇降する電動シリンダ41、この電動シ
リンダ41のZ軸エンコーダ42等で構成されている。
【0034】図1〜図7に示すように、Z軸スライド機
構6の出力部材40の下端部にはヘッド組取付台25が
固定され、このヘッド組取付台25にはノズルヘッド保
持装置7が着脱可能に取付けられ、図6に示すように、
ノズルヘッド保持装置7の複数のノズルヘッド8を含む
ヘッド部43を、仕切り部材14よりも下側のパターン
処理ステージ21においてガラス基板4に対してパター
ン形成を行う吐出位置(下降位置)DPと、検査調整ス
テージ44においてヘッド部43に対して検査調整を行
う検査調整位置(上昇位置)UPと、この位置よりも僅
かに上昇させたホーム位置HPにわたって昇降可能であ
る。
【0035】図1、図3、図4、図7〜図11に示すよ
うに、ヘッド組取付台25は、Z軸スライド機構6の出
力部材40の下端部に複数のボルト48にて固定された
支持基板47を含み(図9参照)、この支持基板47上
に、後述するノズルヘッド保持装置7のフレーム部材4
6を位置決め支持するようになっている。
【0036】次に、ノズルヘッド保持装置7について説
明する。図1〜図4、図7〜図21に示すように、ノズ
ルヘッド保持装置7は、フレーム部材46と、4節平行
リンク機構49と、1対の回動支点50A,50Bと、
3つのヘッドホルダ51R,51G,51Bと、2組の
案内機構52A,52B及び移動機構53A,53Bな
どを有し、ノズルヘッド保持装置7のフレーム部材46
が支持基板47に対して着脱可能に装着されている。
尚、図7〜図12はノズルヘッド保持装置7を支持基板
47に装着した状態を示す図であり、図13、図14は
支持基板47から取り外した状態を示す図であり、図1
5〜図18はノズルヘッド保持装置7を支持基板47か
ら取り外しフレーム部材46を省略した状態を示す図で
ある。
【0037】最初に、ヘッドホルダ51について簡単に
説明しておく。ヘッドホルダ51は副走査方向に細長く
形成され、このヘッドホルダ51は初期設定状態におい
ては副走査方向と平行に配設され、ヘッドホルダ51に
は副走査方向に細長いノズルヘッド8が取り外し可能に
固定されている。ノズルヘッド8は、EL発光有機物質
などの有機物質を溶剤で液化した溶液(吐出液)を吐出
するために、耐溶剤性材料(例えば、セラミック材料な
ど)で形成されている。
【0038】各ノズルヘッド8には例えば64個の微小
径のノズル55が副走査方向に微小ピッチで1列状をな
すように形成されている。ヘッドホルダ51としては、
赤色用液と緑色用液と青色用液とを夫々吐出するノズル
ヘッド8R,8G,8B が装着されたヘッドホルダ51R,
51G,51Bが主走査方向に所定の間隔をあけて平行
に設けられている。各ノズルヘッド8の例えば64個の
ノズル55は、最も後端側(基端側)のものから順にN
o.1、No.2、・・・・No.64 とされ、No.1のノズル55
が基準ノズルである。
【0039】4節平行リンク機構49について説明す
る。図2、図7、図14に示すように、ノズルヘッド8
をノズルヘッド8の副走査方向基端側の基準ノズル8R
の軸心又はその近傍の軸心回りに回動させる為の回動機
構は、4節平行リンク機構49を有する。この4節平行
リンク機構49は、1対の第1リンク部材56A,56
Bと、これら第1リンク部材56A,56Bを回動可能
に連結する1対の第2リンク部材57A,57Bと、1
対の押えプレート58A,58Bと、4つのスペーサ5
9とを有する。1対の第1リンク部材56A,56Bは
前後に所定間隔あけて主走査方向と平行に配設され、1
対の第2リンク部材57A,57Bは第1リンク部材5
6A,56Bの端部にほぼ対応する位置に副走査方向に
向けて平行に配設され、1対の第2リンク部材57A,
57Bの両端部は1対の第1リンク部材56A,56B
の上面に当接する状態に配設されている。
【0040】尚、後側の第1リンク部材56Bには、右
側の第2リンク部材57Bよりも所定長さ突出する突出
部60(図14参照)が形成されている。第1リンク部
材56A,56Bと第2リンク部材57A,57Bを鉛
直軸心回りに回動可能に連結する4つの連結部61は同
様の構造であるので、図10、図17に基づいて説明す
ると、各連結部61において、第1リンク部材56A,
56Bにピン部材62が立設され、第2リンク部材57
A,57Bにボールベアリングブッシュ63が立向きに
設けられ、ボールベアリングブッシュ63にピン部材6
2を挿通させ座金64とコイルバネ65と穴付きボルト
66にて抜け止めされている。
【0041】次に、フレーム部材46について説明す
る。フレーム部材46は、左右方向に延びる本体部46
aと、この本体部46aの左端部から前方へ延びた左腕
部46bと、本体部46aの右端付近から斜めに前方へ
延びた右腕部46cとを有し、左腕部46bと右腕部4
6cとに、後述の4節平行リンク機構49の傾斜回動の
為の1対の回動支点50A,50Bが支持されている。
【0042】次に、1対の取付用連結機構67について
説明する。この1対の取付用連結機構67は、3組のヘ
ッドホルダ51R,51G,51Bが装着されたノズル
ヘッド保持装置7を、ヘッド組取付台25の支持基板4
7に対して精密に位置決めしたうえで1対のボルト45
を介して着脱可能に取り付ける為のものである。図7、
図8に示すように、1対の取付用連結機構67は、同様
の構造のものであり、フレーム部材46の左部と右部に
対応する位置に設けられている。
【0043】図12、図13に示すように、各取付用連
結機構67において、支持基板47の下端部に有底状の
筒状金具68がボルトなどにより固定され、この筒状金
具68の内部には、ボールリテーナー69aを上方に付
勢するボールリテーナー支持バネ68aが装備されてい
る。支持基板47のうちこの筒状金具68の取付け位置
に貫通穴47bが形成され、貫通穴47bにボールリテ
ーナー69a、ベアリングブッシュ69b、リテーナー
抜け止めリング69cが内嵌状に装備されている。フレ
ーム部材46にも、前記貫通穴47bと略同径の貫通穴
46dが形成され、この貫通穴46dにボールリテーナ
ー71a、ベアリングブッシュ71b、リテーナー抜け
止めリング71cが内嵌状に装備されている。
【0044】ピンアッシー70は、ピン部材70aと、
雄ネジ部を含むストッパー部材70bと、ナット板70
cと、ツマミ70dと、止めネジ70eとで構成されて
いる。ピン部材70aの上半部には、筒状のストッパー
部材70bが外装固着されている。このストッパー部材
70bには、上部から順次小径部、雄ネジ部、フランジ
状の抜け止め部が形成され、雄ネジ部にナット板70c
を螺合させたうえで小径部にツマミ70dを外装し、止
めネジ70eでもって固定する。その後、ナット板70
cをフレーム部材46に固定するようになっている。
【0045】図12に示すように、ノズルヘッド保持装
置7を支持基板47に取り付ける際には、支持基板47
の貫通穴47bに対してフレーム部材46の貫通穴46
dを略一致させた後、ピンアッシー70のツマミ70を
回してピン部材70aをこれら貫通穴46d,47bに
挿入していく。このとき、ボールリテーナー支持バネ6
8aの付勢力に抗してボールリテーナー69aがやや下
方に移動する。
【0046】このように、ノズルヘッド保持装置7を支
持基板47に対して精密に位置決めしたうえで1対のボ
ルト45を介して連結する。図13に示すように、ノズ
ルヘッド保持装置7を支持基板47から取り外す際に
は、1対のボルト45を取外したうえで、ツマミ70d
を回しピンアッシー70のピン部材70aを支持基板4
7側の貫通穴47bから引抜くことで、ノズルヘッド保
持装置7全体を前方にスライド移動させて分離可能にな
っている。このとき、ボールリテーナー71aがやや上
方に移動すると共にストッパー部材70bの抜け止め部
がナット板70cに当接することによりピンアッシー7
0がノズルヘッド保持装置7から離脱するのを防止す
る。
【0047】次に、1対の回動支点50A,50Bにつ
いて説明する。この液滴ジェットパターニング装置1
は、4節平行リンク機構49の1対の第2リンク部材5
7A,57Bを0〜60度の範囲内で副走査方向に対し
て所望の角度だけ傾斜回動させることにより、パターン
形成時の副走査方向のドット間ピッチを変更可能になっ
ている。1対の回動支点50A,50Bは、1対の第2
リンク部材57A,57Bの途中部であって、基準ノズ
ルヘッドであるノズルヘッド8R のNo.1ノズル55(基
準ノズル)に対応する途中部が回動中心となるように、
4節平行リンク機構49を傾斜回動させる為の回動支点
であり、1対の第1リンク部材56A,56B間の1対
の第2リンク部材57A,57Bの途中部を、連結部6
1の軸心と平行な軸心回りに回動可能に支持するもので
ある。
【0048】尚、前記途中部は、第2リンク部材57
A,57Bの後端から約1/3の長さの位置であり、1
対の回動支点50A,50Bの軸心を結ぶ面BF上に、
ノズルヘッド8R の基準ノズル55が位置している(図
28参照)。尚、ノズルヘッド8G,8B の基準ノズル5
5は、前記軸心を結ぶ面BF上に配置される場合もある
し、夫々必要に応じて副走査方向へ微小距離移動させた
位置に配置される場合もある。
【0049】図10、図17に示す左側の回動支点50
Aについて説明すると、第2リンク部材57Aに鉛直の
ピン部材75が立設固定され、フレーム部材46の左腕
部46bの先端部分の穴にはボールベアリングブッシュ
76が立て向きに装着され、ピン部材75をベアリング
ブッシュ76に密内嵌状に挿通して突出したピン部材7
5の突出部75aには、座金77とコイルバネ78と穴
付きボルト79が装着されている。尚、ノズルヘッド保
持装置7の4節平行リンク機構49のみを取り外す際
に、ボルト79とコイルバネ78と座金77とを取り外
せば、ピン部材75とボールベアリングブッシュ76を
フレーム部材46の左腕部46bから取り外すことがで
きる。
【0050】図9、図16に示す右側の回動支点50B
は前記の左側の回動支点50Aと同様の構造であり、フ
レーム部材46の右腕部46cの先端部分で支持される
右側の回動支点50Bにおいて、第2リンク部材57B
に鉛直のピン部材75が立設固定され、第1リンク部材
56A,56Bの右腕部46cの先端部分の穴にはボー
ルベアリングブッシュ76が立て向きに装着され、ピン
部材75をボールベアリングブッシュ76に密内嵌状に
挿通して突出したピン部材75の突出部には、座金77
とコイルバネ78と穴付きボルト79が装着されてい
る。
【0051】次に、前記の回動支点50Bに回動モーメ
ントを作用させて4節平行リンク機構49を傾斜回動さ
せる為の回動駆動機構80(傾斜回動手段)と、この回
動駆動機構80によって回動させた4節平行リンク機構
49の傾斜回動量を検出する傾斜角度検出用エンコーダ
81(傾斜角度検出手段、傾斜回動量検出手段)につい
て説明する。図7〜図9、図11、図15、図16、図
18、図20に示すように、回動駆動機構80は減速機
付きモータ82(傾斜回動用サーボモータ)と、レバー
部材83と、回動力入力軸84とからなる。この減速機
付きモータ82は、右側の回動支点50Bと略同軸心と
なるように、Z軸スライド機構6の出力部材40に固定
されたモータ支持板85に立向き姿勢に装着され、この
減速機付きモータ82の出力軸82aがレバー部材83
を介して回動力入力軸84に連結され、第2リンク部材
57A,57Bは回動支点50A,50Bを中心に回動
するように構成してある。
【0052】回動力入力軸84は、回動支点50Bの前
側に位置する第2リンク部材57Bの途中部に立設され
たピン部材87と、スペーサ88と、ボールベアリング
ブッシュ89と、穴付きボルト90とを有する。レバー
部材83は、レバー本体83aと、弾性板83bとから
なり、レバー本体83aの後部が、減速機付きモータ8
2の出力軸82aにボルト91にて固定され、弾性板8
3bはレバー本体83aの後部にボルト92にて固定さ
れ、レバー本体83aと弾性板83bとでボールベアリ
ングブッシュ89を左右両側から挟持している。
【0053】減速機付きモータ82の出力軸82aが回
動すると、レバー部材83を介して回動力入力軸84に
回動力が伝達され、第2リンク部材57Bが出力軸82
aの回動角と同角度だけ傾斜回動し、4節平行リンク機
構49の1対の第2リンク部材57A,57Bと3つの
ヘッドホルダ51が前記と同角度だけ傾斜回動する。
尚、ノズルヘッド保持装置7を取り外す際に、夫々1対
のボルト79とコイルバネ78と座金77とを取り外せ
ば、フレーム部材46の左腕部46bと右腕部46cか
ら取り外すことができる。
【0054】図7、図9に示すように、傾斜角度検出用
エンコーダ81は高分解能のロータリエンコーダからな
り、このエンコーダ81は支持基板47の張出し部47
aに立向き姿勢に固定され、エンコーダ81の入力軸の
軸心は、1対の回動支点50A,50Bの軸心を結ぶ面
と同一面上に位置している。このエンコーダ81の入力
軸81aに固定されたアーム95の前端部にはピン94
にてローラ95aが枢着され、アーム95は弾性部材9
3により図7にて反時計回りに弾性付勢され、ローラ9
5aが4節平行リンク機構49の後側の第1リンク部材
56Bの右端側の突出部60の右端面に弾性的に当接し
ている。尚、支持基板47のストッパー溝96は、ノズ
ルヘッド保持装置7が取り外されているとき、アーム9
5を適正な位置に保持する為のストッパー溝であって、
ノズルヘッド保持装置7を支持基板47に取り付ける際
のアーム95の干渉を防止するようになっている。
【0055】図27(b)に示すように、4節平行リン
ク機構49が1対の回動支点50A,50Bを中心とし
て時計回り方向へ傾斜回動すると、第1リンク部材56
Bが右方へ移動するため、傾斜回動量をエンコーダ81
で検出することができる。初期設定状態において、アー
ム95の中心線は副走査方向に向いており、4節平行リ
ンク機構49が傾斜回動するとき、アーム95は1対の
第2リンク部材57A,57Bと平行に傾斜回動するの
で、エンコーダ81により4節平行リンク機構49の傾
斜回動角θを精密に検出することができる。
【0056】こうして、第2リンク部材57A,57B
と3つのノズルホルダ51が傾斜回動する際に、副走査
方向に対するノズルヘッド8の検出した傾斜角度θをフ
ィードバックしながら所望の傾斜回動とするように減速
機付きモータ82の回動角を制御する。後述の制御装置
13は、パターン形成の解像度(吐出解像度)に基づい
て回動駆動機構80によるノズルヘッド8の回動角を制
御する。
【0057】次に、ヘッド保持装置7におけるヘッドホ
ルダ51の周辺の構造について説明する。3つのヘッド
ホルダ51は、1対の第1リンク部材56A,56Bに
1対の押えプレート58A,58Bと複数のボルト97
を介して着脱可能に装着され、各ヘッドホルダ51の両
端部は、1対の第1リンク部材56A,56Bに鉛直軸
心回りに回動可能に支持されている。基準ヘッドホルダ
としてのヘッドホルダ51Rは副走査方向に移動不能に
支持され、ヘッドホルダ51G,51Bは、夫々、1対
の第1リンク部材56A,56Bに案内機構52A,5
2Bにより副走査方向に移動可能に案内支持されてお
り、ヘッドホルダ51B,51Gの各々を副走査方向に
移動させる為の移動機構53A,53Bも設けられてい
る。尚、ヘッドホルダ51Rも他のヘッドホルダ51
G,51Bと同様に副走査方向に移動可能に支持してお
くことも可能である。
【0058】ヘッドホルダ51の両端部において、3つ
のヘッドホルダ51の端部の上面には押えプレート58
A,58Bが配設され、複数のボルト97で第1リンク
部材56A,56Bに取付けられている。押えプレート
58A,58Bと第1リンク部材56A,56Bとの間
で且つ隣接するヘッドホルダ51の間にスペーサ59が
配設され、各スペーサ59は複数のボルト97で固着さ
れている。スペーサ59はヘッドホルダ51よりも約5
μmほど厚く形成され、ヘッドホルダ51と押えプレー
ト58A,58Bの間に5μmの隙間が形成され、各ヘ
ッドホルダ51の両端部が1対の第1リンク部材56
A,56Bに対して回動可能となり、副走査方向に移動
可能となっている。
【0059】図10、図17、図21〜図24に示すよ
うに、各ヘッドホルダ51の下面にスペーサ98を介し
てノズルヘッド8が夫々ビス99で固定され、各ノズル
ヘッド8には、前述のように、液滴を鉛直下方へ吐出可
能な64個のノズル55が主走査方向と直交する副走査
方向に所定の微小なノズルピッチ(隣接するノズル間ピ
ッチ、例えば、75dpi)にて1列状に形成されてい
る。
【0060】次に、ノズルヘッド保持装置7に設けられ
た案内機構52A,52Bと移動機構53A,53Bに
ついて説明する。ノズルヘッド8B,8G を1対の第1リ
ンク部材56A,56Bに対して副走査方向に移動可能
に夫々案内支持する案内機構52A,52Bは同じ構造
のものであるので、ノズルヘッド8B の為の案内機構5
2Aについて説明する。図11、図14、図18、図2
1、図23に示すように、案内機構52Aは、前端案内
機構100 と後端案内機構101 とを有し、前端案内機構10
0 はローラ部材102 、凹部103 、案内面104 、押圧部材
105 、圧縮コイルバネ106 等を有する。
【0061】ノズルヘッド8B が固定されたヘッドホル
ダ51Bの下面側には、ローラ部材102 が支軸107 を介
して鉛直軸心回りに回動可能に取り付けられ、第1リン
ク部材56A,56Bに形成された凹部103 には、ロー
ラ部材102 と押圧部材105 が収容され、凹部103 の右側
面には案内面104 が形成され、回動可能に支持された押
圧部材105 を圧縮コイルバネ106 で付勢し、押圧部材10
5 でローラ部材102 を案内面104 に当接させ、ローラ部
材102 を介してヘッドホルダ51Bの前端部を副走査方
向に平行に移動可能にしてある。
【0062】後端案内機構101 も、ローラ部材102 、凹
部103 、案内面104 、押圧部材105、圧縮コイルバネ106
等を有し、前端案内機構100 と同様に、回動可能に支
持された押圧部材105 を圧縮コイルバネ106 で付勢し、
押圧部材105 でローラ部材102 を案内面104 に当接さ
せ、ローラ部材102 を介してヘッドホルダ51Bの後端
部を副走査方向に平行に移動可能にしてある。尚、押圧
部材105 はローラ部材102 を後方かつ右方へ押し、移動
機構53Aとしてのマイクロメータ機構のスピンドル10
8 の先端にローラ部材102 を当接させている。
【0063】ノズルヘッド8R は副走査方向へ移動不能
に装着される関係上、ノズルヘッド8R の両端部には1
対のローラ部材102 が設けられ、それらローラ部材102
が1対の第1リンク部材56A,56Bのガイド穴に夫
々係合されている。図11、図16、図18、図22、
図23に示すように、1対の第リンク部材56A,56
Bに対するノズルホルダ51の高さ位置を正確に設定す
るため、各ノズルホルダ51における各ローラ部材102
の支軸107 がノズルホルダ51の上面より上方へ突出す
るように形成され、押えプレート58A,58Bの凹部
109A,109B 内において突出部107aに圧縮コイルバネ110
とバネ受けキャップ111 が装着され、前記圧縮コイルバ
ネ110 の付勢力でノズルホルダ51が下方へ付勢される
ようになっている。
【0064】このとき、ノズルホルダ51の下面が第1
リンク部材56A,56Bの上面に当接し、ローラ部材
102 が凹部103 の底面に当接しないようになっている。
つまり、ローラ部材102 の回動軸方向に付勢手段(圧縮
コイルバネ110 はその一例)の付勢力でノズルホルダ5
1を付勢するため、ノズルホルダ51の下面(図23に
おける下面)がリンク部材56A,56Bの上面に当接
され、ノズルの上下方向の位置決めが行われる。
【0065】次に、ノズルホルダ51Gとノズルホルダ
51Bを夫々副走査方向へ微小距離移動させる為の移動
機構53A,53Bについて説明する。これら移動機構
53A,53Bは同じ構造のものであるので、ノズルホ
ルダ51B用の移動機構53Bについて説明する。図
7、図8、図14、図16、図21、図27に示すよう
に、移動機構53Bとしてのマイクロメータ機構が後側
の第1リンク部材56Bの後面に固定されたブラケット
112 に取付けられ、このマイクロメータ機構の先端部の
スピンドル108 が前記の後端案内機構101 の凹部103 に
部分的に突入し、スピンドル108 の先端がローラ部材10
2 に後方から当接している。マイクロメータ機構の後端
部には、後述の位置調整駆動機構113 からの回転駆動力
を入力する為の入力部114 が形成されており、入力部11
4 の回転角度(φ)に比例する微小距離だけ、回転方向
で決まる方向へ、スピンドル108 が進退移動するのでノ
ズルホルダ51Bを副走査方向へ位置調整することがで
きる。尚、マイクロメータ機構の静止側部材が回動しな
いように規制する回動規制部115 も設けられている。
【0066】スピンドル108 を凹部103 内に突入させれ
ば後側のローラ部材102 はローラ用の付勢手段( 圧縮コ
イルバネ106 はその一例) に抗して前方側( 図21の下
方)に移動され、スピンドル108 を凹部103 から退出さ
せれば後側のローラ部材102 はローラ用の付勢手段によ
りスピンドル先端に追従して後方移動される。この時、
前側のローラ部材102 もリンク部材56Aの凹部103 内
を前後方向に移動する。そして、前側後側のローラ部材
102 は、それぞれ案内面104に沿って前後移動される
ため、ノズルホルダ51G,51Bは4節平行リンク機
構49の回動付勢にかかわらず、副走査方向へ移動され
るのである。
【0067】次に、移動機構53A,53Bを駆動する
位置調整駆動機構113 について説明する。図2〜図4、
図28に示すように、位置調整駆動機構113 は、ヘッド
組取付台25に装着されたノズルヘッド保持装置7の移
動機構53A,53Bに着脱可能に択一的に連結し、移
動機構53A,53Bを介してノズルヘッド8B,8Gを
副走査方向に移動させる機構である。この位置調整駆動
機構113 は、2Fのメンテナンスルーム16に開口部1
4aよりも後側に配設されている。
【0068】この位置調整駆動機構113 は、エアーシリ
ンダからなるY方向駆動機構116 、このY方向駆動機構
116 でY方向へ移動駆動可能なエアーシリンダからなる
X方向駆動機構117 、このX方向駆動機構117 でX方向
へ移動駆動可能なサーボモータ118 と、移動機構53
A,53Bの入力部114 にモータ駆動力を伝達する為の
出力部119 などで構成されている。サーボモータ118 の
出力部119 が前方向けに配設されている。Z軸スライド
機構6によりヘッド組取付台25に装着されたノズルヘ
ッド保持装置7を上昇位置UPに切換えた状態におい
て、この出力部119をノズルヘッド8B,8G のうちの所
望のノズルヘッドの為の移動機構53A,53Bの入力
部114 に対して同心になるように左右方向に位置調節
後、Y方向駆動機構116 により前方移動させ、出力部11
9 を入力部114 に係合させ、サーボモータ118 によりマ
イクロメータ機構のスピンドル108 を副走査方向に微調
整することにより、ローラ部材102 を介してノズルヘッ
ド8を副走査方向に前方へ又は後方へ所望の微小距離移
動させ得るように構成してある。
【0069】ノズルヘッド保持装置7に装備した3つの
ノズルヘッド8は、所定の複数色で発光するEL発光層
を吐出形成する為の前記複数色用の液滴を夫々吐出する
ノズルヘッドを含む。本実施形態では、3つのノズルヘ
ッド8は、フルカラーのEL発光層を吐出形成する為の
R(赤)、G(緑)、B(青)用の液滴を夫々吐出する
ノズルヘッド8R,8G,8B であり、後述の液滴供給機構
12(図26参照)からチューブを介して3種類の液が
対応するノズルヘッド8R,8G,8B に供給され、複数の
ノズル55から液滴を吐出可能になっている。
【0070】図29(a)〜(c)は、EL発光層にお
ける1組の画素を構成するR,G,Bのドットの配置の
例を示すものであり、Rドットに対してGドット又はB
ドットのみが副走査方向へシフトする場合があるし、R
ドットに対してGドットとBドットの両方が副走査方向
にシフトする場合もあるので、前記のようにノズルヘッ
ド8G, 8B を夫々副走査方向へ位置調整可能にしてあ
る。
【0071】図24、図25に示すように、ノズルヘッ
ド8における前後両端のノズル間寸法Lの設計理論値に
対するノズル間寸法誤差は、ランク1,2,・・5の5
段階にランク付けされ、1つのノズルヘッド保持装置7
に装着する3つのノズルヘッド8R,8G,8B をノズル間
寸法誤差が同ランクのノズルヘッド8で構成している。
そして、0〜60度の範囲の何れかの回動角だけ、回動
駆動機構80により4節平行リンク機構49を傾斜回動
させる際には、3つのノズルヘッド8R,8G,8B のノズ
ル間寸法誤差のランクにおける中心誤差に基づいて回動
傾斜角θに補正を施すようになっている。
【0072】4節平行リンク機構49を傾斜回動させる
傾斜回動角を演算するとき、ランク1〜5の中心誤差
(+10, +5, 0, −5,−10μm )のうちの対応する1つ
の中心誤差を用いて傾斜回動角θを補正する補正処理を
施す補正処理用プログラムが制御装置13に予め格納さ
れている。但し、ノズル間寸法誤差の代わりに、隣接す
るノズル間のノズルピッチ誤差(つまり、前記の誤差を
ノズル間間隔数で割った値)を採用してもよい。
【0073】次に、2Fのメンテナンスルーム16とそ
の内部の機器について説明する。このメンテナンスルー
ム16では、Z軸スライド機構6によりヘッド部43
を、仕切り板14の開口部14aを通して上昇位置UP
に切換えてから、ノズルヘッド8R,8G,8B の複数のノ
ズル55の吐出状態を吐出検査機構121 により検査した
り、ノズルヘッド保持装置7自体のメンテナンスを行
う。
【0074】図1〜図4、図6に示すように、2Fのメ
ンテナンスルーム16は例えば、1500×1500×700mm の
サイズのものであり、このメンテナンスルーム16の内
部には、Z軸スライド機構6の大部分と、前記の位置調
整駆動機構113 と、自動アライメント調整機構36の一
部と、ヘッドホルダ51のノズルヘッド8を検査維持す
る為の検査調整装置9等が配設されている。尚、検査調
整装置9は、ヘッドメンテナンス機構123 と吐出検査機
構121 とを含むものである。
【0075】次に、ヘッドメンテナンス機構123 につい
て説明する。図1〜図4、図30、図34、図38に示
すように、メンテナンスルーム16において仕切り板1
4の開口部14aよりやや前側にヘッドメンテナンス機
構123 が設けられている。このヘッドメンテナンス機構
123 は、電動シリンダ124 、吸取り紙送り機構125 、紙
送り駆動機構126 、加圧パージ用トレイ127 、ワイプ用
ゴムパッド128 などを有する。ヘッドメンテナンス機構
123 は、後述の吐出検査機構121 によりノズルヘッド8
の副走査方向に列設された複数のノズル55からの吐出
状態を検査する際に吐出検査機構121 と協働する。
【0076】可動テーブル129 上には、吸取り紙送り機
構125 とトレイ127 とゴムパッド128 が一体的に支持さ
れ、電動シリンダ124 により可動テーブル129 を前後方
向に移動駆動し、Z軸スライド機構6により上昇位置U
Pにしたノズルヘッド保持装置7のノズルヘッド8に対
して吸取り紙送り機構125 、トレイ127 、ゴムパッド12
8 が夫々下方に位置するように位置切換え可能になって
いる。図2、図3、図34に示すように、吸取り紙送り
機構125 は、紙送り駆動機構126 からの駆動力を伝達可
能なワンウェイクラッチ式の駆動ローラ130 、駆動ロー
ラ130 との間に掛装されたベルト131 を含み巻き取り方
向の逆向きに一定の張力を付与する為のバックテンショ
ン機構132 、従動ローラ133,134 、支持板135 等で構成
されている。吸取り紙136 は、バックテンション機構13
2 の従動ローラにセットされ、紙送り駆動機構126 によ
り駆動ローラ130 、従動ローラ133,134 を介して駆動ロ
ーラ130 に巻取られるようになっている。
【0077】紙送り駆動機構126 は、摩擦係数の高いゴ
ムが外装固着された出力軸137aを有するサーボモータ13
7 と、サーボモータ137 をX方向に摺動自在に支持する
X方向スライド機構138 、サーボモータ137 の出力軸13
7aを駆動力伝達位置と非伝達位置とにわたって移動駆動
するスライド駆動用エアーシリンダ139 を有する。電動
シリンダ124 により可動テーブル129 を待機位置(吸取
り紙巻取り位置)に移動駆動するとともに、スライド駆
動用エアーシリンダ139 によりサーボモータ137 の出力
軸137aを駆動力伝達位置に切替え、サーボモータ137 の
回転駆動力を駆動ローラ130 の入力軸に伝達して吸取り
紙136 を図34の矢印の方向に紙送りする。
【0078】加圧パージ用トレイ127 は3つの凹部127
B,127G,127Rからなり、ノズルヘッド8B,8G,8R をこ
れら凹部127B,127G,127Rの上方に相対移動し、3つのノ
ズルヘッド8B,8G,8R を3つの凹部127B,127G,127Rに
対向させ、3つのノズルヘッド8B,8G,8R にヘッド洗
浄パージ用溶剤11を供給して、ノズル55から吐出さ
せることで、ノズル55を洗浄する。吐出検査する際に
は、ノズルヘッド8B,8G,8R を凹部127B,127G,127Rの
上方に相対移動させたうえで、ノズルヘッド8毎に行
う。それ故、吐出検査機構121 による吐出検査の際、ノ
ズルヘッド8から吐出する液滴を飛散させることなく回
収することができる。ワイプ用ゴムパッド128 は3つの
ゴムパッド128B,128G,128Rからなり、3つのノズルヘッ
ド8B,8G,8R をゴムパッド128B,128G,128Rの上方に相
対移動させ、液滴ジェットパターニング装置1が休止中
のときに、3つのノズルヘッド8B,8G,8R を3つのゴ
ムパッド128B,128G,128Rで夫々キャップしてノズル55
の乾燥を防止するようになっている。
【0079】次に、吐出検査機構121 について説明す
る。図1〜図4、図30〜図32、図38に示すよう
に、吐出検査機構121 は、2Fのメンテナンスルーム1
6内において、仕切り板14の開口部14aの左右両側
付近に対向状に且つヘッドメンテンス機構123 の付近に
配設されている。吐出検査機構121 は、Y方向移動駆動
機構140a,140b 、撮影ポジション切換え機構141a,141b
、液滴の吐出状態を撮像する撮像手段としてのCCD
カメラ142と、このCCDカメラ142 に投光する投光手
段としてのストロボ投光器143 などを有する。
【0080】CCDカメラ142 は左側に配置され、この
CCDカメラ142 を副走査方向に移動させる為のY方向
駆動機構140aと、CCDカメラ142 を主走査方向に2段
階に移動させる為の上下2段のエアーシリンダ144 から
なる撮影ポジション切換え機構141aとが配設されてい
る。尚、このY方向駆動機構140aと撮影ポジション切換
え機構141aとが、CCDカメラ142 を副走査方向と主走
査方向に夫々独立に移動可能な撮像機移動手段に相当す
る。ストロボ投光器143 は右側に配設され、このストロ
ボ投光器143 を副走査方向に移動させる為の前記と同様
のY方向移動駆動機構140bと、前記と同様の上下2段の
エアシリンダ144 からなる撮影ポジション切換え機構14
1bが配設されている。尚、このY方向駆動機構140bと撮
影ポジション切換え機構141bとが、ストロボ投光器143
を副走査方向と主走査方向に夫々独立に移動可能な投光
用移動手段に相当する。
【0081】3つのノズルヘッド8B,8G,8R の吐出状
況の検査は、各ノズルヘッド8毎に実行するが、各ノズ
ルヘッド8には64個のノズル55が副走査方向に1列
に形成されており、No.1〜No.16 ノズル、No.17 〜No.3
2 ノズル、・・のように、16個のノズルを1群とする
ノズル群別に吐出検査を行うものとする。この場合、C
CDカメラ142 とストロボ投光器143 を副走査方向の初
期位置に設定して、第1群のNo.1〜No.16 ノズルの吐出
状態を検査し、次にCCDカメラ142 とストロボ投光器
143 を前方へ移動させて、第2群のNo.17 〜No.32 ノズ
ルの吐出状態を検査し、以下同様に、第3群、第4群の
ノズルの吐出検査を行う。
【0082】そのため、Y方向駆動機構140a,140b は、
CCDカメラ142 、ストロボ投光器143 を副走査方向
(Y方向)へノズル16個分の距離ずつ移動駆動する為
の機構である。また、ノズルヘッド8R,8G,8B のノズ
ル55の吐出検査を同一条件で行う為に、常にCCDカ
メラ142 とストロボ投光器143 間の距離を一定に且つC
CDカメラ142 とストロボ投光器143 間の中間位置に液
滴を吐出させて撮像するものとする。そのため、3つの
ノズルヘッド8R,8G,8B のうち検査対象のノズルヘッ
ドに応じてCCDカメラ142 、ストロボ投光器143 をX
方向の3段階に位置切換え可能になっている。ノズルヘ
ッド8R を検査するとき、左側の撮影ポジション切換え
機構141aでは、2段のエアーシリンダ144 を最大限伸長
させ、右側の撮影ポジション切換え機構141bでは、2段
のエアーシリンダ144 を最も収縮させた位置にする。
【0083】次に、ノズルヘッド8G を検査するとき、
左側の撮影ポジション切換え機構141aでは、2段のエア
ーシリンダのうちの1つのみを収縮させ、右側の撮影ポ
ジション切換え機構141bでは、2段のエアーシリンダの
うちの1つのみを伸長させた位置にする。ノズルヘッド
8B を検査するとき、左側の撮影ポジション切換え機構
141aでは、2段のエアーシリンダを最も収縮させ、右側
の撮影ポジション切換え機構141bでは、2段のエアーシ
リンダを最大限伸長させた位置にする。こうして、撮影
ポジション切換え機構141a,141b により、検査対象のノ
ズルヘッド8に対するCCDカメラ142 とストロボ投光
器143 の相対位置を常に一定に保持した状態で撮像する
ことができるので、吐出検査の信頼性を高めることがで
きる。
【0084】次に、ガラス基板4に対して液滴を吐出し
て記録するのに先行して、ガラス基板4を原点位置に設
定する為の自動アライメント調整機構36について説明
する。この自動アライメント調整機構36は、1Fのパ
ターン処理ステージ21に設けたX軸,Y軸スライド機
構20,19と回動調整装置35を含むが、これらにつ
いては既に説明したので説明を省略し、2Fの検査調整
ステージ44に設けた機器について説明する。
【0085】図1〜図3、図33、図35に示すよう
に、ガラス基板4の後端側の左右の隅部には、大小のア
ライメントマークAM1,AM3、AM2 ,AM4が印されてお
り、これらのアライメントマークAM1〜AM4を撮像し、
制御装置13においてその画像情報を解析することで、
ガラス基板4の原点位置からのズレ量を求めてガラス基
板4を原点位置に設定する。
【0086】前記の左側のアライメントマークAM1,AM
3を夫々撮像するため、2Fの検査調整ステージ44に
おいて、開口部14aの左側には、仕切り板14に設け
たガラス窓から下方のアライメントマークAM1 ,AM3を
夫々撮像する低倍率のCCDカメラ32aと高倍率のC
CDカメラ32cが設けられている。これらのCCDカ
メラ32a,32cは共通の支持板145 に取付けられ、
ガラス基板4の厚さが変った場合にエアシリンダ146 に
より高さ位置調整可能であり、手動操作により夫々フォ
ーカス調整可能になっている。
【0087】同様に、右側のアライメントマークAM2,
AM4を夫々撮像するため、開口部14aの右側には、仕
切り板14に設けたガラス窓から下方のアライメントマ
ークAM2,AM4を撮像する低倍率のCCDカメラ32b
と高倍率のCCDカメラ32dが設けられている。これ
らのCCDカメラ32b,32dは共通の支持板147に
取付けられ、ガラス基板4の厚さが変わった場合にエア
シリンダ148 により高さ位置調整可能であり、手動操作
により夫々フォーカス調整可能になっている。さらに、
ガラス基板4の搬入位置誤差が大きい場合や、ガラス基
板4のサイズが変わった場合に、左右方向や前後方向へ
位置が変動する右側のアライメントマークAM2,AM4を
検出可能にする為に、支持板147 と2つのCCDカメラ
32b,32dとをX,Y方向に独立に精密に移動駆動
可能なX方向移動駆動機構149 とY方向移動駆動機構15
0 も設けられている。
【0088】基板受台21上に載置されたガラス基板4
を初期設定位置(原点位置)にアライメント調整する場
合、左右の低倍率のCCDカメラ32a,32bで大き
い方のアライメントマークAM1,AM2を撮像した画像情報
を制御装置13に供給し、その画像情報を所定の制御プ
ログラムで解析処理して、ガラス基板4の原点位置から
のX,Y方向のズレ量ΔX,ΔYと、ピン22の回りの
回動角ズレ量Δαを求め、そのズレ量ΔX,ΔY,Δα
が解消するように、X,Yスライド機構20,19と、
回動調整装置35を駆動制御して、ガラス基板4を原点
位置に粗位置決めする。
【0089】次に、左右の高倍率のCCDカメラ32
c,32dで小さい方のアライメントマークAM3,AM4
を撮像した画像情報を制御装置13に供給し、前記同様
に画像情報を制御装置13で解析処理してガラス基板4
の原点位置からのズレ量ΔX,ΔY,Δαを求め、その
ズレ量ΔX,ΔY,Δαが解消するように、X,Yスラ
イド機構20,19と、回動調整装置35を駆動制御し
て、ガラス基板4を原点位置に精密に位置決めする。従
って、ガラス基板4が厚さやサイズが変化した場合に
も、ガラス基板4を原点位置に精密に確実に位置決めす
ることができる。
【0090】次に、吐出検査機構121 による吐出検査に
ついて説明する。前述のように、ノズル55からの吐出
状況を検査する吐出検査はノズルヘッド8別に行い、各
ノズルヘッド8のノズル群別に行う。しかも、ノズルヘ
ッド保持装置7をZ軸スライド機構6の出力部材40に
装備したまま、ノズルヘッド保持装置7を2Fの検査調
整ステージ44(つまり、上昇位置)へ上昇させれば行
うことができるので、この吐出検査機構121 による吐出
検査は、ガラス基板4へパターン形成するパターン形成
処理工程における処理停止時間中に実行するようになっ
ている。そのため、液滴ジェットパターニング装置1の
稼働率を格段に高めることができる。
【0091】ここで、吐出検査時にノズル55の吐出の
良否を判定する技術について説明する。図3、図30〜
図32に示すように、CCDカメラ142 の撮像領域PA
(約6.5 ×5mm )に、16個のノズル55に対応する1
6個の観測窓151 が副走査方向に一定間隔おきに設定さ
れ、各観測窓151 はノズル55の下端から下方向きに約
1.5mm の位置に設定され、縦60画素、横10画素の矩
形状になっている。
【0092】ノズル群の16個のノズル55から液滴を
例えば速度約7m/sで夫々吐出させ、観測窓151 に撮
像される液滴を撮影する。このとき、CCDカメラ142
のシャッタースピードは例えば約1/10000sec. 、ストロ
ボ発光時間は約1μsec.とする。こうして撮像した画像
信号を制御装置13に供給し、所定の画像処理プログラ
ムにより画像処理する。この画像処理において、例え
ば、ノズルヘッド8からの液滴の画像の大部分が、観測
窓151 に入っていれば正常と判定され(No.1 〜No.7ノズ
ル、No.9,No.10ノズル、No.12 〜No.16 ノズル) 、観測
窓から外れていれば異常と判定される(No.8,No.11 ノズ
ル) 。吐出異常の原因としては、吐出速度の異常、不吐
出、ノズル表面への異物(主にELポリマーが凝着)堆
積等が考えられる。
【0093】次に、この液滴ジェットパターニング装置
1により種々の記録解像度(吐出解像度)にてガラス基
板4にR,G,Bのドットパターンを吐出記録する制御
について説明する。尚、この制御は制御装置13のホス
ト制御ユニット173 により実行される。この各ノズルヘ
ッド8の1列状のノズル55の副走査方向のノズルピッ
チが75dpiであるとすると、そのノズルピッチPは
P=(25.4/75)mmである。そして、回動駆動
機構80により4節平行リンク機構49の1対の第2リ
ンク部材57A,57Bと3つのノズルホルダ51を、
副走査方向に対して角度θだけ、図27、図35〜図3
8に示すように傾斜回動させた場合には、副走査方向の
ノズルピッチPθはP× cosθとなるので、角度θを0
〜60度の範囲で変化させることで、ノズルピッチをP
×(1.0)〜P×(0.5)の範囲で連続的に小さく
することができる。
【0094】a)解像度75〜150dpiの場合(図
35、図36参照):ノズルヘッド8の傾斜角度θを0
〜60度の範囲内で副走査方向に所望のdpiとなる角
度に設定し、1パス主走査方向に吐出記録する毎に、ガ
ラス基板4を64×P× cosθだけ後方(副走査方向と
反対方向)へステップ送りする。例えば75dpiのと
きθ=0°、150dpiのときθ=60°とする。
【0095】b)解像度150〜300dpiの場合
(図37参照):例えば、解像度150dpiの吐出記
録は、解像度75dpiの吐出記録後にノズルホルダ5
1を1点鎖線で図示のように半ピッチだけずらしてイン
ターレースで吐出記録することで達成することができ
る。それ故、ノズルヘッド8の傾斜角度θを前記と同様
に0〜60度の範囲内で副走査方向へ所望のdpiの半
分のdpiとなる角度に設定し、1パス主走査方向に吐
出記録後、ガラス基板4を0.5×P× cosθだけ後方
へ微動送りをして1パス吐出記録し、次に63.5×P
× cosθだけガラス基板4を後方へステップ送りする。
例えば、150dpiのとき、θ=0°、300dpi
のとき、θ=60°とする。
【0096】c)解像度37.5〜75dpiの場合:
ノズルヘッド8の傾斜角度θを0〜60度の範囲内で副
走査方向へ所望のdpiの2倍のdpiとなる角度に設
定し、例えばNo.1,3,5・・・の奇数ノズルのみ用
いて1パス主走査方向に吐出記録後、64×P× cosθ
だけ後方へステップ送りする。例えば、解像度37.5
dpiのときθ=0°、解像度75dpiのときθ=6
0°とする。
【0097】尚、以上は解像度設定の数例を示すものに
過ぎず、インターレースを適当に細かく行うことによ
り、225〜450dpi、300〜600dpiの解
像度、又はその他の解像度で吐出記録することも可能で
ある。このように、任意の吐出解像度に基づいて回動駆
動機構80によるノズルヘッド8の回動角を0〜60度
の範囲内で制御するようになっており、制御装置13が
回動駆動手段に相当する。
【0098】ここで、ノズルピッチの製作誤差を傾斜回
動角θにより補正する補正制御について説明する。尚、
この制御は制御装置13のホスト制御ユニット173 によ
り実行される。隣接するノズル間のノズルピッチ(図面
値)をP0 、ノズル数をnとすると、前後両端のノズル
間寸法(図面値)L0 は次式で表される。 L0 =P0 ・(n−1) 前後両端のノズル間寸法(実測値)をLとすると、その
誤差ΔLはΔL=(L−L0 )となる。製作した複数の
ノズルヘッド8のノズル間寸法Lが夫々測定され、既に
説明したノズルピッチ誤差のランク1〜5の何れかに分
類される。
【0099】吐出記録を行う目標の副走査方向における
解像度をR、回動角θ、ノズルピッチ(実測値)をP1
とすると、ノズルピッチP1 は次式で表される。 P1 =L/(n−1)=(ΔL+L0 )/(n−1) =〔ΔL+P0 ・(n−1)〕/(n−1)=ΔL/(n−1)+P0 回動角θのときの副走査方向のノズルピッチP1 ・co
sθであるから、 25.4/R=P1 ・cosθ=〔ΔL/(n−1)+P0 〕・cosθ θ=cos-1 (25.4/R)/〔ΔL/(n−1)+P0 〕
【0100】つまり、回動角θは解像度Rにより理論上
は演算決定できるが、実際のノズルピッチ誤差の存在に
よりΔθだけ余分に回動されることを意味する。傾斜回
動に先立って解像度とノズルピッチ誤差を指定すれば実
際の回動角θ’が演算されるのである。ノズルピッチ誤
差の指定方法としては、複数のノズルヘッドのノズルピ
ッチ誤差が全て同一であればその値を直接指定してもよ
い。一般的には、複数のノズルヘッドが全く同じノズル
ピッチ誤差になる場合は少なく、且つノズルピッチ誤差
を管理する際にはピッチ誤差を複数(例えば、5つ)に
範囲分けしてそれぞれをランク分けすれば管理しやす
い。このため、ランク毎のノズルピッチ誤差の上限値と
下限値とからランク毎に誤差中心値が求まるので、この
誤差中心値をノズルピッチ誤差として指定してもよい。
こうすれば、多数のノズルヘッドの中から、同じ誤差ラ
ンクのノズルヘッドを使用し、解像度と誤差中心値とか
ら実際の回動角を求めれば、概ね正確な補正が行えるの
である。
【0101】上式により、0≦θ≦60°即ち0.5≦
cosθ≦1を満たす範囲内で回動角θだけ傾斜回動さ
せることにより、ノズルピッチの誤差を解消するように
補正することができる。但し、P1 ・cosθ=25.
4/R=P0 のとき、本来θ=0°でよい筈であるが、
ノズル間寸法Lが短い場合には、P1 ≦P0 となり、c
osθ≧1となって、P1 ・cosθ=25.4/R=
P0 が成立しない。また、25.4/R=P0 /2のと
き、本来θ=60°でよい筈であるが、ノズル間寸法L
が長い場合には、P0 ≦P1 となり、cosθ≦0.5
となって、25.4/R=P0 /2=P1 ・cosθが
成立しない。つまり、この場合には、回動角θを0°付
近に戻し、インターレースを1段(1パス)入れて吐出
記録することになる。
【0102】次に、液供給機構12について説明する。
図1、図2、図26に示すように、液滴ジェットパター
ニング装置1のケーシング3の側面には、ノズルホルダ
51R,51G,51B に赤,緑,青用の液10や洗浄用の
溶剤11等を供給する為の液供給機構12が設けられて
いる。赤,緑,青用の液10を夫々収容した液容器152
R,152G,152BがZ軸スライド機構6の昇降動作に連動し
て昇降するように装備され、廃液回収用容器153 、ノズ
ルヘッド洗浄用溶剤11の容器154 、バルブユニット15
5 等も設けられている。液容器152R,152G,152Bの液がバ
ルブユニット155 等を経由してノズルヘッド8R,8G,8
B へ供給され、各ノズルホルダ51の複数のノズル55
から液滴が吐出される。
【0103】ノズルヘッド8を洗浄する際には、洗浄用
溶剤11の容器154 の溶剤もバルブユニット155 を経由
してノズルヘッド8R,8G,8B へ供給され、複数のノズ
ル55から加圧パージが行われる。ヘッドメンテナンス
機構123 の加圧パージ用トレイ127 の各凹部127B,127G,
127Rにはチューブが接続され、廃液がこれらチューブか
ら、負圧によって吸引され、バルブユニット155 を経由
して廃液回収用容器153 に回収される。チューブ156 は
図示外のミスト分離用タンクへ接続される。チューブ15
7 〜160 はバルブユニット155 を介して圧縮窒素ガスラ
インへ接続されている。尚、前記負圧は、図示しない真
空ポンプあるいはエジェクター等により発生させ、その
排気は工場の有機排気ダクトへ放出される。
【0104】液供給機構12の支持フレーム161 には、
可動フレーム162 (保持台)が液容器昇降機構163 によ
り昇降可能に設けられている。つまり、液容器昇降機構
163(基準位置設定手段に相当する)は、金属ベローズ
付き電動シリンダ164 を有し、この電動シリンダ164 の
ロッドの先端部が可動フレーム162 に連結され、Z軸ス
ライド機構6の昇降作動に連動して電動シリンダ164 を
昇降作動させ、液容器152R,152G,152Bを保持する保持体
165R,165G,165Bを液容器152R,152G,152Bの液面がノズル
ヘッド8R,8G,8B の高さ位置に対して所定の高さ関係
になるように昇降させる。3つの容器152R,152G,152Bに
おける液消費に追従して液容器152R,152G,152B内の液面
の高さを基準高さ位置に維持する3つの液面位置維持機
構166 が設けられ、各液面位置維持機構166 にはロック
機構167 が付設されている。
【0105】各液面位置維持機構166 により、各液容器
152R,152G,152Bの液面の高さがノズル位置よりも低くな
る基準高さ位置(例えば50mm)に常に補正される。この
各液面位置維持機構166 は、上下方向向きに配設された
円筒状ケーシング168 、軸状部材169 、弾性部材として
の圧縮コイルバネ170 、スリーブ171 、各液容器152R,1
52G,152Bを保持する各保持体165R,165G,165B等で構成さ
れている。可動フレーム162 に、ケーシング168 の上端
部に形成されたフランジ168aが着脱可能に連結され、ケ
ーシング168 内部には、軸状部材169 がケーシング168
と一体的に固着されている。
【0106】ケーシング168 内部において、軸状部材16
9 の上端部が保持体165 に連結されている。ボールスプ
ラインからなるスリーブ171 はケーシング168 に打ち込
まれている。ケーシング168 、軸状部材169 、スリーブ
171 で囲繞された環状空間に圧縮コイルバネ170 が介装
されている。この圧縮コイルバネ170 により液10を収
容した液容器152 と保持体165 が弾性支持されて、液面
の高さが一定に保持される。液消費に追従して液面レベ
ルが下がると、その分圧縮コイルバネ170 により液容器
152 と保持体165 を押し上げて補正するようになってい
る。
【0107】ロック機構167 は、電動シリンダ164 によ
り可動フレーム162 を上下動する際の圧縮コイルバネ17
0 による弾性支持に起因する上下動が生じないようにロ
ックする機構であって、小型のエアーシリンダとそのロ
ッドの先端部に固着されたロック用パッドとを有する。
このシリンダ本体はケーシング168 の上半部の側面に横
向きに固着され、ロッドの先端部がケーシング168 内部
に挿通され、ロック用パッドで軸状部材169 を押圧して
ロック可能になっている。尚、これら液容器152R,152G,
152B、廃インク回収用容器153 、ノズルヘッド洗浄用溶
剤の容器11は、グローブボックス172 に収容され、図
示外のハッチを介して取替え可能になっている。
【0108】次に、液滴ジェットパターニング装置1の
制御ユニット13を含む制御系について説明する。図3
8、図39に示すように、制御ユニット13のホスト制
御ユニット173 は、CPUとROMとRAMとを含むコ
ンピュータを有し、そのROMには液滴ジェットパター
ニング装置1の種々のモータや撮像機やストロボ投光器
やその他の種々の機器を制御する種々の制御プログラム
が格納されている。このホスト制御ユニット173 には操
作パネル174 と外部記憶装置175 と電源回路176 が接続
されている。外部記憶装置175 には、ガラス基板4に形
成するトッドパターンの画像データ、液滴ジェットパタ
ーニング装置1のシステム定数、生産管理情報などが格
納される。
【0109】ホスト制御ユニット173 は、入出力ライン
177 を介して、DSP178(DigitalSignal Processor)
、多軸送りパルス発生回路179 、多軸送りパルス発生
回路180 、出力レジスタ181 、入力レジスタ182 、アラ
イメントコントローラ183 、吐出検査コントローラ184
、ローダ用I/F185 などに接続されている。DSP1
78 は、信号出力回路186 と駆動回路187 を介して3つ
のノズルヘッド8R,8G,8B に接続されている。DSP
178 はCPUとROMとRAMを有し、そのROMには
ノズルヘッド8を駆動して吐出記録する吐出記録用制御
プログラムが格納されている。
【0110】前記駆動回路187 は多数のノズル駆動用圧
電素子を駆動する駆動パルスを発生させるパルス発生回
路を有する。前記の駆動パルスの波形を、ノズルヘッド
8R,8G,8B に共通に設定することもあるし、ノズルヘ
ッド8R,8G,8B 別に異ならせて設定する場合もある
が、前記の駆動パルスを表示させるための波形モニター
188 が駆動回路187 に接続されている。
【0111】DSP178 は多軸送りパルス発生回路179
にも接続され、ガラス基板4のX方向への移動に同期さ
せて吐出記録する為にX軸サーボモータ28で駆動され
るX軸スライド機構20の移動量を精密に検出するX軸
リニアスケール189 の検出信号がアンプAMP を介してD
SP178 に供給されている。DSP178 には、吐出記録
用データや位相データ(吐出のタイミングを設定するデ
ータ)を記憶するデータ記憶装置190 が接続され、この
データ記憶装置190はホスト制御ユニット173 から供給
されたデータを記憶しておき、吐出記録時にはそのデー
タをDSP178 に出力する。
【0112】多軸送りパルス発生回路179 には、ガラス
基板4をX方向に送るX軸スライド機構20のX軸サー
ボモータ28の為の駆動回路191 、Y軸スライド機構1
9のYサーボモータ31の為の駆動回路192 、傾斜回動
用サーボモータ82(減速機付きモータ)の為の駆動回
路193 、傾斜回動角θを検出するエンコーダ81の検出
信号を増幅するアンプ、ノズルホルダ51G,51B の副
走査方向位置を調整する位置調整用サーボモータ118 の
為の駆動回路194 、ノズルヘッド保持装置7を昇降させ
る電動シリンダ41のZ軸スライドサーボモータの為の
駆動回路195 、液滴供給機構12の可動フレーム162 を
昇降させる電動シリンダ164 のZ1軸スライドサーボモ
ータ196 の為の駆動回路197 などが接続されている。
【0113】ここで、X軸サーボモータ28の為の駆動
回路191 は、X軸サーボモータ28に内蔵のエンコーダ
27の検出信号と、X軸リニアスケール189 の検出信号
とに基づいてモータ制御を行う。同様に、Y軸スライド
機構19のY方向移動量を精密に検出する為のY軸リニ
アスケール198 も設けられており、Y軸サーボモータ2
8の為の駆動回路192 は、Y軸サーボモータ28に内蔵
のエンコーダ30の検出信号と、Y軸リニアスケール19
8 の検出信号とに基づいてモータ制御を行う。それ故、
X軸,Y軸スライド機構20,19によって、ガラス基
板4をX,Y方向に独立に精密に移動駆動してガラス基
板4のX,Y方向の位置を精密に制御できるように構成
してある。
【0114】多軸送りパルス発生回路180 には、ガラス
基板4を原点位置にアライメント調整する為にガラス基
板4を回動させるアライメント調整用サーボモータ199
の為の駆動回路200 、吐出検査用CCDカメラ移動用サ
ーボモータ201 の為の駆動回路202 、吐出検査用ストロ
ボ移動用サーボモータ203 の為の駆動回路204 、メンテ
ナンス機構移動用電動シリンダ124のサーボモータ20
5 の為の駆動回路206、メンテナンス機構123 の吸取り
紙巻取り用サーボモータ137 の為の駆動回路207 などが
接続されている。
【0115】図39に示すように、ホスト制御ユニット
173 に接続された入出力ライン177には、液滴供給機構
12のバルブユニット155 の複数のソレノイドバルブ20
8 を駆動するリレー回路209 に接続された出力レジスタ
181 、複数の検出用スイッチに接続されたI/F210(イ
ンターフェース) に接続された入力レジスタ182 、ガラ
ス基板4のアライメント調整の為の4つのCCDカメラ
32a〜32dに接続されたアライメントコントローラ
183 、吐出検査用のCCDカメラ142 とストロボ投光器
143 を駆動する吐出検査コントローラ184 、外部のガラ
ス基板搬送の為のローダとの間で信号を授受するローダ
用I/F185(インターフェース)などが接続されてい
る。尚、前記のアライメントコントローラ183 にはキー
ボード及びモニター211 も接続されている。
【0116】次に、3つのノズルヘッド8R,8G,8B か
ら夫々の液滴を吐出してガラス基板4にドットパターン
を吐出記録する連続記録の制御について説明する。尚、
この制御はホスト制御ユニット173により実行される
が、図中、符号Si(i=1,2,3・・)は各ステッ
プを示す。図40、図41に示すように、主電源を投入
し手動スイッチを操作すると、この制御が開始され、最
初にノズルヘッド8をメンテナンス機構123 のゴムパッ
ド128R,128G,128B(キャップ)から離隔させて開放し
(S1 )、ノズルヘッド保持装置7のX,Y,Z軸の待
機位置と、基板受台21のピン22(回転軸)であるα
軸の回りの待機位置を確認し、図2に示す待機位置へ移
動する(S2 )。
【0117】次に、装着されているガラス基板4に対す
る全生産(全ての吐出記録)が終了したか否か判定し
(S3 )、終了している場合は、S5において吐出検査
機構121 、ヘッドメンテナンス機構123 等を用いて、図
41、図43の吐出検査の処理を実行する。次に前回の
ガラス基板履歴へ検査内容を追記し(S6 )、S7の判
定にてYesと判定されるため、ノズルヘッド8R,8G,
8B をゴムパッド128R,128G,128B(キャップ)に接触さ
せ(S14)、この制御を終了する。
【0118】S3の判定がNoの場合、前回と同じワー
ク(ガラス基板4)か否か判定し(S4 )、その判定が
Yesの場合、S5以降の処理とS17以降の処理が並
行して実行される。S5以降の処理においては、S5〜
S7を経てS8へ移行し、ノズル55の吐出状態が正常
か否か判定し(S8 )、吐出状態が正常であれば、図4
1のS21に移行する。正常でなければ、S9の判定を
経て、Z軸スライド機構6によりノズルヘッド保持装置
7のヘッド部43を上昇位置へ移動した状態で、ヘッド
メンテナンス機構123 を用いてノズル55から洗浄溶剤
を吐出させるパージを行う(S10)。
【0119】次に、前記と同じ吐出検査を行い(S1
1)、S8へ戻り、ノズル55の吐出状態が正常になれ
ばS21へ移行する。吐出が異常であれば(S8;No
)、パージを設定回数終了したか否か判定し(S9
)、その判定がNoの場合はS10、S11移行を繰
り返し、パージを設定回数終了した場合には(S9;Ye
s)、別の代替ノズルで記録可能か否か判定し(S1
2)、その判定がYesの場合は図43のS21へ移行
する。しかし、代替ノズルで記録可能でない場合は生産
中断処理(S13)の後、この制御を終了する。
【0120】図41のS21においては、Z軸スライド
機構6によりノズルヘッド保持装置7のヘッド部43を
下降位置(記録位置)へ下降させ(S21)、入力設定さ
れた傾斜回動角θに関するデータに基づき、回動駆動機
構80によりノズルヘッド8を傾斜回動させ(S22)、
その後S23へ移行する。
【0121】図40のS4の判定の結果、前回と異なる
ワーク(ガラス基板4が異なる場合、ドットパターンが
異なる場合)には、S15に移行し、先ずホスト制御ユ
ニット173 において作成した吐出記録に関連する全ての
データ(吐出関連データ)をホスト制御ユニット173 の
RAMやデータ記憶装置190 やレジスタ類に設定する
(S15)。次に、S16において前記の吐出関連データ
に含まれるθ, φG,φBに応じた処理が実行される。
【0122】尚、θは4節平行リンク機構49を傾斜回
動させる角度であり、φG,φB は、1画素における赤色
ドットに対する緑色ドット、青色ドットの副走査方向の
配置位置を微小にずらす場合に、位置調整駆動機構113
により移動機構53A,53Bを駆動してノズルヘッド
8G,8B を副走査方向に夫々設定された微小距離だけ移
動駆動する為に位置調整駆動機構113 を回転させる角度
である。S16の処理により、4節平行リンク機構49
が設定角度だけ傾斜回動され、ノズルヘッド8G,8B が
副走査方向に設定微小距離だけ位置変更されることにな
る。S16の次にS5へ移行してS5以降が実行され、
これと並行してS5からS17へ移行してS17〜S2
0の処理が実行される。
【0123】図41に示すように、S17では、搬送ロ
ーダーによりガラス基板4を図2の待機位置にある基板
受台21上に載置した後吸着させ、次にX,Y軸スライ
ド機構20,19と回動調整装置35により、基板受台
21とこれに載置されたガラス基板4をX軸,Y軸,α
軸(ピン回りの回動)について3軸制御して自動アライ
メント開始位置へ移動させる(S18)。次に、自動アラ
イメント機構36により、補正移動量ΔX,ΔY,Δα
を求め、その補正移動量分の位置補正を行って原点位置
に初期設定する(S19)。その後X,Y軸スライド機構
20,19によりガラス基板4を記録開始点へ基準ノズ
ルを移動させ(S20)、S23へ移行する。
【0124】次に、S23以降のステップについて説明
する。S5の吐出検査の結果が正常記録の場合には(S
23 ;Yes)、S24において正常記録の処理を実行す
る。この場合、ガラス基板4とノズルヘッド8を主走査
方向と副走査方向に相対移動してパターンを形成してい
き、S25へ移行する。一方、S23の判定の結果正常
記録でない場合は一部のノズル55を停止させた状態で
記録する抜けノズル記録を実行する(S28)。この場
合、例えば、No.1,No.3,・・・などの奇数番ノズルのみ
で1パス記録毎に、1段のインターレース記録を行う。
【0125】S28の抜けノズル記録は実行不可能な場
合もあり、そのような場合には、S29において代替ノ
ズル記録のデータが生成され、データ記憶装置190 のペ
ージメモリやそれ以外のレジスタ類への設定が実行され
る(S29)。代替ノズル記録は、例えばNo.1,2ノズルが
使用不可能なとき、そのノズルを使用せず、記録したガ
ラス基板4に対して、追加的に例えばNo.3,4ノズルのみ
使用してもう一度記録することである。次に代替ノズル
記録を実行し(S30)、S25へ移行する。S25で
は、そのガラス基板4の履歴情報をホスト制御ユニット
173 のメモリに記録し、次に回動駆動機構80によりノ
ズルヘッド8の傾斜回動角θを0度に戻し(S26)、Z
軸スライド機構6によりノズルヘッド保持装置7を待機
位置(ホームポジション)へ上昇させてから(S27)、
S3へリターンする。
【0126】これらS26、S27と並行して、X,Y
軸スライド機構20,19により基板受台21とガラス
基板4を図2の待機位置へ移動させ(S31)、次に、そ
のガラス基板4を基板リフト機構23により基板受台2
1から所定小距離持ち上げて搬送ローダーへ受け渡し
(S32)、次にS33において、先にS19で移動した
ΔX,ΔY,Δα分を逆方向に移動させ,その後S3へ
リターンする。
【0127】次に、吐出検査の処理について簡単に説明
する。図42に示すように、この制御が開始されてZ軸
スライド機構6により、ノズルヘッド保持装置7つまり
ヘッド部43が上昇位置にあるか否か判定し(S40)、
その判定がNoの場合はZ軸スライド機構6によりヘッ
ド部43を上昇位置へ移動させる(S41)。S40が
Yesの場合及びS41の次に、ヘッドメンテナンス機
構123 が検査位置にあるか否か判定し(S42)、その判
定がNoの場合はヘッドメンテナンス機構123 が検査位
置へ移動させる(S43)。
【0128】S42の判定がYesの場合及びS43の
次に、ノズルヘッド8R,8G,8B の吐出検査が順次実行
される(S44、S45、S46)。尚、例えば、ノズルヘッ
ド8R,8G,8B の吐出検査については、後述する。次
に、吐出検査機構121 のY方向移動駆動機構140a,140b
、撮影ポジション切換え機構141a,141b を待機位置へ
移動させ、つまり、CCDカメラ142 やストロボ投光器
143 を待機位置へ移動させ(S47)、ヘッドメンテナン
ス機構123 を待機位置に移動させ(S48)、この制御が
終了する。
【0129】次に、ノズルヘッド8R,8G,8B の吐出検
査について図43に基づいて説明する。但し、これらの
ノズルヘッド8R,8G,8B の吐出検査は同じであるので
ノズルヘッド8R の吐出検査を例として説明する。図4
3に示すように、この制御の開始後、最初に撮影ポジシ
ョンレジスタにポジションRiが設定され(S50)、次
に吐出検査機構121 のY方向移動駆動機構140a,140b 、
撮影ポジション切換え機構141a,141b により、CCDカ
メラ142 をポジションRiへ移動すると共にストロボ投
光器143 をポジションRiへ移動する(S51)。次に、
ノズルヘッド8R の第i群の16個のノズル55に吐出
指令が出力される(S52)。尚、ポジションRiとは、
第i群のノズルに対応するポジションのことであり、カ
ウンタiは最初i=1に設定され、その後インクリメン
トされる。
【0130】S52の実行後に、タイマT1に設定時間
αが設定され、タイマT2に設定時間βが設定され、タ
イマT1の計時時間の判定を介して設定時間αが経過す
ると(S53 ;Yes)、CCDカメラ142 のシャッターが
切られて撮影が実行され(S54)、タイマT2の計時時
間の判定を介して設定時間βが経過すると(S55 ;Ye
s)、ストロボ投光器143 が作動して撮影の為の照明光
を投光する(S56)。尚、αとβはほぼ等しい微小時間
である。
【0131】S8とS56の次のS57において、16
個のノズル55からの液滴の吐出状態を撮影した画像の
画像データを画像処理し、吐出の正常、異常を判定し、
その結果についての情報を操作パネル174 のディスプレ
イに表示出力する。尚、各ノズル55について、液滴の
画像がCCDカメラ142 の観測窓151 内に収まっている
場合は正常と判定し、収まっていない場合は異常と判定
する。次に、カウンタiが「1」だけインクリメントさ
れ(S58)、第4群のノズルまでの撮影が終了したか否
か判定し(S59)、その判定がNoの場合はS51へ戻
ってS51以降が繰り返し実行される。こうして、第1
群から第4群まで順々に、16個ずつのノズル55につ
いての吐出検査が実行される。第4群のノズルまでの検
査が終了すると(S59 ;Yes)、CCDカメラ142 とス
トロボ投光器143 が待機位置へ移動され(S60)、この
制御が終了する。
【0132】次に液滴ジェットパターニング装置1、ノ
ズルヘッド保持装置7の作用、効果について説明する。
ガラス基板4にパターンを形成する際には、1対の第
2リンク部材57A,57Bをその途中部の1対の回動
支点50A,50Bを中心に回動させると、1対の第2
リンク部材57A,57Bに連結された1対の第1リン
ク部材56A,56Bが主走査方向へ且つ相反する方向
へ移動し、1対の第1リンク部材56A,56Bに連結
されたノズルヘッド8の両端部が移動し、ノズルヘッド
8が副走査方向に対して傾斜回動する。
【0133】このように、ノズルヘッド8を副走査方向
に対して傾斜させることによって、副走査方向の吐出ピ
ッチを小さく調整して所望の吐出ピッチに設定した後、
ノズルヘッド保持装置7をガラス基板4に対して主走査
方向へ相対移動させつつ、1パス分吐出記録し、その後
副走査方向へ適宜相対移動させてから、次の1パス分吐
出記録を行い、順次これを繰り返して吐出記録を行う。
【0134】特に、このノズルヘッド保持装置7は、4
節平行リンク機構49、1対の回動支点50A,50
B、1対の第1リンク部材56A,56Bに両端部が回
動可能に連結されたノズルヘッド8とを備えた構成であ
るので、このノズルヘッド保持装置7を支持する外部の
取付部材(ヘッド組取付台25)に対し、簡単に着脱可
能なノズルヘッド保持装置7に構成することができる。
その場合、修理や交換の為にノズルヘッド8を着脱する
構造も簡単化することができ、メンテナンス性を確保す
ることができる。
【0135】4節平行リンク機構49自体は高精度のも
のに構成できるし、この4節平行リンク機構49にノズ
ルヘッド8を高精度に装着することも容易であるから、
製作誤差を最小限にした高精度のノズルヘッド保持装置
7を実現できる。4節平行リンク機構49を傾斜回動さ
せる構成であるから、ノズルヘッド8の傾斜角度を大き
くし、副走査方向の吐出ピッチの可変幅を大きくするこ
とができる。尚、このノズルヘッド保持装置7を着脱可
能ではなく、液滴ジェットパターニング装置1に一体的
に設けることもできる。
【0136】4節平行リンク機構49の1対の第2リン
ク部材57A,57Bの途中部に設けられ且つ回動可能
に支持される1対の回動支点50A,50Bを設けたた
め、1対の回動支点50A,50Bの軸心を結ぶ面上に
ノズルヘッド8の基準ノズル(例えば、No.1ノズル)
を位置させた構造にすることが可能となる。その場合、
ノズルヘッド8が傾斜回動しても、基準ノズルの位置
(主走査方向と副走査方向の位置)が変化しないため、
ガラス基板4とノズルヘッド8とを相対移動させる為の
記録用駆動データを作成するデータ処理が簡単になるう
え、パターン形成の精度を高め易くなる。
【0137】複数のノズルヘッド8R,8G,8B を主走査
方向に所定間隔おきに配設するので、これらノズルヘッ
ド8R,8G,8B を副走査方向に対して傾斜させて副走査
方向の吐出ピッチを所望の値に設定してパターンを記録
でき、カラーフィルターや有機カラーELディスプレイ
のEL基板の製作に適用可能となる。しかも、これらノ
ズルヘッド8はEL発光層を吐出形成する為の複数色用
の液滴を夫々吐出するノズルヘッドを含むことから、ス
ループットを高めることができ、フルカラー用のEL基
板を製作可能となる。しかも、ノズルヘッド保持装置7
を用いてそのノズルヘッド8から正孔輸送層を吐出記録
することも可能である。尚、技術の発展により1つの液
滴内に正孔輸送成分とEL発光成分を混在させ、単一層
のみで発光し得るようになれば、正孔輸送層を形成する
必要はない。
【0138】ノズルヘッド保持装置7をヘッド組取付台
25に着脱可能に装着するので、ノズルヘッド保持装置
7の着脱を簡単に行うことができ、ノズルヘッド8の修
理や交換を簡単に行うことができる。4節平行リンク機
構49の1対の回動支点50A,50Bに作用し4節平
行リンク機構49を傾斜回動させる回動駆動機構80を
設け、エンコーダ81を前記のように設けたので、副走
査方向の吐出ピッチを小さく調整する際に、迅速に自動
的に精度よく傾斜回動させることができる。ガラス基板
4を基板受台21に載置保持し、媒体保持移動装置5に
よりガラス基板4とノズルヘッド8との間に主走査方向
と副走査方向とに夫々相対移動させつつパターン形成を
行うことができる。
【0139】傾斜角度検出用エンコーダ81と、傾斜回
動量制御手段としての制御装置13を設けたので、4節
平行リンク機構49の1対の第2リンク部材57A,5
7Bと複数のノズルヘッド8を傾斜回動させる際に、精
度よく傾斜回動させることができる。1対の回動支点5
0A,50Bのうちの何れか一方において第2リンク部
材57A,57Bに連結されて第2リンク部材57A,
57Bを回動させる回動用アクチュエータとしての減速
機付きモータ82を設けたので、簡単な構成でもって第
2リンク部材57A,57Bを、つまり4節平行リンク
機構49を傾斜回動させることができる。
【0140】複数のノズルヘッド8のうちの基準ノズル
ヘッド8R 以外のノズルヘッド8G,8Bは、案内機構52
A,52Bにより1対の第1リンク部材56A,56B
に対して副走査方向に移動可能に案内され、この案内機
構52A,52Bの案内によりノズルヘッド8G,8B を
副走査方向へ移動させる為の移動機構53A,53Bを
設けてあるので、ノズルヘッド8G,8B の傾斜角度に関
係なしに、ノズルヘッド8G,8B を副走査方向へのみ微
動させてノズルヘッド8G,8B の副走査方向の位置を微
調節することができる。
【0141】この微調節の際に、ノズルヘッド8が仮に
副走査方向に対して傾斜回動した状態であっても、ノズ
ルヘッド8は副走査方向へのみ移動し主走査方向へは移
動しないため、ノズルヘッド8の副走査方向の位置を精
度よく微調節することができる。例えば、R,G,Bの
3つの記録ドットからなる画素の配置形態に応じて、ノ
ズルヘッド8R に対して、ノズルヘッド8G やノズルヘ
ッド8B の副走査方向の位置を微調節する際に、精度よ
く能率的に自動的に微調節することができる。
【0142】案内機構52A,52Bがノズルヘッド8
の両端部に取付けられた1対のローラ部材102 と、各ロ
ーラ部材102 を当接させて副走査方向に案内するように
凹部103 に形成された案内面104 とを有するため、ノズ
ルヘッド8が傾斜回動した姿勢であっても、1対のロー
ラ部材102 と案内面104 を介して、ノズルヘッド8を副
走査方向へのみ微動させることができる。また、ノズル
ヘッド8の傾斜角の大小によらず、1対のローラ部材10
2 は、1対の第1リンク部材56A,56Bに対して夫
々一定の部位に位置しているため、移動機構53A,5
3Bを第1リンク部材56A,56Bの一定の部位に装
備でき、この移動機構53A,53Bを駆動するアクチ
ュエータを外部に設け、ノズルヘッド8の副走査方向へ
の微調節を自動化することもできる。
【0143】ノズルヘッド8の両端部が圧縮コイルバネ
110 の付勢力で1対の第1リンク部材56A,56Bに
形成した凹部103 の底面に面接触しているから、ノズル
ヘッド8の鉛直方向の高さ位置の誤差を小さくして、ガ
ラス基板4に対するノズルヘッド8の高さ位置を精密に
設定し、吐出記録の性能を高めることができる。
【0144】1F(下側)のパターニングルーム15に
パターン処理ステージを配置し、2F(上側)のメンテ
ナンスルーム16に検査調整ステージ44を配置し、ヘ
ッド部43をZ軸スライド機構6で両ステージにわたっ
て昇降可能であるので、例えば、パターン形成の処理停
止中などのアイドル期間の間に、ヘッド部43を上昇さ
せて検査調整ステージ44において複数のノズル55か
らの液滴の吐出状態を検査することができる。その検査
後に直ちに、ヘッド部43をパターン処理ステージに下
降させてパターン形成を行うことができる。こうして、
パターン形成処理工程における、処理停止中に複数のノ
ズル55の吐出状態を検査可能であるから、不良品の発
生を低減でき、装置の稼働率を高めることができる。両
ステージを空間的に上下に配置するため、装置のコンパ
クト化を図ることができる。
【0145】ガラス基板4を主走査方向と副走査方向に
夫々移動させる媒体送り機構24を設けたので、パター
ン形成の為にヘッド部43を水平方向へ移動させる必要
がない。そのため、検査調整ステージ44に複数のノズ
ル55の吐出状態を検査する吐出検査機構121 を設けて
おくだけで、Z軸スライド機構6によるヘッド部43の
昇降を介して、パターン形成と、吐出検査とを能率的に
行うことができる。吐出検査機構121 がCCDカメラ14
2 とストロボ投光器143 を有するため、複数のノズル5
5から吐出された液滴を撮影し、画像データをデータ処
理して判定することにより吐出の良否を簡単に判定でき
る。ガラス基板4へパターン形成するパターン形成処理
工程におけるガラス基板搬送及び、自動アライメント期
間中に、吐出検査機構121 による検査を実行可能に構成
したので、不良品の発生を低減させ、装置の稼働率を高
めることができる。
【0146】Y方向移動駆動機構140a,140b と撮影ポジ
ション切換え機構141a,141b を設け、CCDカメラ142
とストロボ投光器143 を主走査方向と副走査方向に夫々
移動可能に構成したので、複数のノズルヘッド8の各々
の複数のノズル55からの吐出を順次確実に実行するこ
とができる。CCDカメラ142 で撮影した画像信号を受
けて画像処理によりノズルヘッド8からの液滴の吐出の
良否を判定する前記検査用画像処理手段を設けたため、
吐出検査を自動的に能率的に行うことができる。
【0147】ノズルヘッド8を傾斜回動させる際に、基
準ノズル8R の軸心又はその近傍の軸心の回りに回動さ
せるため、基準ノズル8R の副走査方向と主走査方向の
位置は変化しない又は変化するにしても微小量変化する
だけであるから、記録用駆動データを作成するデータ処
理が簡単化し、吐出記録の為の制御が簡単化し、パター
ン形成の精度も高めることができる。
【0148】ノズルヘッド8を0〜60度の範囲で傾斜
回動できるため、ノズルピッチをPとし傾斜回動角をθ
として、副走査方向の吐出ピッチP×cosθをP〜0.
5 Pの範囲で変えることができ、副走査方向の吐出ピッ
チの可変幅が大きくなり、副走査方向の解像度をP〜0.
5 Pの範囲で無段階的(連続的)に設定することができ
る。しかも、4節平行リンク機構49を有する前記回動
機構と、回動駆動機構80と、この回動駆動機構80に
よるノズルヘッド8の回動角を制御する回動制御手段と
を設けたので、手動操作ではなく、自動的にノズルヘッ
ド8を傾斜回動させることができるから、ノズルヘッド
8の傾斜回動角の設定を迅速に精度よく行うことができ
る。
【0149】ガラス基板4とノズルヘッド8を副走査方
向に相対移動する媒体送り機構24と、副走査方向の相
対移動をインターレース方式で行う為に吐出解像度に基
づいて副走査方向送り量の制御を行うホスト制御ユニッ
ト173を設けたので、副走査方向の吐出ピッチが吐出
解像度に応じたピッチとなるように、副走査方向の送り
量を自動的に設定し、ガラス基板4とノズルヘッド8を
副走査方向に自動的に相対移動させることができる。
【0150】4節平行リンク機構49を設け、ノズルヘ
ッド8の両端部を1対の第1リンク部材56A,56B
に回動可能に連結したので、ノズルヘッド8を0〜60
度の範囲で確実に傾斜回動させることができる。しか
も、4節平行リンク機構49自体は製作誤差が僅少の高
精度のものに構成できるうえ、ノズルヘッド8の両端部
を1対の第1リンク部材56A,56Bに回動可能に連
結してあるので、ノズルヘッド8の組み付け精度と、傾
斜回動時の位置決め精度を高く維持でき、パターン形成
の精度を高く維持することができる。
【0151】この液滴ジェットパターニング装置1の製
作段階において、予め多数のノズルヘッド8が製作して
準備され、それらノズルヘッド8のノズルピッチ誤差を
複数段階にランク付けしておき、4節平行リンク機構4
9に装着する複数のノズルヘッド8をノズルピッチ誤差
が同ランクのノズルヘッド8で構成するため、複数のノ
ズルヘッド8におけるノズルピッチ誤差が近似した値と
なる。ノズルピッチ誤差が正の値の場合は、ノズルヘッ
ド8の傾斜回動角度を大きく調整することでノズルピッ
チ誤差を補正することができ、ノズルピッチ誤差が負の
値の場合は、ノズルヘッド8の傾斜回動角度を小さく調
整することでノズルピッチ誤差を補正することができ
る。こうして、パターン形成の精度を格段に高めること
ができる。
【0152】前記ホスト制御ユニット173は、指定さ
れた又は演算にて求めた傾斜回動角だけ4節平行リンク
機構49を介してノズルヘッド8を回動させる際に、4
節平行リンク機構49に装着された複数のノズルヘッド
8のピッチ誤差ランクにおけるノズルピッチ誤差に基づ
いて回動角に補正を施すので、複数のノズルヘッド8の
ピッチ誤差ランクにおけるノズルピッチ誤差に応じて傾
斜回動角を補正し、ノズルピッチ誤差に起因する吐出記
録の誤差を殆ど解消させて、パターン形成の精度を高め
ることができる。しかも、複数のノズルヘッド8のピッ
チ誤差ランクにおけるノズルピッチ誤差中心値に基づい
て傾斜回動角に補正を施すので、ノズルヘッド8の傾斜
回動角を補正する補正の精度を高めることができる。
【0153】パターン形成を行う空間の上方をほぼ水平
な仕切り板14により上下にほぼ遮断された構造にし、
その仕切り板14にヘッド部43が通過可能な開口部1
4aを形成し、Z軸スライド機構6によりヘッド部43
を開口部14aを通して昇降可能にし、ヘッド部43を
下降位置DPにしてガラス基板4に吐出記録を行うよう
に構成し、ヘッド部43を上昇位置UPにして、仕切り
板14の上方の空間においてヘッド部43に吐出検査な
どを施すことができるので、液滴ジェットパターニング
装置1の内部の空間の利用効率を高めて、装置の小型化
を図ることができ、設備コスト的に有利になる。しか
も、仕切り板14で上下に略遮断された構造になってい
るので、仕切り板14よりも上方に何らかの可動部材を
配置して移動させたとしても、基板受台21に保持した
ガラス基板4上に埃や塵などの異物が落下してくること
がなく、不良品の発生を防止することができる。
【0154】仕切り板14の上方に検査調整装置9を設
け、Z軸スライド機構6により上昇位置UPに配置され
たヘッド部43のノズルヘッド8をこの検査調整装置9
で検査・維持する構成にしたので、ガラス基板4を搬出
入する間、ガラス基板4を基板受台21にセットする間
などの吐出記録停止中に、ヘッド部43をZ軸スライド
機構6により上昇位置UPにして、仕切り板14の上方
に設けられた検査調整装置9によりヘッド部43のノズ
ルヘッド8を検査・維持することができる。パターン形
成を行う空間の上方の空間に検査調整装置9を設け、パ
ターン形成における吐出記録停止中に、ヘッド部43の
ノズルヘッド8の検査・維持を行うことができるため、
液滴ジェットパターニング装置1の稼働率を高めること
もできる。
【0155】基板受台21にガラス基板4を主走査方向
と副走査方向に夫々独立に移動可能な媒体送り機構24
を設けたため、吐出記録の際に、ヘッド部43を主走査
方向にも副走査方向にも移動させる必要がない。そのた
め、ヘッド部43をZ軸スライド機構6により昇降させ
る構成が簡単なものになるうえ、Z軸スライド機構6で
ヘッド部43を昇降させて仕切り板14の下方の空間と
上方の空間とにわたって位置切換え可能にすることがで
きる。
【0156】仕切り板14上に、ガラス基板4を原点位
置に設定する際にガラス基板4の位置を検出する為の複
数のCCDカメラ32a〜32dを設けたので、基板受
台21に保持したガラス基板4の位置を検出し、その検
出結果に基いてガラス基板4を原点位置に精度よく設定
することができる。液面位置維持機構166 、液容器昇降
機構163 、ケーシング168 、スリーブ171、圧縮コイル
バネ170 、軸状部材169 を介して、液容器152 内の液面
の基準高さ位置に維持し、この基準高さ位置をノズルヘ
ッド8の高さ位置に対して所定の位置関係に設定するた
め、ノズルヘッド8の複数のノズル55から液滴を確実
に安定的に吐出させることができる。
【0157】しかも、液面維持手段としてのケーシング
168 、スリーブ171 、圧縮コイルバネ170 、軸状部材16
9 を介して液消費に追従して液容器152 内の液面を基準
高さ位置に維持するため、液面センサを設ける必要がな
く、簡単な構成のものとすることができる。また、液面
の基準高さ位置をノズルヘッド8の高さ位置に対して所
定の位置関係に設定するため、ノズルヘッド8を昇降さ
せるような場合にも、ノズルヘッド8から液が漏出した
り、ノズルヘッド8内の液が逆流したりするのを、確実
に防止することができるうえ、ノズルヘッド8から確実
に安定的に液滴を吐出させてパターンを形成することが
できる。
【0158】ノズルヘッド8をパターン形成を行う使用
位置と不使用位置とにわたって昇降させることができ、
この昇降時にも、ノズルヘッド8における液圧は安定し
た液圧に維持することができる。可動フレーム162 と液
容器152 との間に配設され且つ液容器152 を弾性支持す
る弾性支持手段と、この弾性支持手段を介して液容器15
2 内の液面の高さを基準高さ位置に維持する液面位置維
持機構166 を設けたため、液の消費に追従して液面の高
さが基準高さ位置に維持されるため、ノズルヘッド8内
の液圧を安定させ、液滴の吐出を安定させることができ
る。
【0159】液容器昇降機構163 を設けたため、Z軸ス
ライド機構6によりヘッド部43を昇降させる場合に
も、ノズルヘッド8における液圧を一定圧に維持でき
る。しかも、液面位置維持機構166 を設けたため、各液
容器152 における液の消費に起因する液面の変動が生じ
ないように補正することができ、液消費に伴うノズルヘ
ッド8における液圧の変動を防止し、液滴の吐出を安定
させることができる。液面位置維持機構166 は、弾性部
材としての圧縮コイルバネ170 により液容器152 内の液
体の重量が軽くなった際に、軽くなった分圧縮コイルバ
ネ170 の付勢力により液保持台165 を押し上げて液面を
一定高さ位置に簡単に補正することができる。
【0160】ノズルヘッド8は、ヘッドホルダ51に一
体化されており、その両端と1対の第1リンク部材56
A,56Bとを回動可能且つ分離可能に連結されるため
の連結ピンを、ヘッドホルダ51の両端に突設し、その
連結ピンはノズルヘッドのヘッド面に直交する方向へ延
びるようにしたヘッドユニットを採用した構成であるの
で、ヘッドユニットの構成が簡単である。連結ピンとし
てはローラ部材102が回動可能であるのでヘッドユニ
ットの傾斜回動及び副走査方向への移動が滑らかに行わ
れる点から好ましい。しかし、連結ピンは回動可能なロ
ーラ部材でなくてもヘッドユニットとしては機能する。
このヘッドユニットは第1リンク部材に付勢手段(圧縮
コイルバネ110)により付勢されているので、ノズル
ヘッドの上下位置が第1リンク部材に対して固定保持さ
れる。
【0161】また、ノズルヘッド8はヘッドホルダ51
に一体化されており、その両端と1対の第1リンク部材
56A,56Bとを回動可能且つ分離可能に連結される
ための連結ピンを、ヘッドホルダ51の両端に突設し、
その連結ピンはノズルヘッドのヘッド面に直交する方向
に延びるようにしたヘッド体(ノズルヘッドとヘッドホ
ルダの結合体)を採用した構成であるので、ヘッド体の
構成が簡単である。連結ピンとしてはローラ部材102
が対応し、ローラ部材は回動可能である。これはヘッド
体の傾斜回動及び副走査方向への移動が滑らかに行われ
る点から好ましい。しかし、連結ピンは回転可能なロー
ラ部材ではなくてもヘッド体としては機能する。このヘ
ッド体は第1リンク部材に付勢手段(圧縮コイルバネ1
10)により付勢されているので、ノズルヘッドの上下
位置が第1リンク部材に対して固定保持される。
【0162】このように、ノズルヘッドを備えた複数の
ヘッド体は、その両端部で4節平行リンク機構49の第
1リンク部材56A,56Bに回動可能且つ着脱可能に
取着されて複数のヘッド体からなるヘッドユニットが構
成されている。このヘッドユニットが液滴ジェットパタ
ーニング装置のヘッド組取付台に取着されているので、
被吐出媒体とヘッド体との間の距離が極めて精度よく保
たれるのである。このため、RGBの発光層を極めて高
精度に基板上に配列できる。ヘッド体と第1リンク部材
との間の可動部にガタつきが発生しないからである。従
って、従来のスクリーン印刷法による発光層の作成に比
べて、ELディスプレイを簡易且つ短時間、低コストで
作成することができる。
【0163】次に、特許請求の範囲に記載の部材や手段
に相当するものについて説明する。 弾性支持手段:圧縮コイルバネ170 と各保持体165R,165
G,165Bなどが弾性支持手段に相当する。 液面位置維持手段:液面位置維持機構166 が液面位置維
持手段に相当する。 基準位置設定手段:液容器昇降機構163 が基準位置設定
手段に相当する。 ヘッド昇降手段:Z軸スライド機構6がヘッド昇降手段
に相当する。 保持台:可動フレーム162 が保持台に相当する。液容器
昇降手段:液容器昇降機構163 が液容器昇降手段に相当
する。液面維持手段:液面位置維持機構166 が液面維持
手段に相当する。容器レベル補正手段:液面位置維持機
構166 が容器レベル補正手段に相当する。
【0164】次に、前記実施形態を部分的に変更する例
について説明する。 1)この液滴ジェットパターニング装置1は、カラーE
Lディスプレイ用のガラス基板にドットパターンを形成
する用途以外に、カラーLCDのカラーフィルタの製造
時のドットパターンの形成、大型のインクジェットプリ
ンタ、その他種々の用途の液滴ジェットパターニング装
置に適用可能である。
【0165】2)4節平行リンク機構49を傾斜回動さ
せるモータ82の出力軸を、回動支点50Bのピン部材
75に直接連結して4節平行リンク機構49を傾斜回動
させるように構成してもよい。また、4節平行リンク機
構49を傾斜回動させる手段として、前側の第1リンク
部材56Aを左方へ精密に移動駆動する手段、又は、後
側の第1リンク部材56Bを右方へ精密に移動駆動する
手段を採用することも可能である。その移動駆動する手
段としては、例えば電動シリンダやソレノイドアクチュ
エータ等を適用できる。
【0166】3)4節平行リンク機構49の傾斜回動角
を検出する手段は、前記エンコーダ81に限定されるも
のではなく、例えば、左側の回動支点50Aの上方に同
心状にエンコーダを設け、そのエンコーダにより第2リ
ンク部材57Aの回動角を検出するような構成にしても
よい。また、傾斜回動用のモータ82として高精度のサ
ーボモータを適用し、このサーボモータのエンコーダか
らの信号に基づいて4節平行リンク機構49の傾斜回動
角を検出する構成にしてもよい。
【0167】4)4節平行リンク機構49の1対の回動
支点50A,50Bは、1対の第2リンク部材57A,
57Bの途中部(1対の第1リンク部材56A,56B
の間の途中部)に設ける必要があるが、1対の回動支点
50A,50Bを1対の第2リンク部材57A,57B
の副走査方向のほぼ中間部に設け、基準ノズルヘッド8
R のノズル列のほぼ中間位置の所定ノズル番号のノズル
が、1対の回動支点50A,50Bの軸心を結ぶ面上に
位置するように設定することもできる。
【0168】5)4節平行リンク機構49の1対の回動
支点50A,50Bは、第2リンク部材57A,57B
に固定されたピン部材75を主体として構成したが、上
基板46側に固定した1対のピン部材を第2リンク部材
57A,57Bに形成した1対の穴に摺動自在に嵌合さ
せた構成にしてもよく、その場合、第2リンク部材57
A,57Bに形成した1対の穴が1対の回動支点とな
る。
【0169】6)相対移動手段としては、前記媒体送り
機構24に限定されるものではなく、ノズルヘッドと被
吐出媒体との間にXY方向(主走査方向と副走査方向)
に相対移動を発生するものであればよい。例えば、ノズ
ルヘッド8を主走査方向に移動し得るように構成し、基
板受台21を副走査方向に移動し得るように構成するこ
とも可能である。 7)検査維持手段としては、ヘッドメンテナンス機構1
23と吐出検査機構121とを含むものに限定されるも
のではなく、ヘッドメンテナンス機構のみ、まは、吐出
検査機構121のみも含まれる。要するに、検査維持手
段は、ヘッドの吐出性能を維持する手段、または、ヘッ
ドの吐出性能を検査する手段の一方又は両方を含むもの
である。
【0170】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、弾性支持手
段を有する液面維持手段、基準位置設定手段を介して、
液容器内の液面を基準高さ位置に維持し、この基準高さ
位置をノズルヘッドの高さ位置に対して所定の位置関係
に設定するため、ノズルヘッドの複数のノズルから液滴
を確実に安定的に吐出させることができる。 しかも、
弾性支持手段を介して液消費に追従して液容器内の液面
を基準高さ位置に維持するため、液面センサを設ける必
要がなく、簡単な構成のもとすることができる。また、
液面の基準高さ位置をノズルヘッドの高さ位置に対して
所定の位置関係に設定するため、ノズルヘッドを昇降さ
せるような場合にも、ノズルヘッドから液が漏出した
り、ノズルヘッド内の液が逆流したりするのを、確実に
防止することができる。
【0171】請求項2の発明によれば、ヘッド昇降手段
によりノズルヘッドを被吐出媒体に対して昇降させる場
合に、この昇降に連動して、このノズルヘッドの高さ位
置に対し液容器内の液面が所定の関係になるように保持
台を昇降させる液容器昇降手段を設けたため、ノズルヘ
ッドを昇降させた場合にも、ノズルヘッドにおける液圧
が一定となり、ノズルヘッドから液が漏出したり、ノズ
ルヘッド内から液が逆流したりすることがなく、ノズル
ヘッドから確実に安定的に液滴を吐出させてパターンを
形成することができる。
【0172】請求項3の発明によれば、ノズルヘッドを
パターン形成を行う使用位置と不使用位置とにわたって
昇降させることができ、この昇降時にも、ノズルヘッド
におる液圧は安定した液圧に維持することができる。
【0173】請求項4の発明によれば、保持台と液容器
との間に配設され且つ液容器を弾性支持する弾性支持手
段と、この弾性支持手段を介して液容器内の液体の液消
費に追従して液容器内の液面の高さを基準高さ位置に維
持する液面維持手段を設けたため、液の消費に追従して
液面の高さが基準高さ位置に維持されるため、常にノズ
ルヘッド内の液圧を安定させ、液滴の吐出を安定させる
ことができる。
【0174】請求項5の発明によれば、液容器昇降手段
を設けたため、ヘッド昇降手段によりヘッド部を昇降さ
せる場合にも、ノズルヘッドにおける液圧を一定圧に維
持できる。しかも、容器レベル補正手段を設けたため、
各液容器における液の消費に起因する液面の変動が生じ
ないよう補正することができ、液消費に伴うノズルヘッ
ドにおける液圧の変動を防止し、液滴の吐出を安定させ
ることができる。
【0175】請求項6の発明によれば、容器レベル補正
手段は、弾性部材としての圧縮コイルバネにより液容器
を保持台に弾性支持するため、液消費により液容器内の
液体の重量が軽くなった際に、軽くなった分圧縮コイル
バネの付勢力により保持台を押上げて液面を一定高さ位
置に簡単に補正することができる。
【0176】請求項7の発明によれば、EL発光層を吐
出形成する為の複数種の液をノズルヘッドに供給し、安
定した液滴の吐出記録を介して、カラーELディスプレ
イのEL基板を安定的に製作できる。請求項8の発明に
よれば、正孔輸送層を吐出形成する為の液をノズルヘッ
ドに供給し、安定した液滴の吐出記録を介して、ELデ
ィスプレイのEL基板の正孔輸送層を安定的に形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の液滴ジェットパターニング
装置の正面図である。
【図2】液滴ジェットパターニング装置の平面図であ
る。
【図3】検査調整ステージの要部拡大平面図である。
【図4】液滴ジェットパターニング装置の要部拡大正面
図である。
【図5】媒体保持移動装置と基板受台とガラス基板等の
平面図である。
【図6】ノズルヘッドのヘッド部の位置を説明する説明
図である。
【図7】Z軸スライド機構の一部とノズルヘッド保持装
置と回動駆動機構とエンコーダの平面図である。
【図8】図7のVIII-VIII 線端面図(一部切欠き縦断部
を含む)である。
【図9】ノズルヘッド保持装置と回動駆動機構とエンコ
ーダなどの一部切欠き縦断右側面図である。
【図10】ノズルヘッド保持装置の一部切欠き縦断左側
面図である。
【図11】図7のXI-XI 線端面図(一部切欠き縦断部を
含む)である。
【図12】ノズルヘッド保持装置を支持基板に取付けた
状態の要部縦断面図である。
【図13】ノズルヘッド保持装置を支持基板から取外し
た状態の要部縦断面図である。
【図14】ノズルヘッド保持装置の一部切欠き横断平面
図である。
【図15】ノズルヘッド保持装置の背面図である。
【図16】ノズルヘッド保持装置の縦断側面面である。
【図17】ノズルヘッド保持装置の縦断側面面である。
【図18】ノズルヘッド保持装置の一部切欠き縦断正面
図である。
【図19】ノズルヘッド保持装置の概略平面図である。
【図20】第2リンク部材を傾斜回動させる回動駆動機
構の要部平面である。
【図21】ノズルヘッド保持装置の案内機構と移動機構
の要部横断面図である。
【図22】ヘッドホルダの平面図である。
【図23】ノズルヘッド保持装置の要部縦断側面図であ
る。
【図24】ノズルヘッドのノズル間寸法誤差を説明する
説明図である。
【図25】ランク付けしたノズル間寸法誤差と中心誤差
を示す図表である。
【図26】液供給機構の側面図である。
【図27】(a)は4節平行リンク機構とノズルヘッド
を初期位置にした状態の機構図、(b)は4節平行リン
ク機構とノズルヘッドを傾斜回動させた状態の機構図で
ある。
【図28】回動駆動機構とエンコーダと位置調整駆動機
構の構成説明図である。
【図29】(a)〜(c)は夫々R,G,Bのドット配
置例の説明図である。
【図30】吐出検査機構の構成説明図である。
【図31】吐出検査用のCCDカメラにおけるCCD撮
像領域の説明図である。
【図32】図31の観測窓と液滴の画像を説明する説明
図である。
【図33】基板受台上のガラス基板と自動アライメント
調整機構の構成説明図である。
【図34】ヘッドメンテナンス機構の斜視図である。
【図35】ガラス基板の複数のきパターン形成領域に液
滴を吐出してパターンを形成するノズルヘッドのガラス
基板に対する相対移動を説明する説明図である。
【図36】ノズルヘッドを1パスずつ移動させてパター
ンを形成する移動経路を説明する説明図である
【図37】ノズルヘッドを1パス毎にインターレースを
行ってパターンを形成する移動経路を説明する説明図で
ある。
【図38】液滴ジェットパターニング装置の制御系のブ
ロック図の一部である。
【図39】液滴ジェットパターニング装置の制御系のブ
ロック図の残部である。
【図40】連続記録にてガラス基板に吐出記録する制御
の概略フローチャートの一部である。
【図41】図40のフローチャートに続く概略フローチ
ャートの残部である。
【図42】ノズルヘッドの吐出検査の制御の概略フロー
チャートである。
【図43】図42のフローチャートのS44の処理のフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 液滴ジェットパターニング装置 4 ガラス基板 6 Z軸スライド機構 7 ノズルヘッド保持装置 8 ノズルヘッド 12 液供給機構 13 制御装置 14 仕切り板 14a 開口部 20,19 X,Y軸スライド機構 21 基板受台 25 ヘッド組取付台 32a〜32d CCDカメラ 36 自動アライメント調整機構 43 ヘッド部 49 4節平行リンク機構 51 ヘッドホルダ 52A,52B 案内機構 53A,53B 移動機構 55 ノズル 80 回動駆動機構 113 位置調整駆動機構 81 エンコーダ 121 吐出検査機構 123 ヘッドメンテナンス機構 140a,140b Y方向移動駆動機構 141a,141b 撮影ポジション切換え機構 142 CCDカメラ 143 ストロボ投光器 173 ホスト制御ユニット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月26日(2002.9.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図42
【補正方法】変更
【補正内容】
【図42】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルヘッドの複数のノズルから液滴を
    吐出して被吐出媒体にパターンを形成する液滴ジェット
    パターニング装置において、 前記ノズルヘッドに供給する為の液体が収容された液容
    器を弾性支持する弾性支持手段を有し、前記液容器内の
    液体の液消費に追従して液容器内の液面の高さを、前記
    弾性支持手段を介して基準高さ位置に維持する液面位置
    維持手段と、 この液面位置維持手段により維持される液面の基準高さ
    位置を、ノズルヘッドの高さ位置に対して所定の関係に
    設定する基準位置設定手段と、 を備えたことを特徴とする液滴ジェットパターニング装
    置。
  2. 【請求項2】 ノズルヘッドの複数のノズルから液滴を
    吐出して被吐出媒体にパターンを形成する液滴ジェット
    パターニング装置において、 前記ノズルヘッドを被吐出媒体に対して昇降させるヘッ
    ド昇降手段と、 前記ノズルヘッドに供給する為の液体が収容された液容
    器を保持する保持台と、前記昇降手段によるノズルヘッ
    ドの昇降に連動し、前記保持台を液容器内の液面がノズ
    ルヘッドの高さ位置に対して所定の関係になるように昇
    降させる液容器昇降手段と、 を備えたことを特徴とする液滴ジェットパターニング装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ヘッド昇降手段は、ノズルヘッドに
    よる被吐出媒体に対するパターン形成を行う使用位置
    と、それよりも上方でパターン形成を行わない不使用位
    置との間で前記ヘッド部を昇降させることを特徴とする
    請求項2に記載の液滴ジェットパターニング装置。
  4. 【請求項4】 前記保持台と液容器との間に配設され且
    つ液容器を弾性支持する弾性支持手段を有し、この弾性
    支持手段を介して液容器内の液体の液消費に追従して液
    容器内の液面の高さを基準高さ位置に維持する液面維持
    手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の
    液滴ジェットパターニング装置。
  5. 【請求項5】 ノズルヘッドの複数のノズルから液滴を
    吐出して被吐出媒体にパターンを形成する液滴ジェット
    パターニング装置において、 複数のノズルヘッドを含むヘッド部と、 前記ヘッド部を被吐出媒体に対して昇降させるヘッド昇
    降手段と、 複数のノズルヘッドに夫々供給される液体を収容した複
    数の液容器を保持する保持台を備え且つこの保持台をヘ
    ッド昇降手段によるヘッド部の昇降に連動して昇降させ
    る液容器昇降手段と、 前記複数の液容器を保持台に弾性部材を介して夫々弾性
    支持し、複数の液容器における液消費に追従して液面を
    夫々一定高さ位置に補正する複数の容器レベル補正手段
    と、 を備えたことを特徴とする液滴ジェットパターニング装
    置。
  6. 【請求項6】 前記容器レベル補正手段は、弾性部材と
    しての圧縮コイルバネにより液容器を保持台に弾性支持
    することを特徴とする請求項5に記載の液滴ジェットパ
    ターニング装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の液容器は、所定の複数色で発
    光するEL発光層を形成する為の液を夫々収容している
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の液滴ジェット
    パターニング装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のノズルヘッドは、EL発光層
    に正孔を輸送してEL発光層を発光させる為の正孔輸送
    層を吐出形成するノズルヘッドを含むことを特徴とする
    請求項5又は6に記載の液滴ジェットパターニング装
    置。
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