JP2003103294A - 水中の硝酸性窒素の除去方法及び除去装置 - Google Patents

水中の硝酸性窒素の除去方法及び除去装置

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JP2003103294A
JP2003103294A JP2001299661A JP2001299661A JP2003103294A JP 2003103294 A JP2003103294 A JP 2003103294A JP 2001299661 A JP2001299661 A JP 2001299661A JP 2001299661 A JP2001299661 A JP 2001299661A JP 2003103294 A JP2003103294 A JP 2003103294A
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sulfur
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nitrate nitrogen
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Hajime Kono
源 河野
Yoshiaki Shibuya
吉昭 渋谷
Shinji Ichikawa
真治 市川
Miyoshi Imai
三佳 今井
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Japan Agriculture Forestry and Fisheries Ministry of
Aquas Corp
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理装置を大型化させず、しかも発生する窒
素ガスがろ材内に滞留して脱窒効率を低下させるおそれ
がなく、安定処理を可能とした養液栽培排水中の硝酸性
窒素の除去方法と除去装置の提供。 【解決手段】 硫黄酸化細菌により水中の硝酸性窒素を
除去するにあたり、被処理水を硫黄を含む担体を充填さ
せた処理塔にSV5〜100/hrで上向流にて循環さ
せることを特徴とする水中の硝酸性窒素の除去方法と;
被処理水を貯留する水槽1と、硫黄を含む担体を充填さ
せた処理塔2と、被処理水をSV5〜100/hrで上
向流にて処理塔2に循環させる循環ポンプ3と、を備え
たことを特徴とする水中の硝酸性窒素の除去装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に含まれる硝
酸性窒素を除去する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】排水中の窒素分は、湖沼、内湾などの富
栄養化の原因として、工場排水などでは、地域によって
排出規制されている。このような排水中の硝酸性窒素を
除去する方法の多くは、次式に示すように、メタノール
などの炭素源を添加しながら、従属栄養性の硝酸還元菌
により脱窒する方法が採用されている。
【0003】
【化1】
【0004】硝酸還元菌により脱窒するこの方法は、工
場排水の三次処理として用いられることが多いが、メタ
ノールなどの炭素源の添加が必要であり、一般には当量
以上のメタノールを添加することになるため、メタノー
ルの一部が残留し、放流水のCOD、BODを上昇させ
てしまうおそれがある。従って、この方法では、通常
は、後段で更に曝気槽を設置して生物処理を行う必要が
あり、このため設置スペースが大きくなってしまうとい
う問題があった。また、この方法では、上記したよう
に、メタノールなどの炭素源の添加が必要であるため、
ランニングコストが嵩み、薬液を補充するなど管理が手
間となる。
【0005】一方、近年、硫黄や硫黄化合物を用いて独
立栄養性の硫黄酸化細菌によって脱窒する方法が提案さ
れている(特開2000−93997号公報、特公平4
−9119号公報等)。この方法では、溶存炭酸ガスを
栄養源とするため、メタノールなどの炭素源の添加が不
要である。従って、放流水を再処理する必要もなく、コ
ンパクトな装置とすることができるという利点がある。
【0006】ところで、硫黄酸化細菌による脱窒速度
は、メタノール添加の必要な硝酸還元菌による脱窒速度
と同等ではあるが、連続的に処理する場合、硫黄粒内を
ゆっくりと〔例えば空間速度(以下、「SV」と称する
ことがある。)0.2/hr程度で〕通水させて接触時
間をかなり長くとらなければ充分な処理ができず、結果
として、装置が大型化するため、設置スペースが大きく
なってしまうという欠点を有していた。
【0007】また、流速を遅くせざるを得ないことか
ら、発生する窒素ガスがろ材内に滞留して、被処理水と
の接触を妨げ、その結果、脱窒効率が低下し、安定した
処理が行えないという問題があり、このため、特公平4
−9119号公報等に係る発明のように、ろ層を浅く
(10〜100mm程度)広く設置せざるを得なかっ
た。従来は、前記した特開2000−93997号公
報、特公平4−9119号公報等にあるように、排水中
の窒素濃度が数十mg/Lと比較的低い工場排水を対象
としていたため、前述の方式でも何とか対応することが
可能であった。
【0008】しかしながら、近年では、養液栽培(水耕
栽培)の排水のように、元々植物の液状肥料として用い
ているものを定期的に一部排出する、窒素濃度が数百m
g/Lとかなり高い排水もあり、従来のような方式で
は、設置スペースなどの観点から、設置が困難となって
きた。
【0009】すなわち、養液栽培排水などを処理するた
めの装置は大型化してしまい、設置スペースが大きくな
り建設コストが嵩む上に、流速を遅くせざるを得ないこ
とから、発生する窒素ガスがろ材内に滞留して、被処理
水との接触を妨げ、その結果、脱窒効率が低下し、安定
した処理が行えないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を悉く解消したものであって、水中の硝酸性
窒素を除去するにあたり、処理するための装置を大型化
させず、設置スペースを大きくさせることがなく、しか
も発生する窒素ガスがろ材内に滞留して、脱窒効率を低
下させるおそれがなく、安定処理を可能とした水中の硝
酸性窒素の除去方法及び除去装置を提供することを提供
することを目的とするものである。
【0011】本発明者らは、上記従来技術の問題点を解
消するため鋭意検討を重ねた。その過程において、本発
明者らは、特に養液栽培の排水が通常の排水のように毎
日連続して一定量排出されるのではなく、定期的にまと
めて一定量が放流されるという独特の排出方法(頻度)
となっていることに着目し、放流されてきた排水を貯槽
に一度貯め、硫黄担体(粒)が充填された処理塔(ろ過
塔)内をある程度高速に上向流で循環させながら処理す
ればよいのではないかと考えるに至った。
【0012】この方法で検討した結果、同じレベルの処
理水を得ようとする場合、通水速度と循環させる回数
は、SVが5以上であれば、ほぼ比例関係にあることが
分かった。図1は、原水窒素濃度が400mg/Lの排
水を、上記方法にて処理水窒素濃度20mg/L或いは
100mg/Lまで処理する場合の必要循環回数を示し
たグラフである。図1によれば、例えばSV10/hr
とSV20/hrとで比較すると、SV10/hrの2
倍の速度のSV20/hrで流した場合には、処理水窒
素濃度20mg/Lと100mg/Lまで処理する場合
のいずれとも、SV10/hrで流した場合の約2倍の
循環回数が必要となることが明らかである。
【0013】従って、通水速度を速くした代わりに、そ
の分だけ循環させる回数を増やして、実質的な接触時間
を同じ程度確保することができれば、同じレベルの処理
水を得ることができることが分かった。すなわち、次の
放流時期まで何度もある程度高速に循環させることによ
って、実質的な接触時間を充分に確保することができ、
このように実質的な接触時間を同じ程度確保することが
できれば、同じレベルの処理水を得ることができること
が分かった。従って、ろ材層高を1000mm程度まで
と、従来の約10〜100倍と、従来に比べかなり高く
することが可能となることから、ろ材を高く充填したろ
層内を通水することが可能となり、装置のコンパクト化
が可能となる。さらに、このとき、上向流で高速通水さ
せることによって、硝酸が還元されて生成した窒素ガス
をろ材上部へ追い出すことができ、その結果、窒素ガス
の滞留による脱窒効率の低下を防止することができるこ
とも分かった。すなわち、上向流で高速通水させること
により窒素ガスが容易にろ材上部へ抜けるため、窒素ガ
スがろ材内に滞留して脱窒効率を低下させることがな
く、安定処理が可能となった。本発明は、これらの知見
に基いて完成されたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る本発明は、硫黄を用いて硫黄酸化細菌により水中の硝
酸性窒素を除去するにあたり、被処理水を、硫黄を含む
担体を充填させた処理塔に、空間速度5〜100/hr
で、上向流にて循環させることを特徴とする、水中の硝
酸性窒素の除去方法を提供するものである。
【0015】請求項2に係る本発明は、硫黄を用いて硫
黄酸化細菌により水中の硝酸性窒素を除去するにあた
り、被処理水を、硫黄を含む担体を充填させた処理塔
に、空間速度5〜100/hrで、上向流にて循環させ
ると共に、循環水の酸化還元電位を測定し、循環水の酸
化還元電位が±100mVの範囲内で前記循環処理を停
止することを特徴とする、水中の硝酸性窒素の除去方法
を提供するものである。
【0016】請求項3に係る本発明は、硫黄を用いて硫
黄酸化細菌により水中の硝酸性窒素を除去するための装
置であって、被処理水を貯留する水槽と、硫黄を含む担
体を充填させた処理塔と、被処理水を上向流にて空間速
度5〜100/hrで前記処理塔に循環させる循環ポン
プと、酸化還元電位測定器と、前記酸化還元電位測定器
により測定された酸化還元電位に基づき循環ポンプを停
止させる制御手段と、を備えたことを特徴とする、水中
の硝酸性窒素の除去装置を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】ここで請求項1に係る本発明の方
法は、図2に示す装置によって好適に実施され、また、
請求項2に係る本発明の方法は、図3に示す如き請求項
3に係る本発明の装置によって好適に実施されることか
ら、以下、本発明をこれら装置を示す図面を参照しつつ
詳細に説明する。図2は、請求項1に係る本発明の方法
の実施に好適な装置の一態様を示すフローシートであ
る。また、図3は、請求項2に係る本発明の方法の実施
に好適な装置、つまり請求項3に係る本発明の装置の一
態様を示すフローシートである。
【0018】図2は、請求項1に係る本発明の方法の実
施に好適な装置の一態様を示すフローシートであり、こ
の図2に示す装置は、硫黄を用いて硫黄酸化細菌により
水中の硝酸性窒素を除去するための装置であって、被処
理水を貯留する水槽1と、硫黄を含む担体を充填させた
処理塔2と、被処理水をSV5〜100/hrで上向流
にて前記処理塔2に循環させる循環ポンプ3と、を備え
たことを特徴とするものである。
【0019】排水のろ過処理を行う処理塔(ろ過塔)2
には、硫黄を含む担体が充填されている。該担体として
は、硫黄を含むものであれば一般に使用されているもの
を用いればよく、例えば、硫黄を用いる場合には、市販
されている硫黄粒と、中和用に固形の炭酸塩(サンゴ砂
など)を組合せたものを用いればよい。また、硫黄に炭
酸塩を練り混ぜた硫黄混合物(例えば、(株)ニッチツ
製“脱窒ろ材SC”)を用いれば、改めて中和用の炭酸
塩を充填する必要はない。このような硫黄を含む担体と
しては、通常、公知の硫黄酸化細菌を付着させたものが
用いられる。処理すべき排水の量に応じて、ろ材量を変
えることができる。なお、担体の粒径は、流出しない程
度の大きさであれば特に制限はないが、好ましくは1〜
25mm、更に好ましくは2.5〜5mmである。前記
処理塔2は、硫黄を含む担体で充填層を形成した固定床
式反応層とされている。
【0020】循環ポンプ3は、水槽1に貯留されている
被処理水(すなわち、養液栽培排水などの排水)を上向
流にて、前記処理塔2に循環させる働きを有するもので
あって、しかも被処理水をSV5〜100/hrという
高速で循環させる能力を有するものであることが必要で
ある。なお、被処理水の水温は特に限定されないが、脱
窒効率の面からは16℃以上であることが好ましい。従
って、冬季など被処理水の水温が16℃未満となるよう
な場合には、ヒーターなどにより16℃以上となるよう
に加温することが望ましい。また、硫黄酸化細菌の活動
を活発にする面から、被処理水のpHは、6.5〜8.
5の範囲に保っておくことが好ましい。
【0021】ここで循環ポンプ3により、水槽1に貯留
されている被処理水を上向流にて前記処理塔2に循環さ
せることにより、窒素ガスの上昇をアシストし、窒素ガ
スがろ材内に滞留して脱窒効率を低下させるおそれがな
い。また、被処理水の循環は、SV5〜100/hr、
好ましくは10〜30/hr、より好ましくは10〜2
0/hrで行う必要がある。ここで循環水のSVが5/
hr未満であると、窒素ガスがろ材から抜けにくい為
か、除去効率が劣るものとなる。一方、循環水のSVが
100/hrを超えると、ろ材の圧力損失が増大してく
るため、ポンプをかなり大きくしなければならず、無駄
となる。
【0022】請求項1に係る本発明の実施に好適な装置
としては、このような被処理水を貯留する水槽1と、硫
黄を含む担体を充填させた処理塔2と、被処理水をSV
5〜100/hrで上向流にて前記処理塔2に循環させ
る循環ポンプ3と、を備えたことを特徴とするものであ
り、最低限前記3つの手段が備えられていればよいが、
処理塔2内に滞留する窒素ガスを抜くためのエア抜き弁
4を設けておくことが好ましい。また、必要に応じて、
処理塔2内のドレンを排出する手段(図示していない)
を設けておくこともできる。
【0023】請求項1に係る本発明は、硫黄を用いて硫
黄酸化細菌により水中の硝酸性窒素を除去するにあた
り、例えば好適にはこのような図2に示す如き装置を用
い、水槽1内に貯留されている被処理水を、硫黄を含む
担体を充填させた処理塔2に循環させる。このとき請求
項1に係る本発明においては、水槽1内に貯留されてい
る被処理水を、循環ポンプ3により、「SV5〜100
/hrで上向流にて該処理塔2に循環させる」ことが必
要である。SVがこの範囲外であったり、或いは上向流
でなかったりする場合には、請求項1に係る本発明の目
的を達成することはできない。その理由については、前
記した通りである。
【0024】なお、循環回数は、被処理水の量、処理塔
2の大きさ、SV、目標とする処理水の窒素濃度などに
よって異なり、一義的に決定することは困難であるが、
循環処理の目安としては、後記する請求項2に係る本発
明によって示される如く、循環水の酸化還元電位(以
下、「ORP」と称することがある。)が±100mV
の範囲内で循環処理を停止するとよい。
【0025】次に、請求項3に係る本発明は、硫黄を用
いて硫黄酸化細菌により水中の硝酸性窒素を除去するた
めの装置であって、図3に示すように、被処理水を貯留
する水槽1と、硫黄を含む担体を充填させた処理塔2
と、被処理水を上向流にてSV5〜100/hrで前記
処理塔2に循環させる循環ポンプ3と、ORP測定器5
と、前記ORP測定器により測定されたORPに基づき
循環ポンプ3を停止させる制御手段6と、を備えたこと
を特徴とするものである。
【0026】図3に示す如き請求項3に係る本発明の装
置は、前記図2に示す装置において、さらにORP測定
器5と、このORP測定器5により測定されたORPに
基づき循環ポンプ3を停止させる制御手段6と、を備え
たことを特徴とするものである。ここでORP測定器5
としては、一般に使用されているものを用いればよく、
特に制限はない。そして、制御手段6によって、このO
RP測定器5により測定されたORPに基づき循環ポン
プ3を停止させる。さらに、必要に応じて、ORP測定
器5により測定されたORPに基づき、この制御手段6
によって、放流用の電磁弁7を開閉させることもできる
が、これに制限されるものではない。これら制御手段
6、電磁弁7としては、既知のものを用いることができ
る。
【0027】請求項2に係る本発明は、硫黄を用いて硫
黄酸化細菌により水中の硝酸性窒素を除去するにあた
り、例えば好適にはこのような図3に示す如き請求項3
に係る本発明の装置を用い、水槽1内に貯留されている
被処理水を、硫黄を含む担体を充填させた処理塔2に、
循環ポンプ3により、SV5〜100/hrで上向流に
て前記処理塔2に循環させると共に、ORP測定器5に
より循環水のORPを測定し、測定されたORPに基づ
き循環ポンプ3を停止させる制御手段6により、循環水
のORPが±100mVの範囲内で前記循環処理を停止
することを特徴とするものである。
【0028】ここで被処理水を循環ポンプ3により、S
V5〜100/hrで上向流にて前記処理塔2に循環さ
せる点については、請求項1に係る本発明に関する説明
中において記載した通りである。
【0029】請求項2に係る本発明は、さらにORP測
定器5により循環水のORPを測定し、測定されたOR
Pに基づき循環ポンプ3を停止させる制御手段6によ
り、循環水のORPが±100mVの範囲内で前記循環
処理を停止する点に特徴を有する。ここで循環水のOR
Pが±100mVの範囲内で循環処理を停止しないと、
請求項2に係る本発明の目的を達成することはできな
い。その理由は以下に示す通りである。
【0030】すなわち、硫黄を用いて硫黄酸化細菌によ
り排水中の硝酸性窒素を除去する方式では、硫黄酸化細
菌が硝酸を還元するか、或いは排水中の僅かな溶存酸素
で硫黄を酸化しながら生存している。従って、単に排水
を循環処理しているだけでは、時間の経過と共に排水中
の溶存酸素や硝酸イオンはなくなってしまい、このた
め、それ以上循環処理を継続していると、ろ材表面が嫌
気化して性能が低下したり、硫化水素臭が発生したりす
る問題が出てくることが分かった。
【0031】放流する時期を確認・制御する方法として
は、その都度サンプリングして窒素濃度を測定して放流
する方法が考えられるが、時間と手間がかかる。また、
窒素濃度計は、制御に用いるにはかなり高価である。こ
のため本発明者らは、手間をかけずに、しかも安価に放
流時期を確認・制御することができる方法を検討した。
本発明者らは、この問題を処理すべく検討している過程
において、処理水の性状とORPに着目したところ、両
者間にある程度関係があることを見出した。すなわち、
図4に示すように、循環水(被処理水)のORPは、窒
素濃度の減少と共に低下し、100mV以下になると、
水質汚濁防止法の規制値である100mg−N/L以下
になり、さらに溶存酸素や硝酸イオンがなくなると、こ
のORPが−100mV未満となり、ろ材が嫌気化して
性能が低下したり、硫化水素臭が発生したりすることが
分かった。
【0032】従って、ORP測定器5により循環水のO
RPを測定し、測定されたORPに基づき循環ポンプ3
を停止させる制御手段6により、循環水のORPが±1
00mVの範囲内で速やかに循環処理を停止することに
より、ろ材が嫌気化して性能が低下したり、硫化水素臭
が発生したりすることなく、安定した処理を行うことが
できる。それ故、請求項2に係る本発明においては、測
定されたORPに基づき、循環水のORPが±100m
Vの範囲内で速やかに循環ポンプ3を停止させて循環処
理を停止し、さらに必要に応じて放流用の電磁弁7を開
いて水槽1内の処理水を放流する。なお、循環処理を停
止させるORPは、規制値が100mg−N/L以下で
あれば100mV以下に設定すれば良く、また、条例な
ど上乗せ基準により20mg−N/Lなど、厳しい値で
あれば、−50mV以下に設定するなど、規制値によっ
て任意に設定することができる。
【0033】本発明は、以上の如き構成を有するもので
ある。本発明は、養液栽培の排水をはじめとする各種排
水中の硝酸性窒素の除去に適用することができる。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れによって何ら制限されるものではない。
【0035】実施例1 図3に示す如き装置を用い、以下に示すようにして、通
水速度SVが0.2;5;10;25/hrとなるように
変えて、ホウレンソウ養液栽培排水中の硝酸性窒素(濃
度430mg/L)の除去処理を行った。
【0036】すなわち、容積20Lの水槽1内に、被処
理水として、硝酸性窒素濃度が430mg/Lのホウレ
ンソウ養液栽培排水(水温20℃)を貯留し、この被処
理水について、図3に示す如き装置を用いて、硝酸性窒
素の除去処理を行った。ここで処理塔(ろ過塔)2は、
直径100mmで高さが1000mmの塩化ビニール製
の筒状のものであって、この処理塔(ろ過塔)2には、
酸化硫黄細菌を付着させた硫黄担体〔(株)ニッチツ製
“脱窒ろ材SC”〕を4.7L充填しておいた。この処
理塔(ろ過塔)2に、循環ポンプ3を用いて、水槽1内
に貯留されているホウレンソウ養液栽培排水(原水)
を、SVがそれぞれ0.2;5;10;25/hrとなる
ように上向流にて循環させた。
【0037】上記した如き硝酸性窒素の除去処理の施さ
れたホウレンソウ養液栽培排水(処理水)の窒素濃度の
経時変化を図5に示す。
【0038】図5によれば、いずれの場合も、該処理水
の窒素濃度が目標値の100mg/Lをクリアしたが、
SVが0.2/hrの場合には、該処理水の窒素濃度が
目標値の100mg/Lとなるには、SVが5/hr以
上の場合と比べて、著しく処理時間がかかり、効率が悪
いことが分かる。
【0039】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によれば、硫黄を
用いて硫黄酸化細菌により水中の硝酸性窒素を除去する
にあたり、処理するための装置を大型化させず、設置ス
ペースを大きくさせることがなく、しかも発生する窒素
ガスがろ材内に滞留して、脱窒効率を低下させるおそれ
がなく、安定処理が可能である。
【0040】請求項2に係る本発明によれば、さらに、
循環水のORPが±100mVの範囲内で循環処理を停
止することにより、ろ材が嫌気化して性能が低下した
り、硫化水素臭が発生したりすることなく、安定した処
理を行うことができる。
【0041】また、請求項3に係る本発明によれば、硫
黄を用いて硫黄酸化細菌により水中の硝酸性窒素を除去
するにあたり、処理するための装置を大型化させず、設
置スペースを大きくさせることがなく、しかも発生する
窒素ガスがろ材内に滞留して、脱窒効率を低下させるお
それがなく、安定処理が可能な装置を提供できる。さら
に、請求項3に係る本発明によれば、ORP測定器5
と、このORP測定器5により測定されたORPに基づ
き循環ポンプを停止させる制御手段6とを備えることに
より、請求項2に記載したように循環水のORPが±1
00mVの範囲内で循環処理を停止することが可能とな
り、ろ材が嫌気化して性能が低下したり、硫化水素臭が
発生したりすることなく、安定した処理を行うことがで
きる装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 原水窒素濃度が400mg/Lの排水を処理
水窒素濃度20mg/L或いは100mg/Lまで処理
する場合の必要循環回数を示したグラフである。
【図2】 請求項1に係る本発明の方法の実施に好適な
装置の一態様を示すフローシートである。
【図3】 請求項2に係る本発明の方法の実施に好適な
装置、つまり請求項3に係る本発明の装置の一態様を示
すフローシートである。
【図4】 処理水(循環水)のORP値と処理水(循環
水)の窒素濃度との関係を示すグラフである。
【図5】 実施例1における処理水(循環水)の窒素濃
度の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 水槽 2 処理塔 3 循環ポンプ 4 エア抜き弁 5 酸化還元電位(ORP)測定器 6 制御手段 7 電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 吉昭 茨城県つくば市緑ヶ原4−4 アクアス株 式会社つくば総合研究所内 (72)発明者 市川 真治 茨城県つくば市緑ヶ原4−4 アクアス株 式会社つくば総合研究所内 (72)発明者 今井 三佳 茨城県つくば市緑ヶ原4−4 アクアス株 式会社つくば総合研究所内 Fターム(参考) 2B314 MA70 PD70 4D003 CA08 DA11 EA01 EA23 EA30 FA02 FA05 FA10 4D040 BB07 BB42 BB63 BB82 BB92

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄を用いて硫黄酸化細菌により水中の
    硝酸性窒素を除去するにあたり、被処理水を、硫黄を含
    む担体を充填させた処理塔に、空間速度5〜100/h
    rで、上向流にて循環させることを特徴とする、水中の
    硝酸性窒素の除去方法。
  2. 【請求項2】 硫黄を用いて硫黄酸化細菌により水中の
    硝酸性窒素を除去するにあたり、被処理水を、硫黄を含
    む担体を充填させた処理塔に、空間速度5〜100/h
    rで、上向流にて循環させると共に、循環水の酸化還元
    電位を測定し、循環水の酸化還元電位が±100mVの
    範囲内で前記循環処理を停止することを特徴とする、水
    中の硝酸性窒素の除去方法。
  3. 【請求項3】 硫黄を用いて硫黄酸化細菌により水中の
    硝酸性窒素を除去するための装置であって、被処理水を
    貯留する水槽と、硫黄を含む担体を充填させた処理塔
    と、被処理水を空間速度5〜100/hrで上向流にて
    前記処理塔に循環させる循環ポンプと、酸化還元電位測
    定器と、前記酸化還元電位測定器により測定された酸化
    還元電位に基づき循環ポンプを停止させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする、水中の硝酸性窒素の除去装
    置。
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