JP2003103126A - 成形フィルタとその製造法 - Google Patents

成形フィルタとその製造法

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JP2003103126A
JP2003103126A JP2001299415A JP2001299415A JP2003103126A JP 2003103126 A JP2003103126 A JP 2003103126A JP 2001299415 A JP2001299415 A JP 2001299415A JP 2001299415 A JP2001299415 A JP 2001299415A JP 2003103126 A JP2003103126 A JP 2003103126A
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molded filter
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Kiyobumi Tashiro
清文 田代
Goji Yamamoto
剛司 山本
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LION CHEMICAL KK
Fujiko KK
Fujikoo KK
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LION CHEMICAL KK
Fujiko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタとして400℃以上の雰囲気下で使
用でき、ゴミ焼却炉または各種の熱設備から放出される
高温の塵挨を長期間に亘って捕集する。 【解決手段】 高温の塵挨を捕集するのに適した一体成
形品であり、ロックウールやセラミックファイバなどの
無機繊維と無機系バインダとを媒質に分散し、全体が均
質になるまで攪拌して懸濁状態で安定させ、得たスラリ
ーを中空型枠に対して付与し、該型枠の多孔面に応じて
スラリー中の固形成分を減圧脱水して抄き上げ、型枠形
状に成形した後に型枠から筒状素材を取り外し、加熱処
理によって筒状素材を乾燥および硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴミ焼却炉または
製錬所や鋳造工場などの各種の熱設備から放出される高
温の塵挨を捕集するため、400℃以上の雰囲気下で使
用できる耐熱性の成形フィルタおよびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染が地球規模で問題にな
り、日本でも大気汚染防止法によって煤塵の排出基準を
規模別に定めている。ゴミ焼却炉、窯炉、石炭ボイラな
どでは、集塵機に取り付けるフィルタ材により、出口含
塵濃度を排出基準以下に落とさなければならない。この
種の含塵ガスは、ガス温度が高くて酸性物質を多量に含
むため、これらの熱設備用のフィルタ材は耐熱・耐酸性
であることが必要である。このため、フィルタ材の素材
に、耐熱・耐酸性の高いテトラフルオロエチレン(PT
FE)繊維、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊
維、ポリイミド繊維、アラミド繊維などのニードルパン
チフェルトを用いることが一般的である。
【0003】 耐熱性フィルタ材の素材はさらに改良さ
れており、特公平2−14456号や特公平2−367
04号では、PTFE繊維と0.1〜1デニールの細い
ガラス繊維とを配合し、これらをニードルパンチングで
一体化した複合フェルトを提案している。また、特許第
2594844号では、耐熱性の有機繊維にガラス繊維
を混入し、添加する有機繊維としてPPS繊維、アラミ
ド繊維,PTFE繊維などが例示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】耐熱性フィルタ材に関
して、無機繊維製のニードルフェルトは、一般に使用繊
維が硬くて脆く、カーディングやニードルパンチングの
工程で切断して繊維が脱落しやすく、作業環境の悪化お
よび生産効率の低下という問題が発生しがちである。ま
た、ニードルフェルト中にガラス繊維を多量に混入する
と、表面に露出したガラス繊維が酸性雰囲気中で劣化し
やすく、酸性物質を多量に含む含塵ガスを処理すると比
較的短期間でフィルタ交換を要するので不経済であり、
一方、有機繊維を多量に含むと耐熱性が低下する。
【0005】 本発明は、無機繊維製のフィルタ材に関
する前記の問題点を改善するために提案されたものであ
り、酸性雰囲気中で劣化しにくく且つ耐熱性が高くて長
期間使用できる成形フィルタを提供することを目的とし
ている。本発明の他の目的は、無機繊維を含有するスラ
リーの抄き上げ処理により、生産効率が高いうえに作業
環境を悪化させることが少ない成形フィルタの製造法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る成形フィルタは、高温の塵挨を捕集す
るのに適した一体成形品である。この成形フィルタは、
ロックウールやセラミックファイバなどの無機繊維と無
機系バインダとを均質に分散させた有底の筒形状であ
り、低温乾燥処理によって所望の密度および通気性に定
めて乾燥・硬化させる。
【0007】 本発明の成形フィルタは、ロックウール
やセラミックファイバなどの無機繊維と無機系バインダ
とからなる均質の筒状体であり、低温乾燥処理におい
て、筒状素材の内部に挿入したエアーパイプから雰囲気
温度より20〜30℃高い空気を吹き出すと、筒状体内
面側の密度を外面側に比べて大きくできる。また、この
エアーパイプから雰囲気温度より20〜30℃低い空気
を吹き出すと、筒状体外面側の密度を内面側に比べて大
きくでき、この低温乾燥処理の後に硬化させればよい。
【0008】 本発明の成形フィルタにおいて、好まし
くは、無機繊維がロックウール、アルミナシリケート繊
維、シリカ繊維、チタン酸アルカリ繊維、ガラス繊維、
炭素繊維からなり、無機系バインダがコロイダルシリ
カ、アルミナゾル、ベントナイト、重リン酸アルミニウ
ム、アルミナセメント、低融点ガラス、結晶化低融点ガ
ラスからなる。また、無機繊維が全量の5〜30重量
%、無機系バインダが70〜95重量%であると好まし
い。この無機繊維が全量の5重量%未満であると、成形
フィルタとして所定の耐熱性を得ることができず、伸び
が小さいうえに経時的な強度劣化が大きい。一方、無機
繊維が30重量%を超えても、コストの上昇の割りには
成形フィルタの物性が良化せず、製造コストの点で不利
である。
【0009】 本発明に係る成形フィルタの製造法は、
ロックウールやセラミックファイバなどの無機繊維と無
機系バインダとを媒質に分散し、全体が均質になるまで
攪拌して懸濁状態で安定させる。得たスラリーを中空型
枠に対して付与し、該型枠の多孔面に応じてスラリー中
の固形成分を減圧脱水して抄き上げ、型枠形状に成形し
た後に型枠から筒状素材を取り外し、加熱処理によって
筒状素材を乾燥および硬化させる。
【0010】 本発明の製造法は、より具体的には、ロ
ックウールやセラミックファイバなどの無機繊維と無機
系バインダとを水に分散し、全体が均質になるまで攪拌
して懸濁状態で安定させる。得たスラリー中に中空型枠
を浸漬するかまたはスラリーを流し込み、該型枠の内部
から吸引してスラリー中の固形成分を減圧脱水して型枠
の外側または内側に抄き上げ、該型枠の多孔周面を応じ
て有底の筒形状に成形した後に型枠から筒状素材を取り
外し、低温乾燥処理によって筒状素材を所望の密度およ
び通気性に定め、さらに高温で硬化させる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の成形フィルタ1(図1)
は、高温の塵挨を捕集するのに適した一体成形の無機質
フィルタである。成形フィルタ1は、通常、400〜1
000℃の雰囲気下で熱設備に取り付け可能であるた
め、製錬所、鋳造工場、ガラス工場、セメント工場にお
けるボイラ設備、流動床や集塵機、ゴミ焼却炉、窯炉、
冶金工業などの分野で使用できる。成形フィルタ1に
は、その後端にフランジ部1aを形成すると熱設備に取
り付けしやすくなるので好ましい。
【0012】 成形フィルタ1は、無機繊維と無機系バ
インダとを均質に分散させて抄き上げた有底の筒状体で
ある。この無機繊維として、ロックウール、アルミナシ
リケート繊維、シリカ繊維、チタン酸アルカリ繊維、ガ
ラス繊維、炭素繊維などが例示できる。ロックウール
は、岩石や製鉄などの副産物である鉱滓を主原料とし、
これをコークスとともに1500〜1600℃の高温で
溶融し、遠心力や圧縮空気で吹き飛ばして繊維化する。
ロックウールは、繊度4デニール程度の細い鉱物繊維の
集合体である。
【0013】 アルミナシリケート繊維は、高純度のア
ルミナとシリカを電気溶融してからスピニング法で繊維
化し、この際にZrOなどの金属酸化物を添加しても
よい。アルミナシリケート繊維は、繊維長が長く、ショ
ット含有率が少ないセラミックファイバである。シリカ
繊維は、ガラス繊維の原繊維から可溶性成分または有機
分を除去した後に焼成して製造する。好適なシリカ繊維
は、Eガラス、ソーダシリカガラス、ホウケイ酸ガラ
ス、ソーダケイ酸ガラス、ソーダライム系ガラスなどか
ら短繊維または長繊維を製造し、これらの繊維を酸処理
して可溶性成分を溶出してから焼成してシリカ骨格を形
成させ、例えばシリカ分は約95%以上に達する。
【0014】 一方、無機系バインダとして、コロイダ
ルシリカ、アルミナゾル、ベントナイト、重リン酸アル
ミニウム、アルミナセメント、低融点ガラス、結晶化低
融点ガラスなどが例示できる。コロイダルシリカは、シ
ロキサン結合の表面にシラノール基を持った単粒子高分
子シリカゲルであり、ゲル化させると、高分子の単粒子
がシラノール基の縮合脱水反応を起こしてシロキサン結
合鎖を形成し、多量体化して純粋なシリカゲルになる。
アルミナゾルは、含有するアルミナ粒子が極度に高い陽
性電荷を帯びており、陰性電荷を帯びた物質の表面に急
速に吸着され、その物質の表面に他の陰性物質を固着す
る。
【0015】 無機繊維と無機系バインダとから成形フ
ィルタ1を製造するには、これらを均質に分散させてか
ら適宜の形状に抄き上げてから乾燥・硬化することが必
要であり、分散媒として多量の水を用いるのが一般的で
ある。無機繊維と無機系バインダとは、水などの分散媒
とともに貯槽に入れ、攪拌によって全体を均質にし、懸
濁状態で安定したスラリーとする。この際に、懸濁液の
粘度調整のために、少量の増粘剤やラテックスを添加し
てもよいが、消泡剤やノニオン活性剤などの助剤は使用
することは少ない。貯槽における攪拌には、通常、スク
リュ型攪拌機やプロペラ型攪拌機などを使用し、例え
ば、無機繊維がロックウールであれば約1時間、アルミ
ナシリケート繊維やシリカ繊維などのセラミックファイ
バであれば約3時間攪拌すると好ましい。
【0016】 無機繊維と無機系バインダを含むスラリ
ーは、図2または図3に示すような中空型枠2,3に対
して付与し、この付与は浸漬、流し込み、吹き付け、塗
布法などのいずれでもよい。中空型枠2,3の外観形状
は、得るべき筒状素材8に応じて定め、図2や図3に示
すような有底の円筒形であっても、横長の筒形、広口の
袋形または異形断面の中空形などが可能である。中空型
枠2,3では、通常、筒体5の周端を肉厚のフランジ部
6に加工して変形を防いでいる。中空型枠2,3の寸法
は比較的大きく、例えば、全長500〜3000mm、
筒体5の内径30〜200mmおよび外径40〜22m
m、フランジ部6の外径45〜240mm、重量0.5
〜10kgである。
【0017】 図2に示す内枠式の中空型枠2では、ス
テンレス鋼の筒体5が全面多孔状のパンチングメタルか
らなり、パンチングの径は直径2〜5mmであり、該筒
体の外周面にステンレス鋼のメッシュ7を筒状に張り付
ける。筒体5には、先端からフランジ部6に向かってテ
ーパを付け、その外径が漸次大きくなることにより、外
周抄き上げの筒状素材8の脱枠が容易である。中空型枠
2のフランジ部6には、着脱可能な蓋体10を設置し、
脱水機(図示しない)と接続する管11を蓋体10に取
り付けて内部12と連通する。この結果、中空型枠2の
内部12は稼働時に減圧状態になって水分を吸引し、例
えば、貯槽のスラリー中に中空型枠2を浸漬すると、ス
ラリー中の固形成分を筒体5の外周面に抄き上げること
ができる。
【0018】 図3に示す外枠式の中空型枠3では、ス
テンレス鋼の筒体14が全面多孔状のパンチングメタル
からなり、パンチングの径は直径2〜5mmであり、該
筒体の内周面にステンレス鋼のメッシュ15を筒状に張
り付ける。中空型枠3は、例えば、筒体14の外周を覆
う筒状カバー13を有し、該カバーの周端を筒体14の
周端と気密に接続する。筒体14とメッシュ15は、通
常、2個の半割り型からなり、カバー13を外して両半
割り型を開くと、内周抄き上げの筒状素材16の脱枠が
容易である。中空型枠3のカバー13には、脱水機(図
示しない)と接続する管18を連通し、該管は所望に応
じて筒体14の後方周辺などに分岐させてもよい。この
結果、中空型枠3のカバー13と筒体14との間が稼働
時に減圧状態になって水分を吸引し、例えば、中空型枠
3内へスラリーを流し込んだり、中空型枠3を貯槽のス
ラリー中に浸漬すると、スラリー中の固形成分を筒体1
4の内周面に抄き上げることができる。
【0019】 スラリー中の固形成分を減圧脱水して抄
き上げる場合に、その脱水条件は、一般に、減圧度が4
9〜196kPa(0.5〜2kg/cm2)、処理時間
が10〜40秒であると好ましい。次に、型枠2,3を
筒状素材8,16から取り外し、該筒状素材を公知の熱
風乾燥機や赤外線乾燥機などの中に入れ、例えば、35
〜45℃の低温で24〜48時間乾燥する。筒状素材8
を低温で乾燥するのは、該素材中の無機系バインダが素
材表面に移行するのを防ぐためである。
【0020】 筒状素材8を低温で乾燥するに際し、図
4に示すように筒状体8の内部にエアーパイプ20を挿
入し、パイプ端を筒状体の底部近辺に配置すると好まし
い。エアーパイプ20は、その前方部周壁に細孔を設け
ており、該エアーパイプの細孔から温風を吹き出すと、
その温風を筒状体8の内面全体にほぼ均等に吹き付ける
ことができる。乾燥する筒状素材8について、その内面
側の密度を大きくするには、エアーパイプ20へ雰囲気
温度より20〜30℃高い空気を送り込み、吹き付け時
間は通常乾燥と同様に24〜48時間でよい。また、そ
の外面側の密度を大きくするには、エアーパイプ20へ
雰囲気温度より20〜30℃低い空気を送り込み、吹き
付け時間は前記と同様である。この結果、成形フィルタ
1の壁断面に密度勾配を付与することができる。
【0021】 所望の密度および通気性に定めた筒状素
材8は、耐水性と強度を向上させるために、公知の熱風
乾燥機や赤外線乾燥機などの中に入れ、さらに高温で硬
化させる。筒状素材8を硬化処理は、通常、温度60〜
100℃で1〜5時間処理すればよい。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0023】実施例1 図1に示すような成型フィルタ1を製造するため、無機
繊維として繊度約4デニールである市販のロックウール
と、無機系バインダとしてコロイダルシリカ(商品名:
スノーテックス、日産化学工業製)を用いる。コロイダ
ルシリカは、水またはアルコールが分散媒である。
【0024】 まず、コロイダルシリカからバインダ原
液を製造する。コロイダルシリカ20.0重量%と、増
粘剤(ポリアクリル酸重合体)0.1重量%と、水79.
9重量%とを添加してバインダ原液を製造する。
【0025】 得たバインダ原液からフィルタ用原液を
製造する。前記のバインダ原液97.3重量%と、ロッ
クウール2.7重量%とを十分に混合するため、2また
は3段スクリュの攪拌機に送り込み、該攪拌機における
スクリュの1段は鋸歯状スクリュである。この攪拌機に
おいて原液を1時間ゆっくりと攪拌し、ロックウールを
均等に分散させる。
【0026】 このフィルタ用原液からスラリーを製造
する。前記のフィルタ用原液27.5重量%と、水72.
5重量%とを混合すると、得たスラリーは懸濁状態で安
定している。
【0027】 内枠式の中空型枠2(図2)を貯槽のス
ラリーの中に浸漬する。中空型枠2には管11を接続し
た蓋体10を密に設置し、この管と連通する脱水機(図
示しない)を駆動して型枠内部12を減圧化する。この
減圧度は98kPa、減圧時間が30秒である。
【0028】 この減圧処理により、型枠内部12へ水
分を吸引してスラリー中の固形成分を脱水し、中空型枠
2の外周側に抄き上げ、該型枠の外周面に対応する有底
の円筒形に成形する。得た筒状素材8を脱枠した後に、
その内部にエアーパイプ20を挿入する(図4)。筒状
素材8の内面側の密度を大きくするため、エアーパイプ
20から雰囲気温度より20〜30℃高い温風を吹き出
して約40時間乾燥する。内面側の密度を大きくした筒
状素材8は、温度80℃で約4時間処理して硬化させ
る。
【0029】 得た成形フィルタ1は、そのまま都市ゴ
ミ焼却用集塵機に取り付けることができる。この集塵機
の運転条件は、ガス温度190〜210℃、濾過速度1
m/分であり、間欠運転を行う。含塵ガスは、水分50
%、塩化水素400ppm、SOx100ppmを含ん
でいる。この集塵機を6ヶ月運転した結果、成形フィル
タ1には何の問題も発生しなかった。
【0030】実施例2 実施例1について、ロックウールの代わりにアルミナシ
リケート繊維を用い、バインダ原液からフィルタ用原液
を調製する際に、3時間ゆっくり攪拌する以外は同様に
処理してスラリーを製造する。
【0031】 このスラリーを、外枠式の中空型枠3
(図3)の中に流し込む。中空型枠3のカバー13には
管18を接続し、この管と連通する脱水機(図示しな
い)を駆動して減圧化する。この減圧度は98kPa、
減圧時間が30秒である。
【0032】 この減圧処理により、該中空型枠のカバ
ー13と筒体14との間から水分を吸引してスラリー中
の固形成分を脱水し、中空型枠3の内周側に抄き上げ
る。得た筒状素材16は、中空型枠3の内周面に対応す
る有底の円筒形に成形されることになる。
【0033】 得た筒状素材16を脱枠した後に、該筒
状体の内部にエアーパイプ20を挿入する。筒状素材1
6の内面側の密度を大きくするため、エアーパイプ20
から雰囲気温度より20〜30℃高い空気を吹き出して
約40時間乾燥する。内面側の密度を大きくした筒状素
材16は、温度90℃で約4時間処理して硬化させる。
【0034】実施例3 実施例1について、ロックウールの代わりにシリカ繊維
を用い、バインダ原液からフィルタ用原液を調製する際
に、3時間ゆっくり攪拌する以外は同様に処理してスラ
リーを製造する。
【0035】 このスラリーの中に、実施例1と同様に
内枠式の中空型枠2を浸漬して筒状素材8を製造する。
得た筒状素材8を脱枠した後に、筒状体8の内部にエア
ーパイプ20を挿入する。筒状素材8の外面側の密度を
大きくするため、エアーパイプ20から雰囲気温度より
20〜30℃低い空気を吹き出し、約35時間乾燥す
る。外面側の密度を大きくした筒状素材8は、温度80
℃で約4時間処理して硬化させる。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る成形フィルタは、高温の塵
挨を捕集するのに適した一体成形の無機質フィルタであ
り、通常のバッグフィルタに比べて耐酸性および耐熱性
が高く且つ柔軟である。本発明の成形フィルタは、40
0〜1000℃の雰囲気下で熱設備に取り付け可能であ
るため、製錬所、鋳造工場、ガラス工場、セメント工場
におけるボイラ設備、流動床や集塵機、ゴミ焼却炉、窯
炉、冶金工業などのあらゆる分野で長期間に亘って使用
できる。
【0037】 本発明の成形フィルタは、一体成形であ
る有底の筒状体であるから、フェルト製品のように使用
に際して縫製する必要がなく、寸法安定性が良好であっ
て長期間の使用が可能であり、寸法安定性がより増すこ
とで所定の強度保持率を数年間に亘って維持できる。本
発明の成形フィルタを製造する場合には、抄き上げ加工
時に無機繊維が脱落することがなく、常に良好な作業環
境を維持できる。
【0038】 本発明の成形フィルタは、各種の熱設備
に取付ける濾過用部品として検討すると、フェルト材に
用いるPTFE繊維などに比べると遙かに安く、全体と
して高価な繊維の使用量が少なくなって経済的である。
また、本発明の成形フィルタは、数年に亘って交換不要
であるから、交換作業用の人員や時間の点でも有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る成形フィルタを示す概略斜視図
である。
【図2】 本発明で用いる内枠式の中空型枠を示す概略
断面図である。
【図3】 本発明で用いる外枠式の中空型枠を示す概略
断面図である。
【図4】 エアーパイプによる低温乾燥処理を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1 成形フィルタ 2,3 中空型枠 5 筒体 8 筒状素材 20 エアーパイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 剛司 和歌山県有田市辻堂1−1 ライオンケミ カル株式会社内 Fターム(参考) 4D019 AA01 BA03 BA04 BA05 BB01 BC12 CA03 CB06 DA02 DA03 4L047 AA02 AA03 AA04 AA05 AA06 BA13 BA15 BA21 BC14 CC12 EA22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温の塵挨を捕集するのに適した一体成
    形のフィルタであって、ロックウールやセラミックファ
    イバなどの無機繊維と無機系バインダとを均質に分散さ
    せた有底の筒状体であり、低温乾燥処理によって所望の
    密度および通気性に定めて乾燥・硬化させる成形フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 高温の塵挨を捕集するのに適した一体成
    形のフィルタであって、ロックウールやセラミックファ
    イバなどの無機繊維と無機系バインダとからなる均質の
    筒状体であり、低温乾燥処理において、筒状素材の内部
    に挿入したエアーパイプから雰囲気温度より20〜30
    ℃高い空気を吹き出して筒状体内面側の密度を大きく、
    または雰囲気温度より20〜30℃低い空気を吹き出し
    て筒状体外面側の密度を大きくした後に硬化させる成形
    フィルタ。
  3. 【請求項3】 無機繊維がロックウール、アルミナシリ
    ケート繊維、シリカ繊維、チタン酸アルカリ繊維、ガラ
    ス繊維、炭素繊維からなり、無機系バインダがコロイダ
    ルシリカ、アルミナゾル、ベントナイト、重リン酸アル
    ミニウム、アルミナセメント、低融点ガラス、結晶化低
    融点ガラスからなる請求項1または2記載の成形フィル
    タ。
  4. 【請求項4】 無機繊維が全量の5〜30重量%、無機
    系バインダが70〜95重量%である請求項1または2
    記載の成形フィルタ。
  5. 【請求項5】 ロックウールやセラミックファイバなど
    の無機繊維と無機系バインダとを媒質に分散し、全体が
    均質になるまで攪拌して懸濁状態で安定させ、得たスラ
    リーを中空型枠に対して付与し、該型枠の多孔面に応じ
    てスラリー中の固形成分を減圧脱水して抄き上げ、型枠
    形状に成形した後に型枠から筒状素材を取り外し、加熱
    処理によって筒状素材を乾燥および硬化させる成形フィ
    ルタの製造法。
  6. 【請求項6】 ロックウールやセラミックファイバなど
    の無機繊維と無機系バインダとを水に分散し、全体が均
    質になるまで攪拌して懸濁状態で安定させ、得たスラリ
    ー中に中空型枠を浸漬するかまたはスラリーを流し込
    み、該型枠の内部から吸引してスラリー中の固形成分を
    減圧脱水して型枠の外側または内側に抄き上げ、該型枠
    の多孔周面を応じて有底の筒形状に成形した後に型枠か
    ら筒状素材を取り外し、低温乾燥処理によって筒状素材
    を所望の密度および通気性に定め、さらに高温で硬化さ
    せる成形フィルタの製造法。
JP2001299415A 2001-09-28 2001-09-28 成形フィルタとその製造法 Pending JP2003103126A (ja)

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