JP2003102509A - 安全靴用先芯およびその製造方法 - Google Patents

安全靴用先芯およびその製造方法

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JP2003102509A JP2001304490A JP2001304490A JP2003102509A JP 2003102509 A JP2003102509 A JP 2003102509A JP 2001304490 A JP2001304490 A JP 2001304490A JP 2001304490 A JP2001304490 A JP 2001304490A JP 2003102509 A JP2003102509 A JP 2003102509A
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Norihide Enomoto
憲秀 榎本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量でかつ機械的強度に優れ安価なJIS(S
種)規格の安全靴用先芯の提供。 【解決手段】質量平均繊維長が0.6mm以上で、かつ
最大繊維長が50mmであるガラス繊維と、熱可塑性樹
脂とを含有する安全靴用先芯。好ましくは熱可塑性樹脂
がポリプロピレンであり、質量平均繊維長が2.3mm
以上であるか、あるいは熱可塑性樹脂がポリアミドであ
り、質量平均繊維長が1.9mm以上である安全靴用先
芯。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量でかつ機械的
強度に優れた安全靴用先芯およびそれを効率的に製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】靴の先芯(Toecap) は、靴、ブーツなど
の靴先を構造的に補強し、重量物による圧迫、あるいは
重量物の落下などから足の爪先部を保護し、安全性を高
めるものである。安全靴の先芯は、JIS T8101
(革製安全靴)により、その形状とともに、重作業用
(H種)、普通作業用(S種)、軽作業用(L種)の作
業区分に応じた耐圧迫性、耐衝撃性などの性能が規定さ
れている。特に、重作業用(H種)、普通作業用(S
種)用安全靴の先芯は、JIS G4401(炭素工具
鋼鋼材)のSK7と同等以上の強さをもつことが規定さ
れており、従来、鋼製のものが使用されている。
【0003】上記のような安全靴は、先芯材料を鋼材か
ら樹脂に代え、安全靴を軽量化することが望まれていた
が、近年、繊維強化樹脂シートのプレス成形により、こ
れを実用化することができ、使用され始めている。この
ような先芯のプレス成形は、たとえば特開平5−147
146号、特開平6−141908号、特開平9−30
9171号、特開平11−332611号などに提案さ
れている。
【0004】しかしながらプレス成形で用いられる繊維
強化樹脂シートは、たとえば不織布形態の繊維を含む樹
脂層、織物形態の繊維を含む樹脂層などから形成される
積層構造シートであり、その製造には煩雑な積層工程を
必要とする。またガラス繊維などで強化されたシートの
プレス成形品は、プレス成形後、余分な箇所を切出し加
工する二次工程も必要とする。
【0005】一方、射出成形法は、プレス法のようなシ
ート積層工程を必要とせず、また成形品はゲート処理さ
えすればそのまま製品として供することが可能である。
このため安全靴用先芯を射出成形により製造することも
提案されている(特開平9−238708号、特開平7
−67702号など)。たとえば上記特開平9−238
708号には、成形時に特定方向に合成樹脂を射出し
て、配向性をなくすことにより強度を高める方法が提案
されている。該公報の実施例では、この方法により、ポ
リアミド合成樹脂とガラス繊維とを配合した材料を射出
成形し、軽作業用(L種)規格を満たす安全靴用先芯を
得ている。
【0006】射出成形用熱可塑性樹脂を繊維で強化する
際には、通常、質量平均繊維長さ(重量平均繊維長さ)
が0.3mm以下のガラス繊維が用いられ、このような
短繊維で強化された熱可塑性樹脂はガラス短繊維強化材
と称されている。具体的にガラス短繊維強化材を用いた
射出成形について本発明者が試験したところでは、前述
のJIS T8101普通作業用規格(以下JIS(S
種)規格ともいう)の圧迫試験に耐える程度の成形品を
得ることはできるが、衝撃試験には全く耐えられなかっ
た。一方、ガラス短繊維強化材にゴム成分などの衝撃緩
和剤を添加して衝撃特性を向上させた場合には、機械的
強度および曲げ弾性率が低下し、耐圧迫特性は低下して
しまう。
【0007】このため射出成形法によれば生産性よく安
全靴用先芯を製造することができるが、プレス成形品の
ような高強度のものは得られにくく、従来知られている
射出成形品の強度は、上記公報実施例に示される軽作業
用(L種)規格程度が限度といえ、射出成形によるJI
S(S種)規格をも満たす安全靴用先芯の製品化は困難
であると考えられていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量でかつ
JIS(S種)規格にも合致し得る強さの樹脂製安全靴
用先芯、およびこれを射出成形または射出圧縮成形法に
より生産性よく製造し得る方法を提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】射出成形は、シリンダー
内で加熱され可塑化された成形材料を、インラインスク
リュの回転により溶融混練しながら射出口に送り、金型
内に射出する方法である。このようなシリンダー内で
は、混練による剪断と、ガラス同士の擦れ合いによりガ
ラス繊維は折損・破壊してしまうので、繊維長の長いガ
ラス繊維を用いても成形品中での繊維長は短くなってし
まい、繊維による強化効果が得られにくい。
【0010】本発明者は、射出成形法によっても、充分
な繊維強化効果を発現し得る射出成形用樹脂材料につい
て鋭意検討したところ、予め熱可塑性樹脂をガラス繊維
に含浸させ、ガラス繊維を樹脂で濡らしておくと、射出
成形品中に、質量平均繊維長が0.6mm以上の長いガ
ラス繊維が残存し、高強度化効果が得られることを見出
した。そしてこのような方法において、熱可塑性樹脂と
して熱可塑性ポリウレタンを用いた射出成形安全靴先芯
の発明を先に特許出願した。
【0011】また上記検討の過程においては、熱可塑性
樹脂としてポリプロピレン、ポリアミドなどの熱可塑性
ポリウレタン以外の汎用熱可塑性樹脂を使用した場合に
も、最終的に製品中の質量平均繊維長が1.9mm〜
2.3mm程度以上であれば、耐圧迫性と耐衝撃性とに
求められる強度を両方とも満たし、JIS(S種)規格
相当の耐圧迫性と耐衝撃性とを満たす射出成形製品が得
られることを見出して、本発明を別途完成するに至っ
た。
【0012】すなわち本発明では、質量平均繊維長が
0.6mm以上で、かつ最大繊維長が50mmであるガ
ラス繊維と、熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性樹脂
とを含有する安全靴用先芯を提供する。上記熱可塑性樹
脂は、ポリプロピレンおよび/またはポリアミドである
ことが望ましい。本発明の安全靴用先芯は、射出成形品
であることが望ましく、射出圧縮成形品でもよい。上記
安全靴用先芯中のガラス繊維含量は30〜80質量%で
あることが望ましい。
【0013】好ましい態様例として、熱可塑性樹脂がポ
リプロピレンであり、質量平均繊維長が2.3mm以上
である安全靴用先芯、あるいは熱可塑性樹脂がポリアミ
ドであり、質量平均繊維長が1.9mm以上である安全
靴用先芯が挙げられる。これらはJIS(S種)規格に
合格する耐圧迫性および耐衝撃性を有する。本発明に係
る安全靴用先芯の製造方法は、熱可塑性ポリウレタン以
外の熱可塑性樹脂と質量平均繊維長2mm以上のガラス
繊維とを含み、該熱可塑性樹脂が該ガラス繊維に含浸さ
れてなる繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを射出成形する
ことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明をより具体的に説明す
る。本発明に係る安全靴用先芯は、質量平均繊維長が
0.6mm以上で、かつ最大繊維長が50mmであるガ
ラス繊維と、熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性樹脂
とを含有する。上記において、熱可塑性ポリウレタン以
外の汎用の熱可塑性樹脂、たとえばポリオレフィン、ポ
リアミド、ポリスチレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、
ポリエステル、ポリカーボネートなどを広く用いること
ができる。これらのうちでも、特に安価なポリプロピレ
ンおよび/またはポリアミドを用いることが望ましい。
【0015】ポリプロピレンは、ホモポリプロピレンで
も共重合ポリプロピレンでもよく、また共重合ポリプロ
ピレンはブロック共重合体でもランダム共重合体でもよ
い。またガラス繊維およびその表面処理剤との接着性を
もたせるために、上記各ポリプロピレンをさらに無水マ
レイン酸などの極性成分をグラフト反応により付加させ
た変性ポリプロピレンも好ましい。変性ポリプロピレン
は、未変性ポリプロピレンと併用することが好ましく、
この場合の未変性ポリプロピレンはホモであるか共重合
であるかを問わない。変性ポリプロピレンは、未変性ポ
リプロピレンに対して、0.5〜50質量%の量で使用
することができる。本発明では、メルトフローレート
(MFR:JIS K7210に準拠して、200℃、
49.03MPa(5 kgf/cm2 )荷重下で測定)10〜
250g/10min のポリプロピレンが好ましく用いら
れる。
【0016】ポリアミドとしては、ナイロン6 、ナイロ
ン6 ,6 、ナイロン4 ,6 、ナイロン12などの商品名
で知られているポリアミドおよび芳香族ポリアミドなど
を用いることができる。本発明に係る安全靴用先芯は、
熱可塑性樹脂は70〜20質量%の量で含有しているこ
とが望ましい。なお熱可塑性樹脂の耐衝撃性向上を目的
として、ゴム成分またはゴム成分で変性された熱可塑性
樹脂を40質量%以下であれば添加することができる。
【0017】ガラス繊維の質量平均繊維長は、下記式よ
り算出される。 Lw=Σ(wi×Li)/Σwi wi:個々のガラス繊維質量 Li:個々のガラス繊維長さ 具体的には、成形品またはペレットを焼成し、樹脂分を
除去した後に、無作為に抽出したガラス繊維400本の
繊維長を測定する。より具体的には、測定視野1cm×
1cmを30〜40倍に顕微鏡で拡大し、長さを定規で
測り、測定本数が合計400本に到達するまで測定視野
をスライドさせ測定した。個々のガラス繊維質量wi
は、下記式により算出する。 wi=(ガラス繊維に使用されたガラスの密度)×(ガ
ラス繊維長)×(ガラス繊維の半径)2 ×π
【0018】本発明の安全靴用先芯では、ガラス繊維の
質量平均繊維長が、0.6mm以上であれば、長繊維の
絡み合いによる衝撃特性、機械的特性の強化効果が顕著
に得られるが、この繊維長が長いほど強化効果の向上が
見られ、通常、質量平均繊維長は1mm以上、さらに
1.5mm以上であることが好ましい。なお射出成形で
は、成形性の面から極端に長い繊維は使用できないた
め、成形品での繊維長は最大でも上記50mm程度とな
る。最大繊維長は、好ましくは25mmであり、さらに
好ましくは15mmである。
【0019】ガラス繊維の材質類は、一般的に用いられ
るガラス繊維でよく、特に限定されない。たとえばE−
ガラス、AR−ガラス、T−ガラス、D−ガラス、S−
ガラス、C−ガラス、R−ガラスなどを例示することが
できる。本発明に係る安全靴用先芯は、上記のようなガ
ラス繊維を30〜80質量%の量で含有していることが
望ましい。ガラス繊維含量が30質量%未満では、機械
的特性の向上効果が得られにくく、また80質量%より
大きくなると射出成形時に流動性の低下を招き、充填不
良を起こしやすくなる傾向がある。また本発明では、後
述するようにガラス繊維に樹脂を含浸させてなる射出成
形ペレットを用いることが好ましいが、ガラス繊維量が
多いと、このペレットの製造速度が遅くなり、経済的に
不利となる。また本発明に係る安全靴用先芯は、熱可塑
性樹脂およびガラス繊維に加えて、本発明の目的を損な
わない範囲であれば他の成分を任意に含有していてもよ
い。
【0020】上記のうちでも、好ましい態様例として、
熱可塑性樹脂がポリプロピレンであり、質量平均繊維長
が2.3mm以上、好ましくは2.5mm以上、さらに
好ましくは3mm以上である安全靴用先芯を挙げること
ができる。また好ましい他の態様例として、熱可塑性樹
脂がポリアミドであり、質量平均繊維長が1.9mm以
上、、好ましくは2.5mm以上、さらに好ましくは3
mm以上である安全靴用先芯が挙げられる。これらはJ
IS(S種)規格に合致する耐圧迫性および耐衝撃性を
有する。したがって本発明ではこのような先芯を含む安
全靴も提供することができる。
【0021】上記のような安全靴用先芯は、射出成形品
であることが望ましい。射出圧縮成形品でもよい。本発
明では、熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性樹脂と、
質量平均繊維長2mm以上のガラス繊維とを含む繊維強
化熱可塑性樹脂ペレットを射出成形することにより上記
のような安全靴用先芯を製造することができる。
【0022】ここで本発明で用いられる繊維強化熱可塑
性樹脂ペレットでは、熱可塑性樹脂がガラス繊維に含浸
されている。熱可塑性樹脂をガラス繊維に含浸させて
(濡らして)射出成形に供すると、混練時のガラス同士
の擦れ合いを低減でき、またガラス繊維間に存在する樹
脂が剪断エネルギーを吸収してガラス繊維の折損を抑制
できるとともに、均質に分散しやすくなるので、長い繊
維長のガラス繊維が均質に絡み合った成形品が得られ
る。
【0023】ペレットの組成は、所望する成形品組成と
実質的に同じであり、上記した成形品中のガラス繊維お
よび熱可塑性樹脂含量に応じて適宜選択することができ
る。ペレット中のガラス繊維長さは、通常、質量平均繊
維長2mm以上であれば最終的に製品中の質量平均繊維
長0.6mmを確保することができる。またその上限は
射出成形性の面から通常150mm程度までが好まし
く、より好ましくは50mm程度であり、さらに好まし
くは30mm程度である。
【0024】上記好ましい態様例である1.9mm以上
の質量平均繊維長を得るための好ましいペレットのガラ
ス繊維の質量平均繊維長は5mm以上であり、さらに好
ましくは7mm以上である。このような長い質量平均繊
維長のガラス繊維を含む射出成形品を得るには、たとえ
ばスクリュ形状の選択あるいはスクリュ背圧、スクリュ
回転数、押出速度の調整など、種々の条件を適宜に調整
して得ることができる。スクリュとしては、たとえば特
開平11−34131号公報に記載されるような形状の
ものを用いることができる。
【0025】ガラス繊維の直径は、円形相当で5〜35
μm程度が好ましく、さらに好ましくは9〜20μm程
度である。円形以外の断面形状では、その断面積が円形
面積に相当していればよい。なお直径が5μmよりも小
さくなると同一ガラス含量であっても、相対的にガラス
繊維数が増加するため樹脂が含浸しくにくなり、一方3
5μmを超えて大きい繊維は成形品の表面外観を悪化さ
せる傾向がある。
【0026】また本発明では、ペレット中のガラス繊維
は、実質的に同一長さを有し、かつ同方向に配置してい
ることが望ましい。上記のような形態のペレットは、そ
の製造方法は特に問われないが、ガラス繊維束に熱可塑
性樹脂を含浸させた後、所望のガラス繊維長さに相当す
る長さに切断して得ることができる。
【0027】このガラス繊維束としては、具体的に、引
抜き法で使用可能な連続したガラス繊維束、例えば、数
千〜数万本のガラスフィラメントを集めた束をコイル状
に巻き取ったガラスロービングなどを用いることができ
る。
【0028】ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸させる
に先立って、カップリング剤を含む表面処理剤で表面処
理すれば、ガラス繊維束中への樹脂の含浸が良好にな
り、さらにはガラス繊維と樹脂との接着が良好になり、
成形品の強度も向上するので好ましい。カップリング剤
としては、アミノシラン、エポキシシラン、アミドシラ
ン、アジドシラン、アクリルシランなどのシランカップ
リング剤、チタネート系カップリング剤またはこれらの
混合物が利用できる。これらのうちでも、アミノシラン
およびエポキシシランが好ましく、特にアミノシランカ
ップリング剤が好ましい。表面処理剤にはカップリング
剤に加え、界面活性剤、帯電防止剤などが含まれていて
もよい。
【0029】熱可塑性樹脂をガラス繊維束に含浸する方
法は、特に限定されないがたとえば(1) 熱可塑性樹脂の
エマルジョンをガラス繊維束に含浸し、付着後、乾燥さ
せる方法、(2) 熱可塑性樹脂の粉末懸濁液をガラス繊維
束に付着させ、乾燥後加熱溶融含浸させる方法、(3) ガ
ラス繊維束を帯電させて、熱可塑性樹脂粉末を付着させ
た後、加熱溶融含浸させる方法、(4) 溶媒に溶解した熱
可塑性樹脂をガラス繊維束に含浸後、溶媒を除去する方
法、(5) 熱可塑性樹脂の連続繊維とガラスの連続繊維の
混合繊維を加熱し、溶融した樹脂をガラス繊維束に含浸
させる方法、(6) 加熱溶融した熱可塑性樹脂を、バー、
ロール、ダイス上でガラス繊維束を開繊させながら含浸
させ、引抜く方法(引抜き法)などが挙げられる。これ
らのうちでも(6) の方法は、装置およびプロセス面で簡
便である。
【0030】また熱可塑性樹脂含浸時に、導電性材料、
酸化防止剤、耐光安定剤、難燃剤などの添加剤、マイ
カ、タルク、チタン酸ウイスカー、ウオラストナイト、
ガラスフレーク、ガラスビーズなどの補強材を適宜に添
加してもよい。これらはどこで添加してもよい。
【0031】熱可塑性樹脂を含浸させたガラス繊維束
は、乾燥または冷却し、所望の長さに切断する。切断さ
れたペレット長さはペレットの質量平均長さで定義さ
れ、上記のように実質的に所望の質量平均繊維長さに相
当する。また上記のような方法によりペレットを製造す
ると、ガラス繊維の径とペレット長さの選択によりアス
ペクト比を容易に調製することができる。
【0032】成形方法としては、特に限定されないが、
低圧射出成形、射出圧縮成形などの射出成形方法が生産
性の面から好ましい。なお上記のような形態であれば市
販のペレットを用いることもできる。
【0033】射出成形方法では、JIS T8101
(革製安全靴)規格に応じた先芯を容易に成形すること
ができるが、金型選択によりその厚みも所望のものを得
ることができる。また製品仕上げも成形後にゲート処理
を行う程度でよい。
【0034】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 (実施例1) <射出成形用ペレット>バー、ロール、ダイス上でガラ
ス繊維束を開繊させながら、加熱溶融した表1に示すポ
リプロピレン(MFR:60g/10min ))を含浸さ
せ、樹脂の充分に含浸したガラス繊維を引抜き、これを
冷却後、ペレット長が12mmとなるように切断し、繊
維強化熱可塑性樹脂ペレットを得た。なお引抜き時のダ
イス穴径を調整することにより、樹脂量を制御して製造
したペレットを使用した。表1に、使用したペレットの
商品名、樹脂またはガラス含有量を示す。なお表1中、
VERTONは、米国LNPエンジニアリングプラスチ
ック社製商標である。
【0035】<安全靴用先芯の射出成形>表1に示すペ
レットを用いて、JIS T8101(5.2.3項)
に準じた形状のサイズ25cm用先芯射出成形品を以下
の成形条件により製造した。(先芯の平均厚みは3.1
mm、中底と先芯の隙間は41mm) 射出成形機:名機製作所(株)製 M−200B−DM(型締力200トン) 樹脂温度: 230℃(ポリプロピレン) 金型温度: 70℃ 充填時間: 2秒 射出時間(射出と保圧): 15秒 保圧: 成形能力の60% 計量時スクリュ回転: 30rpm 計量時スクリュ背圧: 0kPa
【0036】成形品(先芯)中の最大繊維長、質量平均
繊維長は成形品を焼成後、前記方法により顕微鏡観察し
て求めた。
【0037】<試験>上記で得られた先芯について、J
IS T8101の普通作業用の基準に従い、耐圧迫性
と耐衝撃性の試験を行った。結果を表1に示す。革製安
全靴規格(JIS T8101) 普通作業用(S種)では、102
0kgf(10kN)の圧迫荷重負荷時に破壊すること
なく、所定の隙間を維持する必要がある。また同規格の
衝撃試験では、指定形状の20kgの落錘を36cmの
高さから落下させても、先芯は、破壊されることなく、
また所定の隙間を維持する必要がある。なお25cmの
先芯の場合、圧迫荷重負荷時と衝撃試験での所定の隙間
(残存高さ)はともに13.5mm以上である。
【0038】(実施例2〜3)表1に示すポリアミド系
ペレット商品を用い、射出成形の樹脂温度を295℃に
変えた以外は、実施例1と同様にして先芯を射出成形し
た。結果を表に示す。
【0039】(比較例1〜2)実施例1の熱可塑性樹脂
ペレットを、表1に示すような、短繊維強化ナイロン
(旭化成工業(株)製、90G50、ガラス繊維50質
量%)(比較例1)、短繊維強化熱可塑性樹脂(米国R
TP社製グレード2307A質量平均繊維長さ0.28
mm以下のガラス短繊維を40質量%含み、熱可塑性樹
脂は実施例のものと同じ)(比較例2)に代えた以外
は、実施例1と同様にして安全靴用先芯成形品を製造
し、実施例1と同様の試験を行った。なお比較例1での
成形温度は295℃、比較例2での成形温度は230℃
とした。
【0040】
【表1】
【0041】実施例2の射出成形先芯はJIS(S種)
規格を満たすが、実施例2とガラス繊維含量および熱可
塑性樹脂が同一であっても比較例1で得られる射出成形
先芯はJIS(S種)規格を満たさない。なお本発明の
安全靴先芯は、併せて軽量化も達成することができる。
市販されている普通作業用(S種)用安全靴先芯は、一
個当り60g程度である。本発明の先芯の重量は、ポリ
プロピレン樹脂ベースでは45g以下を達成することが
可能であり、ポリアミド樹脂ベースでも48g以下とす
ることができる。本発明の実施例のすべての先芯は、ポ
リアミドで48g以下、ポリプロピレンで45g以下を
達成していた。
【0042】
【発明の効果】本発明では、軽量でかつ機械的強度に優
れた安全靴用先芯が提供される。汎用熱可塑樹脂を含む
安価なJIS(S種)規格の安全靴用先芯を提供するこ
とができる。またこのような規格を満たす安全靴用先芯
を軽量化することもできる。本発明では、射出成形法に
より上記のような安全靴用先芯を製造しており、従来の
プレス成形法に比べ、簡素化された工程で効率よく製造
することができる。射出成形により得られた本発明によ
る安全靴用先芯は、樹脂が溶融流入したゲート口を切断
処理するだけで、そのまま安全靴の部品として使用する
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量平均繊維長が0.6mm以上で、かつ
    最大繊維長が50mmであるガラス繊維と、熱可塑性ポ
    リウレタン以外の熱可塑性樹脂とを含有する安全靴用先
    芯。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンであ
    り、質量平均繊維長が2.3mm以上である請求項1に
    記載の安全靴用先芯。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性樹脂がポリアミドであり、質
    量平均繊維長が1.9mm以上である請求項1に記載の
    安全靴用先芯。
  4. 【請求項4】射出成形品であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の安全靴用先芯。
  5. 【請求項5】前記安全靴用先芯中のガラス繊維含量が3
    0〜80質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の
    安全靴用先芯。
  6. 【請求項6】熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性樹脂
    と、質量平均繊維長2mm以上のガラス繊維とを含み、
    該熱可塑性樹脂が該ガラス繊維に含浸されてなる繊維強
    化熱可塑性樹脂ペレットを射出成形する請求項1〜5の
    いずれかに記載の安全靴用先芯の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006070090A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Kishimoto Sangyo Co Ltd 安全靴用先芯及びそれを用いた安全靴
JP2006192188A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Kishimoto Sangyo Co Ltd 安全靴用先芯及びそれを用いた安全靴
KR101772094B1 (ko) * 2014-12-03 2017-08-29 (주)경동하이테크 안전화용 선심의 제조방법

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