JP2003102482A - 遺伝子、タンパク質、組み換え体および水素生産方法 - Google Patents
遺伝子、タンパク質、組み換え体および水素生産方法Info
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
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Abstract
ゼ遺伝子によってコードされる新規ヒドロゲナーゼ、ヒ
ドロゲナーゼ遺伝子を導入した組み換え体を利用する水
素の効率的生産方法等を提供する。 【解決手段】 Clostridium parapu
trificum由来の特定の塩基配列を有する新規ヒ
ドロゲナーゼ遺伝子。上記遺伝子の塩基配列がコードす
るアミノ酸配列を有するタンパク質(ヒドロゲナー
ゼ)。上記遺伝子を宿主に導入した組み換え体を用いて
水素源材料の分解を行い、水素ガスを高効率に得る水素
生産方法等。
Description
raputrificum M株由来の新規ヒドロゲナーゼ遺伝子、
該ヒドロゲナーゼ遺伝子とそのプロモーター領域とを含
む新規遺伝子、これらの遺伝子によってコードされる新
規ヒドロゲナーゼ、ヒドロゲナーゼ遺伝子を導入した組
み換え体、及びこの組み換え体を利用する水素の効率的
生産方法に関する。
物質として、単位密度当たりのエネルギー量が高く、燃
焼後に公害物質を生じない水素ガスの利用が期待されて
おり、この点から、水素ガスの効率的生産方法が研究・
開発されている。
化学的又は電気的な手段を利用する方法が主流である。
しかしこれらの方法では、何らかの意味で化石燃料によ
るエネルギー供給が必要不可欠であり、化石燃料に変わ
るクリーンなエネルギー物質としての水素ガス利用の本
来の目的に反する。そして実際に、公害物質の発生等の
環境汚染や、地球温暖化等をを引き起こす恐れがある。
な水素ガス生産方法が注目される。水素を生産する微生
物としては、らん藻や緑藻(例えばクロレラ)などの藻
類と細菌に分けられる。細菌においては、主に光合成細
菌と嫌気性細菌とが水素生産に利用可能な水素ガス発生
反応を触媒する能力を有している。嫌気性細菌が糖類か
ら水素を生産することは周知の事実であり、これを利用
して野生株の嫌気性細菌を用いた水素生産を行う場合も
ある。
ム(Clostridium )属の細菌において、グルコース,キ
チン等の糖類を水素,有機酸等に変換する際に、1モル
のグルコースからは理論的には4モルの水素が発生する
(C6 H12O6 +2H 2 O→2CH3 COO
H+2CO2 +4H2 )筈であるが、実際には1〜
2モルの水素ガス発生にとどまっている事が知られてい
る。そのため、より高効率に水素ガスを生産できる微生
物が求められている。
機構は、ヒドロゲナーゼが関与する機構とニトロゲナー
ゼが関与する機構との2つに大別される。水素生産反応
を触媒する酵素であるヒドロゲナーゼは多くの微生物に
存在するため、ヒドロゲナーゼをコードする遺伝子が注
目されている。
由来のヒドロゲナーゼ遺伝子の研究として、Microbiolo
gy Vol.141 (Pt 1), pp.171-180, 1995 、Microbiology
Vol.30, pp.9697-9704,1991 、T. Bacteriol. Vol.178
(9), pp.2668-2675, 1996等が報告されている。
のところ、十分に高効率な水素ガス生産能を有する酵素
を発現させるヒドロゲナーゼ遺伝子は報告されていな
い。そこで本発明は、このようなヒドロゲナーゼ遺伝子
と、この遺伝子を強く発現させる優れたプロモーター
と、これらによって発現されるヒドロゲナーゼと、前記
ヒドロゲナーゼ遺伝子を導入した組み換え体と、これら
の組み換え体を利用した高効率な水素ガス生産方法とを
提供することを、解決すべき課題とする。
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、配列番号1に示す塩基配列における塩
基番号466〜2211の塩基配列を有する、遺伝子で
ある。
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
配列番号1に示す塩基配列における塩基番号466〜2
211の塩基配列と相補的な塩基配列のDNAに対して
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、ヒドロ
ゲナーゼ遺伝子として機能し得る、遺伝子である。
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係る遺伝子の上流に、配列
番号1に示す塩基配列における塩基番号1〜465のプ
ロモータ領域を連結した、遺伝子である。
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
第1発明又は第2発明に係る遺伝子によってコードされ
るアミノ酸配列を有する、タンパク質である。
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
配列番号1に示すアミノ酸番号1〜582のアミノ酸配
列を有する、タンパク質である。
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
配列番号1に示すアミノ酸番号1〜582のアミノ酸配
列において1個〜5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加
されたアミノ酸配列を有し、ヒドロゲナーゼ活性を示
す、タンパク質である。
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
第1発明〜第3発明のいずれかに係る遺伝子を宿主に導
入した、組み換え体である。
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
前記第7発明に係る宿主が、絶対嫌気性細菌,通性嫌気
性細菌及び好気性細菌を含む原核細胞、又は真核細胞で
ある、組み換え体である。
めの本願第9発明(請求項9に記載の発明)の構成は、
前記第7発明に係る宿主が Clostridium paraputrific
um M株(FERM P−16390)である、組み換
え体である。
ための本願第10発明(請求項10に記載の発明)の構
成は、第7発明〜第9発明のいずれかに係る組み換え体
を用いて水素源材料の分解を行い、水素ガスを高効率に
得る、水素生産方法である。
ための本願第11発明(請求項11に記載の発明)の構
成は、前記第10発明に係る水素源材料がキチン質材料
又はデンプン質材料である、水素生産方法である。
明の遺伝子は、 Clostridium paraputrificum M株に
由来する新規なヒドロゲナーゼ遺伝子である。第1発明
によって、十分に高効率な水素ガス生産能を有するヒド
ロゲナーゼをコードする遺伝子が提供される。
子に対しても、第1発明の遺伝子と同等の作用・効果を
期待することができる。
したプロモータ領域は、ヒドロゲナーゼ遺伝子の上流に
連結された時、ヒドロゲナーゼ遺伝子の転写を強く促進
する効果があるものと考えられる。
2発明の遺伝子によってコードされるアミノ酸配列を有
するタンパク質は、優れたヒドロゲナーゼ活性を示す。
すアミノ酸番号1〜582のアミノ酸配列を有するタン
パク質は、優れたヒドロゲナーゼ活性を示す。
パク質に対しても、第5発明のタンパク質と同等の作用
・効果を期待することができる。
換え体は、適当な水素源材料を投与した時、高効率な水
素ガス生産能力を発揮する。後述の実施例によれば、天
然型のC. paraputrificum M株の水素ガス生産能力に
対して、このM株を宿主とする第7発明の組み換え体
は、水素ガス生産能力が最大で約1.8倍増大した。
主としては、例えばヒドロゲナーゼにより水素ガスの生
産が可能な各種の原核細胞(細菌)や真核細胞を好まし
く例示できる。細菌としては、絶対嫌気性細菌、通性嫌
気性細菌及び好気性細菌に属する特定のものが好ましく
利用可能である。らん藻や緑藻も好ましく利用可能であ
る。
主としては、 Clostridium paraputrificum M株を、
特に好ましく例示できる。
9発明の組み換え体を用いて適宜な水素源材料の分解を
行い、水素ガスを高効率に得ることができる。
明に係る水素源材料の種類は限定されないが、例えばキ
チン質材料又はデンプン質材料を好ましく例示できる。
これらの材料は、例えばエビ殻,カニ殻,トウモロコシ
屑等として廃棄物処理が問題になっている材料であるた
め、水素ガス生産と廃棄物処理とを同時に達成できる可
能性がある。
施の形態について説明する。以下において単に「本発
明」と言うときは、第1発明〜第11発明を一括して指
している。
ドロゲナーゼ遺伝子は、好ましくは、C. paraputrific
um M株に由来する新規なヒドロゲナーゼ遺伝子であ
る。上記したC. paraputrificumM株は、FERMP−
16390として、既に経済産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所に寄託されている。
ると判断される第1の根拠は、同じClostridium 属細菌
の既知のヒドロゲナーゼ遺伝子(即ち、C. acetobutyl
icum由来のヒドロゲナーゼ遺伝子、C. pasteurianum由
来のヒドロゲナーゼ遺伝子、C. perfringens 由来のヒ
ドロゲナーゼ遺伝子、及び、C. thermocellum由来のヒ
ドロゲナーゼ遺伝子)と対比して、アミノ酸レベルで約
70%の相同性を示す点である。
ると判断される第2の根拠は、後述の実施例に示すよう
に、この遺伝子を導入したC. paraputrificumM株の水
素ガス生産能力が顕著に向上した事実である。
は、配列番号1に示す塩基配列における塩基番号466
〜2211の塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。
又、配列番号1に示す塩基配列における塩基番号466
〜2211の塩基配列と相補的な塩基配列のDNAに対
してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、ヒ
ドロゲナーゼ遺伝子として機能し得る遺伝子も挙げられ
る。
umM株のゲノムDNAにおいて、ヒドロゲナーゼ遺伝子
の上流には、このヒドロゲナーゼ遺伝子の転写を強く促
進するプロモータ領域が見出された。このプロモータ領
域は、具体的には、配列番号1に示す塩基配列における
塩基番号1〜564の塩基配列領域である。
な宿主細胞に導入する際、ヒドロゲナーゼ遺伝子の上流
に上記プロモータ領域を連結しておくと、ヒドロゲナー
ゼ遺伝子の転写が促進され、ヒドロゲナーゼの発現が強
化される。
ナーゼは、上記各種のヒドロゲナーゼ遺伝子によってコ
ードされるものであり、優れたヒドロゲナーゼ活性を示
す。
列番号1に示す塩基配列における塩基番号466〜22
11の塩基配列を有する遺伝子によってコードされるタ
ンパク質が挙げられる。又、配列番号1に示す塩基配列
における塩基番号466〜2211の塩基配列と相補的
な塩基配列のDNAに対してストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、ヒドロゲナーゼ遺伝子として機能
し得る遺伝子によってコードされるタンパク質も挙げら
れる。更に、配列番号1に示すアミノ酸番号1〜582
のアミノ酸配列を有するタンパク質も挙げられる。配列
番号1に示すアミノ酸番号1〜582のアミノ酸配列に
おいて1個〜5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加され
たアミノ酸配列を有し、ヒドロゲナーゼ活性を示すタン
パク質も挙げられる。
は、適宜に選ばれた宿主生物に対して上記いずれかのヒ
ドロゲナーゼ遺伝子を導入したもの、あるいは、ヒドロ
ゲナーゼ遺伝子の上流に上記プロモータ領域を連結した
遺伝子を導入したものである。宿主生物の種類はヒトを
除いて限定されないが、当該生物の代謝経路においても
ともとヒドロゲナーゼが関与する水素ガス発生機構を備
えている宿主が好ましい。
嫌気性細菌では、C. pasteurianum、 Megasohaera el
sdenii LC1、C. acetobutyricum、Methanobacteri
umthermoautotrophicum ΔH(以上はフェレドキシンを
持つタイプである。)等が例示され、更に、 Desulfovi
brio vulgaris Hildenborough 、Desulfovibriogigas
、 Desulfovibrio vulgaris Miyazaki F、 Desulf
ovibrio desulfuricans Norway、 Desulfovibrio d
esulfuricans ATCC27774(以上はチトクロム
を持つタイプである。)等が例示される。
s S503、 Escherichia coliMRE600等が例
示される。好気性細菌では、 Alcaligenes eutrophus
H−16、Nocardia opaca 、Paracoccus denitrific
ans 等が例示される。特に好ましい宿主の一例として、
C. paraputrificumM株が挙げられる。
ゼ遺伝子又はその上流に前記プロモータ領域を連結した
遺伝子は、そのまま宿主細胞に導入することもできる
し、宿主細胞との適合性を考慮した適宜なベクターに組
み込んで導入することもできる。これらの遺伝子又は組
み換えベクターの宿主細胞への導入に当たり、公知の各
種の遺伝子導入法、例えばカルシウム処理法、遺伝子注
入(トランスフェクション)法、パーティクルガン法、
エレクトロポレーション法等を任意に利用することがで
きる。
モーター領域、ターミネーター領域等の他、抗生物質耐
性遺伝子等の選抜用の各種マーカー遺伝子等を含ませる
ことができる。ベクターの好ましい具体例として、大腸
菌とC. perfringens 間のシャトルベクターであるpJ
IR751,pJIR750,pJIR418等を挙げ
ることができる。
法は、上記いずれかの組み換え体を用いて適宜な水素源
材料の分解を行い、水素ガスを高効率に得ることを内容
とする。水素源材料の種類は限定されないが、キチン質
材料又はデンプン質材料(例えばエビ殻,カニ殻,トウ
モロコシ屑等の廃棄物)を例示することができる。
ラリーの作製)C. paraputrificum M株を用いて、以
下のようにして染色体DNAの調製と、DNAライブラ
リーの作製とを行った。
の組成のGS改変培地100mLにて、M株を一晩、3
7°Cで培養させた。
5分間)した後、その菌体をグルコース・リゾチーム溶
液〔50mMグルコース、10mM EDTA(エチレンジ
アミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物)、25mM
Tris- HCl(pH8.0)[トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン塩酸緩衝液]、4mg/mLリゾチー
ム〕4mLで懸濁させ、10%(W/V)SDS溶液8
mLを加え穏やかに混ぜた。その後、Sigma 社製のプロ
テイナーゼK10mgを加え55°C、15分反応した
後、2倍量の99.5%冷エタノール24mLを加えて
DNAを沈殿させ、TE溶液(10mM Tris-HCl
(pH8.0)、1mM EDTA 、pH8.0)6mLに
溶解させた。
ール-Tris-HCl、pH8.0(0.1%オキシン含
有)〕、クロロホルム抽出〔クロロホルム- イソアミル
アルコール(24:1)〕し、2倍量の99.5%冷エ
タノール12mLを加えて、染色体DNAをガラス棒で
巻取り、TE溶液1mLに溶解させた。
酵素 EcoR1による部分分解を37°Cで行い、GFX PC
R DNA and Gel Band Purification Kit (アマシャムフ
ァルマシアバイオテク製)を用いて10,000〜2
0,000塩基対にあたるDNA断片を回収した。シャ
ロミド(ニッポンジーン製;アンピシリン耐性)1μg
を EcoR1にて完全分解し、染色体DNAの部分分解物
をライゲーションキットver2. (宝酒造製)を用いて連
結させた(以下、この操作をライゲーションと略す
る)。
I Gold Packaging Extract (Stratagene製)によりフ
ァージにパッケージングさせた。これを大腸菌DH5α
に感染させることにより、本菌の遺伝子ライブラリーを
作製した。形質転換株は50μg/mL(終濃度)のア
ンピシリンを含むLB寒天培地(Sigma 社:BROTH EZMi
x 20.6gおよび水1L(液体培地)、寒天培地の場
合寒天を1.5%となるように添加)で37°Cにて2
0時間培養することにより、アンピシリン耐性を有する
大腸菌として得られた。ライゲーション、パッケージン
グ、大腸菌DH5αへの感染は、メーカーが推奨する方
法に従った。
ゼ遺伝子の部分増幅)既知のクロストリジウム属のヒド
ロゲナーゼ遺伝子で高度に保存されているアミノ酸配列
領域をもとに、2種のプライマーを合成し、実施例1で
調製した染色体DNAを鋳型にして、PCR法によりヒ
ドロゲナーゼ遺伝子の高度に保存されているアミノ酸配
列領域を一部増幅させた。上記の2種のプライマーはそ
れぞれ、hyd-forward : 5'-TTYGGNGCNGAYATGACNATHATGG
ARGA-3' (配列表の配列番号2に示す)と、hyd-revers
e : 5'-CANCCNCCNKGRCANGCCATNACYTC-3' (配列表の配
列番号3に示す)である。これらはいずれもミックスプ
ライマーである。
4°Cで60秒を1サイクル、94°Cで30秒、40
°Cで30秒、72°Cで180秒を30サイクル、7
2°Cで10分を1サイクルで行った。反応液の組成
は、鋳型DNA1μL、hyd-forward 5μL、hyd-reve
rse 5μL、dNTP Mixture5μL、10xLA PCR bufferII
(Mg2+plus)5μL、全量50μLになるように滅
菌水を加えた。
対であり、これをpT7Blue (R) (Novagen 社;アンピシ
リン耐性)にライゲーションした。この溶液を用いて大
腸菌XL1-Blue (TOYOBO)を常法に従い形質転換させ、
50μg/mL(終濃度)のアンピシリンを含むLB寒
天培地でコロニーを形成したものを選択し、QIAprepSpi
n Miniprep Kit (QIAGEN社製)を用いてプラスミドを
抽出した。
法により分離して、先の約700塩基対のPCR産物が
pT7Blue (R) に挿入されたプラスミドを保有する菌株を
得た。これをpHYD-pcrとした。このプラスミドの塩基配
列をLI-COR社のDNAシークエンサーモデル4000L
を用いて解析した結果、既知のクロストリジウム属のヒ
ドロゲナーゼ遺伝子と相同性が見られた。塩基配列の決
定に用いたシークエンス反応は、Thermo sequence cycl
e sequencing kit(USB 社製)を用いた。
のクローニング)実施例2で用いたプライマーを用い
て、700塩基対からなるDIG ラベルされたDNAプロ
ーブを作製した(ロシュ・ダイアグノスティックス社、
DIG DNA labeling kitを使用)。実施例1で作製した遺
伝子ライブラリーから、コロニーハイブリダイゼーショ
ン法を用いて完全なヒドロゲナーゼ遺伝子を含むDNA
断片を保持するクローンを得た。コロニーハイブリダイ
ゼーション法は、以下のようである。
(プラスミドを保持した大腸菌)を50μg/mL(終
濃度)のアンピシリンを含むLB寒天培地上に生育さ
せ、これをナイロン膜(アマシャム ファルマシア バ
イオテク社;ハイボンド−N+)に写し取り、アルカリ
処理によりDNAを膜に固定化させた。この後のハイブ
リダイゼーション、検出の操作は、Molecularcloning
に記載されているサザンハイブリダイゼーション法と同
様に行った。DIG detection kit (ロシュ・ダイアグノ
スティックス社)を用いてM株の遺伝子ライブラリーの
中から前記プローブと相同性を有するものを選択した。
これを50μg/mL(終濃度)のアンピシリンを含む
LB培地で20時間培養しQTAprep Spin Miniprep Kit
(QIAGEN社)を用いてプラスミドを抽出した。このpHYD
101 とした。図1に、ヒドロゲナーゼ遺伝子の制限酵素
地図を示す。
調節遺伝子領域の同定)pHYD101 のプラスミドの塩基配
列を、 L1-COR 社のDNAシークエンサーモデル4000L
を用いて解析した。シークエンス反応は、Thermo seque
nase cycle sequencing kit (USB社)を用いた。この
結果、挿入断片約10,000塩基対中のSpeI、XbaI断
片、2347塩基対に新規なヒドロゲナーゼ遺伝子および調
節遺伝子が存在することが同定された。本発明の調節遺
伝子は、大腸菌の -35領域、及び-10領域とコンセンサ
スな領域をコンピュータ検索等で検索することで推定可
能であり、通常は開始コドンの上流500塩基対内に存
在することから、本発明の調節遺伝子は配列表の配列番
号1における塩基番号1〜465に存在すると考えられ
る。
塩基対からなり、アミノ酸582をコードし、推定分子
量64,560であった。このヒドロゲナーゼ遺伝子と
コードされるヒドロゲナーゼとの配列を、配列表の配列
番号1に示す。
ラスミドの構築)シャトルベクターを用いて、ヒドロゲ
ナーゼ遺伝子含有プラスミドを以下のように構築した。
perfringens のシャトルベクターであるpJIR751 を用
いた。具体的には、pJIR751 をXbaI(TAKARA)による制
限酵素消化し、アルカリフォスファターゼ(TAKARA)処
理を施したDNA断片と、ヒドロゲナーゼ遺伝子および
調節遺伝子領域を含むSpeI、XbaI断片を混合し、ライゲ
ーション、形質転換を行った。
のアンピシリンを含むLB寒天培地(Sigma 社;BROTH
EZMix 20.6gおよび水1L(液体培地)、寒天培地
の場合寒天を1.5%となるように添加)で37°Cに
て20時間培養することにより、アンピシリン耐性を有
する大腸菌として得られた。得られたプラスミドをpJIR
751-hyd とした。以上のプロセスを図2に示す。
子の導入)前記M株を、1%N−アセチルグルコサミン
を炭素源とするGS改変培地(5mL)で培養した。O
D600 は0.4〜1.0の範囲で可能であるが、
0.6〜0.8の範囲が望ましい。以下の操作は嫌気ボ
ックス内で行った。5分間遠心してM株の菌体を集め
た。氷で冷却しておいたETB 溶液(272mMスクロー
ス、1%Resazurin 、窒素で脱気済)で菌体を2回洗浄
した後、菌体を、95μLのETB 溶液に再懸濁した。
て加え、氷上で2分間放置した。プラスミドpJIR751-hy
d と菌の混合液を、冷やしておいた幅0.1cmのジー
ンパルサー用のキュベット(Bio-Rad )に移し、400
Ω、0.5kV、25μFでエレクトロポレーションを
行った。その後、直ぐにGS改変培地1mLを加えた。
これをマイクロチューブに移し、37°Cで1時間イン
キュベーションした。その間に、1%の寒天を含むGS
改変培地20mLに、エリスロマイシンを終濃度10μ
g/mLとなるように加え、プレートに分注し、冷やし
固めた。
プラスミドの混合液を、0.5%の寒天を含むGS改変
培地10mLと混ぜ、1%の寒天培地の上に重層した。
このプレートを37°Cで培養し、コロニーを形成させ
ることでプラスミドを保持した組換え体が得られた。
した組換え体の評価)実施例6で得られた組換え体を、
N−アセチル−D−グルコサミンを炭素源として調製し
たGS改変培地で培養し、発生する水素ガスの量を測定
した。N−アセチル−D−グルコサミンはエビ殻やカニ
殻に豊富に含まれる多糖類である。又、前記M株の非形
質転換体(ヒドロゲナーゼ遺伝子の導入操作を行ってい
ないM株)についても、同じ条件で培養し、発生する水
素ガスの量を測定した。
の卓上型培養装置タイプMDL1.0L (ジャーファーメンタ
ー)を用い、条件は45°C、培地容量500mL、撹
拌速度250rpm、pH5.8にアルカリ剤を用いて
調整しながら行った。ガス発生量は株式会社シナガワ製
の湿式ガスメーター(W-NK Da-0.5A)で測定した。
量が培養液1L当たり2.0Lであったのに対して、ヒ
ドロゲナーゼ組換え体は総水素ガス発生量が培養液1L
当たり3.0〜3.5Lであり、約1.5〜1.8倍の
量が生産された。前者のデータを図3(a)に示し、後
者のデータを図3(b)に示す。
ゼ遺伝子を導入した組換え体によって、より効率的に水
素ガスを生産させることができる。
地図である。
連結を示す図である。
ラフである。
Claims (11)
- 【請求項1】 配列番号1に示す塩基配列における塩基
番号466〜2211の塩基配列を有することを特徴と
する遺伝子。 - 【請求項2】 配列番号1に示す塩基配列における塩基
番号466〜2211の塩基配列と相補的な塩基配列の
DNAに対してストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズし、ヒドロゲナーゼ遺伝子として機能し得ることを
特徴とする遺伝子。 - 【請求項3】 前記遺伝子の上流に、配列番号1に示す
塩基配列における塩基番号1〜465のプロモータ領域
を連結したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記
載の遺伝子。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の遺伝子に
よってコードされるアミノ酸配列を有することを特徴と
するタンパク質。 - 【請求項5】 配列番号1に示すアミノ酸番号1〜58
2のアミノ酸配列を有することを特徴とするタンパク
質。 - 【請求項6】 配列番号1に示すアミノ酸番号1〜58
2のアミノ酸配列において1個〜5個のアミノ酸が置
換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し、ヒドロゲ
ナーゼ活性を示すことを特徴とするタンパク質。 - 【請求項7】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
遺伝子を宿主に導入したことを特徴とする組み換え体。 - 【請求項8】 前記宿主が、絶対嫌気性細菌,通性嫌気
性細菌及び好気性細菌を含む原核細胞、又は真核細胞で
あることを特徴とする請求項7に記載の組み換え体。 - 【請求項9】 前記宿主が Clostridium paraputrific
um M株(FERMP−16390)であることを特徴
とする請求項7に記載の組み換え体。 - 【請求項10】 請求項7〜請求項9のいずれかに記載
の組み換え体を用いて水素源材料の分解を行い、水素ガ
スを高効率に得ることを特徴とする水素生産方法。 - 【請求項11】 前記水素源材料がキチン質材料又はデ
ンプン質材料であることを特徴とする請求項10に記載
の水素生産方法。
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JP2001300572A JP2003102482A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 遺伝子、タンパク質、組み換え体および水素生産方法 |
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