JP2003101451A - 無線伝送システムにおける無線中継方法及び無線中継機 - Google Patents

無線伝送システムにおける無線中継方法及び無線中継機

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JP2003101451A
JP2003101451A JP2001287642A JP2001287642A JP2003101451A JP 2003101451 A JP2003101451 A JP 2003101451A JP 2001287642 A JP2001287642 A JP 2001287642A JP 2001287642 A JP2001287642 A JP 2001287642A JP 2003101451 A JP2003101451 A JP 2003101451A
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Masato Sone
正人 曾根
Kazushige Karasawa
和茂 唐澤
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Japan Radio Co Ltd
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Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テレビジョン放送中継機等の無線通信機から
の不要輻射を低減する。 【解決手段】 複数の周波数チャネルに係る送信信号を
出力混合器33Aにより合成し、その結果得られた合成
送信信号をMCPA(多チャネル同時電力増幅器)44
Aにより一括増幅する。増幅出力には、不要輻射となる
周波数成分、例えば受信すべき周波数チャネルに属する
成分も含まれているため、その成分をフィルタ、例えば
受信すべき周波数チャネルを阻止域とするノッチフィル
タ71Aにより阻止/除去する。ノッチフィルタ71A
は、例えば、CIB(インピーダンス一定)型のアンテ
ナ共用器の狭帯域入力端を整合終端し、広帯域入力端を
MCPA44A側にまた合成出力端を送信アンテナ側に
接続することによって、実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数軸上に複数
の周波数チャネルが密に配置されている無線伝送システ
ムに関する。ここでいう「密に配置」とは、各周波数チ
ャネルが実質的に占有する周波数帯域に比べ、隣接周波
数チャネル間のチャネル分離領域(通信に使用されない
周波数帯域)が十分に狭いことをさしている。この条件
を満たすシステムとしては、例えば各周波数チャネルの
実質占有帯域幅が5.6MHz、チャネル分離領域幅が
0.4MHzの地上波テレビジョン放送システムがあ
る。
【0002】本発明は、特に、上掲のシステムにおける
無線中継方法及び無線中継機、例えば受信した放送信号
に増幅等の処理を施して再放射する放送中継機に関す
る。
【0003】
【従来の技術】地上波テレビジョン放送中継局に設置さ
れる放送中継機としては、送信に割り当てられている周
波数チャネル毎に送信信号を電力増幅し、増幅した送信
信号をアンテナ共用器を介して送信アンテナに供給する
構成を有するものが、従来から用いられている。しかし
ながら、このように周波数チャネル毎の個別増幅を行う
のでは放送中継機の小型化や低価格化に限界がある。そ
のため、広い周波数帯域に亘り同時にかつ一括して信号
増幅を行う多チャネル同時増幅器を、複数周波数チャネ
ル分の同時一括増幅に用い、放送中継機の小型化及び低
価格化を図る技術が、開発されている。その場合に用い
られる多チャネル同時増幅器は、電力増幅を主たる目的
機能としていることから、MCPA(多チャネル同時電
力増幅器:Multi-Channel Power Amplifier)と呼ばれ
る。
【0004】図9に、MCPAを用いた放送中継機の一
例構成を示す。地上波テレビジョン放送向けには所定の
周波数帯域が準備されており、放送中継機にて受信すべ
き周波数チャネル及び送信に使用する周波数チャネル
は、隣接周波数チャネル間を分離するチャネル分離領域
を挟んで当該周波数帯域内に配列されている複数の周波
数チャネルの中から、選ばれた所定の周波数チャネルで
ある。また、アナログテレビジョン放送では、受信用に
割り当てられた周波数チャネルと同一の周波数チャネル
で送信を行うことや、相隣接する周波数チャネルを同時
に使用することを避けるが、日本で運用開始予定のディ
ジタルテレビジョン放送では、同一の周波数チャネルを
用いた受信/送信や隣接周波数チャネルの同時使用も考
えられる。図中、CHR1〜CHR6は受信用に割り当
てられた周波数チャネルを、CHT1〜CHT6は送信
用に割り当てられた周波数チャネルを、それぞれ表して
いる。更に、この図に示した例におけるチャネル割当
は、CHT1とCHT2、CHT3とCHT4、CHT
4とCHT5がそれぞれ隣接しており、CHT2とCH
T3の間及びCHT5とCHT6の間にはそれぞれ1個
又は複数の非送信用周波数チャネルがある、という割当
である。
【0005】放送中継機は、通常、受信アンテナ、基本
装置、電力増幅器及び送信アンテナを備えている。ここ
で基本装置と称しているのは、受信アンテナを用いて親
(放送局、中継局等)からの放送波を無線受信する受信
部と、対応する受信部が受信した放送波を電力増幅器を
介し送信アンテナを用いて子(中継局、視聴者装置等)
に対し再放射即ち無線送信させる送信部とを、組み合わ
せた装置である。基本装置内では、受信用周波数チャネ
ルから送信用周波数チャネルへの周波数変換を、例えば
受信部におけるRFからIFへの変換と送信部における
IFからRFへの変換との組合せにより、行う。具体的
には、図9に示した放送中継機では、基本装置が、CH
R1〜CHR6とCHT1〜CHT6の1:1の組合せ
に対応して、即ち受信用周波数チャネルと送信用周波数
チャネルのペア毎に個別に、合計6個設けられており
(図中の11〜16)、基本装置11はCHR1の受
信、CHT1への周波数変換及びCHT1の送信を行
い、基本装置12はCHR2の受信、CHT2への周波
数変換及びCHT2の送信を行い、…というように、受
信、周波数変換及び送信を実行する。
【0006】受信アンテナ及び送信アンテナについて
は、紙幅の節約のため図示していない。アンテナ設置本
数を抑えるには受信アンテナ及び送信アンテナを基本装
置11〜16が共用する必要があるため、図示した放送
中継機では、基本装置11〜16の前段に入力分波器2
0を、後段にアンテナ共用器50を、それぞれ設けてい
る。入力分波器20は、各基本装置に対応して設けられ
ている6個のバンドパスフィルタ21〜26と、受信ア
ンテナからの信号を受信用周波数チャネル毎に分波する
分波器27とにより、構成されている。バンドパスフィ
ルタ21〜26の通過域は、対応する基本装置が受け持
つ受信用周波数チャネルの周波数帯域に応じて設定され
ている。理想的には、分波器27の分波出力端のうち対
応するものの出力を、対応する受信用周波数チャネルの
周波数帯域外に存する周波数成分を阻止・抑圧した上
で、対応する基本装置に供給する。
【0007】基本装置11〜16は、入力分波器20か
ら得られた受信信号を、対応する受信用周波数チャネル
から対応する送信用周波数チャネルへと、周波数変換す
ることにより、送信用周波数チャネル別に送信信号を発
生させる。その結果得られる6種類のチャネル別送信信
号のうち、基本装置11及び12から得られるものは周
波数軸上で互いに隣接するCHT1及びCHT2に係る
信号であり、基本装置13〜15から得られるものは周
波数軸上で順に隣接するCHT3〜CHT5に係る信号
である。そこで、基本装置11及び12からのチャネル
別送信信号についてはMCPA41により、基本装置1
3〜15からのチャネル別送信信号についてはMCPA
42により、それぞれ同時一括増幅する。基本装置16
からのチャネル別送信信号については、他の送信用周波
数チャネルと隣接していない送信用周波数チャネルにつ
いての送信信号であるため、単一チャネル電力増幅器
(Single-Channel Power Amplifier。以下SCPA又は
単にPAと呼ぶ)43により個別増幅する。
【0008】このように、送信用周波数チャネルのうち
相隣接する周波数チャネルに係る送信信号を同時一括増
幅することによって、電力増幅器の個数を3個(2個の
MCPAと1個のSCPA)に抑え、小型化及び低価格
化を達成することができる。仮に送信用周波数チャネル
毎にSCPAを用いたとしたら電力増幅器の個数は6個
となるので、図9に示した例では、MCPAの採用によ
り電力増幅器の個数を半分に抑えている、といえる。ま
た、電力増幅器に対応して設ける部材、例えばアンテナ
共用器内に設ける帯域制限用のフィルタ等についても、
その個数を減らすことができるため、その点でも小型化
及び低価格化の効果がある。なお、図中MCPA41及
び42に前置されている出力混合器31及び32は、対
応する基本装置からチャネル別送信信号を入力してバン
ドパスフィルタ33,34,36〜38により帯域制限
し、それらバンドパスフィルタにより濾波されたチャネ
ル別送信信号を混合器35,39により結合させて対応
するMCPAに供給する手段である。
【0009】MCPA41,42及びSCPA43の増
幅出力はアンテナ共用器50を介して図示しない送信ア
ンテナに供給され、送信アンテナにより無線送信され
る。アンテナ共用器50としては、狭帯域及び広帯域の
いずれの入力端から見てもアンテナ側のインピーダンス
が変わらないCIB(Constant Impedance Bandpass)
型と、複数のBPFをその出力側で放射状に結線しアン
テナに接続するSPB(Star Point Bandpass)型の、
いずれも使用できる。入力端が2個という最も単純な構
成を例として示すと、CIB型アンテナ共用器は図10
(A)に示すような構成となり、SPB型アンテナ共用
器は図10(B)に示すような構成となる。3個以上の
入力端を有するアンテナ共用器は、図10(A)又は
(B)に示したものを適宜組み合わせ又はその構成部材
数・入力端子個数を適宜設定することにより得ることが
できる。
【0010】図10(A)に示すCIB型アンテナ共用
器は、狭帯域のバンドパスフィルタ61,62と、3d
Bカプラ等のカプラ63,64とを備えており、入力端
としては狭帯域入力端(図中の「N」。以下同様)及び
広帯域入力端を、出力端としては合成出力端を有してい
る。大まかにいえば、広帯域入力端から入力された信号
のうちバンドパスフィルタ61,62の通過帯域外に属
する信号は、バンドパスフィルタ61,62の一端にお
いて反射されるため、バンドパスフィルタ61,62に
よる減衰を受けずに、カプラ64を介して合成出力端に
現れる。狭帯域入力端から入力された信号はカプラ6
3、バンドパスフィルタ61又は62及びカプラ64を
経て、従ってバンドパスフィルタ61,62による帯域
制限を経て、合成出力端に現れる。そのため、合成出力
端には、広帯域入力端から入力された信号のうちバンド
パスフィルタ61,62の通過帯域外に属する信号と、
狭帯域入力端に印加された信号をバンドパスフィルタ6
1,62により帯域制限した信号とを、合成した信号が
現れる。
【0011】従って、図9に示す放送中継機においてC
IB型アンテナ共用器によりアンテナ共用器50を実現
するには、例えば、そのバンドパスフィルタ61,62
の通過域がCHT6の帯域に設定された第1のCIB型
アンテナ共用器と、そのバンドパスフィルタ61,62
の通過域がCHT1及びCHT2双方の帯域をカバーす
る帯域に設定された第2のCIB型アンテナ共用器と
を、用いる。その場合、第1のCIB型アンテナ共用器
の狭帯域及び広帯域入力端にはそれぞれPA43の出力
及びMCPA42の出力を入力し、第2のCIB型アン
テナ共用器の狭帯域及び広帯域入力端にはそれぞれMC
PA41の出力及び第1のCIB型アンテナ共用器の合
成出力端からの出力を入力する。そして、第2のCIB
型アンテナ共用器の合成出力端からの出力を送信アンテ
ナに供給する。これによって、CHT1〜CHT6によ
り送信アンテナを共用することができる。
【0012】また、「チャネルコンバイナの開発」(牧
山他、NEC技報Vol.53No.1/2000、p
p.38−39)に示されているように、バンドパスフ
ィルタ61,62に急峻な遮断特性を与えることによ
り、互いに有意な影響を及ぼすことなしに、相隣接した
チャネルにより送信アンテナを共用することが可能とな
る。更に、次に述べるSPB型アンテナ共用器のように
線路インピーダンス及び線路長との関連で微妙な設計を
行う必要もない。なお、図中の抵抗65は整合終端のた
めカプラ63の一端子に接続された接地抵抗であり、狭
帯域入力端から入力された信号のうちバンドパスフィル
タ61,62により反射された信号を吸収する機能等を
有している。
【0013】図10(B)に示すSPB型アンテナ共用
器は、2個の入力端それぞれに対応して狭帯域のバンド
パスフィルタ66,67を設け、各バンドパスフィルタ
66,67の出力を放射状の結線により合成して出力す
る構成を有している。SPB型アンテナ共用器はCIB
型アンテナ共用器と異なりカプラを必要としないが、バ
ンドパスフィルタ66の通過周波数において合成点から
バンドパスフィルタ67を見たインピーダンスが無限大
となりまたバンドパスフィルタ67の通過周波数におい
て合成点からバンドパスフィルタ66を見たインピーダ
ンスが無限大となるようにするため、微妙かつ細心な設
計が必要となるという不利な点がある。
【0014】図9に示す放送中継機においてSPB型ア
ンテナ共用器によりアンテナ共用器50を実現するに
は、例えば、図10(B)に示したSPB型アンテナ共
用器の入力端及びバンドパスフィルタを1個増やす。図
9におけるバンドパスフィルタ51〜53がこれに相当
する。バンドパスフィルタ51の通過域はCHT1及び
CHT2、バンドパスフィルタ52のそれはCHT3〜
CHT5、バンドパスフィルタ53のそれはCHT6の
帯域とする。図9中54で示されている部分は図10
(B)中の放射状の配線に当たる部分即ち合成点を含む
部分であり、バンドパスフィルタ51〜53から合成点
に至る線路のインピーダンス及び長さは各バンドパスフ
ィルタ51〜53の通過帯域を代表する周波数に応じて
個別に設定する。これによって、CHT1〜CHT6に
より送信アンテナを共用することができる。
【0015】また、図9におけるアンテナ共用器50
を、CIB型アンテナ共用器とSPB型アンテナ共用器
との組合せによって実現することもできる。例えば、M
CPA42の出力とPA43の出力についてはCIB型
アンテナ共用器を用いて結合させ、当該CIB型アンテ
ナ共用器の合成出力とMCPA41の出力についてはS
PB型アンテナ共用器を用いて結合させ、当該SPB型
アンテナ共用器の合成出力端を送信アンテナ側に接続す
る、という構成も採ることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上の説明から明らか
なとおり、中継すべき周波数チャネル数が大きいほどア
ンテナ共用器の構成は複合的に又は複雑になる。これ
は、アンテナ共用器の設計を複雑かつ困難にしその大型
化及び高価格化につながる要素であるため、放送中継機
の小型化、低価格化にとって障害となる。
【0017】更に、先に示した例は、“送信用に割り当
てられている周波数チャネルの間に相隣接するものがあ
る場合には、それら同士でグループを構成し、各グルー
プ毎にMCPAを設けるようにすることによって、電力
増幅器及びそれに付随するアンテナ共用器内フィルタ等
の個数を抑える”という発想に従っている。この発想
は、電力増幅器にて発生する帯域外雑音をアンテナ共用
器内フィルタで除去できるという点でも、有効である。
しかしながら、このような発想の下では増幅器やフィル
タの個数低減にも限界がある。例えば図9に示した例で
は増幅器の個数が3個までしか減らせない。また、送信
用に割り当てられている周波数チャネル間に全く隣接関
係がない場合は、結局送信用周波数チャネルの個数分だ
けSCPAを設ける構成を採ることとなり、増幅器個数
もアンテナ共用器内フィルタの個数も減らない。
【0018】放送中継機に限らず、複数の周波数チャネ
ルを密に配置したチャネル構成を有する通信システム向
けの無線中継機に対しては、更なる信号品質向上と同時
に、更なる小型化及び低価格化が要請されている。本発
明は、このような要請に鑑み上掲の問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、個別の周波数チャ
ネルに係る送信信号を合成及び同時一括増幅して中継す
る際に、各送信用周波数チャネルの帯域外不要輻射を好
適に抑えつつ、構成部品例えば電力増幅器の個数を更に
減らして、更なる小型化及び低価格化を達成すること
を、その目的の一つとしている。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係る無線中継方法は、(1)周波数
軸に沿って密に配置された複数の周波数チャネルを選択
的に使用して無線伝送を行う無線伝送システムにて、伝
送すべき信号を無線中継するために実行される無線中継
方法において、(2)無線受信した信号から送信用の周
波数チャネル別に送信信号を発生させ、この送信信号
を、多チャネル同時増幅器により自局からの送信に使用
しない周波数チャネルを含む複数の周波数チャネルに亘
り同時一括増幅し、(3)多チャネル同時増幅器からの
増幅出力のうち、自局からの送信には使用しないが自局
又は他局による受信には使用する周波数チャネルに属す
る周波数帯域に現れている成分を、当該周波数帯域に属
する信号を阻止する特性を有する送信用のフィルタによ
り、阻止し、(4)このフィルタを経た増幅出力を他の
信号とは合成しないで(例えばアンテナ共用器を介さな
いで)無線送信することを特徴とする。
【0020】また、本発明に係る無線中継機は、(1)
本発明に係る無線中継方法を実施するための無線中継機
であって、(2)複数の周波数チャネルの中から選択さ
れた所定の複数の受信用周波数チャネルを用いて信号を
無線受信する手段と、(3)複数の周波数チャネルの中
から選択された所定の複数の送信用周波数チャネルに係
る送信信号を、各送信用周波数チャネルに対応する受信
用周波数チャネルによる受信信号に基づき、周波数チャ
ネル別に生成する手段と、(4)周波数チャネル別に生
成した送信信号を自局からの送信に使用しない周波数チ
ャネルを含め同時一括増幅する多チャネル同時増幅器
と、(5)多チャネル同時増幅器からの増幅出力のう
ち、自局からの送信には使用しないが自局又は他局によ
る受信には使用する周波数チャネルに属する周波数帯域
に現れている成分を、阻止する送信用のフィルタと、
(6)このフィルタを経た増幅出力を他の信号とは合成
しないで無線送信する手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0021】まず、本発明にて前提としているシステム
では、周波数軸に沿って密に配置された複数の周波数チ
ャネルの中から、受信対象となる周波数チャネル(「受
信用周波数チャネル」)及び送信に使用する周波数チャ
ネル(「送信用周波数チャネル」)が、選ばれている。
例えば、第1の中継局から第2の中継局への伝送には第
1の周波数チャネルを使用し、第2の中継局から第3の
中継局への伝送には第2の周波数チャネルを使用するの
であれば、第2の中継局に設けられた無線中継機におけ
る受信用周波数チャネルは第1の周波数チャネル、送信
用周波数チャネルは第2の周波数チャネルである。受信
用周波数チャネルと同一の周波数チャネルを送信用周波
数チャネルとして用いられることもあるが、多くの場合
は受信用周波数チャネルと重複しないよう送信用周波数
チャネルが設定される。更に、受信用及び送信用周波数
チャネルはそれぞれ必要に応じて複数選択される(複数
波の中継を行う)。全受信用周波数チャネル、全送信用
周波数チャネルがそれぞれ一続きに隣接していることも
あり得るが、多くの場合は、随所に受信用周波数チャネ
ルでない周波数チャネル(「非受信用周波数チャネ
ル」)、送信用周波数チャネルでない周波数チャネル
(「非送信用周波数チャネル」)が挟まる。
【0022】本発明の特徴事項の一つは、無線受信した
信号を、多チャネル同時増幅器により、複数の周波数チ
ャネルに亘り同時一括増幅することにある。また、本発
明の特徴事項の他の一つは、多チャネル同時増幅器から
の増幅出力を濾波することにより、送信用周波数チャネ
ルの帯域外にある不要輻射をもたらす成分等を送信信号
から除去することにある。ここに、完全な線形性を有す
る増幅器は存在せず、どのような増幅器であっても若干
は非線形性を有している。特に、広い周波数帯域に亘り
信号を増幅する場合や、増幅する信号の振幅が大きい場
合等には、増幅器の非線形性に起因した増幅歪が発生し
やすい。例えば、ディジタルテレビジョン放送では多数
のキャリアを密に配置する多重化方式が採用されるた
め、キャリア間の混変調、相互変調等による歪が発生し
帯域外雑音となる。本発明において多チャネル同時増幅
器の後段に設けられるフィルタは、例えば、多チャネル
同時増幅器の非線形によって送信用周波数チャネルに係
る信号から増幅歪として発生した帯域外雑音の成分を、
阻止するフィルタである。より厳密には、自局からの送
信には使用しないが自局又は他局による受信には使用す
る周波数チャネルに属する周波数帯域に現れておりその
ままでは不要輻射となる成分を、阻止する。
【0023】ここに、従来の発想では、送信用周波数チ
ャネルについてのみ(即ち非送信用周波数チャネルにつ
いては増幅対象と扱わず)、単一チャネル同時増幅器に
より個別に、また非送信用周波数チャネルを挟まない一
連の送信用周波数チャネル群については多チャネル同時
増幅器により、増幅を施し、各増幅出力をアンテナ共用
器により送信アンテナ側に供給すると同時に、増幅出力
のうち送信用周波数チャネルの帯域外に発生した成分
を、アンテナ共用器内のフィルタによって阻止してい
た。従って、従来の発想では、各増幅出力を送信アンテ
ナに供給するためアンテナ共用器が必要であり、また、
個別の送信用周波数チャネル又は非送信用周波数チャネ
ルを挟まない一連の送信用周波数チャネル群を単位とし
て、増幅器及びアンテナ共用器内フィルタを設ける必要
があった。
【0024】これに対し、本発明では、随所に非送信用
周波数チャネルが挟まれた一連の送信用周波数チャネル
群について多チャネル同時増幅器により増幅を施し(即
ち送信用周波数チャネルにより挟まれる非送信用周波数
チャネルも増幅対象として扱い)、その増幅出力からフ
ィルタによって非送信用周波数チャネルに属する成分を
除去している。従って、本発明では、送信アンテナを共
用するための回路装置としてのアンテナ共用器は不要で
ある(アンテナ共用器内フィルタとしてのフィルタも廃
止できる)し、増幅器は多チャネル同時増幅器1個でよ
い。即ち、本発明によれば、従来より小型かつ簡素な構
成の無線中継機を安価に実現できる。なお、多チャネル
同時増幅器の出力端と送信アンテナとの間に設けるフィ
ルタは、送信用周波数チャネルにより挟まれている非送
信用周波数チャネルの個数等に応じて設けるため、複数
個になることがあるものの、それによる構成複雑化・高
価格化は、アンテナ共用器の廃止や増幅器個数の低減に
よる構成簡素化・低価格化を打ち消すほどのものではな
い。
【0025】また、より好ましくは、無線受信した信号
を、受信に使用しない周波数チャネルに属する周波数帯
域に現れている成分を受信用のフィルタにより阻止した
上で、上記増幅に供する。これによって、非受信用の周
波数チャネルに侵入した不要輻射を抑圧した上で中継を
行うことができきるため、信号品質が更に改善される。
【0026】更に、送信アンテナを共用するための手段
としてのアンテナ共用器は不要であるが、従来からアン
テナ共用器として用いられていたものに代表される回路
装置を変形転用して本発明における送信用又は受信用の
フィルタを実現することができる。即ち、アンテナ共用
器として使用できる回路装置には、通常は複数の入力端
及び合成出力端が設けられており、その内部にはバンド
パスフィルタ等のフィルタが設けられているため、それ
ら複数の入力端を1個を除いて整合終端し、整合終端さ
れていない入力端をフィルタとしての入力端として、本
来はアンテナに接続されるべき合成出力端をフィルタと
しての出力端として、それぞれ用いることによって、本
発明における送信用又は受信用のフィルタに適する小型
かつ簡素な回路装置を得ることができる。更に、通過さ
せるべき周波数チャネルとそれに隣接する阻止すべき周
波数チャネルとの間のチャネル分離領域にてその通過減
衰量が急峻に変化するバンドパスフィルタを用いた隣接
チャネルアンテナ共用器、例えばCIB型の回路構成に
よって実現できるアンテナ共用器を、その入力端を1個
を除いて整合終端して、送信用又は受信用のフィルタと
して用いるのが、望ましい。これによって、隣接周波数
チャネル抑圧効果が高く送信又は受信信号品質に優れた
無線中継機を簡便に得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。なお、図9及び図10に示
したものと同様の又は対応する部材には同一の符号を付
し、重複する説明を省略する。また、実施形態間で同様
の又は対応する部材には同一の符号を付し、重複する説
明を省略する。そして、本発明は放送中継機特にその出
力混合器から送信アンテナに至る部分の改良として実施
可能であるため、以下の各図面では、基本装置より前段
の部分については図示を省略している。
【0028】(1)第1実施形態 図1(A)に、本発明の第1実施形態に係り地上波テレ
ビジョン放送中継局に設置される放送中継機の構成を示
す。本実施形態は、第13〜第15,第20及び第31
チャネルの放送波を受信し第30,第32〜第35チャ
ネルで送信する放送中継機に、本発明を適用した例であ
る。受信/送信チャネル数が5であるため基本装置は5
個設けられており、基本装置11Aが受信=第13チャ
ネル,送信=第35チャネル、というように、各基本装
置11A〜15Aに受信/送信各1チャネルが割り振ら
れている。基本装置11A〜15Aの出力は出力混合器
33Aにより混合される。出力混合器33Aの出力は、
従って第30チャネルから第35チャネルに亘る広帯域
の信号であり、MCPA44Aにて同時一括増幅され
る。
【0029】MCPA44Aは、第30チャネルから第
35チャネルに亘る周波数帯域でできるだけ良好な線形
性を有するよう設計又は選択されたものではあるが、残
存している非線形性による増幅歪等、MCPA44Aに
おける帯域外雑音の発生は完全には免れがたい。例え
ば、MCPA44Aの非線形性により第30チャネルの
送信信号(基本装置15Aの出力)から生じる相互変調
歪成分は、通常、第30チャネルに隣接する第29及び
第31チャネルに現れる。同様に、MCPA44Aの非
線形性により第32チャネルの送信信号から生じる相互
変調歪成分は、通常、第32チャネルに隣接する第31
及び第33チャネルに現れる。これらの相互変調歪成分
は、第30又は第32チャネルから発生した帯域外雑音
のひとつである。
【0030】第30チャネル及び第32チャネルにより
挟まれている第31チャネルは、自局からの送信に使用
しないチャネル即ち非送信用周波数チャネルであると同
時に、自局にて受信すべきチャネル即ち受信用周波数チ
ャネルのひとつでもある。従って、自局における第31
チャネルの受信を好適に行うには、即ち第31チャネル
における信号受信品質を十分高くするには、第30又は
第32チャネルの帯域外雑音のうち第31チャネルに属
する周波数帯域に現れているものを抑圧する必要がある
場合が多い。そのため、本実施形態では、第31チャネ
ルに属する周波数帯域を阻止域とするノッチフィルタ7
1AをMCPA44Aと送信アンテナとの間に設けてい
る。これによって、第30及び第32チャネルの帯域外
雑音のうち第31チャネルに属する周波数を有するもの
を抑圧できるため、自局における第31チャネルの受信
を好適に行うことができる。
【0031】また、従来の発想による設計との対比でい
えば、本実施形態は、装置構成の簡素化、小型化及び低
価格化を実現可能なものであるといえる。比較対照のた
め、図1(B)に、従来の発想による設計例を示す。
【0032】図1(B)に示す設計例では、送信用周波
数チャネルのうち第30チャネルが残りの送信用周波数
チャネル(第32〜第35チャネル)と周波数軸上で連
続していないため、第30チャネルに係る基本装置15
Aの出力は、SCPA43Bにより、即ち他の送信用周
波数チャネルとは別に、増幅される。残りの送信用周波
数チャネルは、周波数軸上で連続しているため、1個の
MCPAにより、或いは増幅器の負担等を考慮して複数
個の増幅器により増幅する。図示の例では、基本装置1
1A〜13Aの出力である第33〜第35チャネルの送
信信号を出力混合器31Aにて相互に合成し、出力混合
器31Aの出力をMCPA41Aにて増幅する一方で、
基本装置14Aの出力である第32チャネルの送信信号
をSCPA43Aにて増幅している。
【0033】また、図1(B)では、送信アンテナを各
送信用周波数チャネルで共用するためにアンテナ共用器
50Aを用いている。アンテナ共用器50Aは、図示の
如く、2個のCIB型アンテナ共用器54A及び54B
から構成できるものである。CIB型アンテナ共用器5
4Aの狭帯域入力端にはSCPA43Aの増幅出力が、
広帯域入力端にはMCPA41Aの増幅出力が入力され
ており、CIB型アンテナ共用器54Bの狭帯域入力端
にはSCPA43Bの増幅出力が、広帯域入力端にはC
IB型アンテナ共用器54Aの合成出力が入力されてお
り、CIB型アンテナ共用器54Bの合成出力が送信ア
ンテナに供給される。CIB型アンテナ共用器54A及
び54Bの内部には、先に図10(A)を用いて説明し
たようにBPFが組み込まれており、このBPFによ
り、各送信用周波数チャネルの帯域外雑音例えば第31
チャネルに係る帯域に現れる第30又は第32チャネル
の帯域外雑音を、阻止することができる。また、第32
チャネル以下の成分を阻止するため、MCPA41Aの
出力端とCIB型アンテナ共用器54Aの広帯域入力端
との間に、第33チャネル以上の帯域に属する成分を通
過させるHPF51Aを設けてもよい。
【0034】図1(A)に示した本実施形態の構成と、
図1(B)に示した従来発想による設計例とを比較する
と、第1に、従来の発想によれば2個以上(図示の例で
は3個)の増幅器が必要であったのに対し本実施形態で
は1個でよい。そのため、増幅器及びその前段の装置を
含めた体積で考えても、本実施形態は従来設計例の数十
%程度の体積ですむ。また、より狭帯域向けの増幅器の
方が通常は安価であること、即ちSCPAがMCPAよ
り安価であり狭帯域向け設計のMCPAの方が広帯域向
け設計のMCPAより安価であること等を考慮しても、
増幅器個数低減によるコスト低減の効果は明らかであ
る。増幅器群の価格で比較すると、本実施形態は従来設
計例のやはり数十%程度になる。そして、増幅器の個数
が低減した分は、装置間の配線や装置の配置が簡素・単
純になることが、図面からも直観的に見て取れる。
【0035】本実施形態と従来設計例との比較によれ
ば、第2に、従来の発想によれば送信アンテナを各送信
用周波数チャネルで共用するためにアンテナ共用器50
Aが必要であったのに対し、本実施形態では増幅器が1
個(MCPA44A)であるためアンテナ共用器は不要
である、といえる。仮に、本実施形態におけるノッチフ
ィルタ71AをCIB型隣接チャネルアンテナ共用器の
転用により実現したとすると、当該共用器の使用個数が
本実施形態では1個(71A)、従来設計例では2個
(54Aと54B)であるから、MCPAと送信アンテ
ナの間に存在する装置についていえば、本実施形態は従
来設計例に対して占有体積でもコストでも約半分です
む。更に、装置間の配線や装置の配置が簡素・単純にな
ることが、図面からも直観的に見て取れる。
【0036】本実施形態と従来設計例との比較によれ
ば、第3に、従来の発想によれば帯域外雑音の抑圧のた
め多数の(好ましくは急峻な特性の)フィルタが必要で
ありそのことがアンテナ共用器50Aの設計上の困難性
にもつながっていたのに対し、本実施形態では(隣接チ
ャネル阻止のため急峻な特性は要請されるが)フィルタ
の個数は少ない。仮に、本実施形態におけるノッチフィ
ルタ71AをCIB型隣接チャネルアンテナ共用器の転
用により実現したとすると、当該共用器内のBPFを含
めフィルタの使用個数が本実施形態では最大3個(ノッ
チフィルタ71A内の2個のBPFと括弧書き内のHP
F72A)、従来設計例では最大5個(共用器2個×B
PF2個+括弧書き内のHPF51A=5個)であるか
ら、MCPAと送信アンテナの間に存在するフィルタの
個数についていえば、本実施形態は従来設計例に対して
占有体積でもコストでも50〜60%ですむ。更に、装
置間の配線や装置の配置が簡素・単純になることが、図
面からも直観的に見て取れる。
【0037】このように、本実施形態によれば、増幅器
及びそれに付随する回路装置の個数の低減や、送信アン
テナを共用する手段としてのアンテナ共用器の廃止によ
り、装置構成の簡素化、小型化及び低価格化を実現でき
る。また、装置構成が簡素になるということは、周波数
チャネルの割当の変更(例えば新規チャネルの運用開始
等)に伴う放送中継機の構成変更が容易であること、即
ちフィルタの追加・交換等のみでよくアンテナ共用器の
設計変更等を必要としないことを意味している。従っ
て、本実施形態(より一般には本発明)の採用によっ
て、ディジタルテレビジョン放送のサービス開始時等を
含め、周波数チャネル割当に変更のある時期におけるコ
スト発生等を抑えることができる。装置構成の簡素化に
伴い、保守も容易になる。なお、本実施形態で追加して
いるダミーロード(吸収抵抗68)は共用器本体より格
段に小さく安いので上記概算からは省いている。
【0038】本実施形態におけるノッチフィルタ71A
は、いわゆる隣接チャネルアンテナ共用器にダミーロー
ドを接続して使用することにより、実現できる。隣接チ
ャネルアンテナ共用器は、原理上はSPB型でも実現可
能であるが、合成点回りでのインピーダンス設計の難し
さを考慮すると、CIB型の方が実現が容易であるとい
える。図2に、CIB型隣接チャネルアンテナ共用器を
用いて構成したノッチフィルタの例を示す。この図に示
す例では、狭帯域入力端に整合終端のための吸収抵抗
(ダミーロード)68を接続している。また、BPF6
1,62の通過域は、阻止すべき周波数帯域(ノッチ帯
域)とする。例えば、図1(A)におけるノッチフィル
タ71Aとしてこの図のノッチフィルタを使用する場
合、BPF61,62は、第31チャネルに属する周波
数帯域を通過域とし、第30及び第32チャネルとの間
のチャネル分離領域で急峻に減衰量が変化する特性とな
るよう設計する。広帯域入力端から入力される信号のう
ちBPF61,62の通過域に属する周波数成分はBP
F61,62を介して吸収抵抗65,68により整合終
端即ち吸収されてしまうため、図2に示す構成により、
BPF61,62の急峻な特性即ちチャネル分離性能を
生かした帯域外雑音抑圧を実現できる。
【0039】(2)第2〜第7実施形態 図3〜図8、特にその(A)に、本発明の第2〜第7実
施形態に係り地上波テレビジョン放送中継局に設置され
る放送中継機の構成を示す。第1実施形態を含む各実施
形態にて受信/送信に使用する周波数チャネルと、受信
対送信の周波数チャネル間隣接関係の一覧を、表1に示
す。この表に示した各例では、受信に使用する周波数チ
ャネルと送信に使用する周波数チャネルに重複がないチ
ャネル割当を、想定している。
【0040】
【表1】
【0041】各実施形態における基本装置の個数は受信
用周波数チャネルと送信用周波数チャネルの組合せの個
数と同じであるため、第2実施形態では4個の基本装置
11B〜14Bが、第3実施形態では6個の基本装置1
1C〜16Cが、第4実施形態では7個の基本装置11
D〜17Dが、第5実施形態では7個の基本装置11E
〜17Eが、第6実施形態では5個の基本装置11F〜
15Fが、第7実施形態では9個の基本装置11G〜1
9Gが、それぞれ用いられる。また、MCPAは1個で
足りる。図3〜図8においては、第2〜第7実施形態に
おけるMCPAをそれぞれ符号44B〜44Gで示して
いる。各実施形態における複数の基本装置の出力は当該
1個のMCPAにより同時一括増幅され、そのMCPA
の増幅出力は送信アンテナに供給される。MCPAと送
信アンテナとの間には、例えば図2に示した手法等によ
り実現できるノッチフィルタや、それに代わるLPF
(ローパスフィルタ)、HPF等が設けられており、M
CPAの増幅出力はそれらにより不要輻射の原因となる
成分を阻止した上で送信アンテナに供給される。
【0042】自局からの送信に使用する周波数チャネル
と自局における受信に使用する周波数チャネルとの間に
隣接関係がある場合には、当該送信用周波数チャネルを
通過させ受信用周波数チャネルを阻止するフィルタであ
って、両周波数チャネルの間のチャネル分離領域で急峻
に通過減衰量が変化する特性のフィルタを使用する。こ
のような急峻な特性のフィルタは、CIB型アンテナ共
用器であって相隣接する周波数チャネルによりアンテナ
を共用するために設計されたもの、即ちCIB型隣接チ
ャネルアンテナ共用器を、図2に示すようにダミーロー
ドと共に用いることによって、実現することができる。
第2〜第7実施形態にてMCPAと送信アンテナの間に
設けられているフィルタのうち、かかる急峻特性フィル
タを用いるべきものは、第2実施形態にて第13チャネ
ルを阻止するノッチフィルタ71B、第3実施形態にて
それぞれ第14,第16又は第30チャネルを阻止する
ノッチフィルタ71E〜71G、第4実施形態にて第2
7チャネルを阻止するノッチフィルタ71I、第6実施
形態にてそれぞれ第22及び第23又は第28チャネル
を阻止するノッチフィルタ71O及び71P、並びに第
7実施形態にてそれぞれ第20又は第30〜第37チャ
ネルを阻止するノッチフィルタ71S及び71Tであ
る。
【0043】また、自局からの送信に使用する周波数チ
ャネルに挟まれている周波数チャネルを自局における受
信対象としている場合には、ノッチフィルタをMCPA
と送信アンテナとの間に設けることによって、当該受信
用周波数チャネルを阻止する。この種のノッチフィルタ
としては、第2実施形態にて第18チャネルを阻止する
ノッチフィルタ71C、第3実施形態にてそれぞれ第1
4又は第16チャネルを阻止するノッチフィルタ71E
及び71F、第4実施形態にて第27チャネルを阻止す
るノッチフィルタ71I、第5実施形態にて第27チャ
ネルを阻止するノッチフィルタ71L、第6実施形態に
てそれぞれ第22及び第23又は第28チャネルを阻止
するノッチフィルタ71O及び71P、第7実施形態に
て第20チャネルを阻止するノッチフィルタ71Sがあ
る。これらのノッチフィルタのうち、阻止すべき周波数
チャネルが送信用周波数チャネルと隣接しているため急
峻な特性を要求されるものについては先に述べたとおり
隣接チャネルアンテナ共用器を用いた実現形態が適して
いる。阻止すべき周波数チャネルが複数個に亘る場合は
急峻な特性を有するノッチフィルタを構成するのが困難
になり又は高価につくため、複数個のノッチフィルタに
分け各ノッチフィルタにより阻止対象を分担してもよ
い。また、急峻な特性が要求されないものについては、
より安価な(機種によっては数分の1程度の価格の)隣
接チャネル共用向けでないアンテナ共用器を用いた実現
形態を採用可能である。
【0044】更に、自局からの送信に使用する全周波数
チャネル群より低域側に存する受信用周波数チャネルに
ついては、ノッチフィルタでもHPFでも阻止できる。
逆に、高域側に存する受信用周波数チャネル群について
は、ノッチフィルタでもLPFでも阻止できる。このよ
うに、HPF又はLPFによる置換が可能なノッチフィ
ルタ或いはHPF若しくはLPFとして示されているフ
ィルタとしては、第2実施形態において第13チャネル
を阻止するノッチフィルタ71B及び第22チャネル以
下を通過させるLPF72B、第3実施形態においてそ
れぞれ第30又は第31〜第36チャネルを阻止するノ
ッチフィルタ71G及び71H、第4実施形態において
それぞれ第13及び第14又は第37〜第49チャネル
を阻止するノッチフィルタ71J及び71K、第5実施
形態においてそれぞれ第13及び第14又は第37〜第
49チャネルを阻止するノッチフィルタ71M及び71
N、第6実施形態においてそれぞれ第18又は第42チ
ャネルを阻止するノッチフィルタ71Q及び71R、第
7実施形態において第29チャネル以下を通過させるL
PF72C及び第30〜第37チャネルを阻止するノッ
チフィルタ71Tがある。なお、通過させるべき周波数
チャネルと阻止すべき周波数チャネルとが隣接している
場合(第2実施形態の第13チャネルと第14チャネル
等の場合)、急峻な特性が要求されることから、単独の
LPF又はHPFとするよりは、隣接チャネルアンテナ
共用器を用いたノッチフィルタとするか、又はその種の
ノッチフィルタとLPF若しくはHPFとの組合せとす
る方がよい。
【0045】このように、MCPAと送信アンテナの間
に設けるフィルタは、1個には限られず、周波数チャネ
ルに割当条件に応じて適宜複数個設ける。また、ノッチ
フィルタに限られないし、急峻特性フィルタにも限られ
ない。即ち、原則として1個のMCPAを用い、随所に
非送信用周波数チャネルを挟んだ複数の送信用周波数チ
ャネルに亘り同時一括増幅を行い、その増幅出力に関し
て不要輻射につながる成分を阻止するための濾波を施す
ことができる構成であれば、本発明における特徴的な効
果、即ち増幅器個数の低減、アンテナ共用器の廃止、増
幅器に付随する部材例えばアンテナ共用器内フィルタの
廃止等、ひいては構成の簡素化、小型化、低価格化等の
効果を、増幅歪等に起因して生じた各送信用周波数チャ
ネルの帯域外雑音たる不要輻射の抑圧と並立させつつ、
得ることができる。
【0046】第2〜第7実施形態との比較対照のため、
同一の周波数チャネル割当条件の下に従来の発想に従い
設計した例を、図3〜図8の(B)及び(C)に示す。
これらの図中、31又は32で始まる符号が付された部
材は出力混合器、41又は42で始まる符号が付された
部材はMCPA、43で始まる符号が付された部材はS
CPA、50で始まる符号が付された部材はアンテナ共
用器、51〜53で始まる符号が付された部材はCIB
又はSPB型アンテナ共用器への入力を帯域制限するた
めのBPF、アンテナ共用器54で始まる符号が付され
た部材はCIB又はSPB型アンテナ共用器である。
【0047】第2実施形態とその比較対照例を比べる
と、増幅器の個数が2個(図3(B))又は3個(図3
(C))から1個に減っている。同様に、第3実施形態
とその比較対照例を比べると4個から1個に、第4実施
形態とその比較対照例を比べると3個から1個に、第5
実施形態とその比較対照例を比べると3個から1個に、
第6実施形態とその比較対照例を比べると3個から1個
に、第7実施形態とその比較対照例を比べると3個から
1個に、というように、増幅器の個数が減っている。ま
た、アンテナ共用器(従ってその内部のフィルタも)に
ついては、いずれの実施形態でも廃止されている。この
ことから、先に述べた構成の簡素化、小型化、低価格化
等の効果が得られることが、明らかである。また、送信
用周波数チャネルの個数が多いほどまた送信用周波数チ
ャネル同士の隣接関係が複雑になるほど、それらの効果
が顕著になる傾向がある。なお、MCPAと送信アンテ
ナの間に複数個のノッチフィルタ等を設けることによる
フィルタ個数の増加が、アンテナ共用器の廃止とそれに
伴うフィルタ個数低減を上回ることもあるが、それによ
る体積・価格の増大・上昇は増幅器やアンテナ共用器の
個数低減・廃止(及びアンテナ共用器を利用したフィル
タの使用)による体積・価格の減少・低下に比べ小規模
なものであり、本発明の効果を損なうものではない。
【0048】(3)変形例 上述した各実施形態について適宜変形を施すことも可能
である。
【0049】まず、先にも述べたように、自局からの送
信に使用する周波数チャネル群より低域側に現れる成分
を除去するには、自局からの送信に使用する周波数チャ
ネル群を通過させそれより低域側の雑音成分特に自局又
は他局にて受信対象としている周波数チャネルを阻止す
るフィルタがあればよい。そのためのフィルタは、非送
信用かつ受信用周波数チャネルを阻止するノッチフィル
タでも、送信用周波数チャネル群を通過させ非送信用か
つ受信用周波数チャネルを通過させるHPFでも構わな
い。同様に、自局からの送信に使用する周波数チャネル
群より高域側に現れる成分を除去するには、自局からの
送信に使用する周波数チャネル群を通過させそれより高
域側の雑音成分特に自局又は他局にて受信対象としてい
る周波数チャネルを阻止するフィルタがあればよい。そ
のためのフィルタは、非送信用かつ受信用周波数チャネ
ルを阻止するノッチフィルタでも、送信用周波数チャネ
ル群を通過させ非送信用かつ受信用周波数チャネルを通
過させるLPFでも構わない。
【0050】例えば、第1実施形態にて、MCPA44
Aと送信アンテナの間に更に第20チャネル以下を阻止
するHPF(ハイパスフィルタ)72Aを設けることに
よって、自局における第13〜15,第20チャネルの
受信についてもより品質を向上させることができる(図
1(A)中の括弧書き)。第2実施形態におけるノッチ
フィルタ71B及びLPF72Bに代えLPFやノッチ
フィルタを用いてもよい。第3実施形態におけるノッチ
フィルタ71Hに代え第29チャネル以下を通過させる
LPFを用いてもよい。第4実施形態におけるノッチフ
ィルタ71J及び71Kの組合せを、例えば、第16〜
第32チャネルを通過させるBPFにより、又は第16
チャネル以上を通過させるHPFと第32チャネル未満
を通過させるLPFの組合せにより、置き換えることが
できる。第5実施形態におけるノッチフィルタ71M及
び71Nを、それぞれ、第16チャネル以上を通過させ
るHPF又は第32チャネル以下を通過させるLPFに
置き換えることができる。第6実施形態におけるノッチ
フィルタ71Q及び71Rを、それぞれ、第20チャネ
ル以上を通過させるHPF又は第42チャネル以下を通
過させるLPFに置き換えることができる。第7実施形
態については、図8(A)(a)に示すように第29チ
ャネル以下を通過させるLPF72Cを第20チャネル
を阻止するノッチフィルタ71Sと組み合わせて用いる
ことも、図8(A)(b)に示すように第30〜第37
チャネルを阻止するノッチフィルタ71Tを第20チャ
ネルを阻止するノッチフィルタ71Sと組み合わせて用
いることも、可能である。
【0051】更に、上掲の各実施形態では、不要輻射成
分を除去するためのフィルタとして用いるアンテナ共用
器の例として、CIB型やSPB型を例示していたが、
CIN型やフェーズシフト型を用いてもかまわない。ま
ず、CIN(Constant Impedance Notch)型アンテナ共
用器は、CIB型アンテナ共用器にてカプラ間に縦続接
続されているBPFに代えて、カプラ間を接続する伝送
線路と接地との間にノッチフィルタ(例えば並列共振回
路)を設けたものであり、CIB型アンテナ共用器と同
様、狭帯域及び広帯域のいずれの入力端から見てもアン
テナ側のインピーダンスが変わらないタイプの共用器で
ある。従って、CIN型アンテナ共用器にダミーロード
を接続してフィルタとして用いた場合、CIB型アンテ
ナ共用器にダミーロードを接続してフィルタとして用い
た場合とほぼ同様の効果がある。しかしながら、回路・
装置規模は、本願にて好適な実施形態として示した如
く、CIB型アンテナ共用器+ダミーロードという構成
の方が小規模になる。また、フェーズシフト型アンテナ
共用器は、Commutating Line Combinerとも称される共
用器であり、複数の入力端を有する第1のカプラと、合
成出力端及びダミーロード接続端を有する第2のカプラ
と、第1/第2のカプラ間に設けた移相器とにより、構
成される。この構成においては、移相器を利用している
ため、その通過減衰特性上、周波数軸に沿って周期的に
かつ交互に、多数の通過域及び阻止域が現れる。除去し
たい不要波成分が現れるチャネル即ち阻止したいチャネ
ルが多数存在しているケース、特に阻止したいチャネル
と送信したいチャネルとが周波数軸上で交互に位置する
ケースでは、その通過域が送信したいチャネルと一致し
阻止域が阻止したいチャネルと一致する特性のフェーズ
シフト型アンテナ共用器を準備し、その入力端を1個を
除いて整合終端することにより、MCPA出力からの不
要波成分除去に適するフィルタを得ることができる。な
お、フェーズシフト型アンテナ共用器には急峻な特性を
得にくいという不利な点もある。
【0052】また、MCPAは1個に限られない。例え
ば、第4実施形態におけるMCPA44D及びその後段
のノッチフィルタ71I〜71Kに代えて、基本装置1
1D及び12Dの出力を増幅するMCPA、基本装置1
3D〜17Dの出力を増幅するMCPA、これらのMC
PAの増幅出力を結合させる手段(CIBでもSPBで
もよい)、並びに第27チャネルを阻止するノッチフィ
ルタを、設けるようにしてもよい。同じく、第5実施形
態におけるMCPA44E及びその後段のノッチフィル
タ71L〜71Nに代えて、基本装置11E及び12E
の出力を増幅するMCPA、基本装置13E〜17Eの
出力を増幅するMCPA、これらのMCPAの増幅出力
を結合させる手段(CIBでもSPBでもよい)、並び
に第27チャネルを阻止するノッチフィルタを、設ける
ようにしてもよい。これにより、MCPAが狭帯域でよ
くなるためコストが低減されることがある。
【0053】更に、以上の説明では、自局からの送信に
使用する周波数チャネルに隣接しており自局からの送信
には使用せず自局における受信対象とする周波数チャネ
ルを、MCPAから送信アンテナに至る経路上で阻止す
るものを、とりあげている。しかし、この条件に該当す
る周波数チャネル全てを阻止する必要がない場合もあ
る。それは、自局の送信アンテナから自局の受信アンテ
ナへの無線伝搬環境即ち送受信アンテナ間の結合状況
や、受信に関連した回路部分の構成・性能によっては、
その周波数チャネルに現れている不要輻射が受信動作に
さしたる影響を与えない場合があることによる。その場
合は、その周波数チャネルを阻止するノッチフィルタ等
を省略することができる。特に、本発明の放送中継機を
新設する際に、まずノッチフィルタ等を設けないで試験
的に動作させてみて、その結果として、受信動作又は周
辺の放送中継機等の動作に信号品質等に関連する問題が
あることが判明した場合に、必要なノッチフィルタ等を
追加する、という方法を採ることがにより、コストを抑
えることができる。また、既設の放送中継機を組み替え
て本発明の構成とする際には、それまで送信アンテナを
共用するための装置として用いていたアンテナ共用器
を、調整等を施しダミーロードを付加することによっ
て、ノッチフィルタ等として用いることができる。即
ち、従来設備の組み替えによる本発明の実施は低コスト
ですむ。本発明の実施に当たっては、このように放送中
継機の設置環境及び設置前の設備状況に応じてコストを
抑えることができる。
【0054】また、自局からの送信に使用する周波数チ
ャネルに隣接しており自局からの送信には使用せず他局
における受信対象とする周波数チャネルを、MCPAか
ら送信アンテナに至る経路上で阻止することとしてもよ
い。それによって、自局の周辺に存する他の無線装置
(「他局」)に対する不要輻射・受信妨害を抑圧・防止
することができる。例えば、従来のアナログテレビジョ
ン放送中継機の近傍にディジタルテレビジョン放送中継
機を設置するに際して、当該ディジタルテレビジョン放
送中継機の送信側回路部分を本発明に係る構成とし、更
にその構成におけるノッチフィルタ等による阻止対象を
その近傍のアナログテレビジョン放送中継機における受
信用周波数チャネルとする。このようにすることによっ
て、後から設置された上記ディジタルテレビジョン放送
中継機からの輻射により前々から設置されている上記ア
ナログテレビジョン放送中継機における好適な受信が妨
げられる恐れが少なくなる。
【0055】本発明は地上波アナログテレビジョン放送
用の放送中継機にも、地上波ディジタルテレビジョン放
送用の放送中継機にも、適用できる。受信用周波数チャ
ネル群と送信用周波数チャネル群との間に一部重複があ
るチャネル割当条件下でも、本発明を実施することがで
きる。なお、上記各実施形態に関して示した周波数チャ
ネル割当は一例に過ぎない。更に、アナログ/ディジタ
ルテレビジョン放送兼用の放送中継機にも、本発明を適
用できる。既存の放送中継機(放送中継局)への回路・
設備追加によって本発明を実施することができる。その
場合、損失増加等がほとんど発生しないため、既設送信
機の出力を増大させる等の波及措置が必要となりにく
い。更に、放送中継機以外の無線中継機でも、本発明を
適用することができる。一般的にいえば、周波数チャネ
ルの使用個数が多い無線中継機ほど、増幅器個数低減等
の効果を得やすく、周波数軸上における周波数チャネル
の配置が密なシステム、即ちチャネル分離領域が狭いシ
ステムほど、隣接チャネルアンテナ共用器を用いること
による急峻特性ノッチフィルタの利用による信号品質改
善効果を得やすい。
【0056】本発明は無線中継機の送信側の回路だけで
なく、受信側の回路にも適用できる。例えば、基本装置
の受信部内の増幅器における感度抑圧及び混変調を避け
るため受信アンテナから基本装置に至る経路上にフィル
タを設け(例えば入力分波器を設け)、受信用周波数チ
ャネルに隣接するチャネルを抑圧して過入力等を防ぐに
は、急峻な特性を有するフィルタが必要であり、そのよ
うなフィルタは大型かつ高価であった。本発明を適用し
そのフィルタをCIB型隣接チャネルアンテナ共用器+
ダミーロード等により実現するようにすれば、混変調等
による信号品質劣化を防ぐことができる。例えば、第2
実施形態にて第14(及び第15)チャネルを阻止する
ノッチフィルタを基本装置より前段に設けることによ
り、混変調等を防ぐことができる。そのノッチフィルタ
はCIB型アンテナ共用器とダミーロードとの組合せに
より実現できる。
【0057】また、入力分波器における挿入損失を補う
ため入力分波器の前段に多チャネル同時低雑音増幅器
(MCLNA:Multi-Channel Low-Noise Amplifier)
を設けることが考えられる。MCLNAの使用形態とし
て、相隣接する受信用周波数チャネルについてはMCL
NAにより増幅し、他の受信用周波数チャネルについて
は単一チャネル低雑音増幅器(SCLNA:Single-Cha
nnel Low-Noise Amplifier)により増幅する、という使
用形態があるが、この使用形態では低雑音増幅器の個数
が多くなりやすい。そこで、本発明を適用し、受信アン
テナから得られる信号を、随所に非受信用送信チャネル
を挟む複数周波数チャネルに亘り、MCLNAにより同
時一括増幅し、入力分配器を介し各基本装置に供給する
こととする。このMCLNAと入力分配器との間に、非
受信用周波数チャネルの帯域に属する成分を阻止するフ
ィルタを設ける形態を以て、本発明を実施することによ
り、信号品質を改善すると同時に、受信側におけるフィ
ルタの使用個数を減らしまた各フィルタを小型化及び低
価格化することができる。
【0058】なお、図9では受信アンテナから基本装置
に至る系統が1系統であるが、複数系統にする場合もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の第1実施形態に係るテレビ
ジョン放送中継機の要部構成を示すブロック図であり、
(B)は本実施形態との対比のため従来技術によるテレ
ビジョン放送中継機の例を示すブロック図である。
【図2】 CIB型アンテナ共用器を利用したノッチフ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図3】 (A)は本発明の第2実施形態に係るテレビ
ジョン放送中継機の要部構成を示すブロック図であり、
(B)は本実施形態との対比のため従来技術によるテレ
ビジョン放送中継機の例を示すブロック図であり、
(C)は同じく従来技術によるテレビジョン放送中継機
の他の例を示すブロック図である。
【図4】 (A)は本発明の第3実施形態に係るテレビ
ジョン放送中継機の要部構成を示すブロック図であり、
(B)は本実施形態との対比のため従来技術によるテレ
ビジョン放送中継機の例を示すブロック図である。
【図5】 (A)は本発明の第4実施形態に係るテレビ
ジョン放送中継機の要部構成を示すブロック図であり、
(B)は本実施形態との対比のため従来技術によるテレ
ビジョン放送中継機の例を示すブロック図である。
【図6】 (A)は本発明の第5実施形態に係るテレビ
ジョン放送中継機の要部構成を示すブロック図であり、
(B)は本実施形態との対比のため従来技術によるテレ
ビジョン放送中継機の例を示すブロック図である。
【図7】 (A)は本発明の第6実施形態に係るテレビ
ジョン放送中継機の要部構成を示すブロック図であり、
(B)は本実施形態との対比のため従来技術によるテレ
ビジョン放送中継機の例を示すブロック図である。
【図8】 (A)(a)は本発明の第7実施形態に係る
テレビジョン放送中継機の要部構成を示すブロック図で
あり、(A)(b)は本実施形態の変形例を示すブロッ
ク図であり、(B)は本実施形態との対比のため従来技
術によるテレビジョン放送中継機の例を示すブロック図
である。
【図9】 従来の発想に基づき構成したテレビジョン放
送中継機の一例構成を示すブロック図である。
【図10】 アンテナ共用器の類例を示すブロック図で
あり、(A)はCIB型を、(B)はSPB型を、それ
ぞれ示す図である。
【符号の説明】
11A〜11F,12A〜12F,13A〜13F,1
4A〜14F,15A〜15F,16C〜16E,16
G,17D,17E,17G,18G,19G基本装
置、33A〜33G 出力混合器、44A〜44G M
CPA(多チャネル同時電力増幅器)、61,62 B
PF(バンドパスフィルタ)、63,64 カプラ、6
5,68 吸収抵抗、71A〜71T ノッチフィル
タ、72AHPF(ハイパスフィルタ)、72B,72
C LPF(ローパスフィルタ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K067 AA42 DD02 EE06 EE61 5K072 AA05 BB14 BB27 DD16 DD17 FF22 GG04 GG12 GG13 GG14 GG22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数軸に沿って密に配置された複数の
    周波数チャネルを選択的に使用して無線伝送を行う無線
    伝送システムにて、伝送すべき信号を無線中継するため
    に実行される無線中継方法において、 無線受信した信号から送信用の周波数チャネル別に送信
    信号を発生させ、この送信信号を、多チャネル同時増幅
    器により自局からの送信に使用しない周波数チャネルを
    含む複数の周波数チャネルに亘り同時一括増幅し、 多チャネル同時増幅器からの増幅出力のうち、自局から
    の送信には使用しないが自局又は他局による受信には使
    用する周波数チャネルに属する周波数帯域に現れている
    成分を、当該周波数帯域に属する信号を阻止する特性を
    有する送信用のフィルタにより、阻止し、 このフィルタを経た増幅出力を他の信号とは合成しない
    で無線送信することを特徴とする無線中継方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無線中継方法において、 無線受信した信号を、受信に使用しない周波数チャネル
    に属する周波数帯域に現れている成分を受信用のフィル
    タにより阻止した上で、上記増幅に供することを特徴と
    する無線中継方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の無線中継方法にお
    いて、 上記送信用のフィルタとして、その入力端が1個を除い
    て整合終端されたアンテナ共用器を用いることを特徴と
    する無線中継方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の無線中継方法にお
    いて、 上記受信用のフィルタとして、その入力端が1個を除い
    て整合終端されたアンテナ共用器を用いることを特徴と
    する無線中継方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の無線中継方法にお
    いて、 上記アンテナ共用器が、通過させるべき周波数チャネル
    とそれに隣接する阻止すべき周波数チャネルとの間のチ
    ャネル分離領域にてその通過減衰量が急峻に変化するバ
    ンドパスフィルタを用いた隣接チャネルアンテナ共用器
    であることを特徴とする無線中継方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか記載の無線中
    継方法を実施するための無線中継機であって、 複数の周波数チャネルの中から選択された所定の複数の
    受信用周波数チャネルを用いて信号を無線受信する手段
    と、 複数の周波数チャネルの中から選択された所定の複数の
    送信用周波数チャネルに係る送信信号を、各送信用周波
    数チャネルに対応する受信用周波数チャネルによる受信
    信号に基づき、周波数チャネル別に生成する手段と、 周波数チャネル別に生成した送信信号を自局からの送信
    に使用しない周波数チャネルを含め同時一括増幅する多
    チャネル同時増幅器と、 多チャネル同時増幅器からの増幅出力のうち、自局から
    の送信には使用しないが自局又は他局による受信には使
    用する周波数チャネルに属する周波数帯域に現れている
    成分を、阻止する送信用のフィルタと、 このフィルタを経た増幅出力を他の信号とは合成しない
    で無線送信する手段と、 を備えることを特徴とする無線中継機。
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