JP2003100173A - キーボードに於けるメンブレンシートエア抜き装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防水タイプのノートブックキーボードに装着
されている３層メンブレンに設けたエア抜き孔の機能を
向上させる。 【解決手段】 キーボード２４のメンブレンシート２７
に形成したエア抜き孔３５の周縁部位の所々であって、
且つ、前記上メンブレン３１の下面及び下メンブレン２
９の上面にパターン３８の印刷を施すことにより上下メ
ンブレン３１，２９とスペーサ３０との相互間の密着を
防止して、可動接点３３と固定接点３２との間のエアの
吸排が効果的に行われるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はキーボードに於ける
メンブレンシートのエア抜き装置に関するものであり、
特に、メンブレンスイッチの打鍵操作時に上下のメンブ
レンが密着しないようにしてエア抜きが円滑に行われる
ように構成したキーボードに於けるメンブレンシートの
エア抜き装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の此種キーボードに於けるメンブレ
ンシートのエア抜き装置を図４に従って説明する。同図
は、防水タイプのノートブックパソコンに設けられたフ
レーム１にメンブレンシート２を載設し、該メンブレン
シート２上にラバーシート３を組付けた状態を示す一部
切欠縦断面図である。

【０００３】而して、前記メンブレンシート２は、該フ
レーム１上に載設した下メンブレン４と、該下メンブレ
ン４上に載設したスペーサ５と、該スペーサ５上に設け
た上メンブレン６とから成る。又、該下メンブレン４の
上面には固定接点７が配設され、該固定接点７の上方で
あって、且つ、該上メンブレン６の下面には可動接点８
が設けられている。而して、該固定接点７と可動接点８
との間にスペーサ５によって所定の空隙部が形成され、
該可動接点８が該空隙部を介して上下動して固定接点７
に断接し、スイッチング動作が実行されるように形成し
てメンブレンスイッチ９を構成している。

【０００４】一方、該メンブレンシート２の上メンブレ
ン６とスペーサ５にはエア抜き孔１０が開穿されてい
る。更に、該エア抜き孔１０の上面は防水シール１１に
て被蔽されている。該防水シール１１は水の侵入を防止
し、空気のみの流通を許容するものである。又、前記メ
ンブレンスイッチ９の上方には前記ラバーシート３と一
体成形されたクリックラバー１２が配設されている。

【０００５】而して、キーボードのキートップ（図示せ
ず）の打鍵操作によって該クリックラバー１２の頭部下
面に突設された突部１３が上下動するので、前記可動接
点８が前記固定接点７に断接する。該可動接点８が下降
するときには、該可動接点８と固定接点７との間のエア
が上メンブレンスイッチ６とスペーサ５との間、或いは
下メンブレン４とスペーサ５との間を移動して前記エア
抜き孔１０に到達し、前記防水シール１１を介して該エ
アが外部へ排出される。

【０００６】又、該可動接点８が上昇するときは、該防
水シール１１、及び上メンブレン６とスペーサ５との
間、或いは下メンブレン４とスペーサ５との間を介して
可動接点８と固定接点７との間にエアが吸入されること
により、前記メンブレンスイッチ９の断接動作が実行さ
れる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例のメンブレ
ンスイッチは、上下メンブレンとスペーサとの間を介し
てエア抜き孔より可動接点と固定接点との間のエアを排
出吸入できるように形成して、可動接点と固定接点との
断接動作が可能となるように構成されている。

【０００８】然し乍ら、従来の上記メンブレンスイッチ
は、上下メンブレンとスペーサとが密着して可動接点と
固定接点との間のエアの排出吸入ができないことがあ
り、可動接点と固定接点との断接動作に支承を来してメ
ンブレンスイッチの品質を低下させる原因となってい
る。

【０００９】そこで、メンブレンスイッチの可動接点と
固定接点との間のエアを確実に排出吸入できるようにし
て円滑、且つ、確実なるスイッチング動作ができるよう
にするために解決せられるべき技術的課題が生じてくる
のであり、本発明は該課題を解決することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、可動接点を配設した
上メンブレンと固定接点を配設した下メンブレンとの間
にスペーサを介設して成るメンブレンスイッチであっ
て、該上メンブレンとスペーサとの間にエア抜き孔を開
穿すると共に、該エア抜き孔を防水シールにて被蔽して
前記可動接点と固定接点との間のエアを該エア抜き孔よ
り吸排できるように形成することにより、該可動接点と
固定接点との断接動作を可能にしたキーボードに於ける
メンブレンシートのエア抜き装置に於いて、該エア抜き
孔の周縁部位であって、且つ、前記上メンブレンの下面
及び下メンブレンの上面にパターン印刷を間欠的に施す
ことにより上下メンブレンとスペーサとの相互間の密着
を防止して、前記可動接点と固定接点との間のエアの吸
排動作が行われるように構成して成るキーボードに於け
るメンブレンシートのエア抜き装置、及び、上記メンブ
レンシートは防水タイプのノートブックキーボードに装
着される３層メンブレンから成るキーボードに於けるメ
ンブレンシートのエア抜き装置を提供するものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
１乃至図３に従って説明する。尚、従来例と同一構成部
分についても異なった符号を付して説明するものとす
る。図１はノートブックタイプパソコン２１を示す斜視
図である。該ノートブックタイプパソコン２１は防水タ
イプに形成され、本体部２２と液晶ディスプレイ部２３
とから成る。該本体部２２にはキーボード２４が設けら
れ、該キーボード２４にはキートップ２５，２５…が配
設されており、該キートップ２５，２５…の打鍵操作に
より各種データを該ノートブックタイプパソコン２１に
入力できるように構成されている。

【００１２】而して、該ノートブックタイプパソコン２
１は、図２に示すようにフレーム２６上にメンブレンシ
ート２７を載設し、そして、該メンブレンシート２７上
にラバーシート２８が組付けられている。又、該メンブ
レンシート２７は、該フレーム２６上に載設した下メン
ブレン２９と、該下メンブレン２９上に載設したスペー
サ３０と、該スペーサ３０上に設けた上メンブレン３１
とから成り、該下メンブレン２９の上面には固定接点３
２を配設してある。

【００１３】一方、該固定接点３２の上方であって、且
つ、前記上メンブレン３１の下面に可動接点３３が配設
され、又、該可動接点３３と固定接点３２との間はスペ
ーサ３０によって所定の空隙部が形成され、該空隙部を
介して固定接点３２に断接できるように形成してメンブ
レンスイッチ３４が構成されている。而して、前記可動
接点３３はクリックバネによって形成してもよい。

【００１４】又、該メンブレンシート２７には少なくと
も一箇所に上メンブレン３１とスペーサ３０に孔を開穿
してエア抜き孔３５が形成されている。更に、該エア抜
き孔３５の上面を防水シール３６にて被蔽して水の侵入
を防止している。該防水シール３６は従来例と同様に水
の侵入を防止し、空気のみの流通を許す材質のものが採
択される。又、前記メンブレンスイッチ３４の上方には
前記ラバーシート２８と一体成形されたクリックラバー
３７が配設されている。

【００１５】更に、図２及び図３に示すように、該エア
抜き孔３５の周縁部位であって、且つ、前記下メンブレ
ン２９の上面及び上メンブレン３１の下面にパターン３
８，３８…を間欠的に印刷し、該パターン３８，３８…
により上下メンブレン３１，２９及びスペーサ３０とが
相互に密着して導通不良を来すような現象は一切回避さ
れるように構成される。

【００１６】又、前記パターン３８，３８…の印刷は前
記エア抜き孔３５近傍の外、例えば前記メンブレンスイ
ッチ３４の周縁部にも施されてもよい。斯くすることに
より上下メンブレン３１，２９とスペーサ３０との密着
防止効果が一層助成されることになる。

【００１７】而して、前記キーボード２４に配設された
キートップ２５，２５…の打鍵操作によって、前記クリ
ックラバー３７の頭部下面に突設された突部３９が上下
動し、そして、前記可動接点３３が固定接点３２に断接
してスイッチング動作が実行されることは当然である。
斯くして、前記キートップ２５，２５…の打鍵操作によ
って該可動接点３３が下降するときには、該可動接点３
３と固定接点３２との間のエアが上下メンブレン３１，
２９とスペーサ３０との間を通過して前記エア抜き孔３
５に到達し、防水シール３６を介して該エアが外部へ排
出される。

【００１８】又、該可動接点３３への押圧が解除されて
該可動接点３３が上昇するときには、該防水シール３
６、及び上下メンブレン３１，２９とスペーサ３０との
間を介して可動接点３３と固定接点３２との間にエアが
吸入されることになり、依って、スペーサ３０によって
形成されている可動接点３３と固定接点３２との間の所
定の空隙が確保され、円滑に前記メンブレンスイッチ３
４の断接動作が実行されることができる。

【００１９】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない
限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該
改変されたものに及ぶことは当然である。

【００２０】

【発明の効果】この発明は上記一実施の形態に詳述した
ように、メンブレンシートのエア抜き孔の周縁部であっ
て、且つ、上メンブレンの下面及び下メンブレンの上面
にパターンが間欠的に印刷されているので、該パターン
により該上下のメンブレン及びスペーサとが相互に密着
してメンブレンスイッチの導通不良を来すようなことは
一切回避することができる。

【００２１】斯くして、キートップの打鍵操作時には、
メンブレンスイッチの可動接点と固定接点との間のエア
が、上下メンブレンとスペーサとの間を介して確実に排
出及び吸入され、正確、且つ、円滑なるメンブレンスイ
ッチのスイッチング動作をなすことができ、該メンブレ
ンスイッチの品質を向上させることができる等、正に著
大なる効果を奏する発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】液晶ディスプレイ部を展開した状態を示すノー
トブックタイプパソコンの正面図。

【図２】フレーム上にメンブレンシートを載設し、更
に、該メンブレンシート上にラバーシートを組み付けた
状態を示す一部切欠縦断面図。

【図３】メンブレンシートの要部の平面図。

【図４】従来例のフレーム上にメンブレンシートを載設
し、更に、該メンブレンシート上にラバーシートを組み
付けた状態を示す一部切欠縦断面図。

【符号の説明】

２４ キーボード ２７ メンブレンシート ２９ 下メンブレン ３０ スペーサ ３１ 上メンブレン ３２ 固定接点 ３３ 可動接点 ３５ エア抜き孔 ３６ 防水シール ３８ パターン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可動接点を配設した上メンブレンと固定
   接点を配設した下メンブレンとの間にスペーサを介設し
   て成るメンブレンスイッチであって、該上メンブレンと
   スペーサとの間にエア抜き孔を開穿すると共に、該エア
   抜き孔を防水シールにて被蔽して前記可動接点と固定接
   点との間のエアを該エア抜き孔より吸排できるように形
   成することにより、該可動接点と固定接点との断接動作
   を可能にしたキーボードに於けるメンブレンシートのエ
   ア抜き装置に於いて、該エア抜き孔の周縁部位であっ
   て、且つ、前記上メンブレンの下面及び下メンブレンの
   上面にパターン印刷を間欠的に施すことにより上下メン
   ブレンとスペーサとの相互間の密着を防止して、前記可
   動接点と固定接点との間のエアの吸排動作が行われるよ
   うに構成したことを特徴とするキーボードに於けるメン
   ブレンシートのエア抜き装置。
2. 【請求項２】 上記メンブレンシートは防水タイプのノ
   ートブックキーボードに装着される３層メンブレンから
   成る請求項１記載のキーボードに於けるメンブレンシー
   トのエア抜き装置。