JP2003098226A - プリント基板故障判定方法 - Google Patents
プリント基板故障判定方法Info
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- JP2003098226A JP2003098226A JP2001292332A JP2001292332A JP2003098226A JP 2003098226 A JP2003098226 A JP 2003098226A JP 2001292332 A JP2001292332 A JP 2001292332A JP 2001292332 A JP2001292332 A JP 2001292332A JP 2003098226 A JP2003098226 A JP 2003098226A
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Abstract
おいて、故障の発生部位、故障状態の特定を低コストな
システムで効率よく判定できるプリント基板故障判定方
法を提供する。 【解決手段】 所定のプリント基板の作動に対応する各
信号を入力し、これらの信号の各々の入力時における全
てのプリント基板に供給される電源電流の総量を各々時
系列的に測定し、測定された電源電流総量の時系列パタ
ーンと予め記憶された各々の信号の入力時におけるプリ
ント基板の正常状態に対応した電源電流総量の時系列パ
ターンとを各々の信号毎に照合し、照合結果に基づいて
プリント基板の故障を判定する。
Description
判定方法に関し、特に複数のプリント基板を含んだ電子
機器の中から故障箇所、故障状態などを特定するプリン
ト基板故障判定方法に関する。
年、パーソナルコンピュータ、複写機等の電子機器に
は、性能、機能の向上に伴い、それらを実現するための
様々な用途のアナログ、及びデジタルの電子回路がプリ
ント基板の形で格納されてきている。また、自動車、航
空、ロボット、半導体設計装置、及びその他の産業機器
においても動作制御等の手段として、信頼性が高く、高
速・高精度での動作が可能な電子回路基板が数多く搭載
されてきている。
するために、様々な形でケーブルを介して接続されるこ
とにより、所望のスペックが実現されている。このよう
な基板が搭載される機器が使用される環境は、通常はオ
フィス内であったり、家屋内であったりするが、それ以
外の過酷な環境下で使用される場合もあり、使用環境は
非常に多岐にわたっている。特に使用環境が劣悪である
場合には、通常の方法で使用していたとしても、検出の
困難な様々な異常、故障が発生し、その修復には多大な
労力を要することになる。
合でも、電子回路の異常、故障は発生し、その頻度は必
ずしも低いとは言えない。そして、故障が発生した場
合、その発生個所を特定するのに多くの手間と時間を要
することがある。一般的にはテスターなどの測定装置を
用いて主要な個所の電圧や信号波形をモニターしながら
故障個所の特定を行う。しかしながら、このような診断
方法では様々な個所の測定を行わなければならず、故障
の診断に手間がかかってしまい、作業効率が悪いという
問題があった。
合には、安全性やコストなどの面から早急な対応が必要
でもある。対応の一例として、複写機やプリンタ等の異
常、故障情報の連絡が入った場合、フィールドエンジニ
ア等の呼称で呼ばれる修理担当者が現地に駆けつけて、
機器に記録されている故障個所情報や故障履歴の情報等
をもとに故障部位の特定を行い、交換する、あるいは修
理を行う、などの措置手段を講ずることが行なわれてい
る。あるいは、これらの機器がネットワークに接続され
ており、自動的にこれらの情報を管理する部署へ、状態
の管理や故障情報等を伝送する場合には、これらの情報
をあらかじめ解析した上で、修理担当者により、同様の
措置が取られる。
常、故障が発生した場合には、通常、機器は使用不可能
となり、ダウンタイムが生じてしまう、というユーザ側
にとってのデメリットが発生する。また、メーカ側にと
っても、故障部位の特定に手間取ったり、故障部位が必
ずしも正確に特定できるとは限らず、故障と考えられる
部分を全て交換する等の措置により、多大なコストが発
生したり、あるいは修理そのものに時間がかかってしま
う、マンパワー的な対応がおいつかない、といったよう
な状況が発生する。従って、ユーザ側、メーカ側の双方
に取って、多大な損失を被る状況が多発しているという
のが現状である。
生自体を予測する場合、特定する精度を上げたり、特定
するまでの時間的なロスを削減する、様々な異常、故障
状態をもれなく把握する、これらの構成を簡単かつ低コ
ストで実現する、といった方法について様々な試みがな
されている。
開示された「電気回路及び電気部品を備えた装置の故障
診断方法」では、装置に流入する電流を電流センサによ
って検出し、その大きさによって装置の故障判断を行う
方法が開示されている。この方法により、個々の測定個
所を手作業で計測することなく故障診断を行うことがで
き、故障修理の効率化が図れるとしている。
開示された「電子装置の診断システム及び診断方法」で
は、図21に示すように、電子装置の故障箇所を特定
し、早期発見することを目的として、各PWBAへ電源
を供給する部分の電流値を測定する手段を設け、測定し
た値を電圧変換した上で増幅し、それらの値を別に用意
しているCPUと、各PWBAの状態が正常である場合
の電流値を記憶しているメモリとを設けた部分へ導いて
比較することにより、各PWBAがそれぞれ故障してい
るかどうかを診断する。この方法により、故障PWBA
を迅速かつ容易に検出することが可能となり、また、各
PWBA毎に測定するのであるから検出率が向上し、し
かもそれらをリアルタイムで実施することが可能とな
る、といった利点をもっている。またこのようにして故
障部位が特定できていれば、迅速かつ容易に取替えも可
能となり、また安全性を向上するための防災処置が適切
に可能となる、複数のPWBAの状態診断が一度に可能
となる、といった様々な利点を有している。
示された「電磁波測定記録装置、及び電磁波測定記録装
置を用いた電気機器材の動作診断システム」では、図2
2に示すように、電気機器やケーブルの状態を光電界セ
ンサを利用することで、電磁波から状態観測を行う方法
を取っている。これは、光電界センサヘッドを、状態を
知りたい機器に近づけ、電磁波を測定することにより、
測定された電磁波は光ファイバを介して、光検出器、記
録手段、信号処理及びインターフェイス手段を備える装
置本体へ送られ、あらかじめ、正常状態の電磁波情報を
記録しているメモリとアクセスして、その情報と照合す
ることにより、動作異常、劣化状況、故障状況等につい
て診断する方法である。この方法により、ターゲットと
する機器の状況を非破壊、非接触で安全に行うことが可
能となる。また、応答周波数の異なるセンサヘッドを使
用することにより、検出情報の組み合わせから高精度で
状態を検出することが可能となるとともに、装置本体を
一体化した構成とすることで、モビリティが向上し、か
つ制約された場所への適用も簡単になる、といった利点
を備えている。
「MTS法を用いた紙幣の識別」に開示された技術で
は、図23(A)、(B)に示すように、故障部位を特
定するために必要な特徴量で実際に多く使用されている
多変量データとして、紙幣画像をスキャンした読み取り
画像をその画像の特徴の一つである周波数特性から抽出
する方法を使用している。MTS法は「マハラノビス・
タグチ・メソッド」の略であり、正常状態のデータを母
集団として形成させ、そこから診断したい状態の情報を
正規化した距離で表現して、その距離から診断したい情
報が正常かどうかをある確率で求める方法であり、多変
量データから故障情報を導出する数少ない手段として重
宝されている。
公報に開示された「電気回路及び電気部品を備えた装置
の故障診断方法」では、シーケンスに従って順次電子部
品を動作させるような装置にのみ有効であり、複数の電
子回路基板からなり、それぞれが並列に動作する可能性
のある装置に対しては、どの基板に故障が発生したか診
断できないという問題がある。
開示された「電子装置の診断システム及び診断方法」の
場合、PWBAの枚数分だけ、電流値を測定するセンシ
ング部位を設ける必要があり、装置が複雑化すると共に
コストが高くなるといった問題がある。さらに、この方
法では、故障情報が電流情報に包含して表現されている
場合には、故障しているPWBAを特定することが可能
であるが、故障情報が電流情報に包含されないような場
合や、測定誤差内にある場合には故障を検出すること自
体が困難である、という問題がある。
示された「電磁波測定記録装置、及び電磁波測定記録装
置を用いた電気機器材の動作診断システム」について
も、システムに光ファイバを用いるためにコストが高く
なるという問題がある。
「MTS法を用いた紙幣の識別」に見られるような多変
量データを用いた診断方法では、正常と異常との境界が
精度的に確率論的な求め方であるため、取り扱うデータ
によってその精度が変化するなど、確実に異常状態を検
出することはできなかった。
成されたものであり、複数のプリント基板を備えた各種
電子機器において、故障の発生部位、故障状態の特定を
低コストなシステムで効率よく判定できるプリント基板
故障判定方法を提供することを目的とする。
めに、第1の発明のプリント基板故障判定方法は、複数
のプリント基板で構成された電子回路へ所定のプリント
基板の作動に対応する各信号を入力し、前記信号の各々
の入力時における前記複数のプリント基板に供給される
電源電流の総量を各々時系列的に測定し、測定された電
源電流総量の時系列パターンと予め記憶された前記信号
の入力時におけるプリント基板の正常状態に対応した電
源電流総量の時系列パターンとを各々の信号毎に照合
し、前記照合結果に基づいてプリント基板の故障を判定
するものである。
された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対応する
各信号を入力することにより、特定のプリント基板で各
信号に対応する処理が行なわれる。ここで行なわれる処
理に応じて、複数のプリント基板に供給される電源電流
の総量の時系列パターンは変化し、各信号毎に固有の電
源電流の総量の時系列パターンを有する。そこで、前記
信号の各々の入力時における電源電流の総量を各々時系
列的に測定する。一方、プリント基板の正常状態に対応
した前記信号の入力時における電源電流総量の時系列パ
ターンを信号毎に予め記憶しておく。そして、測定され
た電源電流総量の時系列パターンと予め記憶された電源
電流総量の時系列パターンとを各々の信号毎に照合し、
照合結果に基づいてプリント基板の故障を判定する。例
えば、照合の結果、測定された電源電流総量の時系列パ
ターンと予め記憶された電源電流総量の時系列パターン
とが同一パターンであると判断できる場合には、該信号
に対応するプリント基板は正常であると判断することが
でき、異なるパターンである場合には、該信号に対応す
るプリント基板に故障が生じていると判定することがで
きる。
で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に対
応する各信号を入力し、正常時の複数のプリント基板に
供給される電源電流の総量の時系列パターンと各信号入
力時の当該時系列パターンとを照合して所定のプリント
基板の故障を特定するので、各々のプリント基板毎に電
源電流測定手段を設置する必要がなく、簡易な構成によ
り低コストで効率よく故障の発生部位、故障状態の特定
をすることができる。
基板の作動に対応する各信号の入力を、各信号を時系列
的に連続させて行なうことにより、故障判定処理を迅速
に行なうことができる。
は、複数のプリント基板で構成された電子回路から順次
プリント基板を選択すると共に選択された所定のプリン
ト基板に電源電流を供給し、前記所定のプリント基板へ
の電源電流供給時における前記複数のプリント基板に供
給される電源電流の総量を測定し、測定された電流の総
量と所定のプリント基板毎に予め記憶された前記所定の
プリント基板への電流供給時におけるプリント基板の正
常状態に対応した電流の総量とを照合し、前記照合結果
に基づいて前記所定のプリント基板の故障を判定するも
のである。
された電子回路から順次プリント基板を選択すると共に
選択された所定のプリント基板に電源電流を供給する。
複数のプリント基板へ供給される電源電流の総量は電源
電流の供給されるプリント基板に応じて変化する。そこ
で、前記所定のプリント基板への電源電流供給時におけ
る前記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量
を測定する。一方、プリント基板の正常状態に対応した
所定のプリント基板への電源電流供給時における電源電
流総量を所定のプリント基板毎に予め記憶しておく。そ
して、測定された電源電流総量と所定のプリント基板毎
に予め記憶された前記所定のプリント基板への電流供給
時におけるプリント基板の正常状態に対応した電流の総
量とを照合し、照合結果に基づいて前記所定のプリント
基板の故障を判定する。例えば、照合の結果、測定され
た電流の総量と予め記憶された電流の総量とが所定の閾
値範囲内で同一であると判断できる場合には、所定のプ
リント基板は正常であると判断することができ、測定さ
れた電流の総量と予め記憶された電流の総量とが所定の
閾値範囲外で同一でないと判断できる場合には所定のプ
リント基板に故障が生じていると判定することができ
る。
定のプリント基板に限定すると共に、正常時における複
数のプリント基板に供給される電源電流の総量と限定時
における当該電源電流の総量とを照合することにより所
定のプリント基板の故障を特定するので、各々のプリン
ト基板毎に電源電流測定手段を設置する必要がなく、簡
易な構成により低コストで効率よく故障の発生部位、故
障状態の特定をすることができる。
基板の各々への電源電流供給を制御するスイッチが設置
され、各々のスイッチを制御することにより前記所定の
プリント基板への電源電流の供給を行なうことができ
る。
は、複数のプリント基板への電源電流供給部から物理情
報を検出し、前記検出された物理情報が含む多変量デー
タの解析を行ない、前記複数のプリント基板の各々の故
障状態に対応する予め記憶された複数の故障データの中
から前記解析の結果得られたデータと同一パターンの故
障データを抽出し、前記複数のプリント基板が前記抽出
された故障データに対応した状態であると判断するもの
である。
源電流供給部から物理情報を検出し、検出された物理情
報が含む多変量データの解析を行なう。ここで、物理情
報とは、電流、電位、電力、音などの情報をいい、多変
量データとは、これらの物理情報に含まれる周波数特性
やパワースペクトルなどの多変量で表されるデータをい
う。解析の結果得られたデータは、各々のプリント基板
の状態に応じて特有のパターンを示す。そこで、前記複
数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶
された複数の故障データの中から、前記解析の結果得ら
れたデータと同一パターンの故障データを抽出する。こ
こで、複数のプリント基板の各々の故障状態とは、故障
している単一または複数のプリント基板の特定やプリン
ト基板の故障の種別を示す状態をいう。
のプリント基板の特定やプリント基板の故障の種別を示
す状態と対応しているので、前記複数のプリント基板が
前記抽出された故障データに対応した状態であると判断
する。
が含む多変量データを利用して故障状態の判定を行なう
ので、特定の故障状態に特有の情報を少ない検出データ
から得ることができ、簡易な構成でより正確にプリント
基板の故障判定を行なうことができる。
タが故障の発生している少なくとも1つのプリント基板
を示すことにより故障の発生しているプリント基板を特
定することができる。
復数のプリント基板への最上流の電源供給部分から検出
することにより、複数のプリント基板への電源電流及び
電位を検出することができる。
所定の変量毎に前記多変量データをサンプリングし、デ
ジタル化することもでき、前記デジタル化は、前記物理
情報を測定する測定系の有する誤差値より大きい値を閾
値として行なうこともできる。
あるとの判断を、前記閾値に設定された誤差範囲内のデ
ータ値を除外して行なうことにより、より正確に判断を
することができる。
あるとの判断を、前記解析の結果得られたデータと前記
故障データ測定データとの比較を双方のデータに特徴的
な部分を合わせることにより多変量データの誤差を修正
した上で行なうことにより正確に判断をすることができ
る。
は、複数のプリント基板から2種類以上の物理情報を抽
出し、抽出された各々の物理情報が含む多変量データの
解析を行ない、前記複数のプリント基板の各々の故障状
態に対応する予め記憶された複数の故障データの中から
前記解析の結果得られた各々の物理情報の多変量データ
を組み合わせた組合せデータと同一パターンの故障デー
タを抽出し、前記複数のプリント基板が前記抽出された
故障データに対応した状態であると判断する。
から2種類以上の物理情報を抽出し、抽出された各々の
物理情報が含む多変量データの解析を行ない、前記複数
のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め記憶さ
れた複数の故障データの中から前記解析の結果得られた
各々の物理情報の多変量データを組み合わせた組合せデ
ータと同一パターンの故障データを抽出し、前記複数の
プリント基板が前記抽出された故障データに対応した状
態であると判断するので、より多くの情報に基づきプリ
ント基板の故障状態を判断することにより、正確にプリ
ント基板の故障を判断することができる。
るプリント基板故障判定方法について説明する。
で、複数の電子回路基板を備えた装置のプリント基板故
障判定方法を実施するための装置構成例を示す概略構成
図である。電源12は制御基板14と電源線16で接続
されており、制御基板14に電流を供給している。ま
た、電源12からの電流は、制御基板14を介して電源
線18によって駆動系制御用基板20へ、電源線22に
よってセンサ制御用基板24へ各々供給されている。
の駆動系を制御するための回路が配置された基板であ
り、センサ制御用基板24は、CCDなどのセンサを制
御してセンサからの信号を受けるための回路が配置され
た基板である。
0、及び、制御基板14とセンサ制御用基板24とはそ
れぞれ複数の信号線によって接続されている。また制御
基板14は電子機器内のバス配線26に接続されてい
る。
ロック図である。制御基板14上には、システム制御や
故障診断等の各種処理を行うCPU30、CPU用のR
AM32、CPUでの処理プログラムを格納するROM
34、電源12から供給された電流値を測定するための
電流測定回路36、後述する入力信号パターンを格納す
るROM38、電子機器内のバス配線26とのインター
フェース用の素子40、コネクタ42、駆動系制御用基
板20とのインターフェース用の素子44、コネクタ4
6、センサ制御用基板24とのインターフェース用の素
子48、コネクタ50、及び電源用のコネクタ52が実
装されている。
介してCPU30と接続されており、CPU30、RA
M32、ROM34、ROM38、及びインターフェー
ス用の素子40は、バス56により各々接続されてい
る。また、CPU30とインターフェース用の素子4
4、CPU30とインターフェース用の素子48とは、
各々信号線により接続されており、制御基板12と駆動
系制御基板20、制御基板12とセンサ制御用基板24
とは、コネクタ46、コネクタ50を介して各々配線に
より接続されている。
る。
る故障判定処理1のフローチャートを図3に示す。故障
判定処理1は、定期的に、例えば回路網システムの内蔵
された電子機器のメイン電源がオンになった直後などに
行なわれる。
御基板14のCPU30で実行されている電子機器全体
を制御するプログラムから実行されるか、もしくは図示
しない電子機器全体のメイン制御システムのプログラム
から実行される。
ると、図3に示すように、ステップS10で制御基板1
4上のCPU30に、故障判定プログラムがロードされ
る。ステップS12で、ROM38から図4に示すよう
な入力信号パターンを読み出し、ステップS14で、読
み出した入力信号パターンに基づいた入力信号を、通常
動作で出力する信号の代わりに、クロックに同期させて
出力する。ここで、入力信号パターンとは、故障してい
る基板を検出するためにCPU30から出力される複数
の信号のパターンであり、例えば、制御基板14のみで
処理が行なわれるような信号パターン、制御基板14と
駆動系制御用基板20とで処理が行なわれるような信号
パターン、制御基板14とセンサ制御用基板24とで処
理が行なわれるような信号パターン等の、特定の基板で
処理がおこなわれるように機能する様々な信号パターン
で、各々が予めROM38に格納されている。なお、入
力信号パターンに基づく入力信号はCPU30から、一
旦制御基板14の入力インターフェース用の素子40へ
出力してもよい。
と平行して、電流測定回路36で検出されA/D変換器
でA/D変換された電流データを、一定のクロックサイ
クルごとにCPU30に取り込む。ステップS18で、
一定のクロックサイクルごとに取り込まれた電流データ
を一旦RAM32に格納し、ステップS20で、故障判
定プログラムに組み込まれており、予めRAM32に格
納済みの正常時電流データ群と検出された電流データ群
とに基づいて統計処理を行い、評価値を算出する。図5
に正常時の電流−時間特性、図6に測定時の電流−時間
特性の一例を示している。故障時には図6の点線や破線
で示すような電流特性となる。なお、ここでの統計処理
の詳細については後述する。
定の値を超える場合には、故障と判定し、ステップS2
4で、図示しないメモリに当該入力信号を識別する情報
を記憶する。ステップS26で、すべての入力信号パタ
ーンの読出しが行なわれたかどうかを判断し、すべての
入力信号パターンの読出しが行なわれている場合には、
ステップS28前記メモリにデータが入っているかどう
かを確認、すなわち、故障との判断がなされているかど
うかを確認する。データがはいっていない場合には、故
障していないものとして故障判定処理を終了する。デー
タが入っている場合には、ステップS30で記憶されて
いる入力信号から故障している箇所を判断する。故障箇
所の判断は、例えば、制御基板14のみで処理が行われ
る入力信号パターンを出力して得られた結果が故障であ
った場合には、制御基板14が故障判断され、制御基板
14と駆動系制御用基板20とで処理が行われる入力信
号パターンを出力して得られた結果が故障であって、制
御基板14は正常と判断された場合には、駆動系制御用
基板20の故障、もしくは制御基板14と駆動系制御用
基板20との接続不良の判定となる。また、制御基板1
4とセンサ制御用基板24とで処理が行われる入力信号
パターンを出力して得られた結果の場合も同様の故障判
定が可能である。
る手段、例えばLED点灯や液晶パネルへの表示といっ
たコマンドを発する。なお、故障が検出されていない状
態ですべての入力信号パターンの読出しが行なわれてい
ない場合には、ステップS12に戻って上記のステップ
を繰返す。
診断された場合には、システムは通常の動作へと移行
し、CPU30は、通常のプログラムをロードして通常
の動作が行なわれる。故障があると診断された場合に
は、システムは故障への対応待ち状態となる。
いて説明する。統計処理は、例えばマハラノビス空間に
基づく手法を用いる。本実施の形態ではマハラノビス空
間を時間(T1, T2…,Tn)におけるそれぞれの電流量
(I'1, I'2…I'n)で構成する。まず正常時に各々の入
力信号パターンに対する電流量のサンプリングが行われ
る。これを複数回行うことで正常時のマハラノビス空
間、すなわち正常時の基準データが作成される。正常時
の測定をm回行った場合には、電流量データ群(I' 1-1,
I'2-1…I'n-1), (I'1-2, I'2-2…I'n-2)… (I'
1-m, I'2-m…I'n-m)が得られ、これらのデータは次式
で基準化される。
との各電流量データの平均値である。つまりAVE1は
I'1-1, I'1-2… I'1-mの平均値を示している。σnは
各時間ごとの各電流量の標準偏差である。このようにし
て得られる基準化データ(I1 -1, I2-1…In-1), (I
1-2, I2-2…In-2)… (I1-m, I2-m…In-m)に基づ
き、次に示すような相関行列Rが求められる。
し、i,j=1〜n)は次式に示すとおり、基準化データ
群の各データIi-jおよびIj-iの関数で示される。
ラノビス空間)が次式のように求められる。
テップS16で取得した電流データに上記式(1)を用
いて基準化を施してIi’,Ij’を求め、次式(5)か
らマハラノビス距離Dを求める。
め求めたマハラノビス空間Aの行列要素である。
離Dは、1に近いほど正常な状態に近く、離れるほど故
障している確率が高いことを意味する。そこで、マハラ
ノビス距離Dを評価値として、故障か否かの判断のため
の閾値を予め設定しておく。例えばDが0.5より小さ
い場合、またはDが3より大きい場合に故障と判定する
ように判定基準を設けておき、ステップS22で故障か
否かの判断を行なう。なお、以上のような演算処理は制
御基板14上のCPU30で行われるが、制御基板14
上に演算専用の回路を設けることもできる。
板で構成された電子回路へ所定のプリント基板の作動に
対応する各信号を入力し、正常時の複数のプリント基板
に供給される電源電流の総量の時系列パターンと各信号
入力時の当該時系列パターンとを比較して所定のプリン
ト基板の故障を特定するので、各々のプリント基板毎に
電源電流測定手段を設置する必要がなく、簡易な構成で
低コストで効率よく故障の発生部位、故障状態の特定を
することができる。
パターンに基づく入力信号を、個々に出力して対応する
電流データを取り込んだが、図7に示すように、入力信
号パターンを、制御基板14のみで処理が行われるパタ
ーン、制御基板14と駆動系制御用基板20とで処理が
行われるパターン、制御基板14とセンサ制御用基板2
4とで処理が行われるパターンというように時系列に異
なるパターンを連続させて形成し、この入力信号パター
ンに基づいた入力信号を出力して対応する電流データを
取り込み、故障判定を行なうこともできる。
基板の不良、制御基板と駆動系制御用基板との間の接続
不良や制御基板とセンサ制御用基板との間の接続不良な
どの電流変動の特徴が表れやすくなる、というメリット
がある。
図8に示す。t0〜taが制御基板14のみで処理が行わ
れるパターン、ta〜tbが制御基板14と駆動系制御用
基板20とで処理が行われるパターン、tb〜tcが制御
基板14とセンサ制御用基板24とで処理が行われるパ
ターンに対応する電流値である。
準データは機器の製造直後に複数回電流測定を行なって
取得してもよく、機器設置後の複数回の電源オンオフ動
作時に電流測定を行なって取得してもよい。また、基準
データを故障判定の測定で正常と判定された場合にその
測定データを加えることで更新して次の判定に用いるこ
ともできる。
ては、第1の実施の形態と同一部分に付いては同一の符
号を付して、詳細な説明は省略する。
基板を備えた装置の故障判定方法を実施するための装置
構成例を示す。駆動系制御用基板20、及びセンサ制御
用基板24には、制御基板14からの信号によりオン、
オフ制御されるスイッチ21、及びスイッチ25が各々
設けられ、これらのスイッチによって各基板への電源供
給が制御できるようになっている。これらのスイッチ
は、例えばFET(FieldEffect Transistor)を用いて構
成することができる。制御線19は、スイッチ21と制
御基板14とを接続し、制御線23は、スイッチ25と
制御基板14とを接続しており、各々制御信号の送受信
を可能としている。なお、制御基板14と駆動系制御用
基板20、制御基板14とセンサ制御用基板24はそれ
ぞれ図示しない複数の信号線によって接続されている。
上記以外の装置構成は、第1の実施の形態と同様である
ため説明を省略する。
ブロック図である。コネクタ46にはスイッチ21と制
御基板14とを接続する制御線19が接続され、コネク
タ50にはスイッチ25と制御基板14とを接続する制
御線23が接続されている。本実施の形態の制御基板1
4には、ROM38は配置されていない。その他の部分
に付いては第1の実施の形態と同様であるので説明を省
略する。
る。
る故障判定処理2を図11に示す。故障判定処理2は、
装置全体が待機状態である時、定期的に行われ、例えば
複数の電子回路基板を備えた装置のメイン電源がオンに
なって立ち上げ時のシーケンスが終了した直後などに実
行される。
御基板14のCPU30で実行されている電子機器全体
を制御するプログラムから実行されるか、もしくは図示
しない電子機器全体のメイン制御システムのプログラム
から実行される。
は、決められた回数分取り込んだデータの平均値を用い
る。
と、図11に示すように、ステップS40で、制御基板
14上のCPU30に故障判定2プログラムがロードさ
れる。ステップS42で、制御基板14上のCPU30
から、表1に示す順序で、各基板に備わっているスイッ
チに対する制御信号(以下「SW制御信号」という)を
出力して各基板への電源供給を制御する。
替える度に電源電流値を取り込み、ステップS46でこ
の電源電流値を電流データとしてRAM32に格納す
る。ステップS48で、SW制御信号の各スイッチング
パターンに対応させて予めプログラムに記憶されてい
る、既にRAM32に格納された正常状態での基準電流
値と取り込んだ電流データとを比較して、各スイッチン
グパターンに対応する電流データが正常か異常かを判断
する。ここでの判断は、例えば、正常状態での電流値と
取り込んだ電流データとの差が、±0.1mA以内であ
れば正常判断、この値を超えれば異常判断というよう
に、一定の閾値を設けて行なうことができる。ステップ
S50で、各スイッチングパターン毎に上記判断が正常
か異常かを記憶し、ステップS52で、異常データが記
憶されているか否かを判断する。異常データが記憶され
ていない場合には、故障していないものとして本処理を
終了する。異常データが記憶されている場合には、ステ
ップS54で、記憶された正常か異常かのデータに基づ
いて、故障基板を特定する。ここでの故障基板の特定
は、例えば、記憶された正常か異常かのデータを、各ス
イッチングパターンにおける判定結果と故障発生基板と
の関係を対応付けた表2に示すような判定テーブルにあ
てはめて行なうことができる。
ン1のとき異常で、スイッチングパターン2(及びスイ
ッチングパターン3)のときに正常だった場合は、駆動
系制御基板20に故障が発生していると判断し、スイッ
チングパターン1(及びスイッチングパターン3)のと
き正常で、スイッチングパターン2のときに異常だった
場合は、センサ系制御基板24に故障が発生していると
判断し、スイッチングパターン1及びスイッチングパタ
ーン2のとき異常で、スイッチングパターン3のときに
正常だった場合は、駆動系制御基板20及びセンサ系制
御基板24の双方に故障が発生していると判断すること
ができる。また、スイッチングパターン1〜3のすべて
が異常であった場合には、スイッチングパターン3の結
果から制御基板14には故障が発生していると判断でき
るが、さらにそれ以外の基板にも故障が発生している可
能性が残る。そこで、この場合には、以下のようにして
故障基板を特定する。
タと正常状態の電流値との差分ΔI3を計算し、次にスイ
ッチングパターン1、2それぞれの電流データと電流値
との差分ΔI1、ΔI2を計算する。そしてΔI1とΔI3、及
びΔI2とΔI3をそれぞれ比較し、その差が所定の値の範
囲内に収まっていれば、すなわち、略ΔI1=ΔI3、かつ
ΔI2=ΔI3であれば、制御基板14以外の基板は正常で
あると判断することができる。ΔI1がΔI3を比較した差
分が所定の値を超えていれば(ΔI1≠ΔI3)駆動系制御
用基板20にも故障が発生していると判断することがで
き、ΔI2とΔI3を比較した差分が所定の値を超えていれ
ば(ΔI1≠ΔI2)センサ駆動系制御用基板24にも故障
が発生していると判断することができる。
テップS56で、CPU30は使用者に知らせる手段、
例えばLED点灯や液晶パネルへの表示といったコマン
ドを発し、本処理を終了する。
診断された場合には、システムは通常の動作へと移行
し、CPU30は、通常のプログラムをロードして通常
の動作が行なわれる。故障があると診断された場合に
は、システムは故障への対応待ち状態となる。
流値を用いた診断方法について述べたが、第1の実施の
形態で述べたように、一定のクロックサイクル毎に電流
データを取り込み、時系列パターンを利用して電流値の
動的特性を正常状態と比較することにより、故障基板を
特定する手法を用いることもできる。この手法によれ
ば、静的な状態では検出できない変化も検出でき、故障
発見の精度向上を図ることができる。また、第1の実施
の形態で紹介したマハラノビス空間に基づく統計処理手
法は静的状態での故障判定に適用することもでき、これ
によりさらなる診断精度向上を図ることができる。
態で、複数のプリント基板を備えた装置の故障判定方法
を実施するための装置構成例を示す概略構成図である。
電源からの電流を供給する電源ライン60の上流部に
は、プリント基板62Aが接続されており、プリント基
板62Aを介してプリント基板62B及びプリント基板
62Dに電源が供給されている。また、プリント基板6
2Cにはプリント基板62Bを介して、プリント基板6
2Eにはプリント基板62Dを介して、各々電源が供給
されている。また、プリント基板62Aとプリント基板
62Bとは信号ライン64で接続されており、プリント
基板62Bとプリント基板62C、プリント基板62
B、及びプリント基板62Eとが信号ライン64で接続
されている。
されたさらに上流側には、電流値や電位などの物理情報
を抽出可能な物理情報抽出部66が接続されている。物
理情報抽出部66は、比較部68と接続されており、比
較部68は、予め各プリント基板が故障した場合の固有
の状態情報を格納している格納部70、及び故障特定部
72と接続されている。
各プリント基板が故障した固有の状態情報(以下「状態
情報」という)について説明する。
ata0、Data1、及びData2を示すグラフで
ある。Data0、Data1、及びData2は、非
時系列(時間軸を伴わない)で表示された多変量データで
あり、各多変量データごとに固有の状態情報(正常状
態、プリント基板62Aの故障状態など)に対応してい
る。この多変量データを解析するにあたり、縦軸に示さ
れる物理量に閾値を設定してData0、Data1、
及びData2をデジタル化する。このとき、図14に
示すように、当該多変量データが含む測定系及び再現性
の誤差が生じている。そこで、この誤差を含んで閾値範
囲を設定する。例えば、図13(A)に示す多変量デー
タに−21.5を閾値として設定し、誤差を±0.1と
すると、−21.6〜−21.4が閾値範囲となる。そ
して、この閾値範囲を用いて、Data0、Data
1、及びData2の各々をデジタル化する。デジタル
化は、閾値範囲より上であれば「1」、閾値範囲より下
であれば「0」の情報を付与して行なう。Data0、
Data1、及びData2の各々をデジタル化したも
のを、図13(B)に示す。
デジタル化したものが、前記状態情報となり、図15に
示すように、多変量データの種類毎に格納部70に格納
される。
る。本実施の形態に係る故障判定方法を実行する故障判
定処理3のフローチャートを図16に示す。故障判定処
理3は、例えば、電子回路システムに異常が発生した場
合に行なわれる。
ると、図13に示すように、ステップS60で、多変量
データの基礎となる物理情報の種類を選択し、ステップ
S62で、選択した物理情報を物理情報抽出部66によ
り抽出する。ここで、多変量データとして取り扱う物理
情報としては、電流、電位などが考えられる。また、多
変量データの種類として電源電流の周波数特性、パワー
スペクトルなどが考えられる。ステップS64で当該物
理情報が示す値とモニター時に含まれる誤差値に応じて
閾値を設定する。ステップS66で、設定した閾値に基
づいて測定した物理情報のデジタル化を行ない状態情報
を作成する。
中の正常状態を示す状態情報を読出し、ステップS70
で測定して得た状態情報と正常状態を示す状態情報とを
比較して両者に差があるか否かを判断する。測定して得
た状態情報と正常状態を示す状態情報とを比較した結
果、両者に差がある場合には、ステップS72で異常状
態を示す複数の状態情報の中から測定して得た状態情報
と一致するビットパターンのデータを検索する。ステッ
プS74で一致するデータがあるか否かを判断し、一致
するデータがある場合には、抽出された状態情報に対応
した異常状態であると故障状態を判断することができる
ので、ステップS76で当該故障情報を故障特定部72
に記憶し、本処理を終了する。例えば、抽出された状態
情報がプリント基板62Aのみが異常状態の場合の状態
情報であるとすると、プリント基板62Aに故障が発生
していると判断することができる。
情報と正常状態を示す状態情報とを比較して両者に差が
ない場合、及び、ステップS74で一致するデータがな
い場合には、ステップS78ですべての多変量データの
基礎となる物理情報の種類が選択されたか否かを判断
し、判断が否定されればステップS80で次に選択する
物理情報を設定した後、ステップS60へ戻り上記の手
順を繰返して、一致する異常状態情報の検索を行なう。
ステップS78ですべての多変量データの基礎となる物
理情報の種類が選択されたと判断された場合には、故障
の特定を行なうことなく本処理を終了する。
6で抽出された物理情報を多変量データとして取り扱
い、当該多変量データのパターンに閾値を設定してデジ
タルデータ化し、予め格納してある特定の故障状態に対
応するデータパターンの中からこのデータと同一パター
ンの状態情報を抽出して故障の特定を行なうので、簡易
な構成でより高精度に故障の特定を行なうことが可能と
なる。また、閾値、ビット化レベル、等、は解析側が任
意に設定することが可能であり、自由度の高い解析を行
うことが可能となる。
ついて説明する。
を備えた装置においてプリント基板故障判定方法を実施
するための装置構成例を示す概略構成図である。電源か
らの電流を供給する電源ライン80の上流部には、プリ
ント基板82Aが接続されており、プリント基板82A
を介してプリント基板82B及びプリント基板82Dに
電源が供給されている。また、プリント基板82Aとプ
リント基板82Bとは信号ライン84で接続されてお
り、プリント基板82Bとプリント基板82C、プリン
ト基板82B、及びプリント基板82Eとが信号ライン
84で接続されている。
されたさらに上流側には、電流値や電位などの物理情報
を抽出可能な電流センシング部86が接続されている。
電流センシング部86は、電流センシング部86での電
流センシング結果を多変量データの一つである周波数特
性へ変換する周波数変換部88と接続されており、周波
数変換部88は、比較部90と接続されている。比較部
90は、予め各プリント基板が故障した場合の固有の周
波数状態情報を格納している電流情報格納部92、及び
故障特定部94と接続されている。
うに、各種の状態情報が各多変量データ種別に格納され
ている。ここで、状態情報とは、各プリント基板の故障
に対応した特有の電流状態を示すデータを、デジタル化
したデータである。
生すると、図20に示す故障判定処理4が開始される。
によってセンシングされた結果を周波数変換部88に送
信し、ステップS102でセンシング結果の解析、ここ
では周波数解析を行なう。これにより、例えば、図19
に示す、状態A、状態Bのような周波数特性のデータが
得られる。ステップS104で、閾値を−3dB、誤差
を±0.05dBに設定し、ステップS106で前記閾
値範囲に基づいて、周波数特性のデータのデジタル化を
行う。
に格納されている通常状態の周波数状態情報を読出し、
ステップS110で、通常状態の周波数状態情報とセン
シングで得られた結果の周波数状態情報とを比較して差
があるかどうかを判断する。例えば、図18に示す周波
数特性データ群中の通常状態の周波数状態情報と、セン
シングで得られた状態Aの周波数状態情報とを比較する
と、通常状態が“111X0X1X 001X0X00”、それに対して
状態Aが“X0X110XX 0000000X”となり、ビットパターン
から明らかに異なった状態を示していることがわかる。
が先に示した誤差ばらつき内のデータである場合に、
‘0’、‘1’どちらの値も取りうるものとして表示した
ものであり、各ビットパターンの比較はXとなるビット
を除いて行われる。
状態との差がある場合には、ステップ112で、異常状
態を示す複数の周波数状態情報の中から測定して得た周
波数状態情報と一致するビットパターンのデータを検索
する。ステップS114で一致するデータがあるか否か
を判断し、一致するデータがある場合には、抽出された
状態情報に対応した異常状態であると故障状態を判断す
ることができるので、ステップS116で当該故障情報
を故障特定部72に記憶し、本処理を終了する。
特性情報を格納している部分の状態A3とが一致してい
る。状態A3データは基板Aが故障した場合の故障情報
ビットパターンの一種類であることから、ステップS1
16では基板Aが故障しているとの情報を記録する。
得た周波数状態情報と正常状態を示す周波数状態情報と
を比較して両者に差がない場合、及び、ステップS11
4で一致するデータがない場合には、ステップS118
ですべての多変量データ種類の解析がなされたか否かを
判断し、判断が否定されればステップS120で次にに
解析する物理情報、例えばパワースペクトル情報を設定
した後、ステップS100へ戻り上記の手順を繰返し
て、一致する異常状態情報の検索を行なう。ステップS
118ですべての多変量データ種類の解析がなされたと
判断された場合には、故障の特定を行なうことなく本処
理を終了する。
ら構成される電子回路システムにおいて、電流情報を多
変量データとして取り扱い、当該多変量データのパター
ンに閾値を設定してデジタルデータ化し、予め格納して
ある特定の故障状態に対応するデータパターンの中から
このデータと同一パターンの状態情報を抽出して故障の
特定を行なうので、簡易な構成でより高精度に故障の特
定を行なうことが可能となる。
源電流を使用し、多変量データとして周波数特性を使用
したが、物理情報及び多変量データとして他の情報も使
用できる。例えば、物理情報としては電位、電力、音、
熱、等様々な物理情報種類が考えられ、また、多変量デ
ータとしてもパワースペクトル等多くの形態が考えられ
る。この場合には、各物理情報の検出は、物理情報の種
類に対応したセンシング機構をプリント基板近傍に設け
ることにより行なう。
2ビット化を行ったが、閾値からの差の重要度が増す場
合には、これを多値化した比較を行うことにより、更に
高精度に判断できるのはいうまでもない。また、ビット
パターンは2進数表示を行ったがこれは状況に応じて様
々な進数で表示されることもいうまでもない。また、多
変量データの比較には、本実施の形態では、抽出した一
部として最低周波数部分を使用したが、これは誤差範囲
や記憶容量等の状況に応じて異なってくることはいうま
でもない。
ば、複数のプリント基板で構成された電子回路へ所定の
プリント基板の作動に対応する各信号を入力し、正常時
の複数のプリント基板に供給される電源電流の総量の時
系列パターンと各信号入力時の当該時系列パターンとを
比較して所定のプリント基板の故障を特定するので、各
々のプリント基板毎に電源電流測定手段を設置する必要
がなく、簡易な構成により低コストで効率よく故障の発
生部位、故障状態の特定をすることができる。
給を所定のプリント基板に限定すると共に、正常時にお
ける複数のプリント基板に供給される電源電流の総量と
限定時における当該電源電流の総量とを比較することに
より所定のプリント基板の故障を特定するので、各々の
プリント基板毎に電源電流測定手段を設置する必要がな
く、簡易な構成により低コストで効率よく故障の発生部
位、故障状態の特定をすることができる。
理情報が含む多変量データを利用して故障状態の判定を
行なうので、特定の故障状態に特有の情報を少ない検出
データから得ることができ、簡易な構成でより正確にプ
リント基板の故障判定を行なうことができる。
ト基板から2種類以上の物理情報を抽出し、抽出された
各々の物理情報が含む多変量データの解析を行ない、前
記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予め
記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果得
られた各々の物理情報の多変量データを組み合わせた組
合せデータと同一パターンの故障データを抽出し、前記
複数のプリント基板が前記抽出された故障データに対応
した状態であると判断するので、より多くの情報に基づ
きプリント基板の故障状態を判断することにより、正確
にプリント基板の故障を判断することができる。
る。
成を示すブロック図である。
チャート図である。
ある。
ける電流−時間特性の例である。
間特性の例である。
例である。
常時における電流−時間特性の例である。
る。本発明の実施例2に係わる制御基板を詳細に説明す
るブロック図である。
概略構成を示すブロック図である。
ーチャート図である。
る。
あり、(B)は多変量データを2値化したデータの例を
示す。
納部を示す図である。
ーチャート図である。
概略図である。
納部を示す図である。
すグラフであり
理4のフローチャート図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 複数のプリント基板で構成された電子回
路へ所定のプリント基板の作動に対応する各信号を入力
し、 前記信号の各々の入力時における前記複数のプリント基
板に供給される電源電流の総量を各々時系列的に測定
し、 測定された電源電流総量の時系列パターンと予め記憶さ
れた前記信号の入力時におけるプリント基板の正常状態
に対応した電源電流総量の時系列パターンとを各々の信
号毎に照合し、 前記照合結果に基づいてプリント基板の故障を判定する
プリント基板故障判定方法。 - 【請求項2】 前記所定のプリント基板の作動に対応す
る各信号の入力は、各信号を時系列的に連続させて行な
うことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板故障
判定方法。 - 【請求項3】 複数のプリント基板で構成された電子回
路から順次プリント基板を選択すると共に選択された所
定のプリント基板に電源電流を供給し、 前記所定のプリント基板への電源電流供給時における前
記複数のプリント基板に供給される電源電流の総量を測
定し、 測定された電流の総量と所定のプリント基板毎に予め記
憶された前記所定のプリント基板への電流供給時におけ
るプリント基板の正常状態に対応した電流の総量とを照
合し、 前記照合結果に基づいて前記所定のプリント基板の故障
を判定するプリント基板故障判定方法。 - 【請求項4】 前記複数のプリント基板の各々への電源
電流供給を制御するスイッチが設置され、各々のスイッ
チを制御することにより前記所定のプリント基板への電
源電流の供給を行なうことを特徴とする請求項3に記載
のプリント基板故障判定方法。 - 【請求項5】 複数のプリント基板で構成された電子回
路から物理情報を検出し、 前記検出された物理情報が含む多変量データの解析を行
ない、 前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予
め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果
得られたデータと同一パターンの故障データを抽出し、 前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに
対応した状態であると判断する、プリント基板故障判定
方法。 - 【請求項6】 前記記憶された故障データは、故障の発
生している少なくとも1つのプリント基板を示すことを
特徴とする請求項5に記載の故障基板特定方法。 - 【請求項7】 前記物理情報は、前記復数のプリント基
板への最上流の電源供給部分から検出することを特徴と
する請求項5または請求項6に記載のプリント基板故障
判定方法。 - 【請求項8】 前記解析はさらに、所定の変量毎に前記
多変量データをサンプリングし、デジタル化することを
特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載
のプリント基板故障判定方法。 - 【請求項9】 前記デジタル化は、前記物理情報を測定
する測定系の有する誤差値より大きい値を閾値として行
なうことを特徴とする請求項8に記載のプリント基板故
障判定方法。 - 【請求項10】 前記同一パターンであるとの判断は、
前記閾値に設定された誤差範囲内のデータ値を除外して
行なうことを特徴とする請求項9に記載のプリント基板
故障判定方法。 - 【請求項11】 前記同一パターンであるとの判断は、
前記解析の結果得られたデータと前記故障データ測定デ
ータとの比較を双方のデータに特徴的な部分を合わせる
ことにより多変量データの誤差を修正した上で行なうこ
とを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項
に記載の故障基板特定方法。 - 【請求項12】 複数のプリント基板への電源電流供給
部から2種類以上の物理情報を抽出し、 抽出された各々の物理情報が含む多変量データの解析を
行ない、 前記複数のプリント基板の各々の故障状態に対応する予
め記憶された複数の故障データの中から前記解析の結果
得られた各々の物理情報の多変量データを組み合わせた
組合せデータと同一パターンの故障データを抽出し、 前記複数のプリント基板が前記抽出された故障データに
対応した状態であると判断する、プリント基板故障判定
方法。
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