JP2003097325A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射制御装置

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JP2003097325A
JP2003097325A JP2001287465A JP2001287465A JP2003097325A JP 2003097325 A JP2003097325 A JP 2003097325A JP 2001287465 A JP2001287465 A JP 2001287465A JP 2001287465 A JP2001287465 A JP 2001287465A JP 2003097325 A JP2003097325 A JP 2003097325A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
engine
amount
sensor
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JP2001287465A
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English (en)
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Hideaki Fukui
秀昭 福井
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの高吸入空気量時の空燃比フィード
バック制御における制御性を高めて排気エミッションを
改善する。 【解決手段】 吸入空気量Qaに基づいて上下のスライ
スレベルRSLH,RSLLを設定し(S11)、高吸
入空気量領域である程、スライスレベルを上昇させる。
そして、O2センサの出力電圧RVO2と上側スライス
レベルRSLH或いは下側スライスレベルRSLLとを
比較し(S14、S21)、その比較結果により、吸入
空気量Qaに基づいてI分補正量IL,IR、P分補正量
PR,PLを設定し(S16,S23,S19,S2
6)、高吸入空気量領域でP分及びI分を大きくする一
方、低吸入空気量領域ではP分及びI分を小さくする。
これにより、高吸入空気量領域で目標空燃比をリッチ化
して燃焼温度の過度な上昇を防止し、NOx排出量を抑
制すると共に、O2センサの応答性に対応した最適なフ
ィードバック制御を可能として排気エミッションを改善
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高吸入空気量時の
空燃比フィードバック制御における制御性を高めて排気
エミッションを改善するエンジンの燃料噴射制装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンの燃料噴射制御におい
ては、排気系の触媒上流にO2センサ等の空燃比センサ
を配設し、この空燃比センサの出力を所定のスライスレ
ベルと比較して空燃比リッチ/リーンを判定して比例積
分制御により空燃比フィードバック補正係数を設定し、
この空燃比フィードバック補正係数により燃料噴射量を
補正することで、実際の空燃比を目標空燃比に収束さ
せ、排気エミッションの低減を図る技術が採用されてい
る。
【0003】例えば、特開平8−74631号公報に
は、機関の暖機完了後のホット状態に対して機関コール
ド状態ではヒステリシスを持たせた上下のスライスレベ
ルの間隔が狭くなるように設定したり、酸素センサ(O
2センサ)からの信号の周波数が小さくなる程、上下の
スライスレベルの間隔を狭くし、また、空燃比フィード
バック補正係数の積分分補正量を大きくなるように設定
することで、制御性を向上させて排気エミッションの低
減を図る技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ンの吸入空気量が増加する高負荷時には、燃焼温度が上
昇するため、NOx(窒素酸化物)の排出量が増加する
という問題があり、前述した先行技術にように、エンジ
ン冷態時や空燃比センサ信号の周波数が小さいときに、
スライスレベルのヒステリシス幅を小さくしたり積分分
補正量を大きくしたりするのみでは、高吸入空気量領域
でのNOx排出量の増加を避けることは困難である。更
に、高吸入空気量領域では、空燃比センサの出力変化応
答性が高くなるため、それに合わせてフィードバック制
御の応答性を高めないと空燃比が安定するまでに時間が
かかり、排気エミッションが悪化する虞がある。この場
合においても、同様に、前述の先行技術では、高吸入空
気量時におけるフィードバック制御の制御性を高めるこ
とは困難である。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、エンジンの高吸入空気量時の空燃比フィードバック
制御における制御性を高めて排気エミッションを改善す
ることのできるエンジンの燃料噴射制御装置を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、排気系に配設した空燃比セ
ンサの出力に基づいて設定される空燃比フィードバック
補正係数により燃料噴射量を補正するエンジンの燃料噴
射制御装置において、上記空燃比フィードバック補正係
数を設定する際に上記空燃比センサの出力との比較によ
り空燃比リッチ或いはリーンを判定するための判定閾値
となるスライスレベルを、吸入空気量に応じて設定する
スライスレベル設定手段を備えたことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、排気系に配設した
空燃比センサの出力に基づいて設定される空燃比フィー
ドバック補正係数により燃料噴射量を補正するエンジン
の燃料噴射制御装置において、上記空燃比フィードバッ
ク補正係数を設定する際の比例積分制御における比例分
及び積分分を、吸入空気量に応じて設定する比例積分制
御手段を備えたことを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、排気系に配設した
空燃比センサの出力に基づいて設定される空燃比フィー
ドバック補正係数により燃料噴射量を補正するエンジン
の燃料噴射制御装置において、上記空燃比フィードバッ
ク補正係数を設定する際に上記空燃比センサの出力との
比較により空燃比リッチ或いはリーンを判定するための
判定閾値となるスライスレベルを、吸入空気量に応じて
設定するスライスレベル設定手段と、上記空燃比フィー
ドバック補正係数を設定する際の比例積分制御における
比例分及び積分分を、吸入空気量に応じて設定する比例
積分制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】すなわち、請求項1記載の発明は、空燃比
フィードバック補正係数を設定する際に空燃比センサの
出力との比較により空燃比リッチ或いはリーンを判定す
るための判定閾値となるスライスレベルを吸入空気量に
応じて設定することで、高吸入空気量時にスライスレベ
ルを上昇させて空燃比のリッチ化による燃焼温度の過度
な上昇を防止し、NOx排出量の抑制を可能とする。
【0010】請求項2記載の発明は、空燃比フィードバ
ック補正係数を設定する際の比例積分制御における比例
分及び積分分を、吸入空気量に応じて設定することで、
空燃比センサの出力変化応答性が高くなる高吸入空気量
領域で比例分及び積分分を大きくして制御応答性を向上
させることを可能とする。
【0011】請求項3記載の発明は、空燃比フィードバ
ック補正係数を設定する際に、空燃比センサの出力との
比較により空燃比リッチ或いはリーンを判定するための
判定閾値となるスライスレベルを吸入空気量に応じて設
定すると共に、比例積分制御における比例分及び積分分
を吸入空気量に応じて設定することで、高吸入空気量時
に、スライスレベルを上昇させて空燃比のリッチ化によ
る燃焼温度の過度な上昇を避けてNOx排出量の抑制を
可能とし、また、空燃比センサの出力変化応答性が高く
なることに合わせて比例分及び積分分を大きくして制御
応答性を向上させることを可能とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図6は本発明の実施の一形
態に係わり、図1はエンジン制御系の全体図、図2は電
子制御系の回路構成図、図3は燃料噴射制御ルーチンの
フローチャート、図4は空燃比フィードバック補正係数
設定ルーチンのフローチャート、図5はスライスレベル
設定テーブルの説明図、図6はP分テーブル及びI分テ
ーブルの説明図である。
【0013】図1において、符号1はエンジンであり、
図においては水平対向型4気筒ガソリンエンジンを示
す。エンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンク
には、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各シリン
ダヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート2bとが形成
されている。
【0014】シリンダヘッド2の各吸気ポート2aに
は、インテークマニホルド3が連通され、このインテー
クマニホルド3に、各気筒の吸気通路が集合するエアチ
ャンバ4を介して、図示しないアクセルペダルに連動す
るスロットル弁5が介装されたスロットルボディ6が連
通されている。そして、このスロットルボディ6の上流
側にエアクリーナ7aを格納するエアボックス7が連通
されている。
【0015】また、スロットルボディ6には、スロット
ル弁5をバイパスするバイパス通路8が設けられてお
り、このバイパス通路8に、アイドル時にその弁開度に
よって該バイパス通路8を流れるバイパス空気量を調整
することでアイドル回転数を制御するアイドル回転数制
御弁(ISC弁)9が介装されている。バイパス通路8
は、ISC弁9の上流側で分岐され、パワーステアリン
グ用エア弁(パワステエア弁)10を介してエアチャン
バ4に連通されている。パワステエア弁10は、図示し
ないパワーステアリング用ポンプへの負荷が増大したと
き、吸入空気量を増加させてエンジン回転数の低下を防
止するためのものである。
【0016】また、インテークマニホルド3にインジェ
クタ11が各気筒毎に配設され、燃料供給ライン12を
介して燃料タンク13に連通されている。燃料タンク1
3には、インタンク式の燃料ポンプ14が設けられてお
り、燃料ポンプ14からの燃料が、燃料供給ライン12
を経てインジェクタ11及びプレッシャレギュレータ1
5に圧送され、プレッシャレギュレータ15から燃料タ
ンク13にリターンされてインジェクタ11への燃料圧
力が所定の圧力に調圧される。
【0017】更に、シリンダヘッド2の各気筒毎に、そ
の放電電極部を燃焼室に露呈する点火プラグ16が配設
されている。本形態のエンジン1では、同一の気筒グル
ープに属する2つの気筒に対して1つの点火コイルを設
置する同時点火方式を採用しており、#1,#2気筒を
#1グループ、#3,#4気筒を#2グループとして、
各グループ毎にイグナイタを内蔵する点火コイル17が
備えられ、点火プラグ16に接続されている。
【0018】一方、シリンダヘッド2の各排気ポート2
bにエキゾーストマニホルド18を介して排気管19が
連通されている。各バンクからの排気管19の合流部
に、三元触媒等を有する触媒コンバータ20が介装され
ている。触媒コンバータ20下流に図示しないマフラが
介装されている。
【0019】また、エンジン1のクランク室に連通する
ブローバイガス通路21がシリンダブロック1a側から
延出され、中途で分岐されて一方がエアボックス7のエ
アクリーナ7a直下流に連通されると共に、他方がブロ
ーバイガス量を調整するためのクランクケースベンチレ
ーションバルブ(PCV弁)22を介してスロットル弁
5下流に連通されている。更に、新気をクランクケース
内に導入するための新気導入通路23がエアボックス7
のエアクリーナ7a直下流から延出され、各バンクのシ
リンダヘッド2内へ連通されている。
【0020】また、一方のバンクのエキゾーストマニホ
ルド18から排気ガス還流(EGR)通路24が延出さ
れ、エアチャンバ4に連通されている。EGR通路24
の途中には、EGR量を調整するためのEGR弁25が
介装されており、このEGR弁25の開度に応じて排気
ガスの一部が吸気系に還流される。
【0021】次に、運転状態を検出するためのセンサ類
の配置について説明する。エアボックス7のエアクリー
ナ7a直下流には、吸気温度を検出するための吸気温セ
ンサ30が臨まされている。また、スロットルボディ6
に内設されるスロットル弁5に、スロットル弁5の開度
を検出するためのスロットルセンサ31が連設され、ス
ロットル弁5下流の吸気通路に、スロットル弁5下流の
圧力(吸気管圧力)を絶対圧で検出するための吸気管圧
力センサ32が連設されている。
【0022】また、エンジン1のシリンダブロック1a
にノックセンサ33が取り付けられ、シリンダブロック
1aの左右バンクを連通する冷却水通路34に冷却水温
センサ35が臨まされている。また、触媒コンバータ2
0の上流側に、空燃比センサの一例であるO2センサ3
6が配設されている。更に、エンジン1のクランクシャ
フト1bに軸着するクランクロータ37の外周に、クラ
ンク角センサ38が対設され、クランクシャフト1bに
対して1/2回転するカムシャフト1cに軸着するカム
ロータ39の外周に、気筒判別用のカム角センサ40が
対設されている。
【0023】以上のアクチュエータ類・センサ類は、エ
ンジン1を電子的に制御する電子制御装置(ECU)5
0に接続される。図2に示すように、ECU50は、C
PU51、ROM52、RAM53等からなるマイクロ
コンピュータに、吸気温センサ30、スロットルセンサ
31、吸気管圧力センサ32、ノックセンサ33、冷却
水温センサ35、O2センサ36等からの信号を入力す
るための入力インターフェイス54、この入力インター
フェイス54を介したアナログ信号をデジタル信号に変
換するアナログ/デジタル(A/D)コンバータ55、
クランク角センサ38、カム角センサ40、パワーステ
アリング用ポンプに負荷がかかったことを検出するため
のパワステスイッチ41、エアコンディショナー(エア
コン)のスイッチ入力を検出するためのエアコンスイッ
チ42等からの信号を入力するための入力インターフェ
イス56、各気筒のインジェクタ11を駆動するための
噴射ドライバ57、ISC弁9を駆動するためのISC
ドライバ58、EGR弁25を駆動するためのEGRド
ライバ59、パワステエア弁10を駆動するためのパワ
ステエア弁ドライバ60、点火コイル17に内蔵される
イグナイタを駆動するための点火ドライバ61等が接続
されて構成される。
【0024】ECU50では、ROM52に記憶されて
いる制御プログラムに従って、入力インターフェイス5
4,56を介して入力される各センサ・スイッチ類から
の検出信号をCPU51で処理するとともに、RAM5
3に格納される各種データ、ROM52に記憶されてい
る固定データ等に基づき、各アクチュエータに対する制
御量を演算し、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル
回転数制御、EGR制御等のエンジン制御を行う。
【0025】ここで、ECU50による燃料噴射制御
は、O2センサ36の出力に基づく空燃比フィードバッ
ク補正係数により燃料噴射量を補正することで、実際の
空燃比を目標空燃比に収束させる、いわゆる周知の空燃
比フィードバック制御を採用しつつ、この空燃比フィー
ドバック制御に改良を加え、吸入空気量が増大する高負
荷時にNOx排出量を抑制し、また、吸入空気量の増減
すなわち排気ガス量の増減によって変化するO2センサ
36の応答性に対応した最適なフィードバック制御を可
能としている。
【0026】具体的には、O2センサ36の出力電圧と
の比較により空燃比がリッチ側にあるかリーン側にある
かを判定する際の判定閾値すなわちスライスレベルを、
吸入空気量に応じて設定することで、吸入空気量が増大
する高負荷時に目標空燃比をリッチ化し、燃焼温度の過
度な上昇を防止してNOx排出量を抑制する。また、リ
ッチ/リーンの判定結果に応じてフィードバック補正係
数を比例積分制御によって変化させる際の比例分(P
分)及び積分分(I分)を、吸入空気量に応じて設定
し、吸入空気量が増加(排気ガス量が増加)して空燃比
の変化に対するO2センサ36の出力変化応答性が高く
なる領域では、それに合わせてP分及びI分を大きくし
て空燃比フィードバックの制御応答性を高め、吸入空気
量が少ない(排気ガス量が少ない)領域では、P分及び
I分を小さくして空燃比フィードバックにおける過補正
を防止し、制御安定性を向上させる。
【0027】すなわち、ECU50は、本発明に係わる
スライスレベル設定手段、比例積分制御手段としての機
能を有し、具体的には、図3及び図4に示す各ルーチン
によって各手段の機能を実現する。以下、ECU50に
よって実行される燃料噴射制御に係わる処理について、
図3及び図4のフローチャートを用いて説明する。
【0028】図3は、ECU50に電源が投入されてシ
ステムがイニシャライズされた後、所定周期毎に実行さ
れる燃料噴射制御ルーチンであり、最初のステップS1
で、クランク角センサ38からの信号に基づいて算出さ
れるエンジン回転数を設定回転数と比較し、エンジン始
動時か否かを判定する。そして、エンジン回転数が設定
回転数以下の場合、エンジン始動時と判断してステップ
S2以降の始動時燃料噴射制御を実行し、エンジン回転
数が設定回転数を越えている場合には、エンジン始動後
と判断してステップS4以降でエンジン始動後の通常の
燃料噴射制御を実行する。
【0029】先ず、ステップS2以降の始動時の燃料噴
射制御について説明する。ステップS2では、エンジン
始動時の燃料噴射量を定める始動時噴射パルス幅Tis
tを、例えば、以下の(1)式に示すように、エンジン
水温(冷却水温)に基づく始動時基本噴射パルス幅Tc
stを、エンジン回転数に応じた補正を行うためのエン
ジン回転数補正係数Kcsn、クランキング時間により
減少させるクランキング時間補正係数Kkcs、バッテ
リ電圧によるインジェクタ11の有効開弁時間の変化を
補正するためのバッテリ電圧補正係数Kcsl、大気圧
変化による空気密度の変化を補償するための大気圧補正
係数Kcsalt、スロットル開度に応じた補正を行う
ためのスロットル開度補正係数Kcsthにより補正し
て算出する。尚、始動時基本噴射パルス幅Tcstは、
エンジンフリクションの大きい低水温領域になる程、噴
射パルス幅が大きく設定される。 Tist=Tcst×Kcsn×Kkcs× Kcsl×csalt×Kcsth …(1)
【0030】そして、ステップS2からステップS3へ
進み、始動時噴射パルス幅Tistを噴射タイマにセッ
トし、ルーチンを抜ける。これにより、各気筒のインジ
ェクタ11が所定のタイミングで駆動され、始動時噴射
パルス幅Tistに相応する量の燃料が噴射されてエン
ジン1が始動する。
【0031】その後、エンジン回転数が設定回転数を越
えると、ステップS1からからステップS4以降へ進
み、エンジン始動後の通常時の燃料噴射制御に移行す
る。この通常時の燃料噴射制御は、先ず、ステップS4
で、後述する図4の空燃比フィードバック補正係数設定
ルーチンによって設定される空燃比フィードバック補正
係数PHOSを設定し、ステップS5で、通常時の燃料
噴射量を定める通常時噴射パルス幅Tiを、例えば、以
下の(2)式に示すように、冷却水温補正、高負荷増量
補正、始動後増量補正、アイドル後増量補正等に係わる
各種補正係数COEF、空燃比フィードバック補正係数
PHOS、バッテリ電圧によるインジェクタ11の有効
開弁時間の変化を補正するためのバッテリ電圧補正係数
Tsによって補正して算出する。 Ti=Tp×COEF×PHOS×Ts …(2)
【0032】ここで、(2)式における基本噴射パルス
幅Tp、各種補正係数COEFは、それぞれ、以下の
(3),(4)式によって算出することができる。 Tp=PB×K …(3) COEF=1+Kfull+Ktw+Kas+Kai …(4) 但し、PB:吸気管圧力 K :係数 Kfull:高負荷時増量係数 Ktw:水温増量係数 Kas:始動後増量係数 Kai:アイドル後増量係数
【0033】その後、ステップS5からステップS6へ
進み、通常時噴射パルス幅Tiを噴射タイマにセット
し、ルーチンを抜ける。これにより、各気筒のインジェ
クタ11が所定のタイミングで駆動され、通常時噴射パ
ルス幅Tiに相応する量の燃料が噴射される。
【0034】次に、空燃比フィードバック補正係数PH
OSの設定について説明する。図4の空燃比フィードバ
ック補正係数設定ルーチンでは、先ず、ステップS11
で、吸入空気量Qaに基づいて図5に示すテーブルを参
照し、O2センサ36の出力電圧RVO2との比較によ
り空燃比がリッチ側にあるかリーン側にあるかを判定す
る際の判定閾値すなわちスライスレベルを設定する。こ
のスライスレベルは、制御ハンチングを防止するため、
上側スライスレベルRSLHと下側スライスレベルRS
LLとのヒステリシスを持って設定され、O2センサ3
6の出力電圧RVO2が上昇して上側スライスレベルR
SLH以上になったとき、リッチと判定され、このリッ
チ判定後、O2センサ36の出力電圧RVO2が下降し
て下側スライスレベルRSLL未満となったとき、リー
ンと判定される。
【0035】図5のスライスレベル設定テーブルには、
エンジン形式、排気系の構成、O2センサ36の特性等
を考慮し、吸入空気量Qaをパラメータとして予めシミ
ュレーション或いは実験等により、最適排気浄化特性を
得ることのできる各スライスレベルRSLH,RSLL
が格納されており、空気量Qaが大きくなるに従って大
きな値となり、且つ上側スライスレベルRSLHと下側
スライスレベルRSLLとのヒステリシスが小さくされ
る。すなわち、吸入空気量Qaが増大する高負荷域程、
スライスレベルRSLH,RSLLを上昇させてヒステ
リシスを小さくすることにより、リーン判定の頻度を増
やして目標空燃比をリッチ化し、燃焼温度の過度な上昇
を防止してNOx排出量を抑制する。
【0036】尚、吸入空気量Qaは、本形態では、例え
ば、吸気管圧力センサ32によって検出した吸気管圧力
PBとエンジン回転数NRPMとを用い、以下の(5)
式に従って算出するが、吸入空気量センサを有するシス
テムでは、吸入空気量センサによって計測した吸入空気
量を用いる。 Qa=PB×NRPM×K1 …(5) 但し、K1:係数
【0037】次いで、ステップS12へ進んでO2セン
サ36の出力電圧RVO2を取込み、ステップS13
で、リッチ/リーン反転判別フラグFLAGの値を参照
する。このリッチ/リーン反転判別フラグFLAGは、
O2センサ36の出力電圧RVO2が上側スライスレベ
ルRSLHを横切って空燃比リーン側から空燃比リッチ
側へ反転したときに0→1にセットされ、下側スライス
レベルRSLLを横切って空燃比リッチ側から空燃比リ
ーン側へ反転したときに1→0にクリアされるものであ
る。
【0038】その結果、FLAG=0であり、空燃比が
リーン状態にある場合には、ステップS13からステッ
プS14へ進み、O2センサ36の出力電圧RVO2と
上側スライスレベルRSLHとを比較する。その結果、
RVO2<RSLHの場合には、空燃比の反転は無いた
め、ステップS15でリッチ/リーン反転判別フラグF
LAGを0に維持してステップS16へ進み、吸入空気
量Qaに基づいてテーブル参照により比例積分制御の積
分分(I分)補正量ILを設定する。そして、ステップ
S17で、前回までの空燃比フィードバック補正係数P
HOSn-1にI分補正量ILを加算して新たな空燃比フィ
ードバック補正係数PHOSnに更新し(PHOSn←P
HOSn-1+IL)、ルーチンを抜ける。
【0039】また、ステップS14において、RVO2
≧RSLHの場合には、ステップS14からステップS
18へ進み、リーン側からリッチ側への反転が有ったた
め、リッチ/リーン反転判別フラグFLAGを1にセッ
トする。そして、ステップS19で、吸入空気量Qaに
基づいてテーブル参照により比例積分制御の比例分(P
分)補正量PRを設定し、ステップS20で、前回まで
の空燃比フィードバック補正係数PHOSn-1をP分補
正量PRでマイナス方向にスキップさせて新たな空燃比
フィードバック補正係数PHOSnに更新し(PHOSn
←PHOSn-1−PR)、ルーチンを抜ける。
【0040】一方、ステップ13において、FLAG=
1であり、空燃比がリッチ状態にある場合には、ステッ
プS13からステップS21へ進み、O2センサ36の
出力電圧RVO2と下側スライスレベルRSLLとを比
較する。その結果、RVO2≧RSLLの場合には、空
燃比の反転は無いため、ステップS22でリッチ/リー
ン反転判別フラグFLAGを1に維持してステップS2
3へ進み、吸入空気量Qaに基づいてテーブル参照によ
りI分補正量IRを設定する。そして、ステップS24
で、前回までの空燃比フィードバック補正係数PHOS
n-1からI分補正量IRを減算して新たな空燃比フィード
バック補正係数PHOSnに更新し(PHOSn←PHO
Sn-1−IR)、ルーチンを抜ける。
【0041】また、ステップS21において、RVO2
<RSLHの場合には、ステップS21からステップS
25へ進み、リッチ側からリーン側への反転が有ったた
め、リッチ/リーン反転判別フラグFLAGをクリアす
る。そして、ステップS26で、吸入空気量Qaに基づ
いてテーブル参照によりP分補正量PLを設定し、ステ
ップS27で、前回までの空燃比フィードバック補正係
数PHOSn-1をP分補正量PLでプラス方向にスキップ
させて新たな空燃比フィードバック補正係数PHOSn
に更新し(PHOSn←PHOSn-1+PL)、ルーチン
を抜ける。
【0042】空燃比フィードバック補正係数PHOSの
比例積分制御におけるP分補正量PL,PR及びI分補正
量IL,IRは、図6に示すテーブルを参照して設定され
る。このテーブルには、吸入空気量Qaをパラメータと
して、O2センサ36の応答性に対応した最適なフィー
ドバック制御を可能とするP分,I分の値が予めシミュ
レーション或いは実験等により求められて格納されてお
り、高負荷領域でI分及びP分を大きくし、低負荷領域
ではP分及びI分を小さく設定する。
【0043】すなわち、吸入空気量が増加する高負荷領
域では、排気ガス量も当然多くなり、空燃比の変化に対
するO2センサ36の出力変化応答性が高いため、それ
に合わせてP分及びI分を大きくすることで、空燃比フ
ィードバックの制御応答性を高め、空燃比を早期に安定
させることができる。逆に、低負荷領域では、P分及び
I分を小さくすることで、空燃比フィードバックにおけ
る過補正を防止し、制御安定性を向上させる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、エ
ンジンの高吸入空気量時の空燃比フィードバック制御に
おける制御性を高め、排気エミッションを改善すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン制御系の全体図
【図2】電子制御系の回路構成図
【図3】燃料噴射制御ルーチンのフローチャート
【図4】空燃比フィードバック補正係数設定ルーチンの
フローチャート
【図5】スライスレベル設定テーブルの説明図
【図6】P分テーブル及びI分テーブルの説明図
【符号の説明】
1 エンジン 36 O2センサ(空燃比センサ) 50 電子制御装置(スライスレベル設定手段、比例積
分制御手段) PHOS 空燃比フィードバック補正係数 RSLH,RSLL スライスレベル IL,IR 積分分補正量 PL,PR 比例分補正量 Qa 吸入空気量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G301 HA01 HA08 HA15 JA04 JA05 KA09 LA03 LB02 LC01 MA01 MA12 NA03 NA04 NA05 NA07 NA09 NC02 ND03 ND04 ND45 NE04 NE13 PA01Z PA10Z PA11Z PC08Z PD02Z PE01Z PE03Z PE04Z PE08Z PF13Z PF14Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系に配設した空燃比センサの出力に
    基づいて設定される空燃比フィードバック補正係数によ
    り燃料噴射量を補正するエンジンの燃料噴射制御装置に
    おいて、 上記空燃比フィードバック補正係数を設定する際に上記
    空燃比センサの出力との比較により空燃比リッチ或いは
    リーンを判定するための判定閾値となるスライスレベル
    を、吸入空気量に応じて設定するスライスレベル設定手
    段を備えたことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装
    置。
  2. 【請求項2】 排気系に配設した空燃比センサの出力に
    基づいて設定される空燃比フィードバック補正係数によ
    り燃料噴射量を補正するエンジンの燃料噴射制御装置に
    おいて、 上記空燃比フィードバック補正係数を設定する際の比例
    積分制御における比例分及び積分分を、吸入空気量に応
    じて設定する比例積分制御手段を備えたことを特徴とす
    るエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 排気系に配設した空燃比センサの出力に
    基づいて設定される空燃比フィードバック補正係数によ
    り燃料噴射量を補正するエンジンの燃料噴射制御装置に
    おいて、 上記空燃比フィードバック補正係数を設定する際に上記
    空燃比センサの出力との比較により空燃比リッチ或いは
    リーンを判定するための判定閾値となるスライスレベル
    を、吸入空気量に応じて設定するスライスレベル設定手
    段と、 上記空燃比フィードバック補正係数を設定する際の比例
    積分制御における比例分及び積分分を、吸入空気量に応
    じて設定する比例積分制御手段とを備えたことを特徴と
    するエンジンの燃料噴射制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110219741A (zh) * 2019-04-11 2019-09-10 汉腾汽车有限公司 一种混合动力汽车进气温度采集处理系统及方法

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