JP2003097021A - タイル張付壁とその施工方法 - Google Patents

タイル張付壁とその施工方法

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JP2003097021A JP2002154675A JP2002154675A JP2003097021A JP 2003097021 A JP2003097021 A JP 2003097021A JP 2002154675 A JP2002154675 A JP 2002154675A JP 2002154675 A JP2002154675 A JP 2002154675A JP 2003097021 A JP2003097021 A JP 2003097021A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剥落、ひび割れのないタイル張付壁。 【解決手段】コンクリート躯体1と、前記躯体に所定の
間隔で固定された、接合面を有するモルタル接着補助具
5と、躯体表面および接合面に形成された繊維補強モル
タル層2と、モルタル層の表面に湿式工法によって張り
付けられたタイル3とを含むタイル張付壁。繊維補強モ
ルタル層は、好ましくはセメント100重量部に対し、
単糸繊度4〜50dtex、繊維長5〜30mm、伸度
が少なくとも15%、強度3cN/dtexを超えるポ
リアミド系繊維4を0.1〜1重量部、砂30〜350
重量部を含む、厚さ2〜30mmに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、タイル張付壁およ
びタイル張付壁施工方法に関する。具体的には、建設現
場において施工する内外装の床、壁、天井等にタイル、
モザイクタイルユニット、自然石スレートなどを張りつ
けたタイル張付壁とその施工方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】内外装の床、壁、天井等の壁面にタイル
を張り付けたタイル張付壁を現場で施工する湿式工法で
は、水硬性のセメント等の結合材に砂、混和剤などを加
え水と混練したモルタルを接着剤として躯体表面に平滑
に塗布しタイル等を張り付け、あるいは「だんご張り
(積上げ張り)」と称してタイルの裏面にモルタルを付
け、躯体表面または中塗壁面(下地モルタル表面)に押
しつけて張り付ける。通常、コンクリート躯体の表面は
ポーラスに形成されて小さな凹凸で覆われ、また、化粧
する必要がないタイル裏面は素焼きのままポーラス、か
つ小さな凹凸に覆われている。また、裏足をもつタイル
もある。これらの凹凸面がモルタル層との接触面積を増
大し、モルタルにアンカーを形成させてタイル張り壁の
接着を保たせている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の湿式工
法によって施工されたタイル張り壁は、モルタルの接着
強度やモルタル層自体の強度が必ずしも十分でなく、モ
ルタル層の接着面が剥離したりモルタル層にクラック
(ひび割れ)が発生して、タイル張り壁が剥落するよう
な事故が絶えなかった。本発明は、タイル張り壁のモル
タル層の強度およびタフネスを強化し、タイル張り仕上
げ層が剥離しても脱落しにくい安全なタイル張り壁の提
供を目的に完成されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに本発明は、コンクリート躯体1と、前記躯体表面に
形成された、非加水状態を基準にしてセメント100重
量部に対し、単糸繊度4〜50dtex、繊維長5〜3
0mm、伸度が少なくとも15%、強度3cN/dte
xを超えるポリアミド系繊維4を0.1〜1重量部、砂
を30〜350重量部含む、厚さ2〜30mmの繊維補
強モルタル層2と、前記繊維補強モルタル層2の表面に
湿式工法によって張り付けられたタイル3とを含むこと
を特徴とするタイル張付壁を提供する。
【0005】また、コンクリート躯体と、前記躯体表面
に形成された、非加水状態を基準にしてセメント100
重量部に対し、単糸繊度4〜50dtex、繊維長5〜
30mm、伸度が少なくとも15%、強度3cN/dt
exを超えるポリアミド系繊維4を0.1〜1重量部、
砂を100〜350重量部含む、厚さ2〜30mmの繊
維補強モルタル層と、前記繊維補強モルタル層の表面に
湿式工法によって張り付けられたタイルとを含むことを
特徴とするタイル張付壁を提供する。
【0006】同時に本発明は、コンクリート躯体1と、
前記躯体に所定の間隔で固定された、接合面を有するモ
ルタル接着補助具5と、躯体1表面および前記接合面に
形成された繊維補強モルタル層2と、繊維補強モルタル
層2の表面に湿式工法によって張り付けられたタイル3
とを含むことを特徴とするタイル張付壁を提供する。繊
維補強モルタル層2には、補強繊維4としてポリアミド
系補強繊維が好適である。そして好ましくは、繊維補強
モルタル層2を、非加水状態を基準にしてセメント10
0重量部に対し、単糸繊度4〜50dtex、繊維長5
〜30mm、伸度が少なくとも15%、強度3cN/d
texを超えるポリアミド系繊維4を0.1〜1重量
部、砂を30〜350重量部含む、厚さ2〜30mmの
モルタルによって構成する。
【0007】さらに好ましくは、前記の各タイル張り壁
において、繊維補強モルタル層2に、非加水状態を基準
にしてセメント100重量部に対し、0.2〜3重量部
の収縮低減剤、0.2〜4重量部の減水剤、0.2〜5
重量部の高性能AE減水剤および0.05〜0.2重量
部の流動化剤からなる群の中から選ばれた少なくとも1
種を添加する。
【0008】また、本発明は、湿式工法により繊維補強
モルタル層として、コンクリート躯体表面に所定量の補
強繊維を配合した繊維補強モルタルを用いて躯体表面に
下地モルタル層11を、さらにその表面に表面側のタイ
ル張付モルタル層12を形成し、タイル張付モルタル層
12にタイル3を張り付けることを特徴とするタイル張
付壁施工方法を提供する。また、繊維補強モルタル層が
タイル張付モルタル層を含み、前記タイル張付モルタル
層を繊維補強モルタルの複数回塗布により形成してもよ
い。モルタル接着補助具5を躯体1表面に所定の間隔で
固定し、湿式工法によって、所定量の補強繊維4を配合
した繊維補強モルタルをコンクリート躯体1表面および
モルタル接着補助具5に付着させて繊維補強モルタル層
2を形成し、タイル3を繊維補強モルタル層2の表面に
張り付けることを特徴とするタイル張付壁施工方法を提
供する。好ましくは、繊維補強モルタル層を下地モルタ
ル層11とタイル張付モルタル層12とから形成し、タ
イル3を張り付ける。さらに、繊維補強モルタル層がタ
イル張付モルタル層を含み、タイル張付モルタル層11
を繊維補強モルタルの複数回塗布により形成してもよ
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき実施形態例を
あげ、図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明
タイル張付壁を例示する断面図、図2はモルタル接着補
助具5を用いた本発明タイル張付壁を例示する断面図、
図3は本発明に使用するモルタル接着補助具5接合面6
の実施形態を例示する平面図、図4は本発明タイル張付
壁の他の実施態様を例示する断面図である。
【0010】本発明においては、繊維補強モルタル層2
を形成するため、モルタルに混和する補強繊維4として
ポリアミド系繊維を好ましく利用する。ポリアミド系繊
維は、ポリアミドからなる、あるいは主にポリアミドを
含んだポリアミド繊維であるが、中でもいわゆるナイロ
ン繊維が好ましく用いられる。ナイロンとしては、ナイ
ロン6、ナイロン66、高収縮性共重合ナイロン、柔軟
性共重合ナイロンなどがあげられる。
【0011】ポリアミド系繊維は、他の補強繊維に比べ
るとモルタル中での分散性がきわめて良好であって、力
学的に均質、高強度を有する板状体の補強繊維モルタル
層2を躯体表面に形成し、応力集中部での剥落防止効果
が大きい。中でも上記した繊維特性のポリアミド系補強
繊維は、前記条件の繊維補強モルタル中で1cm当た
り数万〜数十万本の補強繊維が均一分散され、コンクリ
ート躯体1の表面やタイル3の裏面に絡みつきやすいの
で、モルタル自体の力学的特性を向上させるだけではな
く、コンクリート躯体やタイル裏面の凹凸に絡みつき界
面接着力を高める効果が大きい。さらに、ポリアミド系
補強繊維は、保水性があってモルタルのドライアウトを
防止する作用効果をもち、施工作業性にも優れ、タイル
張付用のモルタルとして好適である。繊維補強モルタル
層2の厚さは2〜30mmが好ましい。
【0012】さて、補強繊維を混入してモルタル強度を
向上し、モルタル壁の割れを防止することは以前から行
われていた。本発明においては、モルタル壁よりもさら
に重量が大きく、問題の多いタイル張付壁の効果的な補
強を目的としてコンクリート躯体1とタイル3との間の
接着に繊維補強モルタルを用い、モルタル層の強度およ
びタフネスの両方を増大させ、剥落やクラック(ひび割
れ)の少ないタイル張付壁の構成条件を検討した。その
結果、加水前重量を基準にして、セメント100重量部
に対し、単糸繊度4〜50dtex、繊維長5〜30m
m、伸度が少なくとも15%、強度3cN/dtexを
超えるポリアミド系繊維4を0.1〜1重量部含み、砂
を30〜350重量部含む繊維補強モルタルを用いたタ
イル張付壁により目的の解決を図れることが判った。伸
度は15%以上であって、通常70%、好ましくは50
%以下のものを使用するとよい。
【0013】上記の繊維補強モルタル層2は、不陸の調
整や耐衝撃性を緩和するための下地モルタル層11と、
タイルの接着力を強化するためのタイル張付モルタル層
12とから形成することが望ましい。前記両繊維補強モ
ルタル層11及び12の成分混合比は同じでもよいが、
それぞれの目的に応じ、最適の混合比を検討して用いて
もよい。タイル張付モルタル層12は、セメント100
重量部に対し、砂を30〜150重量部の範囲で混合し
た繊維補強モルタルが好適である。また、両層とも塗布
回数に特別の制限はない。繊維補強モルタル層2を下地
モルタル層を設けずにタイル張付モルタル層として形成
し、そのタイル張付モルタル層を、繊維補強モルタルの
複数回塗布により形成しても、好結果を得ることができ
る。
【0014】繊維補強モルタル層2は補強繊維によって
全体が板状に強固に結合されてクラック(ひび割れ)の
発生を防止し、モルタルの塗布過程でも、多数の補強繊
維4が、コンクリート躯体1表面とタイル3の裏面に絡
まって接着力を増強する上、接着補助具にも絡まってモ
ルタル層2と躯体1との接着力を増大させる。モルタル
接着補助具は、モルタル層がタイル3を張り付けた結果
生じることになる壁の重量や変異応力の増加に対し、補
強繊維により板状に結合されたモルタル層を広い範囲に
おいて躯体1に強く接合、保持させているものと理解さ
れる。
【0015】また、繊維補強モルタル層は、非加水状態
を基準にしてセメント100重量部に対し、単糸繊度4
〜50dtex、繊維長5〜30mm、伸度が少なくと
も15%、強度3cN/dtexを超えるポリアミド繊
維4を0.1〜1重量部、砂30〜350重量部を含
み、モルタル壁の厚さは2〜30mmが好適である。使
用する条件によっては、砂をセメント100重量部に対
し100〜350重量部使用する。
【0016】前記した本発明の各タイル張付壁に使用す
るポリアミド繊維等、補強繊維の断面形状は、円形に限
られず、目的によっては三角形、楕円形、Y字形、中空
形等のいわゆる異形断面糸を好ましく使用することがで
きる。さらに、本発明に使用するポリアミド繊維等の補
強繊維は、いわゆるデニールミックス、すなわち単糸繊
度が4〜50dtexの間にあって、繊度の異なる補強
繊維を2種類以上、混合して使用することができる。繊
度の異なる本発明補強繊維を使用することによって、モ
ルタル中での分散性がよくなるという利点がある。混合
する補強繊維の繊度は、繊度比で1.5〜4倍の範囲が
好ましい。
【0017】また、長さの異なる2種類以上のポリアミ
ド繊維等の補強繊維を混合して使用してもよい。すなわ
ち、繊維長が5〜30mmの範囲にあって長さの異なる
2種類以上の補強繊維を混合して、あるいは長さが5〜
30mmの範囲内に分布しているものを好ましく使用す
ることができる。長さの異なる補強繊維を使用すること
によって、モルタル中での分散性を改善することができ
る。混合する補強繊維の長さの比率は1.5〜4倍の範
囲が好適である。
【0018】本発明ではポリアミド繊維の製造工程や加
工工程から排出される屑糸、屑綿、衣料屑等を適宜に分
別、回収してリサイクル使用してもよい。繊維表面に界
面活性剤等による表面処理が施されているものは左官材
料中での分散性に優れるという特長がある。
【0019】さらに、繊維補強モルタル層2において、
好ましくはセメント100重量部に対し、0.2〜3重
量部の収縮低減剤、0.2〜4重量部の減水剤、0.2
〜5重量部の高性能AE減水剤および0.05〜0.2
重量部の流動化剤からなる群の中から選ばれた少なくと
も1種を添加する。モルタルの特性が向上して優れたタ
イル張り壁面にすることができる。このほかにも壁面品
質改善のため適宜に添加物を加えても差し支えはない。
【0020】本発明タイル張付壁のタイル張付モルタル
層は、条件により中塗りと上塗りとに分けて構成しても
差し支えない。上塗モルタル層組成は、本発明の目的を
損なわない範囲で適宜に選択することができる。
【0021】本発明タイル張付壁におけるタイル張付け
は、タイル裏面にモルタルを付けて躯体表面または中塗
壁面(下地モルタル表面)にもみ付けるいわゆる積上げ
張り、躯体表面に平坦にモルタルを塗ってタイルあるい
はモザイクタイルユニットを押しつけて張り付ける圧着
張り等の湿式工法によって施工すればよい。
【0022】また、特開2000−45480号公報や
特開2000−160836号公報には、コンクリート
躯体と躯体表面に塗布したモルタル表面壁とを係止し剥
落を防止するために用いるモルタル接着補助具が開示さ
れている。これらのモルタル接着補助具はモルタルに接
着するモルタル接合面とコンクリート躯体に固定される
基台とから構成され、各種建造物の内、外壁に効果的に
利用されている。しかし、剥落事故の多いタイル張付壁
に対しては、クラックが入り成長しやすく、かつ重量が
あって、クラック発生防止とクラックに起因する剥落を
防ぐにはモルタル接着補助具の取付間隔を小さくしなけ
ればならず、使用個数が増大しコスト高になるため、あ
まり利用されていない。
【0023】タイル張付壁に対するこの問題は、モルタ
ル接着補助具、たとえば、モルタルとの接合面6が面フ
ァスナー状のループおよび/又はフック7の配列体で形
成されているプラスチック又はゴム製モルタル接着補助
具5を、所定の間隔でコンクリート躯体1に固定し、補
強繊維4を添加した繊維補強モルタルを使用することに
よって大きく改善される。
【0024】図2に例示した接着補助具5では、補強繊
維4がモルタル接合面6に配列された面ファスナー状の
多数のループおよび/又はフック7にも絡まってモルタ
ル層2と躯体1との接着力を増大させる効果がある。ル
ープおよび/又はフック7の形状はとくに問わないが、
面ファスナーと同様にループ、一部切欠きリング状、茸
状、ステッキ状、逆L字状等があげられ、高さは0.5
〜10mm程度が好適である。接合面6の平面形状は、
円形、角形、帯状等適宜に決めることができる。モルタ
ル接着補助具5は、モルタル層の厚さなどにもよるが、
好ましくは接合面6の先端がコンクリート躯体1表面と
ほぼ同じ面になるように、コンクリート躯体1中に埋設
して取り付ける。取付にはコンクリート躯体1の打込み
に使用した型枠取付ジグのコーン跡や型枠のスペーサボ
ルト10を利用するとよい。
【0025】また、モルタル接着補助具5からステンレ
ス鋼線材等を延在させることで、接着補助具5の存在し
ない部分でのモルタル層2と躯体1との接着力をさらに
増大させることができる。ステンレス鋼線材等を延在さ
せるときには、アンカーピンを躯体に打ち込み、アンカ
ーピンと接着補助具との間にステンレス鋼線材等を張り
渡すようにするとよい。
【0026】
【実施例】実施例をあげて本発明の効果を具体的に説明
する。なお、以下の実施例は本願発明の理解を容易にす
るために記載するものであって、本願発明の範囲を限定
するものではない。
【0027】実施例1 セメント100重量部に対し、単糸繊度が7dtex、
伸度が25%、強度6.5cN/dtex、繊維長20
mmのナイロン6カット繊維を0.5重量部、砂を25
0重量部、水を50重量部の割合で混合しモルタルを調
合した。ナイロンカット繊維はモルタル中に良好に分散
した。コンクリート躯体に下地吸水調整として水湿しを
行ってから、前記モルタルを用い厚さ10mmの下地モ
ルタル塗りを行い、さらに3mmの厚さで張付モルタル
塗りしてタイルを圧着し、目地モルタルを塗布する湿式
工法でタイル張付壁を施工した。施工から半年後にタイ
ル張付壁に対して金属棒(ハンマー打音)によるタイル
の浮き検査を実施した結果、コンクリート躯体とモルタ
ル、モルタルとタイルとはいずれも一体化し、タイルの
浮きは全くなかった。さらに意図的にタイルをハンマー
でたたいた結果、タイルにはひび割れを生じたが、タイ
ルの欠け、剥落は認められなかった。
【0028】実施例2 セメント100重量部に対し、下地モルタルでは砂を2
00重量部、水を60重量部加え、張付モルタルでは砂
を50重量部、水を50重量部加え、さらにそれぞれに
単糸繊度が7dtex、伸度が25%、強度6.5cN
/dtex、繊維長20mmのナイロン6カット繊維を
0.5重量部を加えてモルタルを調合した。ナイロンカ
ット繊維はモルタル中に良好に分散した。コンクリート
躯体に下地吸水調整として水湿しを行ってから、前記下
地モルタルを用い厚さ10mmの下地モルタル塗りを行
い、さらに3mmの厚さで張付モルタルを塗ってタイル
を圧着し、目地モルタルを塗布する湿式工法でタイル張
付壁を施工した。施工から半年後にタイル張付壁に対し
て金属棒によるタイルの浮き検査を実施した結果、コン
クリート躯体とモルタル、モルタルとタイルとはいずれ
も一体化し、タイルの浮きは全くなかった。さらに意図
的にタイルをハンマーでたたいた結果、タイルにはひび
割れを生じたが、タイルの欠け、剥落は認められなかっ
た。
【0029】実施例3 コンクリート躯体とモルタル層との接合面に位置して、
あらかじめ図2、図3に例示したのと同じ形式で接合面
の直径が27.5mmのモルタル接着補助具を、コンク
リート躯体中に残された型枠スペーサボルトを利用し
縦、横に600mm間隔で固定した。モルタル接着補助
具のループおよび/またはフックの先端はコンクリート
躯体表面から3mmに調整した。実施例2と同様にし
て、モルタルを調合し湿式工法によりタイル張付壁を施
工した。施工半年後に実施例1と同様に浮き検査を実施
した。その結果、実施例1と同様、浮きは全く認められ
なかった。また、接着補助具のループおよび/またはフ
ックに補強繊維が絡まり、ループなどとモルタルの複合
強化により、タイルの剥落防止効果がさらに向上し、き
わめて安全であることを容易に推定できた。
【0030】比較例1、2 補強繊維を配合しなかった以外は、それぞれ実施例1、
2と同様にしてモルタルを調整し、タイル張付壁を施工
した。施工半年後に実施例1と同様に浮き検査を実施し
た。その結果、数カ所で浮きが確認され浮きの近辺を意
図的にタイルをハンマーでたたいた結果、タイルにひび
割れを生じるとともにタイルが欠け、剥落した。
【0031】
【発明の効果】本発明のタイル張付壁は、タイルが補強
繊維を混入したモルタルを使用して躯体に張り付けられ
ている結果、コンクリート躯体およびタイルとの接着力
が大きく向上し、かつモルタル層自体も板状形態に強化
されている。したがって、躯体、モルタル、タイルの一
体化の度合いが従来のタイル張り壁よりも大きく、タイ
ルやモルタルの割れ、剥落の危険性が著しく小さくなっ
ている。さらに、面ファスナー状の接合面を有するモル
タル接着補助具を躯体に所定の間隔で固定することによ
って、躯体とモルタルとの接着力が増大し、少々の大地
震に対してもモルタルが割れて剥落する大きな事故につ
ながることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明タイル張付壁実施形態例の断面図
【図2】 モルタル接着補助具を用いた本発明実施形態
例の断面図
【図3】 モルタル接着補助具接合面を例示する平面図
【図4】 本発明タイル張付壁の他の実施形態を例示す
る断面図
【符号の説明】
1:コンクリート躯体 2:繊維補強モル
タル層 3:タイル 4:補強繊維 5:モルタル接着補助具 6:接合面 7:ループおよび/又はフック 8:基台 9:目地 10:型枠のスペー
サボルト 11:下地モルタル層 12:(タイル)
張付モルタル層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 難波 蓮太郎 東京都板橋区板橋4丁目9番5号 有限会 社難波建築研究室内 (72)発明者 本田 譲 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 後藤 栄三 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 町支 徹 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 白石 靖 東京都豊島区西池袋3丁目25番2号 合資 会社アストンエンタープライズ内 (72)発明者 小川 晴果 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 三谷 一房 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 Fターム(参考) 2E110 AA27 AA50 AB04 DA08 DC21 EA09 GA29Z GB24Z GB47Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート躯体(1)と、前記躯体表面
    に形成された、非加水状態を基準にしてセメント100
    重量部に対し、単糸繊度4〜50dtex、繊維長5〜
    30mm、伸度が少なくとも15%、強度3cN/dt
    exを超えるポリアミド系繊維(4)を0.1〜1重量
    部、砂を30〜350重量部含む、厚さ2〜30mmの
    繊維補強モルタル層(2)と、前記繊維補強モルタル層
    (2)の表面に湿式工法によって張り付けられたタイル
    (3)とを含むことを特徴とするタイル張付壁。
  2. 【請求項2】コンクリート躯体と、前記躯体表面に形成
    された、非加水状態を基準にしてセメント100重量部
    に対し、単糸繊度4〜50dtex、繊維長5〜30m
    m、伸度が少なくとも15%、強度3cN/dtexを
    超えるポリアミド系繊維を0.1〜1重量部、砂を10
    0〜350重量部含む、厚さ2〜30mmの繊維補強モ
    ルタル層と、前記繊維補強モルタル層の表面に湿式工法
    によって張り付けられたタイルとを含むことを特徴とす
    るタイル張付壁。
  3. 【請求項3】コンクリート躯体(1)と、前記躯体に所
    定の間隔で固定された、接合面を有するモルタル接着補
    助具(5)と、前記躯体表面および前記接合面に形成さ
    れた繊維補強モルタル層(2)と、繊維補強モルタル層
    (2)の表面に湿式工法によって張り付けられたタイル
    (3)とを含むことを特徴とするタイル張付壁。
  4. 【請求項4】繊維補強モルタル層に用いられている補強
    繊維が、ポリアミド系補強繊維であることを特徴とする
    請求項3記載のタイル張付壁。
  5. 【請求項5】繊維補強モルタル層が、非加水状態を基準
    にしてセメント100重量部に対し、単糸繊度4〜50
    dtex、繊維長5〜30mm、伸度が少なくとも15
    %、強度3cN/dtexを超えるポリアミド系繊維を
    0.1〜1重量部、砂を30〜350重量部含む、厚さ
    2〜30mmの前記繊維補強モルタルにより構成されて
    いることを特徴とする請求項3または4記載のタイル張
    付壁。
  6. 【請求項6】繊維補強モルタル層に、非加水状態を基準
    にしてセメント100重量部に対し、0.2〜3重量部
    の収縮低減剤、0.2〜4重量部の減水剤、0.2〜5
    重量部の高性能AE減水剤および0.05〜0.2重量
    部の流動化剤からなる群の中から選ばれた少なくとも1
    種が添加されていることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載のタイル張付壁。
  7. 【請求項7】モルタル接着補助具を躯体表面に所定の間
    隔で固定し、湿式工法によって、所定量の補強繊維を配
    合した繊維補強モルタルをコンクリート躯体表面および
    モルタル接着補助具に付着させて繊維補強モルタル層を
    形成し、タイルを前記繊維補強モルタル層表面に張り付
    けることを特徴とするタイル張付壁施工方法。
  8. 【請求項8】湿式工法により繊維補強モルタル層とし
    て、コンクリート躯体表面に所定量の補強繊維を配合し
    た繊維補強モルタルを用いて躯体表面に下地モルタル層
    (11)を、さらにその表面に表面側のタイル張付モル
    タル層(12)を形成し、タイル張付モルタル層にタイ
    ルを張り付けることを特徴とするタイル張付壁施工方
    法。
  9. 【請求項9】繊維補強モルタル層がタイル張付モルタル
    層を含み、前記タイル張付モルタル層を繊維補強モルタ
    ルの複数回塗布により形成することを特徴とする請求項
    8記載のタイル張付壁施工方法。
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