JP2003096776A - 鋼管杭の施工管理方法 - Google Patents

鋼管杭の施工管理方法

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JP2003096776A
JP2003096776A JP2001290396A JP2001290396A JP2003096776A JP 2003096776 A JP2003096776 A JP 2003096776A JP 2001290396 A JP2001290396 A JP 2001290396A JP 2001290396 A JP2001290396 A JP 2001290396A JP 2003096776 A JP2003096776 A JP 2003096776A
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pipe pile
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torque value
penetration
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Ryokichi Sasaki
良吉 佐々木
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】先端に螺旋状の羽根を設けた鋼管杭を回転させ
ながら埋設するに際し、トルク値と貫入量を監視するこ
とで、該鋼管杭が支持地盤に達したか否かを管理する。 【解決手段】先端に螺旋状の羽根3を設けた鋼管杭1を
回転させて埋設施工する際に、鋼管杭1を回転させる際
のトルク値と鋼管杭1の貫入量とを監視し、前記トルク
値が鋼管杭1の太さと支持地盤のN値とに対応した所定
の値以上になったとき、又は貫入量が羽根の所定の値以
下(例えば、羽根のストロークの1/3以下、予め設定
した長さ以下)になったとき、鋼管杭1が所定のN値を
持った支持地盤に達したとして管理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先端に螺旋状の羽
根を設けた鋼管杭を回転させて埋設する際に、トルク値
と貫入量を監視することで鋼管杭が支持地盤に到達した
か否かを管理し得るようにした鋼管杭の施工管理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅に代表される建築物を支持する基礎
として、敷地に杭を埋設して支持地盤に到達させ、この
杭の頭部にフーチングを形成して構築することがある。
杭を埋設するに際し、隣家に接近した位置に施工するよ
うな場合には騒音や振動を可及的に軽減する必要があ
る。
【0003】最近では、先端に螺旋状の羽根を設けた鋼
管杭を用い、該鋼管杭を回転させて埋設する方法が採用
されることが多い。このように施工される鋼管杭では、
騒音や振動を軽減させることが可能であり、且つ排土を
なくして残度処理を行なう必要もないため極めて有利で
ある。
【0004】螺旋状の羽根を設けた鋼管杭を回転させな
がら地盤に埋設する場合、この鋼管杭が適切な支持力を
発揮し得るか否かを管理することが重要である。このた
め、鋼管杭を埋設する際の施工方法や管理方法として種
々の技術が開発されると共に実用化されている。
【0005】例えば本件出願人等が開発した鋼管杭の施
工方法として、特開平11−303070号公報に開示された技
術がある。この技術は、N値と鋼管杭に付与するトルク
値とが相関関係にあることに着目してなされたものであ
り、予め目的の敷地をボーリングして作成した土質柱状
図から設計支持力を満足するN値を確認すると共に、多
くの地盤で行なって蓄積された管理データから地盤の持
つN値と該地盤中を回転する際のトルク値との関係を求
めておき、目的の敷地で実際に鋼管杭を回転させて埋設
する際のトルク値を測定し、測定したトルク値が設計支
持力を満足するN値に対応するトルク値よりも大きいこ
とを確認して、鋼管杭が支持地盤に到達したとして管理
するものである。
【0006】即ち、上記技術では、予め鋼管杭の仕様に
対応させてトルク値とN値との関係図を設定しておき、
且つ目的の敷地の土質調査を行って深度に応じた土質の
種類及びN値からなる土質柱状図を作成し、該土質柱状
図に従って、設定N値とこのN値を発揮する深度と、使
用する鋼管杭の径を決定すると共に、前記関係図からN
値と鋼管杭の径に対応するトルク値を調査し、実際に鋼
管杭を回転させながら、鋼管杭の貫入深度とトルク値を
監視することで、予め設定された支持地盤に達したか否
かを管理することが出来る。このため、埋設された鋼管
杭の信頼性を保証することが出来るため有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記技術では、鋼管杭
を地盤に貫入させる際に、該鋼管杭を回転させるトルク
値のみに着目して管理している。しかし、地盤の性質に
よっては、鋼管杭が支持地盤に到達しているにも関わら
ずトルク値が小さいことがある。この場合、トルク値を
監視するのみでは正確な施工管理をなし得ないという問
題が生じる。
【0008】本発明の目的は、鋼管杭を回転させる際の
トルク値と、鋼管杭の貫入量を監視することで、該鋼管
杭が支持地盤に達したか否かを管理することが出来る鋼
管杭の施工管理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第1の鋼管杭の施工管理方法は、先端に螺旋状の羽根
を設けた鋼管杭を回転させて埋設施工する際の管理方法
であって、鋼管杭を回転させつつ埋設するに際し、鋼管
杭を回転させる際のトルク値と、鋼管杭の貫入量と、を
監視し、前記トルク値が所定の値以上になったとき又は
貫入量が所定の値以下になったとき、鋼管杭が所定の支
持地盤に到達したとして管理することを特徴とするもの
である。
【0010】上記施工管理方法では、先端に螺旋状の羽
根を設けた鋼管杭(以下単に「鋼管杭」という)を回転
させつつ地盤に埋設する際に、トルク値と貫入量(鋼管
杭が1回転する毎の貫入長さ)を監視し、両者のうちの
何れかが予め設定した基準に達したとき、鋼管杭が支持
地盤に到達したとして管理することが出来る。
【0011】即ち、鋼管杭を回転させる際のトルク値は
鋼管杭の太さ及び支持地盤のN値の大きさに比例するこ
とが知られている。従って、埋設する鋼管杭の太さを決
定すると共に支持地盤のN値を決定することによって、
鋼管杭に作用するトルク値を設定することが出来る。こ
のため、鋼管杭を回転させる際のトルク値を測定して設
定値以上になったとき、鋼管杭は予め決定されたN値を
持つ支持地盤に到達したとして認識して施工を管理する
ことが出来る。
【0012】また鋼管杭の貫入量を監視し、該貫入量が
所定の値以下になったとき、鋼管杭が支持地盤に到達し
たとして認識して施工を管理することも出来る。即ち、
鋼管杭の貫入量が、先端に設けた羽根のストロークと比
較して充分に小さい(1/3以下)場合、該鋼管杭は支
持地盤に到達したとして認識して施工を管理することが
出来る。
【0013】従って、鋼管杭の回転に伴って、常にトル
ク値と貫入量を監視してこれらの値を予め設定した値と
比較することで、特殊な土質(例えば土丹)で充分に高
いN値を持つにも関わらずトルク値が上昇しないような
場合であっても、鋼管杭が支持地盤に到達したか否か、
を判断することが出来、この結果、鋼管杭の施工を管理
することが出来る。
【0014】また本発明に係る第2の施工管理方法は、
先端に螺旋状の羽根を設けた鋼管杭を回転させて埋設施
工する際の管理方法であって、鋼管杭を回転させつつ埋
設するに際し、鋼管杭を回転させる際のトルク値と、鋼
管杭の貫入量と、を監視し、前記トルク値が所定の値以
上になったとき鋼管杭が所定の支持地盤に到達したとし
て管理し、一方前記トルク値が所定の値以下の場合には
貫入量が所定の値以下になったとき鋼管杭が所定の支持
地盤に到達したとして管理することを特徴とするもので
ある。
【0015】上記第2の施工管理方法では、鋼管杭を回
転させつつ埋設するに際し、鋼管杭を回転させる際のト
ルク値と鋼管杭の貫入値を監視し、測定したトルク値が
予め設定された設定値よりも大きくなったとき鋼管杭が
所定の支持地盤に到達したとして管理し、測定されたト
ルク値が設定値以下である場合は、貫入量が所定の値以
下となったとき鋼管杭が所定の支持地盤に到達したとし
て鋼管杭の施工を管理することが出来る。
【0016】また第3の施工管理方法は、先端に螺旋状
の羽根を設けた鋼管杭を回転させて埋設施工する際の管
理方法であって、鋼管杭の埋設深さと、前記埋設深さに
於ける鋼管杭を回転させる際のトルク値と、前記埋設深
さに於ける鋼管杭の貫入量と、を監視し、前記トルク値
が所定の値以上になり又は前記トルク値が所定の値以下
であるが貫入量が所定の値以下になり、且つ鋼管杭が所
定量貫入されたとき所定の支持地盤に貫入したとして管
理することを特徴とするものである。
【0017】上記第3の施工管理方法では、鋼管杭の埋
設深さと、該深さに於けるトルク値と貫入量を監視し
て、トルク値が前記深さに於ける支持地盤のN値に対応
した値以上であるか、或いはトルク値が前記値以下であ
るが貫入量が所定の値以下であることを確認すること
で、鋼管杭が支持地盤に貫入したか否かを判断して施工
を管理することが出来る。
【0018】特に、支持地盤のN値は、目的の地盤に対
して行ったボーリング調査によって得た土質柱状図に記
載されたN値を利用することが出来るため、鋼管杭を埋
設するに際し、土質柱状図を目安として貫入深さを設定
することが出来る。
【0019】尚、「N値」は、約63.5kgのハンマーを高
さ約75cmから自由落下させて、標準貫入試験用サンプラ
ーを約30cm打ち込むのに打撃回数を表すものであり、土
の硬軟を表示する世界的な標準となるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、上記鋼管杭の施工管理方法
の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1
は鋼管杭の構成を説明する図である。図2は鋼管杭を埋
設施工する際に使用する装置の構成を説明する図であ
る。図3は鋼管杭の仕様と地盤のN値に応じたトルク値
を表す図である。図4は施工管理の手順を説明するフロ
ーチャートである。図5はトルク値と貫入量の変化とデ
ータを示す図である。図6は土質柱状図とトルク値及び
貫入量を比較する図である。
【0021】本発明の鋼管杭の施工管理方法の説明に先
立って、先ず、図1,図2により鋼管杭1の構成と、鋼
管杭1を施工する施工装置の構成について説明する。鋼
管杭1は外径(Do)100mm〜500mm、厚さ4mm〜20mm、
長さ3m〜10mの範囲の寸法から選択された中空鋼管を
用いて構成されており、先端部はキャップ2によって閉
鎖されている。
【0022】鋼管杭1の先端部の外周には螺旋状の羽根
3が設けられている。この螺旋状の羽根3の外径(D)
は鋼管杭1本体の外径の1.5倍〜3倍程度が好ましく、
更に好ましくは略2倍程度である。また螺旋状の羽根3
の厚さは6mm〜40mmが好ましく、そのストローク(1回
転当たりのリード)は50mm〜200mm程度が好ましい。
【0023】上記鋼管杭1は、図2に示す施工装置4に
よって施工される。施工装置4は自走式の台車を有して
おり、該台車のガイドレール5に沿ってリーダー6が設
けられ、更に、鋼管杭1に回転力を付与する駆動装置7
が設けられている。駆動装置7には、リーダー6に駆動
されて下降する際の速度を検出する速度計、鋼管杭を回
転させるトルク値を検出するトルクセンサー、鋼管杭1
の回転数を検出する回転計が夫々設けられている。
【0024】従って、ガイドレール5に沿って鋼管杭1
を起立させると共にリーダー6によって推力を付与する
と共に駆動装置7によって回転させると、鋼管杭1は先
端に設けた羽根3によって地盤を掘削して貫入し、この
過程で発生するトルク値はトルクセンサーによって検出
或いは計測される。また鋼管杭1の回転数が回転計によ
って、鋼管杭1の貫入速度が速度計によって計測され、
両者の検出値から鋼管杭1が1回転したときの貫入長さ
である貫入量を演算することが可能である。
【0025】上記した鋼管杭1の貫入量の演算は、図示
しない施工管理制御装置を構成する演算装置によって実
行され、演算結果としての貫入量が前記施工管理装置を
構成するディスプレイに表示される。またトルクセンサ
ーによって検出したトルク値も貫入量と併記した形式で
ディスプレイに表示される。
【0026】従って、予め表示タイミングを、例えば、
経過時間、或いは貫入深度のように設定して施工管理制
御装置を構成する記憶装置に記憶させておくことで、設
定されたタイミングに応じたトルク値,貫入量をディス
プレイに表示することが可能である。そしてディスプレ
イに表示された内容を監視することで、鋼管杭が所定の
支持地盤に到達したか否かを判断することが可能であ
る。
【0027】特に、予め施工管理制御装置の記憶装置に
施工管理の判断基準を含む実行プログラムを記憶させて
おくことで、表示タイミングに応じたトルク値や貫入量
をディスプレイに表示すると共に監視して、鋼管杭が所
定の支持地盤に到達したか否かを判断し、判断結果をそ
の都度表示することが可能である。
【0028】また計測されたトルク値,回転数,貫入速
度,貫入量等のデータは施工管理制御装置の記憶装置に
記憶され、これらのデータを読み出してプリンターによ
って、記録紙にデータを数字で印字表示し、或いはグラ
フとして表示することが可能である。従って、予め設定
したタイミングに従って、前記各データをディスプレイ
に表示し、或いはプリンターによって印字することで、
鋼管杭1の現在の埋設状況と、現在に至る経過記録を認
識することが可能である。
【0029】図3に示すように、鋼管杭1を地盤に貫入
させる際に必要なトルク値は、該鋼管杭1の太さと、地
盤のN値に比例する。即ち、鋼管杭1が太くなるのに伴
ってトルク値は増加し、N値が大きくなるのに伴ってト
ルク値が増加する。特に、同図に示されるデータは、多
くの実験と、多くの施工経験に基づいて収集したもので
あり高い信頼性を有する。
【0030】従って、上部構造物の重量や高さ等の力学
的な条件に基づいて、鋼管杭1の太さ及び支持地盤のN
値が設定されたとき、図3から前記条件を満足するトル
ク値を設定することが可能である。そして、実際に鋼管
杭1を回転させているときに測定したトルク値を前記設
定されたトルク値とを比較し、測定したトルク値が設定
トルク値を超えたとき、予め設定したN値を持つ支持地
盤に到達したと認識して施工を管理することが可能とな
る。
【0031】また支持地盤が特殊な地層である場合、鋼
管杭1が該支持地盤に到達したにも関わらず、鋼管杭1
に作用するトルク値が設定値よりも小さいことがある。
この場合、鋼管杭1の貫入量を計測して、計測値が予め
設定された値よりも小さくなったとき、鋼管杭1が支持
地盤に到達したと見做して施工を管理することが可能と
なる。
【0032】次に、本発明に係る鋼管杭の管理施工方法
を実施する際の手順と結果について図3〜図6を用いて
説明する。鋼管杭を施工するに当たって、先ず目的の地
盤に設置すべき鋼管杭の太さや数,埋設深度等の設計が
行なわれる。この設計は上部構造の重量や形状、目的の
敷地に於ける地盤を調査して得た土質柱状図等に基づい
て行なわれ、この結果、鋼管杭の太さ,設置数,埋設深
度等が決定される。
【0033】上記地盤の調査は通常目的の敷地に於ける
1個所或いは数カ所で行なわれるものの、鋼管杭を埋設
する個々の地盤が調査されるものではない。即ち、土質
柱状図に示されたN値の分布が敷地の全面にわたって均
等であるという保証はない。従って、埋設される鋼管杭
の多くは、予め採取した土質柱状図に記載された深度に
対するN値がそのまま適用されるものではなく参考値と
して採用される。本実施例は、上記の如く深度方向のN
値が正確に判明していない場合に好ましく採用し得る方
法である。
【0034】上記の如く、種々の条件を考慮して設定さ
れた鋼管杭1の太さが例えば、Do=216.3 であり、N
値が30である場合、これらの条件を満足するトルク値
として図3から約22kN−mを得る。従って、前記ト
ルク値を実際に回転させている鋼管杭1のトルク値と比
較することで、支持地盤に到達したか否かを判断するこ
とが可能である。
【0035】鋼管杭1の施工を管理する図示しない施工
管理制御装置は、上記の如くして設定されたトルク値や
鋼管杭1の埋設深度を記憶する記憶装置や、施工管理の
一連の手順を実行するプログラムを記憶した記憶装置
や、埋設速度と鋼管杭の回転数から鋼管杭1が1回転す
る毎の埋設長さ(貫入量)を演算する演算装置を備えて
おり、予め設定した条件に基づいてトルク値及び貫入量
をディスプレイに表示し或いはプリンターによって記録
し得るように構成されている。
【0036】特に本実施例では、鋼管杭1の埋設深さを
基準として、0.2 m毎の埋設速度,トルク値,貫入量,
回転数を測定或いは演算すると共に計測データ及び演算
データを数値でディスプレイに表示し、或いはグラフで
表示し得るように構成している(図5参照)。
【0037】上記の如くして設定された太さを持った鋼
管杭1は予め所定の埋設位置に搬送され、該埋設位置に
移動した施工装置4によって起立させられると共に位置
決めされて直立する。その後、図4のフローチャートに
従って手順が進行する。
【0038】即ち、ステップS1では、鋼管杭1は施工
装置4によって所定の埋設位置に直立され、駆動装置7
によって回転力が付与されて回転を開始する。この回転
に伴って発生するトルク値はトルクセンサーによって計
測され、計測データが施工管理制御装置に伝達される。
同時に鋼管杭1の回転数や埋設速度が計測され各計測デ
ータが施工管理制御装置に伝達される。施工管理制御装
置では、伝達された各種データを記憶し且つこれらのデ
ータに基づいて貫入量を演算する。
【0039】ステップS2に於いて、鋼管杭1が予め設
定された深さ(0.2 m)に達する毎に、回転させる際に
検出されたトルク値と記憶部に記憶したトルク値とを比
較する。一般に鋼管杭1の埋設深さが浅い場合、地盤の
N値が小さく検出したトルク値は小さいため、引き続き
回転を継続する。しかし、検出したトルク値が記憶した
トルク値よりも大きくなったとき、鋼管杭1がN値30
の支持地盤に到達したとして認識し、ステップS3に進
行する。
【0040】ステップS3では、支持地盤に到達した鋼
管杭1を強固に根入れするため、更に所定の埋設長さを
確保する。本実施例に於いて、前記所定の埋設長さ、は
鋼管杭1の先端に設けた螺旋状の羽根の外径(D)に相
当する値1Dを設定している。このように、鋼管杭1が
予め設定されたN値を持った支持地盤に到達した後、更
に羽根の外径に相当する長さだけ深く埋設することによ
って、支持地盤による高い支持力を確保することが可能
である。
【0041】従って、ステップS4では、鋼管杭1を回
転させる際に検出されたトルク値が記憶されたトルク値
よりも大きくなって支持地盤に到達したと認識した後の
鋼管杭1の埋設長さを計測し、この埋設長さが所定の長
さ1D(羽根の外径に相当する長さ)に達したとき、ス
テップS6に進行して施工を完了し、埋設長さが所定の
長さ1Dに達していない場合、ステップS5に進行す
る。
【0042】ステップS5では、現在の貫入量を計測
し、貫入量が所定値(本実施例では1cm)以上である
か、以下であるかを判定する。即ち、貫入量が1cm以上
である場合、鋼管杭1を所定の長さ1D貫入させる過程
にあると判断してステップS3に戻り貫入を継続する。
また貫入量が1cm以下である場合、鋼管杭1が所定の長
さ1D貫入していないものの、充分に高い支持力を持っ
た支持地盤に到達しているとしてステップS6に進行し
て施工を完了する。
【0043】ステップS2に於いて、計測したトルク値
が記憶させたトルク値よりも小さい場合、ステップS7
に進行して鋼管杭1の回転を継続させ、この回転を継続
させた状態でステップS8に於いて貫入量を計測する。
【0044】ステップS9ではステップS8で計測され
た貫入量と予め設定された所定の基準貫入量とを比較
し、所定の基準貫入量以上である場合、ステップS1に
戻って回転を継続する。本実施例では、前記所定の基準
貫入量として、鋼管杭1の先端部に設けた羽根のストロ
ークを基準としており、特に該ストロークの1/3を比
較基準としている。
【0045】このため、計測した貫入量と羽根のストロ
ークの1/3を比較し、貫入量がストロークの1/3以
上である場合、ステップS1に戻って鋼管杭1に対する
回転を継続し、ストロークの1/3以下である場合、ス
テップS10に進行して支持地盤に到達したと見做して
いる。尚、貫入量が羽根のストロークの1/3以下であ
れば支持地盤に到達したと見做す根拠は、蓄積された多
数のデータに基づく経験である。
【0046】ステップS10で鋼管杭1が支持地盤に到
達した、と見做した後、ステップS11に進行し、支持
地盤に到達した鋼管杭1を強固に根入れするため、更に
所定の埋設長さを確保する。前記所定の埋設長さ、は鋼
管杭1の先端に設けた螺旋状の羽根の外径(D)に相当
する値1Dを設定しており、鋼管杭1が予め設定された
N値を持った支持地盤に到達したと見做した後、更に羽
根の外径に相当する長さだけ深く埋設することによっ
て、支持地盤による高い支持力を確保することが可能で
ある。
【0047】従って、ステップS11では、鋼管杭1が
支持地盤に到達したと認識した後の鋼管杭1の埋設長さ
を計測し、この埋設長さが所定の長さ1D(羽根の外径
に相当する長さ)に達したとき、ステップS6に進行し
て施工を完了し、埋設長さが所定の長さ1Dに達してい
ない場合、ステップS12に進行する。
【0048】ステップS12では、現在の貫入量を計測
し、貫入量が所定値(本実施例では1cm)以上である
か、以下であるかを判定する。そして貫入量が1cm以上
である場合、鋼管杭1を所定の長さ1D貫入させる過程
にあると判断してステップS11に戻り貫入を継続す
る。また貫入量が1cm以下である場合、鋼管杭1が所定
の長さ1D貫入していないものの、充分に高い支持力を
持った支持地盤に貫入したとしてステップS6に進行し
て施工を完了する。尚、貫入量が1cm以下であれば支持
地盤に貫入したとする根拠は、蓄積された多数のデータ
に基づく経験である。
【0049】このように、本実施例では、ステップS2
で鋼管杭1のトルク値が目的のN値に対応するトルク値
に到達していないと判断した場合であっても、貫入量が
所定の基準貫入量(羽根のストロークの1/3)以下で
ある場合には支持地盤に到達したと見做すことが可能で
ある。また支持地盤に到達したと見做した場合に、鋼管
杭1が見做した支持地盤に到達した後、所定長さ、即ち
羽根の外径に相当する長さ分の埋設長さを確保し得ない
場合であっても、貫入量が所定の貫入量(1cm)以下で
ある場合には施工が完了したとして判断することが可能
である。
【0050】従って、支持地盤の地質が特殊(例えば、
土丹のように極めて滑り易い地盤)で充分に高いN値を
有するものの、鋼管杭1を回転させる際のトルク値が小
さいような場合、貫入量を監視することで支持地盤に到
達したか否かを判断して施工を管理することが可能であ
る。そして、トルク値の監視と貫入量の監視を行なうこ
とで、何れかの方法によって最適な判定を行なうことが
可能であり、正確で安定した施工管理を行なうことが可
能となる。
【0051】また鋼管杭1を回転させて埋設する過程
で、図5(b)に示すように、埋設深さ0.2 m毎に、埋
設速度,トルク値,貫入量,回転数が検出され、ディス
プレイに表示される。また前記データに基づいて同図
(a)に示すように、鋼管杭1の埋設深さに応じた貫入
量(線11)とトルク値(線12)の変化がグラフに表示さ
れる。
【0052】上記図から、トルク値は深さ7.4 m程度ま
では約6kN−m程度で推移し、貫入量も30mm〜110 mm
程度の範囲内を変化している。この間では、トルク値は
記憶したトルク値よりも小さいものの、ストロークの1
/3以下の部分はなく、正常な施工が行なわれている。
そして深さが7.6 mを越えるとトルク値が大きくなり、
8.4 mでトルク値が23kN−mとなる。その後、鋼管
杭1を9mまで埋設することで所定長さの埋設を行なっ
て根入れを確保して充分に高い支持力を発揮させてい
る。
【0053】図6は、第2実施例に係る鋼管杭の施工管
理方法を実施したときの管理図を示すものである。この
実施例では、鋼管杭1を回転させるのに伴って検出した
鋼管杭1の埋設深さ,トルク値,貫入量を、予め測定し
た目的の地盤に於ける深さ方向のN値を示す土質柱状図
と比較している。この実施例は鋼管杭1の埋設位置が土
質柱状図を測定した位置と接近している場合に有利であ
り、鋼管杭1が予め支持地盤となるN値を持った深さに
達したときのトルク値を確認することによって施工管理
を行なうことが可能である。
【0054】特に、鋼管杭1の埋設深さが支持地盤に達
しているにも関わらず、トルク値が小さいような場合に
は、第1実施例の手順に基づいて貫入量を監視するのに
加えて土質柱状図と比較することで、鋼管杭1が確実に
支持地盤に到達したか否かを判断することが可能であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように第1の施工管
理方法では、鋼管杭を回転させつつ地盤に埋設する際
に、トルク値と貫入量を監視し、両者のうちの何れかが
予め設定した基準に達したとき、鋼管杭が支持地盤に到
達したとして管理することが出来る。即ち、鋼管杭を回
転させる際のトルク値を測定して設定値以上になったと
き、鋼管杭は予め決定されたN値を持つ支持地盤に到達
したとして認識して施工を管理することが出来、また鋼
管杭の貫入量が所定の値以下になったとき、鋼管杭が支
持地盤に到達したとして認識して施工を管理することも
出来る。
【0056】従って、鋼管杭の回転に伴って、常にトル
ク値と貫入量を監視してこれらの値を予め設定した値と
比較することで、地盤の如何に関わらず鋼管杭が支持地
盤に到達したか否かを判断して鋼管杭の施工を管理する
ことが出来る。
【0057】また第2の施工管理方法では、鋼管杭を回
転させる際のトルク値と鋼管杭の貫入値を監視し、測定
したトルク値が予め設定された設定値よりも大きくなっ
たとき鋼管杭が所定の支持地盤に到達したとして管理
し、測定されたトルク値が設定値以下である場合は、貫
入量が所定の値以下となったとき鋼管杭が所定の支持地
盤に到達したとして鋼管杭の施工を管理することが出来
る。
【0058】また第3の施工管理方法では、鋼管杭の埋
設深さと、該深さに於けるトルク値と貫入量を監視し
て、トルク値が前記深さに於ける支持地盤のN値に対応
した値以上であるか、或いはトルク値が前記値以下であ
るが貫入量が所定の値以下であることを確認すること
で、鋼管杭が支持地盤に貫入したか否かを判断して施工
を管理することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼管杭の構成を説明する図である。
【図2】鋼管杭を埋設施工する際に使用する装置の構成
を説明する図である。
【図3】鋼管杭の仕様と地盤のN値に応じたトルク値を
表す図である。
【図4】施工管理の手順を説明するフローチャートであ
る。
【図5】トルク値と貫入量の変化とデータを示す図であ
る。
【図6】土質柱状図とトルク値及び貫入量を比較する図
である。
【符号の説明】
1 鋼管杭 2 キャップ 3 羽根 4 施工装置 5 ガイドレール 6 リーダー 7 駆動装置 11 貫入量に対応する線 12 トルク値に対応する線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に螺旋状の羽根を設けた鋼管杭を回
    転させて埋設施工する際の管理方法であって、鋼管杭を
    回転させつつ埋設するに際し、鋼管杭を回転させる際の
    トルク値と、鋼管杭の貫入量と、を監視し、前記トルク
    値が所定の値以上になったとき又は貫入量が所定の値以
    下になったとき、鋼管杭が所定の支持地盤に到達したと
    して管理することを特徴とする鋼管杭の施工管理方法。
  2. 【請求項2】 先端に螺旋状の羽根を設けた鋼管杭を回
    転させて埋設施工する際の管理方法であって、鋼管杭を
    回転させつつ埋設するに際し、鋼管杭を回転させる際の
    トルク値と、鋼管杭の貫入量と、を監視し、前記トルク
    値が所定の値以上になったとき鋼管杭が所定の支持地盤
    に到達したとして管理し、一方前記トルク値が所定の値
    以下の場合には貫入量が所定の値以下になったとき鋼管
    杭が所定の支持地盤に到達したとして管理することを特
    徴とする鋼管杭の施工管理方法。
  3. 【請求項3】 先端に螺旋状の羽根を設けた鋼管杭を回
    転させて埋設施工する際の管理方法であって、鋼管杭の
    埋設深さと、前記埋設深さに於ける鋼管杭を回転させる
    際のトルク値と、前記埋設深さに於ける鋼管杭の貫入量
    と、を監視し、前記トルク値が所定の値以上になり又は
    前記トルク値が所定の値以下であるが貫入量が所定の値
    以下になり、且つ鋼管杭が所定量貫入されたとき所定の
    支持地盤に貫入したとして管理することを特徴とする鋼
    管杭の施工管理方法。
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