JP2003096557A - 有機el素子の製造装置および有機el素子の製造方法 - Google Patents

有機el素子の製造装置および有機el素子の製造方法

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JP2003096557A
JP2003096557A JP2001292367A JP2001292367A JP2003096557A JP 2003096557 A JP2003096557 A JP 2003096557A JP 2001292367 A JP2001292367 A JP 2001292367A JP 2001292367 A JP2001292367 A JP 2001292367A JP 2003096557 A JP2003096557 A JP 2003096557A
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Hisao Haku
久雄 白玖
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的広い面積のディスプレイに対応した有
機EL素子(パネル)であっても、極めて生産性よく製造
できる製造装置と、その製造方法を提供する。 【解決手段】 xy方向に移動可能なステージに、レーザ
を導出する光ファイバを固定したレーザユニット130を
備えつけ、これを真空チャンバ内に載置する。チャンバ
内において、蒸着材料115がレーザ照射により昇華する
位置に基板ホルダーを設ける。この装置を用い、蒸着材
料を部分的にレーザで昇華して、所定パターンに蒸着窓
を配したマスクを介して基板側に蒸着することにより、
発光層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機材料からなる
発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子等の
有機発光素子を形成するための製造装置ならびに製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の多様化に伴い、ディス
プレイデバイスとして一般に使用されているCRT(陰極
線管)に比べ、消費電力が少ない平面表示装置に対する
ニーズが高まっている。このような平面表示装置の一つ
として、高発光効率・薄型・軽量・低視野角依存性等の
特徴を有するエレクトロルミネッセンス(以下ELと略
す)表示装置が期待されており、中でも発光素子に有機
発光材料を用いた有機EL表示装置が注目を集めている。
【0003】図6は、有機EL素子(パネル)の構成例を
示す断面図である。当図に示す有機ELパネルは、厚さ80
nmのITO(透明電極)12が所定のパターンで形成された
ガラス基板11の表面に、RGB各色に対応した有機発光層
(例えば厚さ20nmのアルミニウムキノリノール錯体にキ
ナクリドンをドープし、蛍光材料を混合したもの)13
R、13G、13Bが形成されている。この発光層13R、13G、1
3Bは3セル1組で1画素を構成しており、前記ガラス基板1
1上においてマトリクス状に配され、パネル全体でフル
カラー表示をなしている。
【0004】なお、詳細な説明と図示を省くが、電極12
と発光層13R、13G、13Bの間には、ホール注入層(例え
ば厚さ100nmのトリフェニルアミン誘導体)と、その上
にホール輸送層(例えば厚さ20nmのジアミン誘導体)等
の有機層が形成されている。発光層13R、13G、13Bの上
には他方の電極(厚さ300nmのMgIn)14が積層され、こ
れによって上下方向の電極12、14に通電することにより
発光層13R、13G、13Bが発光する。一般的には、電極12
が陽極、電極14が陰極とされている。
【0005】発光層13R、13G、13Bは一般に、大気中の
水分に触れると劣化するので、ガラス基板11周囲にフリ
ットガラス16を塗布し、電極12、14ごと発光層13R、13
G、13Bの上から封止ガラス15により封止された構造とし
ているものが多い。有機ELパネルは、5〜10Vの駆動電圧
を印加することにより、100〜300cd/m2の輝度で発光す
る。
【0006】このような構成を持つ有機ELパネルの製造
方法では、電極12、発光層13R、13G、13B、電極14等
は、一般に、ガラス基板に所定パターンの窓を開けたマ
スクを介し、蒸着法(マスク蒸着法)によって形成され
る。図7は、マスク蒸着法によって発光層を形成する従
来例を示している。ここでは、減圧状態に調整したチャ
ンバ内において、透明電極形成済みの基板とマスクを配
置し、この下に有機層材料(蒸着材料)を入れた蒸着ト
レイを配置する。そして、蒸着トレイの周囲を加熱ヒー
タ(電熱コイル)等で250℃程度に加熱することで蒸着
材料の温度を高め、蒸着材料を昇華させて基板側に蒸着
する。この際、RGB各色の塗り分けは、基板に対するマ
スク位置を適宜移動し、蒸着材料を変えることによって
行える。精密な塗り分けを行うためには、マスクのパタ
ーン窓の形状をセルサイズに合わせて精密に形成してお
く必要がある。
【0007】ところで有機ELパネルは、現在、小型携帯
端末用ディスプレイから、さらに大型化への需要が高ま
っており、このための研究開発がなされている。したが
って、上記蒸着装置もディスプレイの大型化に対応させ
なければならない。上記マスク蒸着法を大型有機ELパネ
ルの製造方法へ応用するためには、スループット、蒸着
材料の使用効率、製造コスト、製造装置稼働時のマスク
の熱膨張などの課題を解決する必要がある。
【0008】そこで具体的な対策として、例えば「日経
マイクロデバイス2001年6月号」pp.111-112に記載され
ているように、面積を広く、一度に複数の基板をマスク
蒸着できる蒸着トレイの開発や、熱膨張の小さいマスク
材料の開発が進められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディス
プレイの大型化に合わせて単純に蒸着トレイを大きく
し、これに大量に蒸着材料を投入しても、蒸着トレイ周
辺に配置された加熱ヒータの熱が蒸着材料に均一に行き
届かず、温度分布の偏りを生じることがある。この場
合、蒸着材料から材料が昇華する材料面積に偏りがある
ので、基板側に蒸着される膜の厚みが不均一になってし
まう。例えば、300×400mmのマスクを用いた場合、中央
部と周辺部とで20%程度の厚みの差を生じることがあ
る。また、温度分布を起こしたまま蒸着材料を加熱し続
けると、蒸発トレイから蒸発材料が噴出する恐れもあ
る。蒸着材料が粉体の場合、この噴出の可能性は高くな
る。
【0010】これに対して、蒸発トレイの周囲に配置し
た加熱ヒータへの電力投入を増やして蒸着温度を高めに
設定すれば、蒸着材料の温度分布は多少軽減できるもの
の、蒸着材料に対する細やかな加熱温度調整が困難にな
る。また、投入電力量を増大させることなるので、製造
コストが高くなるといった問題も生じる。さらに、この
ように投入電力を増大させた場合においては、チャンバ
内全体の熱量が高まり、マスクにかかる熱量も増大する
ことにつながるので、いかにマスク材料に熱膨張係数の
小さいものを用いても、マスクのパターン窓が変形する
などの問題が生じる。こうなると精密な発光層などの塗
り分けが出来なくなってしまう。例えば300×400mmのマ
スクを用いると、中心付近と外周付近との孔位置が10μ
m程度のずれを生じることがある。この数値は、場合に
よっては画素寸法の20%に達することになり、大面積で
蒸着を行う上で大きな障害となる。
【0011】このように、有機EL素子の製造装置と製造
方法に関しては、未だ改良の余地が残されている。本発
明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、そ
の目的は、比較的広い面積のディスプレイに対応した有
機EL素子であっても、極めて効率よく製造できる製造装
置と、その製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、基板表面に、第一の電極、有機層、第二
の電極が順次積層されてなる有機EL素子の製造装置であ
って、前記有機層のもととなる蒸着材料を投入可能なト
レイと、前記トレイに入れた蒸着材料に対し、レーザ光
を照射して昇華させるレーザ照射手段と、前記トレイか
らの蒸着材料の飛翔昇華方向と対峙させて配された基板
ホルダーとを備えるものとした。
【0013】このように、本発明にかかる有機EL素子の
製造装置においては、レーザを用いることによって、蒸
着材料のレーザ光が照射された箇所の表面が集中的に加
熱されるので、照射箇所付近だけに蒸着材料を昇華させ
ることが可能となり、昇華量も制御しやすい。したがっ
て、基板表面の広い範囲にわたって均一な膜厚で蒸着さ
せることができる。また、レーザスポットの照射エネル
ギーは必要量の蒸着材料の昇華に用いられ、焦点が離れ
た材料表面はすぐに温度が下がるため、不要な投入熱量
を抑えて無駄な材料損失が効率よく回避できるといった
優れた効果が期待できる。
【0014】このとき、前記レーザ照射手段とトレイ上
の蒸着材料との間に、レーザがトレイ上の蒸着材料をス
キャンするためのレーザ主走査手段を備えてもよい。こ
れにより蒸発材料の表面の必要な所(膜を形成しようと
する箇所)だけにレーザを照射して熱エネルギーを付与
することができ、さらに高い効果を得ることができる。
その結果、マスクの熱膨張も抑制することが可能とな
り、精度の良い蒸着ができる。
【0015】さらに、本発明は、第一の電極が形成され
た基板表面に、有機層を積層するとともに、有機層表面
に第二の電極を形成する有機EL素子の製造方法であっ
て、前記有機層のもととなる蒸着材料をトレイに入れ、
当該トレイに対向するように所定パターンのマスクと基
板を順次配し、前記トレイに入れた蒸着材料をレーザ照
射手段によりレーザ照射して昇華させ、所定パターンの
マスクを介し、第一の電極が配された基板表面に、レー
ザ照射手段により昇華させた蒸着材料を蒸着させて有機
層を形成するものとした。
【0016】この本発明にかかる製造方法によれば、被
蒸着材料の昇華させたい部分にレーザスポットを当てる
ことにより、蒸着工程を最小限の熱エネルギーで行うこ
とができ、また精度良く均一な膜厚で蒸着させることが
できる。その結果、広い面積の有機発光素子であっても
生産性よく製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1 <実施の形態の構成>図1は、本発明の実施の形態1にか
かる有機EL素子(パネル)のレーザ蒸着装置である。本
装置100は、互いに直交するXレール111およびYレール
121上を、それぞれステージ112、122が移動することに
より、有機EL素子の基板上に蒸着材料をマトリクス状
(ジグザグ)に蒸着するものである。
【0018】本装置100は、ボード101に、移動ユニット
大110と、この上に移動ユニット小120が重ねられた構成
を有する。移動ユニット大110は、Xレール111、ステー
ジ大112、蒸着トレイ115、ステージ小122等からなる。
ステージ大112はDCサーボモータ等(不図示)の回転駆
動力を受け、Xレール111上をx方向に精密に往復移動
できる。
【0019】蒸着トレイ115は、直方体筐体の主面一部
がy方向に長い凹状に形成された構造を有し、L字型部
材113、114によって、ステージ大112に固定されてい
る。蒸着トレイ115の凹部には、当図のように蒸着材料1
16が入れられる。またステージ大112には、y方向に沿
ってYレール121が固定されている。このYレール121上
には、移動ユニット小120がDCサーボモータ等(不図
示)の回転駆動力を受けつつ、精密に往復移動できるよ
うになっている。
【0020】移動ユニット小120には、レーザユニット1
30が備えられている。レーザユニット130は、角材131、
133およびクランプ132a、132b等がL字型部材123によっ
て、ステージ小122に固定されている。クランプ132a、1
32bの間には、光ファイバ140が一定の角度で挟持され、
その先端が蒸着トレイ(トレイ)115上の蒸着材料116に
合わせて向けられている。ここでは3本の光ファイバが
挟持され、半導体レーザが導かれているようになってい
るが、光ファイバの本数はこれ以外であってもよい。光
ファイバの本数が多いほど、レーザユニット130が蒸着
材料116表面をスキャンするストロークが小さくて済
む。
【0021】本実施の形態では、以上の構成のレーザ蒸
着装置100をチャンバ内に載置し、上記装置を用いて有
機EL素子製造装置としている。なお、図示していない
が、チャンバ内には、蒸発トレイ115の上部に基板ホル
ダーが配置され、これに所定パターンのマスクを付けた
基板が固定されるようになっている。なお、このように
本実施の形態ではXYテーブル型のレーザ蒸着装置を用
いているが、本発明はこれに限定するものではなく、い
わゆるガントリー型(吊り下げXY移動装置)や、X-
θターンテーブル型のレーザ蒸着装置等でも同様に用い
ることができる。これらの場合でも、具体的には、レー
ザユニットに対して蒸着トレイが相対的に動き、レーザ
光が蒸着材料をスキャンしながら昇華させるように設定
する必要がある。
【0022】<本実施の形態の動作と作用>ここでは、
発光層を形成する場合について説明する。有機EL素子製
造装置の駆動時においては、まずオペレータは、蒸着工
程を行う基板とマスクをチャンバ内の所定の位置に配置
する。ここで図2は、レーザ蒸着装置100の断面図であ
る。当図が示すように、基板とマスクを配置する基板ホ
ルダー(不図示)の位置は、予めレーザユニット130に
おいて挟持した光ファイバ140の先端から蒸着材料116へ
のレーザ入射角度(ここでは一例として30度の角度)に
合わせ、蒸着材料が昇華する位置とする。なお、このレ
ーザ入射角度は発明者らの実験により30〜60度が望まし
いことが分かっている。
【0023】基板とマスクの配置位置が決定したら、チ
ャンバ内を減圧状態に設定する。このときの設定圧は、
例えば真空度を10-4Pa以下である。その後、蒸着工程を
行う。ここで、図3(a)は、マトリクス状に配されたマ
スクの模式図を示す。マスクにはRGB各色に合わせたパ
ターン窓(蒸着窓)が形成されている。前記マトリクス
はRGB各色のうち1色の発光層配置パターンに合わせてお
り、それぞれ1色ずつ蒸着するようになっている。レー
ザユニット130のy方向スキャン動作と、ステージ大112
のx方向移動動作の組み合わせにより、このマトリクス
上を、図3(b)に示すレーザ蒸着の軌跡にしたがってジ
グザグに蒸着していく。このようなジグザグ状の軌跡
は、Xレール111およびYレール121上を移動ユニット大
110および移動ユニット小120が移動することにより実現
される。
【0024】レーザ出力としては、出力500W程度の連続
発振とし、直径100μm程度に絞ったレーザスポットを
昇華させたい蒸着材料の表面をy方向に沿って一定速度
でスキャンさせ、材料表面が200℃±10℃程度になるよ
うに加熱していく。このとき、当然ながら、レーザスポ
ットの径は蒸着材料116のx方向幅よりも小さくし、蒸
着材料表面以外への無駄なレーザ照射を避ける必要があ
る。
【0025】なお、これ以外にもレーザスポットを間欠
的に発振するようにしてもよい。この場合もレーザ照射
する蒸着材料表面を200℃前後に保つことが望ましい。
このような制御により、上述したように、レーザスポッ
トが照射される箇所の表面付近だけが集中的に加熱さ
れ、昇華されるので、レーザ照射エネルギーが効率よく
昇華に用いられる。したがって基板のxy平面全体とし
ては、ほぼ一定の材料が昇華されていくことになる。こ
れによって、例えば300×400mmの基板であれば、図6に
示す例の方法で形成した従来の膜厚分布が20%程度であ
ったのに比べ、5%以下に抑えることできる。
【0026】また、レーザスポットを絞って蒸着材料に
照射することにより、加熱ヒータで蒸着材料全体を加熱
する従来よりも熱効率を格段に向上させることができ
る。さらに、レーザスポットを絞ることで不要な蒸着材
料の蒸発が抑えられ、材料の使用効率が従来は5%であ
ったのに比べ、20〜30%程度と飛躍的に改善することが
できる。また蒸着トレイ115の凹部面積は、基板の蒸着
面積に比べて小さいので、蒸着に使用する蒸着材料の量
も少なくて済む。
【0027】このような蒸着工程を、RGB各色毎につい
て行う。ここで、図4(a)〜(d)は、マスクを用いて
発光層13R、13G、13Bを塗り分ける工程例を示したもの
である。マスク窓は、1つの色の発光層を蒸着する度に
横へずらし、最終的に発光層13R、13G、13Bが連続的に
配置されるように形成する。
【0028】なお、ここでは発光層の蒸着工程に本発明
のレーザ蒸着装置を適用する例を示したが、この他にホ
ール注入層、ホール輸送層などの有機層、および電極1
2、14についても、それぞれの材料を蒸着トレイ115の凹
部に入れ、所定のパターンマスクを介して同様に蒸着を
行うことにより各層を基板11に形成する工程に適用して
もよい。
【0029】<その他の事項>本実施の形態では、蒸着
トレイ115のサイズを基板のy方向幅とほぼ同様とし、
x方向幅を短くした形状としたが、本発明は従来のよう
に加熱ヒータで蒸発トレイごと蒸発材料を加熱する構成
ではないので、例えば蒸着材料116を入れる蒸着トレイ1
15の面積を基板サイズと同様にしても、レーザ照射を行
うことにより必要な蒸着材料116の表面のみを加熱でき
るため、従来に比べて熱効率を極めて良好にすることが
できる。
【0030】また、レーザ蒸着の軌跡としては、図3
(b)に示すように、基板に対してジグザグにレーザユ
ニット130を動かす例に限るものではなく、結果的にマ
スクの蒸着窓から基板側へ必要な蒸着が行えるようにレ
ーザユニット130を動かせればよい。一例としては、上
記実施の形態のXYテーブル型レーザ蒸着装置を用い、
レーザユニット130がy方向に移動するときのみレーザ
照射をして蒸着材料116を昇華させ、ステージ大112がx
方向に移動するときはレーザ照射を止めるようにしても
よい。このとき、レーザ照射に関する細かな設定(レー
ザ温度、スキャン速度等)は上記実施の形態と同様でよ
い。
【0031】さらに、マスクのy方向幅と同等の長さに
わたって光ファイバ140の本数を増やした場合、レーザ
ユニット130をx方向へ移動させるだけでマスク全面の蒸
着窓から基板側へ蒸着することが可能となるので望まし
い。また、レーザの種類としては半導体レーザに限定す
るものではなく、図5のレーザ蒸着装置の断面図に示す
ように、炭酸ガスレーザやYAGレーザなど他の種類のレ
ーザ150をレーザユニット130に固定して用いてもよい。
レーザ温度とスキャン速度は、実施の形態と同様でよ
い。この場合においても、レーザ光は蒸着トレイ115上
の蒸着材料116をスキャンすることによって、これを昇
華させ、所定パターンのマスクを介して基板側へ蒸着す
ることができる。
【0032】レーザ源として、実施の形態のように光フ
ァイバを用いる場合には、レーザスポットに関する設定
はそれほど問題にはならないが、炭酸ガスレーザやYAG
レーザなどを用いる場合にはレーザ焦点を調整する必要
が生じることもある。この場合は、レーザ発振器と蒸発
材料との間にレンズ系(図5の151を参照)を配置し、レ
ーザスポットサイズを適宜調整できるようにしてもよ
い。このとき、レンズ系によるレーザ焦点の調整はモー
タドライブとし、その制御用配線をレーザ源の配線とと
もにチャンバ外へ出すようにすると都合がよい。
【0033】また、このほかレーザビームを蒸着材料表
面に適切にフォーカスさせる手段としては、レーザ源と
蒸発材料との間に小型のオートフォーカス(AF)機構を
搭載し、チャンバ内にAF機構ごと収めてもよい(構成図
としては図5とほぼ同様となる)。この場合、AF機構
は、レーザユニットとともにステージ小122に固定する
必要がある。
【0034】さらに、レーザスポットとしては、蒸着ト
レイ115上における蒸着材料116の表面を部分的に照射で
きればよいので、円状、四角状など、いずれの形状であ
ってもよい。しかしながら、チャンバ内に固定した基板
側へ、無駄のないように蒸着材料を昇華させることが望
ましいので、この点を考慮しながらレーザスポットの形
状およびそのサイズを設定する必要がある。
【0035】また、上記実施の形態では、光ファイバに
よるレーザ光によって蒸着材料を照射し、これをマスク
を介して基板側に蒸着する方法を機械的機構(ステージ
小122とレーザユニット130)により実現する例を示し
た。しかしながら本発明はこれに限定するものではな
く、レーザによる蒸着材料のスキャン方法としては、実
施の形態におけるステージ小122を用いず、替わりにレ
ーザユニットと蒸着材料の間にオートフォーカス・スキ
ャン機能を有する光学系機構を搭載してもよい。この構
成では、レーザユニットはステージ大に固定する。そし
て前記光学系機構はレーザ光を捕捉しつつ、その焦点を
蒸発材料表面に合わせながら、レーザ光の光軸をy方向
へスキャンさせる。これによれば、レーザ光は蒸着材料
表面を扇状にスキャンされることとなり、蒸発材料が良
好に昇華されて、実施の形態とほぼ同様の効果が奏され
る。
【0036】なおこの場合、レーザ源と光学系機構はチ
ャンバの外側に設け、チャンバの側面一部に透明窓を設
けて、チャンバ外部からチャンバ内部の蒸発材料表面を
レーザでスキャンするようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
は基板表面に、第一の電極、有機層、第二の電極が順次
積層されてなる有機EL素子の製造装置であって、前記有
機層のもととなる蒸着材料を投入可能なトレイと、前記
トレイに入れた蒸着材料に対し、レーザ光を照射して昇
華させるレーザ照射手段と、前記トレイからの蒸着材料
の飛翔昇華方向と対峙させて配された基板ホルダーとを
備えるので、レーザを用いることで蒸着材料の昇華のた
めに必要な熱エネルギーのみを付与でき、蒸着材料を精
度良く昇華させ、均一な膜厚で蒸着できる。またレーザ
スポットの焦点が離れた材料表面はすぐに温度が下がる
ため、不要な投入熱量を抑えて無駄な材料損失が回避で
きるといった効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるレーザ蒸着装置
の斜視図である。
【図2】 レーザ蒸着装置の断面図である。
【図3】 マスクの正面図とレーザ蒸着の軌跡を示す図
である。
【図4】 マスク蒸着において、RGB各色の有機発光層を
塗り分ける工程を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態のバリエーションを示す
レーザ蒸着装置の断面図である。
【図6】 有機ELパネルの断面図である。
【図7】 従来のレーザ蒸着法の様子を示す図である。
【符号の説明】
100 レーザ蒸着装置 110 移動ユニット大 111 Xレール 112 ステージ大 115 蒸着トレイ 116 蒸着材料 122 移動ユニット小 120 Yレール 130 レーザユニット 140 光ファイバ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に、第一の電極、有機層、第二
    の電極が順次積層されてなる有機EL素子の製造装置であ
    って、 前記有機層のもととなる蒸着材料を投入可能なトレイ
    と、 前記トレイに入れた蒸着材料に対し、レーザ光を照射し
    て昇華させるレーザ照射手段と、 前記トレイからの蒸着材料の飛翔昇華方向と対峙させて
    配された基板ホルダーとを備えることを特徴とする有機
    EL素子の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザ照射手段とトレイ上の蒸着材
    料との間には、トレイ上の蒸着材料表面をスキャンし、
    これを昇華するためのレーザ主走査手段が備えられてお
    り、 当該レーザ主走査手段は、 レーザ照射手段を一定方向に沿って移動させることによ
    り、前記蒸着材料表面に対してレーザ光を走査させる移
    動機構、もしくは、 レーザ照射手段から放たれるレーザ光を、蒸着材料表面
    に向かって扇状に照射することにより走査させる光学系
    機構、 の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項
    1に記載の有機EL素子の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記製造装置は、前記基板ホルダーに固
    定した所定パターンのマスク付き基板に対し、前記マス
    クの所定のパターンに合わせて、レーザ照射手段および
    レーザ主走査手段を移動させる副走査機構手段を備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子の
    製造装置。
  4. 【請求項4】 前記製造装置は、前記有機層のもととな
    る蒸着材料に替えて、第一の電極のもととなる蒸着材
    料、および第二の電極のもととなる蒸着材料の少なくと
    もいずれかが投入可能であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の有機EL素子の製造装置。
  5. 【請求項5】 第一の電極が形成された基板表面に、有
    機層を積層するとともに、有機層表面に第二の電極を形
    成する有機EL素子の製造方法であって、 前記有機層のもととなる蒸着材料をトレイに入れ、当該
    トレイに対向するように所定パターンのマスクと基板を
    順次配し、 前記トレイに入れた蒸着材料をレーザ照射手段によりレ
    ーザ照射して昇華させ、 所定パターンのマスクを介し、第一の電極が配された基
    板表面に、レーザ照射手段により昇華させた蒸着材料を
    蒸着させて有機層を形成することを特徴とする有機EL素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザ照射手段とトレイ上の蒸着材
    料との間に、レーザ主走査手段を配置し、当該レーザ主
    走査手段により、レーザがトレイ上の蒸着材料をスキャ
    ンさせるようにすることを特徴とする請求項5に記載の
    有機EL素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記有機層のもととなる蒸着材料と同様
    にして、第一の電極のもととなる蒸着材料、および第二
    の電極のもととなる蒸着材料の少なくともいずれかをレ
    ーザ照射し、所定パターンのマスクを介して基板表面ま
    たは有機層表面に蒸着することを特徴とする請求項5ま
    たは6に記載の有機EL素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記レーザ照射手段により、トレイ上の
    蒸着材料表面を部分的またはレーザスポットで点滅しな
    がら照射することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに
    記載の有機EL素子の製造方法。
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