JP2003096104A - 低分子ヘパリンまたはその塩の製造方法 - Google Patents

低分子ヘパリンまたはその塩の製造方法

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JP2003096104A
JP2003096104A JP2001294152A JP2001294152A JP2003096104A JP 2003096104 A JP2003096104 A JP 2003096104A JP 2001294152 A JP2001294152 A JP 2001294152A JP 2001294152 A JP2001294152 A JP 2001294152A JP 2003096104 A JP2003096104 A JP 2003096104A
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heparin
salt
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sodium
low molecular
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JP2001294152A
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English (en)
Inventor
Masakazu Hatakeyama
昌和 畠山
Masami Todokoro
正美 戸所
Minoru Nakayama
中山  実
Yasuto Umeda
靖人 梅田
Nobuki Sakurai
伸樹 櫻井
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な製造工程にて、抗Xa因子活性が高く均質
な低分子ヘパリンまたはその塩を、高い収率で得ること
が出来るの製造方法の提供。 【解決手段】ヘパリンまたはその塩を吸着している陰イ
オン交換体と、0.01〜0.3規定の塩濃度を有する
溶液とを接触させることにより、低分子ヘパリンまたは
その塩を遊離させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低分子ヘパリンまた
はその塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘパリンは、強い抗血液凝固活性を有し
ており、汎発性血管内血液凝固症候群の治療、心筋梗塞
症や脳塞栓症などの種々の血栓塞栓症の治療および予防
のほか、血液透析・人工心肺などの体外循環装置使用時
や血管カテーテル挿入時、または輸血および血液検査の
際などにおける血液凝固の防止に用いられているが、ヘ
パリンを上記治療又は予防に過剰に用いた場合には、血
液凝固時間の延長に伴う出血傾向の増大という問題が生
じる。該問題の解決手段のひとつとして、低分子ヘパリ
ンの使用が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低分子ヘパリンの具体
的な製造方法としては、特公昭63−44764号公報
に記載された製造方法を挙げることができるが、該公報
に記載された製造方法をはじめ、これまでの低分子ヘパ
リンの製造方法は、収率の点、抗Xa因子活性の点、製造
工程が複雑である点、均質な低分子ヘパリンが得難い点
などにおいて未だ課題を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の従来
技術が有する課題に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果、
ヘパリンまたはその塩を吸着している陰イオン交換体
と、0.01〜0.3規定の塩濃度を有する溶液とを接
触させることにより、低分子ヘパリンまたはその塩を遊
離させる低分子ヘパリンまたはその塩の製造方法であれ
ば、簡単な製造工程にて、抗Xa因子活性が高く均質な低
分子ヘパリンまたはその塩が、高い収率で得られること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0005】本発明は以下の(1)〜(8)から構成さ
れる。 (1)ヘパリンまたはその塩を吸着している陰イオン交
換体と、0.01〜0.3規定の塩濃度を有する溶液と
を接触させることにより、低分子ヘパリンまたはその塩
を遊離させることを特徴とする低分子ヘパリンまたはそ
の塩の製造方法。
【0006】(2)ヘパリンまたはその塩を吸着してい
る陰イオン交換体と、0.01〜0.3規定の塩濃度を
有する溶液とを接触させることにより、低分子ヘパリン
またはその塩を遊離させ、次いで晶析させることを特徴
とする低分子ヘパリンまたはその塩の製造方法。
【0007】(3)ヘパリンまたはその塩が、分子量低
下処理されたヘパリンまたはその塩である前記第1項ま
たは第2項記載の低分子ヘパリンまたはその塩の製造方
法。
【0008】(4)ヘパリンまたはその塩が、分子量低
下処理および還元処理されたヘパリンまたはその塩であ
る前記第1項または第2項記載の低分子ヘパリンまたは
その塩の製造方法。
【0009】(5)ヘパリンまたはその塩が、分子量低
下処理および還元処理された後に、ヘパリンまたはその
塩の100〜1000倍量(重量)の晶析用溶液を用い
て晶析処理されたヘパリンまたはその塩である前記第1
項または第2項記載の低分子ヘパリンまたはその塩の製
造方法。
【0010】(6)ヘパリン塩がヘパリンナトリウムで
ある前記第1項〜第5項の何れか1項記載の低分子ヘパ
リンまたはその塩の製造方法。
【0011】(7)分子量低下処理が、亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸カリウム、およびヘパリン分解酵素から選ば
れた1種以上を用いて行われることを特徴とする前記第
3項〜第5項の何れか1項記載の低分子ヘパリンまたは
その塩の製造方法。
【0012】(8)低分子ヘパリンまたはその塩の遊離
が、液体クロマトグラフィー法によって行われることを
特徴とする前記第1項または第2項記載の低分子ヘパリ
ンまたはその塩の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において使用するヘパリン
は特に限定されるものではないが、ヘパリンとしては例
えば、肝臓又は肺臓を自己消化させたのち、硫酸アンモ
ニウムで飽和した水酸化ナトリウム溶液で温抽出し、該
抽出液を中和後アルコールでヘパリンとたんぱく質の複
合体を沈殿させ、アルコール洗浄し、次いでアルカリ溶
液に溶かすことにより、タンパク質をトリプシンで消化
除去した後、アルコールで沈殿させ粗製品を得、その粗
製品を塩化カドミウムで処理して不純物を除き、アセト
ンで沈殿させることにより得たものを挙げることができ
る。
【0014】本発明において使用するヘパリン塩は特に
限定されるものではないが、例えば、ヘパリンの金属塩
などを挙げることができ、該金属としてはナトリウム、
カリウム、カルシウムおよびカリウム等を挙げることが
できる。その中でもヘパリンナトリウムは、日本薬局方
収載品であることから本発明に好ましく使用することが
できる。また、ヘパリンの金属塩は、前述の方法で得ら
れたヘパリンを、塩酸ベンジジン塩又はブルシン塩とし
て分離し、金属塩に変えることにより得られる。また、
ヘパリンナトリウムとしては、第13改正 日本薬局方
記載のヘパリンナトリウムを用いることが例示できる。
【0015】なお、本発明において低分子ヘパリンまた
はその塩とは、標準ヘパリンまたはその塩よりも小さい
平均分子量を有するヘパリンまたはその塩のことであ
る。標準ヘパリンまたはその塩の平均分子量は抽出源に
よって異なることから、本発明の製造方法によって得ら
れる低分子ヘパリンまたはその塩の平均分子量は特定さ
れるものではないが、具体的には1000〜7000の
範囲のものである。
【0016】上記ヘパリンまたはその塩のうち、予め分
子量低下処理されたヘパリンまたはその塩は、本発明に
好ましく使用することができる。分子量低下処理された
ヘパリンまたはその塩を本発明の製造方法に使用した場
合には、最終生成物である低分子ヘパリンまたはその塩
の収率が高くなる。
【0017】分子量低下処理の方法は特に限定されるも
のではないが、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、お
よびヘパリン分解酵素から選ばれた1種以上をヘパリン
ナトリウム水溶液に添加する方法を挙げることができ
る。
【0018】また、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウ
ム、およびヘパリン分解酵素から選ばれた1種以上の添
加後、塩酸、硫酸、酢酸等の酸を、該ヘパリンまたはそ
の塩の水溶液に添加すれば、低分子ヘパリンまたはその
塩の収率が向上し好ましい。さらに、該酸を添加する場
合には、分子量低下処理後水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基により中和するこ
とが、低分子ヘパリンまたはその塩の収率向上の点から
好ましい。
【0019】さらに、本発明に使用するヘパリンまたは
その塩は、該分子量低下処理後、還元剤を用いて還元処
理されたものであることが好ましい。分子量低下処理
後、還元処理されたヘパリンまたはその塩を本発明に用
いた場合には、低分子ヘパリンまたはその塩の収率が向
上する。還元処理に使用する還元剤は特に限定されるも
のではないが、具体的には、水素化ホウ素ナトリウムや
シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどを挙げることができ
る。
【0020】分子量低下処理または還元処理後の該ヘパ
リンまたはその塩は、晶析によって回収することができ
る。晶析の条件などは特に限定されるものではないが、
本発明においては、該ヘパリンまたはその塩の100〜
1000倍量(重量)の晶析用溶液を用いて晶析するこ
とが、収率および経済性の点で好ましい。さらに本発明
において晶析用溶液の量は300〜800倍量(重量)
であることが好ましく、より好ましくは400〜600
倍量(重量)である。該晶析用溶液としては、メタノー
ル、エタノールなどを挙げることができる。
【0021】本発明において、前述のヘパリンまたはそ
の塩を吸着する陰イオン交換体は特に限定されるもので
はないが、具体的には、担持体に、アミノエチル基、ジ
エチルアミノエチル基、トリエチルアミノエチル基、グ
アニドエチル基、およびp−アミノベンジル基から選ば
れた1種以上をリガントして結合させた化合物を挙げる
ことができる。該担持体としては、セルロース、架橋セ
ルロース、アガロース、およびスチレンポリマーなどを
挙げることができる。
【0022】該陰イオン交換体としてより具体的には、
DEAE セファデックス(Sephadex) A−2
5、DEAE セファデックス(Sephadex) A
−50、QAE セファデックス(Sephadex)
A−25、QAE セファデックス(Sephade
x) A−50、DEAE セファデックス(Sepha
dex)、DEAE セファデックス(Sephade
x) CL−6B、Q−セファロースファストフロー
(Sepharose Fast flow)、DEAE
セファロースファストフロー(Sepharose F
ast flow)、MonoQ(以上アマシャムファ
ルマシアバイオテク社製)、
【0023】DEAE−トヨパール650、QAE−ト
ヨパール550、SuperQ−トヨパール650(以
上東ソー社製)、DEAE−セルロファインA−200
−m、DEAE−セルロファインA−500−m、DE
AE−セルロファインA−500−sf、およびDEA
E−セルロファインA−800−m(以上生化学工業社
製)などの市販の陰イオン交換体を挙げることができ
る。
【0024】それらのうち、予め塩酸などの酸で処理さ
れた陰イオン交換体は本発明に好ましく使用することが
できる。予め酸処理された陰イオン交換体を本発明に用
いた場合には、抗Xa因子活性の高い低分子ヘパリンナト
リウムが得られる。
【0025】ヘパリンまたはその塩を陰イオン交換体に
吸着させる方法は特に限定されるものではないが、ヘパ
リンまたはその塩水溶液に陰イオン交換体を投入し、振
盪する方法を挙げることができる。
【0026】本発明に用いる0.01〜0.3規定の塩
濃度を有する溶液(以下「塩溶液」と記述する。)と
は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、
硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、および酢酸カリウムか
ら選ばれた1種以上の水溶液であって、収率の点、より
均質な低分子ヘパリンが得られる点から、その濃度は
0.15〜0.3規定の範囲であるが好ましく、より好
ましくは0.2〜0.3規定、更に好ましくは0.22
〜0.29規定の範囲である。
【0027】ヘパリンまたはその塩を吸着している陰イ
オン交換体と該塩溶液とを接触させることにより、該陰
イオン交換体に吸着されているヘパリンまたはその塩か
ら、目的物である低分子ヘパリンまたはその塩のみを遊
離することができる。より均質な低分子ヘパリンまたは
その塩を得る方法として、初めに0.01規定〜0.2
規定未満の塩濃度を有する溶液を用いて遊離させ、次に
0.2〜0.3規定の塩濃度を有する溶液を用いて遊離
させる方法が例示できる。
【0028】本発明において遊離の際の具体的方法は特
に限定されるものではないが、例えば、塩溶液にヘパリ
ンまたはその塩を吸着した陰イオン交換体を投入して懸
濁状態とし、この懸濁液を振盪し、次いで、この懸濁液
を濾過する方法や、液体クロマトグラフィー法を挙げる
ことができる。このうち後者は経済性の点から本発明に
好ましく用いることができる。
【0029】さらに、該濾過によって得られた濾液もし
くは該液体クロマトグラフィーによって得られた透過液
(濾液)などに含まれる低分子ヘパリンまたはその塩
は、晶析によって回収することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。 1.評価方法 下記製造例に用いた評価方法を下記に示す。 (1)平均分子量の測定 移動相により、較正用ヘパリンナトリウム及び下記製造
例によって得られた低分子ヘパリンナトリウムの10mg/m
L水溶液(較正用ヘパリンナトリウム水溶液、製造例低
分子ヘパリンナトリウム水溶液)を作成した。これらの
溶液25μLにつき、液体クロマトグラフ法により試験を
行った。検出器は紫外可視分光光度計、示差屈折計の順
に連結させ、予め紫外可視分光光度と示差屈折率とを求
め、紫外可視分光光度計から得られたクロマトグラム保
持時間を示差屈折計のピーク保持時間に補正した。標準
溶液は紫外可視分光光度計および示差屈折計から得られ
たクロマトグラムを、試料溶液は示差屈折計から得られ
たクロマトグラムを一定間隔で分割し、それぞれの保持
時間(i)におけるピーク高さを求めた。次の式により相
対平均分子量を求め、その値を平均分子量とした。
【0031】前述の10mg/mL較正用ヘパリンナトリウム
水溶液の紫外可視分光光度計及び示差屈折計から得られ
た2つのクロマトグラムから平均分子量の計算に用いる
係数を求めた。 r=ΣRISi/ΣUVSi ΣRISi:該10mg/mL較正用ヘパリンナトリウム水溶液の
示差屈折計から得られた主ピークの保持時間(i)におけ
るピーク高さの合計 ΣUVSi:該10mg/mL較正用ヘパリンナトリウム水溶液の
紫外可視分光光度計から得られた主ピークの保持時間
(i)におけるピーク高さの合計 f=Mn/r Mn:平均分子量測定用標準品の数平均分子量 Mi(保持時間(i)に対する分子量)=fラRISi/UVSi RISi:該10mg/mL較正用ヘパリンナトリウム水溶液の示
差屈折計から得られたピークの保持時間(i)におけるピ
ーク高さ UVSi:該10mg/mL較正用ヘパリンナトリウム水溶液の紫
外可視分光光度計から得られたピークの保持時間(i)に
おけるピーク高さ 平均相対分子量=ΣRITi/Σ(RITi/Mi) RITi:前述の10mg/mL製造例低分子ヘパリンナトリウム
水溶液の示差屈折計から得られたピークの保持時間(i)
におけるピーク高さ
【0032】尚、較正用試料として分子量較正用低分子
量ヘパリン標準品(90/686)(ナショナル・インスティテ
ュート・フォー・バイオロジカル・スタンダーズ・アン
ド・コントロール(National Institute for Biologica
l Standards and Control)製)を用いた。
【0033】(2)抗Xa因子活性の測定 テストチームヘパリンSキット(第一化学薬品株式会社
製)を用いてヘパリン濃度(IU/ml)を測定し、これを
抗Xa因子活性とした。
【0034】2.低分子ヘパリンナトリウムの製造例 製造例1 ブタ腸粘膜由来のヘパリンナトリウム15.0gを、イオン
交換水220mlに溶解させた後、その溶解液を5℃に冷却し
た。冷却後、亜硝酸ナトリウム0.33gをイオン交換水6ml
に溶解させた溶液を加え、さらに約5℃に冷却させた1mo
l/l塩酸45.8gを加え15分間撹拌しつつ分解反応を行
い、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液47.4gを加え該反応
を停止させた。該反応溶液を25℃まで昇温し、これに水
素化ホウ素ナトリウム0.075gを加え4時間撹拌し還元反
応を行った。さらに、1mol/l酢酸水溶液22.3gを加えて
pHを4とすることにより、過剰の水素化ホウ素ナトリウ
ムを分解させ、次いで、1mol/l水酸化ナトリウム水溶
液を28.1g加えpHを7にした。その後、該反応溶液に6500
gのエタノールを加え晶析し、濾過することで分解・還
元されたヘパリンナトリウムを15.1g得た。
【0035】この分解・還元されたヘパリンナトリウム
2.0gをイオン交換水20mlに溶解した。予め希塩酸で対イ
オンを塩素イオンに置換したDEAE−セルロファインA−
500mを150ml充填したカラム(44mmφラ100mm)の頭頂部
より該溶解液を投入し、さらに、イオン交換水93ml、お
よび0.18規定の塩化ナトリウム水溶液を225ml投入し
た。次いで、0.28規定の塩化ナトリウム水溶液150mlを
同様に該カラムに投入することにより、低分子ヘパリン
ナトリウム含有液を分取した。この低分子ヘパリンナト
リウム含有液にエタノールを加え晶析し、ろ過を行い、
低分子ヘパリンナトリウム0.58gを得た。得られた低分
子ヘパリンナトリウムの平均分子量は4800、抗Xa因子活
性は126IU/mgであった。
【0036】製造例2 製造例1で得た分解・還元されたヘパリンナトリウム2.
0gをイオン交換水20mlに溶解した。予め希塩酸で対イオ
ンを塩素イオンに置換したDEAE−セルロファインA−50
0mを150ml充填したカラム(44mmφラ100mm)の頭頂部よ
り該溶解液を投入し、さらに、イオン交換水93ml、およ
び0.19規定の塩化ナトリウム水溶液を225ml投入した。
次いで、0.28規定の塩化ナトリウム水溶液150mlを同様
に該カラムに投入することにより、低分子ヘパリンナト
リウム含有液を分取した。この低分子ヘパリンナトリウ
ム含有液にエタノールを加え晶析し、ろ過を行い、低分
子ヘパリンナトリウム0.50gを得た。得られた低分子ヘ
パリンナトリウムの平均分子量は5100、抗Xa因子活性は
145IU/mgであった。
【0037】製造例3 製造例1で得た分解・還元されたヘパリンナトリウム2.
0gをイオン交換水20mlに溶解した。予め希塩酸で対イオ
ンを塩素イオンに置換したDEAE−セルロファインA−50
0mを150ml充填したカラム(44mmφラ100mm)の頭頂部よ
り該溶解液を投入し、さらに、イオン交換水を投入し
た。次いで、0.28規定の塩化ナトリウム水溶液150mlを
同様に該カラムに投入することにより、低分子ヘパリン
ナトリウム含有液を分取した。この低分子ヘパリンナト
リウム含有液にエタノールを加え晶析し、ろ過を行い、
低分子ヘパリンナトリウム1.12gを得た。得られた低分
子ヘパリンナトリウムの平均分子量は3200、抗Xa因子活
性は86IU/mgであった。
【0038】製造例4 ブタ腸粘膜由来のヘパリンナトリウム15.0gを、イオン
交換水220mlに溶解させた後、その溶解液を5℃に冷却し
た。冷却後、亜硝酸ナトリウム0.33gをイオン交換水6ml
に溶解させた溶液を加え、さらに約5℃に冷却させた1mo
l/l塩酸45.8gを加え15分間撹拌しつつ分解反応を行
い、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液47.4gを加え該反応
を停止させた。該反応溶液を25℃まで昇温し、これに水
素化ホウ素ナトリウム0.075gを加え4時間撹拌し還元反
応を行った。さらに、1mol/l酢酸水溶液22.3gを加えて
pHを4とすることにより、過剰の水素化ホウ素ナトリウ
ムを分解させ、次いで、1mol/l水酸化ナトリウム水溶
液を28.1g加えpHを7にした。その後、該反応溶液に3000
gのエタノールを加え晶析し、濾過することで分解・還
元されたヘパリンナトリウムを5.3g得た。
【0039】この分解・還元されたヘパリンナトリウム
2.0gをイオン交換水20mlに溶解した。予め希塩酸で対イ
オンを塩素イオンに置換したDEAE−セルロファインA−
500mを150ml充填したカラム(44mmφラ100mm)の頭頂部
より該溶解液を投入し、さらに、イオン交換水93ml、お
よび0.19規定の塩化ナトリウム水溶液を225ml投入し
た。次いで、0.28規定の塩化ナトリウム水溶液150mlを
同様に該カラムに投入することにより、低分子ヘパリン
ナトリウム含有液を分取した。この低分子ヘパリンナト
リウム含有液にエタノールを加え晶析し、ろ過を行い、
低分子ヘパリンナトリウム0.58gを得た。得られた低分
子ヘパリンナトリウムの平均分子量は4800、抗Xa因子活
性は126IU/mgであった。
【0040】製造例5 製造例1で得た分解・還元されたヘパリンナトリウム2.
0gをイオン交換水20mlに溶解した。予め希塩酸で対イオ
ンを塩素イオンに置換したDEAE−セルロファインA−50
0mを150ml充填したカラム(44mmφラ100mm)の頭頂部よ
り該溶解液を投入し、さらに、イオン交換水を93ml投入
した。次いで、0.5規定の塩化ナトリウム水溶液150mlを
同様に該カラムに投入することにより、低分子ヘパリン
ナトリウム含有液を分取した。この低分子ヘパリンナト
リウム含有液にエタノールを加え晶析し、ろ過を行い、
低分子ヘパリンナトリウム1.28gを得た。得られた低分
子ヘパリンナトリウムの平均分子量は8600、抗Xa因子活
性は107IU/mgであった。
【0041】
【発明の効果】本発明の低分子ヘパリンまたはその塩の
製造方法は製造工程が簡単であり、さらに本発明の製造
方法であれば、簡単な製造工程にて、抗Xa因子活性が高
く均質な低分子ヘパリンまたはその塩を、高い収率で得
ることが出来る。
フロントページの続き (72)発明者 梅田 靖人 熊本県水俣市八幡町2丁目4番地10号 (72)発明者 櫻井 伸樹 熊本県水俣市八幡町2丁目5番地9号 Fターム(参考) 4B064 AF21 BA11 BA12 CA21 CE11 DA01 4C086 AA03 AA04 EA27 NA14 ZA54 4C090 AA02 AA04 BA68 BC27 CA13 CA34 CA43 DA23 DA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘパリンまたはその塩を吸着している陰
    イオン交換体と、0.01〜0.3規定の塩濃度を有す
    る溶液とを接触させることにより、低分子ヘパリンまた
    はその塩を遊離させることを特徴とする低分子ヘパリン
    またはその塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヘパリンまたはその塩を吸着している陰
    イオン交換体と、0.01〜0.3規定の塩濃度を有す
    る溶液とを接触させることにより、低分子ヘパリンまた
    はその塩を遊離させ、次いで晶析させることを特徴とす
    る低分子ヘパリンまたはその塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 ヘパリンまたはその塩が、分子量低下処
    理されたヘパリンまたはその塩である請求項1または2
    記載の低分子ヘパリンまたはその塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 ヘパリンまたはその塩が、分子量低下処
    理および還元処理されたヘパリンまたはその塩である請
    求項1または2記載の低分子ヘパリンまたはその塩の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 ヘパリンまたはその塩が、分子量低下処
    理および還元処理された後に、ヘパリンまたはその塩の
    100〜1000倍量(重量)の晶析用溶液を用いて晶
    析処理されたヘパリンまたはその塩である請求項1また
    は2記載の低分子ヘパリンまたはその塩の製造方法。
  6. 【請求項6】 ヘパリン塩がヘパリンナトリウムである
    請求項1〜5の何れか1項記載の低分子ヘパリンまたは
    その塩の製造方法。
  7. 【請求項7】 分子量低下処理が、亜硝酸ナトリウム、
    亜硝酸カリウム、およびヘパリン分解酵素から選ばれた
    1種以上を用いて行われることを特徴とする請求項3〜
    5の何れか1項記載の低分子ヘパリンまたはその塩の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 低分子ヘパリンまたはその塩の遊離が、
    液体クロマトグラフィー法によって行われることを特徴
    とする請求項1または2記載の低分子ヘパリンまたはそ
    の塩の製造方法。
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