JP2003095974A - 骨形成を安全に促進させる医薬複合剤 - Google Patents
骨形成を安全に促進させる医薬複合剤Info
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Abstract
ことかある嘔気、嘔吐、胃部不快感等を軽減する。 【解決手段】 PTHと、テレプレノン、塩酸ピレンゼ
ピン、塩酸セラキサート等の特定の制吐剤と組み合わせ
る。 【効果】 PTH投与時に起こることがある嘔気、嘔
吐、胃部不快感等を効果的に軽減することができた。
Description
るかまたは骨損失、骨疾患を安全に治療するための医薬
複合剤に関する。
による骨形成のバランスが保たれることにより維持され
る。様々な基礎研究や臨床研究から、骨再構築(リモデ
リング)において骨吸収と骨形成のアンカップリングが
生じると、骨量の減少が起こることが明らかとなってい
る。このような骨疾患として、骨粗鬆症、骨軟化症、無
形成骨、副甲状腺機能亢進症による線維性骨炎、透析性
骨症、多発性骨髄腫などの癌、ステロイドなどの薬剤投
与による骨量減少などのような全身性の骨疾患、または
炎症に起因する関節炎、歯周病、外科的損傷による骨
折、再骨折、変形性関節症、外科的手術に起因する骨欠
損などが該当する。
造の劣化の結果、骨の脆弱性が亢進し、骨折を起こしや
すい全身性の疾患」と定義されるが、その発症要因によ
って多数の亜型に分離され、例えば基礎疾患の存在しな
い原発性骨粗鬆症と、種々の内分泌疾患や血液疾患など
の他の疾患に伴う続発性骨粗鬆症とに分類される。原発
性骨粗鬆症はさらに、退行期骨粗鬆症、すなわちI型骨
粗鬆症とよばれる閉経後の骨粗鬆症、あるいはII型骨
粗鬆症と分類される老人性の骨粗鬆症を含む。
や無重力刺激による不動性骨粗鬆症や、コルチコステロ
イドなどの長期服用による薬物性骨粗鬆症、内因性ステ
ロイドの過剰分泌を主因とするクッシング症候群やその
他の性腺機能不全症、また原発性副甲状腺機能亢進症や
続発性副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、副甲状
腺機能低下症、腎性骨異栄養症、糖尿病などの内分泌疾
患が原因である骨粗鬆症、多発性骨髄腫や悪性リンパ腫
などの血液疾患が原因である骨粗鬆症、リウマチ様関節
炎が原因である骨粗鬆症、また骨形成不全症、ホモシス
チン尿症、マルファン症候群など遺伝的疾患が原因であ
る骨粗鬆症などが含まれる。
者数は増加の一途をたどり、2000年には日本で10
09万人、全世界では7500万人の存在が推計されて
いる(New Current CONTENTS,2
001.1.10)が、他の疾患に比較して骨粗鬆症が
特に深刻な社会問題として注目されているのは、骨粗鬆
症に起因する骨折、特に大腿骨頸部骨折により患者が寝
たきりとなり、患者個人のQuality of li
feの低下、医療費の増加、社会介護の不足など、幾多
の問題が付随して発生することに拠る。
世界中で170万人(1990年)と推定され、205
0年には630万人まで増加すると予測されている(N
ewCurrent CONTENTS,2001.
1.10)。また、大腿骨頸部骨折が原因で寝たきりと
なる患者数は、脳卒中に次いで第2位に位置し、全ての
寝たきり患者数の11.5%に上る(New Curr
ent CONTENTS,2001.1.10)。
カルシウム剤、エストロジェン製剤、蛋白同化ステロイ
ド製剤、活性型ビタミンD3製剤、カルシトニン製剤、
ビスフォスフォネート製剤、ビタミンK2製剤、イプリ
フラボン製剤などが臨床的に使用されている。しかしな
がらこれらの治療剤は、低下した体内のカルシウム量を
改善する作用、または減少した体内のエストロジェン濃
度を補充する作用、または骨吸収を抑制する作用などに
基づく治療剤であって、減少、または失われた骨を積極
的に増加させ、骨を罹患前までのレベルに再生させる効
果は必ずしも充分ではない。
yroid hormone、以下PTHと略)またはPTH誘導体
は骨芽細胞の機能を著明に亢進させて骨形成を促進する
作用を持つことから、新しいタイプの骨粗鬆症治療薬と
して現在、注目を集めており(最新骨粗鬆症、折茂肇、
1999年、ライフサイエンス出版)、骨粗鬆症治療に
おける副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導体
の有用性は、例えば以下の参考文献で示唆、または開示
されている:Horiら“Effect ofhuma
n parathyroid hormone(PTH
(1−34)) on experimental o
steopenia of ratsinduced
by ovariectomy.”Bone Mine
r.3.193−199.1988.;Wronski
ら“Parathyroidhormone is m
ore effective than estrog
en or bisphosphonates for
restoration of lost bone
mass in ovariectomized r
ats.”Endocrinology 132.82
3−831.1993.;Uzawaら“Compar
ison of the effects of in
termittent and continuous
administration of human
parathyroid hormone (1−3
4) on rat bone.”Bone 16.4
77−484.1995.;Fujitaら“Effe
ct of an intermittent wee
kly dose of human parathy
roid hormone (1−34) on os
teoporosis:a randomized d
ouble−masked prospective
study using three dose le
vels.”Osteoporosis Int.9.
296−306.1999.;Neerら“Effec
t of parathyroid hormone
(1−34) on fractures and b
one mineral density in po
stmenopausal women with o
steoporosis.”N.Engl.J.Me
d.344.1434−1441.2001.;199
6年3月19日付で公開された藤田らの特開平8−73
376;1987年10月6日付で発行されたNeer
らの米国特許第4,698,328号。
PTH誘導体は、骨粗鬆症だけでなく骨折治療、軟骨組
織の再生、歯科インプラント移植術、歯科矯正術におい
ても有用であることが以下の参考文献で報告されてい
る。:Jahngら“Effect of inter
mittent administration of
parathyroid hormone on fr
acture healing in ovariec
tomized rats.”Orthopedics
23.1089−1094.2000.;Skrip
itzら“Strong effect of hPT
H(1−34) on regenerating b
one: a time sequence stud
y inrats.”Acta.Orthop.Sca
nd.71.619−624.2000.;Takan
oら“The effect of parathyr
oid hormone(1−34) on cycl
ic AMP level,ornithine de
carboxylase,and glycosami
noglycan synthesis of cho
ndrocytes from mandibular
condylar cartilage,nasal
septal cartilage,and sph
eno−occipital synchondros
is in culture.”J.Dent.Re
s.66.84−87.1987.;Inanotti
ら“Mechanism of action of
parathyroid hormone−induc
ed proteoglycan synthesis
in the growth plate chond
rocyte.”J.Ortho.Res.8.136
−145.1990.;Skripitzら“Impl
ant fixation enhanced by
intermittent treatment wi
th parathyroid hormone.”
J.Bone Joint Surg.Br.83.4
37−440.2001.;Somaら“Effect
s of continuousinfusion o
f PTH on experimental too
th movement in rats.”J.Bo
ne Miner.Res.14.546−554.1
999.;Somaら“Local and chro
nic application of PTH ac
celeratestooth movement i
n rats.”J.Dent.Res.79.171
7−1724.2000.
たはPTH誘導体は他剤に比較して優れた骨形成促進作
用を持つ骨疾患治療剤であるが、一方で被投与患者のあ
る一定の割合に、嘔吐、悪心、嘔気、胃もたれ、胃部不
快感、胸焼けなどの消化器症状が一過的に観察されるこ
とがあり、投与の継続を中断または中止するケースが発
生することがある。
ン(1−34)の臨床試験で、副甲状腺ホルモン40μ
g投与患者の18%で嘔気が認められ、擬似薬投与群の
嘔気発現率8%に比較して有意に高かったことを報告し
ている(Neerら“Effect of parat
hyroid hormone (1−34) onf
ractures and bone mineral
densityin postmenopausal
women with osteoporosi
s.”N.Engl.J.Med.344.1434−
1441.2001.)。
モン(1−34)の臨床試験で、副甲状腺ホルモン50
単位(約15μg相当)投与患者73例のうち、軽度の
嘔気;3件、中程度の嘔気;1件、軽度の嘔吐;0件、
中程度の嘔吐;0件、副甲状腺ホルモン100単位(約
30μg相当)投与患者75例のうち、軽度の嘔気;5
件、中程度の嘔気;2件、軽度の嘔吐;1件、中程度の
嘔吐;0件、副甲状腺ホルモン200単位(約61μg
相当)投与患者72例のうち、軽度の嘔気;9件、中程
度の嘔気;6件、軽度の嘔吐;2件、中程度の嘔吐;2
件の発現をそれぞれ認め報告している(Fujitaら
“Effect of an intermitten
t weekly dose of human pa
rathyroid hormone (1−34)
on osteoporosis:a randomi
zed double−masked prospec
tive study using three do
se levels.”Osteoporosis I
nt.9.296−306.1999.)。
ルモン(PTH)またはPTH誘導体治療時に発現する
ことがある嘔気、悪心、嘔吐、胃部不快感、胃もたれ、
胸焼けなどの消化器症状を軽減あるいは消失させ、副甲
状腺ホルモンによる骨疾患の治療あるいは予防を安全に
継続させることを目的とする。
重ねた結果、制吐剤としての薬効が認められている医薬
品が全て、副甲状腺ホルモン治療時の消化器症状に対し
て有効なのではなく、意外にも一部の限定された制吐剤
または胃腸障害改善剤で特異的な改善効果が観察される
ことを発見した。そしてこの特定の制吐剤または胃腸障
害改善剤により、副甲状腺ホルモン(PTH)またはP
TH誘導体投与に起因した消化器症状が軽減、または解
消され、副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導
体による骨疾患の治療を中断することなく、長期にわた
って継続できることを発見した。
のうち、それぞれ少なくとも一種を含むことを特徴とす
る骨量を安全に増加させる及び/または骨疾患を安全に
治療するための医薬複合剤、 (イ)副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導
体。 (ロ)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジン。に関する。この特
化された組み合わせによって、副甲状腺ホルモン(PT
H)またはPTH誘導体の単独投与時に発現することが
ある嘔気、嘔吐、胃部不快感などの消化器症状は軽減あ
るいは消失し、より安全に、より長期間、骨損失の防止
効果または積極的な骨量増加効果が得られる。
(b)を含むことを特徴とする骨量を安全に増加させる
及び/または骨疾患を安全に治療するための医療用キッ
ト。 (a)副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導体
を含む第一の容器。 (b)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジンからなる群より一つ
または複数個、選択される制吐剤または胃腸障害改善剤
を含む第二の容器。に関する。
ちそれぞれ少なくとも一種を併用することにより、骨量
を安全に増加させる及び/または骨疾患を安全に治療す
ることができることを記載した文書及び当該文書を含む
パッケージ、 (イ)副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導
体。 (ロ)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジン。 に関する。
ルモン(PTH)がヒトPTH(1−84)である場合
の上記文書あるいは当該文書を含むパッケージに関す
る。さらに本発明は、上記(イ)のPTH誘導体がヒト
PTH(1−34)である場合の上記文書あるいは当該
文書を含むパッケージに関する。
(parathyroid hormone、以下PTHと略)とは、生体
内で血清カルシウム濃度上昇効果、リン濃度低下効果を
示すホルモンの総称で、天然型のPTH、遺伝子工学的
手法で製造されたPTH、化学的に合成されたPTHを
包含し、好ましくは84アミノ酸から成るヒトPTH
(ヒトPTH(1−84))を示す。また,、生理学上
活性なPTHフラグメントとは、前記のPTHの部分ペ
プチドや、PTHそのものあるいはその部分ペプチドの
構成アミノ酸を一部他のアミノ酸に置換したもの、PT
Hそのものあるいはその部分ペプチドの構成アミノ酸の
一部を欠失したもの、およびPTHそのものあるいはそ
の部分ペプチドに1種以上のアミノ酸を付加したペプチ
ドなどで同様の活性を有するペプチドを意味する。
例えばヒトPTH(1−34)、ヒトPTH(1−6
4)、ヒトPTH(35−84)、ヒトPTH(1−1
4)、ウシPTH(1−34)などが挙げられる。PT
H(1−34)とは副甲状腺ホルモンのN末端から34
アミノ酸までの34個のアミノ酸から成る副甲状腺ホル
モンフラグメントを示し、天然型PTHの生物活性は、
このPTH(1−34)によって再現されることが知ら
れている(生化学辞典、東京化学同人、1984)。本
発明においてはこれらのPTH誘導体もその目的に包含
される。
は、8位における構成アミノ酸のロイシンやノルロイシ
ンへの置換、18位における構成アミノ酸のロイシンや
ノルロイシンへの置換、34位における構成アミノ酸の
チロシンへの置換などが挙げられる。さらに副甲状腺ホ
ルモン関連ペプチド(PTH related Pep
tide(PTHrP))のような副甲状腺ホルモンの
特徴を保持しながらも、アミノ酸配列がわずかに変化し
た類似体も挙げられる。
誘導体は化学合成や遺伝子組み替えの方法によって当業
者らにより容易に製造できる。製造方法については例え
ば、1978年に発行されたColescottらの米
国特許第4,105,602号;1987年に発行され
たNeerらの米国特許第4,698,328号、さら
に米国特許第4,833,125号;1984年に公開
されたHeschのDE第3243,358号、199
1年に公開されたForssmannらのDE第393
5,738号明細書などが挙げられる。
副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導体として
は、前記のとおり、生体内で血清カルシウム濃度上昇効
果、リン濃度低下効果を示すペプチドホルモンであれば
全て本発明の副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH
誘導体として包含される。また、副甲状腺ホルモン(P
TH)またはPTH誘導体であって、本発明の目的に使
用されるものはこれらの例示以外にも本発明に包含され
る。
(1−84)、ヒトPTH(1−34)、ヒトPTH
(1−37)、ヒトPTH(1−38)、ヒトPTH
(1−34)−NH2などが挙げられ、さらに好ましく
はヒトPTH(1−84)またはヒトPTH(1−3
4)が挙げられる。
ピン、塩酸セトラキサート、ドンペリドン、ファモチジ
ンなる制吐剤または胃腸障害改善剤は、以下の論文や特
許に詳述されている確立された方法によって製造するこ
とができる:テプレノン(Ruzickaら.Hel
v.Chim.Acta 28.590.1945、S
atoら.J.Org.Chem.35.565.19
82)、塩酸ピレンゼピン(Eberleinら.Ar
zneimittel−Forsch.27.356.
1977)、塩酸セトラキサート(1972年に発行さ
れたYamamuraらの米国特許第3,699,14
9号、Atsujiら.J.Med.Chem.15.
247.1972)、ドンペリドン(1978年に発行
されたVandenberkらの米国特許第4,06
6,772号)、ファモチジン(1981年に発行され
たYasufumiらの米国特許第4,283,408
号)。
骨疾患に罹患し、副甲状腺ホルモンまたは生理学上活性
なフラグメントによる治療あるいは予防の対象となる、
生きた脊椎動物、例えばヒトを含む哺乳類や鳥類などを
意味している。また、本明細書で使用する「骨疾患」と
いう語は、骨再構築(リモデリング)において骨吸収と
骨形成のアンカップリングが様々な原因で生じた病態を
意味し、このような疾患名として、原発性骨粗鬆症、続
発性骨粗鬆症、骨軟化症、無形成骨、副甲状腺機能亢進
症による線維性骨炎、透析性骨症、多発性骨髄腫などの
癌、ステロイドなどの薬剤投与による骨量減少などのよ
うな全身性の骨疾患、または炎症に起因する関節炎、歯
周病、外科的損傷による骨折、再骨折、変形性関節症、
外科的手術に起因する骨欠損などが含まれる。
症、老人性骨粗鬆症を含む。続発性骨粗鬆症はさらに、
長期臥床や無重力刺激による不動性骨粗鬆症;コルチコ
ステロイドなどの長期服用による薬物性骨粗鬆症;内因
性ステロイドの過剰分泌を主因とするクッシング症候群
やその他の性腺機能不全症、原発性副甲状腺機能亢進
症、続発性副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、副
甲状腺機能低下症、腎性骨異栄養症、糖尿病などの内分
泌疾患が原因である骨粗鬆症;多発性骨髄腫や悪性リン
パ腫などの血液疾患が原因である骨粗鬆症;リウマチ様
関節炎が原因である骨粗鬆症;骨形成不全症、ホモシス
チン尿症、マルファン症候群など遺伝的疾患が原因であ
る骨粗鬆症などが含まれる。また、関節置換術や脊椎固
定術など、外科手術後に骨形成を促進させたい場合も本
語の定義に包含される。
誘導体と、テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラ
キサート、ドンペリドン、ファモチジンからなる群より
一つまたは複数個、選択される制吐剤または胃腸障害改
善剤は同時に、あるいは一つの組成物として同時に、あ
るいは逐次的に患者に投与することができる。副甲状腺
ホルモン(PTH)またはPTH誘導体と、テプレノ
ン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサート、ドンペリ
ドン、ファモチジンからなる群より一つまたは複数個、
選択される制吐剤または胃腸障害改善剤を逐次投与する
場合には、両者の投与間隔は各薬剤の投与剤型や患者の
訴える症状によって適宜選択されて良く、例えば副甲状
腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導体を投与と同時
あるいは、投与直後〜1時間後などにテプレノン、塩酸
ピレンゼピン、塩酸セトラキサート、ドンペリドン、フ
ァモチジンからなる群より一つまたは複数個、選択され
る制吐剤または胃腸障害改善剤を投与しても良い。
PTH誘導体を投与するに先だって、予防的にテプレノ
ン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサート、ドンペリ
ドン、ファモチジンからなる群より一つまたは複数個、
選択される制吐剤または胃腸障害改善剤を投与すること
も考えられる。
語は、典型的な組成物のように、複数成分の完全な混合
物のみならず、各成分を配した容器から別々に投与する
非混合的組み合わせの意味も含んでいる。
誘導体、およびテプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セ
トラキサート、ドンペリドン、ファモチジンからなる群
より一つまたは複数個、選択される制吐剤または胃腸障
害改善剤は、製薬上許容される補助成分を添加した製剤
として投与しても良い。ただし、通常の使用状況下で副
甲状腺ホルモンまたは生理学上活性なフラグメント、ま
たはテプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサー
ト、ドンペリドン、ファモチジンからなる群よりひとつ
または複数個、選択される制吐剤または胃腸障害改善剤
の薬学的効力を実質上、低下させるような相互作用がな
いように、補助成分の選択と、活性成分との混合を適合
化させる必要がある。また、製薬上許容される補助成分
を添加する場合、充分に高い純度と充分に低い毒性とを
兼ね備えていなければならない。
ス、グルコース、スクロースなどの糖類;コーンスター
チ、ポテトスターチなどのデンプン;セルロースとナト
リウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロー
ス、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;粉末トラ
ガカント;ゼラチン;タルク;ステアリン酸;ステアリ
ン酸マグネシウム;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オ
リーブオイル、コーン油、テオブロマ油などの植物油;
プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マ
ンニトール、ポリエチレングリコールなどのポリオール
類;寒天;アルギン酸;等張液;リン酸緩衝液などの緩
衝剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤および滑沢
剤;着色剤;香味剤;保存剤;安定剤;酸化防止剤;防
腐剤;抗微生物剤などが挙げられる。
その活性成分が投与される方法により決定される。活性
成分が注射されるならば、好ましい補助成分は無菌水、
生理食塩水、緩衝液またはそれらの混合液が挙げられ
る。このような非経口組成物のpHは約7.4に調整さ
れることが好ましい。局所投与として製薬上許容される
補助成分には、クリーム、ゲル、テープ、パッチおよび
これに相当する局所デリバリー用の補助成分を適宜、選
択して用いればよい。
ゼピン、塩酸セトラキサート、ドンペリドン、ファモチ
ジンからなる群より一つまたは複数個、選択される制吐
剤または胃腸障害改善剤を患者に投与する方法は、例え
ば単位剤形による経口剤または坐剤もしくは注射剤があ
り、好ましくは経口剤である。経口剤の単位剤形として
は、例えば安全有効量の活性成分を含んだ錠剤、カプセ
ル剤、懸濁液及び溶液がある。投与期間は臨床的に嘔
気、悪心、嘔吐、胃部不快感、胃もたれ、胸焼けなどの
消化器症状が発現していると判断される期間に適宜投与
する。また、臨床医の判断で予防的に投与する方法も考
えられる。
れ、症状の重さ、経過により適宜選択可能である。本発
明における制吐剤または胃腸障害改善剤の経口単位剤形
は、好ましくは1〜1000mg/ヒト/日の有効成分
を含むが、患者の症状の程度や身体的健康度などによ
り、1日の投与量を複数回に分割あるいは増減するな
ど、安全投与量の範囲内で適宜変更してよい。
H)またはPTH誘導体の投与方法は、全身投与でも局
所投与でも行い得るが、好ましい例として、皮下投与、
静脈内投与、鼻腔内投与、経肺投与、経皮投与、経直腸
投与、舌下投与、経口投与などがある。また、皮膚に電
位差をかけて電気化学的にPTHを体内に投与する方法
も用いることも可能である。投与期間としては臨床的に
骨疾患に罹患していると判断される期間が例示され、病
態に応じて臨床医の判断により回復後も投与を続ける場
合も考えられる。投与頻度は、月1回から連日投与が可
能であり、好ましくは1回/2週から5回/週もしくは
連日投与である。
に、ポリ乳酸やコラーゲンマトリックス、ヒドロキシア
パタイトなどの適当な担体と副甲状腺ホルモンまたは生
理学上活性なフラグメントを組み合わせて、目標局部に
注射や外科的に埋め込むことも可能である。また、歯科
治療用として用いる場合には、例えば歯科インプラント
に副甲状腺ホルモンまたは生理学上活性なフラグメント
をコーティングして骨部に挿入することもできる。
の生理学上活性なフラグメントの投与量は、年齢、体
格、性別、患者の健康度、治療すべき疾患の性格や重症
度などによって異なるが、全身的治療のために皮下投与
で用いられるPTHの有効投与量は、0.06μg/k
g/日〜600mg/ヒト/日であり、さらに好ましく
は15〜100mg/ヒト/日である。これは投与剤形
や患者の状態によって適宜変更されうる。
効に実施するためのキットやパッケージ、文書も提供す
る。すなわち、少なくとも(a)および(b)を含むこ
とを特徴とする骨量を安全に増加させる及び/または骨
損失を安全に治療するための医療用キット。 (a)副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導体
を含む第一の容器。 (b)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジンからなる群より一つ
または複数個、選択される制吐剤または胃腸障害改善剤
を含む第二の容器、である。このようなキットにより、
本発明の方法の理解と実施が容易となり、また治療者が
正確な投与量で、適切な活性成分を正確に患者に投与す
ることを容易とする。
を容易にする別の手段として、説明文書や説明文書を含
むパッケージがある。すなわち、下記(イ)、(ロ)の
うちそれぞれ少なくとも一種を併用することにより、骨
量を安全に増加させる及び/または骨疾患を安全に治療
することができることを記載した文書及び当該文書を含
むパッケージ。 (イ)副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導
体。 (ロ)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジン。 である。これらの記載文書、当該文書を含むパッケー
ジ、例えば添付文書が同封された、PTH製剤は、本発
明の方法の理解と実施を容易とし、また治療者が正確な
投与量で、適切な活性成分を正確に患者に投与すること
を容易とする。
るが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではな
い。
単位を週1回、48週間皮下投与した。投与期間中4回
にわたり、PTH投与後被投与患者が胃部不快感を訴え
たため、それぞれ胃部不快感を訴えたときから1週間、
テプレノン 150mg/日を経口投与した。その結
果、テプレノン投与後、胃部不快感は軽減していき、ヒ
トPTH(1−34)投与を48週間、中断することな
く継続することができ、第2〜第4腰椎BMD(骨塩密
度。二重エネルギーX線吸収測定装置で測定。)では7
%の増加が見られた。
単位を週1回、48週間皮下投与した。投与期間中6回
にわたり被投与患者が嘔気を訴えたため、それぞれ、P
TH投与とほぼ同時に、塩酸ピレンゼピン 50mg/
日を経口投与した。その結果、ヒトPTH(1−34)
投与を48週間、中断することなく継続することがで
き、第2〜第4腰椎BMDでは5%の増加が見られた。
単位を週1回、48週間皮下投与した。投与期間中3回
にわたり、PTH投与後、被投与患者が胃部不快感を訴
えたため、それぞれ胃部不快感を訴えてから2週間、塩
酸セトラキサート 200mg×3回/日を経口投与し
た。その結果、ヒトPTH(1−34)投与を48週
間、中断することなく継続することができ、第2中手骨
ΣGS/Dにおいては16%の増加が見られた。
単位を週1回、48週間皮下投与した。投与期間中18
回にわたり被投与患者が嘔気を訴えたため、1回目、エ
カベトナトリウム 1.5g/日をPTH投与とほぼ同
時に処方した。しかし改善しなかったため、以降はドン
ペリドン 20mg/日をPTH投与日のみ、PTH投
与とほぼ同時に処方した。その結果、ヒトPTH(1−
34)投与を48週間、中断することなく継続すること
ができ、第2〜第4腰椎BMDでは12%の増加が見ら
れた。
単位を週1回、24週間皮下投与した。投与期間中21
回にわたり被投与患者が胃部不快感を訴えたため、ファ
モチジン 10mg/日をPTH投与日にPTH投与と
ほぼ同時に経口投与した。その結果、ヒトPTH(1−
34)投与を24週間、中断することなく継続すること
ができ、第2〜第4腰椎BMDでは4%の増加が見られ
た。
単位を週1回、48週間皮下投与した。投与期間中被投
与患者が嘔気を訴えたため、メトクロプラミド5mg/
日を1日、PTHとほぼ同時に経口投与したが、その後
も嘔気が持続したため、それ以降のPTH投与を中止せ
ざるを得なかった。
単位を週1回、48週間皮下投与した。投与期間中1
回、被投与患者が嘔気を訴えたため、PTH投与終了
後、維持液(ソリタT3)の200ml点滴を処方した
が、嘔気が軽減しないため、それ以降のPTH投与を中
止せざるを得なかった。
(イ)、(ロ)のうち、それぞれ少なくとも一種を含む
ことを特徴とする骨量を安全に増加させるかまたは骨損
失を安全に治療するための医薬複合剤。 (イ)副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導
体。 (ロ)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジン。 は、副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH誘導体の
単独投与時に発現し得る嘔気、嘔吐、胃部不快感などの
消化器症状を軽減または解消し、より安全に、より長期
間にわたって、骨量を増加または骨損失を治療すること
に有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記(イ)、(ロ)のうち、それぞれ少
なくとも一種を含むことを特徴とする医薬複合剤。 (イ)PTHまたはPTH誘導体。 (ロ)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジン。 - 【請求項2】 PTHがヒトPTH(1−84)である
ことを特徴とする請求項1記載の医薬複合剤。 - 【請求項3】 PTH誘導体がヒトPTH(1−34)
であることを特徴とする請求項1記載の医薬複合剤。 - 【請求項4】 少なくとも(a)および(b)を含むこ
とを特徴とする医療用キット。 (a)PTHまたはPTH誘導体を含む第一の容器。 (b)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジンからなる群より一つ
または複数個、選択される制吐剤または胃腸障害改善剤
を含む第二の容器。 - 【請求項5】 PTHがヒトPTH(1−84)である
ことを特徴とする請求項4記載の投与用医療キット。 - 【請求項6】 PTH誘導体がヒトPTH(1−34)
であることを特徴とする請求項4記載の投与用医療キッ
ト。 - 【請求項7】 下記(イ)、(ロ)のうち、それぞれ少
なくとも一種を併用することにより、骨量を安全に増加
させる及び/または骨疾患を安全に治療することができ
ることを記載した文書あるいは当該文書を含むパッケー
ジ。 (イ)PTHまたはPTH誘導体。 (ロ)テプレノン、塩酸ピレンゼピン、塩酸セトラキサ
ート、ドンペリドン、ファモチジン。 - 【請求項8】 PTHがヒトPTH(1−84)である
ことを特徴とする請求項7記載の文書あるいは当該文書
を含むパッケージ。 - 【請求項9】 PTH誘導体がヒトPTH(1−34)
であることを特徴とする請求項7記載の文書あるいは当
該文書を含むパッケージ。
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