JP2003095889A - カチオン変性高分子の配合方法 - Google Patents

カチオン変性高分子の配合方法

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JP2003095889A
JP2003095889A JP2001298105A JP2001298105A JP2003095889A JP 2003095889 A JP2003095889 A JP 2003095889A JP 2001298105 A JP2001298105 A JP 2001298105A JP 2001298105 A JP2001298105 A JP 2001298105A JP 2003095889 A JP2003095889 A JP 2003095889A
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Masami Yoshiba
正美 吉葉
Takayoshi Uchikoshi
香悦 打越
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カチオン変性された水溶性高分子を、大容量
の溶解槽を必要とせず、短時間に効率よく、且つ、省エ
ネルギーで、アニオン界面活性剤及び/又は両性界面活
性剤を含む組成物に直接溶解膨潤でき、しかも、未膨潤
ダマの残らない、品質のよいシャンプー等を製造するの
に好適な、カチオン変性高分子の配合方法を提供する。 【解決手段】 カチオン変性された水溶性高分子を、ア
ニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含む組成
物に溶解膨潤する際、上記カチオン変性高分子のふるい
上粒子重量が1%未満となる粒径が0.7mm超〜2.
0mm以下の場合においては、1.3質量%以上の塩類
を、又、上記粒径が0.7mm以下の場合においては、
その粒径P(mm)及び平均分子量Mに応じて、下記式
(I)で得られる数値Smin(質量%)以上の塩類を、
上記組成物中に予め含ませることを特徴とするカチオン
変性高分子の配合方法。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン変性され
た水溶性高分子を、大容量の溶解槽を必要とせず、短時
間に効率よく、且つ、省エネルギーで、アニオン界面活
性剤及び/又は両性界面活性剤を含む組成物に直接溶解
膨潤でき、しかも、未膨潤ダマの残らない、品質のよい
シャンプー等を製造するのに好適な、カチオン変性高分
子の配合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カチオン化セルロース等の変性
された水溶性高分子は、アニオン界面活性剤などを含ん
だ組成物に直接接触すると、高分子粒子の周囲にコンプ
レックスを形成し、溶解膨潤を阻害するため、溶解に長
時間要し、また、未膨潤のダマが残って、製品の品質を
損なうという問題があった。
【0003】このコンプレックス形成を防ぐ回避策とし
て、例えば、上記変性高分子を、予めアニオン界面活性
剤などを含まない系、具体的には、精製水で溶解膨潤さ
せてから、アニオン界面活性剤などを含む他の成分と混
合する方法が、通常行われている。しかしながら、一般
的に、シャンプー等は、主成分としてアニオン界面活性
剤及び/又は両性界面活性剤を含み、しかも、比較的低
濃度の水溶液として使用することから、製品配合量の大
半(50〜70質量%)を占め、且つ、各種添加物の配
合もあって、精製水単独での配合量は10〜30質量%
と少ないのが現状である。従って、パドル翼等を備えた
汎用の製品配合槽において、前記のように、アニオン界
面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含まない系、具体
的には、精製水で溶解膨潤させようとしても、配合量が
少なくて撹拌にかかわらず、実施できないことが多いも
のである。
【0004】そのため、製品配合槽とは別の撹拌槽で、
予め精製水に溶解膨潤させてから、製品配合槽に添加
し、他のアニオン界面活性剤などの成分と混合する方法
が採られている。しかしながら、この方法においては、
溶解膨潤後の粘度が高くなるために、上記カチオン変性
高分子の濃度を2〜3.5質量%の低濃度にする必要が
あり、従って、比較的大容量の撹拌槽が必要となる課題
があり、また、溶解膨潤を促進するために、精製水を加
温することが一般的であることから、多量のエネルギー
を費やすという課題があるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであ
り、カチオン変性された水溶性高分子であっても、大容
量の撹拌槽を必要とせず、省エネルギーで、短時間に効
率よく、アニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤
を含む組成物に直接溶解膨潤でき、且つ、未膨潤ダマの
残らない、品質のよいシャンプー等を製造できるカチオ
ン変性高分子の配合方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題等を解決するため鋭意検討した結果、上記カチオ
ン変性高分子を溶解膨潤させる組成物中に、カチオン変
性高分子の粒径に応じて、所定量の塩類を含ませること
により、その組成物中にアニオン界面活性剤及び/又は
両性界面活性剤を含んでいても直接溶解膨潤できること
を見い出し、本発明を完成するに至ったのである。すな
わち、本発明は、次の(1)及び(2)に存する。 (1) カチオン変性された水溶性高分子を、アニオン
界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含む組成物に溶
解膨潤する際、上記カチオン変性高分子のふるい上粒子
重量が1%未満となる粒径が0.7mm超〜2.0mm
以下の場合においては、1.3質量%以上の塩類を、
又、上記粒径が0.7mm以下の場合においては、その
粒径P(mm)及び平均分子量Mに応じて、下記式
(I)で得られる数値Smin(質量%)以上の塩類を、
上記組成物中に予め含ませることを特徴とするカチオン
変性高分子の配合方法。
【数2】 (2) 上記カチオン変性高分子を多価アルコールなど
の水溶性溶媒やその水溶液に、予め分散又は半膨潤化さ
せた後、前記組成物中に、上記(1)に記載の塩類を予
め含ませて溶解膨潤する、カチオン変性高分子の配合方
法。なお、本発明で規定する「ふるい上粒子重量が1%
未満となる粒径」とは、具体的には、数種類の目開きの
篩を用いて、上記水溶性高分子の篩分けを行い、各篩上
に残った累積比率(重量%)を求め、これを市販のRosi
n-Rammler線図にプロットして、近似直線を引き、この
直線より求めた篩上重量1%に相当する粒子径である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。本発明のカチオン変性高分子の配
合方法は、カチオン変性された水溶性高分子を、アニオ
ン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含む組成物に
溶解膨潤する際、上記カチオン変性高分子のふるい上粒
子重量が1%未満となる粒径が0.7mm超〜2.0m
m以下の場合においては、1.3質量%以上の塩類を、
又、上記粒径が0.7mm以下の場合においては、その
粒径P(mm)及び平均分子量Mに応じて、下記式
(I)で得られる数値Smin(質量%)以上の塩類を、
上記組成物中に予め含ませることを特徴とするものであ
る。
【数3】
【0008】本発明に用いるカチオン変性高分子は、カ
チオン変性された顆粒状又は粉末状の水溶性高分子であ
り、例えば、ヒドロキシエチルセルロースなどセルロー
ス誘導体のトリメチルアルキルアンモニウムクロライド
型、ジメチルジアルキルクロライド型化合物、グアーガ
ムなどガム類のトリメチルアルキルアンモニウムクロラ
イド型、ジメチルジアルキルクロライド型化合物などが
挙げられ、これらは、単独で、又は2種以上混合して用
いることができる。
【0009】本発明に用いるアニオン界面活性剤として
は、石鹸などのカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン
酸ソーダなどのスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル硫酸ソーダなどの硫酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル燐酸ソーダなどの燐酸エ
ステル塩が挙げられ、これらは、単独で、又は2種以上
混合して用いることができる。また、べタイン型、アミ
ノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型などの両性界
面活性剤も、アニオン性を示す形で用いられる場合は、
同様である。
【0010】また、本発明に用いる塩類としては、菅硝
(硫酸ナトリウム)、食塩(塩化ナトリウム)、炭酸ナ
トリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、硫酸マグネシ
ウム、リン酸ナトリウムなどの無機塩類、安息香酸ナト
リウム、クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸
ナトリウムなどの有機酸塩類が挙げられ、これらは、単
独で、又は2種以上混合して用いることができる。
【0011】本発明において、上記カチオン変性高分子
を溶解膨潤させる組成物中の塩類の濃度は、ふるい上粒
子重量が1%未満となる粒径が0.7mm超〜2.0m
mの場合には、上記塩類の合計として、組成物全量に対
して、1.3質量%(以下、単に「%」という)以上の
塩類を配合することが必要であり、好ましくは、1.3
〜6.0%、更に好ましくは、1.3〜4.0%とする
ことが望ましい。この塩類の量が1.3%未満では溶解
膨潤が阻害され、未膨潤ダマが多数残ってしまうことと
なり、また、6.0%を越える場合には、製品の性能や
物性・安定性を損なう場合がある。なお、粒径が2.0
mm超の粗大粒子がある場合には、溶解膨潤に著しく長
時間かかり、一般的には使用されない。また、本発明に
おいて、ふるい上粒子重量が1%未満となる粒径が0.
7mm超〜2.0mmの場合とは、例えば、ふるい上粒
子重量が1%未満となる粒径が0.8mmの場合、若し
くは、ふるい上粒子重量が1%未満となる粒径が1.2
mmの場合、または、ふるい上粒子重量が1%未満とな
る粒径が1.5mmの場合、更に、ふるい上粒子重量が
1%未満となる粒径が2.0mmの場合の各々を含む場
合をいう。
【0012】本発明において、上記カチオン変性高分子
のふるい上粒子重量が1%未満となる粒径が0.7mm
以下の場合、特に、0.3〜0.7mmの場合には、そ
の粒径及び平均分子量に応じて、組成物中の塩類の濃度
を上記1.3%より低くすることができる。この場合に
おける本発明に用いる塩類の最低必要濃度は、上記式
(I)のSmi n(質量%)値より求められる。例えば、
カチオン変性高分子としてヒドロキシエチルセルロース
のトリメチルアルキルアンモニウムクロライド型のカチ
オン変性高分子〔(平均分子量:M=100万)、この
変性高分子のふるい上粒子重量が1%未満となる粒径
(P)が0.7mmの場合は、P0=254÷(980
−121×log1000000)×0.7=0.70
0となる。従って、Smin(質量%)=−7×(0.
7)3+10.5×(0.7)2−2.3×0.7+0.
13=1.26となる。よって、上記粒径が0.7mm
の場合は、1.26%以上の塩類を組成物に予め配合す
ればよいこととなる。本発明における上記式(I)は、
種々のカチオン変性高分子について、塩類濃度との関連
で溶解膨潤性を確認した結果より求めた実験式である。
上記カチオン変性高分子のふるい上粒子重量が1%未満
となる粒径が0.7mmm以下の場合、特に、0.3〜
0.7mmの場合において、上記式(I)のS min(質
量%)未満の塩類の配合では、溶解膨潤が阻害され、未
膨潤ダマが多数残ってしまうこととなり、好ましくな
い。
【0013】本発明においては、上記カチオン変性高分
子を溶解膨潤させる組成物中には、アニオン界面活性
剤、両性界面活性剤や塩類などの他に、本発明の効果を
損なわない範囲で、ノニオン界面活性剤や多価アルコー
ル、色素、防腐剤、紫外線吸収剤など、シャンプーなど
の製品に配合される各種添加剤を含んでいても構わない
ものである。
【0014】本発明において、上記カチオン変性高分子
を溶解膨潤させる際のカチオン変性高分子の濃度は、カ
チオン変性高分子の種類や製品組成などによって異なる
が、組成物全量に対して、0.1〜3.5%が好まし
い。この濃度が3.5%を越えると、膨潤液の粘度が上
昇し、混合が不十分になったり、溶解膨潤時間が長くか
かったりする他、気泡を巻き込み、抱が抜けずに製品品
質を損なう場合がある。また、濃度が0.1%未満であ
ると、必要な塩類の絶対量も多くなり、製品品質を損な
う場合がある。また、アニオン界面活性剤及び/又は両
性界面活性剤の濃度は、カチオン変性高分子の種類や製
品組成などによって異なるが、組成物全量に対して、5
〜40%が好ましい。
【0015】本発明において、上記カチオン変性高分子
を溶解膨潤させる際の温度は、特に限定はないが、濃度
を低くでき、増粘や溶解膨潤時間が延びる懸念もないこ
とから、通常、特に加温せず、原料の持ちこみ温度15
〜40℃程度で行うことが、生産効率及び省エネルギー
の観点から有利である。
【0016】また、本発明では、上記カチオン変性高分
子はアニオン界面活性剤、両性界面活性剤や塩類などを
含む組成物に直接溶解膨潤せず、事前に分散又は半膨潤
させてから、上記組成物に溶解膨潤することもできる。
この方法の利点は、直接溶解膨潤する方法が製品配合槽
で行われることを想定すると、カチオン変性高分子を添
加した際、製品配合槽の槽壁に粉体が付着し、水分や水
蒸気により徐々に膨潤してダマ化し、製品中に混入する
懸念があるのに対して、製品配合槽とは別の撹拌槽で粉
体の投入作業を行うことから、直接製品に混入する懸念
がないことである。更に、上記方法の場合は、製品配合
槽とは別に撹拌槽が必要となるが、一般的に行われてい
る膨潤させてから添加する方法が濃度が2〜3.5%と
低濃度であるのに対し、分散又は半膨潤で添加する本発
明では、10〜30%と高濃度化が可能であることか
ら、撹拌槽の容量は小規模ですむこととなる。更にま
た、半膨潤化して添加すれば、上記組成物に溶解膨潤す
る際の時間も短縮できることとなる。
【0017】このカチオン変性高分子を分散又は半膨潤
させる分散媒としては、カチオン変性高分子が不溶又は
難溶であって、且つ、水溶性の物質が好適であり、例え
ば、プロピレングリコール、へキレングリコールなどの
多価アルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油など
のノニオン系界面活性剤、これらの水溶液が挙げられ
る。
【0018】上記カチオン変性高分子の分散濃度は、使
用する分散媒の種類によって異なるが、通常、前記した
ように10〜30%、より好ましくは15〜25%が適
当である。濃度を30%を越えて上げ過ぎると、粘度が
上昇して、特殊な撹拌装置が必要になったり、ハンドリ
ングが困難になる場合がある。また、濃度を10%未満
より低くすると、分散槽の容量が大きくなるだけであ
り、本発明が目的とした課題の解決にはならないことと
なる。
【0019】更に、上記カチオン変性高分子を半膨潤化
させる場合の精製水添加量は、使用するカチオン変性高
分子及び分散媒の種類によって異なるが、通常、分散媒
に対して3〜50%が適当である。添加量が50%を越
えて多過ぎると、膨潤し過ぎて粘度が上昇し、特殊な撹
拌装置が必要になったり、ハンドリングが困難になる場
合がある。また、添加量が3%未満より少ないと、膨潤
が進まず、他の成分と混合した際の溶解膨潤時間短縮の
効果が小さくなる。なお、精製水は、事前に分散媒に添
加しても、分散後に添加してもかまわないものである。
【0020】また、上記カチオン変性高分子を分散又は
半膨潤化させる際の温度は、省エネルギーの観点から、
常温(25℃)が好ましいが、分散媒が常温で粘桐液と
なる場合には、最小限の加温を行った方がよい。この分
散媒自体が粘桐であると、カチオン変性高分子を添加し
た際に分散が不良となり、ダマがあるためである。
【0021】次に、本発明の具体的な実施の形態を図1
及び図2を参照しながら更に詳述する。図1は、本発明
の実施形態の一例を示す製品配合装置の模式図である。
図示符号1は、製品配合槽、2はその撹拌装置を示す。
本実施形態では、まず、製品配合槽1に、アニオン界面
活性剤及び/又は両性界面活性剤や精製水、所定量の塩
類、各種添加剤などを仕込み、均一に混合する。この
時、使用するカチオン変性高分子のふるい上粒子重量が
1%未満となる粒径が0.7mm超〜2.0mmの場合
には、塩類の濃度が1.3%以上となるように、各成分
の量を調整する。また、使用するカチオン変性高分子の
ふるい上粒子重量が1%未満となる粒径が0.7mm以
下の場合、特に、0.3〜0.7mm以下の場合には、
その粒径及び分子量に応じて、前記計算式(I)により
求めた数値以上になるように、各成分の量を調整する。
その後、カチオン変性高分子を添加し、溶解膨潤する。
【0022】図2は、事前にカチオン変性高分子を分散
又は半膨潤してから添加する方式の一例を示す製造フロ
ー工程図である。図示符号3はカチオン変性高分子の分
散槽、4はその撹拌装置、5は製品配合槽、6はその摸
拝装置を示す。この実施形態では、カチオン変性高分子
は、分散媒を仕込んだ分散槽3に撹拌しながら添加し、
分散する。半膨潤化する場合は、事前又は事後に適量の
精製水を加える。一方、アニオン界面活性剤及び/又は
両性界面活性剤や精製水、所定量の塩類、各種添加剤な
どは、製品配合槽5に仕込み、均一に混合する。この
時、塩類濃度を前記のように調整しておく。その後、撹
拌しながら上記カチオン変性高分子の分散液又は半膨潤
液を添加し、溶解膨潤する。
【0023】このように構成される本発明のカチオン変
性された水溶性高分子の配合方法は、シャンプーなどの
液体製品の製造に好ましく適用される。本発明の配合方
法は、カチオン変性高分子のふるい上粒子重量が1%未
満となる粒径が0.7mm超〜2.0mmの場合には、
カチオン変性高分子溶解膨潤させる組成物中に、1.3
%以上の塩類を含ませることにより、その組成物中にア
ニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤が含まれて
いても、短時間で溶解膨潤するものである。また、上記
カチオン変性高分子のふるい上粒子重量が1%未満とな
る粒径が0.7mm以下の場合、特に、0.3〜0.7
mmの場合には、その粒径及び分子量に応じて、更に上
記式(I)より求められるSmin(質量%)値以上の濃
度の塩類を含ませるだけで直接溶解膨潤するものであ
る。更に、多価アルコールなどの水溶性溶媒やその水溶
液に、予め高濃度で分散又は半膨潤化させた後、他の成
分に混合し、溶解膨潤することにより、小規模な撹拌槽
の付加のみで、更に短時間で溶解膨潤し、未膨潤ダマの
ない品質のよい製品を得ることができるものである。
【0024】従って、本発明では、カチオン変性高分子
を溶解膨潤させる組成物の制約がなくなり、製品配合量
の任意量を使用することができることから、製品配合槽
で直接溶解膨潤することが可能となり、大容量の撹拌槽
を別に付加する必要がなくなる他、溶解膨潤する際の多
量の精製水加温も不要となって、エネルギーの節減もで
きる。更に、上記カチオン変性高分子を多価アルコール
などの水溶性溶媒やその水溶液に、予め高濃度で分散又
は半膨潤化してから、他の成分と混合し、溶解膨潤する
方法をとれば、小規模な撹拌槽を付加するだけで、製品
配合槽の槽壁に粉体が付着してゲル状ダマとなり製品に
混入するという懸念も解消でき、また、溶解膨潤時間も
更に短縮できることとなる。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び比較例に基づいて本発明を
更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるもの
ではない。なお、以下の例において、「部」は質量部を
意味する。
【0026】〔実施例1〜8、比較例1〜5:シャンプ
ーAの製造〕何れの実施例及び比較例でも、カチオン変
性高分子として、ヒドロキシエチルセルロースのトリメ
チルアルキルアンモニウムクロライド型のカチオン変性
高分子(平均分子量100万,窒素分1.8%)を用い
た。それぞれの実施例及び比較例で用いたカチオン変性
高分子のふるい上粒子重量が1%未満となる粒径を下記
表1に示す。
【0027】何れの実施例及び比較例でも、図1に示す
形状のパドル翼を備えた撹拌槽(以下、「製品配合槽」
と呼称する)を用い、まず、ポリオキシエチレンラウリ
ル硫酸ソーダ(27.5%水溶液)509部を仕込み、
次いで、精製水を、実施例1〜3,7,8では138
部、実施例4〜6及び比較例3〜5では273部、比較
例1,2では197部添加した。また、実施例1〜6及
び比較例1〜5では、ヘキシレングリコール(HG)を
18部添加した。その後、安息香酸ソーダ(33%水溶
液)を、実施例1〜3,7,8及び比較例1〜2では2
7部、実施例4で古阜19部、実施例5では8部、実施
例6では3部、比較例3では716部、比較例4では6
部添加し、均一に混合した。この時の実施例及び比較例
それぞれの混合液中の安息香酸ソーダ濃度を下記表1に
示す。また、混合液の温度は何れも35℃であった。
【0028】また、実施例7では、上記カチオン変性高
分子3部を、予めへキシレングリコール18部に分散し
た。実施例8では、上記カチオン変性高分子3部を、予
めへキシレングリコール18部及び精製水9部の混合液
に半膨潤化させた。
【0029】前記製品配合槽の混合液中に、実施例1〜
6及び比較例1〜5では上記カチオン変性高分子3部を
直接添加し、また、実施例7,8では分散液又は半膨潤
液あるいは膨潤液をそれぞれ添加し、混合溶解又は膨潤
させた。この時の膨潤時間を下記表1に示す。なお、比
較例1〜5においては、膨潤に長時間(60分以上)要
し、未膨潤ダマが多数残ったため、以降の配合を中断し
た。次いで、膨潤後、精製水を、実施例1〜3,7では
135部、実施例8では126部添加し、次いで、安息
香酸ソーダ(33%水溶液)を、実施例4では8部、実
施例5では19部、実施例6では24部添加した。更
に、実施例1〜8では、ラウリン酸アミドプロピルベタ
イン(30%水溶液)100部、ヤシ脂肪酸ジエタノー
ルアミド60部、クエン酸水溶液(40%)6部、調合
香料4部を添加し、均一混合液として製品とした。
【0030】評価として、目視によりゲル状ダマが観察
されなくなった時間(膨潤時間)を測定した。また、製
品中の未膨潤ダマの有無は、製品を撹拌槽から排出する
際、100メッシュストレーナーを介して行い、ストレ
ーナーに捕捉された未膨潤ダマの有無によって評価し
た。更に、消費エネルギーは、膨潤液を事前に調製した
際の加温操作時の熱量で評価した。これらの結果を下記
表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】〔実施例9〜13及び比較例6〜9:シャ
ンプーBの製造〕実施例9〜12及び比較例6〜9で
は、カチオン変性高分子として、ヒドロキシエチルセル
ロースのトリメチルアルキルアンモニウムクロライド型
のカチオン変性高分子(平均分子量15万,窒素分1.
8%)を用いた。実施例13では、平均分子量50万,
窒素分1.8%の同型カチオン変性高分子を用いた。そ
れぞれの実施例及び比較例で用いたカチオン変性高分子
のふるい上粒子重量が1%未満となる粒径を下記表2に
示す。
【0033】何れの実施例及び比較例でも、図1に示す
形状のパドル巽を備えた撹拌槽(以下、製品配合槽と呼
称する)を用い、まず、ポリオキシエチレンラウリル硫
酸ソーダ(27.5%水溶液)564部を仕込み、次い
で、精製水を、実施例9〜13及び比較例6〜9では2
32部添加した。又、亡硝(25%水溶液)を、実施例
9及び13では44部、実施例10では25部、実施例
11では12部、実施例12では4部、比較例6では4
0部、比較例7では21部、比較例8では8部添加し、
撹拌混合して均一な混合液にすると共に、35℃から5
0℃に加温した。
【0034】また、実施例9〜13及び比較例6〜9で
は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油15部及び精製
水、2部の混合液を30℃から40℃に加温し、上記カ
チオン変性高分子5部を添加して、予め半膨潤化させ
た。
【0035】前記製品配合槽の混合液中に、上記カチオ
ン変性高分子の半膨潤液又は膨潤液をそれぞれ添加し、
混合溶解又は膨潤させた。この時の膨潤時間を下記表2
に示す。なお、比較例6〜9においては、膨潤に長時間
要し、未膨潤ダマが多数残ったため、以降の配合を中断
した。
【0036】次に、膨潤後、亡硝(25%水溶液)を、
実施例9及び13では28部、実施例10では47部、
実施例11では60部、実施例12では68部添加し、
次いで、何れについても、安息香酸ソーダ27部、ラウ
リン酸アミドプロピルベタイン(30%水溶液)50
部、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド23部、クエン酸水
溶液(40%)5部、調合香料5部を添加し、均一混合
液として製品とした。これらの実施例及び比較例につい
て、上記評価方法と同様に膨潤時間、未膨潤ダマの有
無、消費エネルギーによって評価した。これらの結果を
下記表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】上記表1及び表2の結果から明らかなよう
に、本発明の範囲となる実施例1〜13のカチオン変性
高分子配合方法は、カチオン変性高分子を溶解膨潤させ
る組成物中に、所定量の塩類を含ませることにより、そ
の組成物中にアニオン界面活性剤及び/又は両性界面活
性剤を含んでいても直接溶解膨潤でき、大容量の撹拌槽
を別に付加する必要がなくなる他、溶解膨潤する際の多
量の精製水加温も不要となって、エネルギーの節減もで
きる。また、上記カチオン変性高分子を多価アルコール
などの水溶性溶媒やその水溶液に、予め高濃度で分散又
は半膨潤化してから、他の成分と混合し、溶解膨潤する
方法をとれば、小規模な撹拌槽を付加するだけで、製品
配合槽の槽壁に粉体が付着してゲル状ダマとなり製品に
混入するという懸念も解消でき、しかも、溶解膨潤時間
も更に短縮できることが判った。これに対して、本発明
の範囲となる比較例1〜9のカチオン変性高分子配合方
法では、カチオン変性高分子を添加した際に分散が不良
となり、60分以上膨潤させてもダマが生じるなどの問
題があることが判る。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、カチオン変成された水
溶性高分子を、アニオン界面活性剤及び/又は両性界面
活性剤を含んだ組成物にも直接溶解膨潤でき、これによ
り、カチオン変性高分子を溶解膨潤させる組成物の制約
がなくなり、製品配合量の任意量を使用することができ
ることから、製品配合槽で直接溶解膨潤することが可能
となり、大容量の撹拌槽を別に付加する必要がなくなる
他、溶解膨潤する際の多量の精製水加温も不要となっ
て、エネルギーの節減もできるカチオン変性商分子の配
合方法が提供される。また、カチオン変性高分子を多価
アルコールなどの水溶性溶媒やその水溶液に、予め高濃
度で分散又は半膨潤化してから、他の成分と混合し、溶
解膨潤する方法をとれば、小規模な撹拌槽を付加するだ
けで、製品配合槽の槽壁に粉体が付着してゲル状ダマと
なり製品に混入するという懸念も解消でき、品質のよい
シャンプーなどを製造することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す製造フロー工程
図である。
【図2】本発明の実施形態で使用される混合装置の一例
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 分散槽 2 撹拌装置 3 配合槽 4 撹拌装置 5 撹拌装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AC111 AC112 AC302 AC312 AC642 AC712 AC782 AD132 BB05 BB07 BB36 BB60 CC38 FF05 4H003 AB31 AC13 AD04 CA15 EB04 EB07 EB08 EB42 ED02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン変性された水溶性高分子を、ア
    ニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含む組成
    物に溶解膨潤する際、上記カチオン変性高分子のふるい
    上粒子重量が1%未満となる粒径が0.7mm超〜2.
    0mm以下の場合においては、1.3質量%以上の塩類
    を、又、上記粒径が0.7mm以下の場合においては、
    その粒径P(mm)及び平均分子量Mに応じて、下記式
    (I)で得られる数値Smin(質量%)以上の塩類を、
    上記組成物中に予め含ませることを特徴とするカチオン
    変性高分子の配合方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 上記カチオン変性高分子を多価アルコー
    ルなどの水溶性溶媒やその水溶液に、予め分散又は半膨
    潤化させた後、前記組成物中に、請求項1に記載の塩類
    を予め含ませて溶解膨潤する、カチオン変性高分子の配
    合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012158674A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Lion Corp 界面活性剤組成物の製造方法

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JP2012158674A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Lion Corp 界面活性剤組成物の製造方法

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