JP2003094540A - 多層可撓性管 - Google Patents

多層可撓性管

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JP2003094540A
JP2003094540A JP2001293878A JP2001293878A JP2003094540A JP 2003094540 A JP2003094540 A JP 2003094540A JP 2001293878 A JP2001293878 A JP 2001293878A JP 2001293878 A JP2001293878 A JP 2001293878A JP 2003094540 A JP2003094540 A JP 2003094540A
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Japan
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nylon
layer
plasticizer
fuel
flexible tube
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JP2001293878A
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English (en)
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Kazuaki Funada
和昭 船田
Masaru Tateyama
勝 館山
Masaki Kunitomi
正樹 國富
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性に極めて優れると共に、燃料を汚染す
る可能性が少なく、かつ成形性および経済性に優れた自
動車用の多層可撓性管を提供するを提供する。 【解決手段】 車両の下方に装着されて、内燃機関用燃
料の注入口から燃料用タンクへ燃料を配送するために使
用される多層可撓性管であって、複数のポリアミド系樹
脂層から構成され、少なくとも最外層が可塑剤を含有す
るポリアミド系樹脂からなり、最内層が可塑剤を含有し
ないポリアミド系樹脂からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の下方に装着
されて、内燃機関用燃料の注入口から燃料用タンクへ燃
料を配送するために使用される多層可撓性管に関し、さ
らに詳しくは、柔軟性に極めて優れると共に、燃料を汚
染する可能性の少ない多層可撓性管に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の内燃機関用燃料の注入
口から燃料タンクへ燃料を配送するための導管として
は、加工が容易でかつ燃料透過がない金属管と、極めて
柔軟で金属管と燃料タンクを接合する作業性に優れたゴ
ムホースとの組合わせから構成したものが使用されてい
る。
【0003】しかしながら、金属管とゴムホースとの組
合わせから構成される導管は、上記の利点を有する反
面、製品重量が重く、ゴムホース部からの燃料透過量が
多いばかりか、金属管が錆びる懸念があるという欠点を
有しているため、自動車メーカーからは、燃費向上のた
めの軽量化、環境対策のための燃料バリア性アップが求
められているのが実情である。
【0004】一方、可撓性管は、集合配線カバーや排水
ホースなどの複数の屈曲部を有する形状が要求される分
野に利用されており、自動車用途においては、エアーダ
クトなどに使用されている。
【0005】そして、熱可塑性樹脂の可撓性管は、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂および飽和ポリエ
ステル系樹脂などを使用したブロー成形や押出成形によ
って製造する技術が普及している。
【0006】自動車用途においては、ポリアミド系樹脂
を用いた可撓性管が広く使用されており、特にポリアミ
ド樹脂の中でもナイロン11やナイロン12などの柔軟
ポリアミド樹脂が広く用いられているが、口径の大きな
可撓性管や振動吸収性を必要とする部位に使用される可
撓性管は、特に高度な柔軟性を要求されることから、ナ
イロン11やナイロン12などの可塑化グレードが使用
されている。
【0007】しかし、比較的多量に可塑剤を添加したナ
イロン11やナイロン12を使用した可撓性管を燃料タ
ンクと燃料注入口を繋ぐホースとして使用すると、燃料
に可塑剤が抽出し、抽出された可塑剤が燃料タンクと可
撓性管との間のフィルターなどを塞ぐという不具合が招
かれるため、この不具合に起因して燃料の流動性に影響
を生じる懸念が指摘され、その改良がしきりに望まれて
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0009】したがって、本発明の目的は、柔軟性に極
めて優れると共に、燃料を汚染する可能性が少なく、か
つ成形性および経済性に優れた自動車用の多層可撓性管
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の多層可撓性管は、車両の下方に装着され
て、内燃機関用燃料の注入口から燃料用タンクへ燃料を
配送するために使用される多層可撓性管であって、複数
のポリアミド系樹脂層から構成され、少なくとも最外層
が可塑剤を含有するポリアミド系樹脂からなり、最内層
が可塑剤を含有しないポリアミド系樹脂からなることを
特徴とする。
【0011】なお、本発明の多層可撓性管においては、
前記最外層を構成するポリアミド系樹脂がナイロン11
および/またはナイロン12からなり、かつ可塑剤を1
〜40重量%含有すること、前記最内層を構成するポリ
アミド系樹脂がナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
1およびナイロン12から選ばれた少なくとも1種から
なること、2層のポリアミド系樹脂層から構成され、最
外層が可塑剤を1〜40重量%含有するナイロン11お
よび/またはナイロン12からなり、最内層が可塑剤を
含有しないナイロン11および/またはナイロン12か
らなること、および3層のポリアミド系樹脂層から構成
され、最外層が可塑剤を1〜40重量%含有するナイロ
ン11および/またはナイロン12からなり、最内層が
可塑剤を含有しないナイロン11および/またはナイロ
ン12からなり、中間層がナイロン6および/またはナ
イロン66からなることが、いずれも好ましい条件であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層可撓性管につ
いて具体的に説明する。
【0013】本発明で内外層に用いるポリアミド系樹脂
とは、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメ
チレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレ
ンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメリレンセ
バカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメリレンドデ
カミド(ナイロン612)、ポリドデカンアミド(ナイ
ロン12)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、
ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6
T)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)お
よびこれらの混合物ないし共重合体などである。
【0014】これらポリアミド系樹脂の重合度には特に
制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相
対粘度が、1.5〜7.0の範囲、特に2.0〜6.5
の範囲のもの、あるいは、メタクレゾール中(ポリマー
濃度0.5重量%)、25℃で測定した相対粘度が1.
0〜7.0の範囲、特に1.5〜5.0の範囲のポリア
ミド系樹脂が例示できる。
【0015】また、これらポリアミド系樹脂には、柔軟
性および耐衝撃性の向上のために、ポリオレフィン系エ
ラストマー、ポリエステル系エラストマーおよびポリア
ミド系エラストマーから選ばれた1あるいは2種以上
を、ポリアミド系樹脂の特性を損なわない範囲でブレン
トしてもよい。
【0016】これらのポリアミド系樹脂の中で、最外層
に用いられるポリアミド系樹脂としては、耐熱性、成形
性および経済性の面から、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン11、ナイロン12およびこれらの共重合体が
好ましく、さらに柔軟性および耐塩化カルシウム性の面
から、ナイロン11および/またはナイロン12が一層
好ましい。
【0017】また、本発明で最外層のポリアミド系樹脂
が含有する可塑剤は、柔軟性の向上を目的として添加さ
れるものであり、ポリアミド用の可塑剤であればいずれ
でも使用可能である。
【0018】本発明で使用可能な可塑剤の具体例として
は、たとえばへキシレングリコール、グリセリン、P−
オキシ安息香酸オクチル、P−オキシ安息香酸2−エチ
レヘキシル、P−オキシ安息香酸へプチル、N―メチル
ベンゼンスルホンアミド、N―ブチルベンゼンスルホン
アミド、ter−ブチルベンゼンスルホンアミド、P−
トルエンスルホンアミド、N−エチル−P−トルエンス
ルホンアミド、N−シクロヘキシル−P−トルエンスル
ホンアミド、β−アフトール、ジベンジルフェノールオ
クチルクレゾール、P−ヒドロキシ安息香酸脂肪族アル
コールエステルおよびこれらの混合物が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0019】本発明で用いる可塑剤の含有量には特に制
限はないが、最外層を構成するポリアミド系樹脂に対
し、1〜40重量%、特に3〜35重量%の範囲である
ことが好ましい。可塑剤の含有量が上記の範囲を越える
と、成形品表面への可塑剤のブリードアウトが著しくな
り、また上記の範囲未満では、柔軟性の発現効果が不十
分となる。
【0020】最外層以外の層にに用いるポリアミド系樹
脂は、上記の可塑剤を含有しないポリアミド系樹脂であ
ればいずれでもよいが、機械的特性、耐熱性および加工
性の面から、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11
およびナイロン12から選ばれた少なくとも1種である
ことが好ましく、さらに燃料バリア性と経済性の面から
は、ナイロン6および/またはナイロン66であること
がより好ましい。
【0021】本発明の多層可撓性管における可塑剤を含
有するポリアミド系樹脂と可塑剤を含有しないポリアミ
ド樹脂の層構成は、用途によって種々要求特性が異なる
ため選択が自由であり、例えば3層の場合には中間層と
していずれかのポリアミド系樹脂を選ぶことができる
が、積層の数によっては2層以上であり、当然4層以上
であってもよい。
【0022】なお、本発明の多層可撓性管における好ま
しい層構成としては、最外層が可塑剤を1〜40重量%
含有するナイロン11および/またはナイロン12から
なり、最内層が可塑剤を含有しないナイロン11および
/またはナイロン12からなる2層構成、および最外層
が可塑剤を1〜40重量%含有するナイロン11および
/またはナイロン12からなり、最内層が可塑剤を含有
しないナイロン11および/またはナイロン12からな
り、中間層がナイロン6および/またはナイロン66か
らなる3層構成が挙げられる。
【0023】本発明の多層可撓性管においては、可塑剤
を含有するポリアミド系樹脂からなる層、および可塑剤
を含有しないポリアミド系樹脂からなる層に、必要に応
じて充填材を、各層のポリアミド系樹脂100重量部に
対して100重量部を越えない範囲で配合することが可
能である。通常は、ポリアミド系樹脂100重量部に対
して1〜90重量部の範囲で充填材を配合することによ
り、強度、剛性、耐熱性および寸法安定性などの向上を
図ることが可能である。
【0024】かかる充填材としては、ガラス繊維、アル
ミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト
繊維、石コウ繊維、金属繊維および炭素繊維などの繊維
状充填材、ワラステナイト、ゼオライト、セリサナイ
ト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフェライト、ベ
ントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケート
などの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウ
ム、酸化ジリコニウム、酸化チタンなどの金属化合物、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの
炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、
ガラスビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素およびシリカなど
の非繊維状充填材などが挙げられ、これらは中空であっ
てもよい。これらの充填材は2種以上を併用することも
可能であり、必要によりシラン系およびチタン系などの
カップリング剤で予備処理して使用することができる。
【0025】また、本発明で用いるポリアミド系樹脂に
は、本発明の効果を損なわない範囲で、結晶核剤、離型
剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色
剤および難燃剤などの通常の添加剤および少量の他種ポ
リマを添加することができる。
【0026】本発明で用いるポリアミド系樹脂に対し
て、繊維状および/または非繊維状充填材を混合する方
法は特に限定されるものではない。たとえば、あらかじ
め適当な混合機でポリアミド系樹脂と充填剤とを混合
し、押出機に供給して溶融混練しペレット化した後に、
これを成形機に直接供給する方法および混合機でポリア
ミド系樹脂と充填剤とをドライブレンドしたものを成形
機に直接供給する方法などが挙げられるが、必ずしもこ
れに限らない。
【0027】かかる多段混練を行う場合には、熱可塑性
樹脂以外の配合物については、その混練順序には特に制
限はない。また、上記多段混練法として、1段目の配合
物を主ホッパーから供給し、2段目の配合物をサイドフ
ィーダーから供給する方法も挙げられる。さらに、少量
添加剤成分を用いる場合には、他の成分を上記の方法な
どで混練し、ペレット化した後、成形加工前に添加して
成形に供することももちろん可能である。
【0028】次に、本発明の多層可撓性管の製造方法に
ついて説明する。通常の共押出法、例えば2層管状体の
場合には、2台の押出機へ、上記可塑剤を含有するポリ
アミド系樹脂と可塑剤を含有しないポリアミド系樹脂と
を別々に供給し、これら2種の溶融樹脂の別々に押出さ
れた流れを共通のダイ内に圧力供給して、各々環状の流
れになした後、ダイ内で合流させることにより、可塑剤
を含有しないポリアミド系樹脂を内層に、可塑剤を含有
するポリアミド系樹脂を外層に形成させ、ついでダイ外
へ共押出して、通常公知のチューブコルゲート成形法、
ブロー成形法などで2層管状体を得る。
【0029】また、3層の管状体の場合には、3台の押
出機を用いて上記の方法と同様にして3層にするか、ま
たは2台の押出機を用いて2種3層の管状体を得ること
も可能である。更に複数の押出機を用い3層以上の多層
管状体を得ることも可能である。
【0030】ここで、本発明の多層可撓性管の製造方法
の1例について、図面に基づき詳述する。
【0031】図1(A)は、本発明の多層可撓性管をブ
ロー成形法により製造する方法の1例を示す説明図、図
1(B)はこの方法により得られた多層可撓性管の1例
を示す側面図である。
【0032】図1(A)に示したように、まず、一方の
押出機1に上記のようにして得られた可塑剤を含有しな
いポリアミド系樹脂1aを、他方の押出機2に可塑剤を
含有するポリアミド樹脂2aを供給する。各々の押出機
1,2にて溶融混練された可塑剤を含有しないポリアミ
ド系樹脂1aと可塑剤を含有するポリアミド系樹脂2a
とは、次いで共押出しダイ3に圧入供給され、共押出ダ
イ3内の接合部4にて1aが内層、2aが外層を構成す
るように、多層状に溶着接合されて、その先端のダイフ
ェイス5から多層パリソン6として共押出しされる。
【0033】次に、こうして押出された多層状パリソン
6を分割形式の金型7にて狭持し、パリソン6内にノズ
ル8より圧縮流体を吹き込み、パリソン6を吹膨して金
型のキャビティ9に対応した形状に成形する。
【0034】その後、成形品を冷却した後、金型7を解
放して余剰のバリを除去することにより、目的とする多
層可撓性管10(図1(B)参照)が得られる。
【0035】上記した成形方法によれば、比較的変形可
能でかつ屈曲可能部分を有する例えばジャバラ状環状体
などを容易に製造することができる。
【0036】なお、三層以上の多層構成からなる多層可
撓性管10を製造する場合には、押出機を適宜に増設し
てそれぞれの押出機を共押出ダイ3に接続した多層状パ
リソンを押出すことにより得られる。
【0037】上記した多層可撓性管の製造方法は、1例
を示すものに過ぎずこれに限定されるものではない。
【0038】以上説明したように、本発明の多層可撓性
管は、柔軟性に極めて優れると共に、燃料を汚染する可
能性が少なく、かつ成形性および経済性に優れているこ
とから、内燃機関用燃料の注入口から燃料用タンクへ燃
料を配送するためのホースとして使用した場合に最良の
効果を発現する。
【0039】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
する。
【0040】以下に述べる実施例および比較例に記され
た成形方法は以下に説明したとおりであり、燃料抽出量
(多層可撓性管の可塑剤抽出性)、屈曲撓み(柔軟
性)、層間接着性、成形性、燃料バリア性および耐塩化
カルシウム性は、以下の方法により測定した。 [成形方法]まず、可塑剤含有ポリアミド系樹脂および
無可塑ポリアミド系樹脂を、各々押出機で溶融混練し、
共押出ダイに圧入供給し、共押出ダイ内の接合部にて内
層に無可塑ポリアミド系樹脂を、外層に可塑剤含有ポリ
アミド系樹脂を多層状に溶着接合し、その先端のダイフ
ェイスから多層パリソンもしくは多層管状体として共押
出する。
【0041】これをブロー成形機の場合は多層状パリソ
ンを分割形式の金型にて狭持し、パリソン内にノズルよ
り圧縮流体を吹き込み、パリソンを吹膨して多層可撓性
管を成形した。 [燃料抽出量]まず、多層可撓性管の重量を測定し、そ
の後多層可撓性管(ジャバラ管状容器)にJIS K6
258記載の試験燃料油cとエタノールとを90対10
で混合したアルコールガソリンを150g入れ、他の端
部を密栓した後、40℃のオーブンにて100時間熱処
理を行った。
【0042】その後、ジャバラ管状容器を開封して取り
出したアルコールガソリンを、蒸発乾固してた得られた
固形分の重量を溶媒量で割った値を抽出量とした。 [屈曲撓み]多層可撓性管の端部を固定し、他端に1k
gfの荷重をかけ、多層可撓性管の下垂たわみ量を測定
した。 [層間接着性]多層可撓性管を短冊状にカットし、短冊
の端部の可塑剤含有ポリアミド系樹脂と無可塑ポリアミ
ド系樹脂とを剥離させ、各層を引張試験機のチャックに
挟み、下記条件下で180℃剥離強度(Kgf/cm)
を測定した。
【0043】イ.引張剥離速度:10mm/min ロ.テストピースサイズ:幅 10mm、長さ:100
mm [成形性]上記の成形方法にて、ブロー成形を行い、多
層可撓性管において孔、破れ、ゆがみ、変形などの形状
異常がないかを観察し、特に形状的に賦形の難しいジャ
バラ部分にて、ジャバラの山、谷が埋まるもしくは破れ
ること無く賦形できているかを確認し、良好な順に「○
(成形異常なし)」、「△(一部変形など有り)」、
「×成形できず」と等級付けした。 [燃料バリア性]まず、多層可撓性管の重量を測定し、
その後多層可撓性管にJIS K6258記載の試験燃
料油cとエタノールを90対10で混合したアルコール
ガソリンを入れ、他の端部を密栓した。これを試験サン
プルとする。その後、全体の重量を測定し、試験サンプ
ルを40℃のオーブンにいれ、重量変化によるアルコー
ルガソリン透過性を評価した。 [耐塩化カルシウム性]可撓性管を90℃×95%RH
×24hrの条件で処理した後、飽和塩カル水溶液を表
面に塗布して1hr放置した。その後100℃×3hr
乾燥して表面のクラックを観察した。
【0044】クラックが発生しない場合は、更に90℃
×95%RH×20hr吸水→飽和塩カル水溶液塗布×
1hr→後100℃×3hr乾燥のサイクルを5回実施
しクラックの有無を確認した。 [比較例1]可塑剤を約7重量%添加したナイロン11
(elf atochem製BESNNOERP20T
L)を用いて、図1に示すようなブロー成形方式で50
mmφ押出機に供給し、シリンダー温度210℃にて溶
融混練して、共押出ダイを経てダイフェイスよりパリソ
ンを市販のブロー成形装置を使用してブロー成形するこ
とにより、ホース径:39mm、ジャバラ山径:46m
m、長さ:175mmの多層可撓性管を成形した。得ら
れた多層可撓性管の平均肉厚は1.0mmであった。
【0045】得られた多層可撓性管の燃料抽出量、柔軟
性、成形性、燃料バリア性および耐塩化カルシウム性を
測定した結果を表1に示す。表1の結果から、耐塩化カ
ルシウム性、柔軟性は優れているが、燃料抽出量は約
2.0%であり、ナイロン11の可塑剤含有量の30%
に値する量が抽出された。 [比較例2]可塑剤を含有しないナイロン6(東レ
(株)CM1046X04)を用いて250℃で成形し
た以外は、比較例1と同様とした。ここで得られた管は
燃料バリア性に優れるものの、耐塩化カルシウム性およ
び柔軟性に劣るものであった。 [実施例1]可塑剤を約7重量%添加したナイロン11
(elf atochem製BESNNOERP20T
L)を用いて、図1に示すようなブロー成形方式で50
mmφ押出機に供給しシリンダー温度210℃にて溶融
混練して、共押出ダイ内で外層を形成した。
【0046】一方、40mmの押出機に可塑剤を含有し
ないナイロン6(東レ(株)CM1046X04)を供
給し、シリンダー温度250℃にて溶融混練し、共押出
ダイダイ内で内層を形成させた。
【0047】この2種のポリマーがダイ内で積層しでき
た層パリソンを市販のブロー成形装置を使用してブロー
成形することにより、ホース径:39mm、ジャバラ山
径:46mm、長さ:175mmの多層可撓性管を成形
した。得られた多層可撓性管の平均肉厚は外層0.9m
m、内層0.1mmであった。
【0048】得られた多層可撓性管の燃料抽出量は0.
8%であり、単層の場合(比較例1)に比較して大幅な
改良がみられた。その柔軟性、層間接着性、成形性、燃
料バリア性および耐塩化カルシウム性を測定した結果を
表1に示す。 [実施例2〜4]内外層肉厚を表1に示したように変更
した以外は、実施例1と同様として多層可撓性管を得
た。
【0049】実施例2〜4の多層可撓性管はいずれも燃
料抽出量が0.5%以下であり、単層の場合(比較例
1)の1/5以下であった。また抽出物はナイロンのモ
ノマー、オリゴマーが主成分であった。
【0050】燃料バリア性は内層のナイロン6が厚いほ
ど良好であり、実施例3ではナイロン11単層の約半分
となっている。 [実施例5]外層用ナイロンとして可塑剤含有量14%
のナイロン11(elf atochem製BESNN
OERP40TL)を使用した以外は、実施例3と同様
として多層可撓性管を得た。
【0051】得られた多層可撓性管は、外層の可塑剤含
有量を比較例1に使用した材料の2倍としたにもかかわ
らず、燃料抽出量が0.3%と少なく、内層のポリアミ
ドが可塑剤抽出を阻害するバリア層として有効に働いて
いることがわかる。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層可撓
性管は、柔軟性に極めて優れると共に、燃料を汚染する
可能性が少なく、かつ成形性および経済性に優れている
ことから、内燃機関用燃料の注入口から燃料用タンクへ
燃料を配送するためのホースとして使用した場合に最良
の効果を発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の多層可撓性管をブロー
成形法により製造する方法の1例を示す説明図であり、
図1(B)はこの方法により得られた多層可撓性管の1
例を示す側面図である。
【符号の説明】 1 押出機 2 押出機 1a 可塑剤を含有しないポリアミド系樹脂 2a 可塑剤を含有するポリアミド系樹脂 3 共押出ダイ 4 接合部 5 ダイフェイス 6 パリソン 7 金型 8 ノズル 9 キャビティ 10 多層可撓性管
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK45A AK45B AK45C AK45D AK45E AK48A AK48B AK48C AK48D AK48E BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10D BA10E CA04 DA11 EH20 EH202 GB32 JK17 JL06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の下方に装着されて、内燃機関用燃
    料の注入口から燃料用タンクへ燃料を配送するために使
    用される多層可撓性管であって、複数のポリアミド系樹
    脂層から構成され、少なくとも最外層が可塑剤を含有す
    るポリアミド系樹脂からなり、最内層が可塑剤を含有し
    ないポリアミド系樹脂からなることを特徴とする多層可
    撓性管。
  2. 【請求項2】 前記最外層を構成するポリアミド系樹脂
    が、ナイロン11および/またはナイロン12からな
    り、かつ可塑剤を1〜40重量%含有することを特徴と
    する請求項1に記載の多層可撓性管。
  3. 【請求項3】 前記最内層を構成するポリアミド系樹脂
    が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11およびナ
    イロン12から選ばれた少なくとも1種からなることを
    特徴とする請求項1または2に記載の多層可撓性管。
  4. 【請求項4】 2層のポリアミド系樹脂層から構成さ
    れ、最外層が可塑剤を1〜40重量%含有するナイロン
    11および/またはナイロン12からなり、最内層が可
    塑剤を含有しないナイロン11および/またはナイロン
    12からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の多層可撓性管。
  5. 【請求項5】 3層のポリアミド系樹脂層から構成さ
    れ、最外層が可塑剤を1〜40重量%含有するナイロン
    11および/またはナイロン12からなり、最内層が可
    塑剤を含有しないナイロン11および/またはナイロン
    12からなり、中間層がナイロン6および/またはナイ
    ロン66からなることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の多層可撓性管。
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