JP2003093844A - 物質分離用膜モジュールおよび物質分離装置 - Google Patents

物質分離用膜モジュールおよび物質分離装置

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JP2003093844A
JP2003093844A JP2001297255A JP2001297255A JP2003093844A JP 2003093844 A JP2003093844 A JP 2003093844A JP 2001297255 A JP2001297255 A JP 2001297255A JP 2001297255 A JP2001297255 A JP 2001297255A JP 2003093844 A JP2003093844 A JP 2003093844A
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tubular separation
tubular
membrane
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mixed fluid
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JP2001297255A
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Yasuo Matsuo
保夫 松尾
Yoshio Morigami
好雄 森上
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管状分離膜の密度を高め、混合流体からの目
的物質の分離効率を向上させた物質分離膜モジュールを
提供すること。 【解決手段】 物質分離用膜モジュール102は、表面
に混合流体を接触させてパーベーパレーション法または
ベーパーパーミエーション法により物質の分離を行う管
状分離膜31と、混合流体を通過させる流路11を規定
する枠体21と、を備えており、複数の管状分離膜31
を、同一平面内に並べて配列するとともに、配列された
管状分離膜31が流路11内に所定間隔で層をなすよう
に、かつ隣接する層における管状分離膜の軸方向をずら
して配備されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は物質分離用膜モジュ
ールに関し、より詳しくは、パーベーパレーション(P
V)法、ベーパーパーミエーション(VP)法等による
液体、気体等の混合流体の分離に使用される物質分離用
膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】パーベーパレーション法やベーパーパー
ミエーション法による混合流体からの物質の分離には、
非多孔質高分子膜を利用したものとして、例えば、ポリ
ビニルアルコール膜を用いた共沸混合物の分離方法(米
国特許第2953502号)や、スチレン/アクリル酸
共重合体膜等を用いた水−ホルムアルデヒド混合液の分
離方法(米国特許第4035291号)をはじめ、セル
ロースアセテート膜とポリビニルアルコール膜を用いる
方法(特開昭59−109204号公報)、ポリエチレ
ンイミン系架橋膜を用いる方法(特開昭59−5530
5号公報)等が提案されている。
【0003】また、近年では有機質材料の他に、ゼオラ
イトなどの無機質材料を用いた分離膜が注目を集めてお
り、例えば、NaA型ゼオライト膜(特許第25018
25号公報)や多孔質支持体上にA型ゼオライト膜を析
出させたもの(特開平8−318141号公報)などが
提案されている。
【0004】ゼオライトなどの無機材料を利用したパー
ベーパレーション法やベーパーパーミエーション法によ
る物質分離は、図9(a)に示すようにセラミックなど
の多孔質支持体311表面にゼオライトなどの材料31
2を担持させた管状(チューブ状)分離膜31を用い、
図9(b)に示すように、管板35に装着した管状分離
膜31の周囲を円筒形状等のケーシング(枠体21)で
囲って分離対象となる混合流体を通過させる流路を形成
した、シェル&チューブ形式の膜モジュール(装置の一
部または一単位であって、物質分離膜を備え、物質分離
機能を担う部分を意味する。本発明で同義)100によ
って実施されている。
【0005】この形式の膜モジュール100は、管状分
離膜31の内部を図示しない真空ポンプ等により真空も
しくは減圧にした状態で、混合流体を流体入口27から
導入し、流体出口28へ向けて流通させることにより、
目的物質を管状分離膜31の表面から内部に選択的に透
過させて分離を行うものである。管状分離膜31を透過
した目的物質は、気体の状態で管の内部空間を減圧室2
5へ向けて運ばれ、回収口29から分離回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】膜モジュールにおける
物質の分離効率は、混合流体と分離膜との接触面積に大
きく依存することから、枠体21内には無駄な空間を作
らずになるべく多くの管状分離膜31を充填することが
望ましい。しかし、図9(b)のような形式の膜モジュ
ール100に複数の管状分離膜31を装着する場合、管
状分離膜31の取付部33の周囲に装脱着操作に必要な
一定の面積を確保する必要があることから、どうしても
管状分離膜31同士の間隔(ピッチ)Lが開いてしま
い(図9(c)参照)、枠体21内における管状分離膜
31の充填率が制約される。管状分離膜31は、内部を
真空に近づけるという性質上、所定の強度が要求される
上、取付部33の気密性も求められることから、限られ
た面積の管板35内に多くの管状分離膜31を取付るの
は困難であり、枠体21への充填率の向上には限界があ
った。
【0007】また、図9(b)のように全体が円筒形状
で、枠体21と管状分離膜31の軸方向を一致させて配
列する従来型の分離膜モジュール100では、混合流体
の流れが管状分離膜31の軸方向と平行な方向に形成さ
れやすいため、枠体21内における混合流体の流れが単
調になりやすく、濃度むらなどが生じて分離効率の低下
を招くおそれがある。このため、従来の膜モジュール1
00では、枠体21内に乱流を生じさせる目的で流路1
1にバッフル(ここでは図示せず)等を設けることによ
って対処していたが、装置構成が複雑になってしまうと
いう不都合があった。
【0008】さらに、従来の膜モジュールは、混合流体
の化学的な精製、分離、回収を主目的とする専用装置に
おける使用を想定したものであり、様々な化学的処理プ
ロセス中に組み込んで使用することは想定されていなか
った。
【0009】本発明の課題は、管状分離膜の充填密度が
高く、混合流体からの目的物質の分離効率に優れ、好ま
しくは各種のプロセス中に容易に組み込んで使用可能な
物質分離用膜モジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の物質分離用膜モジュールの発明
は、表面に混合流体を接触させてパーベーパレーション
法またはベーパーパーミエーション法により物質の分離
を行う管状分離膜と、前記混合流体を通過させる流路を
規定するケーシングと、を備え、複数の前記管状分離膜
を、同一平面内に平行に配列するとともに、配列された
前記管状分離膜が前記流路内に所定間隔で層をなし、か
つ隣接する層における前記管状分離膜の軸方向をずらす
ようにして配備したことを特徴とする。
【0011】この特徴によれば、パーベーパレーション
法またはベーパーパーミエーション法により物質の分離
を行う管状分離膜を同一平面内に平行に並べ、流路内に
所定間隔で層をなすように、かつ隣接する層における管
状分離膜の軸方向を(例えば90度)ずらして配備した
ので、管状分離膜同士の間隔を狭めることが可能であ
り、限られた容積のケーシング内に、より多くの管状分
離膜を配備できる。このように、管状分離膜の充填率を
向上させることによって、目的物質の分離効率に優れた
ものとなる。また、充填率を向上させるとケーシング内
の流体流速を速くすることができるため、より一層処理
効率が向上する。さらに、管状分離膜の充填率向上によ
り、膜モジュール全体を小型化することができるように
なる。
【0012】また、上記した管状分離膜の配備の仕方
は、流路内を通過する混合流体への乱流形成効果が高い
ため、ケーシング内の混合流体の濃度むら等を解消させ
ることが可能になる。よって、バッフル等を設けなくて
も効率的な分離が実現可能になり、膜モジュールの構成
も簡素化できる。
【0013】さらに、ケーシング内に管状分離膜を層状
に配備した上記物質分離用膜モジュールは、流路の方向
を例えば鉛直、水平、斜めなど自由に設定できるため、
設置場所の制約を受けにくく、既存の物質分離装置をは
じめとする様々な化学処理装置において、配管やダクト
などの混合流体経路上に組み込んで使用できる。
【0014】また、請求項2に記載の物質分離用膜モジ
ュールの発明は、表面に混合流体を接触させてパーベー
パレーション法またはベーパーパーミエーション法によ
り物質の分離を行う管状分離膜と、前記混合流体を通過
させる流路を規定するケーシングと、を備え、複数の管
状分離膜を、その軸方向が前記ケーシング内における混
合流体の流れ方向と略直交するように同一平面内に平行
に配列するとともに、配列された前記管状分離膜が前記
流路内に所定間隔で層をなすように配備したことを特徴
とする。
【0015】この特徴によれば、パーベーパレーション
法またはベーパーパーミエーション法により物質の分離
を行う管状分離膜を、その軸方向が混合流体の流れ方向
に対して略直交する向きで流路内に配備したので、管状
分離膜が混合流体の流れを遮るようになるため、流れに
乱流を生じさせてケーシング内で混合流体の濃度むら等
を解消させることが可能になる。よって、バッフル等を
設けなくても効率的な分離が実現可能であり、モジュー
ルの構成も簡素化できる。なお、本発明で「混合流体の
流れ方向」とは、ケーシングの入口から出口へとむかう
全体的かつ固定された流れの方向を意味する。従って、
混合流体の流れに乱流が生じた場合でも大局的な流れ方
向は変化しない。
【0016】さらに、ケーシング内に管状分離膜を層状
に配備したこの物質分離用膜モジュールは、流路の方向
を例えば鉛直、水平、斜めなど自由に設定できるため、
設置場所等の制約を受けにくく、既存の物質分離装置を
はじめとする様々な化学処理装置において、配管やダク
トなどの混合流体経路上に組み込んで使用できる。
【0017】また、請求項3に記載の物質分離用膜モジ
ュールの発明は、請求項2において、前記層をなすよう
に配備された管状分離膜の軸方向を、隣接する層同士ず
らして配備したことを特徴とする。この特徴によれば、
管状分離膜の軸方向を、隣接する層同士ずらして配備し
たので、混合流体に対する乱流形成効果をより高めるこ
とができるとともに、管状分離膜同士の間隔を狭めるこ
とが可能であり、限られた容積のケーシング内に、より
多くの管状分離膜を配備できる。従って、膜モジュール
による物質分離効率を大幅に増加させることができる。
【0018】また、請求項4に記載の物質分離用膜モジ
ュールの発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項
において、前記ケーシングが、四角筒状体であり、前記
管状分離膜を、前記ケーシングの側壁に装着するととも
に、対向する側壁に装着した管状分離膜同士を同一平面
内で交互に配列したことを特徴とする。この特徴によれ
ば、四角筒状体のケーシングにおいて、対向する側壁に
装着した管状分離膜同士を同一平面内で交互に配列する
ことにより、管状分離膜同士の間隔を狭くして限られた
容積のケーシング内に、よりいっそう多くの管状分離膜
を配備できることになり、上記した乱流形成効果も向上
する。
【0019】また、請求項5に記載の物質分離装置の発
明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の物
質分離用膜モジュールを備えたことを特徴とする。この
特徴によれば、物質分離装置において上記請求項1から
請求項4のいずれかに記載の物質分離用膜モジュールの
作用効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る
膜モジュール101の概略構成を示す斜視図であり、部
分的に内部構造を示している。図2は、図1の断面構造
を示す図面である。この膜モジュール101は、分離膜
としてセラミック支持体にゼオライトを担持させた管状
分離膜31[図9(a)参照]を用い、物質分離装置を
はじめとする各種の化学処理装置における混合流体経路
上に配備するのに適した膜モジュール101であり、例
えば、蒸留設備の下流位置のダクトなどにはめ込むよう
にして、水−エチルアルコール混合蒸気などの混合流体
から水分をベーパーパーミエーション法によって分離す
る場合などに好適に使用できるものである。なお、パー
ベーパレーション法にも使用可能であることは言うまで
もない。
【0021】ケーシングとしての四角筒状の枠体21
は、混合流体を通過させる流路11を画定するととも
に、複数の管状分離膜31を所定間隔で装着可能な取付
孔(図示せず)を備えており、管状分離膜31を支持固
定している。枠体21の材質は、内部を通過させる混合
流体により腐食、変質等を受け難く、所定の強度を有す
る部材であれば制限なく使用可能であり、例えばSUS
鋼板などを利用できる。
【0022】図1および図2中、仮想線で示す減圧室2
5a、25bは、取付孔を介して管状分離膜31の内部
と連通されるとともに、図示しない真空ポンプ等の減圧
手段と接続されており、管状分離膜31内を減圧状態に
してパーベーパレーションまたはベーパーパーミエーシ
ョンによる目的物質の分離を可能にしている。つまり、
混合流体流路11内を通過する混合流体が管状分離膜3
1と接触することにより、目的物質のみが選択的に管状
分離膜31を透過して管内空間に移動し、気体の状態で
減圧室25a、25bに送られる。減圧室25a、25
bは、さらに図示しない貯留手段に接続されており、目
的物質は必要に応じて液化されて回収される。
【0023】なお、図1では図示していないが、必要に
応じて流路11内に枠体21に連結した管状分離膜31
の支持部材を配備することも可能である。
【0024】本実施形態では、管状分離膜31は、枠体
21の側壁22a、22bに形成された取付孔に、取付
部材33によりねじ止めなどの機構で装着されている。
管状分離膜31は、その軸方向が混合流体の流れ方向に
対して略直交するように流路内に突出している。また、
管状分離膜31は、互いに約90度角度をずらした2方
向から交互に層をなすように配列されている。すなわ
ち、側壁22aに装着された管状分離膜31a(ここで
は5本)は、同一平面上に配列されてチューブ列を形成
しており、側壁22bに装着された5本の管状分離膜3
1bは、管状分離膜31aと略直交する方向で、別の平
面上に配列されてチューブ列を形成している。このよう
に管状分離膜31を取付けることにより、高い乱流促進
効果が得られるほか、同じ容積の枠体21により多くの
管状分離膜31を装着することが可能になる。なお、本
実施形態では管状分離膜31を二つの側壁22aおよび
22bに装着しているが、4つの側壁すべてに、チュー
ブ列の高さ位置を順次ずらして装着していくことも可能
である。
【0025】図1における管状分離膜31同士の間隔、
および層状をなすチューブ列とチューブ列との間隔は、
後述するように、管状分離膜31の充填率を上げるた
め、なるべく小さく設定することが好ましい。なお、管
状分離膜31の径や長さ、同一平面に並べる本数、流れ
方向に層状に配備するチューブ列の数、枠体21の長さ
や幅は、混合流体の種類や目的物質の濃度、膜の性能、
設置スペース等に応じて設定できる。また、図1におい
て混合流体は、枠体21内の流路11を上から下へ流し
ても、下から上へ流してもよい。
【0026】本発明における管状分離膜の取付け構造
を、図3〜図6を参照しながら説明する。図3は、本発
明における管状分離膜31の取付構造を説明するための
原理図である。図1と同様に管状分離膜31は、枠体2
1の内部に、その軸方向が矢印で示す混合流体の流れ方
向に対して略直交する向きで流路11に突出して配備さ
れている。図3から見て取れるように、ここでは各5本
のチューブが流路を横切るように同一平面に並び、混合
流体の流れ方向に所定の間隔(L)で層をなすように
チューブ列31a〜31g・・・31nを形成してい
る。なお、説明の便宜上、図3では減圧部25および取
付部33は図示を省略し、枠体21は仮想線で示してい
る。
【0027】図3の膜モジュール103において、管状
分離膜31は、その軸方向が混合流体の流れを遮るよう
に流路に突出して配備されている。このように管状分離
膜31が混合流体の流れの障害になるように配置するこ
とで、別途バッフルなどを設けなくとも枠体21内での
乱流形成が可能になる。乱流は、攪拌と類似の作用で枠
体21内における混合流体の濃度むらを減少させるた
め、目的物質の分離効率を高める。
【0028】また、図3では、任意のチューブ列32
は、その上下のチューブ列32に対して管状分離膜31
の軸方向をずらしている(例えば、図3では、チューブ
列32bは、上下のチューブ列32a、32cと約90
度軸角度を変えて配置されている)。このような配置に
よって、層状をなすチューブ列32同士の間隔Lを狭
めることが可能であり、同じ容積の枠体21により多く
の管状分離膜31を装着することが可能になる。 前記
したように、管状分離膜31の取付部33の周囲には、
管状分離膜31の装脱着操作を行うために、一定の領域
を確保する必要がある。つまり、管状分離膜31を装着
するためには、1本あたりのチューブの外径寸法よりも
はるかに大きな径を確保しなければならないことにな
る。このことは、限られた体積の枠体21内での管状分
離膜31の実質的な表面積を減少させてしまうことにな
り、分離効率の低下を招くことになる。
【0029】図4〜図6は、枠体21への管状分離膜3
1の取付方法の代表的な例を示しており、各図において
それぞれ(a)は平面図、(b)は要部正面図を示す。
なお、説明の便宜上、減圧部25は図示を省略する。
【0030】図4は、枠体21の一つの側壁22のみに
管状分離膜31(ここではチューブ列32a〜32dと
して示す)を装着した場合を示している。図4では、5
本の管状分離膜31からなるチューブ列32a(32c
・・・)と4本の管状分離膜31からなるチューブ列3
2b(32d・・・)が、同方向であるが取付位置を1
/2ピッチずらして層状に装着されている。
【0031】図5は、枠体21の対向する二つの側壁2
2から管状分離膜31(ここではチューブ列32a〜3
2dとして示す)を装着した場合を示している。図5で
は、5本の管状分離膜31からなるチューブ列32a
(32c)と4本の管状分離膜31からなるチューブ列
32b(32d)が、互いに向き合う方向で交互に1/
2ピッチずつ位置をずらして層状に装着されている。こ
の場合、各チューブ列32a〜32dにおける管状分離
膜31は平行(軸方向は同じ)である。
【0032】図6は、枠体21の四つの側壁22から管
状分離膜31(ここではチューブ列32a〜32d、3
2a’〜32d’として示す)を装着した場合を示して
いる。図6では、5本の管状分離膜31からなるチュー
ブ列32aと4本の管状分離膜31からなるチューブ列
32a’が、互いに向き合う方向で同一平面内に装着さ
れ、このチューブ列32a、32a’と高さ位置を変え
て略90度方向をずらしてチューブ列32bとチューブ
列32b’が、互いに向き合う方向で同一平面内に装着
される、という繰り返し構造になっている。この場合、
同一平面内(例えば、チューブ列32aと32a’)の
管状分離膜31は平行(軸方向は同じ)であるが、隣接
するチューブ列32同士は管状分離膜31の軸方向が直
交する関係になる。
【0033】図4では、枠体21内での各管状分離膜3
1の長さをLmm、各管状分離膜31間のピッチL
(図9参照)を22mmと仮定すると、1本の管状分離
膜31を装着するために周囲に必要とする面積は、同一
平面内で隣合う2本の管状分離膜31と、隣接するチュ
ーブ列のうちの最短距離にある隣合う2本と、の4本の
管状分離膜31の中心を結ぶ平行四辺形で示される面積
と考えられる。
【0034】したがって、図4の場合に1本の管状分離
膜31が枠体21内で占有する体積は、 22mm×19.05mm×L=419.1×Lmm (ここで、19.05は平行四辺形の高さ)となる。な
お、図4のように1方向から取付ける場合に、隣接する
チューブ列32の取付位置を1/2ピッチずらさない場
合には、さらに多くの体積を必要とすることは容易に類
推できる。
【0035】図5では、同一の側壁22だけをみれば、
各管状分離膜31間のピッチL(図9参照)は22m
mで変わらないが、対向する側壁22から高さ位置を変
え、1/2ピッチ取付位置をずらして装着された管状分
離膜31が逆向きで間に挿入されるため、1本の管状分
離膜31が必要とする周囲の面積は、一方の側壁22内
で互いに近接する4本の管状分離膜31の中心を結ぶ四
角形で示される面積の半分でよいと考えられる。
【0036】したがって、図5の場合に、1本の管状分
離膜31が枠体21内で占有する体積は、 1/2×22mm×22mm×L=242×Lmm となり、管状分離膜31の充填本数を大幅に増加させる
ことができる。
【0037】図5と類似の充填率の向上効果は、隣接す
るチューブ列32(例えばチューブ列32a、32b、
32c、32d)を、対向する側壁22に装着するので
はなく隣接する二つの側壁22(あるいは四つの側壁2
2)に軸方向を90度ずつずらして装着していく場合で
も得られることが容易に理解される。
【0038】図6の場合は、充填率をより一層向上させ
ることが可能である。図6の装着方法では、同一平面内
に対向する向きで交互に管状分離膜31が挿入されるこ
と、および隣接するチューブ列を直交させることによ
り、管状分離膜31の装脱着のために周囲に確保すべき
面積の大部分を事実上無視できる。つまり、同一の側壁
22での見掛け上のピッチLとは無関係に、管状分離
膜31の径にかなり近い距離まで、実質的なピッチL
を縮小できる。例えば、ピッチLを14mmまで縮小
できたと仮定すると、図6の場合に、1本の管状分離膜
31が枠体21内で占有する体積は、 14mm×14mm×L=196×Lmm となり、管状分離膜31の充填本数をさらに大幅に増加
させることができる。
【0039】以上の説明から容易に理解されるように、
隣接するチューブ列32同士で、管状分離膜31の軸方
向をずらすことによって、チューブ列32同士の間隔L
を狭めることが可能であり、同じ容積の枠体21によ
り多くの管状分離膜31を装着することが可能になるの
である。また、チューブ列毎に管状分離膜31の配列方
向を例えば直角にずらすことは、前記した混合流体の乱
流形成効果をより高めることにもなる。
【0040】図7は、本発明の別の実施形態に係る膜モ
ジュール102の概略構成を示す斜視図であり、部分的
に内部構造を示している。図8は、図7の断面構造を示
す図面である。本実施形態は、前記した図6と同様の取
付け構造を採用したものであり、枠体21の四つの側壁
22a、22b、22c、22dから管状分離膜31
(ここでは管状分離膜31a〜31dとして示す)を装
着している。図8では、5本の管状分離膜31aと4本
の管状分離膜31cが、互いに向き合う方向で交互に同
一平面内に装着され、このチューブ列と高さ位置をずら
して、略直交する方向で5本の管状分離膜31bと4本
の管状分離膜31dが、互いに向き合う方向で交互に同
一平面内に装着される、という繰り返し構造になってい
る。前記したように、かかる装着方法を採用することに
よって、管状分離膜31が高い充填率で装着されるこ
と、および乱流形成が促進されることから、膜モジュー
ル102は特に優れた分離効率を発揮する。なお、他の
構成は図1と同様であるため、同一の構成には同一の符
号を付して説明を省略する。
【0041】以上、本発明を種々の実施形態に関して述
べたが、本発明は上記実施形態に限られるものではな
く、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の
実施形態についても適用されるものであることは勿論で
ある。
【0042】例えば、上記実施形態では、ケーシングと
して断面四角形の枠体21を用いたが、ケーシングの形
態はこれに限るものではなく、断面三角形や六角形など
の枠体や円筒形の枠体も目的に応じて使用できる場合が
ある。なお、管状分離膜の装着の容易さや充填効率の点
では、断面四角形状のものが最も好ましい。また、ケー
シングは筒状に限らず、混合流体の入口や出口を絞った
形状にすることもできる。
【0043】また、図1や図7では、膜モジュールの流
路11を鉛直方向に描いているが、これに限らず水平方
向や斜め方向に設定してもよい。つまり、本発明の膜モ
ジュールは縦横斜め方向に自在に流路を形成できるので
あり、設置場所の制約を受けにくい。
【0044】
【発明の効果】本発明の物質分離用膜モジュールによれ
ば、混合流体と管状分離膜との接触を効率よく行えると
ともに、混合流体の流れに乱流を生じさせてケーシング
内で混合流体の濃度むら等を解消させることが可能にな
る。よって、バッフル等を設けなくても効率的な分離が
実現可能であり、モジュールの構成も簡素化できる。ま
た、管状分離膜の充填率を向上させることは、混合流体
の流速を速める作用と相俟って、分離効率を大幅に向上
させる。その結果、膜モジュールの小型化も可能にな
る。さらに、ケーシング内に管状分離膜を層状に配備し
た上記物質分離用膜モジュールは、流路の方向を例えば
鉛直、水平、斜めなど自由に設定できるため、設置場所
等の制約を受けにくく、既存の物質分離装置をはじめと
する様々な化学処理装置において、配管やダクトなどの
混合流体経路上に組み込んで使用できる。
【0045】また、本発明の物質分離装置においては、
上記した物質分離用膜モジュールの作用効果が十分に発
揮され、効率的な物質分離を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る膜モジュールの概略
を示す斜視図。
【図2】図1の膜モジュールの断面図。
【図3】本発明の膜モジュールの原理図。
【図4】管状分離膜の配列方法を説明する図面であり、
(a)は平面図、(b)は要部正面図。
【図5】管状分離膜の別の配列方法を説明する図面であ
り、(a)は平面図、(b)は要部正面図。
【図6】管状分離膜のさらに別の配列方法を説明する図
面であり、(a)は平面図、(b)は要部正面図。
【図7】本発明の別の実施形態に係る膜モジュールの概
略を示す斜視図。
【図8】図7の膜モジュールの断面図。
【図9】従来の膜モジュールの説明に供する図面であ
り、(a)は管状分離膜の断面構造を示し、(b)は膜
モジュールの概略を示し、(c)は管状分離膜の取付状
態を示す。
【符号の説明】
11 流路 21 枠体 22 側壁 25、25a、25b 減圧室 27 混合流体入口 28 混合流体出口 31 管状分離膜 32 チューブ列 33 取付部 35 管板 100、101、102、103 膜モジュール 311 セラミック支持体 312 ゼオライト膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA25 GA28 HA28 JA25A JA52A JA70A JB01 MA02 MA06 MC03 PA02 PB12 PB65

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に混合流体を接触させてパーベーパ
    レーション法またはベーパーパーミエーション法により
    物質の分離を行う管状分離膜と、 前記混合流体を通過させる流路を規定するケーシング
    と、を備え、 複数の前記管状分離膜を、同一平面内に平行に配列する
    とともに、配列された前記管状分離膜が前記流路内に所
    定間隔で層をなし、かつ隣接する層における前記管状分
    離膜の軸方向をずらすようにして配備したことを特徴と
    する、物質分離用膜モジュール。
  2. 【請求項2】 表面に混合流体を接触させてパーベーパ
    レーション法またはベーパーパーミエーション法により
    物質の分離を行う管状分離膜と、 前記混合流体を通過させる流路を規定するケーシング
    と、を備え、 複数の管状分離膜を、その軸方向が前記ケーシング内に
    おける混合流体の流れ方向と略直交するように同一平面
    内に平行に配列するとともに、 配列された前記管状分離膜が前記流路内に所定間隔で層
    をなすように配備したことを特徴とする、物質分離用膜
    モジュール。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記層をなすように
    配備された管状分離膜の軸方向を、隣接する層同士ずら
    して配備したことを特徴とする、物質分離用膜モジュー
    ル。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項に
    おいて、前記ケーシングが、四角筒状体であり、 前記管状分離膜を、前記ケーシングの側壁に装着すると
    ともに、対向する側壁に装着した管状分離膜同士を同一
    平面内で交互に配列したことを特徴とする、物質分離用
    膜モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載の物質分離用膜モジュールを備えた物質分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105013417A (zh) * 2015-06-04 2015-11-04 南京工业大学 一种连续酯化微反应装置及其组成的微反应系统
WO2021060557A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 三菱ケミカル株式会社 分離膜モジュール及び分離方法

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