JP2003092072A - 陰極線管用ガラスファンネルおよび陰極線管 - Google Patents

陰極線管用ガラスファンネルおよび陰極線管

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JP2003092072A
JP2003092072A JP2002201497A JP2002201497A JP2003092072A JP 2003092072 A JP2003092072 A JP 2003092072A JP 2002201497 A JP2002201497 A JP 2002201497A JP 2002201497 A JP2002201497 A JP 2002201497A JP 2003092072 A JP2003092072 A JP 2003092072A
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funnel
ray tube
corner
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Kenji Fujita
憲司 藤田
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーナー部とその近傍の剛性を低下させずにフ
ァンネルを軽量化し、製造中の搬送工程において破損を
招くことのない陰極線管用ファンネル、および該ファン
ネルを用いた陰極線管の提供。 【解決手段】長辺部11、短辺部12およびコーナー部
13からなる略矩形の開口部8を備え、電子銃を格納す
るネック部と、偏向コイルを装着するヨーク部と、開口
部とヨーク部の間を形成するボディ部とからなる陰極線
管用ガラスファンネル4において、開口部8の長辺部1
1および/または短辺部12につば状部14を有し、か
つコーナー部13につば状部14がないことを特徴とす
る陰極線管用ガラスファンネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にテレビジョン
放送受像機(以下、テレビという)や、産業用情報表示
装置等に用いられる陰極線管用ガラスファンネル、およ
び陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、陰極線管は図6に示すように、映
像を表示するガラスパネル(以下、パネルという)1
と、電子銃2を格納する円筒状のネック部3を有するガ
ラスファンネル(以下、ファンネルという)4とからな
るガラスバルブ(以下、バルブという)で外囲器が構成
されている。
【0003】前記ファンネル4の主要部は、偏向コイル
5を装着するヨーク部6と、パネル1と封着されるシー
ルエッジ7を有する開口部8に向かい、前記ヨーク部6
に連続して延在するボディ部9からなる。またパネル1
とファンネル4の開口部8とは、両者のシールエッジ7
を接合しハンダガラス等で封着されて封着部を形成して
いる。なお、Aはネック部3の中心軸とパネル1の中心
を結ぶ管軸を示しており、陰極線管の断面は前記管軸A
を軸に線対称の構造である。
【0004】また、前記開口部8の開口端形状は、図7
に示すように2つの長辺部11および2つの短辺部1
2、ならびに長辺部および短辺部に接する4つのコーナ
ー部13からなる略矩形状である。
【0005】ファンネルや陰極線管はぞれぞれの製造工
程において、各種搬送装置によって把持または戴置さ
れ、方向転換や旋回をしながら工程内を移動する。しか
しほぼ直線状であるファンネル開口部の長辺部および短
辺部に比べて、コーナー部は凸形状であり、かつ最も開
口径が大きい対角軸方向に位置するため、搬送時に搬送
路周辺の装置・設備等に衝突する可能性が高く、また衝
突時に破損しやすい問題があった。
【0006】一方、近年はプラズマディスプレイや液晶
ディスプレイ等の軽量な表示装置が普及しつつあり、こ
れらの表示装置と比べて陰極線管を用いたテレビは重い
ことが短所であると言われているため軽量化が望まれて
いる。
【0007】ファンネルの軽量化は、通常、ガラスの薄
肉化によって行われるが、単にガラスを薄肉化するだけ
ではファンネルの剛性の低下につながり、上述のような
製造工程における破損の可能性が増加する問題がある。
【0008】具体的には、ファンネルの薄肉化を図る場
合における主な従来方法として、二通りの方法が例示さ
れる。第一の薄肉化方法はボディ部の内面形状を変更し
て行う方法であり、第二の薄肉化方法はボディ部の外面
形状を変更して行う方法である。
【0009】通常、陰極線管用のガラス製品は金型でプ
レス成型して製造されるため、前記第一の薄肉化方法、
すなわちファンネル4の内面形状の変更により薄肉化を
行うにあたり、ボディ部9の内面形状のみを変更して薄
肉化し、開口部8を従来肉厚のままとした図8の(a)
のような形状とする方法の場合、プレス成型後に金型と
ファンネルとを離脱させることができない。したがって
図8の(b)のように開口部8についても薄肉化する必
要があるが、開口部8を薄肉化すると剛性が低下するた
め、衝撃を受けた場合に破壊しやすくなる問題が生じ
る。さらに、開口部8の端面、すなわちシールエッジ7
はパネル1と封着されるため、パネル1側のシールエッ
ジ肉厚も変更しなければならない。
【0010】一方、前記第二の薄肉化方法、すなわち図
1のように、ファンネル4の外面形状の変更により軽量
化を行う場合、バルブ内部を真空にしたときに封着部に
発生する引張り性の応力(封着部真空引張応力)の低減
の必要性、およびガラスの成型容易性のために、開口部
8とその近傍は滑らかな曲面をなすことが好ましい。し
たがって、開口部8とその近傍は薄肉化せず、ヨーク部
6に近い側のボディ部9の外面形状を変更することによ
りファンネル4の薄肉化が行われる。
【0011】その場合、外観上開口部8には全周にわた
って、ボディ部9よりも肉厚な「つば状部14」が残
る。該つば状部14の管軸A方向の高さHは、特段大
きくしなくても前記の封着部真空引張応力に耐え得る強
度を確保できる。また上述のような金型の離脱性や開口
部の薄肉化による剛性の低下の問題もなく、大幅な軽量
化ができるという点で、内面形状を変更する前記第一の
薄肉化方法に比べて外面形状を変更する第二の方法が好
適である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のように
ファンネル4の全周にわたってボディ部9の外面を薄肉
化した場合、対角軸断面のボディ部9も薄肉化され、そ
の結果上述のような開口部8のコーナー部13近傍にお
ける剛性の低下の問題があった。
【0013】コーナー部13の剛性の低下に伴うファン
ネル4の強度低下は、搬送時の破損の可能性を上昇させ
るばかりでなく、陰極線管の防爆性能の低下につなが
り、さらにコーナー部13に欠けやクラック等の欠点が
ある場合、ファンネル4とパネル1とを封着した後、高
温条件下で保持し排気する際に、該工程で生じる温度差
によって応力が発生し、前記欠点を起点として割れを引
き起こす原因となる。
【0014】また、ファンネルは溶融ガラス塊(以下、
ガラスゴブという)をプレス成型して製造されるが、ガ
ラスゴブはコーナー部周辺からコーナー部へ向かって流
動するため、金型内のコーナー部では様々な方向からガ
ラスゴブが集中するようになり、極めて複雑な動きとな
る。したがって、コーナー部に段差や屈曲部が存在する
と、ガラスゴブの流動を阻害するばかりでなく、空気だ
まりの発生や異物の混入を招く問題があった。
【0015】本発明は、以上の問題に鑑みてなされたも
のであって、コーナー部とその近傍の剛性を低下させず
にファンネルを軽量化し、製造中の搬送工程において破
損を招くことのない陰極線管用ファンネル、および該陰
極線管用ファンネルを用いた陰極線管の提供を目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明は、長辺部、短辺部およびコーナー部からなる
略矩形の開口部を備え、電子銃を格納するネック部と、
偏向コイルを装着するヨーク部と、前記開口部とヨーク
部の間を形成するボディ部とからなる陰極線管用ガラス
ファンネルにおいて、前記開口部の長辺部および/また
は短辺部につば状部を有し、かつコーナー部につば状部
がないことを特徴とする陰極線管用ガラスファンネルを
提供する。
【0017】また、長辺部、短辺部およびコーナー領域
からなる略矩形の開口部を備え、電子銃を格納するネッ
ク部と、偏向コイルを装着するヨーク部と、前記開口部
とヨーク部の間を形成するボディ部とからなる陰極線管
用ガラスファンネルにおいて、前記開口部の長辺部およ
び/または短辺部につば状突出部を有し、かつコーナー
領域につば状突出部がないことを特徴とする陰極線管用
ガラスファンネルを提供する。
【0018】前記の陰極線管用ガラスファンネルは、開
口部からヨーク部端までの管軸と平行な方向の長さをH
とするとき、開口部の長辺部中央からネック部側へ管
軸と平行な方向にH/2移動した位置にあたるボディ
部外表面上の点を長辺部側ボディ部中心、開口部の短辺
部中央からネック部側へ管軸と平行な方向にH/2移
動した位置にあたるボディ部外表面上の点を短辺部側ボ
ディ部中心と定義し、前記長辺部側ボディ部中心におけ
るボディ部肉厚をTCB1、短辺部側ボディ部中心にお
けるボディ部肉厚をTCB2、開口部の肉厚をTとす
るとき、0.45≦TCB1/T≦0.62および
0.45≦TCB2/T≦0.62を満足することが
好ましい。
【0019】さらに本発明は、外囲器であるガラスバル
ブのガラスファンネルが、前記の陰極線管用ガラスファ
ンネルであることを特徴とする陰極線管を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、陰極線管用ガラスファン
ネルを単にファンネルと称する。また、図1はファンネ
ル4の長辺部11または短辺部12を通過する断面の開
口部付近を、図2はファンネル4のコーナー部13を通
過する断面の開口部付近を示す図である。
【0021】ファンネル4の開口部8は、上述の図7の
ように略矩形であり、四つのコーナー部13ならびに隣
りあうコーナー部13を結ぶ長辺部11および短辺部1
2からなる。
【0022】本発明においては、管軸を中心として対角
軸を長辺部11方向へ4度回転させたときの直線が開口
部8の外周と交差する位置から、管軸を中心として対角
軸を短辺部12方向へ4度回転させた直線が開口部8の
外周と交差する位置までの領域をコーナー領域という。
前記コーナー部13はコーナー領域でもある。
【0023】また、本発明でいう長辺部11および短辺
部12とは、実質的に矩形の開口部8におけるコーナー
部13以外の部位をいう。なお、前記コーナー部13は
二つの線分が交差する形状でも、アールを有する曲線状
でもよい。また長辺部11および短辺部12は直線状で
もよく、大きな曲率半径を有する緩やかな曲線状でもよ
い。
【0024】開口部の長辺部につば状部を有している形
状とは、管軸Aと平行に、かつファンネル4の開口部8
の長辺部11を通過するように切断したときの断面にお
いて、図1に示すように、ボディ部9の外面形状を変更
して薄肉化することにより、ボディ部9に比べて開口部
8が外側方向(管軸から離れる方向)に突出し、つば状
となっている形状をいう。開口部の短辺部につば状部を
有している形状とは、管軸Aと平行に、かつファンネル
4の開口部8の短辺部12を通過するように切断したと
きの断面において、図1に示すように、ボディ部9の外
面形状を変更して薄肉化することにより、ボディ部9に
比べて開口部8が外側方向(管軸から離れる方向)に突
出し、つば状となっている形状をいう。本発明において
は、開口部8における、前記の外側方向に突出した形状
の部位をつば状部14という。
【0025】なお、図1に示すように、つば状部14が
設けられたファンネル断面の外表面形状は、開口部8か
らボディ部9にかけて、まず最初は外側(管軸から離れ
る方向)に凸の曲線であり、次に第一の変曲点を経て内
側(管軸に近づく方向)に凸の曲線となる。続いて第二
の変曲点を経て再び外側に凸の曲線となる。本発明にお
いては、開口部8の端部から前記第二の変曲点までをつ
ば状突出部という。前記つば状部14は、つば状突出部
でもある。
【0026】また「コーナー部(コーナー領域)につば
状部(つば状突出部)がない形状」とは、管軸Aと平行
に、すなわち管軸Aを含み、かつファンネル4の開口部
8のコーナー部13を通過するように切断したときの断
面において、図2に示すように、外面形状の変更による
ボディ部9の薄肉化がされておらず開口部8に上述のよ
うなつば状部が存在しない形状であって、実質的に滑ら
かな曲線状の輪郭を有する形状をいう。
【0027】本発明のファンネルは、前記のように開口
部において長辺部および/または短辺部につば状部を設
け、コーナー部につば状部がない形状とすることによ
り、ボディ部の薄肉化によって軽量化を達成すると同時
に、コーナー部の剛性低下の問題を解消し、さらにはフ
ァンネル製造時におけるガラスゴブの円滑な流動が可能
となる。
【0028】なお、前記つば状部14の管軸A方向の高
さHは、封着部真空引張応力の過剰な集中を避けるた
め、10mm以上であることが好ましい。
【0029】また、前記つば状部は、長辺部および短辺
部において、各コーナー部頂点間距離の60%以上の領
域で設けられていることが好ましい。ここで、前記の
「コーナー部頂点間距離」とは、一つのコーナー部頂点
から隣りのコーナー部頂点までの距離をいうものとす
る。また前記「コーナー部頂点」とは、略矩形の開口部
の外径が最大となる位置をいう。図7にコーナー部頂点
21を示す。
【0030】さらに、前記ファンネルは、長辺部側ボデ
ィ部中心におけるボディ部肉厚T B1、短辺部側ボデ
ィ部中心におけるボディ部肉厚TCB2および開口部の
肉厚Tとが、TCB1/T≦0.62、TCB2
≦0.62なる関係を有する形状であることが好ま
しい。TCB1/TまたはTCB2/Tの値が0.
62を超えるとファンネルの質量が増加し、所望の軽量
化ができない。ただし、前記TCB1/TまたはT
CB2/Tの値が0.45よりも小さいと金型での成
型が困難になったり、ファンネルのサイズによっては成
型不可能になったりする問題を生じ、また成型すること
ができた場合であっても、陰極線管内部を真空状態とし
た際、ボディ部に発生する引張応力に耐えることができ
なくなるので、ファンネルの形状や応力分布等を考慮の
上、0.45〜0.62の範囲で適宜設定することが好
ましい。前記の値は、0.5≦TCB1/Tおよび
0.5≦TCB2/Tであると、より成型がしやすく
なるためさらに好ましい。また、TCB1/T≦0.
56およびTCB2/T≦0.58であると、ファン
ネルをより軽量化できるためさらに好ましい。前記T
CB2/Tは0.56未満であると最も好ましい。
【0031】続いて、前記のボディ部中心におけるボデ
ィ部肉厚について、ファンネルの一部断面図である図3
および図4に基づいて説明する。本発明においては、図
3に示すように、管軸A方向における、シールエッジ7
とヨーク部端15との間の長さの2分の1となるファン
ネル外表面の位置をボディ部中央16という。
【0032】なお前記のヨーク部端15とは、ヨーク部
6とボディ部9との境界となる位置であって、ヨーク部
6が円錐状のファンネルの場合、通常当業者より「ヨー
ク端」、「真円端」または「トップ・オブ・ラウンド
(TOP OF ROUND)」と呼ばれる位置であ
り、管軸Aと垂直な方向のファンネル4の断面図におい
て外表面側の輪郭が真円である位置のうち最も開口部8
側となる位置である。また、ヨーク部6が略四角錐状の
ファンネルの場合、曲率半径および/または曲率中心の
異なる曲線が接する位置である。
【0033】したがって、ファンネル4を長辺部側から
見た正面図/一部断面図である図4に示すように、開口
部8の長辺部11の中央17からボディ部9の表面に沿
って管軸方向に延ばした線が前記ボディ部中央16に到
達する位置を、長辺部側ボディ部中心18という。同様
に、短辺部12の中央からボディ部9の表面に沿って管
軸方向に延ばした線が前記ボディ部中央16に到達する
位置を、短辺部側ボディ部中心といい、さらにコーナー
部13の頂点、すなわち対角径が最大となる位置からボ
ディ部9の表面に沿って管軸方向に延ばした線が前記ボ
ディ部中央16に到達する位置を、対角軸上ボディ部中
心という。
【0034】すなわち、ボディ部9とヨーク部6との境
界である前記ヨーク端15からシールエッジ7までの管
軸A方向の長さがHであるとき、シールエッジ7の長
辺部中央17からネック部3側へ管軸Aの方向にH
2移動した位置にあたるボディ部9外表面上の点が長辺
部側ボディ部中心18である。またシールエッジ7の短
辺部中央からネック部3側へ管軸Aの方向にH/2移
動した位置にあたるボディ部9外表面上の点が短辺部側
ボディ部中心である。
【0035】前記の長辺部側ボディ部中心18を通過す
るボディ部9の肉厚は、ボディ部外表面上の前記長辺部
側ボディ部中心18からボディ部の内表面に至るまでの
直線距離(長さ)であるが、ファンネルのどの断面を選
択するかによって前記肉厚は異なる値となる。本発明に
おいては、ボディ部外表面上の前記長辺部側ボディ部中
心18からボディ部の内表面に至るまでの距離(長さ)
が最短距離(最小値)となる断面における肉厚を長辺部
側ボディ部中心におけるボディ部肉厚TCB1とする。
短辺部側ボディ部中心におけるボディ部肉厚TCB2
対角軸上ボディ部中心におけるボディ部肉厚TCB3
いても、同様に短辺部側ボディ部中心および対角軸上ボ
ディ部中心を起点に定義される。また前記の開口部の肉
厚Tとは、管軸Aに垂直な方向における開口部8の端
面の厚さをいい、全周において実質的に等しい厚さであ
る。
【0036】本発明のファンネルにおいては、TCB1
/TまたはTCB2/Tの値が0.62を超えると
十分な薄肉化がなされず、従来のファンネルと比較して
軽量化が実現されがたいという問題を生じる。そのた
め、0.62以下の範囲が好適である。このような形状
とすることにより、成型の難度を高めることなく、薄肉
・軽量でありながらも十分な剛性を有するファンネルを
容易に得ることができる。また、前記のようなファンネ
ルを用いて陰極線管を製造することにより、製造工程に
おける割れや破損を防止できる。
【0037】
【実施例】続いて、本発明を実施例および比較例に基づ
いて詳細に説明する。後述する各例のファンネルは、い
ずれも下記表1に記載の形状である。なお、「開口部対
角径」とは略矩形の開口部の対角線長さ(D)(図7に
示す)、「ファンネル全長」とは開口部8の開口端(シ
ールエッジ)からネック部3の端部までの管軸方向の長
さ(L)(図3に示す)、「開口部からヨーク部端まで
の長さ」とは開口部8の開口端(シールエッジ)からヨ
ーク部端15までの管軸方向の長さ(H)(図3に示
す)、「ヨーク部長さ」とはネック部3とヨーク部6と
の封着位置から前記ヨーク部端15までの管軸方向の長
さ(H)(図3に示す)をいう。
【0038】
【表1】
【0039】また、各部の肉厚が異なる例1から例4ま
でのファンネルを用い、製造搬送工程内における耐衝撃
性を評価するため、下記の試験を行った。なお、長辺部
中央断面、短辺部中央断面およびコーナー部断面は、フ
ァンネルの断面をそれぞれ図7におけるL−L’、M−
M’およびN−N’の方向に見た場合の形状である。
【0040】(例1:実施例)例1のファンネルは、
(1)長辺部側および短辺部側のボディ部肉厚を外表面
側から薄肉化し、(2)対角軸上のボディ部については
薄肉化を行わず従来の肉厚のままとし、(3)開口部の
肉厚は、全周にわたって従来の肉厚のままとした。その
結果、長辺部および短辺部においては、コーナー部頂点
間距離の91%の領域がつば状部を有する形状となり、
一方コーナー部においてはつば状部のない滑らかな曲面
となった。
【0041】(例2:比較例)例2は、薄肉化を施して
いない従来の設計形状のファンネルであって、(1)長
辺部側、短辺部側および対角軸上のボディ部の薄肉化を
行わず従来の肉厚のままとし、(2)開口部の肉厚につ
いても全周にわたって従来の肉厚のままとした。その結
果、長辺部、短辺部およびコーナー部の全周において、
つば状部のない滑らかな曲面となった。
【0042】(例3:比較例)例3のファンネルは、
(1)長辺部側、短辺部側および対角軸上のボディ部肉
厚を内面側から薄肉化し、(2)開口部の肉厚を全周に
わたって薄肉化し、(3)外面形状は例2のファンネル
と同じ形状とした。その結果、全周にわたってつば状部
のない滑らかな断面となり、かつボディ部も開口部もと
もに薄肉化された。
【0043】(例4:比較例)例4のファンネルは、
(1)長辺部側および短辺部側のボディ部肉厚を外面側
から薄肉化し、(2)対角軸上のボディ部肉厚について
も外面側から薄肉化し、(3)開口部の肉厚は、全周に
わたって従来の肉厚のままとした。その結果、開口部の
全周にわたってその断面につば状部を有する形状となっ
た。前記例1から例4までのファンネルにおける、開口
部の外周の形状と開口部の肉厚を下記の表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】このようにして製造したファンネルについ
て、それぞれの質量と、破壊の発生率とを測定した。破
壊試験の装置としては、図5に示すような長さ30cm
のアーム31の先端に、直径20mm、質量65gの鉄
製のミサイル32を取り付けた振り子試験装置33を用
いた。そして、前記ミサイル32の最下点に、開口部の
コーナー部が位置するようにファンネルを設置した。な
お、ミサイル32が衝突したときに衝撃でファンネルが
移動しないように、ミサイル32衝突位置の反対側から
ファンネルを支持した。ミサイル32のファンネルへの
衝撃エネルギは8.0×10−2Jとなるように設定
し、このときの破壊または破損(以下両者をまとめて破
壊と称する)したファンネルの個数を測定し評価を行っ
た。結果を下記表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】この結果、軽量化を施していない従来の一
般的な形状である例2のファンネルに比べ、ボディ部内
面形状を変更して薄肉化し、かつ開口部の肉厚も薄肉化
した例3のファンネルは、わずか約3%の軽量化である
にもかかわらず、開口部の肉厚を薄くしたことにより、
破壊発生率がきわめて高くなった。
【0048】また、長辺部側および短辺部側のボディ部
肉厚を外表面側から薄肉化し、さらに対角軸上のボディ
部肉厚についても外表面側から薄肉化して、全周にわた
ってつば状部を有する形状とした例4のファンネルは、
例2と比べて約10%軽量化できたものの、高い破壊発
生率を示した。
【0049】一方、例3および例4のファンネルに比べ
て、長辺部側および短辺部側のボディ部肉厚のみを外表
面側から薄肉化し、対角軸上のボディ部肉厚については
外表面側から薄肉化せず、長辺部および短辺部のみにつ
ば状部を有する形状とし、0.45≦TCB1/T
0.62および0.45≦TCB2/T≦0.62で
ある例1のファンネルは、例2と比べて約10%の軽量
化でき、そのうえコーナー部の破壊が発生せず、強度低
下がほとんど見られなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明のファンネルによれば、軽量化の
実現と同時に、機械的衝撃に弱いコーナー部の剛性を損
なわず、製造工程内での搬送時等における破壊の発生を
低減できるという効果を奏する。また、陰極線管製造時
における排気工程等のような熱処理や、防爆試験等にお
いても破壊および破損の発生を低減できる。さらに、複
雑な形状のコーナー部につば状部を設けないようにする
ことにより、成型上の諸問題の発生を抑制できる。
【0051】また、前記のファンネルを用いることによ
り、軽量かつ安全性の高い陰極線管を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファンネルのボディ部の外面形状を変更して薄
肉化し、つば状部を有する例を示す説明図
【図2】ファンネルのボディ部の薄肉化をせず、つば状
部のない例を示す説明図
【図3】ファンネルの断面の一部を示す説明図
【図4】ファンネルのボディ部中心と断面の一部を示す
説明図
【図5】振り子試験装置の概略説明図
【図6】陰極線管の断面の一部を示す説明図
【図7】ファンネルの開口部を示す説明図
【図8】ファンネルのボディ部の内面形状を変更して薄
肉化する例を示す説明図
【符号の説明】 1:パネル 2:電子銃 3:ネック部 4:ファンネル 5:偏向コイル 6:ヨーク部 7:シールエッジ 8:開口部 9:ボディ部 11:長辺部 12:短辺部 13:コーナー部 14:つば状部 15:ヨーク部端 16:ボディ部中央 17:長辺部中央 18:長辺部側ボディ部中心 31:アーム 32:ミサイル 33:振り子試験装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長辺部、短辺部およびコーナー部からなる
    略矩形の開口部を備え、電子銃を格納するネック部と、
    偏向コイルを装着するヨーク部と、前記開口部とヨーク
    部の間を形成するボディ部とからなる陰極線管用ガラス
    ファンネルにおいて、 前記開口部の長辺部および/または短辺部につば状部を
    有し、かつコーナー部につば状部がないことを特徴とす
    る陰極線管用ガラスファンネル。
  2. 【請求項2】長辺部、短辺部およびコーナー領域からな
    る略矩形の開口部を備え、電子銃を格納するネック部
    と、偏向コイルを装着するヨーク部と、前記開口部とヨ
    ーク部の間を形成するボディ部とからなる陰極線管用ガ
    ラスファンネルにおいて、 前記開口部の長辺部および/または短辺部につば状突出
    部を有し、かつコーナー領域につば状突出部がないこと
    を特徴とする陰極線管用ガラスファンネル。
  3. 【請求項3】開口部からヨーク部端までの管軸と平行な
    方向の長さをHとするとき、開口部の長辺部中央から
    ネック部側へ管軸と平行な方向にH/2移動した位置
    にあたるボディ部外表面上の点を長辺部側ボディ部中
    心、開口部の短辺部中央からネック部側へ管軸と平行な
    方向にH/2移動した位置にあたるボディ部外表面上
    の点を短辺部側ボディ部中心と定義し、 前記長辺部側ボディ部中心におけるボディ部肉厚をT
    CB1、短辺部側ボディ部中心におけるボディ部肉厚を
    CB2、開口部の肉厚をTとするとき、 0.45≦TCB1/T≦0.62および0.45≦
    CB2/T≦0.62を満足する請求項1または請
    求項2記載の陰極線管用ガラスファンネル。
  4. 【請求項4】外囲器であるガラスバルブのガラスファン
    ネルが、請求項1、請求項2または請求項3記載の陰極
    線管用ガラスファンネルであることを特徴とする陰極線
    管。
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