JP2003089175A - バリア性素材およびバリア性容器 - Google Patents
バリア性素材およびバリア性容器Info
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Abstract
る、再生紙としてのリサイクル性を損なうことなく、内
容物保護のために要求される高いガスバリアー性(酸素
バリアー性、水蒸気バリアー性)を備えたバリアー性素
材、およびバリア性容器を提供する。 【解決手段】 紙またはパルプモールドのいずれかから
なる基材の片面、あるいは両面に、目止め層を介して、
プラズマ重合によるガスバリア性薄膜が形成されたバリ
ア性素材において、前記目止め層の少なくとも前記ガス
バリア性薄膜との界面となる目止め層の表層が、スチレ
ン・アクリル共重合樹脂を主成分とする樹脂を用いたこ
とを特徴とするバリア性素材を提供するものである。
Description
モールドを基材、または容器本体とするバリア性素材、
およびバリア性容器に関するものであり、特に、パルプ
繊維のリサイクル性にも優れたバリア性素材、およびバ
リア性容器に関するものである。
品、工業用品等の容器および包装材料には、内容物保護
の目的でガスバリア性(酸素バリア性、水蒸気バリア
性)が要求される。近年、環境意識の高まりから、紙容
器や紙製の包装材料が幅広く使われ始めてきているが、
紙素材には全くガスバリアー性がないため、従来ガスバ
リアー性材料と複合化して用いられるのが一般的であっ
た。特に高いガスバリア性が要求される場合には、たと
えば、紙基材に接着剤や溶融したポリオレフィン樹脂を
介して、アルミ箔や、アルミ蒸着或いは無機酸化物の蒸
着フィルムを貼り合わせ、席層構造で使用されていた。
積層材や紙容器は、プラスチック材料等紙以外の処理困
難な別材料を使用しているため、焼却処理する場合に
は、焼却炉を傷めたり、焼却残査が多くなったりといっ
た問題が発生していた。また、再生紙としてリサイクル
する場合には、フィルム等の別材料を剥がす等の煩雑な
操作が必要となるために、リサイクルされにくく、環境
配慮型の素材である紙本来の特長が生かされないままと
なっていた。
め剤をコーティングしたり、溶融状態のポリオレフィン
系の樹脂をコーティングして、その上に、直接無機酸化
物等を蒸着処理することでガスバリアー性紙積層材を得
る場合もあるが、ガスバリアー性が不充分であったり、
やはり再生紙としてリサイクルしにくいといった問題が
あった。
て抄型上で吸引脱水後、乾燥炉或いは加熱金型内で乾燥
することで製造されるパルプモールド容器は、形状の自
由度が高く、また折り曲げ部分や貼り合わせ部分が無い
ため、付加価値の高い商品を提供することがきる。しか
しパルプモールド容器は、その複雑な三次元形状容器の
場合が多くいために、ガスバリア層の形成が特に困難で
あった。また、バリア層を形成するために、スプレーコ
ートやディッピングコート等の手法を用いて目止め層を
形成し、上述のような蒸着処理で、蒸着層を形成して
も、三次元形状の上に均一なガスバリアー性薄膜を形成
することが極めて困難であった。
特願2000−102600号において、パルプモール
ドの表面にプラズマ重合による薄膜を形成してガスバリ
ア性を付与したパルプモールド容器を提案している。プ
ラズマ重合による薄膜、つまりプラズマ助成式CVD
(化学的気相蒸着)にて薄膜を形成する場合、放電電極
の形状をパルプモールド容器の形状に合わせて設計し、
容器の内面または/および外面で安定したプラズマを発
生させることで、三次元形状表面に均一な薄膜を形成す
ることができる。この技術は、シート状の紙、またはパ
ルプモールド基材に対しても同様に利用できるものであ
る。
ポーラスで不均一であるため、プラズマ重合による薄膜
を形成する前に、基材表面に目止め層を形成する必要が
あるが、目止め層の表面状態とプラズマ重合による薄膜
とのマッチングが、特に高いガスバリアー性を発現させ
る上で重要であることを見出し、上記出願において提案
を行った。
きく、目止め層表面は均一で平滑であって、水分や熱お
よび低圧下において安定であることが要求される。さら
には、これらの物理的要素だけではなく、目止め層の化
学的表面状態が、プラズマ重合による薄膜の高いガスバ
リア性を発現させる上で特に重要である。また、耐水性
があり、しかもアルカリには可溶であるため、再生紙と
してリサイクルされる際の、離解工程で加えられるアル
カリによって容易に溶解し、パルプ繊維の離解性を損な
わないことも重要である。従ってフィルムを剥がして分
別処理する等の煩雑な操作を必要とせず、再生紙として
リサイクルしやすいガスバリア性紙材料およびガスバリ
ア性紙容器を提供できる。
材料の特長である、再生紙としてのリサイクル性を損な
うことなく、内容物保護のために要求される高いガスバ
リアー性(酸素バリアー性、水蒸気バリアー性)を備え
たバリアー性素材、およびバリア性容器を提供すること
を目的とするものである。
載のように、紙またはパルプモールドのいずれかからな
る基材の片面、あるいは両面に、目止め層を介して、プ
ラズマ重合によるガスバリア性薄膜が形成されたバリア
性素材において、前記目止め層の少なくとも前記ガスバ
リア性薄膜との界面となる目止め層の表層が、スチレン
・アクリル共重合樹脂を主成分とする樹脂を用いたこと
を特徴とするバリア性素材である。
モールドのいずれかからなる容器本体の片面、あるいは
両面に、目止め層を介して、プラズマ重合によるガスバ
リア性薄膜が形成されたバリア性素材において、前記目
止め層の少なくとも前記ガスバリア性薄膜との界面とな
る目止め層の表層が、スチレン・アクリル共重合樹脂を
主成分とする樹脂を用いたことを特徴とするバリア性容
器である。
用いるスチレン・アクリル共重合樹脂が、スチレン成分
と(メタ)アクリル酸成分の比が4/6〜9/1の範囲
のモノマー成分からなることを特徴とする請求項1に記
載のバリア性素材である。
用いるスチレン・アクリル共重合樹脂が、スチレン成分
と(メタ)アクリル酸成分の比が4/6〜9/1の範囲
のモノマー成分からなることを特徴とする請求項2に記
載のバリア性容器である。
性薄膜が、シリカ系薄膜であることを特徴とする請求項
1、または3に記載のバリア性素材である。
て図面に基づいて説明する。
の片面に目止め層を介してガスバリア性の薄膜を設けた
バリア性素材の構成を示した断面図である。本発明のバ
リア性素材(1)は、紙、またはパルプモールドのいず
れかからなる基材(2)の片面に、目止め層(3)を介
して、プラズマ重合によるガスバリア性薄膜層(4)が
形成されている。
れるものではない。具体的には、一般的な製紙材料とし
て用いられる木材パルプ、非木材パルプ、古紙パルプ、
および再生紙としてのリサイクル性を損なわない範囲で
樹脂パルプ等を原料として、適宜サイズ剤、紙力剤、填
料、染料、顔料等の添加剤を添加して、多層或いは単層
にて抄紙された坪量坪30g/m2程度の洋紙、和紙か
ら、坪坪1000g/m2程度まで、或いはそれ以上の
板紙までが用いられる。
ティング、含浸、印刷等の一般的な後処理が施されたも
ので構わない。さらには、上記と同様の抄紙原料および
添加剤を用いて、三次元形状の抄型上に吸引脱水して抄
き上げ、乾燥炉或いは加熱金型内で乾燥或いは加圧乾燥
させたパルプモールド基材をも含むものである。ただ
し、紙、またはパルプモールドの製造方法は上記に限定
されるものではない。
は、緻密で、平滑であることが望ましい。基材表面(2
1)が、緻密で平滑であることにより、目止め層(3)
の必要厚みは低減し、無駄なコストアップを抑え、また
目止め層(3)が極力薄くなることで紙のリサイクル性
や生分解性に与える影響も低減する。さらには、後述す
るようにプラズマ重合によるガスバリア性薄膜(4)の
ガスバリア性も良好なものとなる。
場合は、材料面から原料パルプの叩解度を調整したり、
樹脂パルプやアルコキシシランの加水分解物を主成分と
する内添剤等を添加したり、或いは後処理として、カレ
ンダー処理やコーティング処理等、公知の手法を用いて
容易に得ることができる。またパルプモールドの場合
は、嵌合しあう雌雄型にて高圧プレス下で加熱乾燥した
りすることによっても上記の良好な基材表面が得られ
る。
剤系溶液、或いはエマルション系の目止め剤を、基材表
面(21)にグラビアコート、バーコート、ダイコー
ト、リップコート、ディップコート、スプレーコート等
の公知の手法により設けることができる。なお、目止め
層に用いる目止め剤としては、作業環境の面から水溶液
やエマルションのものを用いるほうが好ましい。
にもより異なるが、乾燥膜厚で1〜50μmの範囲が好
ましい。厚みが、1μm未満では、基材表面の目止め効
果が不充分となりやすく、高いガスバリア性が得られに
くい。一方、厚みが、50μmを超えると、前記したよ
うに必要以上の厚みとなり、コストアップとなったり、
再生紙としてのリサイクル性が低下するだけでなく、乾
燥が困難となるために目止め層の膜状態が劣化していま
う。目止め層の上に形成されるガスバリア性薄膜(4)
も影響を受けて、ガスバリア性の低下につながり好まし
くない。
薄膜(4)が安定したガスバリア性を発現するために
は、薄膜の膜質が良好で均一な連続膜を形成する必要が
ある。そのため、前述したように目止め層(3)の物理
的状態の影響は大きく、目止め層表面は均一で平滑であ
って、水分や熱および低圧下において安定であることが
要求される。さらには、これらの物理的要素だけではな
く、目止め層の化学的表面状態が、プラズマ重合による
薄膜の高いガスバリア性を発現させる上で特に重要であ
る。
ル共重合樹脂を主成分とする樹脂層である、或いは少な
くとも目止め層表面(31)がスチレン・アクリル共重
合樹脂を主成分とする樹脂層とすることで平滑な表面層
が得られる。
ン・アクリル共重合樹脂のモノマー成分である、スチレ
ン成分と(メタ)アクリル酸成分の比を4/6〜9/1
とすることにより、より平滑な表面層が得られる。
ノマー成分として、スチレン成分と、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エ
ステル(以下(メタ)アクリル酸という)成分からなる
共重合体である。例えば乳化重合により得られたスチレ
ン・アクリル共重合樹脂エマルションを基材(2)に上
記の塗工方法により塗工すると、造膜性良く目止め層が
形成され、耐水性、熱的安定性が高く、目止め層の表面
状態もプラズマ重合による薄膜(4)を形成する上で良
好なものとなる。
不溶性であるが、アルカリ可溶性であり、アンモニア等
により塩を形成することで容易に水溶液が得られる。こ
のスチレン・アクリル共重合樹脂の水溶液を、基材
(2)に塗工しても、乾燥時に水と一緒にアンモニアが
揮発するため、得られた目止め層は、エマルションの場
合同様に耐水性の膜が得られる。ここで、上記スチレン
・アクリル共重合樹脂エマルションや水溶液には、保護
コロイドや安定剤、成膜助剤等の目的で他の複数成分を
含んでいても構わない。
は、後述するプラズマ重合によるガスバリア性薄膜層
(4)との密着がよく、特にガスバリア性の高い良好な
膜質のプラズマ重合薄膜が形成される。ここで、モノマ
ー成分として、スチレン成分が40%以上となるとその
効果が顕著であり、一方、90%を超えると造膜性や膜
の安定性の低下に伴い、薄膜のガスバリア性が低下する
傾向を示す。従ってスチレン・アクリル共重合樹脂のモ
ノマー成分である、スチレン成分と(メタ)アクリル酸
成分の比を4/6〜9/1とすることで、目止め層の物
理的および化学的表面状態を、良好な膜質の薄膜を形成
するために最適な状態とすることができる。
脂は、耐水性があるが、アルカリには可溶であるため、
再生紙としてリサイクルされる際の、離解工程で加えら
れるアルカリによって容易に溶解し、パルプ繊維の離解
性を損なわないという特長も持つ。従ってフィルムを剥
がして分別処理する等の煩雑な操作を必要とせず、再生
紙としてリサイクルしやすいガスバリア性紙材料および
ガスバリア性紙容器を提供できる。
くともプラズマ重合によるガスバリア性薄膜との界面と
なる層に、スチレン・アクリル共重合樹脂を主成分とす
る樹脂層を配し、他の層を生分解性材料や機能性材料か
らなる目止め層とすることで、高いガスバリア性を維持
したまま、他の機能を付与したり、紙、パルプモールド
の優れた特性である、生分解性をも有したバリア性素
材、およびバリア性容器を提供することも可能である。
(4)の形成は、基材(2)がシート状の場合は平行平
板電極やドラム状の電極を用い、また基材(2)がパル
プモールド容器等の三次元形状の場合は、その形状に合
わせた放電電極を作成して、以下に例示するモノマーガ
スを供給して、1〜10Pa程度の圧力下で電極に適当
な電力を供給することにより、目止め層(3)を設けた
基材(2)の目止め層表面(31)側に安定した放電プ
ラズマを発生させて、所定時間処理することにより行わ
れる。
性薄膜の材質は、特に制限はなく、たとえばシリカ系、
フッ素系、炭素系等がある。その中でシリカ系は、プラ
ズマ重合による薄膜の形成速度が速く、かつ比較的容易
に製膜できる。
を主成分とする目止め層とのマッチングが良く、高いガ
スバリアー性が得られ特に好ましい。また、上記シリカ
系の薄膜に炭素原子を5%以上含有することにより、膜
を通過する水蒸気透過度を低くすることができる。
としては,1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサ
ン,ヘキサメチルジシロキサン,ビニルトリメチルシラ
ン,メチルトリメトキシシラン,ヘキサメチルジシラ
ン,メチルシラン,ジメチルシラン,トリメチルシラ
ン,ジエチルシラン,プロピルシラン,フェニルシラ
ン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキシシ
ラン,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,
フェニルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラ
ン,オクタメチルシクロテトラシロキサン等の中から、
求められるガスバリア性によって選択することができ,
特に1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン,ヘ
キサメチルジシロキサン,オクタメチルシクロテトラシ
ロキサンが好ましい。ただし,これらに限定されるもの
ではなくアミノシラン,シラザン等も用いることができ
る。いずれも液体である上記有機珪素化合物を気化さ
せ、必要であれば酸素、二酸化炭素等の酸化力を有する
ガス、アルゴンやヘリウム等の希ガスと混合して用い
る。
器は、図面には図示していないが、プラズマ重合による
薄膜層(4)の上に、或いは基材層(2)の上に、保護
コート層やヒートシール層、印刷層等を設けることが可
能であり、さらに他の基材と貼り合わせることも可能で
ある。
層(3)およびプラズマ重合による薄膜層(4)を形成
した場合について詳述してきたが、基材の両面に目止め
層、プラズマ重合による薄膜層を設けても構わない。ま
た基材層としてパルプモールド基材を用いる場合、その
形状に関しても、トレー、丼、ボトル形状等のパルプモ
ールド成型が可能な形状であれば特に限定されるもので
はない。
よびバリア性容器について説明する。
m2コートボール(王子製紙製 商品名UFコート))
のコート面上に、モノマー成分である、スチレン成分と
(メタ)アクリル酸成分の比を表1に示すスチレン・ア
クリル共重合樹脂のエマルションを用いた目止め剤を、
バーコートし、約10μmの厚みの目止め層を設けた。
次に、ヘキサメチルジシロキサン(以下HMDSOと略
す)をモノマーとして、酸素との混合雰囲気にて、目止
め層の上にプラズマ重合により膜厚30nmのシリカ系
の薄膜層を設け、実施例1〜4のガスバリア性紙を得
た。
ー成分であるスチレン成分と(メタ)アクリル酸成分の
比を表1に示すスチレン・アクリル共重合樹脂のエマル
ションを用いた以外、上記実施例1〜4と同様に目止め
層およびプラズマ重合による薄膜層を設け、比較例1〜
2のガスバリア性紙を得た。
ミン樹脂系コーティング剤を用い、上記紙基材のコート
面上にバーコートし、約10μmの目止め層を設けた。
以下実施例1〜4と同様に薄膜層を設け、比較例3のガ
スバリア性紙を得た。
エステル樹脂エマルションを用い、上記紙基材のコート
面上にバーコートし、約10μmの目止め層を設けた。
以下実施例1〜4と同様に薄膜層を設け、比較例4のガ
スバリア性紙を得た。
スバリア性紙について、JIS Z0208 防湿包装
材料の透湿度試験方法に従い、透湿度を測定した。測定
結果を表1に示す。
ガスバリア性紙は透湿度が1〜3g/m2/day程度
と水蒸気バリア性が良好で、比較例1〜4ではそれに及
ばなかった。プラズマ重合によるガスバリア性薄膜の場
合、水蒸気透過度が高ければ、酸素バリア性も含めたガ
スバリア性が高いと言える。
4のガスバリア性紙について、一般的な古紙回収ライン
に乗せることを想定して、以下のリサイクル性の評価を
行った。3cm角に切った試料20gを、80℃の2%
水酸化ナトリウム水溶液1Lに入れ、小型離解機(テス
ター産業(株)製)にて3分間離解して、水洗後、手抄
抄紙機にて手抄紙を作成した。その状態を比較したとこ
ろ、比較例3および4では大きなフィルム片が混在して
いたのに対し、実施例1〜4はいずれもきれいな再生紙
が抄紙でき、リサイクル性にも優れることが示された。
フトパルプ(LBKP)を原料とし、サイズ剤としてア
ルキルケテンダイマー(AKD)を乾燥パルプ重量当た
り0.5%加え、0.4%濃度のパルプスラリーとし
た。このパルプスラリー4Lを雌型の抄型上に吸引脱水
することでモールド中間体を得、嵌合しあうプレス型内
で加熱乾燥して、図2に示すごとき、パルプモールド容
器本体を得た。
ー成分であるスチレン成分と(メタ)アクリル酸成分の
比を表2に示すスチレン・アクリル共重合樹脂のエマル
ションを用い、上記パルプモールド基材の内面にスプレ
ーコートし、約20μmの目止め層を設けた。さらに、
HMDSOをモノマーとして、酸素との混合雰囲気に
て、容器内面にプラズマ重合により膜厚30nmのシリ
カ系の薄膜層を設け、実施例5〜6のガスバリア性容器
を得た。
ー成分であるスチレン成分と(メタ)アクリル酸成分の
比を表2に示すスチレン・アクリル共重合樹脂のエマル
ションを用いた以外、上記実施例5〜6と同様に目止め
層およびプラズマ重合による薄膜層を設け、比較例5〜
6のガスバリア性容器を得た。
ミン樹脂系コーティング剤を用い、上記パルプモールド
基材の内面にスプレーコートし、約20μmの目止め層
を設けた。以下実施例5〜6と同様に薄膜層を設け、比
較例7のガスバリア性容器を得た。
エステル樹脂エマルションを用い、上記パルプモールド
基材の内面にスプレーコートし、約20μmの目止め層
を設けた。以下実施例5〜6と同様に薄膜層を設け、比
較例8のガスバリア性容器を得た。
開口部にヒートシールラッカーを塗布し、塩化カルシウ
ムを30g充填して、アルミ箔入りラミネートフィルム
を容器開口部にヒートシールして密閉した。これらを4
0℃90%RHの環境下に保存し、重量増加から容器の
透湿度を求めた。測定結果を表2に示す。
容器の開口部に、キャリアーガスの導入管と排出管を接
続した金属板を、ガス漏れの無いように接着剤で貼り付
け、酸素透過度測定装置(モダンコントロール製 OX
TRAN10/50)を用いて容器の酸素透過度を求め
た。測定結果を表2に示す。
ガスバリア性容器は、水蒸気、酸素ともに高いバリア性
を有し、食品やトイレタリー製品、薬品等の容器として
内容物保護性が高いことが示された。
〜8のガスバリア性容器についても、実施例1〜4と同
様にリサイクル性の評価を行った。その結果、比較例7
および8では再生紙に大きなフィルム片が混在したのに
対し、実施例5および6ではきれいな再生紙が抄紙で
き、本発明のガスバリア性容器はリサイクル性にも優れ
ることが示された。
高いガスバリア性を有しながら、紙、またはパルプモー
ルドの特長である、再生紙としてのリサイクル性を損な
わないため、工程ロスや、使用後のゴミの再資源化が可
能である。また、本発明のバリア性容器は、形状の自由
度が高く、内容物保護の為に要求される高いガスバリア
ー性を備え、かつ再生紙として容易にリサイクルできる
ことから、紙容器としての用途を拡大し、かつ包装容器
ゴミの低減にも貢献できる。
Claims (6)
- 【請求項1】紙またはパルプモールドのいずれかからな
る基材の片面、あるいは両面に、目止め層を介して、プ
ラズマ重合によるガスバリア性薄膜が形成されたバリア
性素材において、前記目止め層の少なくとも前記ガスバ
リア性薄膜との界面となる目止め層の表層が、スチレン
・アクリル共重合樹脂を主成分とする樹脂を用いたこと
を特徴とするバリア性素材。 - 【請求項2】紙またはパルプモールドのいずれかからな
る容器本体の片面、あるいは両面に、目止め層を介し
て、プラズマ重合によるガスバリア性薄膜が形成された
バリア性素材において、前記目止め層の少なくとも前記
ガスバリア性薄膜との界面となる目止め層の表層が、ス
チレン・アクリル共重合樹脂を主成分とする樹脂を用い
たことを特徴とするバリア性容器。 - 【請求項3】前記目止め層に用いるスチレン・アクリル
共重合樹脂が、スチレン成分と(メタ)アクリル酸成分
の比が4/6〜9/1の範囲のモノマー成分からなるこ
とを特徴とする請求項1に記載のバリア性素材。 - 【請求項4】前記目止め層に用いるスチレン・アクリル
共重合樹脂が、スチレン成分と(メタ)アクリル酸成分
の比が4/6〜9/1の範囲のモノマー成分からなるこ
とを特徴とする請求項2に記載のバリア性容器。 - 【請求項5】前記ガスバリア性薄膜が、シリカ系薄膜で
あることを特徴とする請求項1、または3に記載のバリ
ア性素材。 - 【請求項6】前記ガスバリア性薄膜が、シリカ系薄膜で
あることを特徴とする請求項2、または4に記載のバリ
ア性素材。
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