JP2003088985A - レーザ加工装置および透過型の1/2波長板 - Google Patents
レーザ加工装置および透過型の1/2波長板Info
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Abstract
近い小径の穴を加工することができるレーザ加工装置を
提供すること。 【解決手段】 レーザ光の光路中に、反射光の偏光面を
入射光の偏光面に対して90度偏向させる偏光変換手段
3と、入射光を入射光の中心から計った偏角に応じて移
相させる移相手段4と、を設ける。そして、中心部のレ
ーザ光の偏光面を90度偏向させると共に、レーザ光の
外縁部を、中心部の中心から計った偏角に応じて移相さ
せて、アパーチャ5に照射する。
Description
加工対象に穴を加工するレーザ加工装置に係り、特に、
底面が平な小径の穴を加工するのに好適なレーザ加工装
置に関する。
す図である。
ラー2、アパーチャ5、スキャナ6のミラー8、fθレ
ンズ9および加工対象10が配置されている。
レーザ光を図の下方に出力する。ミラー2は炭酸ガスレ
ーザ発振器1から出力されるレーザ光に対して45度に
配置されている。アパーチャ5には、加工しようとする
形状と相似形の穴5aが形成されている。ミラー8はモ
ータ7の出力軸に支持され、紙面に垂直な軸線の回りに
位置決め自在である。加工対象10(ここでは、多層プ
リント基板)は、XYステージ11に固定されている。
は、ミラー8を回転させることによりX方向に、また、
XYステージ11すなわち加工対象10をX、Y方向に
移動させることにより、任意に選択することができる。
器1から出力されたレーザ光は、ミラー2により反射さ
れて穴5aにより外形を整形される。そして、穴5aを
通過したレーザ光は、スキャナ6、fθレンズ9を通過
し、加工対象10の表面に穴5aの像として結像され、
加工対象10を加工する。
像の光強度について説明する。
算結果を示す図であり、縦軸は最大値を1として規格化
した相対値、横軸は距離である。なお、計算に用いた値
は以下の通りである。
00mm (3)fθレンズ9の直径:30mm 同図に示すように、光強度は中央部が大きい山形で、1
/e2直径(光強度が最大値の1/e2となる位置の直
径)は100μmになる。
る銅箔と樹脂層を交互に重ねた多層プリント基板の加工
を行うと、中央部のみが深く掘られた穴が形成され、表
面の穴径に対して穴底の径が小さくなる。このため、例
えば後工程においてこの穴に導電性のめっき処理をする
場合、めっき処理の信頼性が低下する。この場合、加工
エネルギを大きくすれば、穴底の径を大きくすることが
できるが、内層(下地)の銅箔を損傷してしまうので、
適用できない。
では、レーザ光に偏角に比例した位相差を与える位相シ
フト手段(以下、「移相板」という。)を設け、この移
相板をレーザ光を集光する加工レンズの手前に配置して
いる。このようにすると、レーザ光のビーム直径を小径
にすることができ、しかもエネルギのピーク値を大きく
することができるので、穴明け切断等の加工を高速化す
ることができた。
の場合、小径の穴を効率よく加工することはできるが、
従来の場合と同様に、加工部における光強度分布が不均
一であるため、穴底を平坦にすることはできない。
題を解決し、底面が平坦でかつ底面の直径が入口の直径
に近い小径の穴を加工することができるレーザ加工装置
を提供するにある。
め、第1の手段は、レーザ光をアパーチャに照射し、ア
パーチャを透過した前記レーザ光を集光して加工対象を
加工をするレーザ加工装置において、反射光または透過
光の偏光面を入射光の偏光面に対して偏光させる偏光変
換手段と、反射光または透過光の位相を入射光の位相に
対して、偏角に応じて移相させる移相手段と、を設け、
前記レーザ光の円形の中心部を前記偏光変換手段により
偏光させると共に、前記レーザ光の前記中心部を除く外
縁部を、前記移相手段により移相させ、前記偏光変換手
段により偏光させた前記中心部のレーザ光と、前記移相
手段により移相させた前記外縁部のレーザ光を、前記ア
パーチャに照射することを特徴とする。
板を、板状で一方の表面側にグレーティングが形成され
た第1の透明部材と、前記グレーティングが形成された
表面に接して配置される板状の第2の透明部材とにより
構成し、前記グレーティングの深さおよびピッチが、グ
レーティングの上面で反射される反射光とグレーティン
グの下面で反射される反射光とが互いに打ち消し合い、
かつ透過光の偏光面を入射光の偏光面に対して90度偏
光させるように選択されていることを特徴とする。
に基づいて説明する。
実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す図であり、
図8と同じものまたは同一機能のものは同一符号を付し
て説明を省略する。
ー2、移相板4、アパーチャ5、結像光学系15、ミラ
ー8、fθレンズ9および加工対象10が配置されてい
る。
かつ振動面(電場の振動面)が紙面に対して45度方向
の直線偏光のレーザ光を図の下方に出力する。
射光の振動面に対して90度偏光させる薄膜状の偏光面
回転手段3が配置されている。偏光面回転手段3は、例
えば誘電体等を蒸着により形成したものであり、外形
は、移相板4の後述するA部を投影した大きさである。
は、凸レンズ)16、17から構成されている。レンズ
16とレンズ17は、両者の焦点距離の和だけ隔てて設
置され、穴5aの像をレンズ16とレンズ17の焦点距
離の比で縮小する機能を備えている。
造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は偏角θが
0度の位置における側面断面図である。移相板4の材質
はZnSeであり、基部4aの表面には、輪帯部4bが
基部4aと一体に形成されている。基部4aはOを中心
とする半径R、板厚がHの円盤状である。また、輪帯部
4bは内側の半径がr、外側の半径がRのリング状で、
基部4aからの高さhは式1、2で定まる高さに形成さ
れている。
し、0<θ≦360度) n:ZnSeの屈折率 λ:レーザ光の波長 したがって、θ=360度(0度)の位置では、輪帯部
4bにh1の段差が形成されている。また、輪帯部4b
の基部4aからの高さhが偏角に比例することから、偏
角が180度の位置における輪帯部4bの高さはh1/
2である。以下、移相板4の輪帯部4bが形成されてい
ない中心部を「A部」、移相板4のA部以外の部分(す
なわち輪帯部4bと輪帯部4bが形成されている基部4
a)を「B部」という。
ガスレーザ発振器1から出力されるレーザ光のうち、中
心から半径rのレーザ光を「レーザ光LC」と、レーザ
光LCの外側の環状のレーザ光を「レーザ光LO」とい
う。
ーザ光LCは、偏光面回転手段3により偏光面が紙面に
対して−45度方向になって移相板4のA部に入射し、
A部および穴5aを通過した後、結像光学系15により
径を縮小され、スキャナ6、fθレンズ9を介して加工
対象10の表面に導かれ、円形の像が結像される。一
方、レーザ光LOはミラー2により反射されて移相板4
のB部に入射し、入射した位置に応じて位相がずれる。
そして、穴5aを通過した後、結像光学系15により径
を縮小され、スキャナ6、fθレンズ9を介して加工対
象10の表面に導か、リング状の像が結像される。そし
て、レーザ光LCとレーザ光LOにより、加工対象10
の表面には穴5aの像が結像される。
の像の光強度について説明する。
度の計算結果を示す図であり、縦軸は図9に示した光強
度に対する相対値、横軸は距離である。また、計算に用
いた値は以下の通りである。
00mm (5)fθレンズ9の直径:30mm なお、穴5aの直径は、従来技術との比較を容易にする
ため、加工位置における1/e2直径が図9の場合と同
じ100μmになるようにして、定めたものである。
分、実線はレーザ光LOの寄与分である。そして、A部
を透過したレーザ光LCとB部を透過したレーザ光LO
は、偏光方向が互いに90度異なっているので、加算さ
れる。この結果、点線と実線の和である一点鎖線で示す
強度が加工対象10の表面における穴5a像の光強度に
なる。そして、一点鎖線で示す曲線は、中央部が平坦化
された台形であるから、底面が平坦でかつ底面の直径が
入口の直径に近い小径の穴を加工することができる。
ためには、A部の半径rとB部の半径(実質的には穴5
aの半径)との比を、0.25〜0.6の間にすること
が望ましい。
ることにより移相板4を光学的に縮小するようにしたの
で、移相板4の製作許容誤差を大きくすることができ
る。したがって、移相板4の製作が容易になる。
のレンズで縮小する機能を有するものであれば、図1に
示す構成のものに限らず、例えば1枚の凹レンズと1枚
の凸レンズとの組み合わせであってもよい。
する角度は90度でなくてもよい。また、移相板4のA
部の厚さをHにしたが、0(貫通穴)であってもよい。
できる場合は、結像光学系15を省略することができ
る。
直線偏光のレーザ光としたが、入射するレーザ光が円偏
光のレーザ光の場合にも、適用することができる。これ
は、右回りの円偏光と左回りの円偏光は互いに干渉せず
(広義の意味で直交している)、また、偏光面回転手段
3は右回りの円偏光を左回りの円偏光に変換するからで
ある。
ず、可視光、UV光のレーザに対しても適用することが
できる。
す図であり、(a)は正面図、(b)は偏角θが0度の
位置における側面断面図である。移相板40の材質はシ
リコン(Si)であり、基部40aの表面側には輪帯部
40bが形成されている。基部40aはOを中心とする
半径R、板厚がKの円盤である。また、輪帯部40bは
内側の半径がr、外側の半径がRのリング状で、輪帯部
40bの基部40aからの深さkは、Oを原点とする極
座標の偏角θに対して順次等しい段差でNo1から階段
状に変化するように形成され、B部のNojはA部と同
一面であり、No1のA部表面からの高さ(深さ)はk
1である。このように、輪帯部4bの高さ(深さ)を階
段状に変化させても、高さを連続的に変化させた場合と
同様の効果を得ることができる。
階エッチングにより容易に製作することができ、しかも
微細な加工が可能であるので、結像光学系15を省くこ
ともできる。
の整数)であればよい。
光面回転手段3と移相板4のA部を同軸に位置決めする
作業が面倒である。そこで、A部に偏光面回転手段を設
けるようにすると、偏光面回転手段3と移相板4の相対
的な位置決め作業が容易になる。
ング(格子状の凹凸)を設けると、振動面がグレーティ
ングの格子ベクトルに対して垂直な光と、振動面が格子
ベクトルに対して平行な光の屈折率を変えることができ
ることが知られている(例えば、Applied Op
tics Vol.34, No.14 Design
considerations of form b
irefringent microstructur
es, I.Richter他。)。
持つ光に対する屈折率nsと、グレーティングに平行な
振動面をもつ光に対する屈折率npは、それぞれ式3〜
6により近似的に求めることができる。
係る移相板の構造を示す図であり、(a)は正面図、
(b)は偏角θが0度の位置における側面断面図であ
る。なお、この場合の全体構成は上記図1において偏光
面回転手段3を除いた構成であり、その他は同一である
ので、図示を省略する。
部に加工された深さk3のグレーティング56を除き、
上記図4に示した移相板40と同じ形状である。移相板
55のグレーティング56が形成された面と反対側のw
面には通常の無反射コーティングが施されている。
板55に接するようにして、ミラー2側に配置される。
カバー57の位相板55に接する面と反対側のu面には
通常の無反射コーティングが施されている。カバー57
は、後述するように、レーザ光のグレーティング56の
上下面におけるレーザ光の反射を抑えるためのものであ
る。
は、A部に入射したレーザ光を90度偏光させることが
目的であるので、深さk3は、A部が1/2波長板にな
るように、式7に基づいて定められる。
したレーザ光が移相板55内部で往復すると、そのまま
透過するレーザ光と干渉して出力が不安定になったり、
A部を透過したレーザ光の偏光方向が90度にならない
等の問題が発生するおそれがある。
が、移相板55が1/2波長板になる条件式である式7
に加え、グレーティング56の上下面で反射したレーザ
光が互いに弱め合うように、無反射の条件式である式8
も満足するように選定する。
4μm、グレーテイングのピッチΛをΛ=2μm、r=
1、s=2とする。
ら、duty比pを変化させながら式7、8を満足する
k3とpの組み合わせを探す。すると、例えば、k3=
4.55μm、p=0.27を得ることができる。な
お、このとき、ns=3.08,np=2.04である。
7になるように、A部の表面をエッチングすると、形成
されたグレーティング56により、A部に偏光面回転手
段を形成できると共に、グレーティング上下面での反射
を抑えることができる。
式を用いて求めたが、厳密な計算によるものや、実験的
に求めたものを用いてもよい。また、移相板55の材質
をシリコンとしたが、ゲルマニウムを用いても同様のこ
とが可能である。
溝が紙面に垂直になるように設置する。
実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す図であり、
図1と同じもの又は同一機能のものは同一符号を付して
説明を省略する。また、図7はこの実施形態に係る移相
板の構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は偏
角θが0度の位置における側面断面図である。
り、中央のA部と輪帯部のNojおよび表面Sは同じ高
さである。そして、輪帯部のNo1〜Nojは順次等し
い段差mで変化している。No1とNojの段差Mはレ
ーザの波長をλ、nsiをシリコンの屈折率として、式
9、10で表される。
向面回転手段62が配置され、その他の部分には反射コ
ーティングが施されている。
形態の場合と同様に、偏向面回転手段62を輪帯部に対
して予め固定できるので、装置の組立てが容易になる。
レーザ光の円形の中心部を90度偏光させる偏光変換手
段と、レーザ光の中心部に接する外縁部を、中心部の中
心から計った偏角に応じて移相させる移相手段と、を設
け、偏光変換手段により偏光させた中心部のレーザ光
と、移相手段により移相させた外縁部のレーザ光をアパ
ーチャに照射するので、結像位置におけるレーザ光の強
度は中央部が平坦化された台形になる。したがって、底
面が平坦でかつ底面の直径が入口の直径に近い小径の穴
を加工することができる。
の構成を示す図である。
ある。
を示す図である。
示す図である。
の構成を示す図である。
示す図である。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 レーザ光をアパーチャに照射し、アパー
チャを透過した前記レーザ光を集光して加工するレーザ
加工装置において、 反射光または透過光の偏光面を入射光の偏光面に対して
偏光させる偏光変換手段と、 反射光または透過光の位相に入射光の位相に対する偏角
に応じた位相差を与える移相手段と、を設け、 前記レーザ光の円形の中心部を前記偏光変換手段により
偏光させると共に、 前記レーザ光の前記中心部を除く外縁部を、前記移相手
段により移相させ、 前記偏光変換手段により偏光させた前記中心部のレーザ
光と、前記移相手段により移相させた前記外縁部のレー
ザ光を、前記アパーチャに照射することを特徴とするレ
ーザ加工装置。 - 【請求項2】 前記移相手段は断面を円形環状、かつ移
相に関与する部分の高さを、偏角が0度から360度の
間で、偏角に比例して連続的に変化するように形成さ
れ、偏角が180度異なる位置における移相量の差を1
80度とすることを特徴とする請求項1に記載のレーザ
加工装置。 - 【請求項3】 前記移相手段は断面を円形環状、かつ移
相に関与する部分の高さを、偏角が0度から360度の
間で、偏角に略比例して段階的に変化するように形成さ
れ、偏角が180度異なる位置における移相量の差を略
180度とすることを特徴とする請求項1記載のレーザ
加工装置。 - 【請求項4】 前記偏光変換手段は、前記移相手段の内
縁に配置されることを特徴とする請求項1ないし3のい
ずれかに記載のレーザ加工装置。 - 【請求項5】 前記偏光変換手段は、透明部材の表面に
形成したグレーティングであることを特徴とする請求項
1ないし4のいずれかに記載のレーザ加工装置。 - 【請求項6】 前記アパーチャと前記レーザ光を集光す
るレンズとの間に、前記アパーチャの像を光学的に縮小
する結像光学系を配置することを特徴とする請求項1に
記載のレーザ加工装置。 - 【請求項7】 板状で一方の表面側にグレーティングが
形成された第1の透明部材と、 前記グレーティングが形成された表面に接して配置され
る板状の第2の透明部材と、からなり、 前記グレーティングの深さおよびピッチが、グレーティ
ングの上面で反射される反射光とグレーティングの下面
で反射される反射光とが互いに打ち消し合い、かつ透過
光の偏光面を入射光の偏光面に対して90度偏光させる
ように選択されていることを特徴とする透過型の1/2
波長板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001282009A JP4294239B2 (ja) | 2001-09-17 | 2001-09-17 | レーザ加工装置および透過型の1/2波長板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001282009A JP4294239B2 (ja) | 2001-09-17 | 2001-09-17 | レーザ加工装置および透過型の1/2波長板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003088985A true JP2003088985A (ja) | 2003-03-25 |
JP4294239B2 JP4294239B2 (ja) | 2009-07-08 |
Family
ID=19105723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001282009A Expired - Lifetime JP4294239B2 (ja) | 2001-09-17 | 2001-09-17 | レーザ加工装置および透過型の1/2波長板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4294239B2 (ja) |
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JP4294239B2 (ja) | 2009-07-08 |
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