JP2003088477A - 断熱容器 - Google Patents

断熱容器

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JP2003088477A
JP2003088477A JP2001283070A JP2001283070A JP2003088477A JP 2003088477 A JP2003088477 A JP 2003088477A JP 2001283070 A JP2001283070 A JP 2001283070A JP 2001283070 A JP2001283070 A JP 2001283070A JP 2003088477 A JP2003088477 A JP 2003088477A
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temperature
container
thermoelectric generator
heat insulating
container body
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JP2001283070A
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Kenji Hamada
憲司 濱田
Tokuji Betsushi
篤司 別枝
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Zojirushi Corp
Original Assignee
Zojirushi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用電源や電池を使用することなく内部の温
度を確認できる断熱容器を提供する。 【解決手段】 断熱性を有する容器本体2の内部に、所
定温度の液体や固体などの内容物を収容し、該容器本体
2の上部を蓋体4によって閉塞する断熱容器(魔法瓶
1)において、所定の負荷が加わることにより電力を発
生させる発電手段3と、容器本体2内の温度を検出する
温度検出手段(サーミスタ9)と、容器本体2内の温度
を表示する表示手段(液晶表示パネル12)と、発電手
段で発生した電力によって動作し、温度検出手段によっ
て検出した温度を表示手段に表示させる制御手段(マイ
コン18)とを設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯用魔法瓶、保
温ポットおよび保温調理鍋など、電池や電気を使用せず
に内部に収容した内容物を保温する断熱容器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】この
種の断熱容器は、商用電源や電池による電力を使用しな
いため、容器本体内に収容した液体や固体(鍋)などの
内容物の温度を表示させることができなかった。そのた
め、この断熱容器が携帯用魔法瓶や電気ポットである場
合には、ユーザは、飲料する前に液体の温度を確かめる
ことができず、様々な状況で不便な思いを感じることが
あった。また、保温調理鍋の場合、再加熱する時期や調
理の完了などの目安がないため、不便な思いを感じるこ
とがあった。
【0003】なお、この種の断熱容器は、持ち運びが便
利であり、何処でも使用できるようにすることを目的と
するものであるため、商用電源からの電力は使用できな
い。そのため、太陽電池を含む種々の電池を使用して内
部の温度を表示できるようにすることが考えられる。し
かし、太陽電池は、衝撃が加わることにより破損する可
能性が高いため、特に、携帯用断熱容器に適用するのは
現実的ではない。また、電池は、浸水などによる漏電や
故障を防止するために、確実な防水構造を設ける必要が
あるため、コスト高になるという問題がある。さらに、
電池として充電が不可能な1次電池を適用した場合に
は、電池交換が必要になるため、ユーザに煩わしさを感
じさせるという問題がある。また、充電が可能な2次電
池を適用した場合にはコスト高になるという問題があ
る。
【0004】そこで、本発明では、商用電源や電池を使
用することなく、かつ、電池交換などのメンテナンスを
することなく半永久的に内部の温度を確認できる断熱容
器を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の断熱容器は、断熱性を有する容器本体の内
部に、所定温度の液体や固体などの内容物を収容し、該
容器本体の上部を蓋体によって閉塞して前記内容物を保
温する断熱容器において、所定の負荷が加わることによ
り電力を発生させる発電手段と、前記容器本体内の温度
を検出する温度検出手段と、前記容器本体内の温度を表
示する表示手段と、前記発電手段で発生した電力によっ
て動作し、前記温度検出手段によって検出した温度を前
記表示手段に表示させる制御手段とを設けた構成として
いる。
【0006】前記断熱容器によれば、ユーザが容器本体
内の温度を確認する際には、所定の負荷を加えるだけで
その温度を表示させることができる。また、商用電源は
使用しないため、持ち運びが便利であり、何処でも使用
できるようにするという本来の目的を損なうことはな
い。さらに、電池を使用しないため、簡易的な防水構造
を設けるだけでよく、コストアップになることを防止で
きる。
【0007】前記断熱容器では、前記表示手段は、セグ
メント表示方式の液晶表示パネルであることが好まし
い。このようにすれば、ユーザが容器本体内の温度を簡
単かつ確実に確認できる。
【0008】また、前記容器本体は、内瓶と外瓶とから
なる二重容器であることが好ましい。このようにすれ
ば、確実な保温性能を確保できる。
【0009】また、前記発電手段は、応力が加わること
により、その応力を電力に変換する圧電素子を利用した
ものであることが好ましい。このようにすれば、ユーザ
が容器本体内の温度を確認する際には、単に軽く振るな
どして振動を加えるだけで圧電素子に対して所定の応力
を加え、所定時間、容器本体内の温度を表示させること
ができる。
【0010】または、前記発電手段は、一対の接触基板
に異なる温度が加わることにより、その温度差で発電す
る熱発電素子であり、該熱発電素子の第1接触基板に前
記容器本体の内瓶を介して内部の温度を伝熱させるとと
もに、第2接触基板に外気温度またはユーザの体温を伝
熱させるように構成している。
【0011】この場合、前記熱発電素子の第1接触基板
または第2接触基板を、対応する内瓶または外瓶に固着
するとともに、前記熱発電素子と対応する外瓶の少なく
とも一部を弾性的に変形可能に構成し、この変形により
前記熱発電素子の第2接触基板または第1接触基板を、
前記外瓶または内瓶に接触させるように構成することが
好ましい。このようにすれば、ユーザが容器本体内の温
度を確認する際には、外瓶の所定位置を押すだけで、そ
の温度を表示させることができる。
【0012】または、前記発電手段は、一対の接触基板
に異なる温度が加わることにより、その温度差で発電す
る熱発電素子であり、該熱発電素子を前記蓋体の内部に
配設し、その第1接触基板に容器本体内の温度を伝熱さ
せるとともに、第2接触基板に外気温度またはユーザの
体温を伝熱させるように構成してもよい。ここで、この
種の断熱容器において、構造的に完全な断熱構造とし難
い蓋体は、容器本体内の熱が外部へ最も漏れ易い部分で
ある。そのため、その漏れる熱と外気温度またはユーザ
の体温との温度差を利用し、前記熱発電素子で発電させ
ることにより、断熱効果を低下させることなく発電さ
せ、温度表示を行うことができる。しかも、蓋体は、そ
の構造が簡単であるため、熱発電素子を取り付けること
も比較的容易である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。図1および図2は、本発明の第1実
施形態に係る断熱容器である携帯用の魔法瓶1を示す。
この魔法瓶1は、高い断熱性を有する金属製真空二重容
器からなる上端開口の容器本体2を備え、この容器本体
2の上部に、開口を開閉可能に閉鎖する中栓3を配設す
るとともに、コップ兼用の蓋体4を配設したものであ
る。また、容器本体2の下部には、真空封止部2aを保
護するための底部材5が取り付けられている。
【0014】前記容器本体2は、ステンレス(SUS3
04)などからなり、上下を開口した筒状の内瓶6と外
瓶7とを備えている。これら内瓶6と外瓶7とは、それ
ぞれの上端の口部が溶接などにより接合されている。ま
た、内瓶6と外瓶7の底には、それぞれ底板6a,7b
が溶接により接合されている。さらに、これら内瓶6と
外瓶7との間には、輻射伝熱を防止するための銅または
アルミなどからなる金属箔8が配設されるとともに、こ
れらの間の空間内で発生したガスを吸着するためのゲッ
ター(図示せず)が配設されている。
【0015】本実施形態では、前記内瓶6と外瓶7との
間において、前記内瓶6の底には、内部の液体温度を検
出するための温度検出手段であるサーミスタ9が配設さ
れている。このサーミスタ9は、前記外瓶7に挿通孔を
設け、この挿通孔を通して後述する回路基板17と電線
10により接続されている。
【0016】また、前記容器本体2の外周部には収容ボ
ックス11が設けられている。この収容ボックス11に
は、液体温度を表示する表示手段として、セグメント表
示方式の液晶表示パネル12が配設されている。また、
この収容ボックス11内には、電力を発生させる発電機
構13および回路基板17が配設されている。
【0017】前記発電機構13は、図3に示すように、
ケーシング14の一端に配設した一対の圧電素子15
a,15bと、ケーシング14内を転動自在に配設した
球状体16とからなり、前記球状体16が圧電素子15
a,15bに衝突することによる応力で、所定電圧の交
流電力を発生するものである。この発電機構13は、前
記圧電素子15a,15bが回路基板17に接続されて
いる。なお、一対の圧電素子15a,15bは、ケーシ
ング14内の両端に配設し、発生させる電力を大きくし
てもよい。
【0018】前記回路基板17は、発電機構13に接続
され、該発電機構13で発生した交流電力を所定電圧の
直流電力に変換するダイオードブリッジ17aおよび電
解コンデンサ17bと、その直流電力により動作するマ
イコン18と、該マイコン18に接続された発振子17
cなどの周辺部品により構成されている。このマイコン
18は、前記液晶表示パネル12を動作させるドライバ
が内蔵された周知のものであり、電力が供給されると、
前記サーミスタ9から出力された温度信号を受信し、そ
の信号に基づく温度を液晶表示パネル12に表示させる
ものである。
【0019】前記構成の魔法瓶1を製造する際には、例
えば、外瓶7の挿通孔にサーミスタ9に接続した電線1
0を挿通した後、前記挿通孔を溶接により封止する。そ
して、内瓶6と底板6aとを溶接して接合した後、該内
瓶6を外瓶7内に挿入して互いの口部を接合する。つい
で、サーミスタ9を内瓶6の底板6aに接触するように
配置した後、外瓶7と底板7aとを接合する。その後、
外瓶7の内部から突出した電線10を回路基板17に接
続した後、該回路基板17、発電機構13および液晶表
示パネル12を配設した収容ボックス11を外瓶7の所
定位置に固着する。
【0020】前記構成の魔法瓶1では、ユーザが容器本
体2内の液体を飲料する前または使用する前に、容器本
体2を把持して振ることにより発電機構13で電力を発
生させ、その電力で容器本体2内の液体(お湯)の温度
を液晶表示パネル12に表示させることができる。
【0021】具体的には、容器本体2が振動すると、前
記発電機構13の球状体16がケーシング14内で転動
する。これにより、図4(A)に示すように、球状体1
6が圧電素子15aに当接して負荷Fを加える。これに
より、圧電素子15a,15bは、加えられた負荷Fに
より湾曲して互いに歪み、図4(B)に示すように、そ
の応力を電力に変換して+(プラス)電圧を発生させ
る。そして、その発生した電力を回路基板17に出力す
る。
【0022】ついで、前記圧電素子15a,15bは、
図4(C)に示すように、球状体16が離れることによ
り反動で逆向きに歪む。これにより、これら圧電素子1
5a,15bは、図4(D)に示すように、−(マイナ
ス)電圧を発生させ、その電力を回路基板17に出力す
る。
【0023】このように発生した交流電力は、ダイオー
ドブリッジ17aおよび電解コンデンサ17bで、マイ
コン18が動作可能な電圧の直流電力に変換され、その
直流電流を出力する。
【0024】このように直流電力が出力されると、サー
ミスタ9は、内瓶6を介して内部の液体の温度を検出
し、その温度信号をマイコン18に出力する。また、マ
イコン18は、サーミスタ9からの温度信号を受信する
と、その信号に応じた数値を液晶表示パネル12に表示
させる。なお、この液晶表示パネル12の表示は、ユー
ザが魔法瓶1を振るのを止め、圧電素子15a,15b
に対して負荷Fを加えることを停止するまで行われ、こ
の停止と同時に発電が停止して消灯する。
【0025】このように、本発明の魔法瓶1では、所定
の負荷を加えることにより、液晶表示パネル12に容器
本体2内の液体温度を表示できる。そのため、例えば、
内部に収容したお湯を乳児の粉ミルクに使用する場合な
ど、様々な状況で便利に使用できる。
【0026】また、本実施形態では、温度を確認するた
めに商用電源は使用しないため、持ち運びが便利であ
り、何処でも使用できるという本来の目的を損なうこと
はない。さらに、電池をも使用しないため、前記収容ボ
ックス11は、簡易的な防水構造を設けるだけでよく、
コストアップになることはない。さらにまた、液体温度
を液晶表示パネル12に表示させるため、ユーザは液体
温度を簡単かつ確実に確認でき、読み違いの恐れもな
い。
【0027】図5は第1実施形態の魔法瓶1の変形例を
示す。この魔法瓶1では、外瓶7に収容ボックス11は
設けずに、容器本体2の下部に取り付ける底部材5の周
壁に液晶表示パネル12を配設するとともに、底部材5
内に発電機構13およびマイコン18を実装した回路基
板17を配設した点でのみ、相違している。このように
構成しても、前記と同様の作用、効果を得ることができ
る。
【0028】図6は第2実施形態の魔法瓶1を示す。こ
の第2実施形態では、圧電素子15a,15bを利用し
た発電機構13の代わりに、一対の接触基板20a,2
0bに異なる温度が加わり、その温度差が約10〜20
℃で発電する熱発電素子19を利用した点で第1実施形
態と相違している。
【0029】具体的には、この熱発電素子19は、例え
ばシリコンからなる高温側である第1の接触基板20a
と低温側である第2の接触基板20bとを備え、これら
の間に熱起電力が大きい材料からなる複数のn型端子2
1とp型端子22とを交互に配設したものである。これ
らn型端子21とp型端子22とは、高温側の接触基板
20aの側において、1つのn型端子21が正端子23
と接続基板25によって接続され、1つのp型端子22
が負端子24と接続基板25によって接続され、他のn
型端子21およびp型端子22のうち、隣接する一対の
n型端子21とp型端子22とが接続基板25によって
接続されている。また、低温側の接触基板20bでは、
高温側で接続したものを除き、隣接する一対のn型端子
21とp型端子22とが接続基板25によって接続され
ている。
【0030】本実施形態では、内瓶6の一部に内方に窪
む凹部6bを設け、この凹部6b内に前記熱発電素子1
9の高温側の接触基板20aを固着している。そして、
前記正端子23および負端子24には電線26a,26
bが接続され、これら電線26a,26bがサーミスタ
9と同様に挿通孔を通して収容ボックス11内に配線さ
れている。
【0031】前記収容ボックス11には、第1実施形態
と同様に液晶表示パネル12が配設されている。また、
この収容ボックス11内には、第1実施形態と同様の回
路基板17と、昇圧器27とが配設されている。この昇
圧器27は、前記熱発電素子19から出力された電力を
マイコン18、液晶表示パネル12およびサーミスタ9
が動作可能な電圧まで昇圧する周知のものである。
【0032】この第2実施形態の魔法瓶1では、ユーザ
が飲料する前または使用する前に、容器本体2におい
て、前記熱発電素子19と対応する外瓶7の一部を外方
から押圧することにより、薄肉のステンレスからなる外
瓶7を弾性的に変形させ、熱発電素子19における低温
側の接触基板20bに接触させる。
【0033】これにより、熱発電素子19の高温側の接
触基板20aには、内瓶6を介して内部の液体の温度が
伝熱される。一方、低温側の接触基板20bには、外瓶
7を介してユーザの体温が伝熱される。その結果、各接
触基板20a,20b間に温度差が生じることにより、
n型端子21とp型端子22で直流電力が発生し、その
電力を昇圧器27に出力する。そして、この昇圧器27
では、前述のように、各部品が動作可能な電圧まで昇圧
し、その昇圧した電力を回路基板17に出力する。
【0034】その結果、第1実施形態と同様に、サーミ
スタ9が内瓶6を介して液体温度を検出し、その温度信
号に基づいてマイコン18が液晶表示パネル12に温度
を表示させることができる。
【0035】ここで、ユーザが外瓶7の押圧操作をして
いない状態では、低温側の接触基板20bは、高温側の
接触基板20aおよび端子21,22を介して液体温度
が伝熱していることにより、発電可能な温度差は生じて
いない。即ち、発電は生じないため、回路基板17およ
びマイコン18は動作せず、そのため、液晶表示パネル
12にも温度表示は行われない。
【0036】なお、この前記第2実施形態では、熱発電
素子19を内瓶6に固着したが、外瓶7に低温側の接触
基板20bを固着しておき、外瓶7の押圧操作により内
瓶6に高温側の接触基板20aを接触させるようにして
もよい。
【0037】図7は、第3実施形態の魔法瓶1を示す。
この第3実施形態の魔法瓶1では、液晶表示パネル12
を蓋体4に配設する構成としている。具体的には、この
蓋体4には、カバー部材28により閉塞される収容部2
9が設けられている。そして、この収容部29の上部に
位置する蓋体4の壁面に液晶表示パネル12が配設さ
れ、前記収容部29内に第1実施形態と同様の発電機構
13および回路基板17を配設している。また、蓋体4
には、サーミスタ9と接続するための電線30がインサ
ート成形されるとともに、開口側に接点31が設けられ
ている。一方、容器本体2には、前記接点31と対向す
る位置にサーミスタ9に接続した電線10に接続した接
点32が設けられている。このようにすれば、前記第1
実施形態と同様の作用、効果を得ることができるうえ、
容器本体2の外観を簡素化できる。
【0038】なお、この第3実施形態において、第2実
施形態に示す熱発電素子19を発電機構13として適用
する場合には、中栓3から漏出する熱気を利用すること
により、前記と同様に電力を発生させることができる。
ここで、この種の魔法瓶1は、容器本体2は真空二重構
造とされるため断熱性は高いが、構造的に完全な断熱構
造とし難い蓋体4は、容器本体2内の熱が外部へ最も漏
れ易い部分である。そのため、その漏れる熱と外気温度
またはユーザの体温の温度差を利用して発電させること
により、断熱効果を低下させることなく発電させ、温度
表示を行うことができる。しかも、蓋体4は、その構造
が簡単であるため、熱発電素子19を取り付けることも
比較的容易である。
【0039】なお、本発明の断熱容器は、前記実施形態
の構成に限定されるものではない。例えば、前記各実施
形態における液晶表示パネル12での表示形態は、所定
温度範囲に基づいて高温、適温、低温などの文字を一緒
に表示させてもよい。また、表示手段は液晶表示パネル
12に限られず、複数のLEDを設け、所定のLEDを
段階的に点灯させてもよい。
【0040】また、前記各実施形態では、本発明の断熱
容器として真空二重容器からなる魔法瓶1を適用した
が、内部空間を真空としない二重容器や、内部に断熱部
材を配設した保温容器であっても適用可能であり、前記
と同様の作用、効果を得ることができる。
【0041】さらに、本発明の断熱容器は魔法瓶1に限
られず、大型の保温ポットに適用しても同様の作用、効
果を得ることができる。この保温ポットに適用する場合
で、第1実施形態のように発電機構13として圧電素子
15a,15bを利用する場合には、その発電機構13
を持ち運び用のハンドルに配設し、このハンドルを握っ
たり操作したりすることで、圧電素子に振動が加えられ
るように構成することが好ましい。また、第2実施形態
に示す熱発電素子19を利用する場合には、第3実施形
態と同様に、熱発電素子19を蓋体に配設し、中栓から
漏出する熱と外気とを利用することにより、保温性能を
損なわず温度差による発電で内部の温度を表示すること
ができる。
【0042】さらに、本発明の断熱容器は、容器本体2
内に液体を収容するものに限られず、図8に示す保温調
理鍋に適用しても同様の作用、効果を得ることができ
る。
【0043】具体的には、この保温調理鍋50は、容器
本体51と、該容器本体51内に着脱可能に収容する鍋
52と、前記容器本体51の上端開口を閉塞する蓋体5
3とからなる。そして、ガスレンジなどの加熱器具で前
記鍋52を加熱した後、前記容器本体51内に収容して
蓋体53で閉塞することにより、所定温度に保温して調
理するものである。
【0044】前記容器本体51は、魔法瓶1と同様に、
内瓶54と外瓶55とからなる真空二重容器からなり、
その下端部には樹脂製の底部材56が取り付けられてい
る。
【0045】前記鍋52は、上面開口を閉塞する蓋52
aを備えている。
【0046】前記蓋体53は、上板57と下板58とを
組み合わせることにより構成されるもので、その外周部
には容器本体51とのロック機構59が設けられてい
る。この蓋体53の上面には、液晶表示パネル12が配
設されるとともに、内部には発電機構13およびマイコ
ン18を実装した回路基板17が配設されている。ま
た、蓋体53において、容器本体51内を臨む下面には
サーミスタ9が配設されている。
【0047】前記発電機構13としては、第1実施形態
と同様の圧電素子15a,15bがそれぞれ2つ適用さ
れ、これら圧電素子15a,15bへの負荷付与手段と
して、押圧部材60、ヒンジ機構61および操作部材6
2が配設されている。
【0048】この保温調理鍋50では、容器本体51内
に鍋52を収容させた状態で、前記操作部材62をユー
ザが操作することにより、ヒンジ機構61を介して押圧
部材60によって圧電素子15a,15bに衝撃を加え
て発電させることができる。そして、容器本体51内を
臨むように配設したサーミスタ9により容器本体51内
の温度を検出し、その検出温度を液晶表示パネル12に
表示させることができる。
【0049】そのため、ユーザは、内部に収容した鍋5
2を再加熱するタイミングを知ることができ、必要以上
に鍋52内の温度が低下することにより、調理に不具合
が生じることを防止できる。しかも、この保温調理鍋5
0は、蓋体53の構造が簡単であるため、前記のよう
に、サーミスタ9、液晶表示パネル12、発電機構13
および回路基板17を比較的容易に搭載でき、容器本体
51は従来と同一構成を維持できる。即ち、容器本体5
1は、従来の保温調理鍋と共用できるため、コストの低
減を図ることができる。
【0050】なお、この保温調理鍋50においても第2
実施形態に示す熱発電素子19を適用することができ
る。この場合、第3実施形態に示す魔法瓶1と同様に、
容器本体51による断熱効果を低下させることなく、鍋
52から漏れる熱と外気温度との温度差を利用して発電
させ、温度表示を行うことができる。しかも、蓋体53
は、その構造が簡単であるため、熱発電素子19を取り
付けることも比較的容易である。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の断熱容器は、所定の負荷が加わることにより電力を発
生させる発電手段を設け、その電力により容器本体内の
温度を検出して表示可能としている。そのため、例え
ば、この断熱容器が容器本体内に液体を収容する携帯用
の魔法瓶や保温ポットである場合には、内部に収容した
お湯を乳児の粉ミルクに使用するときの温度を知ること
ができる。また、断熱容器が保温調理鍋である場合に
は、内部に収容した鍋を再加熱するタイミングをユーザ
が知ることができる。そのため、様々な状況で便利に使
用できる。
【0052】また、商用電源は使用しないため、持ち運
びが便利であり、何処でも使用できるようにするという
本来の目的を損なうことはない。さらに、電池を使用し
ないため、簡易的なシール構造だけでよく、コストアッ
プになることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の断熱容器である魔法瓶を示す斜視図
である。
【図2】 第1実施形態の魔法瓶の部分断面図である。
【図3】 第1実施形態の構成を示す概略図である。
【図4】 (A)から(D)は圧電素子による発電を示
す概略図である。
【図5】 第1実施形態の魔法瓶の変形例を示す断面図
である。
【図6】 第2実施形態の魔法瓶の一部を示す断面図で
ある。
【図7】 魔法瓶の変形例を示す断面図である。
【図8】 他の断熱容器である保温調理鍋を示す断面図
である。
【符号の説明】
1…魔法瓶(断熱容器)、2…容器本体、3…中栓、4
…蓋体、6…内瓶、7…外瓶、9…サーミスタ(温度検
出手段)、12…液晶表示パネル、13…発電機構、1
5…圧電素子、16…球状体、17…回路基板、18…
マイコン(制御手段)、19…熱発電素子、20…接触
基板、21…n型端子、22…p型端子、27…昇圧
器。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱性を有する容器本体の内部に、所定
    温度の液体や固体などの内容物を収容し、該容器本体の
    上部を蓋体によって閉塞して前記内容物を保温する断熱
    容器において、 所定の負荷が加わることにより電力を発生させる発電手
    段と、 前記容器本体内の温度を検出する温度検出手段と、 前記容器本体内の温度を表示する表示手段と、 前記発電手段で発生した電力によって動作し、前記温度
    検出手段によって検出した温度を前記表示手段に表示さ
    せる制御手段とを設けたことを特徴とする断熱容器。
  2. 【請求項2】 前記表示手段は、セグメント表示方式の
    液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載
    の断熱容器。
  3. 【請求項3】 前記容器本体は、内瓶と外瓶とからなる
    二重容器であることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の断熱容器。
  4. 【請求項4】 前記発電手段は、応力が加わることによ
    り、その応力を電力に変換する圧電素子を利用したもの
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載の断熱容器。
  5. 【請求項5】 前記発電手段は、一対の接触基板に異な
    る温度が加わることにより、その温度差で発電する熱発
    電素子であり、該熱発電素子の第1接触基板に前記容器
    本体の内瓶を介して内部の温度を伝熱させるとともに、
    第2接触基板に外気温度またはユーザの体温を伝熱させ
    るようにしたことを特徴とする請求項3に記載の断熱容
    器。
  6. 【請求項6】 前記熱発電素子の第1接触基板または第
    2接触基板を、対応する内瓶または外瓶に固着するとと
    もに、前記熱発電素子と対応する外瓶の少なくとも一部
    を弾性的に変形可能に構成し、この変形により前記熱発
    電素子の第2接触基板または第1接触基板を、前記外瓶
    または内瓶に接触させるようにしたことを特徴とする請
    求項5に記載の断熱容器。
  7. 【請求項7】 前記発電手段は、一対の接触基板に異な
    る温度が加わることにより、その温度差で発電する熱発
    電素子であり、該熱発電素子を前記蓋体の内部に配設
    し、その第1接触基板に容器本体内の温度を伝熱させる
    とともに、第2接触基板に外気温度またはユーザの体温
    を伝熱させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれか1項に記載の断熱容器。
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Cited By (6)

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