JP2003088196A - 電動機の制御装置 - Google Patents
電動機の制御装置Info
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- JP2003088196A JP2003088196A JP2001271695A JP2001271695A JP2003088196A JP 2003088196 A JP2003088196 A JP 2003088196A JP 2001271695 A JP2001271695 A JP 2001271695A JP 2001271695 A JP2001271695 A JP 2001271695A JP 2003088196 A JP2003088196 A JP 2003088196A
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Abstract
特性に起因する制御の不安定さを回避し、安定した制御
が行える電動機の制御装置を提供する。 【解決手段】 電流検出手段の検出値及び回転子速度を
参照して電動機の端子間電圧値を推定する電圧推定器に
よって得られる電圧値から界磁電流補正値を演算して、
磁束指令値を界磁電流補正値で補正して界磁電流指令値
を演算する。また、補正前界磁電流指令値の符号を判断
し、補正前界磁電流指令値の正負の場合それぞれに対応
した界磁電流バイアス値を決定し、補正前界磁電流指令
値を界磁電流バイアス値で補正して界磁電流指令値を演
算する。
Description
されるリラクタンストルクのみ、もしくはリラクタンス
トルクおよびマグネットトルクを利用した電動機の制御
装置に関するものであり、特に界磁電流の制御方法に関
するものである。
や主軸制御用に適用される電動機の制御装置のブロック
図を示す。なお、説明の便宜上トルク指令値を発生する
上位制御装置や、界磁(以下d軸と記述する)電流指令
値と電機子(以下q軸と記述する)電流指令値を回転子
位置に従って位相分配する位相分配部およびベクトル演
算部、そして電力変換部は省略する。q軸電流演算部1
とd軸電流演算部2とを備え、それぞれq軸電流指令値
SIQCとd軸電流指令値SIDCを演算する。q軸電
流演算部1はトルク指令制限部13とトルク/q軸電流
変換部14とで構成され、上位制御装置よりトルク指令
値STCがトルク指令制限部13に与えられ、回転子速
度SPDに応じてトルク指令制限値が演算され、トルク
指令値STCとトルク指令制限値を比較し制限値以下に
クランプ処理を行うことで、補正後トルク指令値STC
Cが出力される。補正後トルク指令値STCCはトルク
/q軸電流変換部14にて次元変換され、q軸電流指令
値SIQCが出力される。d軸電流演算部2は、磁束指
令発生部91と磁束低減率演算部6と磁束/d軸電流変
換部12にて構成され、磁束指令発生部91は通常固定
値である磁束指令値SIDを発生し、磁束低減率演算部
6では回転子速度SPDを参照して磁束低減係数SKI
Dを演算し、前記磁束指令値SIDと乗ずることで磁束
指令値SIDC0とする。磁束指令SIDC0は磁束/
d軸電流指令変換部12で次元変換されd軸電流指令値
SIDCが出力される。
型電動機(RM)やリラクタンストルクとマグネットト
ルクを利用する永久磁石内装型電動機(IPM)は動作
原理上、一般の永久磁石型電動機の永久磁石の界磁に相
当するd軸電流の制御が必要である。特に数千回転以上
の高速回転用途に用いる場合、回転子内の界磁をd軸電
流の制御によって弱めなくては電源電圧に対して飽和現
象を起こしてしまい、電流の指令に対して振幅、位相共
に追従性の悪いものとなってしまい所望のトルクが得ら
れず、安定した制御が行えないという課題が発生する。
構造により、印加する電流が小さい場合にトルクが発生
しない、もしくは印加電流の変化が僅かであった場合に
はトルクの不感領域が生じてしまい、制御上応答性が悪
くなってしまい加減速時間が延びるばかりか、不感領域
と定常領域の境界領域でトルクリップルが大きくなり回
転ムラが発生するといった不具合が発生する。リラクタ
ンス力の発生原理は公知のように回転子内のd軸とq軸
の磁気抵抗差(インダクタンス差)によるものである。
そのため磁気抵抗差を設けるために回転子内にスリット
状の空隙を設けたり非磁性材料を挟み込んだりする工夫
が必要であるが、そのような構造にすることで回転子自
体が遠心力に対して弱くなるといったデメリットもあ
る。よって回転子強度を上げるために回転子外部やスリ
ット状の空隙部に機械的な橋絡部を設けることで強度を
増す方法をとることになるが同時に磁気的な橋絡部もで
きてしまう。また、橋絡部による磁気的な短絡を防ぐよ
うに回転子構造を工夫して回転子全体をモールドしたり
円環状の非磁性材による外部補強を行ったとしても固定
子と回転子の間には常に空隙が存在しており、磁気抵抗
差を利用してトルクを得るタイプの電動機では回転子の
外周部における磁気橋絡部および固定子−回転子間空隙
の磁気エネルギー伝達時の損失は常に存在することにな
る。その上、磁路を形成する軟磁性体のH−B(磁化力
−磁束密度)特性は電流が小さい(=Hが小さい)領域
では電流の変化に対する磁束密度の変化率が大きく、安
定な磁束を得ることができないという性質がある。以上
のような要因でトルクの不感帯が存在し、安定した制御
が行えないという課題が発生する。
あり、電圧飽和や回転子構造および軟磁性材の磁気特性
に起因する制御の不安定さを回避し、安定した制御が行
える電動機の制御装置を提供することを目的とする。
性体を有し回転方向に固定子巻線から見てインダクタン
ス変化を持つ回転子を備える電動機の制御装置であっ
て、回転子速度を検出する速度検出手段と、電動機へ供
給される電流を検出する電流検出手段と、上位制御装置
から指令されるトルク指令値から電機子電流指令値を演
算する電機子電流演算部と、前記回転子速度に応じて界
磁電流指令値が演算される界磁電流演算部と、を備える
電動機の制御装置において、前記界磁電流演算部は、前
記電機子電流指令値を参照して磁束指令値を演算する磁
束指令演算部と、前記電流検出手段の検出値及び前記回
転子速度を参照して電動機の端子間電圧値を推定する電
圧推定器を備え、該端子間電圧値から界磁電流補正値を
演算し、前記磁束指令値を該界磁電流補正値で補正して
前記界磁電流指令値を演算する界磁電流補正値演算部
と、を備える。
補正値演算部は、前記回転子速度を参照して演算された
磁束低減係数を前記界磁電流補正値で修正し、前記磁束
指令値をこの修正された磁束低減係数で補正して前記界
磁電流指令値を演算する。
回転方向に固定子巻線から見てインダクタンス変化を持
つ回転子を備える電動機に対して、上位制御装置から指
令されるトルク指令値から電機子電流指令値を演算する
電機子電流演算部と、前記回転子速度に応じて界磁電流
指令値が演算される界磁電流演算部と、を備える電動機
の制御装置において、前記界磁電流演算部は、補正前界
磁電流指令値の符号を判断し、この補正前界磁電流値の
正負の場合それぞれに対応した界磁電流バイアス値を決
定し、前記補正前界磁電流指令値をこの界磁電流電流バ
イアス値で補正して前記界磁電流指令値を演算する界磁
電流バイアス演算部を備える。
バイアス演算部は、電動機の界磁電流−界磁方向インダ
クタンス特性に基づいて前記界磁電流バイアス値を決定
する。
バイアス演算部は、前記回転子の磁化力−磁束密度特性
に基づいて前記界磁電流バイアス値を決定することで前
記目的を達成できる。
実施形態という)を、図面に従って説明する。特に断ら
ない限り同一要素、同一機能には従来技術を示す図10
と同一符号を付す。
制御装置のブロック図である。q軸電流演算部1は従来
技術と同等なので説明を省略する。d軸電流演算部2に
はq軸電流指令値SIQCとd軸電流検出値SIDD、
q軸電流検出値SIQD、回転子速度SPDが入力され
る。d軸電流演算部2内には大きく分けて、従来技術と
同等の機能を持つ磁束低減率演算部6と磁束/d軸電流
変換部12があり、さらに本発明の磁束指令演算部4、
界磁電流補正値演算部としての電圧バイアス演算部1
5、界磁電流バイアス演算部としての磁気抵抗バイアス
演算部16があり、電圧バイアス演算部15と磁気抵抗
バイアス演算部16はさらに詳細な制御ブロックに分け
ることが可能であるが、詳細な説明は後述する。
ロック図のフローに従って説明する。
QCが磁束指令演算部4に入力され、磁束指令演算部4
内ではq軸電流指令値SIQCを参照する関数に従い磁
束指令SIDを出力する。特に図示しないが、この磁束
指令SIDはq軸電流指令値SIQCに対して1次式や
2次式の関数を適用し、電動機の用途によっては一定値
をとることもある。また、q軸電流指令値SIQCに対
して任意のしきい値を設定し、しきい値を境にして関数
を変えても良い。例としてq軸電流指令値SIQCがし
きい値以下なら2次式、しきい値以上なら1次式、また
はしきい値以下が1次式、しきい値以上は一定値という
具合に設定可能である。
推定器3と電圧バイアス演算器5が備えられ、q軸電流
検出値SIQD、d軸電流検出値SIDD、そして回転
子速度SPDが電圧推定器3に入力される。図示はして
いないが電動機には回転子の位置を検出する位置検出器
が設けられており、回転子速度SPDは例えば回転子位
置の信号を微分して求められる。また、q軸電流検出値
SIQD及びd軸電流検出値SIDDは、例えば図示し
ていないが電動機に供給される3相交流電流値を検出
し、回転子位置信号を用いてd−q軸に座標変換を行う
ことで算出される。
QD、d軸電流検出値SIDD、回転子速度SPDと予
め設定してあるd軸、およびq軸インダクタンスの値を
参照して公知の電圧方程式に従ってd軸電圧、およびq
軸電圧を算出し、その合成電圧として電動機の端子間電
圧値SVDを出力する。
して電圧バイアス演算器5により演算される界磁電流補
正値としての電圧バイアス値SIDC1は、磁束低減率
演算部6により演算された磁束低減係数SKIDと加算
器11により加算され、その出力であるバイアス後低減
係数SKIDCは、磁束指令値SIDと乗算器9により
乗算され、補正前界磁電流指令値としての補正前磁束指
令値SID1となる。
前磁束指令値SID1の極性を符号判定器8により判別
して符号値SPNが磁気抵抗バイアス演算器7に入力さ
れ、磁気抵抗バイアス演算器7では符号値SPNの極性
に応じて決定された界磁電流バイアス値としての磁気抵
抗バイアス値SIDC2を出力する。この磁気抵抗バイ
アス値SIDC2は補正前磁束指令SID1と加算器1
0により加算され補正後磁束指令SID2として磁束/
d軸電流変換部12を介してd軸電流指令値SIDCを
出力する。
電流指令値SIQCは、例えば図示はしていないが、回
転子位置に従って座標変換されることで3相交流の電流
指令値に変換され、3相交流の電流指令値がインバータ
に供給されてPWM信号で電動機に供給される。
のモデル例を示す。なお説明の便宜上2極電動機を説明
するが、2n極(nは整数)も同様の原理である。
され、その中に磁気抵抗の高低差を設けるために非磁性
材もしくはスリット状の空隙29を設ける構造をとる。
通常、回転子28の外側に軟磁性材で構成される固定子
があり、その固定子に巻回された巻線に電流を印加する
ことで磁束を発生し、回転子内をその磁束を通過させる
ことで回転力を得ている。
い電流位相をd軸、磁束が通りにくい電流位相をq軸と
設定し、d軸上にある巻線CDP、CDNとq軸上にあ
る巻線CQPとCQNに図で示すような方向(○内に●
は手前方向の電流、○内に×は奥方向の電流)に電流を
印加すると磁束CMFが発生し、回転子28内をその磁
束が通過するため、より磁束が通りやすい方向へと回転
子28が動くため回転力RDを得ることになる。よっ
て、各d軸、q軸上の電流の大きさを制御することで回
転トルクを制御することが可能になる。
がないリラクタンス型電動機(RM)についてモデル化
したが、特に図示はしないが空隙29内に永久磁石を挿
入した永久磁石内装型(IPM)電動機についても同様
の制御が適用できる。ただし、その場合は永久磁石の磁
束成分をd軸上で制御することが必要になる。
の構造例を示す図である。回転子28を構成する軟磁性
材と空隙29の位置関係は(a)に示すように回転子2
8の外周と空隙29の間隔FB1が狭いと固定子から印
加される磁束CMFは各磁路に干渉しないで通過するこ
とが可能であるが、間隔FB1が狭いため回転子28自
体の強度を確保できない上、製造上補強が必要になると
いう工数の増加につながるため、強度を確保し、製造上
の工数も増加しない(b)に示すような回転子構造にな
る。
との間隔FB2は大きくなり磁気的に橋絡部分となって
しまうため、固定子からの磁束CMFの回転子28内で
の自由度は増し、橋絡部分ばかりか各磁路を通過しよう
として磁束が干渉する結果となってしまう。
的特性例を示す。(a)はd軸インダクタンスLdのd
軸電流Id(図1の制御ブロック上のSIDDと同等)
による特性を示す。特性曲線LD1は図3(a)の回転
子構造の場合のインダクタンス変化を示したものであ
り、特性曲線LD2は図3(b)の回転子構造の場合の
インダクタンス変化を示したものである。同様に(b)
はq軸インダクタンスLqのq軸電流Iq(図1の制御
ブロック上のSIQDと同等)による特性を示し、特性
曲線LQ1は図3(a)の回転子構造の場合のインダク
タンス変化を示したものであり、特性曲線LD2は図3
(b)の回転子構造の場合のインダクタンス変化を示し
たものである。
に磁気的な橋絡部が存在する回転子(図3(b))の場
合、d軸電流Idが小さい領域でインダクタンスLdの
変化がピーク値に対して下回っていることが確認でき、
また図4(b)ではq軸電流が小さい場合に逆に大きく
なることが確認できる。これは、回転子構造、特に回転
子外周部の磁気的な橋絡部によってd軸インダクタンス
Ldとq軸インダクタンスLqの特性が左右されること
を意味している。
機のトルクは、d軸インダクタンスをLd、q軸インダ
クタンスをLq、d軸電流をId、q軸電流をIqとす
ると、(Ld―Lq)×Id×Iqに比例することが知
られており、図4の(a)、(b)の特性から、d軸電
流Idとq軸電流Iqが小さい場合、d軸とq軸のイン
ダクタンス差が小さくなることが説明でき、よってトル
クも小さくなることが言える。
材のH−B(磁化力−磁束密度)特性図を示すが、磁化
力Hが小さい場合、特性曲線BHCが急峻に変化する領
域REG1が存在し、印加した電流に対して安定した磁
束が得られる領域REG2と比較すると制御的にも不安
定になりやすく、トルクも発生しにくいといった領域で
ある。参考までに、領域REG1内で制御する場合は印
加する電流に対して磁束の変化率が大きくトルクリップ
ルの原因となったり、回転ムラとなって不具合を起こす
場合がある。
絡部がない回転子構造の場合においても、回転子28を
構成する軟磁性材の磁気的な上記特性により、印加電流
が低い場合にトルクを発生しない、もしくは印加電流に
対するトルクが小さいなどの現象が確認される。
てバイアスをかけることで、上述のようなトルク低減領
域や制御不安定領域を回避するのが目的であり、図4
(a)内でのd軸電流バイアス値IDBIASや図5の
領域REG1とREG2との境の磁化力値から演算され
る電流値は、図1の制御ブロック図の磁気抵抗バイアス
演算部16で演算される磁気抵抗バイアス値SIDC2
に相当しており、これにより安定したd軸電流制御が得
られることになる。d軸電流バイアス値IDBIAS
は、例えば、Idを減少させていった場合に、d軸電流
Id−d軸インダクタンスLd特性の傾きが閾値以上と
なるIdに基づいて設定される。また、領域REG1と
REG2との境の磁化力値は、例えば、Hを減少させて
いった場合に、H−B(磁化力−磁束密度)特性の傾き
が閾値以上となるHあるいはH−B(磁化力−磁束密
度)特性の傾きの変化量が閾値以上となるHの値に設定
し、このHの値と、固定子巻線と回転子の磁束通過部と
の距離に基づいて磁気抵抗バイアス値SIDC2が設定
される。
示したものであり、本実施形態を適用した場合と適用し
ていない場合の電流−トルク特性曲線はそれぞれTQ1
とTQ2となり、q軸電流Iqが低い場合、特にδIq
の大きさの不感帯を回避することが可能になった。また
定常的にもバイアス分だけd軸電流を余分に流すためト
ルクが増加することになった。
アス演算部15の機能を説明するものであり、各ブロッ
ク図内での関数例を示し動作説明をする。図7(a)は
磁束低減率演算部6内での関数例を示しており、回転子
速度SPDを参照して磁束低減係数SKIDを演算す
る。図7(a)ではしきい値SPDBを境に一定値と回
転子速度SPDに対して反比例になるような関数に設定
してある。
内での関数例を示しており、電動機の端子間電圧値SV
Dを参照して電圧バイアス値SIDC1を出力する。図
7(b)ではしきい値SVDBを境に傾きが変わる1次
式で設定してある。
係数SKIDと電圧バイアス値SIDC1が加算される
が、加算器11は本実施形態においては負加算を行い、
実際には減算器として機能する。したがって磁束低減係
数SKIDから電圧バイアス値SIDC1が減算される
ことになる。
てあり、電動機端子間電圧が大きい場合に電圧バイアス
値SIDC1は大きくなるので図示するようにバイアス
後低減係数SKIDCは負の値になる場合もある。この
現象は動作的に誤りではなく、特に永久磁石内装(IP
M)型電動機のように予め回転子内に永久磁石等の界磁
成分を持つ場合に、d軸電流が弱め界磁として機能する
ことを意味するものである。
バイアス演算部16の内部関数を示し動作説明をするも
のである。なお説明の便宜上、磁束指令値SID=1の
場合に、図7(c)のバイアス後低減係数SKIDCが
乗算器9により乗算されることで補正前磁束指令SID
1とし、加算器10に入力されたものとする。
内での処理を説明したものである。磁気抵抗バイアス演
算器16へは補正前磁束指令SID1が符号判定器8に
より符号判定された符号値SPNが入力され、その符号
極性により正の場合、磁気抵抗バイアス値SIDC2=
正のバイアス値BIASPとして、負の場合は磁気抵抗
バイアス値SIDC2=負のバイアス値BIASNとし
て加算器10に出力される。
しい必要はなく、すなわち|正のバイアス値BIASP
|=|負のバイアス値BIASN|である必要はなく、
電動機の特性、回転子28を構成する軟磁性材の特性に
応じて数値を変更することができる。
て、磁気抵抗バイアス値SIDC2が補正された結果で
ある。曲線63と比較して曲線73は正負それぞれに正
の磁気抵抗バイアス値BIASP、負の磁気抵抗バイア
ス値BIASNが補正されている。以上のようにd軸電
流を磁気抵抗バイアス値で補正することで図4〜6を用
いて説明した効果が得られる。
演算部15の効果について説明した図であり、なお、処
理については図7で説明した通りである。図9(a)は
1相分の電流指令波形、電流応答波形を表示したもので
あり、本実施形態を適用しない場合、電流指令波形81
に対し電流応答波形82は位相が遅れ、振幅も応答して
いない。本実施形態を適用した場合、電流指令波形83
に対し電流応答波形84は、振幅、位相ともに追従でき
ている。なお、電流応答波形82、84に重畳している
リップルはPWM周波数と電流を印加する巻線インダク
タンスに依存するものであり、PWM周波数が高く、巻
線インダクタンスが高い(巻回数が大きい)電動機では
気にならなくなる。
したものであり、電源の電圧制限円85内で制御できて
いない場合(ベクトルVO)、図9(a)で示したよう
に電流指令波形81に対して電流応答波形82が追従し
ない結果となってしまう。本実施形態ではd軸電流に負
のバイアスをかける、すなわち電圧方程式ではd軸電流
Idが関係する項に着目し、巻線抵抗をRとしてd軸電
圧成分内でのR×Idの項、回転子の角速度をω、d軸
インダクタンスをLdとしてq軸電圧成分内でのω×L
d×Idの項に対して低減を行う(ベクトルVOD)。
特にq軸電圧の項に含まれるd軸インダクタンスLdが
大きなリラクタンス型電動機においては、d軸電流Id
の低減は電動機端子間電圧を低減するのに大きな効果が
得られる。
指令演算部に電機子電流指令演算部により演算される電
機子電流指令値を参照して磁束指令値を演算し、さらに
電流検出手段の検出値及び回転子速度を参照して電動機
の端子間電圧値を推定する電圧推定器によって得られる
電圧値から界磁電流補正値を演算して、磁束指令値を界
磁電流補正値で補正して界磁電流指令値を演算すること
で、電圧飽和による制御の不安定さを回避することが可
能になる。また、界磁電流指令演算部で補正前界磁電流
指令値の符号を判断し、補正前界磁電流値の正負の場合
の場合それぞれに対応した界磁電流バイアス値を演算
し、補正前界磁電流指令値を界磁電流バイアス値で補正
して界磁電流指令値を演算することで、電動機回転子の
磁気的な構造および材質の磁気特性に起因する電流−ト
ルクの非線形領域を回避することが可能になる。したが
って上記いずれかの構成をとることにより、安定した制
御性を持つ電動機の制御装置を得ることができる。
のブロック図である。
が適用される電動機のモデル図である。
が適用される電動機のモデルの詳細図である。
に適用される電動機のインダクタンス特性を示す図であ
る((a)d軸、(b)q軸)。
に適用される電動機を構成する軟磁性材のH−B(磁化
力−磁束密度)特性を示す図である。
の適用効果を説明する図である。
の制御ブロック内の関数例を示す図である。
の制御ブロック内の関数例を示す図である。
の適用効果を説明する図である。
である。
定器、4 磁束指令演算部、5 電圧バイアス演算器、
6 磁束低減率演算部、7 磁気抵抗バイアス演算器、
8 符号判定器、9 乗算器、10、11 加算器、1
2 磁束/d軸電流変換部、13 トルク指令制限部、
14 トルク/q軸電流変換部、15電圧バイアス演算
部、16 磁気抵抗バイアス演算部、28 回転子(軟
磁性材)、29 空隙(非磁性材)、61、62、63
関数、81、83 電流指令波形、82、84 電流
検出波形、91 磁束指令発生部、STC トルク指令
値、STCC 補正後トルク指令値、SIQC q軸電
流指令値、SIDC d軸電流指令値、SIQD q軸
電流検出値、SIDD d軸電流検出値、SPD回転子
速度、SID 磁束指令、SID1 補正前磁束指令、
SID2 補正後磁束指令、SKIDC バイアス後低
減係数、SIDC1 電圧バイアス値、SIDC2 磁
気抵抗バイアス値、SKID 磁束低減係数、SPN
符号値、SVD 端子間電圧値、CDP、CDN d軸
巻線、CQP、CQN q軸巻線、CMF 巻線磁界、
RD 回転力、FB1、FB2 回転子外周−スリット
間距離(橋絡部)、LD1、LD2 d軸インダクタン
ス特性、LQ1、LQ2q軸インダクタンス特性、BH
C、H−B(磁化力−磁束密度)特性、REG1、RE
G2 制御領域、TQ1、TQ2 発生トルク、BIA
SP、BIASNバイアス値、VO 補正前電圧ベクト
ル、VOD 補正後電圧ベクトル。
Claims (5)
- 【請求項1】 軟磁性体を有し回転方向に固定子巻線か
ら見てインダクタンス変化を持つ回転子を備える電動機
の制御装置であって、 回転子速度を検出する速度検出手段と、 電動機へ供給される電流を検出する電流検出手段と、 上位制御装置から指令されるトルク指令値から電機子電
流指令値を演算する電機子電流演算部と、 前記回転子速度に応じて界磁電流指令値が演算される界
磁電流演算部と、 を備える電動機の制御装置において、 前記界磁電流演算部は、 前記電機子電流指令値を参照して磁束指令値を演算する
磁束指令演算部と、 前記電流検出手段の検出値及び前記回転子速度を参照し
て電動機の端子間電圧値を推定する電圧推定器を備え、
該端子間電圧値から界磁電流補正値を演算し、前記磁束
指令値を該界磁電流補正値で補正して前記界磁電流指令
値を演算する界磁電流補正値演算部と、 を備えることを特徴とする電動機の制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の電動機の制御装置にお
いて、 前記界磁電流補正値演算部は、前記回転子速度を参照し
て演算された磁束低減係数を前記界磁電流補正値で修正
し、前記磁束指令値をこの修正された磁束低減係数で補
正して前記界磁電流指令値を演算することを特徴とする
電動機の制御装置。 - 【請求項3】 軟磁性体を有し回転方向に固定子巻線か
ら見てインダクタンス変化を持つ回転子を備える電動機
に対して、 上位制御装置から指令されるトルク指令値から電機子電
流指令値を演算する電機子電流演算部と、 前記回転子速度に応じて界磁電流指令値が演算される界
磁電流演算部と、 を備える電動機の制御装置において、 前記界磁電流演算部は、補正前界磁電流指令値の符号を
判断し、この補正前界磁電流値の正負の場合それぞれに
対応した界磁電流バイアス値を決定し、前記補正前界磁
電流指令値をこの界磁電流バイアス値で補正して前記界
磁電流指令値を演算する界磁電流バイアス演算部を備え
ることを特徴とする電動機の制御装置。 - 【請求項4】 請求項3に記載の電動機の制御装置にお
いて、 前記界磁電流バイアス演算部は、電動機の界磁電流−界
磁方向インダクタンス特性に基づいて前記界磁電流バイ
アス値を決定することを特徴とする電動機の制御装置。 - 【請求項5】 請求項3に記載の電動機の制御装置にお
いて、 前記界磁電流バイアス演算部は、前記回転子の磁化力−
磁束密度特性に基づいて前記界磁電流バイアス値を決定
することを特徴とする電動機の制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008522570A (ja) * | 2004-11-30 | 2008-06-26 | ルノー・エス・アー・エス | 熱エンジンを有する自動車の駆動組立体の制御方法 |
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JP2009124811A (ja) * | 2007-11-13 | 2009-06-04 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 永久磁石形同期電動機の制御装置 |
JP2009124876A (ja) * | 2007-11-15 | 2009-06-04 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 永久磁石形同期電動機の制御装置 |
JP2010081743A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Okuma Corp | リラクタンス型同期電動機の制御装置 |
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