JP2003088024A - モータおよびその製造方法 - Google Patents

モータおよびその製造方法

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JP2003088024A
JP2003088024A JP2001276303A JP2001276303A JP2003088024A JP 2003088024 A JP2003088024 A JP 2003088024A JP 2001276303 A JP2001276303 A JP 2001276303A JP 2001276303 A JP2001276303 A JP 2001276303A JP 2003088024 A JP2003088024 A JP 2003088024A
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coil
motor
peripheral surface
cylindrical
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JP2001276303A
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Tatsuo Fukuda
健生 福田
Hirohiko Owaki
洋彦 大脇
Takeshi Tsunoda
剛 角田
Fuminobu Furukawa
文信 古川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コギングが小さく、強いトルクを生じ、薄型
に構成できるモータおよびその製造方法を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 円筒状に形成された固定ヨーク3とその
円筒周面に配置されたコイル9とを有する電機子部と、
円筒状周面に複数の磁極が着磁されたマグネット6とを
有するモータであって、電機子コイルの展開形状がコイ
ル数と同じ数の長円を連ねた形状であることを特徴とす
るモータである。また、コーティング樹脂を半硬化の状
態で電機子コイルを作成し、電機子円筒の上面と底面に
折り曲げて形状を整えた後に、熱処理してコーティング
樹脂を完全硬化させることを特徴とするモータの製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円盤状媒体を回転
駆動するために用いられるモータであって、特に回転界
磁型のモータで、特に、電機子の構造に特長を有するモ
ータ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】円盤状媒体を回転駆動するために用いら
れるモータには滑らかな回転と簡単な構造から回転界磁
型のアウタロータ形式のモータが一般に用いられる。そ
こで、アウタロータ形式のモータを例にして従来の技術
を説明する。
【0003】なお、円盤状媒体とは中心孔を有する同心
円盤状媒体を指し、例えば、旧レコード(LP、EP
等)盤をはじめ、フロッピー(登録商標)ディスク、M
O、MD、PD、CD(ROM,R,RW)、DVD
(ROM,R,RW,RAM)等の媒体を意味する。こ
れらを包括する総称として、以下簡単にディスクと称す
るものとする。また、ディスクの回転駆動を目的とする
から、ディスクがジャケットに収納されているか否かを
問わずディスクと称する。
【0004】従来のモータの技術として、周対向モータ
(ラジアルギャップモータ)と、面対向モータ(アキシ
ャルギャップモータ)とについて、以下に説明する。
【0005】まず、図7は従来の周対向モータの斜視図
であり、図8は図7のX−X線断面図である。図7の斜
視図と図8の断面図に基づいて、従来の周対向モータの
構成を説明する。
【0006】12は渦電流を防止するために複数枚の珪
素鋼板を積層して接着接合されたスロット、9はスロッ
ト12に巻回され駆動電流が流されるコイル、6はスロ
ット12と対向するように配置されたマグネット、13
はディスクを載置して回転させるターンテーブル、2は
ターンテーブル13の中心軸を保持する軸受け、15は
ターンテーブル13にディスクを装着させるチャッキン
グユニットであり、一般にチャッキングボール16でデ
ィスクの中心位置を決めてディスクをターンテーブル1
3に密着させるものもある。
【0007】次に図9は、図7の回転動作説明図であ
る。図9において、周対向モータのマグネット6は内周
側と外周側にそれぞれ、S極とN極が分布するように着
磁されている。駆動電流をコイル9に通電すると右ねじ
の法則に従ってスロット12が電磁石となる。こうし
て、スロット12の磁極とマグネット6との間に反発
力、もしくは吸引力が発生する。ここで、複数のスロッ
ト12に取り付けられているコイル9に流す電流とその
タイミングを制御することにより、図9に示すように、
前記マグネット6とコイル9の間に発生する反発力、吸
引力を交互に発生させかつ切り替えて連続的に一定方向
へ推力を生じ、ロータマグネットであるターンテーブル
13を、回転させるものである。
【0008】次に、他の従来の技術として、面対向モー
タを説明する。図10は従来の面対向モータの斜視図、
図11は図10のY−Y線断面図、及び図12は図10
の回転動作説明図である。図10の斜視図、図11の断
面図において、9は駆動電流が通電されるコイルであ
る。そして、複数のコイル9をプリント基板に形成した
後、樹脂などの絶縁材料でコーティングしてコイル基板
20に一体に構成される。7は面対向用マグネットであ
って、コイル基板20と平行するように配置される。
【0009】また、図13は、図10のマグネットの着
磁分布図である。図13に示すように、面対向用マグネ
ット7は円周方向に複数の領域に分割して着磁される。
5は面対向用マグネット7に密着するように取り付けら
れた軟磁性体のバックヨークである。13はディスクを
載置して回転駆動するターンテーブル、2はターンテー
ブル13の中心軸を保持する軸受け、15はターンテー
ブル13にディスクを装着させるチャッキングユニット
である。一般に、チャッキングボール16でディスクの
中心位置を決め、さらにディスクをターンテーブル13
に密着させるものもある。
【0010】次に図12に基づいて、面対向モータの回
転動作を説明する。前述のように、面対向用マグネット
7は、上面側と下面側にそれぞれS極とN極が現れるよ
うに円周方向に分布して着磁されている。そこで、図1
1に示すように、面対向用マグネット7をターンテーブ
ル13とバックヨーク5により挟持するからアキシャル
(モータの回転軸)方向に磁束が生じる。さらに、コイ
ル9に駆動電流を通電すると、右ねじの法則に従ってコ
イル電流による磁束が生じる。
【0011】こうして、コイル電流による磁束と面対向
用マグネット7との間に反発力、もしくは吸引力が発生
する。ここで、複数のコイル9に流す電流とそのタイミ
ングを制御することにより、図12に示すように、面対
向用マグネット7とコイル9と間に発生する反発力、吸
引力を交互に発生させかつ切り替えて連続的に一定方向
へ推力を生じ、面対向モータにおいても周対向モータと
同様にロータマグネットであるターンテーブル13を回
転させるものである。そして、以上の周対向、面対向い
ずれの場合も、回転するターンテーブルによってディス
クを回転駆動し、ディスク装置として機能する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
た、従来のモータでは以下に説明するような問題点があ
った。すなわち、従来の周対向モータは、界磁のN、S
極と電機子の突極との間で磁気吸引力や反発力を利用し
て回転するのがモータ動作原理である。つまり、モータ
一周期中にその吸引と反発を繰り返す。その繰り返し
は、そのままトルク変動となりトルクむらとなる。この
トルクむらに関し、全トルクに対するトルクむら部分を
コギングと称する。一回転中のコギングの数はスロット
の数とマグネット着磁数で決まり、モータ回転中にその
周波数でコギングが発生する。以上の動作原理から、周
対向モータは回転に伴うコギングを避けられないものと
通常されていた。
【0013】また、コギングは、不要振動を起こす事も
ある。その不要振動が大きいと情報密度の高いディスク
情報の読み取りや書き込み時に大きな悪影響を及ぼすこ
とにつながっていた。そこで、その解決策として、磁気
による吸引および反発力を小さくすることが考えられ
る。そのために、マグネット材質に磁気特性が小さい材
質を選択したり、スロットとマグネット間距離を離した
り、スロット形状を変更したりする解決策が考えられた
が、どれもモータ効率を犠牲にすることにつながり、モ
ータのトルクダウンや消費電流大などモータ特性として
の性能を低減することになっていた。
【0014】特に、小型のディスクを使用する機器にあ
っては、小型の特徴を生かすためにさらに薄型で、しか
も強いトルクを発生することのできるモータが要求され
ている。
【0015】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、コギングが非常に小さく、しかも強
いトルクを生じることのできるモータで、薄型に構成す
ることの可能なモータおよびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を解
決するためになされたものであって、円筒状に形成され
た電機子ヨークと電機子ヨークの円筒周面に配置された
電機子コイルとを有する電機子と、円筒状に形成されそ
の円筒状周面に複数の磁極が着磁された界磁とを有し、
電機子ヨークの円筒周面と界磁の円筒状周面とを所定の
間隙を保って同心円状に配置するとともに、電機子コイ
ルは箔状の導体で巻回され導体を可撓性絶縁材で被覆し
て薄膜状に形成したモータであって、電機子コイルの展
開形状がコイル数と同じ数の長円を連ねた形状であるこ
とを特徴とするモータである。
【0017】また、樹脂基板上に箔状の導体でコイルパ
ターンを形成し、その上に絶縁性の樹脂でコーティング
された電機子コイルを使用したモータであって、コーテ
ィング樹脂を半硬化の状態で電機子コイルを作成する半
硬化ステップと、円筒状の電機子ヨークに巻回し半円部
分を電機子円筒の上面と底面に折り曲げて形状を整える
装着形成ステップと、熱処理してコーティング樹脂を完
全硬化させる硬化ステップとを有することを特徴とする
モータの製造方法である。
【0018】以上のモータ構成にすることによって、コ
ギングが非常に小さく、しかも強いトルクを生じること
のできるモータで、薄型に構成することの可能なモータ
を提供することかできる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1から請求項6に
記載の発明は、円筒状に形成された電機子ヨークと電機
子ヨークの円筒周面に配置された電機子コイルとを有す
る電機子と、円筒状に形成されその円筒状周面に複数の
磁極が着磁された界磁とを有し、電機子ヨークの円筒周
面と界磁の円筒状周面とを所定の間隙を保って同心円状
に配置するとともに、電機子コイルは箔状の導体で巻回
され導体を可撓性絶縁材で被覆して薄膜状に形成したモ
ータであって、電機子コイルの展開形状がコイル数と同
じ数の長円を連ねた形状であることを特徴とするモータ
である。
【0020】以上のようにモータを構成することによっ
て、コギングが非常に小さく、しかも強いトルクを生じ
ることのできるモータで、薄型に構成することの可能な
モータを提供することかできる。また、トルク発生に寄
与しないラジアル方向の導体を半円形状にすることによ
り、長方形巻のコイルに比較して、導体長さを短くする
ことができ、インピーダンスを下げることができる。ま
た、半円形状であるため、電機子ヨークの円筒の上面と
底面に折り曲げる事が可能となる。また、電機子コイル
のうちトルク発生に有効な導体長さを確保できると共
に、磁束密度の高い部分を有効利用できるため、モータ
の効率を高めることができる。さらに、コイル間をつな
ぐ配線のために、トルク発生に有効な導体長さを減らす
必要がなくなる。
【0021】本発明の請求項6に記載の発明は、樹脂基
板上に箔状の導体でコイルパターンを形成し、その上に
絶縁性の樹脂でコーティングされた電機子コイルを使用
したモータであって、コーティング樹脂を半硬化の状態
で電機子コイルを作成する半硬化ステップと、円筒状の
電機子ヨークに巻回し半円部分を電機子円筒の上面と底
面に折り曲げて形状を整える装着形成ステップと、熱処
理してコーティング樹脂を完全硬化させる硬化ステップ
とを有することを特徴とするモータの製造方法である。
【0022】この様な製造方法にすることにより、電機
子ヨークと電機子コイルの密着性を良好にすることがで
きる。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図に
基づいて説明する。本発明の特長を効果的に活用するこ
とのできるモータの種類として、ディスク駆動用のスピ
ンドルモータを例にして本発明を以下に説明する。な
お、説明に用いた例は本発明をスピンドルモータの用途
に限定的に解釈するものではない事は言うまでもない。
【0024】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1におけるモータの斜視図である。図2は、図1のA
−A線部分断面図である。図3は、図1のコイルの展開
形状とそのコイルパターンを示す図である。図1におい
て、1はモータの回転軸である。2は回転軸1のための
軸受けである。3は固定ヨークであって、回転軸1に対
し同心円状に配置し、軟磁性材料によって円筒状に形成
されている。4はコイルシートであって、図3に示すよ
うな展開形状とコイルパターンを有する。コイルシート
4は固定ヨーク3の円筒周面に密着して固定される。
【0025】5はバックヨークであって、マグネット6
がバックヨーク5に密着吸引することによりマグネット
6を保持するとともに、ラジアル方向の平面はターンテ
ーブル13の機能を有する。なお、ターンテーブル13
上に設けたチャッキングユニット15とチャッキングボ
ール16は従来の技術で説明したものと同様であるか
ら、同一名称と符号を付して説明の重複を省略する。マ
グネット6は円筒状に構成され、円筒周面の円周方向に
N/S交互に複数極を着磁している。マグネット6と固
定ヨーク3とは互いに所定の間隙を保って回転軸1の同
心円状に配置される。8はモータベースであって、軸受
け2や固定ヨーク3を固定している。
【0026】次に、本発明の特長である電機子(ステー
タ)部分について詳細に説明する。電機子部分は、固定
ヨーク3とコイルシート4とで構成される。先ず、固定
ヨーク3は高透磁率の軟磁性体を円筒状に形成する。磁
性材料で加工性と入手容易性から材質は炭素鋼、電磁
鋼、珪素鋼を一般的に使用する。その固定ヨーク3は円
柱形状に構成してもよい。この固定ヨーク3には磁束が
流れるので、そこで渦電流損失を軽減する目的で薄板状
に形成した軟磁性体を積層して使用しても良い。また、
固定ヨーク材質として量産時の経済性を考慮し、成形加
工が容易に出来る焼結材料を使用しても可能である。こ
の場合、フェライト系焼結材などが好適に用いられる。
【0027】また、固定ヨーク3の外周円筒部分は、外
径寸法精度や真円度を高精度に精密加工される。従っ
て、その周面は平滑で連続した周面に形成される。理由
は、後述する界磁部とのエアギャップを精度良く、かつ
狭い範囲内に維持するためである。固定ヨーク3が界磁
部であるマグネット6と対向する周面部は後述するコイ
ルシート4が装着される。その装着位置の確定と、確実
な固定のためコイルシート4の外形部にガイドする部分
を設けたり、コイルシート4の一部に孔部を設け、それ
に嵌合する突起部を固定ヨーク3に設けることも出来
る。
【0028】また、モータの回転を制御するために、回
転状態(回転中の磁束の変化や回転数など)をセンシン
グする手段が必要である。そのためのセンシング手段と
して、例えばホール素子などの磁気センサー(図示せ
ず)を数箇所取り付け、モータの回転状態をセンシング
してフィードバック制御する。また、界磁部であるマグ
ネット6とモータベース8下部の隙間にセンシング手段
配置し、マグネット6からの漏れ磁束を利用することに
よってセンシングすることも可能である。
【0029】次に、本発明の特徴である電機子部のコイ
ルシート4について説明する。図3は図1のコイルの展
開形状とそのコイルパターンを示す図である。図3にお
いて、(a),(b)2種類のコイルパターンがある
が、これは、この2種類のコイルを重ねることにより、
コイルの巻数を増加させるとともにコイル中央部分で導
通をとり、コイル引出し端子2箇所をコイルの外周部に
設けることができる。コイルシート4は、柔らかく可撓
性を有する素材、例えば、ポリエステルやポリイミドの
薄いベースフィルム上に、銅箔をエッチングやめっきな
どによりコイル9を形成し、その上に剥離防止やショー
ト防止などのために熱硬化性エポキシの薄いカバーフィ
ルムなどを形成する。
【0030】このコイルシート4を固定ヨーク3に巻き
つけ、図1に示したように固定する。図1からもわかる
ように、マグネット6に対向するコイル部分は、アキシ
ャル方向(軸方向)の直線部分の導体のみで形成され
る。後の回転動作でも説明するが、トルク発生に寄与す
るコイル部分は、この直線部であり、ラジアル方向(周
方向)の導体は、マグネット6と対向していてもトルク
発生に寄与しない。このため、この軸方向の直線部をで
きるだけ多くとるために、図3に示すような長円形のコ
イルが優れている。
【0031】図4は、本発明の実施の形態1における固
定ヨークとコイルシートの上面図と底面図である。図か
らもわかるように、底面図(b)にコイル端子がすべて
集まり、コイル間の結線を容易に実施することができ
る。図5は3相スター結線を実現する配線パターンを示
す図である。図中、17,18,19は、それぞれU,
V,W相の端子である。この配線パターンもポリイミド
などで作成することにより、一括で接続が可能となり、
生産性も向上する。
【0032】次に、界磁部について説明する。マグネッ
ト6は強磁性体を円筒状に形成する。固定ヨーク3と対
向する円筒状周面部は外径寸法精度や真円度を高精度に
精密加工される。従って、円筒状周面部は平滑で連続し
た周面に形成される。こうして、マグネット6と固定ヨ
ーク3(従って、その表面に配置されたコイルシート
4)とは互いにわずかなクリアランス(磁気ギャップ)
の間隙を保って回転軸1の同心円状に配置される。この
マグネット6の円筒状周面部は、円周方向にN・S・N
・S・・・と順に複数極が着磁されており、バックヨー
ク5はそのマグネット6の外周面に固定保持されてい
る。このバックヨーク5は、マグネット6と固定ヨーク
3のギャップ磁束密度を増加させるためのヨークとして
機能する。
【0033】続いて、本発明のモータの回転動作につい
て説明する。直流モータとして回転力が発生するのはフ
レミング(Fleming)の左手の法則による。図2の断面
図に示すように、マグネット6と固定ヨーク3間の磁界
中にコイルシート4が置かれている。このコイルシート
4のコイル9(銅箔)に電流が流れると、コイル9には
フレミングの左手の法則による電磁力が働く。すなわ
ち、マグネット6から固定ヨーク3に向かって通る(ラ
ジアル方向)磁束に対し、コイル9の銅線を流れる電流
のアキシャル方向(モータ軸と同じ向き)成分が上記磁
束を横切るから、コイル9の法線方向つまり回転方向に
電磁力の向きを生ずる。したがって、コイル9の銅線を
流れる電流のラジアル方向の成分は、回転方向に電磁力
の向きが生じない。
【0034】実際の電機子部は固定側にあるので、反作
用によって界磁部つまりマグネット6とバックヨーク5
が回転する。従って、回転界磁型となる。磁気センサー
の信号を用いてコイル9とマグネット6との位置関係に
基づいて、コイル9に通電する電流の向きとタイミング
とを順番に制御することにより回転する力が順番に発生
し、モータが回転し続ける。
【0035】なお、以上の説明は回転界磁型のアウタロ
ータモータを例にして説明した。しかし、本発明は回転
界磁型のアウタロータモータに限定するものでは無い。
ロータを内周に配置するか外周に配置するかは本発明の
主題とするものではなく、単なる構造上の配置に過ぎな
いから、本発明の構造を活かしてインナロータ構造にす
ることもまた可能である。さらにまた、界磁部分を固定
側に配置し、電機子部分を回転側に配置することもまた
同様に可能である。
【0036】以上のように構成された本発明のモータは
次のような顕著な効果を有する。先ず、固定ヨークが全
て連続の円周面で構成されて磁界変動がなく、しかも吸
引力や反発力で回転していないから、コギングの発生要
因が存在しないのでコギングレスである。
【0037】次ぎに、大きなトルクを生ずることができ
る。これは、構造上からマグネットと固定ヨークとの隙
間を狭くすることができ、ギャップ磁束密度を高く確保
することができるからである。また同様に構造上、ロー
タ(界磁部)の最外周付近でモータを回転させる電磁力
が発生するからモーメント(半径)が大きく取れるた
め、モータトルクを大きくすることができる。さらにま
た、コイルシートに構成するので、多数コイルにするこ
とが可能である。また、円筒状マグネットが外周に配置
しており、着磁する極数も増加できるから、トルク定数
の向上が図れ、モータトルクが大きくすることができ
る。
【0038】さらに、本発明の構成によればコイルは固
定ヨークに機械的に固定しているから剛体とする事が出
来るので、コイルの振動がほとんどなくなる。さらに、
マグネット6と固定ヨーク3とはともに高精度の真円度
有し、しかも周面上に凹凸が無いから風切り音も風損も
ほとんどなくなり、低振動および低騒音のモータとする
ことができる。
【0039】加えて、コイルシートを固定ヨークに密着
して直接取り付けることが出来るので、固定ヨークが放
熱作用の働きも兼ねる。従って、コイルの温度上昇を抑
制し、モータ使用条件が厳しい場合でも安定した回転動
作をすることができる。
【0040】さらに、本発明の構成を有するモータをデ
ィスク装置のスピンドルモータに使用することにより、
コギングのない滑らかなディスクの回転が得られる。従
って高密度記録媒体を安定して記録、再生することがで
きる。また、大きなトルクを有するから速やかな加減速
動作をすることができ、アクセスタイムの短縮と消費電
電力の削減をすることができる。
【0041】(実施の形態2)図6は、コイルシート貼
り付け方法を説明するフローチャートであって、固定ヨ
ーク3にコイルシート4を貼り付け固定するまでの工程
の流れを示す。本実施例では、素材として、25μm厚
ポリイミドに35μm厚の銅箔が貼り付けられた銅箔付
ポリイミドを使用した。この銅箔付きポリイミドにレジ
ストをスクリーン印刷で表面に形成し、エッチングを行
い、洗浄、乾燥で、図3の2種類のコイルパターンを作
成する。そして、コイル中央部とコイル引出し端子でス
ルーホールによる導通が必要な部分に穴をあける。
【0042】一方、接着用として、エポキシフィルムを
準備するが、スルーホールとなる部分にあらかじめ、穴
をあけておく。図3の(a)のパターン上に穴を合わせ
て、エポキシフィルムを貼り付け、その上に図3の
(b)のパターンを穴基準で貼り付ける。その後、スル
ーホール部分を半田で導通をとる。ここは、銀ペースト
やめっきなど導通が取れれば、どのような方法でもかま
わない。スルーホール導通処理後、上記で使用したエポ
キシフィルムを表裏に貼り付ける。
【0043】ここで、エポキシフィルムを半硬化状態に
するために、1回目の熱処理を行う。すなわち半硬化ス
テップである。今回は、60℃15分の熱処理を実施し
た。その後、長円形を連ねた形状へとカッティングを行
う。
【0044】その後、図1や図4で示したような形状へ
コイルシート4を固定ヨーク3に貼り付け、整形する。
すなわち整形装着ステップである。カッティングや整形
は、エポキシフィルムが半硬化状態であるため、充分フ
レキシブルで、実現が容易である。また、長円を折り曲
げる部分の外周側は、幾何学的にも少々あまる状態では
あるが、それを無視して、形を整えることができる。
【0045】仮にもし、半硬化状態にせずにカッティン
グや整形をすれば、重ねたポリイミドフィルムが剥がれ
たり、ずれたりして、実現することが困難になることが
ある。逆に、完全に硬化させてしまうとフレキシブル性
が無くなり、整形することができなくなる恐れがある。
【0046】その後、2回目の熱処理を行い、エポキシ
フィルムを完全に硬化させる。すなわち硬化ステップで
ある。今回は、130℃40分の熱処理を行った。ここ
で、完全に固定ヨーク3にコイルシート4が貼り付け固
定される。このような工程を施すことにより、固定ヨー
ク3へコイルシート4を非常に密着性良く、強固に貼り
付けることができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、コギングが非常に小さく、しかも強いトルクを生
じることのできるモータで、薄型に構成することの可能
なモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるモータの斜視図
【図2】図1のA−A線部分断面図
【図3】図1のコイルの展開形状とそのコイルパターン
を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における固定ヨークとコ
イルシートの上面図と底面図
【図5】本発明の実施の形態1における3相スター結線
を実現する配線パターンを示す図
【図6】コイルシート貼り付け方法を説明するフローチ
ャート
【図7】従来の周対向モータの斜視図
【図8】図7のX−X線断面図
【図9】図7の回転動作説明図
【図10】従来の面対向モータの斜視図
【図11】図10のY−Y線断面図
【図12】図10の回転動作説明図
【図13】図10のマグネットの着磁分布図
【符号の説明】
1 回転軸 2 軸受け 3 固定ヨーク 4 コイルシート 5 バックヨーク 6 マグネット 7 面対向用マグネット 8 モータベース 9 コイル 10 コイル中央導通部 11 コイル端子部 12 スロット 13 ターンテーブル 15 チャッキングユニット 16 チャッキングボール 17 U相端子 18 V相端子 19 W相端子 20 コイル基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古川 文信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H603 AA07 BB01 BB13 CA01 CA05 CB05 CB13 CB16 CC06 CC14 CC15 CC17 CC18 CD25 CE06 EE01 EE09 EE10 FA17 5H604 AA05 BB15 CC05 CC20 DB18 QA01 QB04 QB14 QC10 5H621 AA02 GA02 GB01 HH01 JK02 JK04 PP10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状に形成された電機子ヨークと前記電
    機子ヨークの円筒周面に配置された電機子コイルとを有
    する電機子と、円筒状に形成されその円筒状周面に複数
    の磁極が着磁された界磁とを有し、前記電機子ヨークの
    円筒周面と前記界磁の円筒状周面とを所定の間隙を保っ
    て同心円状に配置するとともに、前記電機子コイルは箔
    状の導体で巻回され前記導体を可撓性絶縁材で被覆して
    薄膜状に形成したモータであって、前記電機子コイルの
    展開形状がコイル数と同じ数の長円を連ねた形状である
    ことを特徴とするモータ。
  2. 【請求項2】電機子コイルの箔状の導体が2層以上の偶
    数層で積層されたことを特徴とする請求項1記載のモー
    タ。
  3. 【請求項3】電機子コイルの半円形部分を電機子円筒の
    上面と底面へ折り曲げ、コイル導体の直線部分のみがマ
    グネットと対向するように配置されたことを特徴とする
    請求項1または請求項2記載のモータ。
  4. 【請求項4】円筒状に形成された電機子ヨークと前記電
    機子ヨークの円筒周面に配置された電機子コイルとを有
    する電機子と、円筒状に形成されその円筒状周面に複数
    の磁極が着磁された界磁とを有し、前記電機子ヨークの
    円筒周面と前記界磁の円筒状周面とを所定の間隙を保っ
    て同心円状に配置するとともに、前記電機子コイルは箔
    状の導体で巻回され前記導体を可撓性絶縁材で被覆して
    薄膜状に形成したモータであって、前記電機子コイルの
    展開形状がコイル数と同じ数の長円を連ねた形状に形成
    し、前記電機子コイルの直線部分を前記円筒周面に軸方
    向に配置し前記電機子コイルの半円形部分を電機子円筒
    の上面と底面へ折り曲げて前記電機子コイルを形成した
    ことを特徴とするモータ。
  5. 【請求項5】複数のコイルの接続をコイルがある可撓性
    基板の外で行うことを特徴とする請求項1から請求項5
    のいずれか1に記載のモータ。
  6. 【請求項6】樹脂基板上に箔状の導体でコイルパターン
    を形成し、その上に絶縁性の樹脂でコーティングされた
    電機子コイルを使用したモータであって、コーティング
    樹脂を半硬化の状態で電機子コイルを作成する半硬化ス
    テップと、円筒状の電機子ヨークに巻回し半円部分を電
    機子円筒の上面と底面に折り曲げて形状を整える装着形
    成ステップと、熱処理してコーティング樹脂を完全硬化
    させる硬化ステップとを有することを特徴とするモータ
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013528345A (ja) * 2010-05-28 2013-07-08 タイコ・エレクトロニクス・ベルギー・イーシー・ビーブイビーエー フラット導電性トラックを備える電磁コイル構造、磁心および電磁角度センサ
CN114400811A (zh) * 2021-12-30 2022-04-26 华中科技大学 多盘电机定子线圈结构及包括该线圈结构的多盘电机

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