JP2003087561A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2003087561A
JP2003087561A JP2001274637A JP2001274637A JP2003087561A JP 2003087561 A JP2003087561 A JP 2003087561A JP 2001274637 A JP2001274637 A JP 2001274637A JP 2001274637 A JP2001274637 A JP 2001274637A JP 2003087561 A JP2003087561 A JP 2003087561A
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pixel value
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JP2001274637A
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Atsushi Ito
篤 伊藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏りなく濃度情報を配分して鮮鋭度の処理に
大きな影響を与えることなく、画像濃度情報の変動や欠
落を防止し、スクリーンパターンや繰り返しパターンの
消失を防止できる画像処理装置を提供する。 【解決手段】 入力された処理対象画像データの各画素
について、制御部12がフィルタ処理を行い、フィルタ
処理の結果として得られた仮の画素値と、当該画素につ
いて演算された累積補正値とを加算して仮画素値を演算
し、仮画素値を量子化して量子化画素値を得る。量子化
画素値を処理後の当該画素値として設定し、量子化画素
値と仮画素値との差を量子化誤差として周辺の画素の補
正値として伝播係数テーブルに基づいて伝播させ、累積
補正値に加算する画像処理装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル画像デ
ータを処理する画像処理装置に係り、特に、高画質化処
理に関する。
【0002】
【従来の技術】スキャナ装置などで入力されたディジタ
ル画像データは、光学的読み取り機構(CCDセンサ
等)の解像度の不足により、鮮鋭度が鈍り、エッジに
「ぼけ」が生じる場合がある。この「ぼけ」を改善し、
高画質化を図る処理として、画像データに含まれる空間
周波数のうち高周波の成分を強調するよう画像処理する
フィルタ処理が広く行われている。
【0003】一方、ディジタル画像データは通常、マト
リクス状に配列された画素によって画像を表現したもの
で、各画素は、所定階調(例えば256段階の濃淡)に
量子化されている。そのためフィルタ処理において、高
周波成分を強調する演算自体は、浮動小数点処理がされ
ていても最終的な画素値としては所定の階調値に量子化
されることとなる。すなわち、ディジタル画像データで
は、その画素配列の密度(解像度)や画素の値(階調
値)が量子化されているので、当該量子化の際に濃度情
報の一部が喪失し、いわゆるモアレを生じる。
【0004】また、複写機等においては印刷の際の解像
度(プリンタスクリーンの空間周波数)と、画像に含ま
れるスクリーンパターンや繰り返しパターンの空間周波
数との干渉によっても濃度情報(画素値の分布)に変動
が生じ、モアレが生じる。
【0005】これらの原因で生じるモアレを軽減するた
めに、フィルタ処理前の画素値と、フィルタ処理後の画
素値とを比較し、より黒に近い方の画素値を選択的に出
力して実際の画素値とする画像処理技術が、特開平11
−341284号公報、「画像処理装置」に開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のモアレ軽減のための画像処理技術では、フィルタ処
理の前後の画素値が処理結果の画像に混在することとな
る結果、画像濃度が局所的に変化してしまい、鮮鋭度が
十分に高くならず、画像データ上のスクリーンパターン
や繰り返しパターンまでもが消失してしまうという問題
点があった。
【0007】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、偏りなく濃度情報を配分して鮮鋭度の処理に大きな
影響を与えることなく、画像濃度情報の変動や欠落を防
止し、スクリーンパターンや繰り返しパターンの消失を
防止できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための請求項1記載の発明は、複数の画素からな
り、各画素の値が所定階調に量子化されている処理対象
画像に対して所定の画像処理を行う画像処理装置であっ
て、前記処理対象画像について、その各々の画素を順次
注目画素として選択する選択手段と、前記選択した注目
画素との関係において前記所定の画像処理を行い、その
結果を当該注目画素の仮画素値として演算し、前記仮画
素値を量子化して量子化画素値を演算する処理手段と、
前記量子化画素値と仮画素値との差を量子化誤差として
演算し、当該注目画素の周辺の画素の値を当該量子化誤
差に応じて変動させる補正手段と、を含むことを特徴と
している。
【0009】ここで、前記補正手段は、周辺の画素の値
の変動重みを伝播係数テーブルとして保持し、当該伝播
係数テーブルに基づいて量子化誤差を周辺の画素の値に
伝播させて変動させることが好ましい。
【0010】また、注目画素と隣接する画素との関係特
性を分析する手段と、前記分析の結果に基づき、前記伝
播係数テーブルに設定された変動重みを変更する手段
と、を含むことも好ましい。さらに、前記伝播係数テー
ブルに設定された変動重みを所定のタイミングで変更す
る重み変更手段をさらに有することも好ましい。さら
に、この所定のタイミングは、注目画素の選択時とする
こととしてもよいし、前記選択手段は、行ごとに、所定
処理方向に順次注目画素を選択し、前記所定のタイミン
グは、当該次の行への移行時であることとしてもよい。
なお、前記所定処理方向は、行ごとに変更されることと
するのも好ましい。
【0011】さらに、注目画素と隣接する画素との関係
特性を分析する手段をさらに含み、前記変更手段は、前
記伝播係数テーブルに設定された変動重みを前記分析の
結果に基づいて変更することも好適である。前記関係特
性は、エッジ特性であることとするのも好適である。さ
らに、前記変更手段は、前記伝播係数テーブルに設定さ
れた変動重みをランダムに変更することも好ましい。
【0012】上記従来例の問題点を解決するための本発
明は、複数の画素からなり、各画素の値が所定階調に量
子化されている処理対象画像に対し、所定の画像処理を
行う画像処理方法であって、前記処理対象画像につい
て、その各々の画素を順次注目画素として選択する選択
工程と、前記選択した注目画素との関係において前記所
定の画像処理を行い、その結果を当該注目画素の仮画素
値として演算し、当該仮画素値を量子化して量子化画素
値を演算する処理工程と、前記量子化画素値と仮画素値
との差を量子化誤差として演算し、当該注目画素の周辺
の画素の値を当該量子化誤差に応じて変動させる補正工
程と、を含むことを特徴としている。
【0013】上記従来例の問題点を解決するための本発
明は、複数の画素からなり、各画素の値が所定階調に量
子化されている処理対象画像に対し、所定の画像処理を
行う画像処理方法であって、前記処理対象画像につい
て、その各々の画素を順次注目画素として選択する選択
工程と、前記選択した注目画素との関係において前記所
定の画像処理を行い、その結果を当該注目画素の仮画素
値として演算し、当該仮画素値を量子化して量子化画素
値を演算する処理工程と、前記量子化画素値と仮画素値
との差を量子化誤差として演算し、当該量子化誤差に応
じて周辺の画素の値を変動させる工程であって、周辺の
画素の値の変動重みを伝播係数テーブルとして保持し、
当該伝播係数テーブルに基づいて量子化誤差を周辺の画
素の値に伝播させて変動させる補正工程と、を含み、補
正工程に先立ち、前記注目画素と隣接する画素との関係
特性を分析して、当該分析の結果に基づき、前記伝播係
数テーブルに設定された変動重みを変更することを特徴
としている。
【0014】また、上記従来例の問題点を解決するため
の本発明は、複数の画素からなり、各画素の値が所定階
調に量子化されている処理対象画像に対し、所定の画像
処理を行う画像処理プログラムであって、コンピュータ
に、前記処理対象画像について、その各々の画素を順次
注目画素として選択する選択手順と、前記選択した注目
画素との関係において前記所定の画像処理を行い、その
結果を当該注目画素の仮画素値として演算し、当該仮画
素値を量子化した量子化画素値を演算する処理手順と、
前記量子化画素値と仮画素値との差を量子化誤差として
演算し、当該注目画素の周辺の画素の値を当該量子化誤
差に応じて変動させる補正手順と、を実行させることを
特徴としている。
【0015】さらに、上記従来例の問題点を解決するた
めの本発明は、複数の画素からなり、各画素の値が所定
階調に量子化されている処理対象画像に対し、所定の画
像処理を行い画像処理プログラムであって、コンピュー
タに、前記処理対象画像について、その各々の画素を順
次注目画素として選択する選択手順と、前記選択した注
目画素との関係において前記所定の画像処理を行い、そ
の結果を当該注目画素の仮画素値として演算し、当該仮
画素値を量子化した量子化画素値を演算する処理手順
と、前記量子化値と仮画素値との差を量子化誤差として
演算し、当該量子化誤差に応じて周辺の画素の値を変動
させる手順であって、周辺の画素の値の変動重みを伝播
係数テーブルとして保持し、当該伝播係数テーブルに基
づいて量子化誤差を周辺の画素の値に伝播させて変動さ
せる補正手順と、補正工程に先立ち、前記注目画素と隣
接する画素との関係特性を分析して、当該分析の結果に
基づき、前記伝播係数テーブルに設定された変動重みを
変更する手順と、を実行させることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る画
像処理装置は、図1に示すように、入力部11と、制御
部12と、記憶部13と、出力部14と、から基本的に
構成されている。
【0017】入力部11は、例えばスキャナ等から画像
データの入力を受けて、当該画像データを制御部12に
出力する。この画像データは、複数の画素からなり、各
画素が所定の階調値(例えば256階調)に量子化され
ている。つまり、ここでいう量子化とは、画素値を段階
的な値のいずれかに設定することを意味する。
【0018】制御部12は、埋め込み型のマイクロコン
ピュータ、または一般的なパーソナルコンピュータであ
り、入力部11から画像データが入力されると、これを
処理対象画像データとして記憶部13に格納する。ま
た、この制御部12は、記憶部13に格納された画像処
理プログラムを用いて、処理対象画像データに対して所
定の画像処理を行い、その処理結果の画像データを記憶
部13に蓄積し、当該記憶部13に蓄積した処理結果の
画像データを出力部14を介して外部に出力する。この
制御部12による画像処理の内容については、後に詳し
く述べる。
【0019】記憶部13は、図1に示したように、フィ
ルタ係数記憶領域13aと、伝播係数記憶領域13b
と、画像データ記憶領域13cと、補正値記憶領域13
dとを含む。また、この記憶部13は、制御部12によ
り実行される画像処理プログラムを格納している。な
お、記憶部13は通常、次のように利用される。すなわ
ち、処理対象画像データの横幅がlxであり、画素値が1
バイトで表現されるとき、i,jの位置の画素の値は例え
ば、所定のオフセットアドレスからlx×j+iバイト目の
位置に格納される。つまり処理対象画像データのi,jの
位置の画素値は、画像データ記憶領域13cのオフセッ
トアドレスをmcとすると、lx×j+i+mcの位置に格納
され、これに対応する誤差値は、補正値記憶領域13d
のオフセットアドレス(mdとする)からlx×j+iバイ
ト目、つまりlx×j+i+mdの位置に格納される。
【0020】ここで制御部12による画像処理について
説明する。制御部12は、処理対象画像データから所定
の順序で順次画素を選択し、選択した画素注目画素とし
て、これとの関係において畳み込み演算などの画像処理
を行い、この画像処理の結果得られた画素の値(仮画素
値)を実際の階調値で量子化した値(量子化画素値)と
の差を量子化誤差として演算し、この量子化誤差を用い
て周辺の画素値を変動させる。例えば、隣接8画素にそ
れぞれ1/8=0.125ずつ量子化誤差Δを伝播させ
て、画素値を変動させることとすると、隣接画素につい
ての画像処理の結果に量子化誤差Δを0.125倍した
値を加算して仮画素値とする。なお、隣接8画素に量子
化誤差Δの値を伝播させるとすれば、図2に示すよう
に、特定の画素の仮画素値(画素Aの仮画素値)は、隣
接する8つの画素(画素B〜I)の画素についての量子
化誤差Δの値の演算がすべて完了してから決定されるこ
とになる。この場合、画素Aに対する周辺画素からの量
子化誤差の伝播の結果(累積された補正のための値、以
下「累積補正値」という)は、画素B〜Iについてそれ
ぞれ演算された量子化誤差Δの値の和となる。すなわ
ち、伝播係数テーブルは、周辺画素への量子化誤差Δの
分配量を示した変動重みを表すものである。
【0021】以下、この画像処理の具体的内容につい
て、処理される画素の順序に着目して、より簡便に処理
を行う例について説明する。すなわち、注目画素よりも
後で処理される画素に対して量子化誤差が伝播するよう
設定して、各画素の値を迅速に確定する場合について図
3を参照しながら説明する。
【0022】制御部12は、まず、補正値記憶領域13
dを初期化する(S1)。具体的には処理対象画像デー
タと同じサイズの領域を記憶部13内に確保して、これ
を補正値記憶領域13dとし、この領域内の値を「0」
にリセットする。
【0023】そして、制御部12は、記憶部13に格納
された処理対象画像データについて、画像データに含ま
れる画素を所定の処理順序で順次、注目画素として選択
する(S2)。ここではラインごとにx軸正の方向(i
の値をインクリメントする方向)へ順次選択するとす
る。制御部12は、選択した注目画素(例えばi,jの位
置にある画素)との関係において、当該注目画素の画素
値と、その周辺の画素のとの値Xとに対し、記憶部13
のフィルタ係数記憶領域13aに格納されているフィル
タ係数との畳み込み演算を行って、その結果を注目画素
の値Xijに対応する処理画素値Fijとする(S3)。制
御部12は、記憶部13内の対応する位置に格納された
補正値Eijを読み出して、処理画素値Fijに加算し、仮
画素値Aij=Fij+Eijを演算する(S4)。そして、
この仮画素値を量子化して量子化画素値Bijを演算し、
量子化画素値Bijを処理後の画像データとして記憶部1
3上の処理対象画像データの対応する画素値Xijに上書
きする(S5)。この処理S3〜S5の処理が本発明で
の所定の画像処理に相当し、処理S2を行う制御部12
が本発明の選択手段に、また処理S3〜S5を行う制御
部12が本発明の処理手段に相当する。
【0024】そして、量子化値Bijと仮画素値Aijとの
量子化誤差Δijを演算する。そして記憶部13の伝播係
数記憶領域13bに格納された伝播係数テーブルを参照
しながら、この量子化誤差Δijに基づいてi,jの周辺
の画素へ伝播させる量(周辺画素の変動量、すなわち補
正値)を演算する(S6)。
【0025】具体的に、図4(a)に示す伝播係数テー
ブルが記憶部13の伝播係数記憶領域13bに格納され
ているときには、i+1,jの位置にある画素に対し、
Δij×0.625とし、i±1,j+1の位置にある画
素に対しそれぞれ、Δij×0.125とし、i,j+1
の位置にある画素に対し、Δij×0.125の値が補正
値として設定され、それぞれ対応する補正値記憶領域1
3dの位置に格納されている値に加算される。すなわ
ち、処理S6により周辺の画素の値を変動させるための
補正値を演算する制御部12が、本発明の補正手段に相
当する。
【0026】そして制御部12は、選択していない画素
があるか否かを調べ(S7)、選択していない画素があ
れば(Yesならば)、処理S2へ戻って次の画素を注
目画素として選択する。また、処理S7において選択し
ていない画素がなければ(Noならば)、処理を終了す
る。これにより、処理対象画像データに置き換えて、処
理後の画像データが記憶部13の画像データ記憶領域1
3cに格納されているようになる。そして、制御部12
は、この処理後の画像データを出力部14を介して外部
に出力する。
【0027】また、処理S6において、注目画素ごとに
伝播係数テーブルに示された変動重みの値を変更するよ
うにしてもよい。すなわち、記憶部13の伝播係数記憶
領域13bに、図4に示すような複数の伝播係数テーブ
ルを格納し、これらのうち一つを選択して当該選択した
伝播係数テーブルに従って量子化誤差Δijを伝播させ
る。図4では、伝播の対象となる4つの画素のうち、い
ずれか一つにΔij×0.625だけの値を、残りの3つ
の画素にΔij×0.125だけの値を伝播させる場合を
4通り示している。制御部12は、処理S6において乱
数を発生させ、この乱数に基づき、いずれか一つをラン
ダムに選択すればよい。
【0028】このように伝播係数テーブルを所定のタイ
ミングで切り替えると、伝播方向が分散されて画素値の
分布が平均化し、偏りなく濃度情報を配分することがで
きるようになる。また、この所定のタイミングは画素ご
とに行うのではなく、各行内の画素には同じ伝播係数テ
ーブルを適用し、次の行に移る際に伝播係数テーブルを
切り替えるようにしてもよい。
【0029】さらに制御部12は、図5に示すように、
行ごとに処理方向を常にx軸正の向きとする通常の場合
(図5(a))だけでなく、交互にx軸正の方向と、負
の方向とを切り替えたり(図5(b))、ランダムに処
理方向を変更したり(図5(c))してもよい。例え
ば、処理S2において選択する注目画素が次の行に移る
際に乱数を発生させ、この乱数に基づき、処理方向をx
軸正の方向と負の方向とに切り替える。これによりさら
に偏りなく濃度情報を配分することができるようにな
る。
【0030】なお、この場合には、処理方向に応じて処
理方向がx軸正の方向である場合の伝播係数テーブル
(例えば図4に示したもの)と、負の方向である場合の
伝播係数テーブル(例えば図6)とを用い、決定した処
理方向に応じていずれかの伝播係数テーブルを使用す
る。また、伝播係数テーブルを所定のタイミングでラン
ダムに切り替えるときには、正、負の方向それぞれに複
数の伝播係数テーブルを設定しておき、処理方向が例え
ばx軸正の方向である場合は、正の方向の伝播係数テー
ブル群から一つを選択するというようにする。
【0031】さらに制御部12は、処理S6において適
用する伝播係数テーブルを注目画素と、その周囲の画素
との関係特性に基づいて変更してもよい。例えば、注目
画素が輪郭線上にあるときに、縦方向、横方向、左下か
ら右上への斜線方向、左上から右下への斜線方向のう
ち、どの向きの輪郭線かに応じて、輪郭線の方向特性
(エッジ特性)により強く伝播させるように伝播係数テ
ーブルを切り替えることで自然な濃度情報の配分を得る
ことができる。このように検出フィルタを用いて画像デ
ータの特性を演算することにより、制御部12が本発明
での関係特性を分析する手段を実現している。
【0032】具体的に制御部12は、処理S6に先だっ
て、図7(a)から(d)に示す検出用フィルタを用い
る。各検出用フィルタには、図7(e)から(h)に示
す伝播係数テーブルが関連づけられている。また、注目
画素が輪郭線上にない場合には図7(i)に示す伝播係
数テーブルを用いる。
【0033】制御部12は、注目画素と注目画素に隣接
する8画素とに適用して畳み込み演算を行い、各検出用
フィルタとの畳み込み演算結果の絶対値のうち、最も絶
対値が大きくなる検出用フィルタがどれであるかを特定
する。そして、当該最も大きい絶対値が事前に定められ
た所定の閾値より大であるか否かを調べ、大きいなら
ば、上記特定した検出用フィルタに関連づけられた伝播
係数テーブルを用いて処理S6を実行する。また、最も
大きい絶対値が事前に定められた所定の閾値より小さい
ならば、事前に定められた輪郭線にない場合の伝搬係数
テーブルを用いて処理S6を実行する。
【0034】なお、ここでは隣接画素との関係特性を分
析することとして、図7(a)から(d)に示すような
検出用フィルタを用いたが、隣接画素のみならず、さら
に外周の画素など、周辺の画素との関係特性を参照して
もよい。
【0035】また、図3の処理S6において、量子化誤
差Δは、隣接画素に伝播するようにしているが、隣接画
素とさらに外周の画素とを含んでなる周辺の画素へ伝播
することとしてもよい。
【0036】このように、本実施の形態に係る画像処理
装置では、入力部11から入力された処理対象画像デー
タが記憶部13に格納される。そして制御部12が処理
対象画像データを構成する各画素を所定の順序で選択
し、選択した画素を所定のフィルタによって畳み込み処
理する。また、先に演算された画素から伝播された累積
補正値を畳み込み処理の結果に加算して仮画素値を得
て、この仮画素値を階調値のいずれかに量子化して量子
化画素値を得る。そして、量子化画素値と仮画素値との
差である量子化誤差を演算し、この量子化誤差を伝播係
数テーブルの値に基づいて、後で処理される周辺の画素
への補正値として分配し、当該周辺画素の累積補正値に
当該補正値を加算して、量子化誤差(量子化による丸め
誤差)に基づき周辺画素の画素値を変動させた画像デー
タを生成し、これを出力部14を介して外部(例えばデ
ィスプレイやプリンタ等)に出力する。
【0037】本実施の形態によると、畳み込み演算など
の画像処理後、画素値を量子化することによって発生す
る真の値との量子化誤差(いわゆる丸め誤差)を、周辺
画素値を変化させることで拡散・伝播させるので、これ
により画像の濃度情報の欠落が防止され、モアレの発生
を抑制できる。また、ディジタル処理前の画素値が混同
しないので、鮮鋭度の向上処理(高周波強調処理)の結
果に大きな影響を与えることがなく、スクリーンパター
ンや繰り返しパターンの消失を防止し、モアレの発生を
抑制できる。
【0038】さらに本実施の形態においては、丸め誤差
の伝播の方向を所定のタイミングで変動させ、あるいは
画像の特性に応じて適応的に変動させるので、誤差拡散
の方向の偏りを少なくでき、より自然に濃度情報の欠落
を防止できる。
【0039】また、複数の画素に丸め誤差が伝搬され、
濃度分布が表現されるので、プリンタスクリーンの空間
周波数による濃度情報の欠損をある程度防止できる。
【0040】
【発明の効果】このように本発明によると、複数の画素
からなり、各画素の値が所定階調に量子化されている処
理対象画像に対して所定の画像処理を行う際に、処理対
象画像について、その各々の画素を順次注目画素として
選択し、その選択した注目画素との関係において前記画
像処理を行って仮画素値を演算し、さらに仮画素値を量
子化して量子化画素値を演算するとともに、量子化画素
値と仮画素値との差を量子化誤差として演算し、当該注
目画素の周辺の画素の値を当該量子化誤差に応じて変動
させる画像処理装置としているので、画素値を量子化す
ることによって発生する真の値との差(いわゆる丸め誤
差)を、周辺画素値を変化させることで拡散・伝播さ
せ、画像の濃度情報の欠落を防止して、スクリーンパタ
ーンや繰り返しパターンを消失させることなく、モアレ
の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構
成ブロック図である。
【図2】 画素の配置例を表す説明図である。
【図3】 制御部12の処理の例を表すフローチャート
図である。
【図4】 伝播係数テーブルの設定例を表す説明図であ
る。
【図5】 処理方向の変化の例を表す説明図である。
【図6】 処理方向が異なる場合の伝播係数テーブルの
一例を表す説明図である。
【図7】 画像特性に応じた伝播係数テーブルの設定例
を表す説明図である。
【符号の説明】
11 入力部、12 制御部、13 記憶部、14 出
力部。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の画素からなり、各画素の値が所定
    階調に量子化されている処理対象画像に対して所定の画
    像処理を行う画像処理装置であって、 前記処理対象画像について、その各々の画素を順次注目
    画素として選択する選択手段と、 前記選択した注目画素との関係において前記所定の画像
    処理を行い、その結果を当該注目画素の仮画素値として
    演算し、前記仮画素値を量子化して量子化画素値を演算
    する処理手段と、 前記量子化画素値と仮画素値との差を量子化誤差として
    演算し、当該注目画素の周辺の画素の値を当該量子化誤
    差に応じて変動させる補正手段と、 を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像処理装置におい
    て、前記補正手段は、周辺の画素の値の変動重みを伝播
    係数テーブルとして保持し、当該伝播係数テーブルに基
    づいて量子化誤差を周辺の画素の値に伝播させて変動さ
    せることを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の画像処理装置におい
    て、 注目画素と隣接する画素との関係特性を分析する手段
    と、 前記分析の結果に基づき、前記伝播係数テーブルに設定
    された変動重みを変更する手段と、 を含むことを特徴とする画像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の画像処理装置におい
    て、 前記伝播係数テーブルに設定された変動重みを所定のタ
    イミングで変更する重み変更手段をさらに有することを
    特徴とする画像処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の画像処理装置におい
    て、 前記所定のタイミングは、注目画素の選択時であること
    を特徴とする画像処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の画像処理装置におい
    て、 前記選択手段は、行ごとに、所定処理方向に順次注目画
    素を選択し、 前記所定のタイミングは、当該次の行への移行時である
    ことを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の画像処理装置におい
    て、 前記所定処理方向は、行ごとに変更されることを特徴と
    する画像処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項4または5に記載の画像処理装置
    において、 注目画素と、当該注目画素の周囲の画素との関係特性を
    分析する手段をさらに含み、 前記変更手段は、前記伝播係数テーブルに設定された変
    動重みを前記分析の結果に基づいて変更することを特徴
    とする画像処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の画像処理装置におい
    て、 前記関係特性は、エッジ特性であることを特徴とする画
    像処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項4から6のいずれかに記載の画
    像処理装置において、 前記変更手段は、前記伝播係数テーブルに設定された変
    動重みをランダムに変更することを特徴とする画像処理
    装置。
  11. 【請求項11】 複数の画素からなり、各画素の値が所
    定階調に量子化されている処理対象画像に対し、所定の
    画像処理を行う画像処理方法であって、 前記処理対象画像について、その各々の画素を順次注目
    画素として選択する選択工程と、 前記選択した注目画素との関係において前記所定の画像
    処理を行い、その結果を当該注目画素の仮画素値として
    演算し、当該仮画素値を量子化して量子化画素値を演算
    する処理工程と、 前記量子化画素値と仮画素値との差を量子化誤差として
    演算し、当該注目画素の周辺の画素の値を当該量子化誤
    差に応じて変動させる補正工程と、 を含むことを特徴とする画像処理方法。
  12. 【請求項12】 複数の画素からなり、各画素の値が所
    定階調に量子化されている処理対象画像に対し、所定の
    画像処理を行う画像処理方法であって、 前記処理対象画像について、その各々の画素を順次注目
    画素として選択する選択工程と、 前記選択した注目画素との関係において前記所定の画像
    処理を行い、その結果を当該注目画素の仮画素値として
    演算し、当該仮画素値を量子化して量子化画素値を演算
    する処理工程と、 前記量子化画素値と仮画素値との差を量子化誤差として
    演算し、当該差の値に応じて周辺の画素の値を変動させ
    る工程であって、周辺の画素の値の変動重みを伝播係数
    テーブルとして保持し、当該伝播係数テーブルに基づい
    て前記量子化誤差を周辺の画素の値に伝播させて変動さ
    せる補正工程と、を含み、 補正工程に先立ち、前記注目画素と隣接する画素との関
    係特性を分析して、当該分析の結果に基づき、前記伝播
    係数テーブルに設定された変動重みを変更することを特
    徴とする画像処理方法。
  13. 【請求項13】 複数の画素からなり、各画素の値が所
    定階調に量子化されている処理対象画像に対し、所定の
    画像処理を行う画像処理プログラムであって、 コンピュータに、 前記処理対象画像について、その各々の画素を順次注目
    画素として選択する選択手順と、 前記選択した注目画素との関係において前記所定の画像
    処理を行い、その結果を当該注目画素の仮画素値として
    演算し、当該仮画素値を量子化した量子化画素値を演算
    する処理手順と、 前記量子化画素値と仮画素値との差を量子化誤差として
    演算し、当該注目画素の周辺の画素の値を当該量子化誤
    差に応じて変動させる補正手順と、 を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  14. 【請求項14】 複数の画素からなり、各画素の値が所
    定階調に量子化されている処理対象画像に対し、所定の
    画像処理を行い画像処理プログラムであって、 コンピュータに、 前記処理対象画像について、その各々の画素を順次注目
    画素として選択する選択手順と、 前記選択した注目画素との関係において前記所定の画像
    処理を行い、その結果を当該注目画素の仮画素値として
    演算し、当該仮画素値を量子化した量子化画素値を演算
    する処理手順と、 前記量子化値と仮画素値との差を量子化誤差として演算
    し、当該差の値に応じて周辺の画素の値を変動させる手
    順であって、周辺の画素の値の変動重みを伝播係数テー
    ブルとして保持し、当該伝播係数テーブルに基づいて量
    子化誤差を周辺の画素の値に伝播させて変動させる補正
    手順と、 補正工程に先立ち、前記注目画素と隣接する画素との関
    係特性を分析して、当該分析の結果に基づき、前記伝播
    係数テーブルに設定された変動重みを変更する手順と、 を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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