JP2003086865A - 磁気抵抗素子とその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗素子とその製造方法

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望 松川
Akihiro Odakawa
明弘 小田川
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Mitsuo Satomi
三男 里見
Yoshio Kawashima
良男 川島
Masayoshi Hiramoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のSi半導体とモノリシック化するため
に熱処理しても、信頼性および安定性の低下を抑制でき
る磁気抵抗素子を提供する。 【解決手段】 330℃以上で熱処理する工程を含む方
法により製造され、かつ非磁性層の中心線から、一対の
強磁性層と非磁性層との間の界面までの最長距離が10
nm以下である磁気抵抗素子とする。この素子は、基板
上に下地膜を形成し、この下地膜を400℃以上で熱処
理し、この下地膜の表面にイオンビームを照射して表面
粗さを低減し、強磁性層および磁性層を形成して得るこ
とができる。非磁性層との界面から2nmの範囲の強磁
性層に、M1(Tc、Re、Ru、Os、Rh、Ir、
Pd、Pt、Cu、AgおよびAuから選ばれる少なく
とも1種)を添加しても、上記最長距離は相対的に低下
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ(HDD)等の磁気記録に用いられる磁気ヘッド
や、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)に用いら
れる磁気抵抗素子と、その製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】強磁性層/非磁性層/強磁性層を基本構
成として含む多層膜に非磁性層を横切るように電流を流
すと、磁気抵抗効果が得られる。非磁性層としてトンネ
ル絶縁層を用いるとスピントンネル効果が、非磁性層と
してCu等の導電性金属層を用いるとCPP(Current
Perpendicular to the Plane)GMR効果がそれぞれ得
られる。いずれの磁気抵抗効果(MR効果)も非磁性層
を挟む強磁性層の磁化相対角の大きさに依存し、前者は
両磁性層間に流れるトンネル電子の遷移確率が磁化相対
角に応じて変化することに、後者はスピン依存散乱が変
化することに、それぞれ由来すると説明されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気抵抗素子をデバイ
ス化する場合、特にMRAM(磁気ランダムアクセスメ
モリ)等の磁気メモリに用いる場合には、従来のSi半
導体とモノリシック化することが、コスト、集積度等の
観点から、必要となる。
【0004】Si半導体プロセスでは、配線欠陥を取り
除くために、高温で熱処理が行われる。この熱処理は、
例えば400℃〜450℃程度の温度で水素中において
行われる。しかし、磁気抵抗素子は、300℃〜350
℃以上の熱処理を行うと、MR特性が劣化する。
【0005】半導体素子の形成後に磁気抵抗素子を作り
込むことも提案されている。しかし、この提案に従う
と、磁気抵抗素子に対して磁界を加えるための配線等
を、磁気抵抗素子作製後に形成しなくてはならない。こ
のため、やはり熱処理を行わないと、配線抵抗にバラツ
キが生じ、素子の信頼性や安定性が低下する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の磁気抵抗
素子は、基板とこの基板上に形成された多層膜を含み、
この多層膜が一対の強磁性層とこの一対の強磁性層の間
に挟持された非磁性層とを含み、上記一対の強磁性層に
おける磁化方向がなす相対角度により抵抗値が異なる。
この磁気抵抗素子は、基板および多層膜を330℃以
上、場合によっては350℃以上、さらには400℃以
上、で熱処理する工程を含む方法により製造される。こ
の磁気抵抗素子では、非磁性層を厚さ方向に等分に分割
するように定めた中心線から、一対の強磁性層と非磁性
層との間の界面までの最長距離R1が20nm以下、好
ましくは10nm以下である。
【0007】ただし、最長距離R1は、長さを50nm
とする10本の中心線ごとについて定めた上記界面まで
の最長距離から、最大値および最小値を除いて8個の最
長距離を定め、さらに上記8個の最長距離の平均値をと
って定める。
【0008】本発明は、上記第1の磁気抵抗素子の製造
に適した方法も提供する。この製造方法は、基板上に、
上記強磁性層および上記非磁性層を除く上記多層膜の一
部を下地膜として形成する工程と、上記下地膜を400
℃以上で熱処理する工程と、上記下地膜の表面にイオン
ビームを照射してこの表面を平坦化する工程と、上記表
面上に、上記強磁性層および上記非磁性層を含む上記多
層膜の残部を形成する工程と、上記基板および上記多層
膜を330℃以上、場合によっては350℃以上、さら
には400℃以上、で熱処理する工程と、を含む。
【0009】本発明による第2の磁気抵抗効果素子は、
基板とこの基板上に形成された多層膜を含み、この多層
膜が一対の強磁性層とこの一対の強磁性層の間に挟持さ
れた非磁性層とを含み、上記一対の強磁性層における磁
化方向がなす相対角度により抵抗値が異なる。この磁気
抵抗素子は、基板および多層膜を330℃以上、場合に
よっては350℃以上、さらには400℃以上、で熱処
理する工程を含む方法により製造される。また、この磁
気抵抗素子では、一対の強磁性層と非磁性層との界面の
少なくとも一方から2nmの範囲における当該強磁性層
の組成が、式(FexCoyNiz)pM1qM2rM3
sAtにより表示される。
【0010】ただし、M1は、Tc、Re、Ru、O
s、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、AgおよびAuか
ら選ばれる少なくとも1種の元素であり、M2は、Mn
およびCrから選ばれる少なくとも1種の元素であり、
3は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、
W、Al、Si、Ga、Ge、InおよびSnから選ば
れる少なくとも1種の元素であり、Aは、B、C、N、
O、PおよびSから選ばれる少なくとも1種の元素であ
り、x、y、z、p、q、r、sおよびtは、それぞ
れ、0≦x≦100、0≦y≦100、0≦z≦10
0、x+y+z=100、40≦p≦99.7、0.3
≦q≦60、0≦r≦20、0≦s≦30、0≦t≦2
0、p+q+r+s+t=100を満たす数値である。
【0011】
【発明の実施の形態】実験により確認されたところによ
ると、高温での熱処理に伴って非磁性層の界面の平坦性
は低下し、この平坦性と素子のMR特性とには相関関係
が存在する。そこで、非磁性層の下地となる膜の処理お
よび/または上記界面近傍における組成の調整により、
熱処理後における非磁性層の界面を平坦化したところ、
素子のMR特性も向上した。
【0012】非磁性層の界面の「荒れ」のうち、MR特
性への影響が大きいのは、周期が比較的短い「荒れ」で
ある。図1(a)に示したように、強磁性層13,15
と非磁性層14との界面21,22には、大きな曲率半
径Rにより表示できる「うねり」が存在することがあ
る。しかし、このようにピッチの長い「うねり」はMR
特性にそれほど影響しない。素子のMR特性との関係を
より明確に把握するためには、長さ50nm程度の範囲
での界面の状態を評価することが望ましい。
【0013】図1(b)に示したように、本明細書で
は、MR特性との関係を把握するために、非磁性層14
を厚さ方向に等分に分割するように定めた中心線10を
基準線として用いることとした。この方法によれば、2
つの界面21,22の状態を同時に評価することができ
る。中心線10は、詳しくは、最小自乗法に基づいて定
めることができる。この方法では、図1(c)に拡大し
て示したように、中心線10上の点Piと、この点を通
るように定めた中心線10に対する垂線20と界面21
との交点Qiとの距離PiQi、点Piと同様にして定
めた界面22との交点Riとの距離PiRiとを考慮す
る。そして、これらの距離の2乗の和が等しくなる条件
(∫(PiQi)2dx=∫(PiRi)2dx)の下
で、∫(PiQi)2dxが最小になるように中心線1
0が定められる。
【0014】こうして中心線10を定めると、これに応
じて、中心線10と界面21,22との間の最長距離L
が求まる。本明細書では、測定誤差をできるだけ排除す
るために、任意に定めた10本の中心線についてそれぞ
れ10個の最長距離Lを定め、最大および最小の値(L
max,Lmin)を除く8個の最長距離Lについて、平均値
を算出し、この平均値を評価の尺度R1とした。
【0015】上記測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)
による断面像に基づいて行うとよい。簡易的な評価は、
非磁性層までで成膜を中止したモデル膜を減圧雰囲気中
でその場(in-situ)熱処理し、そのままの状態を保ち
つつ原子間力顕微鏡(AFM)により表面形状を観察す
ることにより行うこともできる。
【0016】なお、検討した範囲では、上記R1による
評価が、MR特性と非磁性層の平坦性との関係を把握す
るには最も適切である。ただし、界面の最小曲率半径に
基づく評価により、さらに良好に上記関係を説明できる
可能性はある。現時点では、TEM観察のためのサンプ
ル厚みの制御に限界があるため、厚みが十分薄い部分を
除いては界面が厚み方向に重なりがちとなる。このた
め、特に最小曲率半径が小さいサンプルでは、最小曲率
半径を明確に特定できない。しかし、TEM観察のため
のサンプルを作製する技術の進歩によっては、例えば5
0〜100nmの範囲で最小曲率半径を10ヵ所決定
し、上記と同様、その最大および最小の値を除いた8個
の値の平均値が、より適切な評価基準を提供する可能性
はある。
【0017】非磁性層の平坦性には、非磁性層とこれを
挟持する強磁性層との積層構造(強磁性層/非磁性層/
強磁性層)を成膜する表面を提供する下地膜の状態が影
響する。多層膜に一対の強磁性層を挟持する下部電極お
よび上部電極が含まれる場合、下地膜は下部電極を含む
ことになる。下部電極は、例えば100nm〜2μm程
度と比較的厚く形成されることが多いため、この電極が
少なくとも一部を構成する下地膜は、厚く形成すること
になる。厚膜化された下地膜の表面の平坦性や層内の歪
みは、その上に形成される非磁性層の平坦性に影響を及
ぼしやすい。
【0018】なお、下部電極は、単層膜に限らず、複数
の導電膜からなる多層膜であってもよい。
【0019】下地膜には400℃以上、好ましくは50
0℃以下の温度で熱処理を施すことが好ましい。この熱
処理により、下地膜の歪みを低減できる。熱処理は、特
に制限されないが、減圧雰囲気中またはAr等の不活性
ガス雰囲気中において行うとよい。
【0020】下地膜の表面に、低角度でイオンミリング
やガスクラスターイオンビームを照射すると、この表面
の粗さを抑制できる。イオンビームの照射は、イオンビ
ームが下地膜の表面への入射角を5°〜25°として行
うとよい。ここで、入射角は表面に垂直な方位を90
°、表面に平行な方位を0°として定める。
【0021】熱処理による結晶粒の成長等を考慮する
と、イオンビームの照射による平坦化処理は、熱処理の
後に行うとよい。イオンビームを処理する表面は、その
上に直接、強磁性層を形成する面であることが好ましい
が、他の層を介して強磁性層を支持する面であってもよ
い。
【0022】単結晶基板を用いると、R1が低い素子が
得られやすい。ただし、単結晶基板を使用しなくても、
下部電極へのイオンビームの照射等により、R1が小さ
い素子が得られることはある。非磁性層の平坦性には、
非磁性層の界面近傍における強磁性層の組成も影響す
る。
【0023】具体的には、一対の強磁性層と非磁性層と
の界面の少なくとも一方から2nmの範囲、好ましくは
4nmの範囲における当該界面に接する強磁性層の組成
を、下記式により表示される範囲とすると、R1が低い
磁気抵抗素子が得られやすい。
【0024】(FexCoyNiz)pM1qM2rM3
sAtただし、M1は、Tc、Re、Ru、Os、R
h、Ir、Pd、Pt、Cu、AgおよびAuから選ば
れる少なくとも1種の元素、好ましくはIr、Pd、P
tであり、M2は、MnおよびCrから選ばれる少なく
とも1種の元素であり、M3は、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Mo、W、Al、Si、Ga、Ge、
InおよびSnから選ばれる少なくとも1種の元素であ
り、Aは、B、C、N、O、PおよびSから選ばれる少
なくとも1種の元素である。
【0025】また、x、y、z、p、q、r、sおよび
tは、それぞれ、0≦x≦100、0≦y≦100、0
≦z≦100、x+y+z=100、40≦p≦99.
7、0.3≦q≦60、0≦r≦20、0≦s≦30、
0≦t≦20、p+q+r+s+t=100を満たす数
値である。
【0026】上記式では、p+q+r=100(s=
0,t=0)が成立してもよく、p+q=100(さら
にr=0)が成立してもよい。
【0027】元素M1が、非磁性層との界面近傍に含ま
れると、小さいR1が実現しやすくなる。元素M1の添
加により、330℃以上の熱処理後におけるMR特性
は、熱処理前と比較して、むしろ向上することがあっ
た。現時点で、元素M1の作用は十分に明らかではな
い。しかし、これら元素は酸素等に対して触媒効果を有
するため、元素M1により非磁性層を構成する非磁性化
合物の結合状態が強化され、その結果、バリア特性等が
改善した可能性はある。
【0028】元素M1の含有量が60at%を超えると
(q>60)、強磁性層における強磁性体としての機能
が低下するため、MR特性は劣化する。元素M1の好ま
しい含有量は、3〜30at%(3≦q≦30)であ
る。
【0029】元素M2は、酸化されやすく、かつ酸化さ
れると磁性を有する酸化物となる。元素M2は、反強磁
性層に使用されることがある。そして、熱処理により非
磁性層との界面近傍にまで拡散すると、界面近傍で酸化
物を形成し、特性を劣化させる可能性がある。しかし、
元素M2は、20at%以下であれば(r≦20)、元
素M1とともに存在する限りにおいて、MR特性の著し
い劣化をもたらさない。特に、元素M2の含有量が元素
1の含有量よりも少ない場合には(q>r)、MR特
性は、劣化せず、むしろ向上する場合があった。元素M
1とともに添加された場合には(q>0,r>0)、熱
処理後におけるMR特性の向上に元素M2が寄与してい
る可能性はある。
【0030】磁気抵抗素子をデバイスに用いる場合に
は、MR特性以外にも、軟磁気特性、高周波特性等の磁
気特性も重要となる。この場合には、適宜、元素M3
元素Aを上記範囲内で添加するとよい。
【0031】Fe、CoおよびNiは、含有量の合計が
40〜99.7at%であれば、その比率に制限はな
い。ただし、これら3元素がすべて存在する場合は、0
<x<100、0<y<100、0<z≦90(特に0
<z≦65)が好適である。FeとCoとの2成分系の
場合は(z=0)、5≦x<100、0<y≦95が好
適である。FeとNiとの2成分系の場合は(y=
0)、5≦x<100、0<z≦95が好適である。
【0032】組成の分析は、例えばTEMによる局所組
成分析により行えばよい。非磁性層の下方の強磁性層に
ついては、非磁性層までで成膜を停止したモデル膜を用
いて分析してもよい。この場合は、モデル膜に対して所
定温度で熱処理を行った後、適宜、非磁性層をミリング
により除去し、オージェ光電子分光、XPS組成分析等
の表面分析法により組成を測定すればよい。
【0033】図2および図3に磁気抵抗素子の基本構造
を示す。この素子では、基板1上に、下部電極2、第1
強磁性層3、非磁性層4、第2強磁性層5および上部電
極6がこの順に積層されている。強磁性層/非磁性層/
強磁性層の積層体を挟持する一対の電極2、6の間は、
層間絶縁膜7により絶縁されている。
【0034】磁気抵抗素子の膜構成は、これに限らず、
図4〜図11に示したように、他の層をさらに加えても
よい。なお、これらの図では、図示が省略されている
が、必要に応じ、下部電極が積層体の図示下方に、上部
電極が積層体の図示上方に配置される。これらの図に示
されていない層(例えば下地層や保護層)をさらに付加
しても構わない。
【0035】図4では、反強磁性層8が強磁性層3に接
するように形成されている。この素子では、反強磁性層
8との交換バイアス磁界により、強磁性層3は一方向異
方性を示し、その反転磁界が大きくなる。反強磁性層8
を付加することにより、この素子は、強磁性層3が固定
磁性層として、他方の強磁性層5が自由磁性層として機
能するスピンバルブ型の素子となる。
【0036】図5に示したように、自由磁性層5とし
て、一対の強磁性膜51,53が非磁性金属膜52を挟
持する積層フェリを用いてもよい。
【0037】図6に示したように、デュアルスピンバル
ブ型の素子としてもよい。この素子では、自由磁性層5
を挟むように2つの固定磁性層3,33が配置されてお
り、自由磁性層5と固定磁性層3,33との間に非磁性
層4,34が介在している。
【0038】図7に示したように、デュアルスピンバル
ブ型の素子においても、固定磁性層3,33を積層フェ
リ51,52,53;71,72,73としてもよい。
この素子では、固定磁性層3,33に接するように、そ
れぞれ反強磁性層8,38が配置されている。
【0039】図8に示したように、図4に示した素子に
おいて、固定磁性層3として、一対の強磁性膜51,5
3が非磁性金属膜52を挟持する積層フェリを用いても
よい。
【0040】図9に示したように、反強磁性層を用いな
い保磁力差型の素子としてもよい。ここでは、積層フェ
リ51,52,53が固定磁性層3として用いられてい
る。
【0041】図10に示したように、図8に示した素子
において、さらに自由磁性層5を積層フェリ71,7
2,73により構成してもよい。
【0042】図11に示したように、反強磁性層8の両
側に、それぞれ、固定磁性層3(33)、非磁性層4
(34)、自由磁性層5(35)を配置してもよい。こ
こでは、固定磁性層3(23)として、積層フェリ51
(71),52(72),53(73)を用いた例が示
されている。
【0043】基板1としては、表面が絶縁された板状
体、例えば、熱酸化処理されたSi基板、石英基板、サ
ファイア基板等を用いることができる。基板の表面は、
平滑であるほうがよいので、必要に応じ、ケモメカニカ
ルポリッシング(CMP)等の平滑化処理を行ってもよ
い。基板の表面には、予め、MOSトランジスター等の
スイッチング素子を作製しておいてもよい。この場合
は、スイッチング素子上に絶縁層を形成し、この絶縁層
にコンタクトホールを形成して、上部に作製する磁気抵
抗素子との電気的接続を確保するとよい。
【0044】反強磁性層8には、Mn含有反強磁性体や
Cr含有反強磁性体を用いればよい。Mn含有反強磁性
体としては、例えばPtMn,PdPtMn,FeM
n,IrMn,NiMnが挙げられる。これらの反強磁
性体からは、熱処理により、元素M2が拡散する可能性
がある。従って、非磁性層の界面近傍における元素M2
の好ましい含有量(20at%以下)を考慮すると、非
磁性層と反強磁性層との距離(図4におけるd)は、3
nm以上50nm以下が適当である。
【0045】多層膜を構成するその他の層にも、従来か
ら知られている各種材料を特に制限なく使用できる。
【0046】例えば、非磁性層2には、素子の種類に応
じて、導電性ないし絶縁性の材料を用いればよい。CP
P−GMR素子に用いる導電性非磁性層には、例えば、
Cu、Au、Ag、Ru、Crおよびこれらの合金を用
いることができる。CPP−GMR素子における非磁性
層の好ましい膜厚は、1〜10nmである。TMR素子
に用いるトンネル絶縁層に用いる材料にも特に制限はな
く、各種絶縁体または半導体を使用できるが、Alの酸
化物、窒化物または酸窒化物が適している。TMR素子
における非磁性層の好ましい膜厚は、0.8〜3nmで
ある。
【0047】積層フェリを構成する非磁性膜の材料とし
ては、Cr、Cu、Ag、Au、Ru、Ir、Re、O
sならびにこれらの合金および酸化物が挙げられる。こ
の非磁性膜の好ましい膜厚は、材料により異なるが、
0.2〜1.2nmである。
【0048】多層膜を構成する各層の成膜法にも特に制
限はなく、スパッタ法、MBE(Molecular Beam Epita
xy)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、パ
ルスレーザーデポジション法、イオンビームスパッタ法
等の薄膜作製法を適用すればよい。微細加工法として
は、公知の微細加工法、例えば、コンタクトマスクやス
テッパを用いたフォトリソグラフィ法、EBリソグラフ
ィ法、FIB(FocusedIon Beam)加工法等を用いれば
よい。
【0049】エッチング法としても、イオンミリングや
RIE(Reactive Ion Etching)等公知の方法を用いれ
ばよい。
【0050】従来の磁気抵抗素子においても、300℃
程度までの熱処理であれば、熱処理の後にMR特性が向
上することはあった。しかし、300〜350℃以上の
熱処理の後にはMR特性は劣化していた。本発明の磁気
抵抗素子は、従来の素子に対し、330℃以上の熱処理
後に優位な特性を示しうるが、350℃以上、400℃
以上と熱処理温度が高くなるにつれ、処理後の特性の相
違は歴然たるものとなる。
【0051】Si半導体プロセスを組み合わせることを
考慮すると、熱処理温度としては400℃付近を考慮す
る必要がある。本発明を適用すれば、400℃の熱処理
に対しても、実用的な特性を示す素子を提供できる。
【0052】上記のとおり、本発明によれば、330℃
以上、さらには350℃以上の熱処理により、MR特性
を、当該熱処理前よりも相対的に向上させた磁気抵抗素
子を提供できる。
【0053】熱処理によるMR特性向上の原因は十分に
解明されていないが、熱処理によって、非磁性層のバリ
アとしての特性が改善した可能性はある。一般に、バリ
ア中の欠陥が減少すればMR特性は良好になりうるし、
バリア高さが高くればMR特性は良好になりうるからで
ある。熱処理によるMR特性の向上は、非磁性層と強磁
性層との界面における化学結合状態の変化によりもたら
された可能性もある。いずれにしても、MR特性向上の
効果が300℃を上回る高温の熱処理によっても得られ
たことは、磁気抵抗素子のデバイスへの応用を考慮する
と、極めて重要である。
【0054】界面近傍における強磁性層の組成は、熱処
理する温度において、単一の相を形成する組成が適して
いる。
【0055】界面における組成と同じ組成を有する合金
を、通常の鋳造法で鋳込み、さらに不活性ガス中におい
て350℃〜450℃で24時間熱処理をした。この合
金をほぼ半分に切断し、断面を研磨し、さらに表面をエ
ッチングした。この表面の粒状態を、金属顕微鏡および
電子顕微鏡で観察した。また、上記の組成分析法やED
Xにより組成分布を評価した。その結果、適用した熱処
理温度で不均一な相を示す組成を用いると、長時間の熱
処理により、MR特性が劣化する確率が高いことが確認
できた。
【0056】バルクと薄膜とでは、界面の効果等によ
り、相の安定状態は異なるが、強磁性層の界面近傍の組
成、具体的には上記式により示される組成は、330℃
以上である所定の熱処理温度において、単一の相を形成
するものであることが好ましい。
【0057】
【実施例】(実施例1−1)単結晶MgO(100)基
板上に、下部電極として、膜厚100nmのPt膜をM
BEにより蒸着し、そのまま真空中において400℃3
時間で熱処理した。次いで、基板に対する入射角が10
〜15°となるように、イオンガンを用いてArイオン
を照射し、表面クリーニングおよび平坦化処理を行っ
た。
【0058】次いで、Pt膜上に、膜厚8nmのNiF
e膜をRFマグネトロンスパッタ法により成膜した。さ
らに、DCマグネトロンスパッタ法で成膜したAl膜
を、真空チャンバー内に純酸素を導入することにより酸
化して、AlOxバリアを作製した。引き続き、膜厚1
0nmのFe50Co50膜をRFマグネトロンスパッタ法
により成膜した。こうして、下部電極上に、強磁性層/
非磁性層/強磁性層(NiFe(8)/AlOx(1.2)/Fe50Co
50(10))からなる積層体を形成した。ここで、カッコ内
の数値は、単位をnmとする膜厚である(以下、同
様)。
【0059】さらに、フォトリソグラフィ法によるパタ
ーニングとイオンミリングエッチングにより、図1およ
び図2に示したと同様の構造を有する複数の磁気抵抗素
子を作製した。なお、上部電極にはCu膜をDCマグネ
トロンスパッタ法により、層間絶縁膜にはSiO2膜を
イオンビームスパッタ法により、それぞれ成膜した。
【0060】これら磁気抵抗素子について、磁界を印加
しながら直流四端子法により抵抗を測定することにより
MR変化率を測定した。MR変化率は、260℃1時間
熱処理後、300℃1時間熱処理後、350℃1時間熱
処理後、400℃1時間熱処理後にも測定した。また、
MR変化率の測定の後、各素子についてR1を測定し
た。結果を表1Aに示す。
【0061】
【表1】
【0062】(実施例1−2)NiFe膜に代えて、膜
厚6nmのNiFe膜と膜厚2nmのFe80Pt20膜と
の積層体を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、
複数の磁気抵抗素子を作製した。これらの素子は、NiFe
(6)/Fe80Pt20(2)/AlOx(1.2)/Fe50Co50(10)により
表示できる積層体を含んでいる。これらの磁気抵抗素子
について、上記と同様にしてMR変化率およびR1を測
定した。結果を表1Bに示す。
【0063】
【表2】
【0064】(比較例)比較のために、電極の熱処理と
イオンガンを用いた処理を行わなかった以外は、実施例
1−1と同様にして、複数の磁気抵抗素子を作製した。
これらの磁気抵抗素子について、上記と同様にしてMR
変化率およびR1を測定した。結果を表1Cに示す。
【0065】
【表3】
【0066】下部電極の表面処理を行わない従来の方法
では(表1C)、300℃を超える熱処理の後には、R
1はすべて20nmを超えた。
【0067】非磁性層近傍の磁性層にPtを加えると
(表1B)、Ptを加えない場合(表1A)と比較し
て、熱処理によるR1の増加が抑制されることが確認で
きる。また、Ptを加えることにより、R1が同じ範囲
であってもMR変化率は向上した。
【0068】(実施例1−3)基板としてSi熱酸化処
理基板を、下部電極として膜厚100nmのCu膜と膜
厚5nmのTa膜を、強磁性層/非磁性層/強磁性層の
積層体としてNiFe(8)/Co75Fe25(2)/BN(2.0)/Fe50Co
50(5)を用いた以外は、実施例1−1と同様にして複数
の磁気抵抗素子を作製した。なお、Cu膜およびTa膜
はRFマグネトロンスパッタリング法により、NiFe
膜およびCo75Fe25膜はそれぞれDCおよびRFマグ
ネトロンスパッタリング法により、BN膜は反応性蒸着
法により、Fe50Co50膜はRFマグネトロンスパッタ
リング法により、それぞれ成膜した。
【0069】これらの磁気抵抗素子について、上記と同
様にしてMR変化率およびR1を測定した。結果を表2
に示す。
【0070】
【表4】
【0071】(実施例1−4)基板としてSi熱酸化処
理基板を、下部電極として膜厚200nmのCu膜と膜
厚3nmのTiN膜を、強磁性層/非磁性層/強磁性層
の積層体として、NiFe(8)/Co75Fe25(2)/AlOx(2.0)/F
e50Co50(5)を用いた以外は、実施例1−1と同様にして
複数の磁気抵抗素子を作製した。なお、AlOx膜はプ
ラズマ酸化により形成した。
【0072】これらの磁気抵抗素子について、上記と同
様にしてMR変化率およびR1を測定した。結果を表3
に示す。
【0073】
【表5】
【0074】さらに、強磁性層として、Co70Fe30
Co90Fe10、Ni60Fe40、センダスト、Fe50Co
25Ni25、Co70Fe5Si1510等をそのままあるい
は多層化して用いても、非磁性層として、反応性蒸着に
よるAl23、AlN;プラズマ反応によるAlN;自
然酸化または窒化によるTaO、TaN、AlN等を用
いても、基本的には同様の結果が得られた。
【0075】また、図4〜図11に示したような構造の
磁気抵抗素子においても、基本的には同様の結果が得ら
れた。なお、非磁性層による接合(トンネルジャンクシ
ョン)が複数存在する素子では、最大のR1をその素子
のR1とした。これらの素子において、反強磁性層とし
ては、CrMnPt(膜厚20〜30nm)、Tb25
75(10〜20nm)、PtMn(20〜30n
m)、IrMn(10〜30nm)、PdPtMn(1
5〜30nm)等を、非磁性金属膜としてはRu(膜厚
0.7〜0.9nm)、Ir(0.3〜0.5nm)、
Rh(0.4〜0.9nm)等をそれぞれ用いた。
【0076】(実施例2)実施例1から、非磁性層近傍
の磁性層の組成により、MR変化率が変化することが確
認できた。そこで、本実施例では、実施例1と同様の成
膜法及び加工法を用いて作製した磁気抵抗素子につい
て、強磁性層の組成とMR変化率との関係を測定した。
【0077】強磁性層の組成は、オージェ光電子分光、
SIMS及びXPSにより分析した。図12(a)〜
(d)に示したように、組成は、層の界面近傍および層
の中心において測定した。界面の近傍では、界面から2
nmの範囲を測定対象とした。層の中心においても厚さ
方向の中心を含む2nmの範囲を測定対象とした。図1
2(a)〜(d)に示した「組成1」〜「組成9」は、
以下に示す各表における表示に対応している。また、図
12(a)〜(d)に示した素子の構造は、各表におけ
る素子タイプa)〜d)にそれぞれ対応している。
【0078】なお、非磁性層としては、ICPマグネト
ロンスパッタ法により成膜したAl膜を、純酸素と高純
度Arとの混合ガスをチャンバー内に導入して酸化した
Al 23膜(膜厚1.0〜2nm)を用いた。非磁性金
属層としてはRu膜(0.7〜0.9nm)を、反強磁
性層としてはPdPtMn(15〜30nm)をそれぞ
れ用いた。
【0079】また、いくつかの磁気抵抗素子において
は、強磁性層の組成や組成比が層の厚さ方向に変化する
ように成膜した。この成膜は、各ターゲットへの印加電
圧の調整等によって行った。
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】表4a)のサンプル1〜8により、0.3
〜60at%のPtの添加により300℃以上の熱処理
後のMR特性は、Ptを添加しないサンプルと比較し
て、向上したことが確認できる。特に、3〜30at%
程度の添加により、300℃以上の熱処理によってMR
特性は向上する傾向にあった。この傾向は、表4a)の
Co75Fe25を、Co90Fe10、Co50Fe50、Ni60
Fe40、Fe50Co25Ni25に置き換えた場合、Ni80
Fe20を、センダスト、Co90Fe10に置き換えた場
合、にも同様に確認できた。また、Ptを、Re、R
u、Os、Rh、Ir、Pd、Auに置き換えた場合に
も同様に確認できた。
【0085】表4b)のサンプル9〜16により、Pt
とPdを2:1の比率で合計0.3〜60at%、特に
3〜30at%、添加することにより、300℃以上の
熱処理後のMR特性が、添加しないサンプルと比較し
て、向上したことが確認できる。
【0086】添加する元素の比を、2:1から、10:
1、6:1、3:1、1:1、1:2、1:3、1:
6、1:10に変えても、同様の傾向が得られた。ま
た、(Pt、Pd)のPtをTc、Re、Ru、Rh、
Cu、Agに、PdをOs、Ir、Auにそれぞれ変え
ても、即ち(Pt、Pd)を含めて合計28通りの元素
の組み合わせにおいても、同様の傾向が得られた。ま
た、Ni60Fe40を、Co75Fe25、Fe50Co25Ni
25に置き換えた場合、Ni80Fe20を、センダスト、C
90Fe10に置き換えた場合、にも同様の傾向が得られ
た。
【0087】表4c)のサンプル17〜24により、I
r、Pd、Rhを2:1:1の比率で添加しても、表4
a)、b)と同様、MR特性が向上したことが確認でき
る。この傾向は、Irを1として、Pd、Rhそれぞれ
を0.01〜100の範囲で含有比率を変化させたとき
にも同様に確認できた。また、Co90Fe10を、Ni 80
Fe20、Ni65Fe25Co10、Co60Fe20Ni20に置
き換えた場合、Co75Fe25を、Co50Fe50、Fe60
40、Fe50Ni50に置き換えた場合、にも同様の傾向
が得られた。
【0088】さらに、元素の組み合わせとして、(I
r、Pd、Rh)に代えて、(Tc、Re、Ag)、
(Ru、Os、Ir)、(Rh、Ir、Pt)、(P
d、Pt、Cu)、(Cu、Ag、Au)、(Re、R
u、Os)、(Ru、Rh、Pd)、(Ir、Pt、C
u)、(Re、Ir、Ag)を用いた場合においても、
同様の傾向が得られた。
【0089】表4d)のサンプル25〜32において
も、表4a)〜c)と同様の傾向が得られた。これらの
サンプルの一部では、熱処理後に反強磁性層からMnが
拡散していることが確認できた。しかし、このMnの拡
散は、Ptの添加により抑制されている。これは、Pt
の添加によって、非磁性層の界面におけるMnの濃度を
制御できることを示している。なお、PtをTc、R
u、Os、Rh、Ir、Pd、Cu、Agに代えても、
同様の傾向が得られた。さらに、上記で述べた組成に強
磁性層を変更しても、同様の傾向が得られた。
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】
【表14】
【0095】
【表15】
【0096】
【表16】
【0097】
【表17】
【0098】
【表18】
【0099】
【表19】
【0100】
【表20】
【0101】
【表21】
【0102】
【表22】
【0103】
【表23】
【0104】
【表24】
【0105】
【表25】
【0106】
【表26】
【0107】
【表27】
【0108】
【表28】
【0109】表5a)に示したサンプルには、非磁性層
の界面近傍にReを添加した。表5a)によると、Re
の濃度は、3〜30at%が好ましい。しかし、ここで
は、Mnの拡散は抑制されていない。この原因の一つ
は、反強磁性層との界面付近にReが添加されていない
ためである。Reに代えて、Ru、Os、Rh、Ir、
Pd、Pt、Cu、Au等を用いても同様の傾向が得ら
れた。また、強磁性層を上記で述べた組成に変えても同
様の傾向が得られた。
【0110】表5b)に示したサンプルでは、非磁性層
の両側に別の元素が添加されている。この場合にも同様
の効果が得られた。表5b)のRuを、Tc、Re、R
h、Ir、Pd、Pt、Ag、Auに、OsをTc、R
e、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Auにそれぞれ変
えても、同様の効果が得られた。ここでも、強磁性層を
上記で述べた組成に変えたが、やはり同様の傾向が得ら
れた。
【0111】表5c)に示したサンプルでは、非磁性層
の界面の一方にのみPt、Cuが添加されている。この
場合にも同様の傾向が得られた。表の(Pt、Cu)
を、Tc、Re、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、A
u、(Ru、Ir)、(Pt、Pd)、(Pt、A
u)、(Ir、Rh)、(Ru、Pd)、(Tc、R
e、Ag)、(Ru、Os、Ir)、(Rh、Ir、P
t)、(Pd、Pt、Cu)、(Cu、Ag、Au)、
(Re、Ru、Os)、(Ru、Rh、Pd)、(I
r、Pt、Cu)、(Re、Ir、Ag)に変えても同
様の傾向が得られた。強磁性層を上記で述べた組成に変
えたが、ここでも同様の傾向が得られた。
【0112】表5d)〜表8a)にMnとPtを添加し
たときの結果を示す。表5d)はMn添加0at%に対
応する。表6a)〜表8a)は、Mnを0.2、0.
5、1、2、5、8、12、19、22at%添加した
ときにPtの添加量を変化させたときの結果を示したも
のである。
【0113】Ptが少ない領域では反強磁性層からの拡
散によるMnが界面にわずかに存在するが、Pt添加に
より拡散が制御されていることが確認できる。
【0114】表8b)〜d)には、複数の非磁性層を有
する素子についての測定結果が示されている。非磁性層
によるバリアが複数存在する場合にも、少なくとも一つ
の非磁性層の界面近傍の組成を制御することにより、熱
処理後のMR特性を改善できる。
【0115】表9a)に、MnおよびPtを含むサンプ
ルにおける350℃および400℃での熱処理後のMR
変化率を、MnおよびPtにおける添加量が0であるサ
ンプル(サンプル57)に対する比率としてまとめた。
【0116】ただし、表9a)において、Pt量および
(Pt+Mn)量は、熱処理前のサンプルにおける「組
成4」における各量である。
【0117】表9b)に、各Mn添加量においてPt添
加量が0であるサンプルのMR変化率に対する各サンプ
ルのMR変化率の比率を示す。
【0118】Ptの添加量が0.3〜60at%、Mn
の添加量が20at%以下の範囲、特にMn<Ptの範
囲で、良い特性が得られた。Mnが8〜5at%以下の
領域で、Mn<Ptでは、Mnとの同時添加によって、
Pt単独添加より特性が向上している可能性があるのが
みてとれる。Mnに代えて、Crや(Mn、Cr)を
1:0.01〜1:100の比率で添加した素子におい
ても、同様の傾向が得られた。また、Ptに代えて、表
4a)〜表5c)で用いた元素を添加しても同様の傾向
が得られた。また、表4で用いた強磁性層を用いても、
同様の傾向が得られた。
【0119】表4a)〜表9b)には示していないが、
さらにサンプル間の組成を有するいくつかの素子も作製
した。これらの素子についても、同様の傾向が見られ
た。
【0120】表4a)〜表9b)では400℃までの熱
処理の結果を示したが、いくつかのサンプルについて
は、400℃〜540℃の範囲において10℃刻みで熱
処理を行い、MR特性を測定した。その結果、Pt等の
添加元素M1の含有量を0.3〜60at%とした素子
からは、450℃までの熱処理後において、無添加の素
子と比較して優れたMR特性が得られた。特に添加量を
3〜30at%とすると、500℃までの範囲で、無添
加の素子と比較して優れたMR特性が得られた。
【0121】M1とともにMn、Cr(添加元素M2)を
同時に添加した素子でも、同様の測定を行った。その結
果、M1の含有量が0.3〜60at%であってM2<M
1とした素子からは、450℃までの熱処理後におい
て、相対的に優れたMR特性が得られた。また、M1
含有量が3〜30at%、M1の含有量が8at%未
満、M2<M1とした素子からは、無添加の素子と比較し
て、500℃までの熱処理後において、相対的に優れた
MR特性が得られた。
【0122】なお、以上では、非磁性層に自然酸化によ
るAlOxを用いた結果を示したが、非磁性層を、プラ
ズマ酸化によるAlO、イオンラジカル酸化によるAl
O、反応性蒸着によるAlO、自然窒化によるAlN、
プラズマ窒化によるAlN、反応性蒸着によるAlN、
プラズマ窒化または反応性蒸着によるBN、熱酸化、プ
ラズマ酸化またはイオンラジカル酸化によるTaO、熱
酸化、自然酸化またはプラズマ酸化によるAlSiO、
自然酸窒化、プラズマ酸窒化または反応性スパッタによ
るAlONとした場合においても、同様の傾向が得られ
た。
【0123】また、反強磁性層として、PdPtMnに
代えて、FeMn、NiMn、IrMn、PtMn、R
hMn、CrMnPt、CrAl、CrRu、CrR
h、CrOs、CrIr、CrPt、TbCoを用いた
場合にも、同様の傾向が得られた。
【0124】また、非磁性金属として、Ru(膜厚0.
7〜0.9nm)に代えて、Rh(0.4〜1.9n
m)、Ir(0.3〜1.4nm)、Cr(0.9〜
1.4nm)を用いた場合にも、同様の傾向が得られ
た。
【0125】また、素子構造についても、図示した各形
態について、基本的には、同様の傾向が得られた。
【0126】(実施例3)本実施例でも、実施例1、2
と同様の成膜法及び加工法を用いて磁気抵抗素子を作製
した。組成の測定方法は、実施例2と同様とした。
【0127】非磁性層としては、純酸素と高純度窒素と
の1:1混合ガスをチャンバー内に導入してAl膜を酸
窒化してAlON膜(膜厚1.0〜2nm)を作製し
た。非磁性金属膜としては、Rh(1.4〜1.9n
m)を用いた。反強磁性層としては、PtMn(20〜
30nm)を用いた。
【0128】素子構造及び強磁性層は、表5d)〜表8
a)に示したサンプルと同様とした。ただし、本実施例
では、PtおよびMnに加え、TaおよびNの添加効果
を測定した。
【0129】実施例2と同様、540℃までの熱処理後
の特性を調べたが、ここでは特徴的な350℃と400
℃の測定結果を示す。本実施例では、磁気特性として自
由層の保磁力を測定した。それぞれの界面の添加組成に
対する自由層の保磁力を、表10〜22に示す。
【0130】表中、保磁力を記載していないものは磁気
特性を測定できなかった。軟磁気特性はTa、Nの添加
により向上した。しかし、非磁性添加物が約70at%
以上となると磁気特性が測定できなかった。
【0131】表10、11、12、15、16、19、
20のサンプルでは、熱処理後のMR特性は、Ta、N
を添加しない素子と比較して、±10%以内となった。
これに対し、表13、17、21のサンプルでは10〜
20%程度MR特性が劣化し、表14、18、22のサ
ンプルでは50〜60%程度MR特性が劣化した。
【0132】なお、Taに代えて、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Mo、W、Al、Si、Ga、Ge、In、
Snを用いても同様の傾向が得られた。また、Nに代え
て、B、C、Oを用いても同様の傾向が得られた。
【0133】(実施例4)本実施例でも、実施例1、2
と同様の成膜法及び加工法を用いて磁気抵抗素子を作製
した。組成の測定方法は、実施例2と同様とした。
【0134】非磁性層としては、Oのイオンラジカル源
でAl膜を酸化して作製したAlOx(膜厚1.0〜2
nm)を用いた。非磁性金属層としては、Ir(1.2
〜1.4nm)を用いた。反強磁性層としては、NiM
n(30〜40nm)を用いた。
【0135】素子構造及び強磁性層は、表4〜表8に示
したサンプルと同様とした。ただし、本実施例では、P
t、Pr、Auを添加し、それぞれの熱処理後のMR特
性と、固溶状態が安定かを調べた。
【0136】固溶状態の判定のために、まず、350
℃、400℃、450℃、500℃の各温度で熱処理し
た素子における非磁性層の界面の組成を、AESデプス
プロファイル、SIMS、ミリング後のXPS分析等を
用いて決定した。次いで、該当する組成の合金サンプル
を別途作製し、350℃、400℃、450℃、500
℃で24時間減圧雰囲気(10-5Pa)で熱処理した。
この合金サンプルの表面を化学エッチングした後、金属
顕微鏡による組織観察を行った。また、エッチングの
後、さらに減圧雰囲気中でイオンミリングし、走査型電
子顕微鏡(SEM)による組織観察と、EDXによる面
内組成分析を行った。そして、これらの測定結果から、
単一の相状態になっているかを評価した。
【0137】熱処理温度および組成において対応する合
金サンプルについて、組成分布および複数の相が観察さ
れた場合、その合金サンプルに対応する素子の熱処理後
のMR特性は、M1等を添加しない素子と比較して、3
0〜100%程度向上した。一方、合金サンプルが単相
状態を示した場合、その合金サンプルに対応する素子の
熱処理後のMR特性は、添加元素がない素子と比較し
て、80〜200%程度向上した。また、単相状態が安
定な合金に対応する素子において、熱処理後のMR特性
はより良好となった。
【0138】(実施例5)実施例2の表4d)、5
a)、5b)、5c)、5d)のサンプルにおいて、熱
処理後に観察されたMnの拡散効果を、反強磁性層/強
磁性層の界面と強磁性層/非磁性層の界面との距離と、
熱処理温度とを適宜変更することにより制御した。ただ
し、熱処理温度は300℃以上とした。この制御は、熱
処理後に非磁性層の界面におけるMnを20〜0.5a
t%の範囲とすることを目標に行った。その結果、上記
距離が3nm未満では、Pt等の元素を添加しても、熱
処理後には磁性元素(Fe,Co、Ni)の含有量が4
0at%以下となり、その結果、MR特性も著しく劣化
した。一方、上記距離が50nmを上回る場合には、界
面におけるMnの含有量を0.5at%増加させるため
だけにでも400℃以上の温度を要した。また、上記距
離が長すぎるため、反強磁性層による強磁性層の磁化方
向の固定効果が十分に得られず、熱処理後のMR特性が
著しく劣化した。
【0139】
【表29】
【0140】
【表30】
【0141】
【表31】
【0142】
【表32】
【0143】
【表33】
【0144】
【表34】
【0145】
【表35】
【0146】
【表36】
【0147】
【表37】
【0148】
【表38】
【0149】
【表39】
【0150】
【表40】
【0151】
【表41】
【0152】
【表42】
【0153】
【表43】
【0154】
【発明の効果】本発明によれば、高温で熱処理しても、
信頼性および安定性が低下しにくい磁気抵抗素子を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(c)は、最長距離R1を説明する
ための断面図である。
【図2】 本発明の磁気抵抗素子の一形態の平面図であ
る。
【図3】 本発明の磁気抵抗素子の一形態の断面図であ
る。
【図4】 本発明の磁気抵抗素子の基本構成の一例を示
す断面図である。
【図5】 本発明の磁気抵抗素子の基本構成の別の一例
を示す断面図である。
【図6】 本発明の磁気抵抗素子の基本構成のまた別の
一例を示す断面図である。
【図7】 本発明の磁気抵抗素子の基本構成のさらに別
の一例を示す断面図である。
【図8】 本発明の磁気抵抗素子の基本構成のまたさら
に別の一例を示す断面図である。
【図9】 本発明の磁気抵抗素子の基本構成のまた別の
一例を示す断面図である。
【図10】 本発明の磁気抵抗素子の基本構成のさらに
別の一例を示す断面図である。
【図11】 本発明の磁気抵抗素子の基本構成のまたさ
らに別の一例を示す断面図である。
【図12】(a)〜(d)は、それぞれ、実施例で作製
した磁気抵抗素子の一部の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部電極 3,5 強磁性層 4 非磁性層 6 上部電極 7 層間絶縁膜 8 反強磁性層 51,53,71,73 強磁性膜 52,72 非磁性金属膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/32 H01F 10/32 41/14 41/14 H01L 43/10 H01L 43/10 43/12 43/12 (72)発明者 杉田 康成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 里見 三男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川島 良男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 平本 雅祥 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA03 5E049 AA01 AA04 AA07 BA12

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と前記基板上に形成された多層膜を
    含み、前記多層膜が一対の強磁性層と前記一対の強磁性
    層の間に挟持された非磁性層とを含み、前記一対の強磁
    性層における磁化方向がなす相対角度により抵抗値が異
    なる磁気抵抗素子であって、 前記基板および前記多層膜を330℃以上で熱処理する
    工程を含む方法により製造され、 前記非磁性層を厚さ方向に等分に分割するように定めた
    中心線から、前記一対の強磁性層と前記非磁性層との間
    の界面までの最長距離が20nm以下である磁気抵抗素
    子。ただし、前記最長距離は、長さを50nmとする1
    0本の中心線ごとについて定めた上記界面までの最長距
    離から、最大値および最小値を除いて8個の最長距離を
    定め、さらに上記8個の最長距離の平均値をとって定め
    る。
  2. 【請求項2】 前記基板が単結晶基板である請求項1に
    記載の磁気抵抗素子。
  3. 【請求項3】 前記非磁性層がトンネル絶縁層である請
    求項1に記載の磁気抵抗素子。
  4. 【請求項4】 前記多層膜が、一対の強磁性層を挟持す
    るように配置された一対の電極をさらに含む請求項1に
    記載の磁気抵抗素子。
  5. 【請求項5】 前記最長距離が3nm以下である請求項
    1に記載の磁気抵抗素子。
  6. 【請求項6】 前記界面の少なくとも一方から前記非磁
    性層と反対側に2nmだけ進んだ範囲における組成が、
    式(FexCoyNiz)pM1qM2rM3sAtによ
    り表示される請求項1に記載の磁気抵抗素子。ただし、
    1は、Tc、Re、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、
    Pt、Cu、AgおよびAuから選ばれる少なくとも1
    種の元素であり、M2は、MnおよびCrから選ばれる
    少なくとも1種の元素であり、M3は、Ti、Zr、H
    f、V、Nb、Ta、Mo、W、Al、Si、Ga、G
    e、InおよびSnから選ばれる少なくとも1種の元素
    であり、Aは、B、C、N、O、PおよびSから選ばれ
    る少なくとも1種の元素であり、x、y、z、p、q、
    r、sおよびtは、それぞれ、0≦x≦100、0≦y
    ≦100、0≦z≦100、x+y+z=100、40
    ≦p≦99.7、0.3≦q≦60、0≦r≦20、0
    ≦s≦30、0≦t≦20、p+q+r+s+t=10
    0を満たす数値である。
  7. 【請求項7】 p+q+r=100である請求項6に記
    載の磁気抵抗素子。
  8. 【請求項8】 p+q=100である請求項7に記載の
    磁気抵抗素子。
  9. 【請求項9】 多層膜がさらに反強磁性層を含む請求項
    1に記載の磁気抵抗素子。
  10. 【請求項10】 非磁性層と反強磁性層との距離が3n
    m以上50nm以下である請求項9に記載の磁気抵抗素
    子。
  11. 【請求項11】 基板と前記基板上に形成された多層膜
    を含み、前記多層膜が一対の強磁性層と前記一対の強磁
    性層の間に挟持された非磁性層とを含み、前記一対の強
    磁性層における磁化方向がなす相対角度により抵抗値が
    異なる磁気抵抗素子であって、 前記基板および前記多層膜を330℃以上で熱処理する
    工程を含む方法により製造され、 前記一対の強磁性層と非磁性層との界面の少なくとも一
    方から前記非磁性層と反対側に2nmだけ進んだ範囲に
    おける組成が、式(FexCoyNiz)pM 1qM2
    3sAtにより表示される磁気抵抗素子。ただし、M1
    は、Tc、Re、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、P
    t、Cu、AgおよびAuから選ばれる少なくとも1種
    の元素であり、M2は、MnおよびCrから選ばれる少
    なくとも1種の元素であり、M3は、Ti、Zr、H
    f、V、Nb、Ta、Mo、W、Al、Si、Ga、G
    e、InおよびSnから選ばれる少なくとも1種の元素
    であり、Aは、B、C、N、O、PおよびSから選ばれ
    る少なくとも1種の元素であり、x、y、z、p、q、
    r、sおよびtは、それぞれ、0≦x≦100、0≦y
    ≦100、0≦z≦100、x+y+z=100、40
    ≦p≦99.7、0.3≦q≦60、0≦r≦20、0
    ≦s≦30、0≦t≦20、p+q+r+s+t=10
    0を満たす数値である。
  12. 【請求項12】 基板と前記基板上に形成された多層膜
    を含み、前記多層膜が一対の強磁性層と前記一対の強磁
    性層の間に挟持された非磁性層とを含み、前記一対の強
    磁性層における磁化方向がなす相対角度により抵抗値が
    異なる磁気抵抗素子の製造方法であって、 前記基板上に、前記強磁性層および前記非磁性層を除く
    前記多層膜の一部を下地膜として形成する工程と、 前記下地膜を400℃以上で熱処理する工程と、 前記下地膜の表面にイオンビームを照射して前記表面の
    粗さを低減する工程と、 前記表面上に、前記強磁性層および前記非磁性層を含む
    前記多層膜の残部を形成する工程と、 前記基板および前記多層膜を330℃以上で熱処理する
    工程と、を含む磁気抵抗素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 イオンビームを下地膜の表面への入射
    角が5°以上25°以下となるように照射する請求項1
    2に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 多層膜の一部として下部電極および上
    部電極を形成し、前記下部電極が前記下地膜に含まれる
    請求項12に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
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