JP2003085854A - 光ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドルモータのターンテーブルによって
中心孔を支持された光ディスクの面と対向する筐体部分
が、外力の印加時に光ディスクやターンテーブルに直接
圧接することを防止して、光ディスクの損傷、スピンド
ルモータへの悪影響を防止することができる光ディスク
装置を提供する。 【解決手段】 筐体内に収容されたディスクトレイ４上
の光ディスクの中心孔を支持して回転させるターンテー
ブル５ａを備えたスピンドルモータ５と、光ディスクに
対する記録再生を行う光ピックアップ６と、ディスクト
レイに固定され且つスピンドルモータ及び光ピックアッ
プを半径方向へ進退させる移動手段を保持したメカユニ
ット７と、を備え、ターンテーブルが、半径方向へ進退
可能に支持されると共に常時においては弾性的に外径方
向へ突出している複数の爪部材５ｃを有したディスク保
持部材を備えている光ディスク装置において、爪部材の
内の少なくとも一つの適所に、光ディスク面と対向する
筐体部分に向かって突出する突部５ｄを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はＣＤ、ＣＤ−ＲＯ
Ｍ、ＣＤ−Ｒ／ＲＷ、ＤＶＤ―ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＷ、
ＤＶＤ＋ＲＷ等の光ディスクに対する記録再生を行う光
ディスク装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＣＤ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ／ＲＷ、
ＤＶＤ―ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＷ、ＤＶＤ＋ＲＷ等の光デ
ィスク（円盤状記録媒体）に対する情報の記録／再生、
又は再生を行う光ディスク記録再生装置（以下、光ディ
スク装置、という）は、パソコン等のコンピュータ装置
に標準搭載されているが、最近普及しているノート型パ
ソコン等の小型パソコンにも搭載できるように、装置の
全体形状の小型化、薄型化を図った光ディスク装置が開
発されている。このように小型化された光ディスク装置
においても、再生／記録速度の向上が求められている。
光ディスク装置は、光ディスクを搭載するディスクトレ
イを筐体内外に進退可能に支持すると共に、筐体内に収
容されたディスクトレイ上の光ディスクの中心孔をスピ
ンドルモータのターンテーブルにより支持して回転させ
つつ、光ピックアップによって記録、再生を行う。

【０００３】ところで、光ディスク装置に振動、衝撃等
の外力が加わった場合、筐体内部の部品が損傷を受ける
ことがある。例えば、外力によって筐体を構成するケー
スが変形して内部の部品類、特に光ディスクを押圧して
これを破壊することがある。また、モータのターンテー
ブルに筐体の一部が変形して圧接した場合には、モータ
に対する負荷が増大し、消費電力の増大、ディスクの回
転数の変動が発生して記録再生動作が不安定化する。こ
のため、光ディスクやスピンドルモータ等の要保護部品
等の周辺にはゴム等の緩衝部品を適宜配置して、外力に
よる悪影響を最小限に減殺する配慮がなされている。し
かし、光ディスク装置の小型化、薄型化を図った場合、
筐体内の部品収容スペースが減少するため、光ディスク
等を保護するために配置される緩衝部品を搭載するため
のスペースを十分に確保できず、優れた耐振動、耐衝撃
性能を得ることは困難となる。特開平１１−１６２０６
１号公報には、筐体を構成する外装板、あるいはディス
クモータに突起状の当接部材を設けることによって、外
部から振動、衝撃が加わった時に当接部材を真っ先にデ
ィスクモータやディスク面に当接させるようにして、外
装板がディスクモータのターンテーブルに圧接してディ
スクの回転数を変動させたり、外装板によってディスク
が損傷を受ける等の不具合を防止した技術が開示されて
いる。しかし、この従来技術においては、衝撃等の外力
が加わった際に、ディスクモータのターンテーブルや光
ディスク面に対して当接部材が最初に当接するため、デ
ィスクモータや光ディスクを保護することはできるが、
当接部材の当接時に発生する反力がディスクモータに直
接加わってディスクモータの回転動作に支障をきたすた
め、安定した記録再生動作を提供するには至らない。ま
た、衝撃による当接部材の当接が頻繁に起きる場合はデ
ィスクモータへの負荷が増大しモータの劣化を招く虞が
高くなる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みて
なされたものであり、筐体の内外に進退可能に支持され
たディスクトレイに対して光ピックアップ及びスピンド
ルモータを支持したメカユニットを組み付けた光ディス
ク装置において、スピンドルモータのターンテーブルに
よって中心孔を支持された光ディスクの面と対向する筐
体部分が、外力の印加時に光ディスクやターンテーブル
に直接圧接することを防止して、光ディスクの損傷、ス
ピンドルモータへの悪影響を防止することができる光デ
ィスク装置を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１の発明は、筐体と、該筐体の内外にスライ
ド式に進退可能に支持されたディスクトレイと、筐体内
に収容されたディスクトレイ上の光ディスクの中心孔を
支持して回転させるターンテーブルを備えたスピンドル
モータと、該スピンドルモータにより回転する光ディス
クに対する記録再生を行う光ピックアップと、前記ディ
スクトレイに固定され且つ前記スピンドルモータ及び前
記光ピックアップを半径方向へ進退させる移動手段を保
持したメカユニットと、を備え、前記ターンテーブル
が、半径方向へ進退可能に支持されると共に常時におい
ては弾性的に外径方向へ突出している複数の爪部材を有
したディスク保持部材を備えている光ディスク装置にお
いて、前記ディスク保持部材を構成する爪部材の内の少
なくとも一つの適所に、光ディスク面と対向する筐体部
分に向かって突出する突部を設けて、該突部によって、
前記筐体部分と光ディスク面との直接当接を回避したこ
とを特徴とする。請求項２の発明は、前記メカユニット
は、防振ゴムを介して前記ディスクトレイに固定されて
おり、前記メカユニットの防振ゴム取り付け部のうち前
記スピンドルモータに近い取り付け部と他の取り付け部
には、夫々特性の異なる防振ゴムを設置していることを
特徴とする。請求項３の発明は、筐体と、該筐体の内外
にスライド式に進退可能に支持されたディスクトレイ
と、筐体内に収容されたディスクトレイ上の光ディスク
の中心孔に嵌合して回転させるターンテーブルを備えた
スピンドルモータと、ターンテーブルにより回転する光
ディスクに対する記録再生を行う光ピックアップと、前
記ディスクトレイと一体的に移動し且つ前記スピンドル
モータと光ピックアップを半径方向へ進退させる移動手
段を有したメカユニットと、を備えている光ディスク装
置において、前記筐体内に収容されているディスクトレ
イ上の光ディスク内周部分と対向する筐体内壁部分に、
光ディスク面に向かって突出する弾性部材を配置し、前
記弾性部材は、平面形状が略Ｕ字状であり、且つその先
端部が円弧状であり、前記弾性部材によって、前記筐体
部分と光ディスク面との直接当接を回避したことを特徴
とする。

【０００６】請求項４の発明は、前記弾性部材は、前記
筐体外面に貼付される表示用のラベル部材の貼着面側に
予め固定されており、前記筐体内に収容されているディ
スクトレイ上の光ディスク内周部分と対向する筐体部分
には、前記Ｕ字形状の弾性部材を嵌合するＵ字状の開口
部が形成されており、前記開口部内に前記弾性部材が嵌
合するように、筐体外面に前記ラベル部材を貼付するこ
とにより、前記弾性部材はディスクトレイ上の光ディス
ク内周部と非接触で対向することを特徴とする。請求項
５の発明は、請求項２に記載した特性の異なる防振ゴム
を介して前記メカユニットは前記ディスクトレイに固定
されていること特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
の形態により詳細に説明する。図１は本発明の一実施形
態に係る光ディスク装置、即ちノートパソコンに搭載で
きる小型、薄型化された光ディスク装置の構成を示す分
解斜視図である。光ディスク装置１は、板金製の下ケー
ス２と、下ケース２を覆う同じく板金製の上ケース３
と、図示しない光ディスクを載置し装置本体の前後方向
（内外）に移動可能なディスクトレイ４と、ターンテー
ブル５ａによって光ディスクの中心孔を嵌合支持して回
転させるスピンドルモータ５と、移動手段６１によって
光ディスクの半径方向へ進退可能に支持された光ピック
アップ６と、スピンドルモータ５及び前記移動手段６１
を含む光ピックアップ６を支持した状態でディスクトレ
イ４に組み付けられたメカユニット７と、ディスクトレ
イ４とメカユニット７とが一体的に前後方向に移動する
ように下ケース２に設けた可動な一対のレール８、９
と、該一対のレール８、９とディスクトレイ４を前方へ
押圧する図示しない排出機構及びディスクトレイ４の装
置本体への収納状態を保持するロック機構等から構成さ
れるローディング機構１０と、を備えている。下ケース
２、上ケース３の材質としては、コスト的に有利な亜鉛
処理鋼板（厚さ０．４〜０．５ｍｍ）が用いられること
が多い。

【０００８】図２に示すように、メカユニット７は、そ
の下面を覆うために固定される底板部材１１とともに、
前記ディスクトレイ４に対して、防振ゴム７ａ、７ｂを
介して固定される。底板部材１１の材質としては、銅
板、ブリキ、ステンレス等の薄板板金（厚さ０．２〜
０．３ｍｍ）等が使用できるが、防錆を考慮してブリ
キ、ステンレス材が使用されることが多く、コスト的に
はブリキが有利である。下ケース２の後方には、光ディ
スク装置１を駆動、制御するための回路が形成された回
路基板１２が設置されており、メカユニット７との間を
ＦＰＣ１３により接続されている。回路基板１２には各
種モータ等を駆動するドライバーＩＣ１２ａや諸制御を
行うＬＳＩ １２ｂ等が実装されている。ディスクトレ
イ４の前面には、ディスクトレイ４の排出時に押圧操作
することによって排出機構を作動させてディスクトレイ
４を押し出すイジェクトボタン１４を設けたフロントパ
ネル１５が取り付けられる。イジェクトボタン１４は図
示しないロック機構と連動するように構成されており、
イジェクトボタン１４を押すとロック機構が解除され図
示しない排出機構によりディスクトレイ４が排出するよ
うになっている。次に、図２は本発明の光ディスク装置
の内部構成を示す側部断面図、図３（ａ）は本発明に関
わるスピンドルモータの平面図、（ｂ）は側面図であ
る。上ケース３、下ケース２からなる光ディスク装置１
の装置本体（筐体）は、図１に示したレール８、９によ
り前後方向に移動可能にディスクトレイ４を支持してい
る。ディスクトレイ４に対しては、前述のようにスピン
ドルモータ５と光ピックアップ６等を備えたメカユニッ
ト７が、そのシャーシの防振ゴム取り付け部７１に取り
付けられた防振ゴム７ａ、７ｂを介して、下面を覆う底
板部材１１と共に、ディスクトレイ４に固定されてい
る。

【０００９】図３（ａ）（ｂ）に示すように、本発明の
主要部であるスピンドルモータ５は、その出力軸にター
ンテーブル５ａを備えており、ターンテーブル５ａ上の
保持部材５ｂに設けた半径方向へ延びる３つの溝５ｂ’
内には、バネ５ｅによって外径方向へ突出付勢された３
個の爪部材５ｃが半径方向へスライド可能に支持されて
いる。また、少なくとも一つの爪部材５ｃの上部適所に
は、上向きに突出する突部５ｄが突設されている。この
突部５ｄは、ターンテーブル５ａが対向する上ケース３
の下面と対向した状態で近接配置（非接触）されてい
る。少なくとも、突部５ｄは、爪部材５ｃと同じ樹脂等
の材料から構成され、しかも先端をＲ状に加工されてい
る。

【００１０】図４（ａ）は光ディスク１００を装着した
ディスクトレイ４が筐体内の収容位置にある状態を示し
ている。ディスクトレイ４上に光ディスク１００を装着
する際には、図２のＡ方向（前方向）にディスクトレイ
４を引き出してから、ディスクトレイ４上に光ディスク
１００を装着するが、その際、光ディスクの中心孔を、
上方より保持部材５ｂに沿わせて押し付けて嵌合させ
る。このとき、外径方向へ弾性的に突出した爪部材５ｃ
により該中心孔をロックして固定することによって、タ
ーンテーブル５ａに装着完了する。光ディスクの取り外
し時には、バネ５ｅに抗して各爪部材５ｃを内側に退避
させつつ光ディスクを保持部材５ｂから離脱させる。次
に、図４（ｂ）は図４（ａ）の装着状態において、外部
からＣ方向に振動や衝撃が加わった状態を示す。Ｃの方
向に振動や衝撃が加わった場合、筐体の一部である上ケ
ース３はＣ方向に移動、変形する。この際、防振ゴム７
ａ、７ｂによってフロートされたスピンドルモータ５等
が設置されたメカユニット７は、慣性によって現状の位
置を保持しようとする。このため、スピンドルモータ５
は相対的に変位して、保持部材５ｂが上ケース３の下面
に接触する。その際、爪部材５ｃの上部適所に設けた突
部５ｄが最初に上ケース３の下面に接触する。その後、
ディスク１００も慣性力により若干変形するが、光ディ
スク面よりも上方に位置する突部５ｄが先行して上ケー
ス下面に接触しているため、光ディスク１００と上ケー
ス３が直接接触するには至らない。爪部材５ｃは、前述
の通り元々弾性部材であるバネに付勢されているため、
振動、衝撃を吸収することができ、スピンドルモータ５
への外乱負荷を極力押さえることができ、安定した記録
再生動作が可能な光ディスク装置を提供できる。また突
部５ｄは爪部材の形状を一部突起状に変えるだけで形成
可能なため、モールド成型により製造する場合、金型等
を大幅に改造する必要が無く、コストアップする虞はほ
とんどない。

【００１１】なお、前記図２において、スピンドルモー
タ５と光ピックアップ６等を備えたメカユニット７は、
そのシャーシの防振ゴム取り付け部７１に取り付けられ
た防振ゴム７ａ、７ｂを介して、下面を覆う底板部材１
１と共に、ディスクトレイ４に固定されている。図２
は、側面図であるため、防振ゴムは、２箇所しか図示さ
れていないが、防振ゴムはディスクトレイ４とメカユニ
ット７との間の結合部のどの部分に配置してもよい。従
って、他の一箇所以上の箇所に防振ゴムを配置してもよ
い。防振ゴムの材質としては、天然ゴム、シリコンゴ
ム、ブチルゴム等が一般的に用いられるが、温度変化で
特性の変化が少ないブチルゴムが性能確保には好まし
い。

【００１２】次に、他の実施形態例として、図２に示す
各防振ゴム７ａと７ｂを、夫々特性の異なる防振ゴムと
しても良い。即ち、各防振ゴム７ａ、７ｂの周波数特性
は、図５の防振ゴム周波数特性図に示すように、スピン
ドルモータ５の近傍位置にある防振ゴム７ａについては
防振倍率が小さく衝撃をより吸収するゴム硬度の小さい
防振ゴムを採用し、スピンドルモータ５から離間した位
置にある防振ゴム７ｂについては防振倍率がやや大きい
が防振性能を重視した比較的ゴム硬度の大きい防振ゴム
を採用する。従って、スピンドルモータ５に近い取り付
け部７１には、衝撃をより吸収する能力を有したゴム硬
度の小さい防振ゴム７ａを設けて耐衝撃能力を増大さ
せ、スピンドルモータ５から離間した他の箇所には防振
性能を重視した比較的ゴム硬度の大きい防振ゴムを設け
たことにより、振動特性にも優れた光ディスク装置を提
供することが可能となる。また、スピンドルモータ５か
ら離間した位置に設けたゴム硬度が大きい防振ゴム７ｂ
は、ゴム自体のへたりも小さく、防振ストロークが極端
に少なくなることがないため、本光ディスク装置を縦置
きにして使用することも可能となる。

【００１３】次に、図６（ａ）乃至（ｄ）は他の実施形
態に係る光ディスク装置の要部構成を示す図であり、
（ａ）及び（ｂ）は収容位置において光ディスクを支持
したスピンドルモータの周辺部の構成図、（ｃ）及び
（ｄ）は弾性部材の取り付け状態を示す平面図、及び弾
性部材の斜視図である。この実施形態に係る光ディスク
装置は、上ケース３の下面適所に、図６（ｄ）に示した
如き略Ｕ字形でかつ先端（下端縁）が円弧状に面取りさ
れた弾性部材２０を接着等の手法によって固定した構成
を備えている。弾性部材２０は、図６（ｃ）にも示すよ
うに、ターンテーブル５ａ上の保持部材５ｂの外径側に
相当する位置（光ディスク１００の中心部と対面する位
置）に突出するように、上ケース３の下面に固定され
る。図６（ａ）の状態では、弾性部材２０は、スピンド
ルモータの保持部材５ｂに対しても、光ディスク１００
に対しても離間した状態を維持している。図６（ｂ）
は、図６（ａ）の状態にあった上ケース３が、外部から
の振動や衝撃によってＣ方向へ変位した状態を示してい
る。本実施形態においては、振動や衝撃が加わった時
に、弾性部材２０と光ディスク１００の内周近傍とが最
初に接触するように構成している。先端が円弧状に面取
りされた弾性部材２０がディスク１００の内周部に接す
るように構成したため、スピンドルモータ５への負荷は
より小さくなる。また、弾性部材２０は、略Ｕ字形状と
し、開放された部分を前方へ向けて設置されるので、ス
ピンドルモータの保持部材５ｂをよけることができ、ト
レイ４の出し入れを妨げることなく、振動、衝撃を吸収
できる。

【００１４】次に、図７（ａ）（ｂ）及び（ｃ）は本発
明の他の実施形態を示しており、（ａ）は光ディスク装
置１の上面図、（ｂ）は上ケースに設けた開口を示す
図、（ｃ）は組み付け状態を示す要部断面図である。一
般に、光ディスク装置の上ケース３には、当該装置の定
格や各種安全規格の認可マークを記載したラベル部材２
５が貼られている。ラベル部材２５は、表面に認可マー
ク等を記載した表示部を備え、その裏面には粘着剤等が
塗布されている。本実施形態では、このラベル部材２５
の裏面に図６（ｄ）に示したＵ字型の弾性部材２０の片
面を固定すると共に、上ケース３に形成したＵ字状の開
口部２６内に弾性部材２０が嵌合するようにラベル裏面
をケース３の上面に貼り付けた構成が特徴的である。即
ち、図７（ｂ）はラベル部材２５が貼られる前の上カバ
ー３を示しており、上カバー３には、図６（ｄ）に示し
た弾性部材２０よりも若干大きく設定されたＵ字形の開
口部２６が設けられている。図７（ｃ）に示すように元
々光ディスク装置に必要な各種表示が印刷されたラベル
部材２５の裏面に、略Ｕ字形でかつ先端が円弧状の弾性
部材２０を貼り付けたので、ラベル貼り付け作業の際に
弾性部材２０を前記開口部２６に合わせて嵌合させるこ
とにより、設置することができ、組み立てが容易にな
る。また、元々ラベル部材２５の裏面には、粘着材が塗
布されているので、弾性部材に粘着材を設ける必要がな
く、コスト的にも有利となる。なお、図２に示した突部
５ｄによる緩衝構造と、防振ゴム７ａ、７ｂとを組み合
わせたり、或いは図６或いは図７に示した弾性部材２０
による緩衝構造と、防振ゴム７ａ、７ｂとを組み合わせ
てもよく、このような組み合わせ構造を採用することに
より、スピンドルモータ５への負荷はより小さくなり、
組立ても容易で、振動衝撃に対してより安定した光ディ
スク装置を提供できるようになる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、筐体の内
外に進退可能に支持されたディスクトレイに対して光ピ
ックアップ及びスピンドルモータを支持したメカユニッ
トを組み付けた光ディスク装置において、スピンドルモ
ータのターンテーブルによって中心孔を支持された光デ
ィスクの面と対向する筐体部分が、外力の印加時に光デ
ィスクやターンテーブルに直接圧接することを防止し
て、光ディスクの損傷、スピンドルモータへの悪影響を
防止することができる光ディスク装置を提供することが
できる。先ず、請求項１の発明は、ターンテーブルが、
半径方向へ進退可能に支持されると共に常時においては
弾性的に外径方向へ突出している複数の爪部材を有した
ディスク保持部材を備えている光ディスク装置におい
て、ディスク保持部材を構成する爪部材の内の少なくと
も一つの適所に、光ディスク面と対向する筐体部分に向
かって突出する突部を設けて、該突部によって、筐体部
分と光ディスク面、或いはディスク保持部材上面との直
接当接を回避するように（振動、衝撃などの外乱発生時
に筐体部分と接するように）構成した。このため、振
動、衝撃等の外乱発生時に真っ先に弾性効果を有した突
部が上ケースと接することとなり、弾性効果を有した突
部であるために、スピンドルモータに負荷をかけること
なく、振動、衝撃を吸収でき、安定した記録再生動作が
可能な光ディスク装置を提供できる。また、爪部材の形
状を一部変えるだけなのでコストアップもほとんどな
い。また複数の爪部材の一箇所に上記突部を設けたので
光ディスクの保持力を低下させることも一切ない。

【００１６】請求項２の発明では、メカユニットの防振
ゴム取り付け部のうちスピンドルモータに近い取り付け
部と他の取り付け部には、夫々特性の異なる防振ゴムを
設置している。このように、スピンドルモータに近い取
り付け部には衝撃をより良く吸収するゴム硬度の小さい
防振ゴムを設けて耐衝撃を増し、他の箇所には防振性能
を重視した比較的ゴム硬度の大きい防振ゴムを設けたこ
とにより、振動特性も優れた光ディスク装置となる。ま
た、他の部位に設ける防振ゴムは、ゴム硬度が大きいた
めゴム自体のへたりも小さく、防振ストロークが極端に
少なくなることがないため本装置を縦置きにして使用す
ることも可能となる。請求項３の発明では、筐体内に収
容されているディスクトレイ上の光ディスク内周部分と
対向する筐体内壁部分に、光ディスク面に向かって突出
する弾性部材を配置し、弾性部材は、平面形状が略Ｕ字
状であり、且つその先端部が円弧状であり、弾性部材に
よって、筐体部分と光ディスク面との直接当接を回避し
た。換言すれば、振動、衝撃等の外乱発生時に、前記弾
性部材とディスク内周部が接するように構成した。この
ため、Ｕ字形の弾性部材の開放部の存在によって、スピ
ンドルモータの保持部材を回避して、ディスクトレイの
出し入れに支障を与えることなく、振動、衝撃を吸収で
きる。また、弾性部材の先端を円弧状とし、この先端部
がディスク内周部に接するように構成したため、スピン
ドルモータへの負荷をより小さくすることができる。

【００１７】請求項４の発明では、Ｕ字形の弾性部材
は、筐体外面に貼付される表示用のラベル部材の貼着面
側に予め固定されており、筐体内に収容されているディ
スクトレイ上の光ディスクの内側部分と対向する筐体部
分にはＵ字形状の弾性部材を嵌合するＵ字状の開口部が
形成されており、開口部内に前記弾性部材が嵌合するよ
うに、筐体外面にラベル部材を貼付することにより、弾
性部材はディスクトレイ上の光ディスク内周部と非接触
で対向することとなる。このように、元々光ディスク装
置に必要な表示内容（定格等）が印刷されたラベル部材
に、略Ｕ字形でかつ先端が円弧状の弾性部材を貼りつけ
たので、ラベル貼り付け作業の際に前記弾性部材を設置
することができ、組み立てが容易になる。しかも、元々
ラベル部材には粘着材が塗布されているので弾性部材に
粘着材を設ける必要がなくコスト的にも有利となる。請
求項５の発明では、請求項２に記載した特性の異なる防
振ゴムを介してメカユニットをディスクトレイに固定し
た構造を、請求項３又は４に記載の光ディスク装置に適
用したので、この組み合わせにより、スピンドルモータ
への負荷は小さくなり、組み立てが容易で、しかも振
動、衝撃に対してより安定した光ディスク装置を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置、即
ちノートパソコンに搭載できる小型、薄型化された光デ
ィスク装置の構成を示す分解斜視図。

【図２】図１の光ディスク装置の組立状態の側部縦断面
図。

【図３】（ａ）及び（ｂ）は本発明の一実施形態に係る
スピンドルモータの構成を示す平面図、及び正面図。

【図４】（ａ）及び（ｂ）は図３の実施形態の動作を説
明する図。

【図５】防振ゴムの特性を示す図。

【図６】（ａ）及び（ｂ）は本発明の他の実施形態に係
る光ディスク装置の構成及び動作を示す縦断面図であ
り、（ｃ）及び（ｄ）は上ケースの平面図、及び弾性部
材の斜視図である。

【図７】（ａ）（ｂ）及び（ｃ）は、筐体の外観図、ラ
ベル部材を除去した上ケースの平面図、及び要部縦断面
図。

【符号の説明】

１ 光ディスク装置、２ 下ケース、３ 上ケース、４
ディスクトレイ、５スピンドルモータ、５ａ ターン
テーブル、５ｂ 保持部材、５ｂ‘ 溝、５ｃ爪部材、
５ｄ 突部、６ 光ピックアップ、７ メカユニット、
７ａ、７ｂ防振ゴム、８，９ レール、１０ ローディ
ング機構、１１ 底板部材、２０弾性部材、２５ ラベ
ル部材、２６ 開口部。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筐体と、該筐体の内外にスライド式に進
   退可能に支持されたディスクトレイと、該筐体内に収容
   された該ディスクトレイ上の光ディスクの中心部を支持
   して回転させるターンテーブルを備えたスピンドルモー
   タと、該スピンドルモータにより回転する光ディスクに
   対する記録再生を行う光ピックアップと、前記ディスク
   トレイに固定され且つ前記スピンドルモータ及び前記光
   ピックアップを半径方向へ進退させる移動手段を保持し
   たメカユニットと、を備え、 前記ターンテーブルが、半径方向へ進退可能に支持され
   ると共に常時においては弾性的に外径方向へ突出してい
   る複数の爪部材を有したディスク保持部材を備えている
   光ディスク装置において、 前記ディスク保持部材を構成する爪部材の内の少なくと
   も一つの適所に、光ディスク面と対向する筐体部分に向
   かって突出する突部を設けて、該突部によって、前記筐
   体部分と光ディスク面との直接当接を回避したことを特
   徴とする光ディスク装置。
2. 【請求項２】 前記メカユニットは、防振ゴムを介して
   前記ディスクトレイに固定されており、前記メカユニッ
   トの防振ゴム取り付け部のうち前記スピンドルモータに
   近い取り付け部と他の取り付け部には、夫々特性の異な
   る防振ゴムを設置していることを特徴とする請求項１に
   記載の光ディスク装置。
3. 【請求項３】 筐体と、該筐体の内外にスライド式に進
   退可能に支持されたディスクトレイと、筐体内に収容さ
   れたディスクトレイ上の光ディスクの中心部を支持して
   回転させるターンテーブルを備えたスピンドルモータ
   と、ターンテーブルにより回転する光ディスクに対する
   記録再生を行う光ピックアップと、前記ディスクトレイ
   と一体的に移動し且つ前記スピンドルモータと光ピック
   アップを半径方向へ進退させる移動手段を有したメカユ
   ニットと、を備えている光ディスク装置において、 前記筐体内に収容されているディスクトレイ上の光ディ
   スク内周部分と対向する筐体内壁部分に、光ディスク面
   に向かって突出する弾性部材を配置し、 前記弾性部材は、平面形状が略Ｕ字状であり、且つその
   先端部が円弧状であり、 前記弾性部材によって、前記筐体部分と光ディスク面と
   の直接当接を回避したことを特徴とする光ディスク装
   置。
4. 【請求項４】 前記弾性部材は、前記筐体外面に貼付さ
   れる表示用のラベル部材の貼着面側に予め固定されてお
   り、 前記筐体内に収容されているディスクトレイ上の光ディ
   スク内周部分と対向する筐体部分には、前記Ｕ字形状の
   弾性部材を嵌合するＵ字状の開口部が形成されており、 前記開口部内に前記弾性部材が嵌合するように、筐体外
   面に前記ラベル部材を貼付することにより、前記弾性部
   材はディスクトレイ上の光ディスク内周部と非接触で対
   向することを特徴とする請求項３に記載の光ディスク装
   置。
5. 【請求項５】 請求項２に記載した特性の異なる防振ゴ
   ムを介して前記メカユニットは前記ディスクトレイに固
   定されていること特徴とする請求項３又は４に記載の光
   ディスク装置。