JP2003085818A - 光ディスクドライブ及び光再生方法 - Google Patents

光ディスクドライブ及び光再生方法

Info

Publication number
JP2003085818A
JP2003085818A JP2001278167A JP2001278167A JP2003085818A JP 2003085818 A JP2003085818 A JP 2003085818A JP 2001278167 A JP2001278167 A JP 2001278167A JP 2001278167 A JP2001278167 A JP 2001278167A JP 2003085818 A JP2003085818 A JP 2003085818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
wavelength
recording medium
optical
optical recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001278167A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutaro Ichihara
勝太郎 市原
Kenji Todori
顕司 都鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001278167A priority Critical patent/JP2003085818A/ja
Publication of JP2003085818A publication Critical patent/JP2003085818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 照射光とは異なる波長の光を放出する光記録
媒体の再生において、ノイズを除去し、さらにこれらの
光を積極的に利用できる光ディスクドライブ及び光再生
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 第1の波長(λ1)の光を照射すると
第2の波長(λ2)の光を放出する光記録媒体(50
1)に記録された情報を再生する際に、光記録媒体から
の第1の波長の反射光を主信号検出用光検出器(50
8)に入射させ、光記録媒体において放出された前記第
2の波長の光は主信号検出用光検出器に入射させず、サ
ーボ信号検出用光検出器(507)において積極的に利
用する光ディスクドライブを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクドライ
ブ及び光再生方法に関し、より詳細には、光ビームの照
射に対して非線形光学応答を示す超解像層などを有する
光記録媒体を駆動する光ディスクドライブ及び光再生方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ビームを照射して情報の再生もしくは
記録・再生を行う光ディスクメモリは、大容量で高速ア
クセスが可能であり、さらに媒体可搬性も兼ね備えてい
るため、音声、画像、計算機データなどの各種ファイル
に実用化されており、今後もその発展が期待されてい
る。光ディスクの高密度化技術の一つとして「超解像媒
体技術」が提案され検討されている。
【0003】超解像媒体技術とは、記録層の光入射面側
に非線形光学応答を呈する薄膜、超解像膜を配し、この
超解像膜が有するビーム縮小効果を利用して、記録層に
入射する光のスポットサイズを、光源の波長(λ)と対
物レンズの開口数(NA)で規定されるサイズよりも小
さくして記録密度を向上させる技術である。
【0004】非線形光学応答として、例えば入射光強度
の増加に対して透過率が増加する応答を有する超解像膜
を用いた場合を例に挙げると、ガウス型の強度分布を有
する入射ビームの周縁部は光強度が低いために選択的に
遮断され、ビームの中央部は光強度が高いために選択的
に透過され、記録層に入射する光の実効的なスポットサ
イズは縮小されて超解像効果を得ることができる。
【0005】超解像膜の超解像方式としては、「ヒート
モード系」の方式と「フォトンモード系」の方式とがあ
る。
【0006】ヒートモード系の方式としては、(1)T
e(テルル)、Sb(アンチモン)、SbTe、G
eSbTe(ゲルマニウム・アンチモン・テルル)など
の低融点金属を用い、溶融、結晶化に因る非線形光学応
答を利用する方式、(2)AgOxを用い熱分解、再結
合に因る非線形光学応答を利用する方式、(3)色素の
熱退色、発色に因る非線形光学応答を利用する方式など
を挙げることができる。
【0007】一方、フォトンモード系の方式としては、
(4)フォトクロミズムを利用する方式、(5)本発明
の発明者等が提案した半導体微粒子分散膜の吸収飽和特
性を利用する方式などがある。
【0008】フォトンモード系の方式は、状態遷移が高
速であるので応答特性に優れるという利点を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者の検
討の結果、フォトンモード系の遷移においては、超解像
膜に光ビームを照射すると、照射光とは異なる波長の光
が放出される場合があることが判明した。
【0010】例えば、半導体微粒子分散膜の吸収飽和特
性を利用する超解像方式においては、吸収飽和を起こす
準位、例えばエキシトン準位の他に、深いトラップ準位
が存在し、エキシトン準位から深いトラップ準位に電子
遷移する際に照射光とは異なる波長の光を放出すること
がある。このような照射光と異なる波長の光は、照射光
の反射成分を検出する主信号検出系に入射してノイズの
原因となる。
【0011】本発明は、かかる点に着目してなされたも
のであり、従来の超解像媒体技術、特に照射光とは異な
る波長の光を放出する特性を有する超解像膜を具備する
超解像記録媒体の課題を解決するために実施されるもの
であって、その第1の目的は、超解像膜に光ビームを照
射した時に生ずる異なる波長の光に起因するノイズを除
去することができる光ディスクドライブ及び光再生方法
を提供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、照射光とは
異なる波長を有するこれらの光を積極的に利用できる光
ディスクドライブ及び光再生方法を提供することにあ
る。
【0013】さらにまた、本発明の第3の目的は、超解
像膜からの発光の積極的な利用以外にも、照射光とは異
なる波長の2次光を放出する蛍光層などの発光機能を有
する層を設けた光記録媒体を用いてこの2次光を積極的
に利用する光ディスクドライブ及び光再生方法を提供す
ることにある。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光ディスクドライブは、第1の波長の光を
照射すると前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を
放出する光記録媒体に記録された情報を再生する光ディ
スクドライブであって、前記光記録媒体に記録された情
報を主信号として読みとる主信号検出用光検出器と、前
記光記録媒体に前記第1の波長の光を照射して得られる
前記第1の波長の反射光を前記主信号検出用光検出器に
入射させ、前記光記録媒体において放出された前記第2
の波長の光の前記主信号検出用光検出器への入射を排除
する光学手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】上記構成によれば、超解像層などからの不
可避的な発光に起因する主信号ノイズ成分を除去でき、
信号対雑音比(S/N比)の改善に直結し、記録密度の
向上もしくは動作マージンの改善に繋がる。
【0015】または、本発明の光ディスクドライブは、
第1の波長の光を照射すると前記第1の波長とは異なる
第2の波長の光を放出する光記録媒体に記録された情報
を再生する光ディスクドライブであって、前記光記録媒
体に記録された情報を主信号として読みとる主信号検出
用光検出器と、前記光記録媒体と前記主信号検出用光検
出器との相対的な位置関係または光学的な結合関係を制
御するためのサーボ情報を検出するサーボ信号検出用光
検出器と、前記光記録媒体に前記第1の波長の光を照射
して得られる前記第1の波長の反射光を前記主信号検出
用光検出器に入射させ、前記光記録媒体において放出さ
れた前記第2の波長の光は前記サーボ信号検出用光検出
器に入射させる光学手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0016】上記構成によれば、超解像層や蛍光層など
における発光を積極的に利用してサーボ情報を得ること
により、主信号の信号対雑音比の改善に加えて、入射光
の反射成分の一部をサーボ検出に振り分ける必要がな
く、反射成分の全てを主信号検出に利用できるために、
主信号量の増加、即ちさらなる信号対雑音比の改善とさ
らなる記録密度の向上効果を得ることが可能となる。
【0017】なおここで、「相対的な位置関係」とは、
トラッキングなどに関連する位置関係をいい、「光学的
な結合関係」とは、例えば対物レンズのフォーカスなど
に関する結合関係をいうものとする。
【0018】ここで、前記光記録媒体は、超解像層を有
し、前記第2の波長の光は、前記超解像層から放出され
るものとすることができ、もともと超解像媒体の有する
優れた高密度記録特性に加えて、光ディスクの記録密度
を格段に向上することができる。
【0019】または、前記光記録媒体は、蛍光体を含有
し、前記第2の波長の光は、前記蛍光体から放出される
ものとすれば、媒体に発光作用を積極的に付与すること
により、サーボ情報を確実に得ることができる。
【0020】一方、本発明の光再生方法は、第1の波長
の光を照射すると前記第1の波長とは異なる第2の波長
の光を放出する光記録媒体に記録された情報を再生する
光再生方法であって、前記光記録媒体に前記第1の波長
の光を照射して得られる前記第1の波長の反射光を利用
して、前記光記録媒体に記録された情報を主信号として
読みとり、前記光記録媒体において放出された前記第2
の波長の光の、前記主信号を検出するための光検出器へ
の入射を排除することを特徴とする。
【0021】上記構成によれば、超解像層などからの不
可避的な発光に起因する主信号ノイズ成分を除去でき、
信号対雑音比(S/N比)の改善に直結し、記録密度の
向上もしくは動作マージンの改善に繋がる。
【0022】または、方法の光再生方法は、第1の波長
の光を照射すると前記第1の波長とは異なる第2の波長
の光を放出する光記録媒体に記録された情報を再生する
光再生方法であって、前記光記録媒体に前記第1の波長
の光を照射して得られる前記第1の波長の反射光を利用
して、前記光記録媒体に記録された情報を主信号として
読みとり、前記光記録媒体において放出された前記第2
の波長の光を利用して、前記光記録媒体に対する相対的
な位置関係または光学的な結合関係を制御するためのサ
ーボ情報の検出を行うことを特徴とする。
【0023】上記構成によれば、超解像層や蛍光層など
における発光を積極的に利用してサーボ情報を得ること
により、主信号の信号対雑音比の改善に加えて、入射光
の反射成分の一部をサーボ検出に振り分ける必要がな
く、反射成分の全てを主信号検出に利用できるために、
主信号量の増加、即ちさらなる信号対雑音比の改善とさ
らなる記録密度の向上効果を得ることが可能となる。
【0024】ここで、上記再生方法においても、前記光
記録媒体は、超解像層を有し、前記第2の波長の光は、
前記超解像層から放出されるものとすることができ、も
ともと超解像媒体の有する優れた高密度記録特性に加え
て、光ディスクの記録密度を格段に向上することができ
る。
【0025】または、前記光記録媒体は、蛍光体を含有
し、前記第2の波長の光は、前記蛍光体から放出される
ものとすれば、媒体に発光作用を積極的に付与すること
により、サーボ情報を確実に得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、具体例を参照しつつ本発明
の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態として、入射光とは異なる波長の2次光を
放出する記録媒体を用いて、この2次光を積極的に利用
してトラッキングなどの制御を行う光ディスクドライブ
について説明する。
【0028】図1は、本発明の実施の形態にかかる光デ
ィスクドライブの要部構成を例示する模式図である。
【0029】この光ディスクドライブは、スピンドルモ
ータ503を備え、光記録媒体501を回転駆動する。
そして、半導体レーザ光源511から放出された光をビ
ームスプリッタ504、対物レンズ502を介して光記
録媒体501に照射する。
【0030】媒体501からの反射光は、対物レンズ5
02、ビームスプリッタ504を経て、第1のダイクロ
イックミラー(Dichroic Mirror)505に入射する。
ここで反射光は2分割され、その一方はサーボ信号検出
用光検出器507に入射して電気信号に変換され、サー
ボ信号検出回路509に入力されて所定のサーボ信号が
駆動制御系512に与えられ、レンズアクチュエータ5
03に対して駆動信号を供給する。
【0031】一方、第1のダイクロイックミラー505
において分割された他方の光は、第2のダイクロイック
ミラー506を経て主信号検出用光検出器508に入射
して電気信号に変換される。この電気信号は、主信号検
出回路510に入力され、検出情報(RF)として出力
される。
【0032】図2は、本発明において用いる光記録媒体
501の作用を概念的に表す模式図である。すなわち、
この光記録媒体501に対して、記録や再生のために波
長λ1の光ビームを照射すると、その一部は波長λ1の
反射光として放出され、また一方、波長λ1とは異なる
波長λ2の光も放出する。すなわち、光記録媒体501
は、波長λ1の光を受けて波長λ2の2次光を放出する
発光作用を有する。このような発光作用を有するものの
具体例としては、後に詳述するように、超解像層あるい
は蛍光層を挙げることができる。
【0033】さて、再び図1に戻って説明を続けると、
光源511からは波長λ1の光が放出され、これが対物
レンズ502を経て光記録媒体501に照射される。す
ると、光記録媒体501から、この波長λ1の光が反射
されると共に、その発光作用によって波長λ1とは異な
る波長λ2の2次光が放出される。(なお、同図には、
波長λ3も併せて表したが、この点については、後に詳
述する)本実施形態においては、これら異なる波長を有
する光をダイクロイックミラー505、506によって
選別し、それぞれ別の用途に用いる点に特徴を有する。
すなわち、サーボ信号検出用光検出器507に反射光を
導く第1のダイクロイックミラー505は、波長λ1の
入射光(光源511からの出力光)に対しては高い透過
率(例えば、ほぼ100%に近い透過率)を有し、光記
録媒体501において生じた波長λ2(λ3)の発光に
対しては高い反射率(例えば、ほぼ100%に近い反射
率)を有するものとすることができる。
【0034】一方、主信号検出用光検出器508に光を
導く第2のダイクロイックミラー506は、波長λ1の
入射光(光源511の出力光)に対しては高い反射率
(例えば、ほぼ100%の反射率)を有し、光記録媒体
501において生じた波長λ2(λ3)の発光に対して
は高い透過率(例えば、ほぼ100%の透過率)を有す
る。
【0035】第1のダイクロイックミラー505により
サーボ信号検出用光検出器507に導かれた光は、例え
ば分割型の構成を有する光検出器507により、フォー
カシングサーボ、トラッキングサーボ、または必要に応
じてチルトサーボなどの検出に利用される。分割型の検
出器を用いる代わりに、サーボ信号検出用光検出器50
7の前段に図示しないハーフミラーを設けて、別々の検
出器で各々のサーボ制御情報を検出しても良い。
【0036】第1のダイクロイックミラー505の光学
的特性が良好で、第2のダイクロイックミラー506へ
波長λ2(λ3)の2次光が漏出しないような場合に
は、第2のダイクロイックミラー506は単なるミラー
に置き換えても良い。
【0037】なお、第1及び第2のダイクロイックミラ
ー505、506の反射特性や透過特性は、サーボ信号
検出用光検出器507と主信号検出用光検出器508の
配置に応じて適宜設定できるが、要は、光記録媒体50
1において生じた波長λ2(λ3)の発光をサーボ信号
検出用光検出器507に入射させ、主信号検出用光検出
器508には入射しないような構成にすれば良い。
【0038】また、このように2次光をサーボ信号検出
用光検出器507に導く構成は、再生のみならず、記録
の際にも利用できることはもちろんである。
【0039】さてここで、従来の光ディスクドライブに
おいても、例えば波長780nm帯で用いるCD(Comp
act Disk)と波長650nm帯で用いるDVD(Digita
l Versatile Disk)の両方を駆動するドライブにおいて
は、二つの波長を分離するためにダイクロイックミラー
アレー(Dichroic Mirror Array)などが用いられてい
る。しかし、これは入射波長自体が2波長の光学系にお
いて、CD用検出系とDVD用検出系に光を振り分ける
ためのものである。
【0040】これに対して、本発明においては、入射波
長は波長λ1の一種のみである。そして、波長λ1とは
異なる波長λ2(λ3)の2次光を放出する光記録媒体
からの発光を波長λ1の光と分離し、λ1を主信号検出
に与え、λ2(λ3)をサーボ信号検出に利用するとい
う点で、ダイクロイックミラーアレーを有する2波長型
の光ディスクドライブとは本質的に異なるものである。
【0041】図10は、2波長帯で用いることを目的と
して構成した比較例としての光ディスクドライブの要部
構成を表す模式図である。同図については、図1に関し
て前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0042】図10の構成が図1の構成と異なる部分
は、ハーフミラー514、ミラー515である。そし
て、これらを通過した光の波長成分を見れば明らかなよ
うに、ハーフミラー514、515に波長選択機能は付
与されていない。
【0043】また、この比較例の場合、ミラー515は
必須ではなく、ハーフミラー514を透過した光を直
接、主信号検出用光検出器508で受けても良い。この
比較例の構成においては、サーボ信号検出用光検出器5
07にも主信号検出用光検出器508にも波長λ1とλ
2(λ3)の全ての波長の光が入射することになる。そ
のため、主信号検出回路510に超解像層などからの発
光成分が入り込み、ノイズ要因となると同時に、記録媒
体501からの反射光を主信号とサーボ信号に振り分け
るために、波長λ1の反射光のうちの一部は主信号検出
に利用出来ず、この点で損失が生ずることとなる。
【0044】これに対して、本実施形態の光ディスクド
ライブによれば、記録媒体501において生ずる2次光
を主信号検出系には与えないので、ノイズ成分が増加す
ることはない。さらにまた、波長λ1の反射光を全て主
信号として検出させることかできるため、損失が低減
し、読み取り感度を上げることが可能となる。この効果
は、後に詳述するように、記録媒体501において2次
光の発光が不可避的に生ずるような場合に、この2次光
によるノイズの増加を抑えて有効に利用することができ
る点で、特に格別顕著である。
【0045】次に、本発明において用いることができる
光記録媒体について説明する。
【0046】図3は、本発明の光ディスクドライブに用
いられる光記録媒体の基本構成を例示する断面図であ
る。すなわち、この媒体は、基板11の上に、超解像層
12、記録媒体部13、保護層14を積層した構造を有
する。記録・再生のための光ビームは、図中の矢印Iの
方向に入射する。また、保護層14は、対向基板であっ
てもよい。
【0047】記録媒体部13は、再生専用型(Read Onl
y Memory:ROM)の場合は例えば単層の反射層からな
り、追記型(Recordable:R)の場合は例えば光入射側
から色素系記録層と反射層、書き換え型(ReWritable:
RW)の場合は例えば光入射側から第1干渉層、記録
層、第2干渉層、反射層を順次積層した構成とすること
ができる。基板11もしくは対向基板14の表面には、
ROMの場合には情報ピット列、R及びRWの場合には
ヘッダ情報とトラッキンググルーブ(tracking groov
e)が形成されている。
【0048】図4は、超解像層12の典型的な特性を例
示するグラフ図である。すなわち、同図の横軸は入射光
強度(P)、縦軸は超解像層の透過率(Tr)をそれぞ
れ表す。
【0049】超解像層12は、入射光強度に対して透過
率が非線形となる光学応答を示す。例えば図4に表した
ように、入射光強度Pが低い場合に透過率Trが低く、
入射光強度Pが高くなると透過率Trが高くなるという
特性を示す。
【0050】図5は、このような特性を有する超解像層
を光ビームが通過する場合のビーム縮小効果を表す模式
図である。すなわち、同図は、超解像層に入射するビー
ム(Incident)と透過したビーム(Tr)の強
度分布を表す。
【0051】図4に例示したような非線形の光学特性に
対応して、入射ビームの周縁部は透過率が低いために選
択的に遮断され、入射ビームの中央部付近は透過率が高
いので選択的に透過される。このような超解像効果の結
果として、透過ビームのスポットサイズは入射ビームよ
り縮小される。
【0052】図6(a)は、本発明に用いて好適な超解
像層のエネルギー準位と電子遷移の典型例を表す模式図
である。同図において、Gは基底準位、EXは励起準
位、TRはトラップ準位をそれぞれ表す。すなわち、こ
の超解像層は、基底準位Gと励起準位EXとの間にトラ
ップ準位TRを有する。このようなエネルギー準位にお
いては、波長λ1の光により励起された電子は、波長λ
2の2次光を放出してトラップ準位TRに捕獲された後
に、波長λ3の2次光を放出して基底準位Gに戻る。
【0053】このような準位を有する超解像層12とし
ては、典型的には半導体微粒子分散膜を挙げることがで
きる。これは例えば、ZnCdSeTeS系の化合物半
導体の微粒子が誘電体もしくは有機物からなるマトリク
ス中に分散した構造の超解像層である。励起準位EXと
しては、例えばエキシトン準位や、ドーピングで形成し
たドナー準位、あるいは伝導帯の下端付近などから自由
に選ぶことができるが、照射パワーに対して急峻な非線
形光学変化を得るためには、エキシトン準位もしくはド
ナー準位を選ぶのが好ましい。
【0054】半導体材料を微粒子化することによって量
子サイズ効果を発現させることができ、エキシトン準位
もしくはドナー準位と伝導帯の下端とのエネルギー差を
大きくすることができるので、エキシトン準位もしくは
ドナー準位から伝導帯への電子の熱的な脱励起を抑制で
きる。このため、エキシトン準位もしくはドナー準位の
寿命を、通常のバルク半導体における寿命(ピコ秒程度
である)よりも桁違いに長くでき、吸収飽和に基づく超
解像効果を効果的に発現することが可能となる。
【0055】図6(a)において、λ1は入射光の波
長、λ2、λ3、主にλ2は本発明に関わる超解像層1
2から放出される2次光の波長に対応する。すなわち、
超解像層に波長λ1の光を照射すると、基底準位Gの電
子が励起準位EXに励起する。励起準位EXの選び方に
も依るが、本発明では励起寿命がレーザスポット通過時
間よりは短い励起準位を選ぶのが好ましい。ここでレー
ザスポット通過時間とは、光スポットに対して移動する
記録媒体のある一点に光が照射し続けている時間を意味
し、スポットの全半値幅をD、線速をVとおく時、スポ
ット通過時間は概ねD/Vで与えられる。レーザスポッ
ト通過時間は、一般的には数ナノ秒から数10ナノ秒程
度である。
【0056】なお、励起寿命がD/Vよりも長い場合に
は、図1の構成において、記録再生用の光スポットの下
流側に副次的な集光レンズ(図示せず)を設ければ本発
明の実施は可能である。単一レンズによって本発明を実
施するためには、励起寿命はD/Vよりも短いことが望
ましい。
【0057】励起準位EXからの脱励起過程に基底準位
Gへの直接遷移過程が含まれても良いが、図6(a)に
表したように基底準位Gと励起準位EXとの間に存在す
るトラップ準位TRへの脱励起過程が存在することが本
発明において重要である。このトラップ準位TRへの脱
励起により入射光の波長λ1とは異なる波長λ2の2次
光が放出される。本実施形態では、この波長λ2の光を
主信号検出系から除外し、サーボ信号の検出に積極的に
利用する。
【0058】トラップ準位TRは、比較的深いレベル
(基底準位Gと励起準位EXとの中間付近)にあるの
で、トラップ準位の寿命は長い。従って、励起準位EX
の寿命自体はD/Vよりも短く、基底準位Gから励起準
位EXへの電子遷移だけでは吸収飽和が起こりにくくて
も、以下の過程を経て励起準位EXが吸収飽和する。
【0059】すなわち、まず励起準位EXからトラップ
準位TRへの電子遷移により、長寿命のトラップ準位T
Rが電子により埋め尽くされる。すると、励起準位EX
からトラップ準位TRへの電子遷移が起こらなくなる
が、波長λ1の光は照射され続けているので、次第に励
起準位EXが電子で埋め尽くされる(すなわち吸収飽和
する)。その結果として、基底状態Gから励起状態EX
への電子遷移が起こらなくなり、結果的に波長λ1の入
射光を吸収しなくなり、透過率が増大する。このような
メカニズムによって、図4に例示したような超解像特性
が生ずることになる。
【0060】トラップ準位TRからの脱励起過程は、波
長λ3の光の放出を伴う基底状態Gへの電子遷移である
が、トラップ準位TRの寿命がD/Vよりも十分に長い
場合は、この波長λ3の光はディスクドライブの検出系
には戻らない。従って、この光を除外する必要はない。
【0061】但し、波長λ3の光の放出がD/Vよりも
短い時間内に起こる場合には、本発明により、この光の
主信号検出系への入射を防止すること、あるいはこの光
をも積極的に利用することも可能となる。
【0062】また、波長λ3の光が放出されるタイミン
グがD/Vよりも長い場合にもこの光の放出タイミング
に合わせて副次的なレンズを設け、波長λ3の光をも利
用することも可能である。但し、以下の説明において
は、簡単のために、主にD/Vよりも短い時間内に放出
される光の利用、主には波長λ2の光を利用する場合を
例に挙げて説明する。
【0063】ここで、トラップ準位TRの存在は、例え
ば波長λ1付近の光を超解像層に照射した時のフォトル
ミネセントスペクトルを計測することで特定できる。
【0064】図6(b)は、本発明において用いる超解
像層における光吸収スペクトル(Ab)とフォトルミネ
ッセンス・スペクトル(PL)の典型例を表す模式図で
ある。
【0065】同図に表した光吸収スペクトルAbにおい
て、AbEは基礎吸収端に対応し、Exはエキシトン準
位EXによる吸収ピークに対応する。Ex付近の波長の
光を超解像層に照射すると、同図に表したようなフォト
ルミネッセンス・スペクトルの発光を観測することがで
きる。トラップ準位TRが単一の場合には、スペクトル
PLは波長λに対して急峻に変化する曲線となる。
【0066】しかし、一般的には複数のトラップ準位が
バンド状に形成されることが多いので、スペクトルPL
は拡がりを呈する。PLが拡がりを呈する場合、波長λ
2としてはスペクトルPLのどの波長を用いてもよい
が、発光ピーク付近の波長を用いるのが良い。
【0067】波長λ2の光を積極的に利用する実施形態
ではなく、後に第2の実施形態として説明するように単
に主信号検出系への入射を防止する実施形態において
は、図6(b)に表した波長λ2min 以上の波長の光を
遮断するフィルターを主信号検出系508の前段に設け
れば良い。
【0068】また、上述の具体例では、超解像層12を
有する光記録媒体において、十分な超解像機能を保ちつ
つ、脱励起発光を利用してサーボ信号を得る場合を例に
挙げたが、本発明において、超解像機能の発現は必ずし
も必要ではない。
【0069】例えば、照射光の強度が超解像機能を発現
する強度よりも十分に高い場合を挙げることができる。
このような場合は、入射光の周辺部の一部のみが僅かな
超解像機能を示し入射ビームの主要部は特に超解像機能
を発現しない態様においても、脱励起発光自体は起こ
る。このような場合でも脱励起発光を利用してサーボ信
号を得ることは可能である。
【0070】以上、本発明において用いることができる
光記録媒体として、超解像層を有する媒体について詳述
した。
【0071】次に、本発明において用いることができる
光記録媒体としてのもうひとつの例について説明する。
【0072】すなわち、本発明は、超解像膜を具備する
光記録媒体を用いずとも、照射光とは異なる波長の2次
光を発する機能を有する薄膜を具備する光記録媒体を用
いても実施することが可能である。そのような媒体とし
ては、例えば光入射面側から、蛍光層、記録部を積層し
たものを挙げることができる。
【0073】図7は、発光層として蛍光層を具備する光
記録媒体の断面構造を例示する模式図である。すなわ
ち、同図の記録媒体の場合、基板11の上に、記録部1
3、蛍光層16、光入射側透明板14をこの順に積層し
た構造を有する。必要に応じてこれら以外の層、例えば
記録部13と蛍光層16との間に誘電体層等が挿入され
ていても構わない。また、記録部13と蛍光層16との
積層順序についても、逆転したものでもよい。基板1と
しては、前述したものと同様に、例えば表面に凹凸状の
データピット、もしくはトラッキングガイド用のグルー
ブを有するを有するポリカーボネイト基板を用いること
ができる。
【0074】記録部13は、再生専用型(ROM)でも
追記型(R)でも書換え型(RW)でも良い。光照射に
より検出系には、照射光と同一の波長の反射光と、蛍光
層16からの発光とが入射するので、前記した超解像膜
12を搭載する記録媒体の場合と同様に本発明を実施す
ることができる。
【0075】再生専用型媒体としては、例えば、Al反
射膜を用いることかできる。また、追記型媒体として
は、例えば基板側から反射層、色素系追記層もしくは相
変化型追記層を積層した造を用いることができる。ま
た、書換え型媒体としては、例えば基板側から反射層、
誘電体層、相変化記録層、誘電体層を積層した構成を用
いることができる。
【0076】光入射側透明板14としては、例えばポリ
カーボネイト製のシートを用いることができ、基板11
の表面に凹凸状のデータピットもしくはグルーブを設け
る代わりに、透明板14の上に例えば2P法を用いて凹
凸形状を設けても良い。さて、蛍光層16としては、照
射光とは異なる波長の光を放出する材料を含有するもの
を用いる。すなわち、照射光の波長に対して感度を有
し、照射光の波長以外の波長領域において蛍光発光する
ものが良い。
【0077】例えば、照射光として波長400nm程度
の光を用いる場合に用いることができるものを以下に列
挙する。なお、以下の表記においては、蛍光物質の蛍光
中心波長を括弧内に付記する。 Ce付活YAl12(550nm) Ce付活YAl12(550nm)のAlの一部
をGa置換したもの Ce付活YAl12(550nm)のYの一部を
Gd置換したもの Eu付活(Ba,Ca,Mg)10(PO)6Cl
(480nm) Eu付活(Sr,Ca)10(PO)6Cl(45
0nm) Eu付活2SrO・0.84P・0.16B
(480nm) Eu付活SrSi・2SrCl(500n
m) Eu付活Ba0.87MgAlzO3/2z+3(4
50nm) Mn付活6MgO・As(650nm) Mn付活3.5MgO・0.5MgF・GeO(6
50nm) これらの蛍光層の形成には、記録部13と同様に、スパ
ッタ法や蒸着法もしくは塗布法などの方法を用いること
ができる。スパッタもしくは蒸着の場合は、上記した蛍
光体材料からなる焼結ターゲットもしくは焼結チップを
用いれば良い。このような蛍光層16を具備する記録媒
体に対して光入射側透明板14の側から400nm程度
の光を入射すると、記録部13からの反射光(入射光と
同一波長λ1)と共に、蛍光層16からの蛍光(波長λ
2)をサーボ信号検出系に導くことができ、本実施形態
の光ディスクドライブの動作を実施できる。
【0078】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態として、記録媒体において生じた波長λ2
(λ3)の光をカットして主信号検出系に与えないよう
にし、且つ、波長λ1の光によりサーボ情報も得る光デ
ィスクドライブについて説明する。
【0079】すなわち、前述した第1実施形態のディス
クドライブの場合、記録媒体において生ずる波長λ2
(λ3)の2次光を積極的に利用してサーボ信号を得る
構成を有する。しかし、通常通りに波長λ1の光を用い
てもサーボ信号を得ることもできる。したがって、この
場合には、波長λ2(λ3)の光を主信号検出系に与え
ないようにフィルタリングすると同時に、波長λ1の光
の一部もサーボ情報検出系に与える構成とすることが望
ましい。
【0080】図8は、このような光ディスクドライブの
要部構成を表す模式図である。同図については、図1乃
至図7に関して前述したものと同様の要素には同一の符
号を付して詳細な説明は省略する。
【0081】本実施形態においては、第1のダイクロイ
ックミラー525を、単に主信号検出系508に波長λ
2(λ3)の光が入射しないようにするためのフィルタ
ーとして用いる。
【0082】すなわち、記録媒体501からの波長λ1
及びλ2(λ3)の光は、ダイクロイックミラー525
において分別され、波長λ1の光の一部と、波長λ2
(λ3)の光の全部は、反射されてサーボ信号検出用光
検出器507に導かれる。そして、波長λ1の光の残り
の成分がダイクロイックミラー525を通過してダイク
ロイックミラー506に導かれ、主信号検出用光検出器
508に入射する。
【0083】このようにすれば、主信号検出用光検出器
508に波長λ2(λ3)の2次光が混入してノイズ要
因となるという問題を解消することができる。
【0084】図9は、本実施形態の光ディスクドライブ
の変型例を表す模式図である。同図についても、図1乃
至図8に関して前述したものと同様の要素には同一の符
号を付して詳細な説明は省略する。
【0085】本変型例においては、ハーフミラー526
の前段にフィルタ527が設けられている。このフィル
タ527は、波長λ1の光を透過し、波長λ2(λ3)
の光を遮断する選択性を有する。このようなフィルタ5
27を設けることによっても、波長λ2(λ3)の2次
光を主信号検出系から遮断することが可能であり、光記
録媒体において生ずる不可避的に生ずる2次光によるノ
イズの増加を確実に抑止することが可能となる。
【0086】(実施例)次に、本発明の実施例について
説明する。
【0087】まず、本実施例において用いた光記録媒体
について説明する。
【0088】本実施例においては、図3に例示した超解
像光記録媒体を用いた。すなわち、この記録媒体は、光
入射側透明板11の上に、超解像層12、記録媒体部1
3、対向基板14が積層された構造を有する。
【0089】光入射側透明板11としては0.1mm厚
のポリカーボネイトシートを用い、また、超解像層12
としては膜厚150nmのZnCdTeSeS半導体微
粒子分散膜を、記録媒体部13としては相変化媒体を、
対向基板14としては通常の光ディスクに使用されるの
と同等のグルーブ付きポリカーボネイト基板を用いた。
【0090】相変化媒体13の構成は、光入射側からZ
nS−SiO第1干渉層、GeSbTe記録層、Z
nS−SiO第2干渉層、Al反射層をこの順に積
層したものである。このような光記録媒体は、例えば以
下の手順により形成することができる。
【0091】まず、通常のマスタリングプロセス、スタ
ンパープロセス、インジェクションプロセスを用いて基
板14を形成し、基板のグルーブ面上に相変化媒体13
を光入射面側からの順番とは逆の順番でスパッタ法によ
り形成する。別途、ZnCdTeSeS半導体微粒子を
有機マトリクス中に分散する溶液を調製しておき、相変
化媒体13の光入射面にスピンコートして超解像層12
を形成する。そして、粘着シートの設けられた光入射側
透明板11を貼り付ける。
【0092】透明板11を貼付けた後、記録媒体501
を初期化装置に投入して相変化記録層の初期結晶化を行
う。
【0093】上記構成の他にも、例えばグルーブの設け
られた基板を光入射側透明板11とし、この基板11の
上に超解像層12、ZnS−SiO第1干渉層、G
eSbTe記録層、ZnS−SiO第2干渉層、A
l反射層の順番に成膜した媒体を用いても良い。
【0094】超解像層12については、記録媒体501
とは別にガラス基板上にその単層のみを形成した試料を
作成し、その透過率の照射パワーに対する特性を静的評
価系を用いて調べた。その結果は、図4に表した如くで
あった。具体的には、波長405nmの光を照射した場
合に、おそよ1×10(W/cm)以下の比較的低
パワーの光照射時の透過率は概ね20%以下であるのに
対して、1×10(W/cm)以上の比較的高パワ
ーの光照射時の透過率は概ね50%以上であり、図4に
表したような非線形光学応答を確認できた。
【0095】次に、この超解像層単層の試料を用いて吸
収スペクトルとフォトルミネセンス・スペクトルを調べ
たところ、図6(b)に表した如くであった。ここで、
エキシトン吸収ピークExの波長は約400nmであ
り、フォトルミネッセンスPLのピーク波長λ2は約5
50nm、PLの最短波長λ2minは約500nmであ
った。
【0096】このような構成と特性を有する超解像層1
2を設けた光記録媒体501を本発明の光ディスクドラ
イブに搭載し、以下の手順で記録再生を実施した。
【0097】ここで、図1の構成において、第1のダイ
クロイックミラー505は、波長450nm以下の光に
対して透過率が95%で、波長500nm以上の光に対
して反射率が95%且つ透過率は5%以下とした。一
方、第2のダイクロイックミラー506は、波長450
nm以下の光に対する反射率が99%で、波長500n
m以上の光に対する反射率は1%以下とし、入射波長4
05nmと超解像層からの発光波長とをほぼ完全に光路
分離するように設定した。
【0098】まず、スピンドルモータ513上に超解像
媒体501をセットし、所定の回転数で回転駆動させた
状態で、半導体レーザ光源511をDC駆動し媒体50
1に0.4mWの光を照射した。この時、超解像層12
からの波長λ2の発光をサーボ信号検出用光検出器50
7が検知し、サーボ信号検出回路509によりサーボ信
号を得て、それにより駆動制御系512を動作させて、
駆動制御系の信号によりボイスコイルモータ503を駆
動することによって、フォーカシングと、トラッキング
を最適に調節することができた。なお、超解像層12を
設けない通常の媒体を搭載して記録再生動作を試みたと
ころ、サーボ信号は得られなかった。
【0099】次に、光源511を所定の周波数でパルス
駆動して記録パワーレベルの光を媒体501に照射し、
単一周波数の記録マーク列を相変化媒体13に形成し
た。ここでのマーク長は、λ/(4NA)程度と光学系
の分解能ギリギリとした。なお、NAは対物レンズ50
2の開口数である。
【0100】比較のために、超解像層12を有しない記
録媒体について、図10に例示したような比較例の光デ
ィスクドライブによる読み取り動作を試みた結果、λ/
(4NA)のマークを再生することはできなかった。
【0101】また、図4に表したような超解像層12を
有する光記録媒体501を図10の比較例の光ディスク
ドライブで再生したところ、λ/(4NA)のマーク列
の再生CNRは40dB程度の値に留まった。
【0102】これらの結果を踏まえながら、本発明を以
下の手順で実施した。まず、図1の構成を変形し、第2
のダイクロイックミラー506の後に図10のハーフミ
ラー514、ミラー515を設け、ハーフミラーによっ
て分岐された光の一方をサーボ信号検出用光検出器50
7に導いてサーボ信号が得られるようにし、ダイクロイ
ックミラー505によって反射されたλ2の光は用いず
にサーボを得る態様を実施した。この態様は、本発明の
第2実施形態に対応し、超解像層12からの2次光が主
信号検出系に入射するのを防止する態様になる。
【0103】この態様で、サーボを掛けながらλ/(4
NA)のマーク列の録再を行った結果、再生CNRとし
ては45dB程度を得、超解像層の発光を主信号検出系
から除外する効果が確認された。
【0104】次に、図1の構成に戻り、超解像層12か
らの波長λ2の発光をサーボ信号検出用光検出器507
に導いてサーボ信号を得るとともに、波長λ1の反射光
は全て主信号として用いる態様を実施した結果、安定に
サーボを掛けながら、50dB以上の高いCNRを得る
ことができた。
【0105】上述の実施例では、超解像層12として半
導体微粒子分散膜を用いが、超解像層12としては、入
射光とは異なる波長の光を発光するもの、例えばフォト
クロミック系材料を用いることもできる。
【0106】さらにまた、図7に関して前述したよう
に、蛍光体層などを用いて積極的に2次光を放出する光
記録媒体を用いることもできる。以上、具体例を参照し
つつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、
本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、光ディスクドライブの光学系、電気信号処理
系、機械系の具体的な構成については、当業者が適宜選
択した用いたものも本発明と同様の作用効果が得られる
限り本発明の範囲に包含される。
【0107】また、本発明において用いる記録媒体の膜
構成は、これらの具体例に限定されるものではなく、こ
れらの他にも、例えば、多層干渉膜、半吸収膜、結晶化
促進膜などを自由に設けることができる。また、本発明
は相変化媒体を用いるものには限定されず、その他、各
種のROM(Read Only Memory)媒体、色素系R(Reco
rdable)媒体、光磁気媒体なども適用可能である。すな
わち、本発明における光記録媒体は、入射光とは異なる
波長の光を放出する超解像層などの発光層を具備するも
のであれば、媒体部は何でも構わない。
【0108】また、相変化記録媒体、光磁気記録媒体あ
るいは超解像層の材料についても、前述した具体例には
限定されず、光記録、光磁気記録あるいは超解像効果が
達成される各種の材料を同様に用いて同様の作用効果が
得られ、この限りにおいて本発明の範囲に包含される。
【0109】また、本発明の光ディスクドライブは、1
つあるいは複数の光ディスクを固定的な備えた「固定
式」のものでもよく、または、記録媒体の脱着が可能な
いわゆる「リムーバブルタイプ」のものであってもよ
い。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
入射光とは異なる波長の光を放出する超解像層を具備す
る光記録媒体を用いた場合に、安定したサーボ特性を得
ることができると同時に、再生信号品質を格段に向上す
ることができるので、元々超解像媒体の有する優れた高
密度記録特性に加えて、光ディスクの記録密度を格段に
向上することができる。
【0111】または、本発明によれば、入射光とは異な
る波長の光を放出する発光層を設けた記録媒体を用いる
ことにより、主信号を検出するための光の波長とサーボ
信号を得るための光の波長とを別々に設定することが可
能となる。その結果として、フォーカスやトラッキング
に関するサーボをより確実にかけることができるという
効果が得られる。すなわち、超解像層や蛍光体などから
放出される2次光は、1次光よりも波長が長く、シリコ
ン(Si)などを用いて形成される光検出器の量子効率
がより高い波長領域において、フォーカスやトラッキン
グに関する情報を検出できるからである。
【0112】つまり、本発明によれば、超高密度の光記
録再生が可能となり産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光ディスクドライ
ブの要部構成を例示する模式図である。
【図2】本発明において用いる光記録媒体501の作用
を概念的に表す模式図である。
【図3】本発明の光ディスクドライブに用いられる光記
録媒体の基本構成を例示する断面図である。
【図4】超解像層12の典型的な特性を例示するグラフ
図である。
【図5】図4に表した特性を有する超解像層を光ビーム
が通過する場合のビーム縮小効果を表す模式図である。
【図6】(a)は、本発明に用いて好適な超解像層のエ
ネルギー準位と電子遷移の典型例を表す模式図であり、
(b)は、本発明において用いる超解像層における光吸
収スペクトル(Ab)とフォトルミネッセンス・スペク
トル(PL)の典型例を表す模式図である。
【図7】発光層として蛍光層を具備する光記録媒体の断
面構造を例示する模式図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかる光ディスク
ドライブの要部構成を表す模式図である。
【図9】本発明の第2施形態の光ディスクドライブの変
型例を表す模式図である。
【図10】2波長帯で用いることを目的として構成した
比較例としての光ディスクドライブの要部構成を表す模
式図である。
【符号の説明】
11 光入射側透明板 12 超解像層 13 記録媒体 14 基板 501 光記録媒体(光ディスク) 502 対物レンズ 503 アクチュエータ 504 ビームスプリッタ 505 第1のダイクロイックミラー 506 第2のダイクロイックミラー 507 サーボ信号検出用光検出器 508 主信号検出用光検出器 509 サーボ信号検出回路 510 主信号検出回路 511 光源 512 駆動制御系 513 スピンドルモータ 514 ハーフミラー 515 ミラー 525 ダイクロイックミラー 526 ハーフミラー 527 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D090 AA01 BB02 BB03 BB05 BB12 BB14 CC04 CC14 CC16 EE18 FF01 FF41 GG22 GG25 HH01 KK12 KK15 LL05 5D118 AA13 AA22 BA01 BC07 BF02 CA11 CA13 CC12 CD02 CD03 CD04 CD08 5D119 AA20 AA28 BA01 BB01 BB02 BB04 DA05 EC42 EC47 FA08 FA13 JA26 JA57 5D789 AA20 AA28 BA01 BB01 BB02 BB04 DA05 EC42 EC47 FA08 FA13 JA26 JA57

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の波長の光を照射すると前記第1の波
    長とは異なる第2の波長の光を放出する光記録媒体に記
    録された情報を再生する光ディスクドライブであって、 前記光記録媒体に記録された情報を主信号として読みと
    る主信号検出用光検出器と、 前記光記録媒体に前記第1の波長の光を照射して得られ
    る前記第1の波長の反射光を前記主信号検出用光検出器
    に入射させ、前記光記録媒体において放出された前記第
    2の波長の光の前記主信号検出用光検出器への入射を排
    除する光学手段と、 を備えたことを特徴とする光ディスクドライブ。
  2. 【請求項2】第1の波長の光を照射すると前記第1の波
    長とは異なる第2の波長の光を放出する光記録媒体に記
    録された情報を再生する光ディスクドライブであって、 前記光記録媒体に記録された情報を主信号として読みと
    る主信号検出用光検出器と、 前記光記録媒体と前記主信号検出用光検出器との相対的
    な位置関係または光学的な結合関係を制御するためのサ
    ーボ情報を検出するサーボ信号検出用光検出器と、 前記光記録媒体に前記第1の波長の光を照射して得られ
    る前記第1の波長の反射光を前記主信号検出用光検出器
    に入射させ、前記光記録媒体において放出された前記第
    2の波長の光は前記サーボ信号検出用光検出器に入射さ
    せる光学手段と、 を備えたことを特徴とする光ディスクドライブ。
  3. 【請求項3】第1の波長の光を照射すると前記第1の波
    長とは異なる第2の波長の光を放出する光記録媒体に記
    録された情報を再生する光再生方法であって、 前記光記録媒体に前記第1の波長の光を照射して得られ
    る前記第1の波長の反射光を利用して、前記光記録媒体
    に記録された情報を主信号として読みとり、 前記光記録媒体において放出された前記第2の波長の光
    の、前記主信号を検出するための光検出器への入射は排
    除することを特徴とする光再生方法。
  4. 【請求項4】第1の波長の光を照射すると前記第1の波
    長とは異なる第2の波長の光を放出する光記録媒体に記
    録された情報を再生する光再生方法であって、 前記光記録媒体に前記第1の波長の光を照射して得られ
    る前記第1の波長の反射光を利用して、前記光記録媒体
    に記録された情報を主信号として読みとり、 前記光記録媒体において放出された前記第2の波長の光
    を利用して、前記光記録媒体に対する相対的な位置関係
    または光学的な結合関係を制御するためのサーボ情報の
    検出を行うことを特徴とする光再生方法。
  5. 【請求項5】前記光記録媒体は、超解像層を有し、 前記第2の波長の光は、前記超解像層から放出されるこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載の光再生方法
  6. 【請求項6】前記光記録媒体は、蛍光体を含有し、 前記第2の波長の光は、前記蛍光体から放出されること
    を特徴とする請求項3または4に記載の光再生方法
JP2001278167A 2001-09-13 2001-09-13 光ディスクドライブ及び光再生方法 Pending JP2003085818A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001278167A JP2003085818A (ja) 2001-09-13 2001-09-13 光ディスクドライブ及び光再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001278167A JP2003085818A (ja) 2001-09-13 2001-09-13 光ディスクドライブ及び光再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003085818A true JP2003085818A (ja) 2003-03-20

Family

ID=19102578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001278167A Pending JP2003085818A (ja) 2001-09-13 2001-09-13 光ディスクドライブ及び光再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003085818A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004296830A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Solidlite Corp 白色ledの製造方法
WO2005064603A1 (ja) * 2003-12-16 2005-07-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光ディスク装置及び光ディスク
JP2006048832A (ja) * 2004-08-04 2006-02-16 Ricoh Co Ltd 光情報記録再生方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004296830A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Solidlite Corp 白色ledの製造方法
WO2005064603A1 (ja) * 2003-12-16 2005-07-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光ディスク装置及び光ディスク
CN100403415C (zh) * 2003-12-16 2008-07-16 松下电器产业株式会社 光盘装置及光盘
US7903531B2 (en) 2003-12-16 2011-03-08 Panasonic Corporation Optical disk apparatus for detecting tilt of an optical disk, and an optical disk for tilt detection
JP2006048832A (ja) * 2004-08-04 2006-02-16 Ricoh Co Ltd 光情報記録再生方法
JP4498056B2 (ja) * 2004-08-04 2010-07-07 株式会社リコー 光情報記録媒体及び光情報記録再生方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001067723A (ja) 光記録媒体、光記録再生方法及び光記録再生装置
JP2005025900A (ja) 光記録媒体、光記録再生装置、光記録装置及び光再生装置、並びに、光記録媒体に対するデータ記録再生方法、データ記録方法及びデータ再生方法
JP4287580B2 (ja) 光情報媒体の再生方法
JP4063978B2 (ja) 情報記録方法
JP4403413B2 (ja) 相変化型光情報記録媒体
WO1999014764A1 (fr) Support d'enregistrement optique et systeme de memoire optique
WO2003102932A1 (fr) Procede de decision de motif de modulation de puissance de faisceau laser, dispositif permettant d'enregistrer des donnees sur un support d'enregistrement optique, et support d'enregistrement optique
JP3648378B2 (ja) 光ディスク
JP2000011455A (ja) 光情報記録媒体
US20060013115A1 (en) Multi-stack optical information carrier
JP2003085818A (ja) 光ディスクドライブ及び光再生方法
JP2002298439A (ja) 光記録媒体及び再生方法
JP2003242655A (ja) 光記録媒体からの情報再生方法、情報再生装置及び光記録媒体
JP2002190139A (ja) 光記録媒体
EP1124228A1 (en) Optical recording medium
JP4468951B2 (ja) 光学的情報記録媒体および光学的情報記録再生システム
JP2001101707A (ja) 光記録媒体、光記録再生装置および光記録再生方法
JPH1186342A (ja) 光記録媒体および超解像再生方法
US20060280111A1 (en) Optical storage medium and optical recording method
JP3600543B2 (ja) 光記録媒体
WO2003102931A1 (en) Method for recording data to optical recording medium, device for recording data to optical recording medium, and optical recording medium
JPH09326135A (ja) 光学的情報記録媒体及びその記録・再生方法
JP2001236690A (ja) 光学的情報記録用媒体
JP2004047053A (ja) 光記録媒体へのデータの記録方法、光記録媒体へのデータの記録装置および光記録媒体
JP4376149B2 (ja) 光情報媒体の再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040528