JP2003085781A - 光学ピックアップ、ディスクドライブ装置及びディスクドライブ装置におけるレーザ光の光軸位置の調整方法 - Google Patents

光学ピックアップ、ディスクドライブ装置及びディスクドライブ装置におけるレーザ光の光軸位置の調整方法

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JP2003085781A
JP2003085781A JP2001276127A JP2001276127A JP2003085781A JP 2003085781 A JP2003085781 A JP 2003085781A JP 2001276127 A JP2001276127 A JP 2001276127A JP 2001276127 A JP2001276127 A JP 2001276127A JP 2003085781 A JP2003085781 A JP 2003085781A
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Makoto Saito
真 齋藤
Tsuguhiro Abe
嗣弘 阿部
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光学ピックアップにおいて、光学系を構成す
る各種光学部品の取付精度を移動ベース等の構成部品の
寸法精度のみに依存しないようにする。 【解決手段】 レーザ照射手段と、レーザ光の光路を屈
折させて曲げるプリズムと、プリズムを通過したレーザ
光が照射されるフォトディテクタとを備える集積型光学
素子104と、対物レンズ122と、集積型光学素子か
ら出射したレーザ光の光路を対物レンズ側に屈折させて
曲げると共に、対物レンズを介して入射されるディスク
状記録媒体からの反射光の光路を上記プリズム側に屈折
させて曲げる立ち上げミラー103とを備えた光学ピッ
クアップにおいて、ディスク状記録媒体の信号面に照射
されるレーザ光の照射角度を移動ベース101の移動方
向と平行な方向に変更可能にするために、立ち上げミラ
ーの反射面103cの角度を変えることができるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光学ピックアッ
プ、ディスクドライブ装置及びレーザ光の光軸位置の調
整方法において、部品取付誤差によって発生するディス
ク状記録媒体の信号面上でのレーザ光の光軸のずれを補
正するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク等のディスク状記録媒体に対
し、情報信号の書き込み又は読み出しを行うようにされ
たディスクドライブ装置がある。このようなディスクド
ライブ装置は、ディスク状記録媒体の半径方向に移動す
ると共にディスク状記録媒体にレーザ光を照射して、デ
ィスク状記録媒体に対して情報信号の書き込み又は読み
出しを行うための光学ピックアップを有する。
【0003】ところで、上記光学ピックアップにおいて
は、ディスク状記録媒体に対する情報信号の書き込み又
は読み出しを正しく行うために、レーザ光を出射すると
共に該レーザ光をディスク状記録媒体の表面(信号面)
まで導くレーザ光学系を構成する各種光学部品を、良好
な光学的特性を有するように配置する必要がある。即
ち、レーザ光を照射するレーザ照射手段からディスク状
記録媒体までの間の光学的経路(光路)中に存在する各
光学部品を、レーザ光の光軸がディスク状記録媒体の表
面(信号面)に対してなるべく直角となるように、精度
良く取り付ける必要がある。
【0004】上記レーザ光学系を構成する各光学部品の
取付精度に影響を及ぼすものとしては、例えば、レーザ
照射手段が直接取り付けられる面の精度や、小型の光学
ピックアップにおいてレーザ光の光路を折り曲げること
によって各種光学部品の配置スペースを稼ぐと共に必要
な光路長を確保するために用いられる所謂立ち上げミラ
ーの取付部分の精度等があるが、従来は、これらの精度
は、光学ピックアップの移動ベース等、光学ピックアッ
プを構成する部品の寸法精度に頼っているのが現状であ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
ディスクドライブ装置の小型化によって、光学ピックア
ップ自体も小型化が進み、上記移動ベース等の光学ピッ
クアップを構成する部品自体も小型化されるので、移動
ベースの集積型光学素子及び立ち上げミラーの取付部分
等の精度出しが困難になっている。
【0006】そして、光学ピックアップを小型化した場
合、各光学部品の取付精度を移動ベース等の光学ピック
アップを構成する部品の寸法精度に頼り、その寸法精度
を良好に保とうとすると、光学ピックアップの製造コス
トが高くなってしまうと共に光学ピックアップの製造時
の歩留まりも悪くなってしまうという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、小
型化することによってコスト面等から移動ベース等の構
成部品の精度出しが困難になる光学ピックアップにおい
て、光学系を構成する各種光学部品の取付精度を移動ベ
ース等の構成部品の寸法精度のみに依存しないようにす
ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明光学ピックアップ及びディスクドライブ装置
は、レーザ光を照射するレーザ照射手段と、レーザ照射
手段により照射されたレーザ光を屈折させて曲げるプリ
ズムと、プリズムを通過したレーザ光を受光するフォト
ディテクタとを備える集積型光学素子と、入射されるレ
ーザ光をディスク状記録媒体の信号面に集光する対物レ
ンズと、レーザ照射手段から出射したレーザ光を対物レ
ンズ側に反射させて曲げると共に対物レンズを介して入
射される上記ディスク状記録媒体からの反射光を上記プ
リズム側に反射させて曲げる立ち上げミラーと、移動ベ
ース上に配置された固定部及び該固定部に対して移動可
能に支持された可動部を有する対物レンズ駆動機構とを
備え、対物レンズ駆動機構は、可動部に対物レンズを取
り付けると共に、対物レンズを介して照射されるレーザ
光がディスク状記録媒体の信号面に集光してスポットを
形成するように可動部がディスク状記録媒体の信号面に
離接する方向に移動することによりフォーカシング調整
を行うようにし、レーザ光のスポットの位置がディスク
状記録媒体の信号面の記録トラックに追随して移動する
ように可動部を移動ベースの移動方向に移動させること
によりトラッキング調整を行うようにし、立ち上げミラ
ーを、反射面の角度を変えることができるように回動自
在に支持し、反射面の角度を変えることによって、ディ
スク状記録媒体の信号面に照射されるレーザ光の照射角
度を移動ベースの移動方向と平行な方向に変更可能にし
たものである。
【0009】従って、本発明においては、集積型光学素
子や立ち上げミラー等の光学部品が取り付けられる移動
ベース等の寸法精度を高くしなくても、これに起因する
ディスク状記録媒体の信号面でのレーザ光の光軸角度の
ずれを補正することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の概要を説明す
る。
【0011】本発明は、レーザ光を使用してディスク状
記録媒体への情報信号の書き込み及び読み出しを行うデ
ィスクドライブ装置に使用される光学ピックアップにお
いて、光学系を構成する各種光学部品の取付精度を移動
ベース等の構成部品の寸法精度のみに依存しないように
して、移動ベース等の構成部品のコストダウンを図ると
共に、各種光学部品の取付誤差を吸収して、取付誤差に
よってディスク状記録媒体の信号面に対してレーザ光の
光軸が傾かないようにするものである。
【0012】即ち、本発明光学ピックアップは、レーザ
照射手段、プリズム、フォトディテクタ等を内包した集
積型光学素子(以下、「レーザカプラ」という。)と、
対物レンズと、レーザ光の光路を対物レンズ側に反射さ
せて曲げると共にディスク状記録媒体からの反射光の光
路をプリズム側に反射させて曲げる立ち上げミラーとを
備え、ディスク状記録媒体の信号面に照射されるレーザ
光の光路を、立ち上げミラーによってディスク状記録媒
体の半径方向(トラッキング方向)に移動させて、ディ
スク状記録媒体の信号面に対するレーザ光の光軸の傾き
を補正するようにしたものである。
【0013】以下、本発明光学ピックアップ、ディスク
ドライブ装置及びディスクドライブ装置におけるレーザ
光の光軸位置の調整方法の実施の形態について、添付図
面を参照して説明する。
【0014】尚、以下の実施の形態は、本発明を、例え
ば、扁平なケース体内に直径64mmのディスク状記録
媒体(光磁気ディスク、光ディスク等)が回転可能な状
態で収納されて成るディスクカートリッジを使用し、上
記ディスク状記録媒体に記録された情報信号を再生、又
は、ディスク状記録媒体に情報信号を記録するディスク
ドライブ装置、該ディスクドライブ装置に用いられる光
学ピックアップに適用したものである。
【0015】ディスクドライブ装置1は、図1及び図2
に示すように、薄い箱状を為す外筐2内に所用の部材及
び機構が配置されて成る。
【0016】上記外筐2の前面には横長の矩形を為す挿
脱口2aが形成され、外筐2には挿脱口2aを塞いで埃
等の侵入を防ぐための扉2bが支持されいる。
【0017】ディスクカートリッジ3は、上記したよう
に、扁平なケース体4内にディスク状記録媒体5が回転
可能な状態で収納されて成るものである。
【0018】従って、ディスクカートリッジ3が外筐2
内に挿入される時、又は、外筐2内から排出される時に
は、上記扉2bが作動して挿脱口2aが開放される。
【0019】尚、以下の説明において、前後上下左右の
方向について述べる時は、図1において、ディスクドラ
イブ装置1の外筐2の挿脱口2aが形成されている側を
前方、その逆の方向を後方とし、左右の方向は、上記で
規定した前方に向かっての左右の方向をいうものとし、
上下の方向は図1中における上方及び下方を上下の方向
とする。尚、参考のため、各図中に矢印で前方(Fron
t)、後方(Rear)、左方(Left)、右方(Right)、上方
(Upper)、下方(Lower)を記載する。
【0020】ディスクドライブ装置1の外筐2の適宜な
位置には、図1に示すように、各種機能が割り当てられ
た操作ボタン6、6、…が配設され、これら操作ボタン
6、6、…を操作すると、例えば、再生動作、動作の停
止、音量の変更、ディスクカートリッジ4の外筐2内か
らの排出等が実行される。
【0021】また、外筐2内には、図2に示すように、
シャーシ7が配設されている。シャーシ7の略中央の下
面側には図示しない駆動モータ(スピンドルモータ)が
配設され、該駆動モータの回転軸がシャーシ7を貫通し
て上方に突出し、該回転軸にディスクテーブル8が固定
されている。
【0022】図2に示すように、上記シャーシ7には、
配置孔7aが形成され、上記ディスクテーブル8は、シ
ャーシ7の上面よりも上方に突出した状態とされる。ま
た、シャーシ7の下面側には、リードスクリュー9とガ
イド軸10とが平行な状態で配設されている。そして、
シャーシ7の配置孔7aに対応する位置には、光学ピッ
クアップ100がディスクテーブル8に装着されるディ
スク状記録媒体5の半径方向(ラジアル方向、又は、ト
ラッキング方向)、即ち、図2に矢印Aで示す方向に移
動自在に支持されている。
【0023】上記光学ピックアップ100は、図2乃至
図4に示すように、移動ベース101に所要の各部材、
即ち、対物レンズ駆動機構102、立ち上げミラー10
3、レーザカプラ(集積型光学素子)104等が配置さ
れて成るものである。
【0024】また、光学ピックアップ100は、上記レ
ーザカプラ104を、レーザーカプラ104内のレーザ
照射手段からプリズムまでのレーザ光の光軸が、ディス
ク状記録媒体5の半径方向及び後述する対物レンズのフ
ォーカシング調整時の移動方向と直交するように配置さ
れたものであり、更に、レーザカプラ104内のプリズ
ムとフォトディテクタ及び立ち上げミラー103とが、
フォトディテクタのトラッキングエラーの検出方向と、
ディスク状記録媒体5に対するトラッキング調整時にお
ける反射光(戻りレーザ光)の移動方向とが略一致する
ように配置されているものである。
【0025】上記移動ベース101は、図3及び図4に
示すように、主部105と、該主部105の前後両端部
からそれぞれ一体に突出形成された軸受部106、10
7とを有する。
【0026】即ち、図3に示すように、主部105の後
側に位置する軸受部106には、移動ベース101を左
右方向に貫通した螺孔106aが設けられ、前方側の軸
受部107には、左右方向に延びると共に前方に向かっ
て開口した支持溝107aが設けられている。
【0027】移動ベース101は、図2に示すように、
軸受部106の螺孔106aにリードスクリュー9が螺
合され、軸受部107の支持溝107aにガイド軸10
が摺動可能に嵌合されることによって、シャーシ7に対
して移動自在に支持されると共に、図示しないステッピ
ングモータ等によって駆動されて回転するリードスクリ
ュー9によって軸受部106が送られ、軸受部107が
ガイド軸10上を摺動することにより、移動される。従
って、光学ピックアップ100は、シャーシ7の配置孔
7a内でディスク状記録媒体5の半径方向に移動するこ
ととなる。
【0028】また、上記移動ベース101の主部105
は、図4に示すように、底壁105aのリードスクリュ
ー9と螺合する軸受部106へと続く後側を除く略三方
が、周壁105bによって囲まれ、上方に向かって開口
した浅い長方形の容器状を為している。
【0029】移動ベース101の主部105には、図4
に示すように、底壁105aの中央から僅かに後側に寄
った部分に左右方向に平行して延びる2条のリブ10
8、108が形成されている。そして、上記リブ10
8、108の左右方向における略中央の位置には、立ち
上げミラー103を回動自在な状態で保持するための半
円形の切欠108a、108aが形成されている。ま
た、リブ108と108との間の底壁105aには、立
ち上げミラー103を保持して角度調整を行う際に、立
ち上げミラー103と底壁105aとの干渉を避けるた
めの開口105cが形成されている。
【0030】また、移動ベース101の主部105の右
側面には、図4に示すように、右方に向かって突出した
位置決め突片109、110と、周壁105bを左右方
向に貫通した円形の透光孔111が形成されている。こ
れら位置決め突片109と110は、レーザカプラ10
4を移動ベース101の主部105に取着する際に、レ
ーザカプラ104のおおよその位置を規定するために設
けられたものである。また、位置決め突片109と11
0によって挟まれた部分の周壁105bの表面には、上
記透光孔111とレーザカプラ104の内部からレーザ
光が出射する後述する出射孔との位置等、レーザカプラ
104の取着位置を更に厳密に規定するために、例え
ば、多数の位置決め突起等の位置決め手段(図示は省略
する)が形成されている。尚、この場合、レーザカプラ
104にも、上記位置決め手段と対応した位置決め手段
(図示は省略する)が形成されている。
【0031】対物レンズ駆動機構102は、図3及び図
4に示すように、支持ベース(固定部)112と、該支
持ベース112に支持された可動部113とを有する。
上記支持ベース112は、ベース部114と該ベース部
114の左右両側縁からそれぞれ上方に立ち上げられた
ヨーク115、115と、ベース部114の略中央から
上方に突出された支持軸116とから成る。
【0032】上記ヨーク115、115はそれぞれ、図
4に示すように、前後両端部115a、115aを互い
に近づく方向に折り曲げられて上方から見てコ字状を為
し、それぞれのコ字状の開口が向き合うよう対向して位
置されている。
【0033】また、ヨーク115、115の互いに対向
した内面には、図3に示すように、それぞれマグネット
117、117が接着等によって固定されている。尚、
マグネット117、117は、対向する側の面が同じ極
性を有するようにされている。
【0034】可動部113は、図3及び図4に示すよう
に、樹脂製のボビン118に所要の各部材が取り付けら
れて成るものである。上記ボビン118は、本体部11
9と、該本体部119から後方に一体に突出形成された
レンズホルダ部120とを有する。
【0035】上記ボビン118の本体部119は、図4
に示すように、上壁119aと、その周囲を囲むように
形成され、上壁119aの前方及び左右の側縁部から一
体に下方に突出形成された側壁119bとを有する。そ
して、本体部119の前側の側壁119bの下縁から
は、図示しない適宜な形状をしたバランサーが取着され
るためのバランサー取付部119cが前方に向けて一体
に突出形成されている。また、上壁119aの下面の略
中央には、下方に突出された円筒状を為す被支持筒部1
19dが設けられている。更に、ボビン118の本体部
119の下面には、フォーカシングコイル及びトラッキ
ングコイルから成るコイル体121が取り付けられてい
る。
【0036】上記レンズホルダ部120には、図3及び
図4に示すように、所定の形状をした対物レンズ122
がリング状の保持枠123によって外縁部分を押さえら
れた状態で保持されている。
【0037】そして、可動部113は、図3に示すよう
に、ベース部114の支持軸116が、可動部113の
本体部119の被支持筒部119dに挿入されることに
より、支持軸116の軸方向に摺動自在に、且つ、支持
軸116の軸周り方向に回動自在に支持される。
【0038】以上に記載したように構成された対物レン
ズ駆動機構102は、移動ベース101に取着固定され
る。即ち、対物レンズ駆動機構102のベース部114
は、図4に示すように、移動ベース101の主部105
の稍前寄りの部分で、前側のリブ108と周壁105b
によって囲まれた部分の底壁105aに配置され、接着
等の適宜な手段によって主部105の底壁105aにベ
ース部114の底面が固定される。そして、対物レンズ
駆動機構102の可動部113に支持された対物レンズ
122は、移動ベース101の主部105に配設された
立ち上げミラー103の略真上に位置するようになる。
【0039】尚、対物レンズ駆動機構102が移動ベー
ス101に取着された状態において、可動部113の移
動方向は、支持軸116の軸方向がディスク状記録媒体
5の表面(信号面5a)に離接する方向であるフォーカ
シング方向とされ、支持軸116の軸周り方向がディス
ク状記録媒体5の記録トラックを横切る方向であるトラ
ッキング方向とされる。
【0040】そして、対物レンズ駆動機構102が移動
ベース101に取着され、ベース部114の支持軸11
6によって可動部113が支持された状態においては、
図3に示すように、マグネット117、117はボビン
118を左右から挟み込むように、可動部113の直ぐ
外側に対向して位置した状態となる。
【0041】また、この状態では可動部113のボビン
118(コイル体121)が、移動ベース101を介し
て図示しないフレキシブルプリント配線基板によって駆
動回路に接続され、適宜に通電されることによってコイ
ル体121にも磁界を発生させ、可動部113を上記フ
ォーカシング方向及びトラッキング方向に移動させて、
フォーカシング調整及びトラッキング調整が為される。
【0042】立ち上げミラー103は、図4に示すよう
に、平板状に形成された反射部103aと、該反射部1
03aの側面から外方に突出した円柱状の支持軸部10
3b、103bとを有する。
【0043】そして、従来の光学ピックアップにおいて
は、立ち上げミラーは反射面が予め規定された角度にな
るように移動ベース上に固定されていたものであるが、
立ち上げミラー103は、移動ベース101のリブ10
8、108の切欠108a、108a内に支持軸部10
3b、103bをそれぞれ嵌合させることにより支持さ
れている。立ち上げミラー103は、この状態では、支
持軸部103b、103bを回動軸として、図8及び図
9に矢印Bで示す方向に回動自在とされている。立ち上
げミラー103は、詳しくは後述するが、回動されて反
射部103aの表面である反射面103cの角度が最適
な角度に調整され、その後、接着剤によって移動ベース
101の主部105上に固定される。
【0044】レーザカプラ104は、図5に内部構造を
概略的に示すように、レーザ照射手段であるレーザ発光
素子と、受光素子とを一体の光学ブロックとしてパッケ
ージ化したものであり、それぞれ図示しない半導体基板
上に配設された、レーザ発光素子(レーザダイオードチ
ップ)124、プリズム125、第1のフォトディテク
タ(以下、「PD」と略記)126、第2のPD127
等を有し、これらを横長の略長方体の半導体パッケージ
104aに内包して成るものである。
【0045】上記プリズム125は、厳密には、異なる
2種類の媒質(複屈折性媒質及び均質性媒質)でそれぞ
れが形成された2つのプリズムを組みあわせて成るもの
であるが、その詳細については省略する。プリズム12
5は、図5及び図6に示すように、一方に斜面が形成さ
れて反射面125aとされた台形ブロック状にを為すも
のである。また、プリズム125は、反射面125aが
レーザ発光素子124側を向くように配置され、反射面
125aには、少なくともレーザ発光素子124から出
射されたレーザ光が照射される部分に偏光分離半透過膜
(BS膜)がコーティングされている。
【0046】そして、プリズム125の底面125b
は、第1のPD126の位置に対応した部分に無偏光ビ
ームスプリッタ(NPBS膜)がコーティングされてい
ると共に、第2のPD127の位置に対応した部分には
無反射膜(AR膜)がコーティングされている。更に、
プリズム125の底面125bと対向する上面125c
には全反射膜がコーティングされている。また、上記第
1のPD126及び第2のPD127は、図6及び図7
に示すように、それぞれ複数のセンサ部を有するように
分割されて形成されている。
【0047】即ち、図6及び図7に示すように、第1の
PD126は、4分割されたセンサ部126a、126
b、126c及び126dを有し、第2のPD127
は、2つのセンサブロック127a及び127bを有す
ると共に、各センサブロック127a、127bはそれ
ぞれ、3分割されたセンサ部127c、127d及び1
27eと、127f、127g及び127hを有する。
そして、第1のPD126及び第2のPD127はそれ
ぞれ、センサ部126a、126b、126c、126
d及び各センサブロック127a及び127bのセンサ
部127c、127d、127e、127f、127g
及び127hが、プリズム125の底面125bに接す
るように配置されている。
【0048】以上のような構成を有するレーザカプラ1
04内においては、レーザ発光素子124から出射した
レーザ光L1は、プリズム125の反射面125aによ
って反射されて光路を略90°折り曲げられ、図5に示
すように、半導体パッケージ104aの出射孔104b
から外部に出射される。また、詳しくは後述するが、デ
ィスク状記録媒体5の信号面5aで反射されて戻ってき
た戻りレーザ光L2は、半導体パッケージ104aの出
射孔104bからレーザカプラ104の内部に入り、プ
リズム125の内部に入射される。
【0049】そして、レーザカプラ104は、図3及び
図4に示すように、移動ベース101の主部105に取
着される。即ち、レーザカプラ104は、主部105の
位置決め突片109と110とによって挟まれた部分の
周壁105bに、位置決め突片109、110及び前述
の位置決め手段によって位置決めが為され、接着等によ
って固定される。そして、レーザカプラ104が移動ベ
ース101の主部105に取着された状態においては、
移動ベース101の透光孔111とレーザカプラ104
の出射孔104bとの位置が合うようになる。尚、上記
したように移動ベース101上でレーザカプラ104を
配置することによって、光学ピックアップ100を全体
的に薄型化することが可能になる。
【0050】以上のような構造を有する光学ピックアッ
プ100においては、レーザカプラ104内でレーザ発
光素子124から出射したレーザ光L1は、前述のよう
に、プリズム125の反射面125aによって反射され
て出射孔104bから外部に出射される。そして、レー
ザカプラ104の出射孔104bから出射したレーザ光
L1は、図8に示すように、移動ベース101の透光孔
111を通り移動ベースの101の主部105の底壁1
05aと平行に照射され、立ち上げミラー103によっ
てレーザー光L1の光路が略90°折り曲げられて略垂
直に上方に向かい、対物レンズ駆動機構102の可動部
113に支持された対物レンズ122に入射してディス
ク状記録媒体5の信号面5aに集光照射されてスポット
を形成する。
【0051】ディスク状記録媒体5の信号面5aに集光
照射されたレーザ光L1は、ディスク状記録媒体5の信
号面5aで反射され戻りレーザ光L2となって、上記と
逆の光路、即ち、略垂直に下方に向かって、対物レンズ
122を透過し、立ち上げミラー103によって反射さ
れて略90°光路が折り曲げられて移動ベースの101
の主部105の底壁105aと平行に照射され、移動ベ
ース101の透光孔111及び出射孔104bを通って
レーザカプラ104内へと戻る。
【0052】そして、レーザカプラ104の内部に入射
された戻りレーザ光L2は、図5に示すように、プリズ
ム125の反射面125aを屈折透過してプリズム12
5の内部に入り込み、底面125bの第1のPD126
が配置された部分の内面にスポット128を形成する。
【0053】プリズム125の底面125bの第1のP
D126が配置された部分の内面にスポット128を形
成した戻りレーザ光L2は、一部が底面125bを透過
して第1のPD126のセンサ部126a、126b、
126c、126d上に照射されて信号として検出され
る。
【0054】また、プリズム125の底面125bの第
1のPD126が配置された部分の内面にスポット12
8を形成した戻りレーザ光L2は、その部分で一部が反
射され、プリズム125の上面125cの内面で再び反
射されて、底面125bの第2のPD127が配置され
た部分の内面に2つのスポット129、129を形成す
る。
【0055】即ち、プリズム125の底面125bの第
2のPD127が配置された部分の内面にスポット12
9、129を形成した戻りレーザ光L2は、底面125
bを透過して第2のPD127のセンサブロック127
a、127bの各センサ部127c、126d、126
e、127f、127g、127h上に照射されて信号
として検出される。
【0056】尚、厳密には、プリズム125内に入射し
た戻りレーザ光L2は、反射面125aにコーティング
されたBS膜を透過し、前記した複屈折性媒質で形成さ
れた部分によって2つの偏光方向の光成分に分離される
ので、その分離された光成分のずれによって底面125
bの第1のPD126が配置された部分の内面に形成さ
れるスポット128は2つになるが、ここでは、これを
無視して1つのものとして扱うことにする。2つの光成
分に分離された戻りレーザ光L2が、底面125bの内
面の第2のPD127が配置された部分に達する時に
は、2つの光成分に分離された戻りレーザ光L2の間隔
が更に開いて、2つのスポット129、129を形成す
ることになるのである。
【0057】そして、上記第1のPD126及び第2の
PD127それぞれによる検出信号によって、ディスク
状記録媒体5に記録された情報が読み取られると共に、
トラッキングエラー及びフォーカシングエラーが検出さ
れる。
【0058】トラッキングエラーは、第1のPD126
の4つのセンサ部126a、126b、126c及び1
26dによるそれぞれの検出信号の差を利用して検出さ
れる。
【0059】即ち、第1のPD126の4つのセンサ部
126a、126b、126c及び126dの配設方向
が、戻りレーザ光L2の回折パターンの0次光と±1次
光の交点を結ぶ直線上を中心として略対称であるので、
各センサ部126a、126b、126c及び126d
による検出信号を比べることによって、PD126に入
射するスポット128の位置のずれを検出することがで
き、これによってトラッキング調整を行うことができ
る。
【0060】また、フォーカシングエラーは、2つに分
離された戻りレーザ光L2が第2のPD127の2つの
センサブロック127a及び127bにそれぞれ入射さ
れるので、2つのセンサブロック127a及び127b
を1つのものとして取り扱い、所謂D−3DF法で演算
することによって、第1のPD126の検出信号と第2
のPD127の検出信号に基づいてフォーカス信号を検
出することによって検出される。
【0061】即ち、フォーカスが合っている時には、戻
りレーザ光L2は、プリズム125の上面125cにコ
ーティングされた全反射膜上で焦点を結び、第1のPD
126と第2のPD127でのスポット128と12
9、129の径が同じ大きさとなる。また、フォーカス
が合っていない時には、第1のPD126と第2のPD
127でのスポット128と129、129の径が異な
ることとなる。
【0062】ところで、光学ピックアップにおいては一
般的に、立ち上げミラーやレーザカプラ等の光学部品
は、移動ベース上に接着等によって固定されている。そ
して、上記光学部品の移動ベースに対する取付角度にず
れが生じると、レーザ光の光軸がずれてしまい、ディス
ク状記録媒体の信号面に対するレーザ光の入射角が直角
からずれてしまうと共に、これによってディスク状記録
媒体の信号面で反射された戻りレーザ光がプリズム内の
PDに入射する時の入射角も所定の角度からずれてしま
うことになる。この戻りレーザ光のPDに対する入射角
のずれによって、PDのセンサ部に入射するスポットの
位置もずれてしまうため、PDで検出できる戻りレーザ
光の信号レベルが低くなってしまう。このレーザ光の入
射角のずれは、特に、光学ピックアップのトラッキング
性能等に影響を与えるため、ディスク状記録媒体の半径
方向、即ち、トラッキング方向において問題となる。
【0063】従って、従来の光学ピックアップにおいて
は、立ち上げミラーやレーザカプラ等の光学部品が所定
の位置及び姿勢となるように寸法精度が厳しく管理され
た所謂取付基準面を設定し、この取付基準面によって位
置決めを行って、これら光学部品の取付角度のずれを最
小限にするようにして、ディスク状記録媒体の信号面へ
のレーザ光の入射角が直角からずれることを最小にする
ようにしていた。しかし、上記光学部品の取付角度のず
れをゼロにすることは非常に困難であり、しかも、光学
部品の取付角度のずれがあっても、これを補正する手段
が無いのが現状である。
【0064】更に、近年の光学ピックアップの小型化に
よって光学部品が取り付けられる移動ベースも小型化す
ると、当然のことながら、上記取付基準面も小さくなっ
てしまうので、取付基準面の寸法精度を出すことはより
困難となっていた。仮に、光学ピックアップの小型化に
よって光学部品が取り付けられる移動ベースも小型化し
た場合でも、上記取付基準面の寸法精度を従来通りに保
とうとするならば、移動ベースの部品コストが高くなっ
てしまい、また、移動ベース等の生産時の歩留まりも悪
くなってしまうという問題が発生する。
【0065】そこで、本発明は、光学系を構成する各種
光学部品の取付精度を移動ベース等の構成部品の寸法精
度のみに依存しないようにして、移動ベース等の構成部
品のコストダウンを図ると共に、各種光学部品の取付誤
差を吸収して、光学部品の取付誤差によって発生するレ
ーザ光の光軸の傾き、特に、ディスク状記録媒体の半径
方向への光軸の傾きを、レーザ光の光路を反射させて対
物レンズに入射させる立ち上げミラーの反射面の角度を
調整することによって補正することができるようにした
ものである。
【0066】即ち、光学ピックアップ100において
は、レーザカプラ104の移動ベース101への取着に
関しては、これを位置決め突起109、110及びこれ
らの間の主部105の周壁105bによって形成される
取付基準面の寸法精度に依存しないようにして移動ベー
ス101の部品コストを抑え、レーザーカプラ104の
取付誤差によって発生するレーザ光L1のディスク状記
録媒体5の信号面5aに対する入射角度のずれ、即ち、
光軸の傾きは、立ち上げミラー103を回動させること
によって反射面103cの角度を最適な状態に調整する
ことによって補正するようにした。
【0067】以下に、光学ピックアップ100における
レーザ光L1の光軸の調整方法について説明する。
【0068】上記立ち上げミラー103の反射面103
cの角度調整は、図8及び図9に示すように、レーザカ
プラ104を、移動ベース101の位置決め突起10
9、110の間で主部105の周壁105bの外面に取
着して固定した後で、対物レンズ駆動機構102を移動
ベース101に取り付ける前に行われる。
【0069】レーザ光L1の照射角度調整、即ち、レー
ザ光L1がディスク状記録媒体5の信号面5a上に形成
するスポットのトラッキング方向における位置調整は、
具体的には、例えば、図示しない適宜な治具等を使用し
て、対物レンズ駆動機構102の取着前の光学ピックア
ップ100を実際の使用状態(対物レンズ駆動機構10
2が取着され、ディスク状記録媒体5の信号を読み取る
状態)と同じ状態にし、オシロスコープに表示させた戻
りレーザ光L2が入射した第1のPD126の出力信号
レベルを見ながら、オシロスコープの表示されたPD1
26の出力信号レベルが最適な状態になるように、図9
に示すように、立ち上げミラー103を矢印Bで示す方
向に適宜回動させると、戻りレーザ光L2のレーザカプ
ラ104の第1のPD126のセンサ部126a、12
6b、126c及び126d全体にに対する位置が中央
になるように調整することができ、これによって、ディ
スク状記録媒体5の信号面5aに対するレーザ光L1の
入射角を直角にすることができる。そして、立ち上げミ
ラー103は、反射面103cの角度調整が行われた
後、接着によって固定される。
【0070】即ち、第1のPD126のセンサ部126
a、126b、126c及び126d上に集光される戻
りレーザ光L2のスポット128は、ディスク状記録媒
体5の信号面5aに対してレーザ光L1の光軸が傾斜し
た状態では、図7(a)に破線及び一点鎖線で示すスポ
ット128a及び128bのように、センサ部126
a、126b、126c及び126d上で矢印C方向に
ずれた状態となり、レーザ光L1のディスク状記録媒体
5の信号面5aへの入射角度が最適な状態では、実線で
示すスポット128のように、センサ部126a、12
6b、126c及び126d全体に対して中央に位置す
るようになる。
【0071】尚、立ち上げミラー103の回動方向は、
ディスク状記録媒体5の信号面5aに対するレーザ光L
1の光軸の傾きに起因する第1のPD126のセンサ部
126a、126b、126c及び126d上でのスポ
ット128の位置のずれが、スポット128a及び12
8bのように矢印C方向のずれとして現れ、立ち上げミ
ラー103の反射面の103aの角度の調節によって上
記スポット128を矢印C方向に移動させることができ
るように、決定する必要がある。
【0072】従って、光学ピックアップ100において
は、元々、ゼロにすることは非常に困難である光学部品
の取付角度のずれに起因するレーザ光L1の光軸の傾き
を、レーザ光L1を反射して対物レンズ122に入射さ
せる立ち上げミラー103を回動させて反射面103c
の角度を変えることによって吸収して補正することがで
き、移動ベース101に取着されるレーザカプラ104
及び立ち上げミラー103の取付精度を移動ベース10
1の寸法精度に依存しないようにすることによって、移
動ベース101の製造時のコストダウンが可能になると
共に、光学ピックアップの製造時の歩留まりも改善する
ことが可能になる。そして、レーザ光L1のディスク状
記録媒体5の信号面5aへの入射角度のずれ、即ち、光
軸の傾きを略無くすることにより、ディスク状記録媒体
5の信号面5aで反射された戻りレーザ光L2から取り
出される信号のレベルの劣化を無くすことができる。
【0073】以上に記載したように、光学ピックアップ
100は、レーザカプラ104等の光学部品の取付精度
を、移動ベース101の寸法精度に依存しないようにし
て移動ベース101の部品コストを低くし、光学部品の
取付誤差によって発生するレーザ光L1の光軸の傾き、
特に、ディスク状記録媒体5の半径方向における光軸の
傾きを、レーザ光L1を反射させて対物レンズ122に
入射させる立ち上げミラー103の反射面103cの角
度を調整することによって補正するようにしたものであ
る。即ち、ディスク状記録媒体5の半径方向におけるレ
ーザ光L1の光軸の傾きが、図7(a)に示すように、
第1のPD126の4つのセンサ部126a、126
b、126c及び126d上で戻りレーザ光L2のスポ
ット128の矢印C方向におけるずれ128a及び12
8bとして現れるように、移動ベース101上でのレー
ザカプラ104の配設姿勢を設定すると共に、立ち上げ
ミラー103の反射面103cの角度の調整によって、
第1のPD126の4つのセンサ部126a、126
b、126c及び126d上でずれたスポット128a
及び128bを正常なスポット128にすることができ
るように、移動ベース101上での立ち上げミラー10
3の配置姿勢及び反射面103cを角度調整する方向を
設定したものである。
【0074】尚、上記したようにディスク状記録媒体の
半径方向におけるレーザ光の光軸の傾きが、第1のPD
の4つのセンサ部126a、126b、126c及び1
26d上で戻りレーザ光L2の光軸の矢印C方向におけ
るずれとして現れるようにし、立ち上げミラー103の
反射面103cの角度調整によってレーザ光L1の光軸
の傾きを補正して、戻りレーザ光L2のスポット128
の第1のPD126の4つのセンサ部126a、126
b、126c及び126d上での矢印C方向のずれを補
正することができるようにした光学ピックアップ100
の基本的構成において、上記基本的構成を変えることな
く、レーザ光L1の必要な光路長を確保して、移動ベー
ス101上でのレーザカプラ104及び立ち上げミラー
103の配置のみを変えることが可能である。
【0075】従って、以下に光学ピックアップ100の
基本的構成を変えることなく、移動ベース101上での
レーザカプラ104及び立ち上げミラー103の配置の
みを変えた光学ピックアップ100の変形例を示す。
【0076】図10乃至図12は、上記光学ピックアッ
プ100の第1の変形例200を示すものである。尚、
以下の説明においては、光学ピックアップ100との比
較上、光学ピックアップ100の各部と対応する部分に
は、光学ピックアップ100の各部に付した符号にそれ
ぞれ100を足した符号を用いることによって詳細な説
明を省略する。
【0077】上記第1の変形例に係る光学ピックアップ
200は、図10に示すように、前記光学ピックアップ
100よりも上下の厚みが大きい形状を為すものであ
り、移動ベース201に所要の各部材、即ち、対物レン
ズ駆動機構202、立ち上げミラー203、レーザカプ
ラ204等が配置されて成るものである。
【0078】また、光学ピックアップ200は、レーザ
カプラ204が、レーザ照射手段からプリズムまでのレ
ーザ光の光軸が対物レンズのフォーカシング調整時の移
動方向と平行で、且つ、ディスク状記録媒体5の半径方
向と直交するように配置され、更に、レーザカプラ20
4内のプリズムとフォトディテクタ及び立ち上げミラー
とが、フォトディテクタのトラッキングエラーの検出方
向と、ディスク状記録媒体5に対するトラッキング調整
時における反射光の移動方向とが略一致するように配置
されているものである。
【0079】上記移動ベース201は、図10に示すよ
うに、主部205と、該主部205の前後両端部からそ
れぞれ一体に突出形成された軸受部206、207とを
有する。上記主部205の後側の軸受部206は、上下
の厚みが前記光学ピックアップ100の軸受部106よ
りも大きく形成されている。
【0080】移動ベース201の主部205の後側に位
置する軸受部206には、移動ベース201を左右方向
に貫通した螺孔206aが設けられ、前方側の軸受部2
07には、左右方向に延びると共に前方に向かって開口
した支持溝207aが設けられている。また、軸受部2
06には、後述するレーザカプラを取着するための、レ
ーザカプラの外形に合わせた形状を有し、取付基準面を
含む凹部206bが設けられている。
【0081】従って、移動ベース201は、軸受部20
6の螺孔206aにリードスクリュー9が螺合され、軸
受部207の支持溝207aにガイド軸10が摺動可能
に嵌合されることによって、シャーシ7に対して移動自
在に支持されると共に、図示しないステッピングモータ
等によって駆動されて回転するリードスクリュー9によ
って軸受部206が送られ、軸受部207がガイド軸1
0上を摺動することにより、移動される。従って、光学
ピックアップ200は、シャーシ7の配置孔7a内でデ
ィスク状記録媒体5の半径方向に移動することとなる。
【0082】また、上記移動ベース201の主部205
は、図10に示すように、底壁205aのリードスクリ
ュー9と螺合する軸受部206へと続く後側を除く略三
方が、周壁205bによって囲まれ、上方に向かって開
口し、前記光学ピックアップ100の主部105よりも
稍深めの長方形の容器状を為すものである。そして、移
動ベース201の主部205には、立ち上げミラー20
3を回動自在な状態で保持するための図示しない適宜な
保持部が形成されている。
【0083】更に、移動ベース201の主部205は、
図11に示すように、前後方向における略中間部分に段
部が形成されて底壁205aの厚みが前寄りの部分と後
寄りの部分とでは変えられている。そして、この底壁2
05aの厚みが大きい前寄りの部分に対物レンズ駆動機
構202が配置され、底壁205aの厚みが小さい後寄
りの部分に立ち上げミラー203が配置される。
【0084】対物レンズ駆動機構202は前記実施の形
態において示した対物レンズ駆動機構102と同じ構造
を有するものであり、図10に示すように、支持ベース
(固定部)212と、該支持ベース212に支持された
可動部213とを有する。支持ベース212は、ベース
部214と該ベース部214の左右両側縁からそれぞれ
上方に立ち上げられたヨーク215、215と、ベース
部214の略中央から上方に突出した支持軸216とか
ら成る。
【0085】上記ヨーク215、215はそれぞれ、図
10に示すように、前後両端部215a、215aを互
いに近づく方向に折り曲げられて上方から見てコ字状を
為し、それぞれコ字の開口が向き合うよう対向して位置
されている。
【0086】また、ヨーク215、215の互いに対向
した内面には、図10に示すように、それぞれマグネッ
ト217、217が接着等によって固定されている。
尚、マグネット217、217は、対向する側の面が同
じ極性を有するようにされている。
【0087】可動部213は、図10に示すように、樹
脂製のボビン218に所要の各部材が取り付けられて成
るものである。該ボビン218は、本体部219と、該
本体部219から後方に一体に突出形成されたレンズホ
ルダ部220とを有する。尚、上記ボビン218の本体
部219の構造は、上壁219aと、その周囲を囲むよ
うに形成され、上壁219aの前側及び左右の側縁部か
ら一体に下方に突出形成された側壁219bとを有す
る。そして、本体部219の前側の側壁219bの下縁
からは、図示しない適宜な形状をしたバランサーを取着
するためのバランサー取付部219cが前方に向けて一
体に突出形成されている。また、上壁219aの下面の
略中央には、下方に突出された円筒状を為す被支持筒部
219dが設けられている。更に、ボビン218の本体
部219の下面には、フォーカシングコイル及びトラッ
キングコイルから成る図示しないコイル体が取り付けら
れている。
【0088】上記レンズホルダ部220には、所定の形
状をした対物レンズ222がリング状の保持枠223に
よって外縁部分を押さえられた状態で保持されている。
【0089】そして、可動部213は、図10に示すよ
うに、ベース部214の支持軸216が、本体部219
の被支持筒部219dに挿入されることにより、支持軸
216の軸方向に摺動自在に、且つ、支持軸216の軸
周り方向に回動自在に支持される。
【0090】以上に記載したように構成された対物レン
ズ駆動機構202は、移動ベース201に取着固定され
る。即ち、対物レンズ駆動機構202のベース部214
は、移動ベース201の主部205の前寄りの部分で、
底壁205aの厚みが大きくされた部分に配置され、接
着等の適宜な手段によって主部205の底壁205aに
ベース部214の底面が取着固定される。そして、対物
レンズ駆動機構202の可動部213に支持された対物
レンズ222は、移動ベース201の主部205に配設
された立ち上げミラー203の略真上に位置するように
なる。
【0091】尚、対物レンズ駆動機構202が移動ベー
ス201に取着された状態において、可動部213の移
動方向は、支持軸216の軸方向がディスク状記録媒体
5の信号面5aに離接する方向であるフォーカシング方
向とされ、支持軸216の軸周り方向がディスク状記録
媒体5の記録トラックを横切る方向であるトラッキング
方向とされる。
【0092】そして、対物レンズ駆動機構202が移動
ベース201に取着され、ベース部214の支持軸21
6によって可動部213が支持された状態においては、
図10に示すように、マグネット217、217はボビ
ン218を左右から挟み込むように、可動部213の直
ぐ外側に対向して位置した状態となる。
【0093】また、この状態では可動部213の図示し
ないコイル体が、移動ベース201を介して図示しない
フレキシブルプリント配線基板によって駆動回路に接続
され、適宜に通電されることによってコイル体に磁界を
発生させ、可動部213を上記フォーカシング方向及び
トラッキング方向に移動させて、フォーカシング調整及
びトラッキング調整が為される。
【0094】立ち上げミラー203は、図10乃至図1
2に示すように、平板状に形成された反射部203a
と、該反射部203aの上下の側面から上方又は下方に
突出した円柱状の支持軸部203b、203bとを有す
る。
【0095】立ち上げミラー203は、図示しない支持
部に支持軸部203b、203bをそれぞれ嵌合させる
ことにより支持されている。立ち上げミラー203は、
この状態では、反射面203cが斜め後方を向いて位置
し、支持軸部203b、203bを回動軸として、図1
0乃至図12に矢印Bで示す方向に回動自在とされてい
る。そして、立ち上げミラー203は、詳しくは後述す
るが、矢印B方向に回動されることによって反射部20
3aの表面である反射面203cの角度が調整され、接
着によって移動ベース201の主部205上に固定され
る。
【0096】レーザカプラ204は、前記光学ピックア
ップ100に用いられているレーザカプラ104と基本
的には同じ構造を有するものであり、上記レーザカプラ
104とは移動ベース201上での配置箇所及び配置姿
勢が異なるだけである。即ち、レーザカプラ204は、
レーザ照射手段であるレーザ発光素子224、プリズム
225、第1のPD226及び第2のPD227を横長
の略長方体の筐体204aに内包して成り、レーザ発光
素子224から出射したレーザ光L1は、プリズム22
5の反射面225aによって反射されて光路を略90°
折り曲げられ、図10乃至図12に示すように、筐体2
04aの出射孔204bから外部に出射される。
【0097】そして、レーザカプラ204は、図10に
示すように、移動ベース201の軸受部206に形成さ
れた凹部206bに取着される。即ち、レーザカプラ2
04は、上記凹部206bに、出射孔204bが下方に
位置するように配置され、接着等によって移動ベース2
01に固定される。
【0098】ところで、移動ベース201の主部205
は、図11に示すように、底壁205aの厚みが前寄り
の部分と後寄りの部分とでは変えられているものであ
る。上記のように、光学ピックアップ200は、レーザ
カプラ204を縦長の状態で配置するものであり、これ
によって、光学ピックアップ200の上下方向の厚み
は、必然的に大きくなってしまう。また、対物レンズ駆
動機構202は、対物レンズ222とディスク状記録媒
体5の信号面5aとの間の間隔が、対物レンズ222の
焦点距離及びフォーカシング調整時における光軸方向へ
の移動距離によって規定されているものである。
【0099】従って、光学ピックアップ100よりも全
体の厚みが大きい光学ピックアップ200においては、
光学ピックアップ100の対物レンズ駆動機構102と
全く同じ構造及び構成を有する対物レンズ駆動機構20
2を用いているので、対物レンズ222とディスク状記
録媒体5の信号面5aとの間の間隔を、光学ピックアッ
プ100の対物レンズ駆動機構202の場合と同じにす
るために、対物レンズ駆動機構202を配置する部分で
ある移動ベース201の主部205の前寄りの部分の底
壁205aの厚みを他の部分よりも大きくして、対物レ
ンズ222とディスク状記録媒体5の信号面5aとの間
の間隔が規定値になるように調整した。
【0100】以上のような構造を有する光学ピックアッ
プ200においては、レーザカプラ204内でレーザ発
光素子224から出射したレーザ光L1は、前述のよう
に、プリズム225の反射面225aによって反射され
て出射孔204bから外部に出射される。そして、レー
ザカプラ204の出射孔204bから出射したレーザ光
L1は、図10に示すように、前方に向かって水平に照
射され、立ち上げミラー203によって光路が略90°
折り曲げられて略垂直に上方に向かい、可動部213に
支持された対物レンズ222に入射してディスク状記録
媒体5の信号面5aに集光照射されてスポットを形成す
る。
【0101】ディスク状記録媒体5の信号面5aに集光
照射されたレーザ光L1は、ディスク状記録媒体5の信
号面5aで反射され戻りレーザ光L2となって、上記と
逆の光路、即ち、略垂直に下方に向かって、対物レンズ
222を透過し、立ち上げミラー203によって反射さ
れて略90°光路が折り曲げられて後方に向かって水平
に照射され、レーザカプラ204内へ出射孔204bを
通って戻る。
【0102】そして、レーザカプラ204の内部に入射
された戻りレーザ光L2は、図5に示すレーザカプラ1
04と同様に、プリズム225の反射面225aを屈折
透過してプリズム225の内部に入り、底面225bの
第1のPD226が配置された部分の内面にスポットを
形成する。
【0103】プリズム225の底面225bの第1のP
D226が配置された部分の内面にスポットを形成した
戻りレーザ光L2は、一部が底面225bを透過して、
第1のPD226の図示しないセンサ部に照射されて信
号として検出される。
【0104】また、プリズム225の底面225bの第
1のPD226が配置された部分の内面にスポットを形
成した戻りレーザ光L2は、その部分で更に反射され、
プリズム225の上面225cの内面で再び反射され
て、底面225bの第2のPD227が配置された部分
の内面に2つのスポットを形成する。
【0105】即ち、プリズム225の底面225bの第
2のPD227が配置された部分の内面に2つのスポッ
トを形成した戻りレーザ光L2は、底面125bを透過
して第2のPD227の図示しない2つのセンサブロッ
クのセンサ部に照射されて信号として検出される。
【0106】ところで、光学ピックアップ200におい
ても、前述の光学ピックアップ100と同様の理由によ
って、レーザカプラ204の移動ベース201への取着
に関しては、レーザーカプラ204の取付精度を軸受部
206の取付基準面を含む凹部206bの各面の寸法精
度に依存しないようにして移動ベース201の部品コス
トを抑え、レーザーカプラ204の取付誤差によって発
生するレーザ光L1のディスク状記録媒体5の信号面5
aに対する入射角度のずれ、即ち、光軸の傾きは、立ち
上げミラー203を回動させることによって反射面20
3cの角度を最適な状態に調整することによって補正す
るようにした。
【0107】以下に、光学ピックアップ200における
レーザ光L1の光軸位置の調整方法について説明する。
【0108】上記立ち上げミラー203の反射面203
cの角度調整は、図11及び図12に示すように、レー
ザカプラ204を、移動ベース201の凹部206bに
筐体204aを嵌合させ、簡易に位置決めを行って接着
によって固定した後で、対物レンズ駆動機構202を移
動ベース201に取り付ける前に行われる。
【0109】図10乃至図12に示すように、立ち上げ
ミラー203は、図示しない支持部に支持軸部203
b、203bが支持されることによって回動自在に保持
されているので、支持軸部203b、203bを回動中
心として矢印B方向に回動させることにより、反射面2
03cの角度を変えることができる。
【0110】レーザ光L1の光軸位置の調整は、具体的
には、例えば、図示しない適宜な治具を使用して、対物
レンズ駆動機構202の取着前の光学ピックアップ20
0を実際の使用状態(対物レンズ駆動機構202が取着
され、ディスク状記録媒体5の信号を読み取る状態)と
同じ状態にし、オシロスコープに表示させた戻りレーザ
光L2が入射した第1のPD226の出力信号レベルを
見ながら、オシロスコープの表示されたPD226の出
力信号レベルが最適な状態になるように、図10乃至図
12に示すように、立ち上げミラー203を矢印Bで示
す方向に適宜回動させると、戻りレーザ光L2のレーザ
カプラ204の第1のPD226の図示しないセンサ部
全体に対する位置が中央になるように調整することがで
き、これによって、ディスク状記録媒体5の信号面5a
に対するレーザ光L1の入射角を直角にすることができ
る。そして、立ち上げミラー203は、反射面203c
の角度調整が行われた後、接着によって固定される。
【0111】即ち、第1のPD226の図示しない4つ
のセンサ部上に集光される戻りレーザ光L2のスポット
は、ディスク状記録媒体5の信号面5aに対してレーザ
光L1の光軸が傾斜した状態では、図7(a)に破線及
び一点鎖線で示す前記光学ピックアップ100における
スポット128a及び128bのように、センサ部12
6a、126b、126c及び126d上で矢印C方向
にずれた状態となり、ディスク状記録媒体5の信号面5
aへの入射角度が最適な状態では、実線で示すスポット
128のようにセンサ部126a、126b、126c
及び126d全体の中央に位置するようになる。尚、上
記矢印C方向は、他の図にも示すように、レーザ光L1
の光軸を光学ピックアップ200の移動方向であるディ
スク状記録媒体5の半径(トラッキング)に移動させた
時の方向と一致する方向である。
【0112】従って、光学ピックアップ200において
は、元々、ゼロにすることは非常に困難である光学部品
の取付角度のずれに起因するレーザ光L1の光軸の傾き
を、レーザ光L1を反射して対物レンズ222に入射さ
せる立ち上げミラー203を回動させるて反射面203
cの角度を調整することによって吸収して補正すること
ができ、移動ベース201に取着されるレーザカプラ2
04及び立ち上げミラー203の取付精度を、移動ベー
ス201の寸法精度に依存しないようにして、移動ベー
ス201の製造時のコストダウン及び歩留まりを改善す
ることを可能にした。そして、レーザ光L1のディスク
状記録媒体5の信号面5aへの入射角度のずれ、即ち、
光軸の傾きを略無くすることにより、ディスク状記録媒
体5の信号面5aで反射された戻りレーザ光L2から取
り出される信号のレベルの劣化を無くすることもでき
る。
【0113】図13乃至図15は、前記光学ピックアッ
プ100の第2の変形例300を示すものである。尚、
以下の説明においては、光学ピックアップ100との比
較上、光学ピックアップ100の各部と対応する部分に
は、該各部に付した符号にそれぞれ200を足した符号
を用いることによって詳細な説明を省略する。
【0114】上記第2の変形例に係る光学ピックアップ
300は、図13に示すように、前記光学ピックアップ
200と同様に、光学ピックアップ100よりも上下の
厚みが大きい形状を為し、且つ、前記光学ピックアップ
100及び200よりも前後方向の長さが長く形成され
たものであり、移動ベース301に所要の各部材、即
ち、対物レンズ駆動機構302、2つのミラーから成る
立ち上げミラー303、レーザカプラ304等が配置さ
れて成るものである。
【0115】また、光学ピックアップ300は、前記光
学ピックアップ100と同様に、上記レーザカプラ30
4を、レーザーカプラ304内のレーザ照射手段からプ
リズムまでのレーザ光の光軸が、ディスク状記録媒体5
の半径方向及び後述する対物レンズのフォーカシング調
整時の移動方向と直交するように配置されたものであ
り、更に、レーザカプラ304内のプリズムとフォトデ
ィテクタ及び立ち上げミラー303とが、フォトディテ
クタのトラッキングエラーの検出方向と、ディスク状記
録媒体5に対するトラッキング調整時における反射光
(戻りレーザ光)の移動方向とが略一致するように配置
されているものである。
【0116】上記移動ベース301は、図12に示すよ
うに、主部305と、該主部305の前後両端部からそ
れぞれ一体に突出形成された軸受部306、307とを
有する。主部305の後側の軸受部306は、光学ピッ
クアップ200の軸受部206と同様に、上下の厚みが
光学ピックアップ100の軸受部106よりも大きく形
成され、また、前記光学ピックアップ100及び光学ピ
ックアップ200の軸受部106及び206よりも前後
に長い形状に形成されている。
【0117】また、移動ベース301の主部305の後
側に位置する軸受部306には、移動ベース301を左
右方向に貫通した螺孔306aが設けられ、前方側の軸
受部307には、左右方向に延びると共に前方に向かっ
て開口した支持溝307aが設けられている。また、軸
受部306内には、立ち上げミラー303の一方のミラ
ー(以下、第1のミラー)303Bと後述するレーザカ
プラが収納され、それぞれ、図示しない適宜な形状をし
た保持部及び取付基準面を含む取付部に取着される。
【0118】移動ベース301は、軸受部306の螺孔
306aにリードスクリュー9が螺合され、軸受部30
7の支持溝307aにガイド軸10が摺動自在に嵌合さ
れることによって、シャーシ7に対して移動自在に支持
されると共に、図示しないステッピングモータ等によっ
て駆動されて回転するリードスクリュー9によって軸受
部306が送られ、軸受部307がガイド軸10上を摺
動することにより、移動される。従って、光学ピックア
ップ300は、シャーシ7の配置孔7a内でディスク状
記録媒体5の半径方向に移動することとなる。
【0119】また、上記移動ベース301の主部305
は、図13に示すように、底壁305aのリードスクリ
ュー9と螺合する軸受部306へと続く後側を除く略三
方が、周壁305bによって囲まれ、上方に向かって開
口し、前記光学ピックアップ100の主部105よりも
稍深めの長方形の容器状を為すものである。そして、移
動ベース301の主部305には、図示しない適宜な形
状をした、立ち上げミラー303を構成する2つのミラ
ーのうちの第2ミラー303Bを回動自在な状態で保持
するための保持部が形成されている。
【0120】更に、移動ベース301の主部305は、
図15に示すように、前記光学ピックアップピック20
0の移動ベース301と同様に、前後方向における略中
間部分に段部が形成されて底壁305aの厚みが前寄り
の部分と後寄りの部分とでは変えられている。そして、
この底壁305aの厚みが大きい前寄りの部分に対物レ
ンズ駆動機構302が配置され、底壁305aの厚みが
小さい後寄りの部分に立ち上げミラー303の第2ミラ
ー303Bが配置される。
【0121】対物レンズ駆動機構302は、前記実施の
形態において示した対物レンズ駆動機構102と同じ構
造を有するものであり、図13に示すように、支持ベー
ス(固定部)312と、該支持ベース312に支持され
た可動部313とを有する。支持ベース312は、ベー
ス部314と該ベース部314の左右両側縁からそれぞ
れ上方に立ち上げられたヨーク315、315と、ベー
ス部314の略中央から上方に突出した支持軸316と
から成る。
【0122】上記ヨーク315、315はそれぞれ、図
13に示すように、前後両端部315a、315aを互
いに近づく方向に折り曲げられて上方から見てコ字状を
為し、それぞれコ字の開口が向き合うよう対向して位置
されている。
【0123】また、ヨーク315、315の互いに対向
した内面には、図13に示すように、それぞれマグネッ
ト317、317が接着等によって固定されている。
尚、マグネット317、317は、対向する側の面が同
じ極性を有するようにされている。
【0124】可動部313は、図13に示すように、樹
脂製のボビン318に所要の各部材が取り付けられて成
るものである。該ボビン318は、本体部319と、該
本体部319から後方に一体に突出形成されたレンズホ
ルダ部320とを有する。尚、上記ボビン318の本体
部319の構造は、上壁319aと、その周囲を囲むよ
うに形成され、上壁319aの前方及び左右の側縁部か
ら一体に下方に突出形成された側壁319bとを有す
る。そして、本体部319の前側の側壁319bの下縁
からは、図示しない適宜な形状をしたバランサーを取着
するためのバランサー取付部319cが前方に向けて一
体に突出形成されている。また、上壁319aの下面の
略中央には、下方に突出された円筒状を為す被支持筒部
319dが設けられている。更に、ボビン318の本体
部319の下面には、フォーカシングコイル及びトラッ
キングコイルから成る図示しないコイル体が取り付けら
れている。
【0125】上記レンズホルダ部320には、所定の形
状をした対物レンズ322がリング状の保持枠323に
よって外縁部分を押さえられた状態で保持されている。
【0126】そして、可動部313は、図13に示すよ
うに、ベース部314の支持軸316が、本体部319
の被支持筒部319dに挿入されることにより、支持軸
316の軸方向に摺動自在に、且つ、支持軸316の軸
周り方向に回動自在に支持される。
【0127】以上に記載したように構成された対物レン
ズ駆動機構302は、移動ベース301に取着固定され
る。即ち、対物レンズ駆動機構302のベース部314
は、移動ベース301の主部305の前寄りで底壁30
5aの厚みが大きくされた部分に配置され、接着等の適
宜な手段によって主部205の底壁305aにベース部
314の底面が固定される。そして、対物レンズ駆動機
構302の可動部313に支持された対物レンズ322
は、移動ベース301の主部305に配設された立ち上
げミラー303の第2ミラー303Bの略真上に位置す
るようになる。
【0128】尚、対物レンズ駆動機構302が移動ベー
ス301に取着された状態において、可動部313の移
動方向は、支持軸316の軸方向がディスク状記録媒体
5の信号面5aに離接する方向であるフォーカシング方
向とされ、支持軸316の軸周り方向がディスク状記録
媒体5の記録トラックを横切る方向であるトラッキング
方向とされる。
【0129】そして、対物レンズ駆動機構302が移動
ベース301に取着され、ベース部314の支持軸31
6によって可動部313が支持された状態においては、
図13に示すように、マグネット317、317はボビ
ン318を左右から挟み込むように、可動部313の直
ぐ外側に対向して位置した状態となる。
【0130】また、この状態では可動部313の図示し
ないコイル体が、移動ベース301を介して図示しない
フレキシブルプリント配線基板によって駆動回路に接続
され、適宜に通電されることによってコイル体に磁界を
発生させ、可動部313を上記フォーカシング方向及び
トラッキング方向に移動させて、フォーカシング調整及
びトラッキング調整が為される。
【0131】立ち上げミラー303を構成する第1ミラ
ー303B及び第2ミラー303Bは、図13乃至図1
5に示すように、反射面の位置が異なるのみで基本的に
は同じ形状を為すものであり、それぞれ、平板状に形成
された反射部303a、303aと、該反射部303
a、303aの上下の側面から上方及び下方に突出した
円柱状の支持軸部303b、303b、…とを有する。
【0132】また、上記第1ミラー303A及び第2ミ
ラー303Bはそれぞれ、図示しない支持部に支持軸部
303b、303b、…をそれぞれ嵌合させることによ
り支持されている。第1ミラー303Aは、反射面30
3cが斜め前方側に位置し、支持軸部303b、303
bが支持部に接着等によって固定されて回動不能とされ
ている。第2ミラー303Bは、反射面303cが上記
第1ミラー303Aの反射面と対向するように斜め後方
側を向き、支持軸部303b、303bを回動軸とし
て、図13乃至図15に矢印Aで示す方向に回動自在と
されている。そして、第2ミラー303Bは、詳しくは
後述するが、回動によって反射部303aの表面である
反射面303cの角度が調整された後、接着によって移
動ベース301の主部305上に固定される。
【0133】レーザカプラ304は、前記光学ピックア
ップ100に用いられているレーザカプラ104や光学
ピックアップ200に用いられているレーザカプラ20
4と、基本的には同じ構造を有するものであり、上記レ
ーザカプラ104及び204とは移動ベース301上で
の配置箇所及び配置姿勢が異なるだけである。即ち、レ
ーザカプラ304は、レーザ照射手段であるレーザ発光
素子324、プリズム325、第1のPD326及び第
2のPD327を横長の略長方体の筐体304aに内包
して成り、レーザ発光素子324から出射したレーザ光
L1は、プリズム325の反射面325aによって反射
されて光路を略90°折り曲げられ、図13乃至図15
に示すように、筐体304aの出射孔304bから外部
に出射される。
【0134】そして、レーザカプラ304は、図13乃
至図15に示すように、移動ベース301の軸受部30
6内に収納されている。即ち、レーザカプラ304は、
上記軸受部306内に、出射孔304bが上方を向くよ
うに配置され、接着等によって移動ベース301に固定
されている。
【0135】ところで、移動ベース301の主部305
は、図15に示すように、底壁305aの厚みが前寄り
の部分と後寄りの部分とでは変えられているものであ
る。光学ピックアップ300においても、レーザカプラ
304を軸受部306内に配置し、レーザカプラ304
から出射されたレーザ光を2つのミラーから成る立ち上
げミラー303によって反射させて対物レンズ322に
入射させるようにした構造を有する為、前記光学ピック
アップ200と同様に、光学ピックアップ300の上下
方向の厚みは、必然的に大きくなってしまう。即ち、光
学ピックアップ300は、レーザカプラ304の出射孔
304bの真上に第1ミラー303Aが配設され、該第
1ミラー303Aと同じ高さで、対物レンズ322の真
下の位置に第2ミラー303Bが配置されるという構造
だからである。
【0136】従って、光学ピックアップ100よりも全
体の厚みが大きい光学ピックアップ300においても、
前記光学ピックアップ200と同様に、光学ピックアッ
プ100の対物レンズ駆動機構102と全く同じ構造及
び構成を有する対物レンズ駆動機構302を用いている
ので、対物レンズ322とディスク状記録媒体5の信号
面5aとの間の間隔を、光学ピックアップ100の対物
レンズ駆動機構102の場合と同じにするために、対物
レンズ駆動機構302を配置する部分である移動ベース
301の主部305の前寄りの部分の底壁305aの厚
みを他の部分よりも大きくして、対物レンズ322とデ
ィスク状記録媒体5の信号面5aとの間の間隔既定値に
なるように調節した。
【0137】以上のような構造を有する光学ピックアッ
プ300においては、レーザカプラ304内でレーザ発
光素子324から出射したレーザ光L1は、図14及び
図15に示すように、水平に進んでプリズム325の反
射面325aによって反射されて光路を略90°折り曲
げられ略垂直方向に光路が変えられて、筐体304aの
出射孔304bから上方に出射される。そして、レーザ
カプラ304の出射孔304bから出射したレーザ光L
1は、図14及び図15に示すように、立ち上げミラー
303の第1ミラー303Aに達して光路が略90°折
り曲げられて水平に前方に向かうようにされ、回動自在
に支持された第2ミラー303Bによって、再度、光路
が略90°折り曲げられて垂直に上方に向かうようにさ
れ、可動部313に支持された対物レンズ322に入射
してディスク状記録媒体5の信号面5aに集光される。
そして、ディスク状記録媒体5の信号面5aで反射され
た戻りレーザ光L2は、図14及び図15に示すよう
に、上記と逆の光路、即ち、対物レンズ322を透過
し、立ち上げミラー303の第2ミラー303B及び第
1ミラー303Aによって反射され、出射孔304bか
らレーザカプラ304内へと戻るようにされている。
【0138】そして、レーザカプラ304の内部に入射
された戻りレーザ光L2は、図5に示すレーザカプラ1
04と同様に、プリズム325の反射面325aを屈折
透過してプリズム325の内部に入り、底面325bの
第1のPD326が配置された部分にの内面にスポット
を形成する。
【0139】プリズム325の底面325bの第1のP
D326が配置された部分の内面にスポットを形成した
戻りレーザ光L2は、一部が底面325bを透過して、
第1のPD326の図示しないセンサ部に照射されて信
号として検出される。
【0140】また、プリズム325の底面325bの第
1のPD326が配置された部分の内面にスポットを形
成した戻りレーザ光L2は、その部分で更に反射され、
プリズム325の上面325cの内面で再び反射され
て、底面325bの第2のPD327が配置された部分
の内面に2つのスポットを形成する。
【0141】即ち、プリズム325の底面325bの第
2のPD327が配置された部分の内面に2つのスポッ
トを形成した戻りレーザ光L2は、底面325bを透過
して第2のPD327の図示しない2つのセンサブロッ
クのセンサ部に照射されて信号として検出される。
【0142】ところで、光学ピックアップ300におい
ても、前述の光学ピックアップ100や光学ピックアッ
プ200と同様の理由によって、レーザカプラ304の
移動ベース301への取着に関しては、これを軸受部3
06内での取付基準面を含む図示しない取付部分の寸法
精度に依存しないようにして移動ベース301の部品コ
ストを抑え、レーザカプラ304の取付誤差によって発
生するレーザ光L1のディスク状記録媒体5の信号面5
aに対する入射角度のずれ、即ち、光軸の傾きは、立ち
上げミラー303の第2ミラー303Bを回動させるこ
とによって反射面303cの角度を調整することによっ
て補正するようにした。
【0143】尚、レーザ光L1のディスク状記録媒体5
の信号面5aに対する光軸の傾きを補正する場合、立ち
上げミラ303を構成する2つのミラーのうちの一方の
みを回動させるだけでよい。即ち、立ち上げミラー30
3の第2ミラー303Bを回動させることによって反射
面303cの角度を調整する場合では、第1ミラー30
3Aは回動させる必要が無く固定で良い。また逆に、立
ち上げミラー303の第1ミラー303Aを回動させる
ことによって反射面303cの角度を調整する場合で
は、第2ミラー303Aは回動させる必要が無く固定で
良い。
【0144】以下に、光学ピックアップ300における
レーザ光L1の光軸位置の調整方法について説明する。
【0145】上記立ち上げミラー303の第2ミラー3
03Bの反射面203cの角度調整は、図14及び図1
5に示すように、レーザカプラ304を、移動ベース3
01の軸受部306内に、簡易に位置決めを行って接着
剤によって固定した後で、対物レンズ駆動機構302を
移動ベース301に取り付ける前に行われる。
【0146】図13乃至図15に示すように、立ち上げ
ミラー303の第2ミラー303Bは、図示しない支持
部に支持軸部303b、303bが支持されることによ
って回動自在に保持されているので、支持軸部303
b、303bを回動中心として矢印B方向に回動させる
ことにより、反射面303cの角度を変えることができ
る。
【0147】レーザ光L1の光軸位置の調整は、具体的
には、例えば、図示しない適宜な治具を使用して、対物
レンズ駆動機構302の取着前の光学ピックアップ30
0を実際の使用状態(対物レンズ駆動機構302が取着
され、ディスク状記録媒体5の信号を読み取る状態)と
同じ状態にし、オシロスコープに表示させた戻りレーザ
光L2が入射した第1のPD326の出力信号レベルを
見ながら、オシロスコープの表示されたPD326の出
力信号レベルが最適な状態になるように、図13乃至図
15に示すように、第2ミラー303Bを矢印Bで示す
方向に適宜回動させると、戻りレーザ光L2のレーザカ
プラ304の第1のPD326の図示しないセンサ部全
体に対する位置が中央になるように調整することがで
き、これによって、ディスク状記録媒体5の信号面5a
に対するレーザ光L1の入射角を直角にすることができ
る。そして、立ち上げミラー303は、反射面303c
の角度調整が行われた後、接着によって固定される。
【0148】この時、第1のPD326の図示しない4
つのセンサ部上に集光される戻りレーザ光L2のスポッ
トは、レーザ光L1の光軸がずれた状態では、図7
(a)に破線及び一点鎖線で示す前記光学ピックアップ
100におけるスポット128a及び128bのよう
に、センサ部126a、126b、126c及び126
d上で矢印C方向にずれた状態となり、ディスク状記録
媒体5の信号面5aへの入射角度が最適な状態では、実
線で示すスポット128のようにセンサ部126a、1
26b、126c及び126d全体の中央に位置するよ
うになる。尚、上記矢印C方向は、他の図にも示すよう
に、レーザ光L1の光軸を光学ピックアップ300の移
動方向であるディスク状記録媒体5の半径(トラッキン
グ)に移動させた時の方向と一致する方向である。
【0149】従って、光学ピックアップ300において
は、元々、ゼロにすることは非常に困難である光学部品
の取付角度のずれに起因するレーザ光L1の光軸の傾き
を、レーザ光L1を反射して対物レンズ322に入射さ
せる立ち上げミラー303の第2ミラー303Bを回動
させて反射面303cの角度を変えることによって吸収
して補正することができるようにして、移動ベース30
1にレーザカプラ304及び立ち上げミラー303を取
り付ける場合の取付精度を移動ベース301の寸法精度
に依存しないようし、移動ベース301の製造時のコス
トダウン及び歩留まりも改善することを可能にした。そ
して、レーザ光L1のディスク状記録媒体5の信号面5
aへの入射角度のずれ、即ち、光軸の傾きを略無くする
ことにより、ディスク状記録媒体5の信号面5aで反射
された戻りレーザ光L2から取り出される信号のレベル
の劣化を無くすることができる。
【0150】以上に記載したように、ディスクドライブ
装置1及びディスクドライブ装置1に用いられる光学ピ
ックアップ100、200、300は、元々、ゼロにす
ることは非常に困難である光学部品の取付角度のずれに
起因するディスク状記録媒体の信号面上でのレーザ光L
1の光軸の傾きを、レーザ光L1を反射して対物レンズ
に入射させる立ち上げミラーを回動させることによっ
て、その反射面の角度を調整して補正することができる
ようにして、移動ベースにレーザカプラ及び立ち上げミ
ラーを取り付ける場合の取付精度を移動ベースの寸法精
度に依存しないようにして、移動ベースの製造時のコス
トダウンを可能にし、また、光学ピックアップの製造時
の歩留まりも改善することを可能にすると共に、移動ベ
ース等の寸法精度を高く保つ必要がないので、光学ピッ
クアップを小型化することも容易になる。
【0151】そして、レーザ光L1のディスク状記録媒
体5の信号面5aへの入射角度のずれ、即ち、光軸の傾
きを略無くすことにより、ディスク状記録媒体5の信号
面5aで反射された戻りレーザ光L2から取り出される
信号のレベルの劣化を無くすることも可能になる。
【0152】また、レーザ光L1の光軸ずれは、移動ベ
ースの取付部分の寸法精度を厳密にしたとしてもゼロに
することは不可能なので、光学部品を移動ベースに取り
付けた後に、実際に発生しているレーザ光L1の光軸ず
れを補正する方が、より高いレベルで光軸のずれをゼロ
に近づけることが可能である。
【0153】尚、前記実施の形態において示した各部の
具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに当
たっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、こ
れらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈される
ことがあってはならないものである。
【0154】
【発明の効果】以上に説明したところから明らかなよう
に本発明光学ピックアップは、ディスクテーブルに装着
されたディスク状記録媒体の半径方向に移動可能に支持
された移動ベース上に所定の部材が載置されて成り、デ
ィスク状記録媒体に対して対してレーザ光を照射する光
学ピックアップであって、レーザ光を照射するレーザ照
射手段と、レーザ照射手段により照射されたレーザ光を
屈折させて曲げるプリズムと、プリズムを通過したレー
ザ光を受光するフォトディテクタとを備える集積型光学
素子と、入射されるレーザ光をディスク状記録媒体の信
号面に集光する対物レンズと、レーザ照射手段から出射
したレーザ光を対物レンズ側に反射させて曲げると共に
対物レンズを介して入射される上記ディスク状記録媒体
からの反射光を上記プリズム側に反射させて曲げる立ち
上げミラーと、移動ベース上に配置された固定部と及び
該固定部に対して移動可能に支持された可動部を有する
対物レンズ駆動機構とを備え、対物レンズ駆動機構は、
可動部に対物レンズを取り付けると共に、対物レンズを
介して照射されるレーザ光がディスク状記録媒体の信号
面に集光してスポットを形成するように可動部がディス
ク状記録媒体の信号面に離接する方向に移動することに
よりフォーカシング調整を行うようにし、レーザ光のス
ポットの位置がディスク状記録媒体の信号面の記録トラ
ックに追随して移動するように可動部を移動ベースの移
動方向に移動させることによりトラッキング調整を行う
ようにし、立ち上げミラーを、反射面の角度を変えるこ
とができるように回動自在に支持し、反射面の角度を変
えることによって、ディスク状記録媒体の信号面に照射
されるレーザ光の照射角度を移動ベースの移動方向と平
行な方向に変更可能にしたことを特徴とするものであ
る。
【0155】従って、本発明光学ピックアップにあって
は、元々、ゼロにすることは非常に困難である光学部品
の取付角度のずれに起因するディスク状記録媒体の信号
面上でのレーザ光の光軸の傾きを、レーザ光を反射して
対物レンズに入射させる立ち上げミラーを回動させるこ
とによって反射面の角度を変えて補正することができ、
集積型光学素子及び立ち上げミラーの取付精度を移動ベ
ース等の取付部分の寸法精度に依存しないようにして、
光学ピックアップ製造時にコストダウンでき、また、光
学ピックアップの製造時の歩留まりを改善することがで
きると共に、光学部品の取付精度を高く保つ必要がない
ので光学ピックアップを小型化することも容易になる。
【0156】また、本発明ディスクドライブ装置は、デ
ィスク状記録媒体が装着されて回転されるディスクテー
ブルと、ディスクテーブルに装着されたディスク状記録
媒体の半径方向に移動可能に支持された移動ベース上に
所定の部材が載置されて成り、ディスク状記録媒体に対
して対してレーザ光を照射する光学ピックアップとを備
えたディスクドライブ装置であって、光学ピックアップ
が、レーザ光を照射するレーザ照射手段と、レーザ照射
手段により照射されたレーザ光を屈折させて曲げるプリ
ズムと、プリズムを通過したレーザ光を受光するフォト
ディテクタとを備える集積型光学素子と、入射されるレ
ーザ光をディスク状記録媒体の信号面に集光する対物レ
ンズと、レーザ照射手段から出射したレーザ光を対物レ
ンズ側に反射させて曲げると共に対物レンズを介して入
射される上記ディスク状記録媒体からの反射光を上記プ
リズム側に反射させて曲げる立ち上げミラーと、移動ベ
ース上に配置された固定部及び該固定部に対して移動可
能に支持された可動部を有する対物レンズ駆動機構とを
備え、対物レンズ駆動機構は、可動部に対物レンズを取
り付けると共に、対物レンズを介して照射されるレーザ
光がディスク状記録媒体の信号面に集光してスポットを
形成するように可動部がディスク状記録媒体の信号面に
離接する方向に移動することによりフォーカシング調整
を行うようにし、レーザ光のスポットの位置がディスク
状記録媒体の信号面の記録トラックに追随して移動する
ように可動部を移動ベースの移動方向に移動させること
によりトラッキング調整を行うようにし、立ち上げミラ
ーを、反射面の角度を変えることができるように回動自
在に支持し、反射面の角度を変えることによって、ディ
スク状記録媒体の信号面に照射されるレーザ光の照射角
度を移動ベースの移動方向と平行な方向に変更可能にし
たことを特徴とするものである。
【0157】従って、本発明ディスクドライブ装置にあ
っては、元々、ゼロにすることは非常に困難である光学
部品の取付角度のずれに起因するディスク状記録媒体の
信号面上でのレーザ光の光軸の傾きを、レーザ光を反射
して対物レンズに入射させる立ち上げミラーを回動させ
ることによって反射面の角度を変えて補正することがで
き、集積型光学素子及び立ち上げミラーの取付精度を移
動ベース等の取付部分の寸法精度に依存しないようにし
て、光学ピックアップ製造時にコストダウンでき、ま
た、光学ピックアップの製造時の歩留まりを改善するこ
とができると共に、光学部品の取付精度を高く保つ必要
がないので光学ピックアップを小型化することが容易に
なり、ディスクドライブ装置の小型化にも貢献させるこ
とができる。
【0158】本発明レーザ光の光軸位置の調整方法は、
レーザ光を照射するレーザ照射手段と、上記レーザ照射
手段により照射されたレーザ光を屈折させて曲げるプリ
ズムと、上記プリズムを通過したレーザ光を受光するフ
ォトディテクタとを備える集積型光学素子と、入射され
るレーザ光をディスク状記録媒体の信号面に集光する対
物レンズと、上記レーザ照射手段から出射したレーザ光
を反射して対物レンズ側に曲げると共に対物レンズを介
して入射される上記ディスク状記録媒体からの反射光を
反射して上記プリズム側に曲げる立ち上げミラーとを備
えた光学ピックアップを有するディスクドライブ装置に
おけるレーザ光の光軸位置の調整方法であって、立レー
ザ光の光軸位置の調整方法光の光軸位置の調整方法は、
立ち上げミラーの反射面の角度を変えることによって、
ディスク状記録媒体の信号面に照射されるレーザ光の照
射角度を移動ベースの移動方向と平行な方向に移動させ
て、光学部品の取付精度に起因するディスク状記録媒体
の信号面でのレーザ光の光軸角度のずれを補正するよう
にしたことを特徴とするものである。
【0159】従って、本発明レーザ光の光軸位置の調整
方法にあっては、元々、ゼロにすることは非常に困難で
ある光学部品の取付角度のずれに起因するディスク状記
録媒体の信号面上でのレーザ光の光軸の傾きを、レーザ
光を反射して対物レンズに入射させる立ち上げミラーを
回動させることによって反射面の角度を変えて補正する
ことができるので、集積型光学素子や立ち上げミラー等
の取付精度が移動ベース等の取付部分の寸法精度に依存
しないようにして、光学ピックアップ製造時のコストダ
ウン及び歩留まりを改善することができると共に、光学
部品の取付精度を高く保つ必要がないので光学ピックア
ップを小型化することも容易になり、ディスクドライブ
装置の小型化に貢献できる。
【0160】請求項2及び請求項4に記載した発明にあ
っては、集積型光学素子を、レーザ照射手段からプリズ
ムまでのレーザ光の光軸が移動ベースの移動方向と平行
な方向及び対物レンズのフォーカシング調整時の移動方
向と直交するように配置し、フォトディテクタのトラッ
キングエラーの検出方向と、ディスク状記録媒体に対す
るトラッキング調整時における反射光の移動方向とが略
一致するように、集積型光学素子内のプリズムとフォト
ディテクタ及び立ち上げミラーとを配置したので、元
々、ゼロにすることは非常に困難である光学部品の取付
角度のずれに起因するディスク状記録媒体の信号面上で
のレーザ光の光軸の傾きを、レーザ光を反射して対物レ
ンズに入射させる立ち上げミラーを回動させることによ
って反射面の角度を変えて補正することができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図9と共に本発明の実施の形態を示す
ものであり、本図はディスクドライブ装置を概略的に示
す斜視図である。
【図2】ディスクドライブ装置の内部の構成を概略的に
示す斜視図である。
【図3】光学ピックアップの構成を概略的に示す斜視図
である。
【図4】光学ピックアップの構成を概略的に示す分解斜
視図である。
【図5】集積型光学素子の構成を概略的に示す側面図で
ある。
【図6】プリズムの構成を概略的に示す斜視図である。
【図7】第1のフォトディテクタ及び第2のフォトディ
テクタ上に照射されたレーザ光のスポットの様子を概略
的に示す図である。
【図8】立ち上げミラーの角度調整によるレーザ光の光
軸の移動の様子を概略的に示す要部の縦断面図である。
【図9】立ち上げミラーの角度調整の様子を概略的に示
す光学ピックアップの斜視図である。
【図10】図11及び図12と共に本発明における光学
ピックアップの第1の変形例を示すものであり、本図は
光学ピックアップの構成及び立ち上げミラーの角度調整
の様子を概略的に示す斜視図である
【図11】立ち上げミラーの角度調整の様子を概略的に
示す要部の縦断面図である。
【図12】立ち上げミラーの角度調整の様子を概略的に
示す要部の平面図である。
【図13】図14及び図15と共に本発明における光学
ピックアップの第2の変形例を示すものであり、本図は
光学ピックアップの構成及び立ち上げミラーの角度調整
の様子を概略的に示す斜視図である
【図14】立ち上げミラーの角度調整の様子を概略的に
示す要部の縦断面図である。
【図15】立ち上げミラーの角度調整の様子を概略的に
示す要部の平面図である。
【符号の説明】 1…ディスクドライブ装置、5…ディスク状記録媒体、
5a…(ディスク状記録媒体の)信号面、100…光学
ピックアップ、101…移動ベース、103…立ち上げ
ミラー、103c…(立ち上げミラーの)反射面、10
4…集積型光学素子、112…固定部、113…可動
部、122…対物レンズ、124…レーザ照射手段、1
25…プリズム、126…フォトディテクタ、127…
フォトディテクタ、200…光学ピックアップ、201
…移動ベース、203…立ち上げミラー、203c…
(立ち上げミラーの)反射面、204…集積型光学素
子、212…固定部、213…可動部、222…対物レ
ンズ、224…レーザ照射手段、225…プリズム、2
26…フォトディテクタ、227…フォトディテクタ、
300…光学ピックアップ、301…移動ベース、30
3…立ち上げミラー、303c…(立ち上げミラーの)
反射面、304…集積型光学素子、312…固定部、3
13…可動部、322…対物レンズ、324…レーザ照
射手段、325…プリズム、326…フォトディテク
タ、327…フォトディテクタ
フロントページの続き Fターム(参考) 5D117 AA02 CC07 HH05 HH11 KK01 KK25 5D118 AA07 BA01 CD02 CD03 DC03 FC03 5D119 AA39 BA01 CA09 JA57 JC07 5D789 AA39 BA01 CA09 JA57 JC07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクテーブルに装着されたディスク
    状記録媒体の半径方向に移動可能に支持された移動ベー
    ス上に所定の部材が載置されて成り、ディスク状記録媒
    体に対して対してレーザ光を照射する光学ピックアップ
    であって、 レーザ光を照射するレーザ照射手段と、上記レーザ照射
    手段により照射されたレーザ光を屈折させて曲げるプリ
    ズムと、上記プリズムを通過したレーザ光を受光するフ
    ォトディテクタとを備える集積型光学素子と、 入射されるレーザ光をディスク状記録媒体の信号面に集
    光する対物レンズと、 上記レーザ照射手段から出射したレーザ光を対物レンズ
    側に反射させて曲げると共に対物レンズを介して入射さ
    れる上記ディスク状記録媒体からの反射光を上記プリズ
    ム側に反射させて曲げる立ち上げミラーと、 上記移動ベース上に配置された固定部及び該固定部に対
    して移動可能に支持された可動部を有する対物レンズ駆
    動機構とを備え、 上記対物レンズ駆動機構は、可動部に対物レンズが取り
    付けられると共に、対物レンズを介して照射されるレー
    ザ光がディスク状記録媒体の信号面に集光してスポット
    を形成するように可動部がディスク状記録媒体の信号面
    に離接する方向に移動されることによりフォーカシング
    調整が行われ、上記レーザ光のスポットの位置がディス
    ク状記録媒体の信号面の記録トラックに追随して移動す
    るように可動部を移動ベースの移動方向に移動させるこ
    とによりトラッキング調整が行われるようにされ、 上記立ち上げミラーは、反射面の角度を変えることがで
    きるように回動自在に支持され、反射面の角度を変える
    ことによって、ディスク状記録媒体の信号面に照射され
    るレーザ光の照射角度を移動ベースの移動方向と平行な
    方向に変更可能にされていることを特徴とする光学ピッ
    クアップ。
  2. 【請求項2】 上記集積型光学素子は、レーザ照射手段
    からプリズムまでのレーザ光の光軸が移動ベースの移動
    方向と平行な方向及び対物レンズのフォーカシング調整
    時の移動方向と直交するように配置され、 フォトディテクタのトラッキングエラーの検出方向と、
    ディスク状記録媒体に対するトラッキング調整時におけ
    る反射光の移動方向とが略一致するように、集積型光学
    素子内のプリズムとフォトディテクタ及び立ち上げミラ
    ーとが配置されていることを特徴とする請求項1に記載
    の光学ピックアップ。
  3. 【請求項3】 ディスク状記録媒体が装着されて回転さ
    れるディスクテーブルと、該ディスクテーブルに装着さ
    れたディスク状記録媒体の半径方向に移動可能に支持さ
    れた移動ベース上に所定の部材が載置されて成り、ディ
    スク状記録媒体に対して対してレーザ光を照射する光学
    ピックアップとを備えたディスクドライブ装置であっ
    て、 上記光学ピックアップは、レーザ光を照射するレーザ照
    射手段と、上記レーザ照射手段により照射されたレーザ
    光を屈折させて曲げるプリズムと、上記プリズムを通過
    したレーザ光を受光するフォトディテクタとを備える集
    積型光学素子と、入射されるレーザ光をディスク状記録
    媒体の信号面に集光する対物レンズと、上記レーザ照射
    手段から出射したレーザ光を対物レンズ側に反射させて
    曲げると共に対物レンズを介して入射される上記ディス
    ク状記録媒体からの反射光を上記プリズム側に反射させ
    て曲げる立ち上げミラーと、上記移動ベース上に配置さ
    れた固定部及び該固定部に対して移動可能に支持された
    可動部を有する対物レンズ駆動機構とを備え、 上記対物レンズ駆動機構は、可動部に対物レンズが取り
    付けられると共に、対物レンズを介して照射されるレー
    ザ光がディスク状記録媒体の信号面に集光してスポット
    を形成するように可動部がディスク状記録媒体の信号面
    に離接する方向に移動されることによりフォーカシング
    調整が行われ、上記レーザ光のスポットの位置がディス
    ク状記録媒体の信号面の記録トラックに追随して移動す
    るように可動部を移動ベースの移動方向に移動させるこ
    とによりトラッキング調整が行われるようにされ、 上記立ち上げミラーは、反射面の角度を変えることがで
    きるように回動自在に支持され、反射面の角度を変える
    ことによって、ディスク状記録媒体の信号面に照射され
    るレーザ光の照射角度を移動ベースの移動方向と平行な
    方向に変更可能にされていることを特徴とするディスク
    ドライブ装置。
  4. 【請求項4】 上記集積型光学素子は、レーザ照射手段
    からプリズムまでのレーザ光の光軸が移動ベースの移動
    方向と平行な方向及び対物レンズのフォーカシング調整
    時の移動方向と直交するように配置され、 フォトディテクタのトラッキングエラーの検出方向と、
    ディスク状記録媒体に対するトラッキング調整時におけ
    る反射光の移動方向とが略一致するように、集積型光学
    素子内のプリズムとフォトディテクタ及び立ち上げミラ
    ーとが配置されていることを特徴とする請求項3に記載
    のディスクドライブ装置。
  5. 【請求項5】 レーザ光を照射するレーザ照射手段と、
    上記レーザ照射手段により照射されたレーザ光を屈折さ
    せて曲げるプリズムと、上記プリズムを通過したレーザ
    光を受光するフォトディテクタとを備える集積型光学素
    子と、入射されるレーザ光をディスク状記録媒体の信号
    面に集光する対物レンズと、上記レーザ照射手段から出
    射したレーザ光を反射して対物レンズ側に曲げると共に
    対物レンズを介して入射される上記ディスク状記録媒体
    からの反射光を反射して上記プリズム側に曲げる立ち上
    げミラーとを備えた光学ピックアップを有するディスク
    ドライブ装置におけるレーザ光の光軸位置の調整方法で
    あって、 上記立ち上げミラーの反射面の角度を変えることによっ
    て、ディスク状記録媒体の信号面に照射されるレーザ光
    の照射角度を移動ベースの移動方向と平行な方向に移動
    させて、光学部品の取付精度に起因するディスク状記録
    媒体の信号面でのレーザ光の光軸角度のずれを補正する
    ようにしたことを特徴とするディスクドライブ装置にお
    けるレーザ光の光軸位置の調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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