JP2003085612A - 硬貨識別装置 - Google Patents

硬貨識別装置

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JP2003085612A
JP2003085612A JP2001277034A JP2001277034A JP2003085612A JP 2003085612 A JP2003085612 A JP 2003085612A JP 2001277034 A JP2001277034 A JP 2001277034A JP 2001277034 A JP2001277034 A JP 2001277034A JP 2003085612 A JP2003085612 A JP 2003085612A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】センサ構成を簡潔にできるとともに汎用性およ
び拡張性に優れ、しかも判別精度が高い硬貨識別装置を
提供する。 【解決手段】被識別対象硬貨1を搬送する搬送通路15
と、該搬送通路15に一定周波数の磁場を発生させる発
振コイル2bと、該磁場を通る該被識別対象硬貨1によ
る磁場強度の時間的変化を検出する受信コイル3bと、
該受信コイル3bにより検出された磁場強度の変化と上
記一定周波数の波形との位相のずれ量を検出する位相差
検出手段(7、8、9および10)と、該位相差検出手
段により検出された位相のずれ量の時間的変化および上
記受信コイル3bにより検出された磁場強度の時間的変
化に基づき被識別対象硬貨1の種類を識別するCPU1
1とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば硬貨の金種
や、硬貨の真偽、或いは径方向の中心部と周辺部とで材
質が異なる、いわゆるバイメタル硬貨の種類などを、硬
貨の材質の違いに基づき識別する硬貨識別装置に関し、
更に詳述すると、硬貨における微小部分の材質の差異も
検出することができる識別精度が高い硬貨識別装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】上述したように硬貨における微小部分の
材質の差異を検出することができる硬貨識別装置とし
て、以下のものが知られている。
【0003】第1の硬貨識別装置として、バイメタル硬
貨の直径よりも小さな距離をあけて2つの磁気センサを
配置し、バイメタル硬貨の材質が異なる中心部と周辺部
の両方の材質を同時に検出し、これら2つの磁気センサ
からの出力の差よりバイメタル硬貨の種類を検出する方
式のものがある(例えば、USP 5,609,23
4)。
【0004】第2の硬貨識別装置として、光学センサと
磁気センサを組み合わせて用い、光学センサにてバイメ
タル硬貨の位置を検出しつつ、バイメタル硬貨の中心部
が磁気センサの検出位置に到達した時の磁気センサの出
力と、バイメタル硬貨の周辺部が磁気センサに到達した
時の磁気センサの出力とを求め、これらの出力の差より
バイメタル硬貨の種類を識別する方式のものがある(例
えば、USP 5,662,205)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
第1、第2の硬貨識別装置においては、以下のような問
題があった。
【0006】即ち、バイメタル硬貨の中心部と周辺部の
材質の違いを検出する為には、第1の硬貨識別装置では
2つの磁気センサが、第2の硬貨識別装置では2種類の
センサが必要であり、それ故にセンサ構成が複雑になる
とともにセンサからの出力信号を処理する回路が複雑に
なるという欠点があった。
【0007】また、第1、第2硬貨識別装置において
は、共に、2つのセンサの配置および構成に基づき検出
できるバイメタル硬貨の種類が確定してしまうため、直
径やバイメタルエリア(径方向の中心部と周辺部の寸
法)の異なるバイメタル硬貨を検知する場合には、セン
サの配置および構成を変更する必要性があり、システム
の汎用性や拡張性に劣るという欠点があった。
【0008】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、センサ構成を簡潔にでき
るとともに汎用性および拡張性に優れ、しかも判別精度
が高い硬貨識別装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の硬貨識別装置
は、被識別対象硬貨を搬送する搬送通路と、該搬送通路
に一定周波数の磁場を発生させる磁場発生手段と、該磁
場を通る該被識別対象硬貨による磁場強度の時間的変化
を検出する受信コイルと、該受信コイルにより検出され
た磁場強度の変化と上記一定周波数の波形との位相のず
れ量を検出する位相差検出手段と、該位相差検出手段に
より検出された位相のずれ量の時間的変化および上記受
信コイルにより検出された磁場強度の時間的変化に基づ
き被識別対象硬貨の種類を識別する識別手段とを具備す
ることを特徴とする。
【0010】本発明の硬貨識別装置にあっては、1つの
受信コイルで磁場強度の時間的変化を検出し、その磁場
強度の時間的変化と、磁場発生手段により発生させる磁
場の一定周波数の波形との間における位相のずれ量の時
間的変化を検出する。このとき、位相のずれ量および磁
場強度の時間的変化は、被識別対象硬貨の材質によっ
て、それぞれ異なった特有の変化をする。よって、材質
が異なる多数の硬貨について、予め特有の変化をする位
相のずれ量および磁場強度の時間的変化を求めておく
と、検出した位相のずれ量および磁場強度の時間的変化
が、どの材質の硬貨のものかを把握することができ、こ
れにより被識別対象硬貨の種類、つまり金額がいくらの
硬貨またはバイメタル硬貨であるか、或いは偽硬貨であ
るか等を、高い判別精度で識別することが可能となる。
したがって、本発明装置による場合には、1つの受信コ
イルを用いるだけでよいので、センサ構成を簡潔にでき
る。また、被識別対象硬貨のサイズ(バイメタル硬貨に
おける径方向の中央部と周辺部のサイズ)や種類(バイ
メタル硬貨における中央部と周辺部の材質)が他のもの
に代わっても、2つの時間的変化のデータを処理するプ
ログラムを変更するのみで対応することができ、汎用性
および拡張性に優れたシステムを構成できるという効果
を有する。
【0011】本発明の硬貨識別装置において、前記磁場
発生手段は、前記受信コイルとは前記搬送通路を挟んで
設けられた発振コイルを有する構成とすることができ
る。
【0012】この構成にあっては、1組の磁気センサ、
つまり発振コイルと受信コイルを搬送通路を挟んで設け
ればよく、極めて簡潔なセンサを使用することができ
る。
【0013】本発明の硬貨識別装置において、前記磁場
発生手段には前記磁場発生用のパルス信号が入力され、
前記位相差検出手段は、受信コイルにより検出された磁
場強度の時間的変化を2値化信号に変換する2値化変換
手段と、この2値化信号と前記パルス信号との位相差信
号を得る論理回路と、該論理回路により得られた位相差
信号を、該2値化信号と該パルス信号とのずれ量に比例
したアナログ電圧に変換する変換手段とを備える構成と
することができる。
【0014】この構成にあっては、磁場発生手段には磁
場発生用にパルス信号を入力して、一定周波数の磁場を
発生させるようにする。そして、位相差検出手段は、受
信コイルにより検出された磁場強度の時間的変化を2値
化信号に変換し、この2値化信号と前記パルス信号との
位相差信号を得、得られた位相差信号を、該2値化信号
と該パルス信号とのずれ量に比例したアナログ電圧に変
換する。よって、磁場発生手段に対し磁場発生用にパル
ス信号を入力するだけで、位相のずれ量と磁場強度の2
種類の時間的変化を検出することが可能となる利点があ
る。
【0015】本発明の硬貨識別装置において、前記識別
手段は、前記位相差検出手段により検出された位相のず
れ量に関するアナログ電圧の時間的変化の第1ピーク値
と、前記受信コイルにより検出された磁場強度の時間的
変化の第2ピーク値とに基づいて被識別対象硬貨の種類
を予備判別し、その予備判別の結果に基づき、該第1ピ
ーク値に対応して該位相差検出手段により検出される複
数のアナログ電圧値と、該第2ピーク値に対応して該受
信コイルにより検出される複数の磁場強度値とを決定
し、更に決定したこれらの値に基づいて位相のずれ量の
時間的変化と磁場強度の時間的変化との相関を求めるこ
とで、被識別対象硬貨の種類を識別する構成とすること
ができる。
【0016】この構成にあっては、上述したように位相
のずれ量および磁場強度の時間的変化が、被識別対象硬
貨の材質によってそれぞれ異なった特有の変化をするこ
とを利用している。すなわち、各ピーク値と、複数のア
ナログ電圧値または磁場強度値とは、所定の値位置にあ
るので、各ピーク値に基づき被識別対象硬貨の種類を予
備判別できる。そして、これらの複数の電圧値に基づ
き、位相のずれ量の時間的変化と磁場強度の時間的変化
との相関を求めると、被識別対象硬貨の種類を識別する
ことが可能となる。
【0017】本発明の硬貨識別装置において、前記識別
手段は、多数種類の硬貨に関して予め求めている、前記
第1ピーク値および第2ピーク値のそれぞれに対応する
第1ピーク値の範囲および第2ピーク値の範囲と、検出
された前記第1ピーク値および第2ピーク値とを比較す
ることにより前記予備判別を行う構成とすることができ
る。
【0018】この構成にあっては、予備判別に際し、第
1ピーク値の範囲および第2ピーク値の範囲と、検出さ
れた第1ピーク値および第2ピーク値とを比較すると、
簡単に予備判別を行うことができるという利点がある。
【0019】本発明の硬貨識別装置において、前記識別
手段は、前記複数のアナログ電圧値における相対差と、
複数の磁場強度値における相対差とを求め、両相対差に
基づいて前記相関を求める構成とすることができる。
【0020】この構成にあっては、複数のアナログ電圧
値における相対差に基づき、位相のずれ量の時間的変
化、例えばその時間的変化の傾き度合が判り、また、複
数の磁場強度値における相対差に基づき、磁場強度の時
間的変化、例えばその時間的変化の傾き度合が判るの
で、両相対差に基づいて位相のずれ量の時間的変化と磁
場強度の時間的変化との相関が求められる。
【0021】本発明の硬貨識別装置において、前記識別
手段は、前記位相差検出手段により検出された位相のず
れ量に関するアナログ電圧の時間的変化と前記受信コイ
ルにより検出された磁場強度の時間的変化とにおける或
る時間での電圧差、および予め前記或る時間に対応して
求めている該電圧差の範囲に基づいて被識別対象硬貨の
種類を識別する構成とすることができる。
【0022】この構成にあっては、上述したように位相
のずれ量および磁場強度の時間的変化が、被識別対象硬
貨の材質によってそれぞれ異なった特有の変化をするこ
とを利用している。すなわち、アナログ電圧値と磁場強
度値との電圧差は、所定の時間位置で所定の範囲内に含
まれるように変化するため、該電圧差と該電圧差の範囲
とを比較することで、被識別対象硬貨の種類を識別する
ことが可能となる。
【0023】本発明の硬貨識別装置において、前記電圧
差に、位相のずれ量および磁場強度の時間的変化がピー
クとなる以前のデータを用いて、被識別対象硬貨の種類
を識別する構成とすることができる。
【0024】この構成にあっては、位相のずれ量および
磁場強度の時間的変化がピークとなる以前のデータを用
いるため、被識別対象硬貨の種類を迅速に識別すること
が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につき
具体的に説明する。
【0026】(第1実施形態)図1は本発明の第1実施
形態に係る硬貨識別装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0027】この硬貨識別装置は、被識別対象硬貨1が
搬送される搬送通路15を挟んで設けられた発振コイル
2bと受信コイル3bとで構成される磁気センサを有す
る。搬送通路15は、非磁性材料により断面コの字状に
形成された溝部材14の内部にて構成されている。溝部
材14は溝の深さ方向を鉛直方向に対して傾斜させて設
けられ、被識別対象硬貨1が一方の内壁面に接触するよ
うになっており、かつ、搬送通路15の底面は、図2
(図1とは直交する方向から見た図)に示すように、被
識別対象硬貨1の投入部から収納部に向かって緩やかに
傾斜していて、被識別対象硬貨1がこの搬送通路15に
沿って矢印Aの方向に転がりながら磁気センサの間を通
過する。
【0028】発振コイル2bは、E型のコア2aの中央
部のポールに巻きつけられ、一定の周波数でサイン状に
変化する磁界を発生する。受信コイル3bは、I型のコ
ア3aに巻きつけられ、I型コア3aを被識別対象硬貨
1が溝部材14の内壁面と接触する側面に位置するよう
に配置されており、受信コイル3bは発振コイル2bに
よって形成された発振磁界中を被識別対象硬貨1が通過
する際の磁界の変化を検出する。受信コイル3bの出力
は硬貨の種類によってそのピーク値や波形の形状が変化
するので、この違いを検出して被識別対象硬貨1の材質
を判定し識別を行う。
【0029】この磁気センサは、被識別対象硬貨1の材
質を検知するために比較的低い発振周波数で駆動されて
いて、対象硬貨のほぼ中心部が発振コイル2bと受信コ
イル3bの間を通過する様に位置決めされている。ま
た、コア2a、3aは、その大きさを対象硬貨の直径に
対して充分小さくして形成されており、その為、対象硬
貨の局所的な材質の差異を検出する事が出来る。
【0030】上記発振コイル2bは、発振コイル駆動回
路4に接続されていて、例えば22.5KHzの周波数
で発振され、この発振磁界と被識別対象硬貨1との相互
作用による磁界の変化を受信コイル3bが受信する。な
お、発振コイル2bに代えて、発振コイルとは異なる他
の励磁方式の磁場発生手段で搬送通路15に磁場を発生
するようにしてもよい。
【0031】受信コイル3bの出力は、増幅器5で所定
のレベルに増幅され、整流回路6で整流されて出力信号
の強度変化成分が抽出され、その抽出信号がCPU11
のアナログ/デジタル入カポート(A/D)11aに出
力される。増幅器5の出力は、ローパスフィルター7に
も与えられ、ここで高周波成分がカットされて平均値が
出力される。この平均値と増幅器5の出力信号は比較器
8に与えられて比較され、比較器8は増幅器5の出力が
平均値を上回るときにハイとなり、下回る時にローとな
る2値化信号を出力する。なお、上記ローパスフィルタ
ー7と比較器8は、2値化変換手段を構成する。
【0032】図3に比較器8の構成を示す。この図でS
Aはローパスフィルターの出力を、SBは増幅器5の出
力を示す。
【0033】増幅器5の出力SBは、抵抗R1と、これ
と並列に接続されたコンデンサC1を介して、差動増幅
回路を構成する2つのトランジスタTr1とTr2のう
ち、片方のトランジスタTr1のべースに入力される。
一方、ローパスフィルター7の出力SAは、もう片方の
トランジスタTr2のべースに入力される。トランジス
タTr1のコレクタは抵抗R2を介して電源に、エミッ
タは抵抗R4を介してグランドに接続されている。トラ
ンジスタTr2のコレクタは抵抗R3を介して電源に、
エミッタは抵抗R5を介してグランドに接続されてい
る。
【0034】また、トランジスタTr1のコレクタはト
ランジスタTr3のエミッタに、トランジスタTr2の
コレクタはトランジスタTr3のべースに接続され、ト
ランジスタTr3のコレクタは抵抗R6を介してグラン
ドに接続されると共に、抵抗R7及びこれと並列に接続
されたコンデンサC2を介して、トランジスタTr4の
べースに接続されている。そして、トランジスタTr4
のコレクタは、抵抗R8を介して電源に接続されると共
に論理回路9の一方の入力端に入力される(図1参
照)。
【0035】図4は、このように構成された比較器8の
出力信号を示す図である。図示したように、比較器8は
2つの入力波形SAとSBとを比較して、SBがSAよ
り大きいときにハイとなり、小さい時にローとなる2値
化信号SCを出力する。
【0036】図1に示すように論理回路9のもう一方の
入力端には、CPU11から前記発振コイル駆動回路4
に与えられる矩形波出力、例えば22.5KHzの周波
数の矩形波出力が入力され、論理回路9はその矩形波出
力と比較器8の出力信号SCとの位相差を検出する。
【0037】図5に論理回路の構成を示す。図5中のS
DはCPU11からの矩形波出力信号(発振信号)を、
SCは比較器8からの出力信号を示す。
【0038】CPU11からの発振信号SDは、ナンド
回路NA1の一方の入力端子と、ナンド回路NA2の一
方の入力端子に入力される。比較器8からの出力信号S
Cは、ナンド回路NA1の他方の入力端に入力されると
共に、ナンド回路NA3の一方の入力端に入力されてい
て、ナンド回路NA1の出力は上記ナンド回路NA2と
NA3のそれぞれ他方の入力端に入力される。ナンド回
路NA2とNA3の出力端はナンド回路NA4の各入力
端に入力されていて、ナンド回路NA4は発振信号SD
と比較器からの2値化信号SCとに基づき、図6のタイ
ミングチャートに示すような2つの信号の位相差に対応
した信号SEを出力する。
【0039】この論理回路9の出力は、整流回路10で
両信号SDとSCの位相のずれ量に比例したアナログ電
圧に変換され、CPU11のアナログ/デジタル入力ポ
ート11bに入力され、アナログ信号をデジタル信号に
変換してCPU11に取り込まれる。なお、CPU11
には、ROM12とRAM13とが接続されている。な
お、ローパスフィルター7、比較器8、論理回路9およ
び整流回路10は、位相差検出手段を構成する。
【0040】次に、本発明の硬貨識別の原理につき説明
する。
【0041】図7〜図9は、かかる構成の硬化識別装置
のCPU11に入力される信号波形の一例を示す。図7
は被識別対象硬貨が日本の500円硬貨の信号波形で、
図8は被識別対象硬貨がロシアの100ルーブル硬貨の
信号波形で、図9は被識別対象硬貨がフランスの10フ
ラン硬貨の信号波形である。
【0042】各図における波形Pは、硬貨が磁気センサ
を通過する前後の期間の整流回路6より出力される信号
波形の変化を示し、波形Qは同じく整流回路10より出
力される信号波形の変化の様子を示したものである。各
図において、時刻T1からT2が硬貨が磁気センサの間
を通過している期間である。なお、本発明の硬貨識別装
置では整流回路6、10から出力される信号を監視して
予め決められた基準電圧V0を超えた場合に波形PとQ
の信号をCPU11に取込んで識別データとして用いる
ようにしている。
【0043】これら図7〜図9より理解されるように、
時刻T1からT2の期間における波形Pと波形Qとが、
硬貨の材質によってそれぞれ異なる変化をする。つま
り、波形Pのピーク値p1が各硬貨で異なっており、ま
た波形Qのピーク値q1が各硬貨で異なっている。より
詳細には、ピーク値p1については、 日本の500円硬貨<ロシアの100ルーブル硬貨<フ
ランスの10フラン硬貨 となっており、ピーク値q1については、 日本の500円硬貨>ロシアの100ルーブル硬貨>フ
ランスの10フラン硬貨 となっている。
【0044】また、波形Qに関しては、日本の500円
硬貨では変曲点がなく、ロシアの100ルーブル硬貨と
フランスの10フラン硬貨では共にバイメタル硬貨であ
る故に変曲点Rが存在し、しかも変曲点Rより下の裾部
分の傾きはフランスの10フラン硬貨の方がロシアの1
00ルーブル硬貨よりも小さくなっている。なお、変曲
点Rは、バイメタル硬貨の材質が変わる部分に対応して
発生している。
【0045】本発明の硬貨識別の原理は、このような2
種類の波形PおよびQの特徴を用いている。すなわち、
ピーク値p1およびq1を検出し、その検出したピーク
値p1およびq1の各出力値(電圧値)VpおよびV
p′を、予め多数種類の硬貨を対象として求めているピ
ーク出力値Vpの範囲およびピーク出力値Vp′の範囲
と比較することで硬貨の種類の予備判定を行う。そし
て、予備判定が日本の500円硬貨の場合は、ピーク値
p1およびq1以外に、更に波形P上の3つの点p2、
p3、p4と、これらに対応する波形Q上の3つの点q
2、q3、q4とに関する出力値va、vb、vc、v
a′、vb′、vc′を、波形認識用の参照電圧として
用い、傾きに相当するK1=va−vbとK2=vb−
vcとの比K1/K2、およびK1′=va′−vb′
とK2′=vb′−vc′との比K1′/K2′を求
め、2種類の波形PおよびQの相関度YK=(K1′/
K2′)−(K1/K2)を、予め同様にして多数種類
の硬貨を対象として求めている相関度YKの範囲と比較
し、範囲内にあれば日本の500円硬貨と判定し、範囲
外であれば偽硬貨と判定する。ここで、Vp、va、v
bおよびvcにより波形Pが認識され、Vp′、v
a′、vb′およびvc′により波形Qが認識される。
【0046】また、予備判定がロシアの100ルーブル
硬貨またはフランスの10フラン硬貨である場合には、
ピーク値p1およびq1以外に、更に波形P上の4つの
点p2、p3、p4、p5と、これらに対応する波形Q
上の4つの点q2、q3、q4、q5とに関する出力値
va、vb、vc、vd、va′、vb′、vc′、v
d′を波形認識用の参照電圧として用い、傾きに相当す
るK1=va−vbとK2=vc−vdとの比K1/K
2、およびK1′=va′−vb′とK2′=vc′−
vd′との比K1′/K2′を求め、2種類の波形Pお
よびQの相関度YK=(K1′/K2′)−(K1/K
2)を、予めロシアの100ルーブル硬貨またはフラン
スの10フラン硬貨に対して前同様にして求めている相
関度YKの範囲と比較する。そして、ロシアの100ル
ーブル硬貨の範囲内にあればロシアの100ルーブル硬
貨と判定し、範囲外であれば偽硬貨と判定する。一方、
フランスの10フラン硬貨の範囲内にあればフランスの
10フラン硬貨と判定し、範囲外であれば偽硬貨と判定
する。なお、点p2とp3、点q2とq3は、変曲点R
よりも上の位置に、点p4とp5、点q4とq5は、変
曲点Rよりも下の位置になるように選定することで、V
p、va、vb、vcおよびvdにより波形Pが認識さ
れ、Vp′、va′、vb′、vc′およびvd′によ
り波形Qが認識される。また、このような波形認識を可
能と設定すべく、日本の500円硬貨の場合よりもp2
等やq2等の点(つまりp5とq5)を1つずつ増加さ
せている。
【0047】また、本実施形態では、波形Pから3つの
出力値va〜vcまたは4つの出力値va〜vdと、波
形Qから3つの出力値va′〜vc′または4つの出力
値va′〜vd′とは、以下のようにして求めている。
すなわち、図10に示すVpと、Vp/Vp′を変数と
する二次元テーブルから、実検出データに基づくVpと
Vp/Vp′に応じて各出力値va等を読み取り、整流
回路6の出力を監視してその出力値が読み取った値に一
致した時点で、整流回路10の出力値をva′等として
求めている。
【0048】ここで、二次元テーブルにおけるva〜v
dは、下記(1)〜(4)により表される値であり、各
式中の定数x、y、z、wは、Vp、va〜vdの多数
の実測値に基づき定まる値である。 va=x×Vp …(1) vb=y×Vp …(2) vc=z×Vp …(3) vd=w×Vp …(4)
【0049】なお、上述したピーク出力値Vpの範囲お
よびピーク出力値Vp′の範囲、相関度YKの範囲およ
び二次元テーブル等は、多数の種類の硬貨毎に前記RO
M12に格納されている。
【0050】次に、第1実施形態に係る硬貨識別装置に
よる識別処理の内容を、図11に示すフローチャートに
基づき説明する。この識別処理は、図1に示すCPU1
1の硬貨識別部11cにおいて実行される。
【0051】まず、ステップS0で硬貨識別装置の動作
を開始すると、ステップS1でCPU11はROM12
に格納されているプログラムを実行し、各種のカウン
タ、レジスタ及びフラグを初期化する。
【0052】次に、ステップS2で磁気センサの出力を
監視して硬貨が投入されたか否かを検知する。即ち、C
PU11は整流回路6の出力を監視してその値が一定の
基準電圧V0を超えたか否かを判別し、超えた場合はス
テップS3へ、超えていない場合はステップS2を繰り
返し実行する。
【0053】ステップS3では、CPU11は整流回路
6の出力と整流回路10の出力とからそれらの出力のピ
ーク出力値Vp,Vp′を検知して前記RAM13へ格
納する。
【0054】次いで、ステップS4に進み、検知したピ
ーク出力値VpとVp′の値を予めROM12に記憶さ
れたピーク出力値Vpの範囲およびピーク出力値Vp′
の範囲と対比し、ピーク出力値Vp及びVp′が含まれ
る範囲を検出して投入硬貨の種類を予備的に検知する。
なお、ピーク出力値Vp及びVp′が含まれる範囲が存
在しない時には偽貨として処理を行い、ステップS10
へ進む。一方、ステップS4で正貨と判定された時に
は、ステップS5へ進む。
【0055】ステップS5では、ステップS4で予備的
に検出された金種データを基に、波形データを識別する
為の参照電圧va,vb、…を求める。即ち、図10に
示す二次元テーブルからVpとVp/Vp′に基づき上
記参照電圧va,vb、…を読みとる。
【0056】次いで、ステップS6では整流回路6の出
力を監視してその出力値が上記読みとられた参照電圧v
a,vb、…になった時点での整流回路10の出力値v
a′、vb′、…をCPU11に取り込んでRAM13
へと格納し、ステップS7でこれらの出力値データv
a,vb、…とva′、vb′、…を前述した計算式に
当てはめて波形の傾きに相当するK1、K1′、K2及
びK2′を算出し、ステップS8へと移行する。
【0057】ステップS8では、算出されたK1、K
1′、K2及びK2′値より相関度YK値を算出し、そ
のYK値を、予備判定で判定された金種に相当するYK
値の範囲と比較して、範囲内にある場合には正貨と判定
してステップS9へ進み、範囲外と判定された場合には
ステップS10へ進む。ステップS9へ移行した場合に
は、投入硬貨を識別された金種に対応した硬貨収納部に
導く。一方、ステップS10へ移行した場合は、偽貨と
してリジェクト通路等の別の通路に振り分ける処理を行
う。
【0058】以上説明したように、第1実施形態による
場合には、1つの受信コイル3bで磁場強度の時間的変
化を検出し、その磁場強度の時間的変化と、磁場発生手
段としての発振コイル2bにより発生させる磁場の一定
周波数の波形との間における位相のずれ量の時間的変化
を検出する。このとき、位相のずれ量および磁場強度の
時間的変化は、被識別対象硬貨1の材質によって、それ
ぞれ異なった特有の変化をするので、材質が異なる多数
の硬貨について、予め特有の変化をする位相のずれ量お
よび磁場強度の時間的変化を求めておくと、検出した位
相のずれ量および磁場強度の時間的変化が、どの材質の
硬貨のものかを把握することができ、これにより被識別
対象硬貨1の種類、つまり金額がいくらの硬貨またはバ
イメタル硬貨であるか、或いは偽硬貨であるか等を、高
い判別精度で識別することが可能となる。したがって、
1つの受信コイル3bを用いるだけでよいので、センサ
構成を簡潔にできる。また、被識別対象硬貨1のサイズ
(バイメタル硬貨における径方向の中央部と周辺部のサ
イズ)や種類(バイメタル硬貨における中央部と周辺部
の材質)が他のものに代わっても、2つの時間的変化の
データを処理するプログラムを変更するのみで対応する
ことができ、汎用性および拡張性に優れたシステムを構
成できるという効果を有する。
【0059】また、第1実施形態においては、磁場発生
手段としては、受信コイル3bとは搬送通路15を挟ん
で設けられた発振コイル2bを有する構成であるので、
1組の磁気センサ、つまり発振コイル2bと受信コイル
3bを搬送通路15を挟んで設ければよく、極めて簡潔
なセンサを使用することができる。
【0060】また、第1実施形態においては、磁場発生
手段としての発振コイル2bには磁場発生用にパルス信
号を入力して、一定周波数の磁場を発生させるように
し、位相差検出手段(7、8、9及び10)は、受信コ
イル3bにより検出された磁場強度の時間的変化を2値
化信号に変換し、この2値化信号と前記パルス信号との
位相差信号を得、得られた位相差信号を、該2値化信号
と該パルス信号とのずれ量に比例したアナログ電圧に変
換する構成となっているので、発振コイル2bに対し磁
場発生用にパルス信号を入力するだけで、位相のずれ量
と磁場強度の2種類の時間的変化を検出することが可能
となる利点がある。
【0061】また、第1実施形態においては、位相のず
れ量および磁場強度の時間的変化が、被識別対象硬貨1
の材質によってそれぞれ異なった特有の変化をすること
を利用し、すなわち各ピーク値Vp、Vp′と、複数の
アナログ電圧値va、vb等または磁場強度値va′、
vb′等とは、所定の値位置にあることを利用している
ので、各ピーク値Vp、Vp′に基づき被識別対象硬貨
1の種類を予備判別できる。そして、これらの複数の電
圧値va、vb等およびva′、vb′等に基づき、位
相のずれ量の時間的変化と磁場強度の時間的変化との相
関を求めると、被識別対象硬貨1の種類を識別すること
が可能となる。
【0062】また、第1実施形態においては、予備判別
に際し、各ピーク値の範囲と、検出されたピーク値V
p、Vp′とを比較しているので、簡単に予備判別を行
うことができるという利点がある。
【0063】なお、上述した第1実施形態では、日本の
500円硬貨に関しては、参照電圧va等を3つ、v
a′も3つとし、ロシアの100ルーブル硬貨およびフ
ランスの10フラン硬貨に関しては、参照電圧va等を
4つ、va′も4つとしているが、本発明はこれに限ら
ず、波形の形状の違いを特定できれば、2以上の任意の
数としてもよいことは勿論である。
【0064】また、上述した第1実施形態では、日本の
500円硬貨、ロシアの100ルーブル硬貨およびフラ
ンスの10フラン硬貨を被識別対象硬貨として用いてい
るが、本発明はこれに限らず、他の種類の硬貨を被識別
対象硬貨として用いてもよく、また、被識別対象硬貨の
数も3つに限らず、任意の数としてもよい。
【0065】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について図12を参照して説明する。なお、本発明
の硬貨識別装置の構成は図1と同様である。
【0066】図12は整流回路6より出力される波形P
と整流回路10より出力される波形Qの一例を示すグラ
フである。なお、横軸に時間軸を、縦軸に電圧をそれぞ
れとっている。
【0067】図12中において、p0,p1,p2,p
3、…、pn、…、ppは波形P上にプロットした点
を、q0,q1,q2,q3、…、qn、…、qpは波
形Q上にプロットした各点を表している。なお、p0,
p1,p2,p3、…、pn、…、ppおよびq0,q
1,q2,q3、…、qn、…、qpの位置は、波形の
特徴を特定できる波形上の位置に対応して決められてい
る。また、p0とq0は基準電圧v0における点で、p
pとqpは各波形のピーク位置の点を示す。
【0068】ここで、p0,p1,p2,p3、…、p
n、…は、整流回路6の出力値が、予め波形の特徴を特
定できる波形上の位置に対応して決められた所定数の参
照電圧va,vb,vc、…、vn、…、Vpになった
時点における波形P上の各点を、参照電圧va′、v
b′、vc′、…、vn′、…、Vp′はその各時点に
おける波形Q上のそれぞれ対応する点における整流回路
10の出力値を示す。
【0069】第2実施形態における識別方式は、前記参
照電圧va、vb、vc、…、vn、…、Vpが予め一
義的に決められていて、整流回路6の出力(電圧)がそ
の値になった時点を監視し、各時点での整流回路10の
出力値(電圧値)va′、vb′、vc′、…、v
n′、…、Vp′を検出する。そして、該当する同時点
での対応する2つの電圧差を、全時点に関して、下記
(5)、(6)、(7)…(8)…(9)により算出す
る。なお、この例では、電圧差の算出は、整流回路6の
出力値がピーク出力値Vpに達するまでの期間としてい
る。 Da=va−va′ …(5) Db=vb−vb′ …(6) Dc=vc−vc′ …(7) … Dn=vn−vn′ …(8) … Dp=Vp−Vp′ …(9)
【0070】その後、算出した電圧差Da〜Dpの各値
と、予めROM12に記憶されている差電圧の範囲、つ
まりDaの範囲〜Dpの範囲とを、全ての算出電圧差D
a〜Dpに関して各電圧差Da等毎に比較する。前記差
電圧の範囲は、同様にして多数種類の硬貨を対象としか
つ多数の参照電圧毎(電圧差Da〜Dpの数と同数)に
求められていて、ROM12に記憶されている。そし
て、比較の結果、算出した電圧差Da等が上記ROM1
2に記憶されている電圧差と一致しないとき、またはそ
の不一致度が予め定めた値以下のときには偽貨として処
理し、対応する範囲が存在するときはその範囲に関する
金種の硬貨と識別する。
【0071】したがって、第2実施形態による場合に
は、上述したように位相のずれ量および磁場強度の時間
的変化が、被識別対象硬貨1の材質によってそれぞれ異
なった特有の変化をすることを利用し、すなわちアナロ
グ電圧値と磁場強度値との電圧差va−va′等が、所
定の時間位置で所定の範囲内に含まれるように変化する
ことを利用しているため、該電圧差va−va′等と該
電圧差の範囲Da等とを比較することで、被識別対象硬
貨1の種類を識別することが可能となる。また、位相の
ずれ量および磁場強度の時間的変化がピークとなる以前
のデータを用いるため、被識別対象硬貨1の種類を迅速
に識別することが可能となる。
【0072】なお、上述した第2実施形態では、ピーク
出力値VpおよびVp′が検出されるまでの全期間にお
いて、電圧差Da〜Dpを算出するようにしているが、
本発明はこれに限らない。例えば、ピーク出力値Vpお
よびVp′が検出される以前の波形に特徴がある場合
は、その特徴部分を含む範囲内で、電圧差を算出すると
ともに、その算出電圧差と該当する電圧差の範囲とを比
較して識別するようにしてもよいことは勿論である。ま
た、ピーク出力値VpおよびVp′よりも後に波形の特
徴がある場合には、ピーク出力値VpおよびVp′が検
出された以降の範囲内で、電圧差を算出するとともに、
その算出電圧差と該当する電圧差の範囲とを比較して識
別するようにしてもよいことは勿論である。
【0073】また、上述した第2実施形態では、電圧差
Da〜Dpを算出する数については明言していないが、
波形の特徴により波形の種類、つまり金種の特定が可能
であれば、任意の数としてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による場合
には、1つの受信コイルで磁場強度の時間的変化を検出
し、その磁場強度の時間的変化と、磁場発生手段により
発生させる磁場の一定周波数の波形との間における位相
のずれ量の時間的変化を検出する。このとき、位相のず
れ量および磁場強度の時間的変化は、被識別対象硬貨の
材質によって、それぞれ異なった特有の変化をする。よ
って、材質が異なる多数の硬貨について、予め特有の変
化をする位相のずれ量および磁場強度の時間的変化を求
めておくと、検出した位相のずれ量および磁場強度の時
間的変化が、どの材質の硬貨のものかを把握することが
でき、これにより被識別対象硬貨の種類、つまり金額が
いくらの硬貨またはバイメタル硬貨であるか、或いは偽
硬貨であるか等を、高い判別精度で識別することが可能
となる。したがって、本発明装置による場合には、1つ
の受信コイルを用いるだけでよいので、センサ構成を簡
潔にできる。また、被識別対象硬貨のサイズ(バイメタ
ル硬貨における径方向の中央部と周辺部のサイズ)や種
類(バイメタル硬貨における中央部と周辺部の材質)が
他のものに代わっても、2つの時間的変化のデータを処
理するプログラムを変更するのみで対応することがで
き、汎用性および拡張性に優れたシステムを構成できる
という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る硬貨識別装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】図1に示す硬貨識別装置における磁気センサの
配置および構成を示す側面図である。
【図3】図1に示す硬貨識別装置に備わった比較器の回
路構成を示す図である。
【図4】図3の比較器において入出力される信号波形を
示す図である。
【図5】図1に示す硬貨識別装置に備わった論理回路の
構成を示す図である。
【図6】図5に示す論理回路において入出力される信号
波形を示す図である。
【図7】図1に示す硬貨識別装置における500円硬貨
の識別原理を説明するための信号波形図である。
【図8】図1に示す硬貨識別装置におけるロシア100
ルーブル硬貨の識別原理を説明するための信号波形図で
ある。
【図9】図1に示す硬貨識別装置におけるフランス10
フラン硬貨の識別原理を説明するための信号波形図であ
る。
【図10】図1に示す硬貨識別装置による識別に際し用
いる参照電圧を読みとるための二次元テーブルを示す図
である。
【図11】図1に示す硬貨識別装置による識別内容を説
明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施例による硬貨識別方式を説
明するための図である。
【符号の説明】
1 被識別対象硬貨 2b 発振コイル 3b 受信コイル 4 発振コイル駆動回路 5 増幅器 6 整流回路 7 ローパスフィルター 8 比較器 9 論理回路 10 整流回路 11 CPU 12 ROM 13 RAM 15 搬送通路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被識別対象硬貨を搬送する搬送通路と、 該搬送通路に一定周波数の磁場を発生させる磁場発生手
    段と、 該磁場を通る該被識別対象硬貨による磁場強度の時間的
    変化を検出する受信コイルと、 該受信コイルにより検出された磁場強度の変化と上記一
    定周波数の波形との位相のずれ量を検出する位相差検出
    手段と、 該位相差検出手段により検出された位相のずれ量の時間
    的変化および上記受信コイルにより検出された磁場強度
    の時間的変化に基づき被識別対象硬貨の種類を識別する
    識別手段とを具備することを特徴とする硬貨識別装置。
  2. 【請求項2】 前記磁場発生手段は、前記受信コイルと
    は前記搬送通路を挟んで設けられた発振コイルを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨識別装置。
  3. 【請求項3】 前記磁場発生手段には前記磁場発生用の
    パルス信号が入力され、前記位相差検出手段は、受信コ
    イルにより検出された磁場強度の時間的変化を2値化信
    号に変換する2値化変換手段と、この2値化信号と前記
    パルス信号との位相差信号を得る論理回路と、該論理回
    路により得られた位相差信号を、該2値化信号と該パル
    ス信号とのずれ量に比例したアナログ電圧に変換する変
    換手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に
    記載の硬貨識別装置。
  4. 【請求項4】 前記識別手段は、前記位相差検出手段に
    より検出された位相のずれ量に関するアナログ電圧の時
    間的変化の第1ピーク値と、前記受信コイルにより検出
    された磁場強度の時間的変化の第2ピーク値とに基づい
    て被識別対象硬貨の種類を予備判別し、その予備判別の
    結果に基づき、該第1ピーク値に対応して該位相差検出
    手段により検出される複数のアナログ電圧値と、該第2
    ピーク値に対応して該受信コイルにより検出される複数
    の磁場強度値とを決定し、更に決定したこれらの値に基
    づいて位相のずれ量の時間的変化と磁場強度の時間的変
    化との相関を求めることで、被識別対象硬貨の種類を識
    別することを特徴とする請求項3に記載の硬貨識別装
    置。
  5. 【請求項5】 前記識別手段は、多数種類の硬貨に関し
    て予め求めている、前記第1ピーク値および第2ピーク
    値のそれぞれに対応する第1ピーク値の範囲および第2
    ピーク値の範囲と、検出された前記第1ピーク値および
    第2ピーク値とを比較することにより前記予備判別を行
    うことを特徴とする請求項4に記載の硬貨識別装置。
  6. 【請求項6】 前記識別手段は、前記複数のアナログ電
    圧値における相対差と、複数の磁場強度値における相対
    差とを求め、両相対差に基づいて前記相関を求めること
    を特徴とする請求項5に記載の硬貨識別装置。
  7. 【請求項7】 前記識別手段は、前記位相差検出手段に
    より検出された位相のずれ量に関するアナログ電圧の時
    間的変化と前記受信コイルにより検出された磁場強度の
    時間的変化とにおける或る時間での電圧差、および予め
    前記或る時間に対応して求めている該電圧差の範囲に基
    づいて被識別対象硬貨の種類を識別することを特徴とす
    る請求項3に記載の硬貨識別装置。
  8. 【請求項8】 前記電圧差に、位相のずれ量および磁場
    強度の時間的変化がピークとなる以前のデータを用い
    て、被識別対象硬貨の種類を識別することを特徴とする
    請求項7に記載の硬貨識別装置。
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