JP2003084389A - カラーフォトサーモグラフィ要素 - Google Patents

カラーフォトサーモグラフィ要素

Info

Publication number
JP2003084389A
JP2003084389A JP2002245192A JP2002245192A JP2003084389A JP 2003084389 A JP2003084389 A JP 2003084389A JP 2002245192 A JP2002245192 A JP 2002245192A JP 2002245192 A JP2002245192 A JP 2002245192A JP 2003084389 A JP2003084389 A JP 2003084389A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
layer
silver
color
dyes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002245192A
Other languages
English (en)
Inventor
Ramanuj Goswami
ゴスワミ ラマニュジュ
Mark E Irving
エドワード イルビング マーク
David Howard Levy
ハワード レビー デイビッド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JP2003084389A publication Critical patent/JP2003084389A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49836Additives
    • G03C1/49845Active additives, e.g. toners, stabilisers, sensitisers
    • G03C1/49854Dyes or precursors of dyes
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49881Photothermographic systems, e.g. dry silver characterised by the process or the apparatus
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/825Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by antireflection means or visible-light filtering means, e.g. antihalation
    • G03C1/83Organic dyestuffs therefor
    • G03C1/832Methine or polymethine dyes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S430/00Radiation imagery chemistry: process, composition, or product thereof
    • Y10S430/156Precursor compound
    • Y10S430/16Blocked developers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S430/00Radiation imagery chemistry: process, composition, or product thereof
    • Y10S430/165Thermal imaging composition

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好に漂白を受け、良好な保管特性を有する
ために何らの追加試薬を必要としないようなフォトサー
モグラフィ要素を提供する。 【解決手段】 個々の感受性が異なる波長領域にある少
なくとも3個の感光性ユニットを上に有する支持体、及
び置換又は未置換のヘテロ環式核を末端とするメチン結
合を有する双性イオン性1-アミノピリジニウム色素を含
有する少なくとも1個の光吸収層を含んでなり、前記ヘ
テロ環式核の窒素原子が、アニオン含有基で置換されて
いるカラーフォトサーモグラフィ要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱が加えられた際
に電磁吸収特性に変化を受けることができる着色された
水性熱漂白可能な組成物に関する。これらの組成物は、
フォトサーモグラフィ要素のハレーション防止成分又は
フィルター成分として有用である。特に、双性イオン性
1-アミノピリジニウム色素は、フォトサーモグラフィ要
素において改善された漂白特性を提供することがわかっ
た。
【0002】
【従来の技術】写真材料は通常、ハレーション防止層又
はフィルター層、オーバーコート層及び輻射線感受性層
を含む、様々な層及び成分を備えている。像形成要素の
ハレーション防止層は、輻射線感受性層(複数)を通って
反射性裏面からそれらの層へと通過する光を防止するこ
とを補助する。反射が防止されないと、得られる画像の
鮮鋭度は下がる。湿式法において、ハレーション防止層
は一般に、湿式化学現像処理時に除去されるかもしくは
無色となる。フィルター層は、フィルター層上のカラー
層又はカラー層ユニットによって完全には吸収されない
色の光を吸収するように使用される一方で、、カラー層
又はフィルター層の下側のカラー層により吸収されるこ
とが意図されている色の光を透過する。別の表現をする
と、フィルター層は、画像の捕捉に使用されない光を選
択的に吸収するために使用される。ハレーション防止層
は、全てのカラー層の下側に配置されたフィルター層の
種類とみなすことができ、ここで光はハレーション防止
層の下側のいずれかのカラー層に透過されることは必要
としないが、ハレーション防止ユニットを通って戻って
くる光の反射は防止されるかもしくは最小化される。ハ
レーション防止層及びフィルター層は両方とも、典型的
にはカラー層により吸収されることを意図されていない
光を吸収するか、又は選択吸収するようなフィルター色
素を利用する。
【0003】像様露光後に要素の加熱により簡単に現像
処理することができる像形成要素は、フォトサーモグラ
フィ要素と称されている。このような要素は、ハレーシ
ョン防止層又はフィルター層を含むことが望ましいこと
が多い。ほとんどの場合、望ましくないことに比較的高
レベルの最小濃度(増大した「Dmin」)を生じるような走
査時の好ましくない光の吸収を避けるために、ハレーシ
ョン防止層は、熱現像処理の際には実質的に透明にされ
ねばならない。特にカラーフィルムの場合、透明に漂白
すること及びあらゆる色味を回避するか又は最小にする
ことが望ましい。
【0004】概して写真現像の処理前、途中又は後に、
迅速かつ容易に無効となる、すなわち脱色又は分解し及
び除去することができるような光を選択吸収する色素を
使用することは望ましい。常用フィルムの通常の現像処
理に関して、露光された要素の現像処理において使用さ
れる写真浴のひとつ、例えば写真現像浴又は定着浴によ
り無効とされるような色素を使用することが特に都合が
良いことがわかった。以後、光吸収色素の脱色又は分解
を漂白と称す。
【0005】望ましい吸収特性を有する先行技術の色素
が、常に良好な熱漂白特性を有するものではない。これ
らの色素のいくつかは、これらの色素を含む写真要素か
ら形成された可視像において望ましくない汚染に曝され
る。他の色素は、写真要素の通常の保存に必要とされる
望ましい安定性を有さない。多くの乾式写真現像処理、
すなわち可視像の調製のために液体を必要としないよう
な写真現像処理は、例えば酸浴又はアルカリ浴のような
数種類の液体処理にそれらを曝すことによってのみ除去
されるような光吸収色素を使用している。これらの乾式
現像処理の多くは、液体が色素除去に必要である場合、
それらの魅力的な良い部分を失っている。典型的な先行
技術の光吸収層を利用する現像処理は、米国特許第3,26
0,601号及び米国特許第3,282,699号に開示されている。
【0006】更に、先行技術において漂白可能なハレー
ション防止組成物の多くもしくはほとんどが、色素及び
漂白剤が個々の分子として可溶性であるような溶剤シス
テムに対してデザインされている。更に、先行技術のほ
とんどの漂白可能なハレーション防止組成物は、コンシ
ューマ用途のためのフォトサーモグラフィカラーフィル
ムよりも、医用像形成又はグラフィックアート(モノク
ロシステム)に対するものである。後者の状況におい
て、加熱により漂白可能な色素組成物の暗所保管は難問
である。このような組成物が有用であるためには、これ
らの暗所保管の喪失量が最小であると同時に、比較的高
温でほぼ完全に漂白されることが重要であろう。
【0007】様々なハレーション防止組成物が、現像液
の使用を避けるフォトサーモグラフィーシステムにおけ
る使用に関する文献に報告されている。このような組成
物は一般に、熱漂白可能なハレーション防止色素又は漂
白剤として作用する混入された添加剤を含有している。
更に、加熱漂白可能な色素組成物を説明している多くも
しくはほとんどの先行技術(下記に引用した参考文献)の
ほとんどが、色素を脱色するために数倍も過剰な漂白試
薬を使用している。例えば、過剰な漂白試薬の使用を開
示している先行する特許のは、Fuji社の欧州特許出願公
開第911,693 A1号、DuPont社の米国特許第5,312,721
号、3M社の米国特許第5,258,274号、及びKodak社の米国
特許第4,201,590号、第4,196,002号、及び第4,081,278
号などがある。
【0008】色素の脱色に漂白試薬を使用しない先行技
術は、非常に限られている。1-アミノピリジニウム核を
有する色素は、このような種類の色素を代表している。
特に写真像形成システム用のハレーション防止組成物又
はフィルター組成物における1-アミノピリジニウム色素
の使用は公知であり、これは米国特許第3,619,194号(Mi
tchell)に開示されている。これらの色素の様々な置換
基は、この特許の第4欄に列挙されており、双性イオン
性化合物を含むカルボキシアルキル及びスルホアルキル
を含んでいる。それにもかかわらずこれらの例は、非双
性イオン性である1-アミノピリジニウム色素の過塩素酸
塩、テトラフルオロホウ酸塩、又は類似のシアニン型塩
の形状を開示している。しかし、先行技術において開示
されたようにこれらの色素は、許容できる現像処理温度
で十分効果的に漂白されることはないので、有用ではな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】水性システム中におい
て比較的低温で永久かつ迅速に漂白することができるよ
うなハレーション防止組成物が必要とされている。特に
コンシューマ用途のためのカラーフォトサーモグラフィ
ーフィルムの分野において、漂白及び保管に関する要求
は高い。ハレーション防止層又はフィルター色素層の漂
白は、フィルムの走査を改善するために望ましい。
【0010】更に、漂白可能なAHU又はフィルター層中
に過剰な漂白試薬を使用する必要性は、加熱により漂白
可能な色素組成物の経費を増大している。脱色を受ける
ために過剰量の漂白試薬を必要としないような有用なAH
U色素を得ることは望ましいであろう。最も好ましいも
のは、良好に漂白を受け、更に良好な保管特性を有する
ために何らの追加試薬を必要としないような色素であ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体、少な
くとも1個のフォトサーモグラフィ層、及び少なくとも1
個のハレーション防止層又はフィルター層を含むフォト
サーモグラフィ要素であって、前記ハレーション防止層
又はフィルター層が、シアニン色素に含まれるタイプの
置換又は未置換のヘテロ環式核を末端とするメチン結合
を含む双性イオン性1-アミノピリジニウム色素である少
なくとも1種の光吸収フィルター色素を含有する熱漂白
可能な組成物を含むフォトサーモグラフィ要素に関す
る。
【0012】用語「フィルター色素」とは、フィルター
層又はハレーション防止層において使用される色素を包
含しており、かつ現像主薬又はカップリング剤により生
じた色素を除外している。本発明のひとつの実施態様に
おいて、これらの粒子は、親水性ポリマー又は水分散可
能な疎水性ポリマーを含むマトリックス中に分散されて
いる。
【0013】本発明は更に、フォトサーモグラフィ要素
の製造法及びそのフォトサーモグラフィ要素の使用に関
し、ここでハレーション防止又はフィルター層は、低く
ても約90℃の温度へ加熱する間に、約20分以内に、好ま
しくは約5分以内に、より好ましくは約0.5分以内に、少
なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好まし
くは少なくとも90%は無色となる(製品中で使用された
ものと同じ支持体上の本質的には単独のそのような層の
制御された試験による)。説明されたハレーション防止
層又はフィルター層は、加熱時に該層が少なくとも40%
無色となるようなスピード及びその良好な保存寿命の貯
蔵安定性の点で特に利点がある。好ましい実施態様は、
温度170℃より下で20秒未満に75%超の熱漂白を提供す
る。
【0014】本発明は更に、現像された画像の走査を含
む、多色フォトサーモグラフィ要素中に画像を形成する
方法にも関する。
【0015】
【発明の実施の形態】前述のように、本発明の特徴は、
例えば、本願明細書に引用して組入れるMees及びJames
の「The Theory of the Photographic Process」、MacM
illan社、第4版、194-290頁に記されたもののような、
フォトサーモグラフィ要素における、シアニン色素に含
まれる型の置換又は未置換のヘテロ環式核を末端とする
メチン結合を有する双性イオン性1-アミノピリジニウム
フィルター色素を含むフィルター又はハレーション防止
層の使用である。
【0016】概して本願明細書の言及が特定の部分又は
基について成される場合、このような言及は、置換され
ないかもしくは1個以上(可能な最大数まで)の置換基で
置換された部分を包含していると理解されるべきであ
る。例えば、「アルキル」又は「アルキル基」は、置換
又は未置換のアルキルを意味し、一方「ベンゼン基」
は、置換又は未置換のベンゼン(最大6個の置換基)を意
味する。概して特に記さない限りは、ここでの分子上で
利用可能な置換基は、置換又は未置換の、写真用途に必
要な特性を破壊しないようなあらゆる基を含んでいる。
前述のいずれかの基における置換基の例は、例えば以下
のような、公知の置換基を含むことができる:ハロゲ
ン、例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素;ヒドロキシ;
アルコキシ、特に「低級アルキル」と称されるもの(す
なわち、炭素原子1〜6個を伴い、例えば、メトキシ、エ
トキシ);置換又は未置換のアルキル、特に低級アルキ
ル(例えば、メチル、トリフルオロメチル);チオアルキ
ル(例えば、メチルチオ又はエチルチオ)、特に炭素原子
が1〜6個のもののいずれか;置換又は未置換のアルケニ
ル、好ましくは炭素原子2〜10個のもの(例えば、エテニ
ル、プロペニル、又はブテニル);置換及び未置換のア
リール、特に炭素原子が6〜20個のもの(例えば、フェニ
ル);並びに、置換又は未置換のヘテロアリール、特に1
〜3個のN、O又はSから選択されるヘテロ原子を含む5又
は6-員環を有するもの(例えば、ピリジル、チエニル、
フリル、ピロリル);
【0017】以下に説明されたもののいずれかのような
酸基又は酸性塩基;ヒドロキシル、アミノ、アルキルア
ミノ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシレー
ト、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
ル、スルホンアミド、スルファモイル、スルホ、スルホ
ネート、アルキルアンモニウム、及び水中のpKa値が4よ
り下であるイオン化可能な基;並びに、その他の当該技
術分野において公知のもの。アルキル置換基は特に、
「低級アルキル」(すなわち、炭素原子を1〜6個有する
もの)、例えば、メチル、エチルなどであってよい。更
に、アルキル基又はアルキレン基に関しては、これらは
分枝されてもされなくともよく、及び環構造を含むこと
が理解されるであろう。
【0018】好ましい本発明の実施態様において、フィ
ルター色素は、下記式で表される:
【0019】
【化1】
【0020】(式中、R1及びR2は下記のいずれかであ
り: (a)好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、
例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであり、
置換されたアルキルラジカル、例えばベンジルのような
アラルキル;ヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチルの
ようなヒドロキシアルキルなどを含むもの;
【0021】(b)例えば下記式のアシル基:
【0022】
【化2】
【0023】例えば下記式のチオアシル基を含むもの:
【0024】
【化3】
【0025】(式中、R5は、好ましくは1〜8個の炭素原
子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなど、例えばフェニル、ナフチル、トリルな
どのアリール基、1〜8個の炭素原子を含むアルコキシ
基、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、イソブトキ
シなど、例えばアリールアミノ、アルキルアミノなどの
アミノ基、少なくとも1個が酸素、イオウ又は窒素であ
るような5〜6員を含むヘテロ環式核、例えばピリジン
核、キノリン核など;
【0026】(c)置換されたアリールラジカルを含むア
リールラジカル、例えばフェニル、ナフチル、トリル、
ヒドロキシフェニル、例えばクロロフェニル、2,4,6-ト
リクロロフェニルなどのようなハロフェニル、ニトロフ
ェニル、カルボキシフェニル、例えばメトキシフェニ
ル、エトキシフェニルなどのようなアルコキシフェニ
ル;
【0027】(d)核中に5〜6員を含み、少なくとも1員が
窒素、イオウ、セレン又は酸素原子である、ヘテロ環式
核であり、ピリジン核、キノリン核、ベンゾチアゾール
核などの置換されたヘテロ環式核を含むもの;
【0028】(e) 4H-1,2,4-トリアゾリル、アルキル置
換された4H-1,2,4-トリアゾリル、アリール置換された4
H-1,2,4-トリアゾリル、モルホリノ基、イミダゾール
基、ピペリジノ基、ピロール基、ピロリジノ基などの置
換されたヘテロ環式核を含む5〜6員のヘテロ環式核を完
成するために一緒に連結されるもの;
【0029】Q1は、ヘテロ環式環(縮合ヘテロ環式環構
造を含む)の中に5〜10個の原子を含む(飽和、不飽和、
又は芳香族)ヘテロ環式核を完成するのに必要な非金属
原子を表しており、この核、すなわちシアニン色素の製
造において使用されるこの種の核は、酸素、イオウ、セ
レン又は窒素のような少なくとも1個の追加のヘテロ原
子を含むことができ、並びにこのヘテロ環式核は、最大
5個の個別に選択される置換基で、好ましくは0〜3個の
置換基で、置換されるか又は未置換であることができ、
これは例えば下記の代表的な置換又は未置換の核であ
る:置換され得るようなチアゾール核、例えば、チアゾ
ール、4-メチルチアゾール、3-エチルチアゾール、4-フ
ェニルチアゾール、5-メチルチアゾール、5-フェニルチ
アゾール、4,5-ジメチルチアゾール、4,5-ジフェニルチ
アゾール、4-(2-チエニル)-チアゾール、ベンゾチアゾ
ール、4-クロロベンゾチアゾール、5-クロロベンゾチア
ゾール、6-クロロベンゾチアゾール、7-クロロベンゾチ
アゾール、4-メチルベンゾチアゾール、5-メチルベンゾ
チアゾール、6-メチルベンゾチアゾール、6-ニトロベン
ゾチアゾール、5-ブロモベンゾチアゾール、6-ブロモベ
ンゾチアゾール、5-クロロ-6-ニトロベンゾチアゾー
ル、4-フェニルベンゾチアゾール、4-メトキシベンゾチ
アゾール、5-メトキシベンゾチアゾール、6-メトキシベ
ンゾチアゾール、5-インドベンゾチアゾール、6-インド
ベンゾチアゾール、4-エトキシベンゾチアゾール、5-エ
トキシベンゾチアゾール、
【0030】置換され得るようなテトラヒドロベンゾチ
アゾール核、例えば、5,6-ジメトキシベンゾチアゾー
ル、5,6-メチレンジオキシベンゾチアゾール、5-ヒドロ
キシベンゾチアゾール、6-ヒドロキシベンゾチアゾー
ル;核が置換され得るようなナフトチアゾール核、α-
ナフトチアゾール、β-ナフトチアゾール、β,β-ナフ
トチアゾール、例えば、5-メトキシ-β,β-ナフトチア
ゾール、5-エトキシ-β-ナフトチアゾール、8-メトキシ
-α-ナフトチアゾール、7-メトキシ-α-ナフトチアゾー
ル、4’-メトキシチアナフテノ-7’,6’,4,5-チアゾー
ル、ニトロ基置換されたナフトチアゾールなど;置換さ
れ得るようなオキサゾール又はベンゾオキサゾール又は
ナフトオキサゾール核、例えば、4-メチルオキサゾー
ル、4-ニトロ-オキサゾール、5-メチルオキサゾール、4
-フェニルオキサゾール、4,5-ジフェニルオキサゾー
ル、4-エチルオキサゾール、4,5-ジメチルオキサゾー
ル、5-フェニルオキサゾール、ベンゾオキサゾール、5-
クロロベンゾオキサゾール、5-メチルベンゾオキサゾー
ル、5-フェニルベンゾオキサゾール、5-又は6-ニトロベ
ンゾオキサゾール、5-クロロ-6-ニトロベンゾオキサゾ
ール、6-メチルベンゾオキサゾール、5,6-ジメチルベン
ゾオキサゾール、4,6-ジメチルベンゾオキサゾール、5-
メトキシベンゾオキサゾール、5-エトキシベンゾオキサ
ゾール、5-クロロベンゾオキサゾール、6-メトキシベン
ゾオキサゾール、5-ヒドロキシベンゾオキサゾール、6-
ヒドロキシベンゾオキサゾール、α-ナフトオキサゾー
ル、β-ナフトオキサゾール、ニトロ基置換されたナフ
トオキサゾールなど;
【0031】置換され得るようなセレナゾール又はベン
ゾセレナゾール又はナフトセレナゾール核、例えば、4-
メチルセレナゾール、4-ニトロセレナゾール、4-フェニ
ルセレナゾール、ベンゾセレナゾール、5-クロロベンゾ
セレナゾール、5-メトキシベンゾセレナゾール、5-ヒド
ロキシベンゾセレナゾール、5-又は6-ニトロベンゾセレ
ナゾール、5-クロロ-6-ニトロベンゾセレナゾール、テ
トラヒドロベンゾセレナゾール、α-ナフトセレナゾー
ル、β-ナフトセレナゾール、ニトロ基置換されたナフ
トセレナゾールなど;置換され得るようなオキサゾリン
核、例えば、4,4-ジメチルオキサゾリンなど;置換され
得るようなチアゾリン核、例えば、4-メチルチアゾリン
など;置換され得るようなピリジン核、例えば、2-ピリ
ジン、5-メチル-2-ピリジン、4-ピリジン、3-メチル-4-
ピリジン、ニトロ基置換されたピリジンなど;置換され
得るようなキノリン核、例えば、2-キノリン、3-メチル
-2-キノリン、6-メチル-2-キノリン、6-クロロ-2-キノ
リン、6-ニトロ-2-キノリン、8-クロロ-2-キノリン、6-
メトキシ-2-キノリン、8-エトキシ-2-キノリン、8-ヒド
ロキシ-2-キノリン、4-キノリン、6-メトキシ-4-キノリ
ン、6-ニトロ-4-キノリン、7-メチル-4-キノリン、8-ク
ロロ-4-キノリン、1-イソキノリン、6-ニトロ-1-イソキ
ノリン、3,4-ジヒドロ-1-イソキノリン、3-イソキノリ
ンなど;
【0032】典型的にはニトロ又はシアノ置換基を有す
るような3,3-ジアルキルインドレニン核、例えば、3,3-
ジメチル-5又は6-ニトロインドレニン、3,3-ジメチル-5
又は6-シアノインドレニンなど;並びに、置換され得る
ようなイミダゾール又はベンズイミダゾール又はナフト
イミダゾール核、例えば、1-アルキルイミダゾール、1-
アルキル-4-フェニルイミダゾール、1-アルキル-4,5-ジ
メチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、1-アルキル
ベンズイミダゾール、1-アルキル-5-ニトロベンズイミ
ダゾール、1 -アリール-5,6-ジクロロベンズイミダゾー
ル、1-アルキル-α-ナフトイミダゾール、1-アリール-
β-ナフトイミダゾール、1-アルキル-5-メトキシ-α-ナ
フトイミダゾール;又は、置換され得るイミダゾ[4,5-
b]キノキサリン核、例えば、1-エチルイミダゾ[4,5-b]
キノキサリン、6-クロロ-1-エチルイミダゾ[4,5-b]キノ
キサリンなどの1-アルキルイミダゾ[4,5-b]キノキサリ
ン、1-アリルイミダゾ[4,5-b]キノキサリン、6-クロロ-
1-アリルイミダゾ[4,5-b]キノキサリンなどの1-アルケ
ニルイミダゾ[4,5-b]キノキサリン、1-フェニルイミダ
ゾ[4,5-b]キノキサリン、6-クロロ-1-フェニルイミダゾ
[4,5-b]キノキサリンなどの1-アリールイミダゾ[4,5-b]
キノキサリンなど;
【0033】3,3-ジアルキル-3H-ピロロ[2,3-b]ピリジ
ン、例えば、3,3-ジメチル-3H-ピロロ[2,3-b]ピリジ
ン、3,3-ジエチル-3H-ピロロ[2,3-b]ピリジンなど;置
換又は未置換のチアゾロ[4,5-b]キノリン核;置換され
たインドリル核を含むインドリル核、例えば、2-フェニ
ル-3-インドール、1-メチル-2フェニル-3-インドール;
など。好ましい置換基は、アルキル、アリール、アルコ
キシ及びヘテロ環式基であり、全て好ましくは1〜12個
の炭素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、及びニトロを有
し;
【0034】Wは、連結基、好ましくは置換又は未置換
のアルキレン(好ましくは、1〜4個の炭素原子を含む低
級アルキレン)、例えば、メチレン、エチレン、プロピ
レン、イソプロピレン、ブチレン、ヘキシレン、シクロ
ヘキシレンなど、ヒドロキシアルキレン基のような置換
されたアルキレン基、例えば、β-ヒドロキシエチレ
ン、ω-ヒドロキシブチレンなど、アルコキシアルキレ
ン基、例えば、β-メトキシエチレン、ω-ブトキシブチ
レンなど、アシルオキシアルキレン基、例えば、β-ア
セトキシエチレン、γ-アセトキシプロピレン、ω-ブチ
リルオキシブチレンなど、アルコキシカルボニルアルキ
レン基、例えば、β-メトキシカルボニルエチレン、ω-
エトキシカルボニルブチレンなど、又はアラルキレン
基、例えば、ベンジレン、フェネチレンなど;アルケニ
レン基、例えば、アリレン、1-プロペニレン、2-ブテニ
レンなど、又はアリーレン基、例えば、フェニレン、ト
リエン、ナフチレン、メトキシフェニレン、クロロフェ
ニレンなどであり;
【0035】Xは、硫酸基、リン酸基、スルホン酸基、
ホスホン酸基及びカルボキシル基を含む、アニオン基を
表す。好ましいXは、スルホン酸基-SO3 -であり;nは、1
又は2であり;pは、N原子と最初のメチン結合の間のヘ
テロ環式環内の二重結合の数を表し、並びに0又は1であ
り、好ましくは0であり;Lは、下記式を有するメチン結
合を表し:
【0036】
【化4】
【0037】(式中、Tは、水素、ハロゲン、カルボキシ
アミド、1〜4個の炭素原子の低級アルキル又はフェニル
のようなアリール、例えば、-CH、-C(CH3)、-C(C6H5)な
どである);R7及びR8は各々、(1)水素原子、(2)アルキ
ル基(好ましくは、1〜4個の炭素原子を含む低級アルキ
ル)で、アラルキル、ヒドロキシアルキルのような置換
されたアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、ドデシル、ベン
ジル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチルなどを含
むもの、又は(3)アリール基で、アルクアリール、ハロ
アリール、アルコキシアリール、アミノアリールなどの
置換されたアリール基で、例えばフェニル、トリル、ナ
フチル、メトキシフェニル、クロロフェニル、ジエチル
アミノフェニルなどを含むものである)。
【0038】好ましい本発明の光吸収写真層は、下記構
造式のひとつを有する1-アミノピリジニウム色素を含
む:
【0039】
【化5】
【0040】(式中、Q1、R1、R2、R7及びR8は、定義さ
れたものと同じであり、そしてYは、スルホアルキル
基、カルボキシアルキル基、又はホスホアルキル基であ
り、ここでYは、好ましくは1〜4個の炭素原子を有す
る)。
【0041】より好ましくは、本発明の光吸収フォトサ
ーモグラフィ層は、下記構造式を有する1-アミノピリジ
ニウム色素を含む:
【0042】
【化6】
【0043】(式中、R1、R2、R7、R8及びYは先に定義さ
れたものと同じであり、そしてR9は、水素、置換又は未
置換のアルキル、置換又は未置換のアルコキシ、置換又
は未置換のアリール又はアルキルアリール、ニトロ、ヒ
ドロキシ、又はハロゲンであり、ここで炭素含有基は、
好ましくは1〜8個の炭素原子を含む)。
【0044】より好ましくは、双性イオン性1-アミノピ
リジニウム色素は、構造式IVで表される:
【0045】
【化7】
【0046】(式中、R1、R2、R7、R8、R9及びYは先に定
義されたものと同じであり、そしてR10及びR11は、独立
して、前述のR9基から選択される)。
【0047】代表的本発明の1-アミノピリジニウム化合
物は、下記式のものである:
【0048】
【化8】
【0049】別の本発明の態様は、メルトフォーマー(m
elt-former)と反応的に組み合わさるN-アミノピリジニ
ウムカルボシアニン色素の使用である。ある実施態様に
おいて、漂白可能なAHU組成物は、前記色素をサリチル
アニリドと組合せて含む。
【0050】望ましいならば、1-アミノピリジニウム化
合物の組合せを使用することができる。1-アミノピリジ
ニウム色素又はそのような化合物の組合せの選択は、現
像処理条件、1個又は複数の色素を含有する層の望まし
い漂白程度、これらの成分の溶解度特性、吸収スペクト
ルなどの要因によって決まるであろう。
【0051】ハレーション防止層を目的として、熱漂白
可能な層は、前記像形成組成物の感度があるようなスペ
クトル領域に実質的に均一な吸収を有することが望まし
い。ハレーション防止色素又は色素形成剤は、層吸収の
少なくとも約40%、及び好ましくは少なくとも50%、よ
り好ましくは少なくとも60%、更により好ましくは少な
くとも80%、及び最も好ましくは少なくとも90%を、ス
テータスM濃度を用いる標準試験法に従い着色から無色
まで変化する範囲まで変化するのがよい。従って、漂白
後のハレーション防止層又はフィルター層は、走査時、
又は前記フォトサーモグラフィ要素を用いる全体の写真
製造時に製品のDminに悪影響を及ぼすような光学濃度
が、最小又は実質的にゼロである。
【0052】1種よりも多いフィルター色素を、同じAHU
又はフィルター層において使用することができる。異な
るフィルター色素の組合せを、色素の目的に応じて、同
じ層において又は異なる層において使用することができ
る。好ましくは、本発明のハレーション防止層において
有用なフィルター色素は、主に約400〜約850nmを吸収す
る。好ましくは、約500〜約850nmで主に(及び比較的均
一に)吸収する色素が使用される。フィルター層の場
合、本発明のイエローフィルター層において有用なイエ
ローフィルター色素は、主に約400〜約500nmを吸収し、
及び500〜850nmの範囲の光の大半を透過するであろう。
好ましくは、イエローフィルター色素は、主に約420〜
約480nmを吸収し、及び490〜850nmのほとんどの光を透
過するであろう。同様に、マゼンタフィルター色素は、
主として500〜600nm、及び好ましくは520〜580nmの光を
吸収するが、500nmより短い及び600nmよりも長い光のほ
とんどは透過する。
【0053】本発明のフィルター色素を含有するフォト
サーモグラフィ要素は、乾式現像法を含む、適当な強度
の熱に曝された際に、層が不可逆的に漂白されるもので
ある。
【0054】本発明のフィルター色素は、良好なインキ
ュベーション安定性を有し、それらの長期保存が必要な
要素への混入を可能にする。本発明の新規フォトサーモ
グラフィ要素に含まれた色素は、露光された際に不可逆
的に漂白される。層の漂白を引き起すのに必要な熱量
は、層に混入された特定の色素に若干依存しており;よ
り高い温度ほど、漂白を生じるのにより短い時間を要す
る一方で、温度が低くなるほど、より長い温度を必要と
する。一般に、低くとも100℃の温度で少なくとも5秒間
が、何らかの注目に値する漂白には必要である。カラー
フォトサーモグラフィに関して、温度130℃以上及び10
秒を超える時間が一般に好ましい。
【0055】本発明の新規層に混入された色素は、それ
らの良好なスペクトル吸収特性を特徴としている。様々
な個別の色素の最大吸収は、スペクトルの可視領域全体
を範囲とする。同じくこれらの色素は、これらが写真要
素において使用される親水層に容易に混入されるという
事実を特徴としている。これらの色素は、クロロホルム
のようなハロゲン化された脂肪族炭化水素、アセトンの
ようなケトン、メタノール、エタノールなどの脂肪族ア
ルコール、ジメチルホルムアミドのようなアミド、ピリ
ジンなどの窒素含有ヘテロ環式溶剤を含む、一般的有機
溶剤のほとんどに可溶性である。これらの色素はまた、
望ましいならば塩基性媒染剤により媒染することもでき
る。
【0056】本願明細書に記された色素は、1種以上の
感受性のあるハロゲン化銀層を使用するフォトサーモグ
ラフィ感光性材料における使用に価値がある。これらの
色素は、他の種類の色素を伴う又は伴わずに、ハレーシ
ョン防止層に加えフィルター層を含む光吸収層を形成す
るために使用することができ、並びにこのような層の形
成に使用されるコロイド状結合剤に容易に混入すること
ができる。これらは、ゼラチン中において優れた非遊走
(non-wandering)特性を有する有機ポリマー物質により
媒染され得るので、ハロゲン化銀層に隣接するゼラチン
層において特に有用である。同じく色素は、それらを含
有する層を除去することなく容易に漂白することができ
る。更に媒染された色素は、最も感受性のあるハロゲン
化銀乳剤のpHにおいて、非常に良好な安定性を有し、か
つハロゲン化銀それ自身に対する望ましくない作用はほ
とんど又は全く有さないので、これらは、感光性ハロゲ
ン化銀乳剤と接触された塗布された層中において媒染す
ることができる。結果的に、これらの色素は、感受性の
あるハロゲン化銀乳剤層の表面、又は2種の感受性のあ
るハロゲン化銀乳剤層の間もしくは支持体と感受性のあ
るハロゲン化銀乳剤層の間もしくは支持体と感受性のあ
るハロゲン化銀乳剤層の間、又はハレーション防止層と
しての支持体の裏側に、直接塗布された層中の光吸収色
素として使用することができる。
【0057】本発明に従い調製された写真要素は、様々
な種類のフォトサーモグラフィーシステムにおいて使用
することができる。これらはX線及びその他の非光学的
に増感されたシステムにおいて有用であることに加え、
更に整色性、全整色性及び赤外の感受性システムにおい
て使用することもできる。増感添加剤は、使用される増
感色素が添加される前又は後に、写真システムに添加す
ることができる。
【0058】本発明の色素は、カラーフォトサーモグラ
フィ用に意図された乳剤において、例えば、発色カプラ
ーを含有する乳剤もしくはカプラー又は他の発色物質を
含有する溶液により現像される乳剤、1955年1月4日に発
行されたGodowskyの米国特許第2,698,794号に開示され
たような混合パケット型乳剤中において;銀色素漂白シ
ステムにおいて;及び、1952年4月8日に発行されたCarr
oll及びHansonの米国特許第2,592,243号に開示された混
合粒子型乳剤において使用することができる。
【0059】本発明の色素を含む写真層は、未現像のハ
ロゲン化銀を溶解しそして当初のハロゲン化銀乳剤層に
密に隣接した受容層上に析出させることにより、ポジを
形成するために、ネガの非画像領域中の未現像のハロゲ
ン化銀を利用する拡散転写法において使用することがで
きる。このような方法は、Rottの米国特許第2,352,014
号、Landの米国特許第2,543,181号、及びYackelらの米
国特許第3,020,155号に開示されている。本発明の色素
を含む写真層は更に、感光層から第二層への現像主薬、
カプラー又は色素の像様の分布の拡散転写を利用する一
方で、これら二層が互いに密に隣接しているようなカラ
ー転写法においても使用することもできる。この種のカ
ラー転写法は、Yutzyの米国特許第2,856,142号;Landら
の米国特許第2,983,606号;Whitmoreらの英国特許第90
4,364号及び第840,731号;及び、Whitmoreらの米国特許
第3,227,552号に開示されている。
【0060】一般に、光吸収層に混入された色素につい
ての中間体は、適当なヒドラジンがピリリウム塩と反応
することにより得られる。本発明の層およびそれらの調
製法において使用される代表的な色素及び中間体は、本
発明を制限することを意図しない下記例において例証さ
れる。
【0061】フィルター色素の選択に応じて、これは固
体粒子の形でハレーション防止又はフィルター層内にあ
るか、分散された有機相中に溶解するか、ハレーション
防止又はフィルター層の水性マトリックス中に乳化又は
溶解することができる。水性マトリックス中の水溶性色
素の溶解は最も容易であるが、一般に色素はそれが塗布
された層中に残存することが好ましいので、全体的には
好まれてはいない。
【0062】本発明の説明されたハレーション防止又は
フィルター成分を含有する成分の被覆量及び割合は、具
体的用途、ハレーション防止又はフィルター成分の要素
中の位置、吸収の望ましい程度、現像処理温度などのよ
うな要因に応じて広い範囲にわたり変動することができ
る。例えば、一部のフォトサーモグラフィ要素におい
て、色素の濃度は、少なくとも約0.05のピーク光学濃度
を提供するのに十分なものである。ハレーション防止目
的のための色素濃度は、可視スペクトルを通して、約0.
3〜約2.0のような、少なくとも約0.2の光学濃度を提供
するのに十分であることが望ましい。1-アミノピリジニ
ウムフィルター色素の粒子は、限定されたコアレッセン
ス法、又は他の当該技術分野において公知の手法による
粒子の調製による、摩砕のような、通常の分散技術から
製造することができる。使用することができる摩砕法
は、例えば、英国特許第1,570,632号、及び米国特許第
3,676,147号、第4,006,025号、第4,474,872号及び第4,9
48,718号に開示されたものを含み、これらはその開示の
全体を本願明細書に参照として組入れる。使用すること
ができる限定されたコアレッセンス法は、例えば、米国
特許第4,994,3132号、第5,055,371号、第2,932,629号、
第2,394,530号、第4,833,060号、第4,834,084号、第4,9
65,131号及び第5,354,799号に開示された手法を含み、
これらはその開示の全体を本願明細書に参照として組入
れる。粒子の適当な平均サイズは、10〜5000nmであり、
好ましくは20〜1000nmであり、最も好ましくは30〜500n
mである。
【0063】好ましい実施態様において、1-アミノピリ
ジニウムフィルター色素は、固体粒子分散物の形で結合
剤中に分散されている。このような分散物は、固体色素
の所望の粒子サイズ範囲に到達するまでの摩砕、又は固
体粒子分散物の形状での直接的色素の(溶剤溶液からの)
沈殿のいずれかにより形成することができる。固体粒子
摩砕分散法の場合、1-アミノピリジニウム化合物及び
水、並びに任意にいずれか所望の水溶性界面活性剤及び
ポリマーの組合せを含有する粗い水性予混物を形成する
ことができ、並びにこの予混物に摩砕操作前に添加する
ことができる。その後得られる混合物をミルに装填す
る。このミルは、例えばボールミル、媒体ミル(media m
ill)、ジェットミル、磨砕ミル、振動ミルなどであるこ
とができる。このミルは、例えばシリカ、窒化ケイ素、
砂、酸化ジルコニウム、イットリアで安定化した酸化ジ
ルコニウム、アルミナ、チタン、ガラス、ポリスチレン
などビーズのような適当な摩砕媒体を充填することがで
きる。ビーズサイズは、典型的には直径0.25〜3.0mmの
範囲であるが、望ましいならばより小さい媒体を使用し
てもよい。スラリー中の固体1-アミノピリジニウムは、
摩砕媒体と共に反復衝突にさらされ、結晶破砕され、そ
の結果粒子サイズを小さくすることができる。
【0064】この水性分散物は、更にpH沈殿した分散物
の形成において使用するために先に説明された適当な界
面活性剤及びポリマーを含むことができる。溶剤沈殿の
場合、色素溶液は、ある程度水混和可能な有機溶剤中に
形成される。溶剤沈殿した分散物を形成するための使用
について先に説明したように、色素溶液を、適当な界面
活性剤及びポリマーを含有する水溶液に添加し、沈殿を
生じさせる。
【0065】界面活性剤及びその他の追加の通常の添加
剤も同じく、先行技術の固体粒子分散法に従い本願明細
書において説明された分散法において使用することがで
きる。このような界面活性剤、ポリマー及びその他の添
加剤は、米国特許第5,468,598号、第5,300,394号、第5,
278,037号、第4,006,025号、第4,924,916号、第4,294,9
17号、第4,940,654号、第4,950,586号、第4,927,744
号、第5,279,931号、第5,158,863号、第5,135,844号、
第5,091,296号、第5,089,380号、第5,103,640号、第4,9
90,431号、第4,970,139号、第5,256,527号、第5,015,56
4号、第5,008,179号、第4,957,857号、及び第2,870,012
号、英国特許明細書第1,570,362号及び第1,131,179号に
開示されており、フィルター色素の分散法においてこれ
らの内容は本願明細書に参照として組入れられる。
【0066】追加の界面活性剤又はその他の水溶性ポリ
マーは、1-アミノピリジニウム分散物の形成後、その後
の写真要素支持体上へのコーティングのための水性コー
ティング媒体への小さい粒子分散物の添加の前又は後に
添加することができる。この水性媒体は、好ましくは安
定剤及び分散剤、例えば、追加のアニオン性、非イオン
性、双性又はカチオン性界面活性剤、及び例えば写真要
素技術分野において周知であるようなゼラチンのような
水溶性結合剤などの、その他の化合物を含む。この水性
コーティング媒体は更に、写真において有用な他の分散
物又は化合物の乳剤を含むことができる。固体1-アミノ
ピリジニウム粒子を形成する別の技術は、溶媒沈殿に関
する。例えば、1-アミノピリジニウム色素の溶液は、あ
る程度水混和性の有機溶剤中に形成することができ、そ
の後1-アミノピリジニウム色素溶液を、適当な界面活性
剤及びポリマーを含有する水溶液へ添加し、沈殿を生じ
ることができる。
【0067】水中油滴型乳剤を含む1-アミノピリジニウ
ム色素の液体分散物を形成するための様々な技術は、当
業者に周知である。1-アミノピリジニウム色素の水中油
滴型分散物は、有機溶液中に1-アミノピリジニウム色素
を溶解し、水溶性界面活性剤、ポリマーのような分散助
剤及びゼラチンのようなフィルム形成結合剤を含む水相
を伴う予混物を形成し、並びに所望の粒子サイズが得ら
れるまでミルを通して予混物を通過させることにより調
製される。ミルは、コロイドミル、高圧ホモジナイザ
ー、超音波装置などの高エネルギー装置のいずれかであ
ることができる。通常の水中油滴型分散物の調製は、当
該技術分野において周知であり、更なる詳細は、例えば
Jelly及びVittumの米国特許第2,322,027号に開示されて
いる。あるいは、このフィルター色素は、重合時又は重
合後のいずれかでラテックスポリマーに充填することが
でき、並びにこのラテックスは結合剤中に分散すること
ができる。充填されたラテックスに関する更なる詳細
は、Millikenの米国特許第3,418,127号に開示されてい
る。
【0068】漂白可能なフィルター又はハレーション防
止色素の組合せを用いることができ、もしくは1種以上
の漂白可能な色素を、望ましいならばより広い吸収スペ
クトルを得るために本発明において他の漂白不可能な色
素と組合せて使用することができる。例えば、フィルタ
ー色素が、ハレーション防止特性を提供するか、もしく
は室内光装填をもたらすために使用される場合、写真要
素の感光層(複数)の増感エンベロープに合致するような
吸収エンベロープを提供するようにフィルター色素は選
択されなければならない。使用することができるその他
のフィルター色素は、例えば米国特許第2,538,008号、
第2,538,009号、及び第4,420,555号、並びに英国特許第
695,873号及び第760,739号に開示されたようなフィルタ
ー色素を含む。米国特許第4,950,586号、第4,948,718
号、第4,948,717号、第4,940,654号、第4,923,788号、
第4,900,653号、第4,861,700号、第4,857,446号、第4,8
55,221号、第5,213,956号及び第5,213,957号、並びに欧
州特許第430,186号に開示されたように、固体粒子分散
物としてフィルター色素を使用することが好ましい。前
記特許の内容は全て本願明細書に参照として組入れる。
【0069】水性像形成システムについて、水性分散物
又はコーティング組成物において使用される結合剤は、
透明又は半透明であるのがよく、並びに着色から無色へ
色素を変化させる反応に悪影響を及ぼさずかつ使用され
る現像処理温度に耐え得るような物質を含む。これらの
ポリマーは、例えば、ゼラチン、ゼラチン誘導体、セル
ロース、セルロース誘導体、デキストランのような多糖
類など;及び、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、アクリルアミドポリマーなどの水溶性ポリビニ
ル化合物のような合成ポリマー物質を含む。その他の有
用であることができる合成ポリマー化合物は、ラテック
ス型のスチレンブタジエンゴムのような分散されたビニ
ル化合物を含む。有用なポリマーは、前記要素の像形成
物質と共存できるような高分子量物質、ポリマー及び樹
脂を包含する。望ましいならば、説明されたコロイド及
びポリマーの組合せも使用することができる。
【0070】説明されたようなハレーション防止層は、
様々なフォトサーモグラフィ要素において有用であるこ
とができる。有用なフォトサーモグラフィ要素は、カラ
ー画像のように、写真ハロゲン化銀から画像を提供する
ようデザインされているものを含む。コンシューマ用フ
ィルムのためにデザインされたフォトサーモグラフィー
カラー要素は、本発明のハレーション防止材料と共に特
に有用である。
【0071】1-アミノピリジニウム色素の説明された組
合せは、加熱時に色素の望ましい漂白を提供するのに適
したフォトサーモグラフィ要素中のいずれの位置にも存
在することができる。本発明が、透明支持体上に塗布さ
れた写真材料(例えば写真フィルム)のハレーション防止
層として利用される場合、本発明の層は、輻射線感受性
層と支持体の同じ側又は反対側に塗布することができ
る。本発明が反射性支持体上に塗布された写真材料(印
画紙など)のハレーション防止層として利用される場合
は、輻射線感受性層と支持体の同じ側に塗布されなけれ
ばならない。本発明が写真材料のフィルター層として利
用される場合、使用される支持体の種類に応じて同じ必
要条件が適用される。
【0072】本発明のひとつの実施態様において、色素
は、ハレーション防止又はフィルター成分中の望ましい
熱漂白を促進するために、メルトフォーマー又は熱溶剤
と組み合わさる。本願明細書において使用される用語
「組み合わさる」とは、説明された材料が互いに関して
望ましい現像処理及び加熱漂白が可能であるような位置
にあり、そしてより有用な現像された画像を提供するこ
とを意味することが意図されている。この用語は更に、
本願明細書において、フィルター色素及びメルトフォー
マーが、互いに関して、説明されたように加熱時に着色
から無色への色素の望ましい変化を可能にするような位
置にあることを意味するように使用される。一般に、こ
れらの2種の成分は同じ層内に存在するのがよく、この
ことはこれらの間には、例え互いに均一に分散されてい
ないとしても、重大な障壁も距離も存在しないことを意
味する。しかし、フィルター色素及びメルトフォーマー
は、均一に内部分散されていることが好ましい。あるい
は、熱現像処理前及びその間にメルトフォーマーの十分
量が、隣接する像形成層から移動してもよい。
【0073】好ましい本発明の実施態様は、説明したよ
うに、(a)支持体、(b)支持体の上にあるフォトサーモグ
ラフィ層、並びに(c)支持体上又は支持体中に式(I)によ
り示された少なくとも1種のハレーション防止色素化合
物を有するフォトサーモグラフィ要素であり、ここで前
記色素は、本願明細書に記した標準試験により測定され
た場合、低くとも約120℃の温度に加熱された際には、
約30秒以内に、少なくとも約50、好ましくは少なくとも
90%が無色となる。
【0074】前述の色素を含むハレーション防止又はフ
ィルター層材料は、適当な透明支持体中に存在すること
ができる。しかし、本発明のハレーション防止層は、そ
の上にハレーション防止又はフィルター層が塗布される
ような支持体又はフォトサーモグラフィ要素の他の層に
適宜接着しているような結合剤を含むことがより好まし
い。接着目的の最適な結合剤の選択は、特定の支持体、
現像処理条件、特定の感光層などの要因によって決まる
であろう。
【0075】可視像は、フォトサーモグラフィ要素の中
程度上昇した温度への均一な加熱により、像様露光後短
時間のうちに、本発明のフォトサーモグラフィ要素にお
いて現像することができる。例えば、このフォトサーモ
グラフィ要素は、像様露光後に、潜像の現像を提供し並
びに更にハレーション防止層又はフィルター層の着色か
ら無色への変化を引き起すのに必要な温度を提供するよ
うな範囲内の温度まで加熱することができる。加熱は、
典型的には、所望の画像が現像されるまで並びにハレー
ション防止層又はフィルター層が所望の程度漂白される
まで実施される。この加熱時間は典型的には、約1秒〜
約20分、例えば約1秒〜約90秒である。
【0076】フィルター層及びAHU層を含むひとつの実
施態様並びにそれらの前記要素内の位置を示す簡単な例
証的フォトサーモグラフィ要素を、以下に示すことがで
きる:
【0077】
【外1】
【0078】先に示したように、本発明は、乾式フォト
サーモグラフィ法(又は「乾式サーマル法」)において特
に有用である。「乾式サーマル法」は、本願明細書にお
いて、乾式法又は見かけの乾式法において、写真要素の
像様露光後、低くとも約80℃、好ましくは低くとも約10
0℃、より好ましくは約120℃〜180℃の温度へフォトサ
ーモグラフィ要素又はフィルムの温度を上昇するために
加熱を用いることにより得られる潜像の現像に関連する
方法を意味する。「乾式法」は、あらゆる水溶液の外部
適用を伴わないことを意味する。「見かけの乾式法」
は、少なくとも数種の水溶液の外部適用には関連する
が、フィルムの水溶液による均一な飽和よりも多い量に
は関わらないような方法を意味する。
【0079】この乾式サーマル法は、典型的には、約0.
5〜約60秒のような、現像された画像が形成されるまで
の、フォトサーモグラフィ要素の加熱に関連している。
熱現像処理温度を上昇又は下降することにより、より短
時間又はより長時間の現像処理が有用である。フォトサ
ーモグラフィ技術分野において公知の加熱手段は、露光
されたフォトサーモグラフィ要素に所望の現像処理温度
を提供するために有用である。この加熱手段は、例え
ば、簡単なホットプレート、アイロン、ローラー、加熱
されたドラム、電磁加熱器、熱風、蒸気などであること
ができる。熱現像処理は、常圧及び常湿を外れる条件も
有用であるが、簡便化のために、周囲圧力及び湿度の条
件下で実施されることが好ましい。
【0080】コンシューマ用カメラに関する一般的用途
のためのカラーフォトサーモグラフィーフィルムの現像
に関する乾式サーマル法は、これらは湿式現像液によら
ずに熱を適用することにより現像されるので、現像処理
を容易かつ簡便にするという著しい利点を提供する。こ
のようなフィルムは、本質的に乾式装置の使用により、
キオスク又は家庭における現像に特に適合させやすい。
従って、乾式フォトサーモグラフィーシステムは、例え
様々な消費者のための家庭における本質的に「即時」の
現像であっても、(消費者による撮像地点から消費者の
手によるプリント地点までの)現像のより大きい簡便
性、接近性、及びスピードの新たな機会をもたらす。
【0081】好ましくは、熱現像時に内部に配置された
ブロックされた現像主薬は、3種の各感光性ユニットと
反応的に組み合わさって、ブロック解除され、現像主薬
を形成し、これによりブロック解除された現像主薬が現
像時に像様に酸化される。この写真組合せ物の成分が、
所望の画像を作成するために、互いに「組み合わさっ
て」いることが必要である。ここでの用語「組み合わさ
る」は、フォトサーモグラフィ要素において、写真用ハ
ロゲン化銀及び画像形成組合せ物が、互いに、所望の現
像処理を可能にしかつ有用な画像を形成するような位置
にあることを意味する。これは、異なる層中に成分が配
置されることを含んでもよい。
【0082】このようなフォトサーモグラフィ要素は、
マイクロフィルム、医用像形成、グラフィックアート、
コンシューマ用製品などの分野において使用される。要
素は、燐光体を必要とする健康診断用又は医用像形成分
野において可視光に直接又は間接に曝され、当初の露光
が例えばX線であることができる場合に特に有用であ
る。本発明の好ましい用途は、コンシューマのカラーフ
ォトサーモグラフィーフィルムにおけるものである。
【0083】典型的フォトサーモグラフィ要素をここで
説明する。フォトサーモグラフィ要素のための支持体
は、反射性又は透明のいずれかであることができ、通常
後者が好ましい。反射性である場合、支持体は白色であ
り、及びカラープリント要素において現在使用されてい
る通常の支持体の形であることができる。支持体が透明
である場合、これは、無色であるか又は着色することが
でき、及びカラーネガ要素において現在使用されている
通常の支持体−例えば無色又は着色した透明フィルム支
持体の形であることができる。支持体構造の詳細は、当
該技術分野において周知である。有用な支持体の例は、
ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリ(エ
チレンナフタレート)フィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、及び関連したフィルム並びに樹脂性材料に加え、
紙、布、ガラス、金属、及びその他の予想される現像処
理条件に耐えるような支持体である。この要素は、フィ
ルター層、中間層、オーバーコート層、下引き層、ハレ
ーション防止層などの追加層を含むことができる。接着
を増強するための下引き層を含む透明及び反射性支持体
構造は、リサーチディスクロージャーI、(Research D
isclosureI)節XVに記されている。
【0084】写真要素は、1992年11月の「リサーチディ
スクロージャー」項34390に記されたような磁気記録材
料、もしくは米国特許第4,279,945号及び米国特許第4,3
02,523号に開示されたような透明支持体の下側の磁気粒
子を含む層のような透明磁気記録層も有用に含み得る。
【0085】カラーネガフィルム構造の例(ひとつの実
施態様)において、青、緑及び赤記録層ユニットBU、GU
及びRUは各々、1種以上の親水性コロイド層で構成さ
れ、かつ少なくとも1種の輻射線感受性ハロゲン化銀乳
剤及び少なくとも1種の色素像形成カプラーを含むカプ
ラーを含有する。緑、及び赤記録ユニットは、増大した
記録のラチチュード及び低下した画像粒状度を提供する
ために、少なくとも2個の記録層サブユニットに分割さ
れることが好ましい。最も単純な企図された構造におい
て、各々の層ユニット又は層サブユニットは、乳剤及び
カプラーを含む単独の親水性コロイド層からなる。層ユ
ニット又は層サブユニット中に存在するカプラーが乳剤
含有層以外の親水性コロイド層に塗布されるならば、こ
のカプラー含有親水性コロイド層は、現像時に酸化され
た発色現像主薬を乳剤から受け取るように配置される。
通常、このカプラー含有層は、乳剤含有層に隣接する親
水性コロイド層である。
【0086】BUは、少なくとも1種のイエロー色素像形
成カプラーを含み、GUは、少なくとも1種のマゼンタ色
素像形成カプラーを含み、及びRUは、少なくとも1種の
シアン色素像形成カプラーを含む。通常の色素像形成カ
プラーのいずれか都合の良い組合せを使用することがで
きる。通常の色素像形成カプラーは、先に言及した「リ
サーチディスクロージャーI」の「X. Dyeimageformers
and modifiers、B. Image-dye-forming couplers」に記
されている。写真要素は更に、「現像抑制剤放出型」化
合物(DIR)のような他の画像改良化合物を含んでも良
い。本発明の要素に有用な追加のDIRは、当該技術分野
において公知であり、例えば米国特許第3,137,578号;
第3,148,022号;第3,148,062号;第3,227,554号;第3,3
84,657号;第3,379,529号;第3,615,506号;第3,617,29
1号;第3,620,746号;第3,701,783号;第3,733,201号;
第4,049,455号;第4,095,984号;第4,126,459号;第4,1
49,886号;第4,150,228号;第4,211,562号;第4,248,96
2号;第4,259,437号;第4,362,878号;第4,409,323号;
第4,477,563号;第4,782,012号;第4,962,018号;第4,5
00,634号;第4,579,816号;第4,607,004号;第4,618,57
1号;第4,678,739号;第4,746,600号;第4,746,601号;
第4,791,049号;第4,857,447号;第4,865,959号;第4,8
80,342号;第4,886,736号;第4,937,179号;第4,946,76
7号;第4,948,716号;第4,952,485号;第4,956,269号;
第4,959,299号;第4,966,835号;第4,985,336号、更に
は英国特許公開第GB 1,560,240号;第GB 2,007,662号;
第GB 2,032,914号;第GB 2,099,167号;独国特許第DE
2,842,063号、第DE 2,937,127号;第DE 3,636,824号;
第DE 3,644,416号、加えて下記欧州特許公開:第272,57
3号;第335,319号;第336,411号;第346,899号;第362,
870号;第365,252号;第365,346号;第373,382号;第37
6,212号;第377,463号;第378,236号;第384,670号;第
396,486号;第401,612号;第401,613号に開示されてい
る。
【0087】DIR化合物は更に、CR. Barr、JR. Thirtle
及びP.W. Vittumの「PhotographicScience and Enginee
ring」第13号174頁(1969)の「Developer-Inhibitor Rel
easing (DIR) Couplers for Color Photography」に記
されており、これは本願明細書に参照として組入れる。
【0088】単独の色素像形成層ユニット内に、1、2又
は3個の個別の乳剤層を塗布することは通常の実践であ
る。2個以上の乳剤層が単独の層ユニット中に塗布され
る場合、これらは典型的には感度が異なるように選択さ
れる。より感度の良い乳剤がより感度の低い乳剤上に塗
布される場合は、これら2種の乳剤が配合された場合よ
りもより速い感度が認められる。より感度が低い乳剤が
より感度の高い乳剤上に塗布されるならば、これら2種
の乳剤が配合された場合よりもより高いコントラストが
認められる。最も感度の良い乳剤が、露光照射源の一番
近くに位置し、最も低感度の乳剤が支持体の最も近くに
位置することが好ましい。
【0089】フォトサーモグラフィ要素の1個以上の層
ユニットは、好ましくは少なくとも2個の、及びより好
ましくは3個以上のサブユニット層へと分割される。色
記録ユニット中の全ての感光性ハロゲン化銀乳剤が、可
視スペクトルの同じ領域に分光感度を有することが好ま
しい。この実施態様において、前記ユニットに混入され
た全てのハロゲン化銀乳剤は、本発明のスペクトル吸収
能を有するが、それらの間にはスペクトル吸収能特性の
小さい差異は存在すると予想される。更により好ましい
実施態様において、露光量は低から高までの光レベルに
関して変動するので、写真記録材料により像様の均一な
スペクトル反応を提供するために、より低感度のハロゲ
ン化銀乳剤の増感は、特にその上に残留している層ユニ
ット中のより高感度ハロゲン化銀乳剤の光遮蔽効果に対
処するように設計される。従って下にある層分光感度の
オン-ピーク遮蔽及び幅広化を考慮して、ピーク光吸収
スペクトル増感する色素の高い割合が、分割された層ユ
ニットの比較的低感度の乳剤において望ましい。
【0090】フォトサーモグラフィ要素は、それらの主
要機能として色の混合を低下する、すなわち、酸化され
た現像主薬が色素形成カプラーとの反応前に、隣接する
記録層ユニットへ移動することを防止するような親水性
コロイド層である中間層を備えることができる。この中
間層は、単に酸化された現像主薬が移動しなければなら
ない拡散路程の増加させることにより、若干の効果があ
る。中間層の酸化された現像主薬を妨害する効果を増強
するために、酸化された現像主薬との反応が可能な還元
剤を混入することは、通常の実践である。ステイン防止
剤(酸化された現像主薬の捕捉剤)は、「リサーチディス
クロージャーI」の「X. Dye image formers and modifi
ers、D. Hue modifiers/stabilization」2節に明らかに
されたものから選択することができる。GU及びRU中の1
種以上のハロゲン化銀乳剤が、高臭化物乳剤であり、そ
の結果青光に対して顕著な本来の感度を有する場合、IL
1中に、ケリーリー(Carey Lea)銀又はイエロー処理液
脱色可能な色素のようなイエローフィルターが混入され
ることが好ましい。適当なイエローフィルター色素は、
「リサーチディスクロージャーI」節VIII「Absorbing a
nd scattering materials、B. Absorbing materials」
に例証されたものの中から選択することができる。本発
明の要素において、マゼンタ着色されたフィルター材料
は、IL2及びRUには存在しない。
【0091】フォトサーモグラフィ要素は、カラーネガ
要素の取扱い及び現像処理時の物理的保護のために提供
される親水性コロイド層である表面オーバーコートSOC
を備えることができる。各SOCは更に、カラーネガ要素
の表面上又は近傍が最も効果的であるような添加剤の混
入に都合の良い位置を提供する。いくつかの例において
表面オーバーコートは、表面層及び中間層に分割され、
後者は表面層中の添加剤と隣接記録層ユニットの間のス
ペーサーとして機能する。別の共通の変形において、添
加剤は、表面層及び中間層の間に分布され、後者は、隣
接記録層ユニットと適合性のある添加剤を含む。最も典
型的には、SOCは、「リサーチディスクロージャーI」節
IX「Coating physical property modifying addenda」
に説明されたような、コーティング助剤、可塑剤及び滑
剤、帯電防止剤及び艶消剤のような添加剤を含む。乳剤
層に積層しているSOC は更に好ましくは、「リサーチデ
ィスクロージャーI」節VI「UV dyes/optical brightene
rs/luminescent dyes」1段に説明されたような、紫外線
吸収剤を含む。
【0092】別の層ユニット配列を使用することがで
き、これは一部の乳剤の選択にとっては特に魅力的であ
る。高塩化物乳剤及び/又は薄い(平均粒子厚<0.2μm)
平板状粒子乳剤の使用は、BU、GU及びRUの位置の全ての
可能な交換を、マイナス青記録の青光汚染のリスクを伴
わずに行うことができ、その理由はこれらの乳剤は可視
スペクトルにおいて無視できる固有感度を示すからであ
る。同じ理由により、中間層に青光吸収剤を混入するこ
とは不要である。
【0093】「リサーチディスクロージャー I」節XIV
「Scan facilitating features」に説明されるように、
多くのカラーネガ要素の改良が、走査を適合させるため
に示唆されている。前述のカラーネガ要素構造と共存可
能な程度のこれらのシステムは、本発明の実践における
使用が企図されている。
【0094】更に本発明の像形成要素が、通常でない増
感スキームと共に使用されることも企図されている。例
えば、スペクトルの赤、緑、及び青領域に増感された像
形成層を使用する代わりに、感光性材料は、情景の輝度
を記録するためにひとつの白感層を、及び情景のクロミ
ナンスを記録するために2種の色感層を備えることがで
きる。米国特許第5,962,205号に開示されたように、現
像後、得られる画像を走査しデジタル再処理し、当初の
情景のフルカラーを再構築することができる。この像形
成要素は更に、色分解露光を随伴するパン増感された乳
剤を含有することもできる。この実施態様において、本
発明の現像主薬は、分解露光と組合せて、当初の情景の
明度の完全な回復を可能にするような、カラー又は中性
の画像を生じるであろう。このような要素において、画
像は、現像済み銀濃度、1種以上の通常のカプラーの組
合せ、又はレゾルシノールカプラーのような「黒色」カ
プラーにより形成される。分解露光は、順次適当なフィ
ルターを通して、又は同時に空間的に独立したフィルタ
ー要素システム(通常「カラーフィルターアレイ」と称
される)を通して行うことができる。
【0095】本発明のフォトサーモグラフィ要素は、好
ましくは「リサーチディスクロージャーI」に明らかに
されたB型である。B型要素は、反応的に組み合わさる、
感光性ハロゲン化銀、還元剤又は現像主薬、任意にアク
チベーター、コーティングビヒクル又は結合剤、並びに
銀イオンを伴う有機化合物の塩又は錯体を含有する。こ
れらのシステムにおいて、この有機錯体は、現像時に還
元され、金属銀を生じる。有機銀塩は、銀供与体と称さ
れるであろう。このような像形成要素を説明する参考文
献は、例えば、米国特許第3,457,075号;第4,459,350
号;第4,264,725号及び第4,741,992号を含む。B型フォ
トサーモグラフィー材料において、ハロゲン化銀からの
潜像銀は、現像処理時に説明された像形成組合せのため
の触媒として作用すると考えられる。これらのシステム
において、写真ハロゲン化銀の好ましい濃度は、フォト
サーモグラフィ材料中の、銀供与体1モル当り写真ハロ
ゲン化銀0.01〜100モルの範囲である。
【0096】このB型フォトサーモグラフィー要素は、
有機銀塩酸化剤を含む、酸化還元像形成組合せを含む。
この有機銀塩は、光に対して比較的安定しているが、露
光された光触媒(すなわち、感光性ハロゲン化銀)及び還
元剤の存在下で80℃以上に加熱した場合には銀像の形成
を補助するような銀塩である。
【0097】適当な有機銀塩は、カルボキシル基を有す
る有機化合物の銀塩を含む。好ましいこれらの例は、脂
肪族カルボン酸銀塩及び芳香族カルボン酸銀塩を含む。
脂肪族カルボン酸銀塩の好ましい例は、ベヘン酸銀、ス
テアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプリン
酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸
銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロ酸銀、リノレイン酸
銀、酪酸銀、及び樟脳酸銀、それらの混合物などを含
む。ハロゲン原子又はヒドロキシル基で置換可能な銀塩
も効果的に使用することができる。好ましい芳香族カル
ボン酸及びその他のカルボキシル基含有化合物の銀塩
は、安息香酸銀、3,5-ジヒドロキシ安息香酸銀、o-メチ
ル安息香酸銀、m-メチル安息香酸銀、p-メチル安息香酸
銀、2,4-ジクロロ安息香酸銀、アセトアミド安息香酸
銀、p-フェニル安息香酸銀などのような置換された安息
香酸銀、没食子酸銀、タンニン酸銀、フタル酸銀、テレ
フタル酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸銀、ピロメリ
ト酸銀、3-カルボキシメチル-4-メチル-4-チアゾリン-2
-チオンの銀塩、又は米国特許第3,785,830号に開示され
たもの、及び米国特許第3,330,663号に開示されたチオ
エーテル基を含む脂肪族カルボン酸の銀塩を含む。有機
銀供与体の好ましい例は、日本国公開特許第30270/69号
及び第18146/70号に開示されたような、ベンゾトリアゾ
ール銀塩及びそれらの誘導体、例えば、ベンゾトリアゾ
ール又はメチルベンゾトリアゾールなどの銀塩、ハロゲ
ン置換されたベンゾトリアゾールの銀塩、例えば5-クロ
ロベンゾトリアゾール銀塩などの銀塩、1,2,4-トリアゾ
ールの銀塩、3-アミノ-5-メルカプトベンジル-1,2,4-ト
リアゾールの銀塩、米国特許第4,220,709号に開示され
ているような1H-テトラゾールの銀塩、イミダゾール及
びイミダゾール誘導体の銀塩などを含む。
【0098】銀半石鹸(silver half soap)の使用が都合
がよいこともわかっており、これは、ベヘン酸銀とベヘ
ン酸の等モル配合物であり、約14.5%銀と分析される市
販のベヘン酸のナトリウム塩の水溶液からの沈殿により
調製され、これは好ましい例を代表している。透明フィ
ルムバッキング上に作成された透明シート材料は、透明
なコーティングを必要とし、並びにこの目的のために、
遊離のベヘン酸を約4又は5%を超えないよう含有し約2
5.2%銀と分析されるようなベヘン酸銀完全石鹸(full s
oap)を使用することができる。銀石鹸分散物を生成する
方法は、「リサーチディスクロージャー」1983年10月(2
3419)及び米国特許第3,985,565号に開示されている。
【0099】銀塩錯体も、硝酸銀のような銀イオン種の
水溶液、及び銀と錯体形成される有機リガンドの溶液の
混合により調製することができる。この混合法は、ハロ
ゲン化銀沈殿法において使用されたものを含むいずれか
都合の良い形をとることができる。安定剤は、銀錯体粒
子の凝集を避けるために使用することができる。安定剤
は、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール又はポリマ
ーもしくはモノマー性界面活性剤などの、写真技術分野
において有用であることが公知の材料のいずれかである
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0100】感光性ハロゲン化銀粒子及び有機銀塩は、
現像時に触媒的に近接するように塗布される。これら
は、連続層中に塗布することができるが、塗布前に混合
されることが好ましい。通常の混合技術は、先に言及し
た「リサーチディスクロージャー」項17029に加え、米
国特許第3,700,458号及び日本国公開特許第32928/75
号、第13224/74号、第17216/75号及び第42729/76号に開
示されている。
【0101】通常の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤の中
からのいずれか都合の良い選択を、前記層ユニット中に
混入することができ、本発明のスペクトル吸収能を提供
するために使用することができる。最も一般的には少量
のヨウ素を含有する高臭化物乳剤が使用される。より高
速の現像処理を認めるために、高塩化物乳剤を使用する
ことができる。輻射線感受性塩化銀、臭化銀、ヨウ臭化
銀、ヨウ塩化銀、塩臭化銀、臭塩化銀、ヨウ塩臭化銀及
びヨウ臭塩化銀の粒子が全て企図されている。これらの
粒子は、規則的又は不規則的(例えば、平板状)のいずれ
かであることができる。通常の輻射線感受性ハロゲン化
銀乳剤の説明は、先に言及された「リサーチディスクロ
ージャーI」の「I. Emulsion grains and their prepar
ation」に示されている。通常の形をとることができる
ような乳剤の化学増感は、節IV「Chemical sensitizati
on」に記されている。この乳剤層は更に典型的には、1
種以上のカブリ防止剤又は安定剤も、いずれか通常の形
で含んでおり、これは節VII「Antifoggants and stabil
izers」に記されている。
【0102】フォトサーモグラフィ要素において使用さ
れるハロゲン化銀粒子は、例えば前述の「リサーチディ
スクロージャーI」及びJamesの「The Theory of the Ph
otographic Process」に記されたように、当該技術分野
において公知の方法に従い調製することができる。これ
らは、アンモニア乳剤製法、中性又は酸性乳剤製法、及
びその他の当該技術分野において公知のもののような方
法を含む。これらの方法は一般に、保護コロイドの存在
下での水溶性銀塩の水溶性ハロゲン化物の塩との混合、
及び沈殿によるハロゲン化銀形成時の温度、pAg、pH値
などの適値での制御に関連している。粒子沈殿の過程に
おいて、1種以上のドーパント(銀及びハロゲン化物以外
の粒子封入体)を粒子特性を改良するために導入するこ
とができる。
【0103】フォトサーモグラフィ要素において、ハロ
ゲン化銀は典型的には、要素の層としての乳剤の塗布の
ためのベヒクルを含む乳剤の形で提供される。有用なベ
ヒクルは、天然の物質、例えばタンパク質、タンパク質
誘導体、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステ
ル、エーテル、並びにアニオン性及びカチオン性に置換
されたセルロースの両方)、ゼラチン(例えば、ウシの骨
又は皮ゼラチンのようなアルカリ処理したゼラチン、又
はブタ皮ゼラチンのような酸処理したゼラチン)、脱イ
オンしたゼラチン、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル
化したゼラチン、フタル酸化したゼラチンなど)、及び
「リサーチディスクロージャー, I」に記載されたその
他のものを含む。同じくベヒクル又はベヒクル増量剤と
して有用なものは、親水性透水性コロイドである。これ
らは、合成ポリマーペプタイザー、キャリア、及び/又
は結合剤、例えばポリビニルアルコール、ポリ(ビニル
ラクタム)、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアセ
タール、アルキル及びスルホアルキルのアクリレート及
びメタクリレートのポリマー、加水分解されたポリ酢酸
ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリル
アミドポリマーを含む。ベヒクルは、乳剤中に写真乳剤
中で有用な量で存在することができる。この乳剤は同じ
く、写真乳剤において有用であることがわかっている添
加剤のいずれかも含むことができる。
【0104】ハロゲン化銀として有用量の感光性銀を本
発明において有用な要素において使用することができる
が、銀総量は10g/m2よりも少ないことが好ましい。7g/m
2よりも少ない銀量が好ましく、5g/m2よりも少ない銀量
が更により好ましい。より少ない銀量は、前記要素の光
学特性を改善し、その結果該要素を用いより鮮鋭な写真
の作成を可能にする。
【0105】本発明のひとつの実施態様においては、銀
現像のみが必要とされるので、発色現像主薬(p-フェニ
レンジアミン又はp-アミノフェノール類)は必須ではな
い。銀像を形成することが可能な他の現像主薬も、それ
らの着色された色素を形成する能力とは関わりなく使用
することができる。このような現像主薬は、p-フェニレ
ンジアミン現像主薬及び置換されたp-アミノフェノール
(3,5-ジクロロアミノフェノール及び3,5-ジブロモアミ
ノフェノールは特に好ましい選択である)に加え、同じ
くp-スルホンアミドフェノール、アスコルビン酸、低原
子価の金属化合物、特にFe(II)、Cu(I)、Co(II)、Mn(I
I)、V(II)又はTi(III)を含むもの、ヒドラジン誘導体、
ヒドロキシルアミン誘導体、フェニドンを含む。混入さ
れる現像主薬については、加熱によりブロック解除され
るブロックされた現像主薬が好ましい。
【0106】場合によっては、現像アクチベーターは、
同じくアルカリ放出剤、塩基放出剤又はアクチベーター
前駆体としても知られているが、これらは本発明の説明
されたフォトサーモグラフィ要素において有用であるこ
とができる。本願明細書において説明されたように、現
像アクチベーターは、像形成材料において潜像を現像す
るために現像処理温度で現像主薬を補助するような物質
又は化合物を意味することが意図されている。有用な現
像アクチベーター又はアクチベーター前駆体は、例え
ば、1968年2月29日に公開されたベルギー特許第709,967
号、及びIndustrial Opportunities社(Homewell, Havan
t, Hampshire, P09 1 EF、英国)から出版された「リサ
ーチディスクロージャー」第155号1977年3月、項15567
に開示されている。有用なアクチベーター前駆体の例
は、トリクロロ酢酸グアニジニウム、グルタル酸、コハ
ク酸、マロン酸のジグアニジニウムなどのようなグアニ
ジニウム化合物;4級マロン酸アンモニウム;6-アミノ
カプロン酸及びグリシンのような、アミノ酸;並びに、
2-カルボキシカルボキサミドアクチベーター前駆体を含
む。
【0107】本発明の写真要素において使用することが
できるブロックされた現像主薬の例は、Reevesの米国特
許第3,342,599号;Kenneth Mason Publications社(Dudl
ey Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO
lO 7DQ、英国)により公開されたリサーチディスクロー
ジャー(129(1975年)、頁27-30);Hamaokaらの米国特許
第4,157,915号;Waxman及びMourningの米国特許第4,06
0,418号;並びに、米国特許第5,019,492号に開示された
ブロックされた現像主薬を含むが、これらに限定される
ものではない。特に有用なものは、1999年12月30日に出
願された米国特許出願第09/476,234号「IMAGING ELEMEN
T CONTAINING A BLOCKED PHOTOGRAPICALLY USEFUL COMP
OUND」;1999年12月30日に出願された米国特許出願第09
/475,691号「IMAGING ELEMENT CONTAINING A BLOCKED P
HOTOGRAPHICALLY USEFUL COMPOUND」;1999年12月30日
に出願された米国特許出願第09/475,703号「IMAGING EL
EMENT CONTAINING A BLOCKED PHOTOGRAPHICALLY USEFUL
COMPOUND」;1999年12月30日に出願された米国特許出
願第09/475,690号「IMAGING ELEMENT CONTAINING A BLO
CKED PHOTOGRAPHICALLY USEFUL COMPOUND」;1999年12
月30日に出願された米国特許出願第09/476,233号「PHOT
OGRAPHIC OR PHOTOTHERMOGRAPHIC ELEMENT CONTAINING
A BLOCKED PHOTOGRAPHICALLY USEFUL COMPOUND」に開
示されたブロックされた現像主薬であるが、これらに限
定されるものではない。
【0108】本発明のある実施態様において、ブロック
された現像主薬は、像形成要素中の1個以上の像形成層
に混入されることが好ましい。使用されたブロックされ
た現像主薬の量は、好ましくはそれが添加された各層の
0.01〜5g/m2、より好ましくは0.1〜2g/m2、最も好まし
くは0.3〜2g/m2である。これらは、該要素の色形成層又
は非色形成層であることができる。ブロックされた現像
主薬は、現像処理時に写真要素と接触されるような別個
の要素中に含まれることができる。
【0109】像形成要素の像様露光後、ブロックされた
現像主薬は、現像液中の酸又は塩基の存在により、像形
成要素の現像処理時の像形成要素の加熱により、及び/
又は現像処理時にラミネートシートのような別個の要素
と接触するような像形成要素の配置により、像形成要素
の現像処理時に活性化することができる。このラミネー
トシートは、任意に「リサーチディスクロージャー」(1
996年9月)、389号、項38957(以後「リサーチディスクロ
ージャーI」と称す)の節XIX及びXXに明らかにされたよ
うな、追加の現像化学物質を含む。本願明細書で言及し
た全ての節は、特に記さない限りは、「リサーチディス
クロージャーI」の節である。このような化学物質は、
例えば、スルフィット、ヒドロキシルアミン、ヒドロキ
サム酸など、例えばアルカリ金属ハロゲン化物、窒素含
有ヘテロ環式化合物などのカブリ防止剤、有機酸などの
金属イオン封鎖剤、並びに緩衝剤、スルホン化されたポ
リスチレン、ステイン防止剤、殺生物剤、脱銀剤、安定
剤などのその他の添加剤を含む。
【0110】還元剤を、このフォトサーモグラフィ要素
中に含んでも良い。有機銀塩用の還元剤は、銀イオンを
金属銀に還元することができるような物質、好ましくは
有機物質であることができる。通常の写真現像主薬、例
えば3-ピラゾリジノン、ヒドロキノン、p-アミノフェノ
ール、p-フェニレンジアミン及びカテコールなどが有用
であるが、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。こ
の還元剤は、好ましくはフォトサーモグラフィ層の5〜2
5%の濃度範囲で存在する。
【0111】広範な還元剤が乾式銀(dry silver)システ
ムにおいて明らかにされており、これは、フェニルアミ
ドキシム、2-チエニルアミドキシム及びp-フェノキシ-
フェニルアミドキシムのようなアミドキシム、アジン
(例えば、4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒ
ドアジン);脂肪族カルボン酸アリールヒドラジド及び
アスコルビン酸の組合せ、例えばアスコルビン酸と組合
せた2,2’-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニル-β-フ
ェニルヒドラジド;ポリヒドロキシベンゼン及びヒドロ
キシルアミン、レダクトン及び/又はヒドラジンの組合
せ、例えば、ヒドロキノン及びビス(エトキシエチル)ヒ
ドロキシルアミン、ピペリジノヘキソースレダクトン又
はフォルミル-4-メチルフェニルヒドラジンの組合せ、
フェニルヒドロキサム酸、p-ヒドロキシフェニル-ヒド
ロキサム酸、及びo-アラニンヒドロキサム酸のようなヒ
ドロキサム酸;アジン及びスルホンアミドフェノールの
組合せ、例えば、フェノチアジン及び2,6-ジクロロ-4-
ベンゼンスルホンアミドフェノール;α-シアノ-フェニ
ル酢酸誘導体、例えばα-シアノ-2-メチルフェニル酢酸
エチル、α-シアノ-フェニル酢酸エチル;2,2’-ジヒド
ロキシル-1-ビナフチル、6,6’-ジブロモ-2,2’-ジヒド
ロキシ-1,1’-ビナフチル、及びビス(2-ヒドロキシ-1-
ナフチル)メタンにより説明されたような、ビス-β-ナ
フトール;ビス-o-ナフトール及び1,3-ジヒドロキシベ
ンゼン誘導体(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノ
ン又は2,4-ジヒドロキシアセトフェノン)の組合せ;3-
メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンなどの5-ピラゾロン;
ジメチルアミノヘキソースレダクトン、アンヒドロジヒ
ドロアミノヘキソースレダクトン、及びアンヒドロジヒ
ドロ-ピペリドン-ヘキソースレダクトンにより説明され
たレダクトン; 2,6-ジクロロ-4-ベンゼン-スルホン-ア
ミド-フェノール、及びp-ベンゼンスルホンアミドフェ
ノールのようなスルホンアミドフェノール還元剤;2-フ
ェニルインダン-1,3-ジオンなど;2,2-ジメチル-7-t-ブ
チル-6-ヒドロキシクロマンのような、クロマン;2,6-
ジメトキシ-3,5-ジカルボエトキシ-1,4-ジヒドロピリジ
ンのような1,4-ジヒドロピリジン;例えば、ビス(2-ヒ
ドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)-メタンなど
の、ビスフェノール;2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチル
フェニル)プロパン;4,4-エチリデン-ビス(2-t-ブチル-
6-メチルフェノール);及び、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4
-ヒドロキシフェニル)プロパン;アスコルビン酸誘導
体、例えば、1-アスコルビル-パルミテート、アスコル
ビルステアレート及び不飽和アルデヒド及びケトン、例
えばベンジル及びジアセチル;ピラゾリジン-3-オン;
及び、ある種のインダン-1,3-ジオンを含む。
【0112】フォトサーモグラフィ要素内の有機還元剤
の最適濃度は、特定のフォトサーモグラフィ要素、望ま
しい画像、現像処理条件、特定の有機銀塩及び特定の酸
化剤のような要因に応じて変動する。
【0113】説明されたように、像形成層及びハレーシ
ョン防止層又はフィルター層のようなフォトサーモグラ
フィ要素中に溶融体形成化合物又はメルトフォーマー
(時には「熱溶剤」とも称される)を含むことは有用であ
る。溶融体形成化合物又はメルトフォーマーの組合せ
も、望ましい場合には有用であり得る。本願明細書にお
いて使用される用語「溶融体形成化合物」又は「メルト
フォーマー」は、説明された現像処理温度への加熱時
に、改善された反応媒体、典型的には溶融媒体を提供す
る化合物を意味することが意図されており、ここで説明
された反応の組合せは、より良い画像を提供することが
できる。説明された現像処理温度での反応媒体の正確な
性質は、完全には理解されていないが;しかし、反応温
度で、反応成分がより良く相互作用することを可能にす
るような溶融体が生じると考えられる。 有用な溶融体
形成化合物は、典型的には、反応組合せ物とは別の成分
であるが、この反応組合せ物は、溶融構成物に入ること
ができる。典型的な有用な溶融体形成化合物は、本発明
の材料の他の成分と相溶性のあるアミド、イミド、環式
尿素及びトリアゾールである。有用な溶融体形成化合物
又はメルトフォーマーは、例えば、Industrial Opportu
nities社(Homewell, Havant, Hampshire, P09 1EF, UK)
から出版されたLaRossa及びBoettcherの「リサーチディ
スクロージャー」150号1976年10月、項15049に説明され
ている。説明されたように、本発明のハレーション防止
層又はフィルター層は、望ましい場合、溶融体形成化合
物を含有することができる。好ましいメルトフォーマー
は、サリチルアニリド及び類似の化合物である。熱溶剤
の例は、例えば、サリチルアニリド、フタルイミド、N-
ヒドロキシフタルイミド、N-カリウム-フタルイミド、
スクシンイミド、N-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミド、
フタラジン、1-(2H)-フタラジノン、2-アセチルフタラ
ジノン、ベンズアニリド、及びベンゼンスルホンアミド
である。先行技術の熱溶剤は、例えば、Windenderの米
国特許第6,013,420号に開示されている。調色剤及び調
色剤の組合せの例は、例えば、「リサーチディスクロー
ジャー」1978年6月、項17029及び米国特許第4,123,282
号に開示されている。
【0114】溶融体形成化合物又は溶融体形成化合物の
組合せ物の濃度範囲は、説明された熱現像可能な写真材
料において有用なものである。溶融体形成化合物の最適
濃度は、特定の像形成材料、望ましい画像、現像処理条
件などのような要因により決まる。
【0115】本発明のフォトサーモグラフィ要素は、現
像処理時に更に中性又は黒色の色調の画像を提供するた
めに、画像トナー又は調色剤を含有することができる。
最適画像トナー又は調色剤は、特定の像形成材料、望ま
しい画像、特定の現像処理条件などの要因により決ま
る。場合によっては、ある種の画像調色剤又はトナー
は、ある種の像形成材料とともに他のものよりも非常に
良い結果を提供する。調色剤及びトナーの組合せが、望
ましい場合には有用である。調色剤及びトナーの組合せ
の最適濃度は、特定の像形成材料、現像処理条件、望ま
しい画像などの要因により決まる。
【0116】後処理画像安定化剤及び潜像維持安定剤
は、フォトサーモグラフィ要素において有用である。あ
らゆるフォトサーモグラフィ技術分野において公知の安
定剤が、説明されたフォトサーモグラフィ要素にとって
有用である。有用な安定剤の具体例は、例えば米国特許
第4,459,350号に開示されたような、光分解活性のある
安定剤及び安定剤前駆体を含む。有用な安定剤の他の例
は、米国特許第3,877,940号に開示されたような、アゾ
ールチオエーテル及びブロックされたアゾリンチオン安
定剤前駆体及びカルバモイル安定剤前駆体を含む。
【0117】説明されたフォトサーモグラフィ要素は、
有用な画像の形成を補助することが公知の添加剤を含有
することができる。このフォトサーモグラフィ要素は、
「リサーチディスクロージャー」1978年12月、項17643
及び「リサーチディスクロージャー」1978年6月、項170
29に記載されたような、感度増強化合物、増感色素、硬
膜剤、帯電防止剤、可塑剤及び滑剤、コーティング助
剤、増白剤、吸収及びフィルター色素として機能する現
像改良剤を含有することができる。
【0118】フォトサーモグラフィ要素の層は、ディッ
プコーティング、エアーナイフコーティング、カーテン
コーティング又はホッパーを用いる押出コーティングを
含む、写真技術分野において公知のコーティング法によ
り支持体上に塗布される。望ましい場合は、2個以上の
層が同時に塗布される。
【0119】説明されたフォトサーモグラフィ要素は、
好ましくは、露光及び現像処理前にフォトサーモグラフ
ィ要素の安定化を補助するための熱安定剤を含有する。
このような熱安定剤は、保存時のフォトサーモグラフィ
要素の改善された安定性を提供する。好ましい熱安定剤
は、2-ブロモ-2-アリールスルホニルアセトアミド、例
えば2-ブロモ-2-p-tolyスルホニルアセトアミド;2-(ト
リブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾール;及び、6
-置換された-2,4-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジ
ン、例えば6-メチル又は6-フェニル-2,4-ビス(トリブロ
モメチル)-s-トリアジンである。
【0120】本発明の写真要素は、好ましくは「リサー
チディスクロージャーI」節XVIに説明されたものを含む
公知の技術のいずれかを用い像様に露光される。これは
典型的には、スペクトル可視領域の光に対する露光に関
し、典型的にはそのような露光は、レンズを通した生画
像であるが、発光装置(発光ダイオード、CRTなど)によ
り、更に保存された画像(コンピュータに保存した画像
など)に曝すこともできる。このフォトサーモグラフィ
要素は更に、電磁スペクトルの紫外及び可視領域に加
え、電子ビーム及びβ線、γ線、x-線、α粒子、中性子
線並びに他のレーザーにより形成された非コヒーレント
(ランダム相)又はコヒーレント(同相)形の粒子波様輻射
エネルギーを含む、様々な形のエネルギーにより露光さ
れる。露光は、写真ハロゲン化銀のスペクトル増感に応
じて、単色性、整色性、又は全整色性である。像様露光
は、フォトサーモグラフィ要素中に現像可能な潜像を作
成するのに十分な時間及び強度であることが好ましい。
【0121】一旦、イエロー、マゼンタ、及びシアン色
素像記録が、本発明の現像処理された写真要素中に形成
されたならば、各色記録の画像情報を引き出し、次のカ
ラーバランスのとれた視認可能な画像の形成のためにそ
の情報を操作する際に、通常の技術を使用することがで
きる。例えば、スペクトルの青、緑、及び赤領域内でう
まく写真要素を走査すること、又は分光され、並びに
青、緑、及び赤フィルターを通過させられた単独の走査
ビーム内に青、緑、及び赤光を混入し各色記録について
個別の走査ビームを形成することは可能である。簡単な
技術は、一連の側方オフセット平行走査経路(laterally
offset parallel scan path)に沿って写真要素を点毎
に走査することである。走査点で該要素を通過する光の
強度は、受け取った輻射線を電子信号に変換するセンサ
ーにより記録される。最も一般的にはこの電子信号を、
画像の有用な電子記録を形成するように更に操作する。
例えば、電子信号は、アナログ-デジタル変換装置を通
し、画像内の画素(点)位置に必要な位置情報と共にデジ
タルコンピュータに送信することができる。別の実施態
様において、この電子信号は、測色情報又は色調情報と
共にエンコードされ、該画像をコンピュータモニターに
表示された画像、テレビ画像、印刷された画像などのよ
うな視認可能な形に再生するのに適した電子記録を形成
する。
【0122】ある実施態様において、フォトサーモグラ
フィ要素は、該要素からハロゲン化銀を除去する前に走
査することができる。残留ハロゲン化銀は、濁ったコー
ティングを生じ、かつこのようなシステムのために改善
された走査画像の画質は、拡散照明光学を用いるスキャ
ナーの使用により得ることができることがわかった。当
該技術分野において公知の拡散照明を形成するいずれの
技術も使用することができる。好ましいシステムは、内
壁が高度の拡散反射を形成するように特に設計された拡
散洞を用いる反射システム、及びスペクトル光ビームの
拡散が光を散乱するために利用するビーム中に配置され
た光学要素の使用により達成される透過システムを含
む。このような要素は、望ましい散乱を生じるような成
分が混入されるか、もしくは望ましい散乱を促進するた
めの表面処理を施すことができるようなガラス又はプラ
スチックのいずれかであることができる。
【0123】走査技術の分野における利点を考慮し、走
査されることは、欧州特許第0762201号に開示されるよ
うに、フォトサーモグラフィカラーフィルムの場合、当
然であり及び実用的となっており、これは、ネガからの
銀又はハロゲン化銀の除去を必要とすることなく実現す
ることができるが、このような走査のための特別な配置
をその質を改善するために行うことができる。例えば、
Simmonsの米国特許第5,391,443号を参照されたい。この
ようなフィルムの走査法も、米国特許出願第60/211,364
号(事件整理番号81246)及び米国特許出願第60/211,061
号(事件整理番号81247)に開示されており、これらはそ
の全体を本願明細書に参照として組入れる。
【0124】例えば、スペクトルの青、緑、及び赤領域
内で写真要素を連続して走査するか、又は分光されかつ
青、緑、及び赤フィルターを通過させられた単独の走査
ビーム内に青、緑、及び赤光を混入し各色記録について
個別の走査ビームを形成することが可能である。別の色
が該要素内に像様に存在するならば、その場合適当な着
色光ビームが使用される。簡単な技術は、一連の側方オ
フセット平行走査経路に沿って写真要素を点毎に走査す
ることである。受け取った輻射線を電子信号に変換する
センサーは、走査点で該要素を通過する光の強度を記録
する。最も一般的にはこの電子信号を、画像の有用な電
子記録を形成するように更に操作する。例えば、電子信
号は、アナログ-デジタル変換装置を通し、画像内の画
素(点)位置に必要な位置情報と共にデジタルコンピュー
タに送信することができる。この方法で収集された画素
数は、望ましい画質により指示されたように変えること
ができる。
【0125】この電子信号は、当該技術分野において公
知であるような、該画像をコンピュータモニターに表示
された画像、テレビ画像、光学的、機械的又はデジタル
的に印刷された画像及びディスプレーなどのような視認
可能な形に再生するのに適した電子記録を形成する。Ri
chard P. Szajewski、Alan Sowinski及びJohn Buhrの米
国特許出願第09/592,816号(事件整理番号81040)、発明
の名称「AN IMAGE PROCESSING AND MANIPULATION SYSTE
M」のように、形成され画像は、更に操作又は視認する
ことができるように保存又は送信することができる。
【0126】画像記録の品質を最大化するための技術を
含む走査シグナル操作の具体的システムは、Bayerの米
国特許第4,553,156号;Urabeらの米国特許第4,591,923
号;Sasakiらの米国特許第4,631,578号;Alkoferの米国
特許第4,654,722号;Yamadaらの米国特許第4,670,793
号;Kleesの米国特許第4,694,342号及び第4,962,542
号;Powellの米国特許第4,805,031号;Mayneらの米国特
許第4,829,370号;Abdulwahabの米国特許第4,839,721
号;Matsunawaらの米国特許第4,841,361号及び第4,937,
662号;Mizukoshiらの米国特許第4,891,713号;Petilli
の米国特許第4,912,569号;Sullivanらの米国特許第4,9
20,501号及び第5,070,413号;Kimotoらの米国特許第4,9
29,979号;Hirosawaらの米国特許第4,972,256号;Kapla
nの米国特許第4,977,521号;Sakaiの米国特許第4,979,0
27号;Ngの米国特許第5,003,494号;Katayamaらの米国
特許第5,008,950号;Kimuraらの米国特許第5,065,255
号;Osamuらの米国特許第5,051,842号;Leeらの米国特
許第5,012,333号;Bowersらの米国特許第5,107,346号;
Telleの米国特許第5,105,266号;MacDonaldらの米国特
許第5,105,469号;及びKwonらの米国特許第5,081,692号
に開示されている。走査時のカラーバランス調整に関す
る技術は、Mooreらの米国特許第5,049,984号及びDavis
の米国特許第5,541,645号に開示されている。
【0127】一旦獲得されたデジタル色記録は、ほとん
どの場合、ビデオモニター上又は通常のカラープリント
として印刷された場合のいずれかにおいて、視認のため
に好ましいカラーバランスのとれた画像を形成するよう
に、及び様々な変換を通じて画像形成シグナルのカラー
忠実性を保つか又は出力提供されるように調整されてい
る。走査後の画像形成シグナル変換に関する好ましい技
術は、Giorgianniらの米国特許第5,267,030号に開示さ
れており、その開示は本願明細書に参照として組入れ
る。当業者のカラーデジタル画像情報を管理する能力の
更なる例証は、Giorgianni及びMaddenの「Digital Colo
r Management」、Addison-Wesley社、1998年に記されて
いる。
【0128】例証を目的として、通常の乾式熱現像工程
に関連したフォトサーモグラフィーフィルム現像処理の
網羅的でない一覧を以下に示す:
【0129】1. 熱現像→走査→安定化(例えば、積層に
より)→走査→リターナブル永久保存用フィルムの入手 2. 熱現像→定着浴→水洗→乾燥→走査→リターナブル
永久保存用フィルムの入手
【0130】3. 熱現像→走査→ブリックス浴→乾燥→
走査→フィルム中の銀の全て又は一部の再使用 4. 熱現像→漂白ラミネート→定着ラミネート→走査→
(フィルム中の銀の全て又は一部の再使用) 5. 熱現像→漂白→洗浄→定着→洗浄→乾燥→比較的遅
い、高品質の走査。
【0131】好ましい本発明のフォトサーモグラフィー
フィルムの実施態様において、(i)フィルムの熱現像、
(ii)走査、及び(iii)現像したフィルムからのポジ像の
形成を含む最初の画像(顧客/コンシューマの視認のた
めのハード又はソフト表示)への現像処理時間は、5分未
満、好ましくは3.5分未満、より好ましくは2分未満、最
も好ましくは約1分未満が適している。ある実施態様に
おいて、このようなフィルムは、簡単な乾燥装置又は見
かけの乾燥装置を使用することで、キオスクでの現像に
順応している。従って、消費者は現像及びプリントのた
めに、フィルムが第三の技術者による操作を伴わずに現
像及びプリントされるような任意の湿式現像ラボから独
立した多くの多様な立地のひとつに配置されたキオスク
に、像様に露光された写真フィルムを持ち込むことが想
定される。
【0132】フォトサーモグラフィカラーフィルム(像
様露光後のハロゲン化銀含有カラー写真要素を単に加熱
及び/又は比較的少量のアルカリ性又は酸性水の外部適
用だけで現像することができるが、同じフィルムは、好
ましくは第三者の操作を必要としない自動化されたキオ
スクにおける現像にも従う)は、顕著な利点を有するで
あろう。このようなキオスクの利用可能性及びアクセス
容易性を仮定すると、このようなフォトサーモグラフィ
ーフィルムは、第三者現像所、多タンク装置の関与を必
要とせずに、いつでも「オンデマンド」で、およそ数分
のうちに、現像される可能性がある。任意にこのような
写真現像処理は、商業的状況において高処理量が可能な
装置を正当化するような高容量現像処理の必要性のな
い、一度に1本のロールでさえもよいような、「必要
時」を基準に行われる可能性がある。
【0133】このようなフィルムのカラー現像及びその
後の走査は、個々の消費者ベースで容易に行われ、任意
に現像されたカラー画像に対応するディスプレー要素の
作成はオプションである。キオスクとは、湿式化学ラボ
において必要とされるような技術者又は他の第三者の介
入を伴わない、自蔵式及び(支払いと引き換えに)ロール
毎をベースにした像様に露光されたフィルムロールの現
像を可能にする、自動化された自立型機械を意味する。
典型的には、顧客は、コンピュータインターフェースに
より、フィルム現像処理及び任意のプリントの実行を開
始しかつ管理するであろう。このようなキオスクは典型
的には、寸法が6m3未満であり、好ましくは寸法が3m3
下であり、その結果様々な立地へ商業的に移動可能であ
る。このようなキオスクは、必要に応じて、カラー現像
のためのヒーター、カラー画像のデジタル記録のための
スキャナー、及びカラー画像の表示要素への転送のため
の装置を備えている。
【0134】
【実施例】下記例は、本発明の実践を例証するために示
されているが、いかなる意味においても限定を意味して
はいない。特に記さない限り、全てのパーセントは質量
%である。例1 色素DC-1からDC-3を、単層コーティングにおいて評価し
た。この色素の種類は、先行技術において開示されてい
る(文献:米国特許第3,627,527号及び第4,594,312号)。
これらの色素を、メタノールに溶解し、コーティング溶
融調製物に添加し、表1-1に記した被覆量を与えた。サ
リチルアニリドは、固体粒子のボールミル分散物であ
る。このコーティング溶融体を、ポリエチレンテレフタ
レート支持体上に塗布した。
【0135】
【表1】
【0136】加熱した140℃の試験台上に20秒間、乾燥
したコーティングを配置することにより、これらのコー
ティングを熱漂白について評価した。加えて、Mylarバ
ッグにコーティングを封止しかつ加熱炉へ50℃で1週間
放置することにより、これらのコーティングをインキュ
ベーション(生フィルム保存、又はRSK)について評価し
た。コーティングのステータスM濃度(使用したフィルタ
ーについては表を参照されたい)を前述の試験の前後に
記録した。結果を表1-2に示す。
【0137】
【表2】
【0138】前記表中のデータは、結論として、これら
のコーティングは該処理温度で効果的に漂白されたにも
かかわらず、これらは有用であるとするには容認できな
い生フィルム保存特性も示していることを示唆してい
る。
【0139】例2 色素DC-4からDC-10及びDI-1を、表2-1に記載した。比較
色素は全て、カチオン性であり、従ってこれらはそれら
に一緒に負の対イオンを有していた。発明例DI-1は、本
来双性イオンであり、ここで負電荷は該色素分子の一部
である。下記表において、矢印は、基本構造のフラグメ
ントのカップリング位置を意味している。
【0140】
【表3】
【0141】
【表4】
【0142】表2-1の色素は全て、単層コーティングに
おいて評価した。これらの色素は、ポリビニルピロリド
ン界面活性剤と共にボールミルにかけ、コーティング溶
融調製物に添加した。
【0143】例3 前記例の全ての色素を、メルトフォーマーを含有する単
層コーティングにおいて評価した。これらの色素は、ボ
ールミルにかけ、コーティング溶融調製物に添加し、表
3-1に示した被覆量を得た。サリチルアニリドは、固体
粒子のボールミル分散物であった。これらのコーティン
グ溶融体を、ポリエチレンテレフタレート支持体上に塗
布した。
【0144】
【表5】
【0145】加熱した160℃の試験台上に10秒間、乾燥
したコーティングを配置することにより、これらのコー
ティングを熱漂白について評価した。加えて、Mylarバ
ッグにコーティングを封止しかつ加熱炉へ50℃で1週間
放置することにより、これらのコーティングをインキュ
ベーション(生フィルム保存、又はRSK)について評価し
た。コーティングのステータスM濃度(使用したフィルタ
ーについては表を参照されたい)を前述の試験の前後に
記録した。結果を表3-2に示す。
【0146】
【表6】
【0147】このフォーマットでは、多くの色素が良好
に漂白された。許容できる量まで漂白された色素(160℃
で10秒間の熱現像処理後に75%より多い漂白)の本発明
の材料は、RSK時に最も低い喪失率を生じ、従って最も
有用であった。RSK評価は、許容できる熱漂白を下回る
材料については重要ではない。算出された漂白百分率及
びインキュベーション喪失のデータを、表3-3に示し
た。
【0148】
【表7】
【0149】本発明の色素は、比較例色素に対し優れた
性能を示した。
【0150】例4 色素DC-6及びDI-1を、様々なレベルのサリチルアニリド
メルトフォーマーで塗布した。これらの色素は、ボール
ミルにかけ、かつコーティング溶融調製物に添加した。
サリチルアニリドは、固体粒子のボールミル分散物であ
り、添加し、表4-1に示した被覆量を生じた。色素及び
ゼラチンのレイダウンは、各々0.30及び4.31g/m2で一定
に維持した。これらのコーティング溶融体を、ポリエチ
レンテレフタレート支持体上に塗布した。
【0151】
【表8】
【0152】加熱した160℃の試験台上に10秒間、乾燥
したコーティングを配置することにより、このコーティ
ングを熱漂白について評価した。加えて、Mylarバッグ
にコーティングを封止しかつ加熱炉へ50℃で1週間放置
することにより、これらのコーティングをインキュベー
ション(生フィルム保存、又はRSK)について評価した。
コーティングのステータスM濃度を前述の試験の前後に
記録した。結果を表4-2に示す。
【0153】
【表9】
【0154】全てのコーティングは、160℃で10秒間の
熱現像処理時に良く漂白された。本発明の色素は、臨界
RSK時に最小量の損失であった。即ち、本発明の色素(DI
-1)の喪失が13.2〜26.0%の範囲であるのに対して、比
較例色素(DC-6)は、19.0〜37.3%の範囲であり、より多
い喪失により損なわれた。本発明の色素は、比較例色素
よりもより有用である。
【0155】例5 2種の追加色素を評価のために合成した。色素DI-2及びD
I-3の構造は下記のものである。これらの色素は、ボー
ルミルにかけ、コーティング溶融調製物に添加し、表5-
1に示した被覆量を得た。これらのコーティング溶融体
を、ポリエチレンテレフタレート支持体上に塗布した。
【0156】
【表10】
【0157】
【表11】
【0158】加熱した180℃の試験台上に10秒間、乾燥
したコーティングを配置することにより、これらのコー
ティングを熱漂白について評価した。これらのコーティ
ングのステータスM赤濃度を熱処理の前後に記録した。
結果を表5-2に示す。
【0159】
【表12】
【0160】表のデータは、本発明の色素の良好な漂白
性能を明確に示している。
【0161】例6 本発明の色素DI-1を、多層コーティングについて評価し
た。下記成分をこの例において使用した。
【0162】銀塩分散物SS-1:攪拌した反応容器に、石
灰処理したゼラチン480g及び蒸留水5.6リットルを充填
した。0.7M硝酸銀を含有する溶液を調製した(溶液A)。
0.7Mベンゾトリアゾール及び0.7M NaOHを含有する溶液
を調製した(溶液B)。必要に応じ溶液B、硝酸及び水酸化
ナトリウムを添加し、反応容器中の混合液を、pAg 7.25
及びpH 8.00に調節した。
【0163】溶液Aを、激しく混合しながらケトルに38c
c/分で添加し、同時に溶液Bを添加することにより、pAg
を7.25に維持した。この処理を、容器に添加した硝酸銀
量が3.54Mとなるまで継続し、この時点で流れを停止
し、混合液を限外濾過により濃縮した。得られた銀塩分
散物は、ベンゾトリアゾール銀の微粒子を含有してい
た。
【0164】銀塩分散物SS-2:攪拌した反応容器に、石
灰処理したゼラチン480g及び蒸留水5.6リットルを充填
した。0.7M硝酸銀を含有する溶液を調製した(溶液A)。
0.7M 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール及び0.7M N
aOHを含有する溶液を調製した(溶液B)。必要に応じ溶液
B、硝酸及び水酸化ナトリウムを添加し、反応容器中の
混合液を、pAg 7.25及びpH 8.00に調節した。
【0165】溶液Aを、ケトルに19.6cc/分で添加し、同
時に溶液Bを添加することにより、pAgを7.25に維持し
た。この処理を、硝酸銀3.54Mが容器に添加されるまで
継続し、この時点で流れを停止し、及び混合液を限外濾
過により濃縮した。得られた銀塩分散物は、1-フェニル
-5-メルカプトテトラゾールの銀塩の微粒子を含有して
いた。
【0166】メルトフォーマーMF-1分散物:サリチルア
ニリドの分散物を、ボールミル法により調製した。合計
20gの試料に、サリチルアニリド固形物3.0g、ポリビニ
ルピロリドン0.20g、TRITON X-200界面活性剤0.20g、ゼ
ラチン1.0g、蒸留水15.6g、及びジルコニアビーズ20ml
を添加した。このスラリーを、48時間ボールミルにかけ
た。摩砕後、ジルコニアビーズを濾過により除去した。
スラリーを使用時まで冷蔵した。
【0167】現像主薬D-1分散物:スラリーを、現像主
薬D-1及び界面活性剤としてOLIN 1OGを含有する水中で
摩砕した。OLIN 1OGは、D-1の10質量%のレベルで添加
した。得られたスラリーに、最終濃度13%D-1及び4%ゼ
ラチンとするために、水及び乾燥ゼラチンを添加した。
ゼラチンは、該成分と15℃で90分間混合することにより
膨潤させた。この膨潤処理後、ゼラチンを、混合物を40
℃で10分間維持することにより溶解し、引き続き分散物
を冷却固体まで冷却した。
【0168】
【化9】
【0169】カプラー分散物MC-1:カプラー分散物は、
カプラーM-1を5.5%及びゼラチン8%を含有する通常の
手段で調製した。この分散物は、カプラー溶剤リン酸ト
リクレシル及びCS-1を各々、カプラーM-1に対し0.8及び
0.2の質量比で含有していた。
【0170】
【化10】
【0171】カプラー分散物 CC-1:油分を主成分とす
るカプラー分散物を、カプラーC-1を6%及びゼラチンを
6%含有する通常の手段により調製した。カプラー溶剤
リン酸トリクレシルを、カプラーC-1に対して質量比1:1
で含有していた。
【0172】
【化11】
【0173】カプラー分散物YC-1:油分を主成分とする
カプラー分散物を、カプラーY-1を6%及びゼラチンを6
%含有する通常の手段により調製した。カプラー溶剤CS
-2を、カプラーY-1に対して質量比1:1で含有していた。
【0174】
【化12】
【0175】
【化13】
【0176】表6-1に示した多層構造を、ポリエチレン
テレフタレート支持体上に塗布した。このコーティング
は、逐次法において各層が塗布される押出ホッパーを用
いて実施した。
【0177】
【表13】
【0178】
【表14】
【0179】
【表15】
【0180】前述のコーティング構造の3種の変形を作
製した。変形例は、AHU層中に存在するAHU色素の変更か
らなる。これらの変形例の各々について、コーティング
のステータスM赤Dminを、未処理のフィルム、更には加
熱したドラム処理装置を用い14℃で18秒間現像処理した
フィルム試料について測定した。表6-2は、これらの測
定値の結果を示している。
【0181】
【表16】
【0182】表6-2のデータは、本発明のDI-1及び比較
例色素-3が未処理のフィルムにおいて非常に類似した量
の濃度を形成するレベルでコーティングされたが、多層
コーティングの加熱処理時に、本発明の色素が著しく漂
白されたことを示している。
【0183】本発明は、特定の好ましい実施態様を特に
参考にし、詳細に説明されているが、本発明の精神及び
範囲内で変形及び改良が有効であることは理解されるで
あろう。
【0184】(態様1) 個々の感受性が異なる波長領
域にある少なくとも3個の感光性ユニットを上に有する
支持体、及び置換又は未置換のヘテロ環式核を末端とす
るメチン結合を有する双性イオン性1-アミノピリジニウ
ム色素を含有する少なくとも1個の光吸収層を含んでな
り、前記ヘテロ環式核の窒素原子が、アニオン含有基で
置換されているカラーフォトサーモグラフィー要素。
【0185】(態様2) 各感光性ユニットが、親水性
結合剤を含有する水性乳剤を含む、態様1記載のカラー
フォトサーモグラフィ要素。
【0186】(態様3) 各ユニットが、少なくとも1
種の感光性ハロゲン化銀乳剤、結合剤、色素形成カプラ
ー、及びブロックされた現像主薬を含有する、態様1記
載のカラーフォトサーモグラフィ要素。
【0187】(態様4) 色素が下記構造式で表され
る、態様1記載のカラーフォトサーモグラフィ要素:
【0188】
【化14】
【0189】(式中、R1及びR2は独立して下記からなる
群から選択され: (a)アルキル基、(b)アシル基、(c)アリール基、(d)核内
に5〜6員を含むヘテロ環式核、及び(e)一緒になって5〜
6員のヘテロ環式核を形成するもの;Q1は、ヘテロ環式
環の中に5〜15個の原子を含む、飽和、不飽和、又は芳
香族ヘテロ環式核を完成するのに必要な非金属原子を表
しており、この核は、少なくとも1個の追加のヘテロ原
子を含むことができ、並びにこのヘテロ環式核は、最大
5個の個別に選択される置換基で置換されるか又は未置
換であることができ、Wは、置換又は未置換の、アルキ
レン、アルコキシアルキレン、アルコキシカルボニルア
ルキレン、アラルキレン、アルケニレン、アリレン、及
びアリーレン基から選択される連結基であり、Xは、硫
酸基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、及びカ
ルボキシル基からなる群より選択されるアニオン基を表
し、nは、1又は2であり;pは、N原子と第一のメチン結
合との間のヘテロ環式環内の二重結合の数を表し、そし
て0又は1であり;Lは、下記式を有するメチン結合を表
し:
【0190】
【化15】
【0191】(式中、Tは、水素、ハロゲン、カルボキシ
アミド、1〜4個の炭素原子の低級アルキル又はアリール
である);R7及びR8は各々、水素原子、アルキル基、又
はアリール基となることができる)。
【0192】(態様5) Xがスルホン酸基-SO3 -であ
る、態様4記載のカラーフォトサーモグラフィ要素。
【0193】(態様6) 色素が下記構造式を有する、
態様4記載のカラーフォトサーモグラフィ要素:
【0194】
【化16】
【0195】(式中、Q1、R1、R2、R7及びR8は、定義さ
れたものと同じであり、Yは、スルホアルキル基、カル
ボキシアルキル基、又はホスホアルキル基であり、ここ
でYは、1〜10個の炭素原子を有する)。
【0196】(態様7) 色素が、下記構造式を有する
1-アミノピリジニウム化合物である、態様6記載のカラ
ー写真要素:
【0197】
【化17】
【0198】(式中、R1、R2、R7、R8、及びYは、先に定
義されたものと同じであり、そしてR9は、水素、置換又
は未置換のアルキル、置換又は未置換のアルコキシ、置
換又は未置換のアリール又はアルキルアリール、ニト
ロ、ヒドロキシ、又はハロゲンである)。
【0199】(態様8) 色素が、下記構造式を有する
1-アミノピリジニウム化合物である、態様6記載のカラ
ー写真要素:
【0200】
【化18】
【0201】(式中、R1、R2、R7、R8、R9及びYは、先に
定義されたものと同じであり、そしてR10及びR11は、個
別に前述のR9基から選択される)。
【0202】(態様9) 前記感光性ハロゲン化銀乳剤
層及び前記光吸収層は、親水性コロイドを含む、態様2
記載のカラーフォトサーモグラフィ要素。
【0203】(態様10) 親水性コロイドが、ポリマー
であり、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、及びポリアミド、又はそれらの誘導体から
なる群より選択される、態様9記載のカラーフォトサー
モグラフィ要素。
【0204】(態様11) 親水性コロイドがゼラチンで
ある、態様10記載のカラーフォトサーモグラフィ要素。
【0205】(態様12) 色素が、平均直径0.01〜5μm
を有する粒子の形状である、態様1記載のカラーフォト
サーモグラフィ要素。
【0206】(態様13) 光吸収層及び像形成層が、両
方とも水が少なくとも5質量%である、態様1記載のカ
ラーフォトサーモグラフィ要素。
【0207】(態様14) (a)支持体、(b)支持体の上に
ある個々の感受性が異なる波長領域にある少なくとも3
個の感光性像形成層及び(c)前記感光性像形成層の下側
にあり、 (i)置換又は未置換のヘテロ環式核により末端
とするメチン結合を有する少なくとも1種の双性イオン
性1-アミノピリジニウム色素を含むようなハレーション
防止層を含んでなるカラーフォトサーモグラフィ要素で
あって、前記ヘテロ環式核の窒素原子がアニオン含有基
で置換され、前記色素が平均サイズ0.01〜5μmを有する
固体粒子の分散物の形であり、そして前記色素が低くと
も90℃の温度への加熱時に5分以内に少なくとも50%無
色となる、カラーフォトサーモグラフィー要素。
【0208】(態様15) 前記像形成層が更に、非感光
性有機物、銀塩酸化剤を、更には混入された現像主薬と
組合せて含む、態様14記載のフォトサーモグラフィー要
素。
【0209】(態様16) 前記ハレーション防止層が、
前記支持体と像形成層が感光性ハロゲン化銀を含有する
前記像形成層との間にある、態様14記載のフォトサーモ
グラフィ要素。
【0210】(態様17) 前記ハレーション防止層が、
前記像形成層を含む側とは反対の前記支持体の側にあ
る、態様14記載のフォトサーモグラフィ要素。
【0211】(態様18) 下記の工程を含んでなる、視
認可能なカラー写真画像を作成するための、カラーフォ
トサーモグラフィ法: (a)(i)異なる波長領域に個別の感受性を有し、そして感
光性ハロゲン化銀、酸化剤としての水不溶性の有機銀
塩、及び銀イオンの還元剤を含む、少なくとも3個の感
光性像形成層、並びに(ii)置換又は未置換のヘテロ環式
核を末端とするメチン結合を有する双性イオン性1-アミ
ノピリジニウム化合物であるハレーション防止色素を含
有する光吸収層を上に塗布した支持体を含み、前記ヘテ
ロ環式核の窒素原子がアニオン含有基で置換されている
フォトサーモグラフィーフィルムを用意する工程; (b)前記フィルムを100℃以上の温度に少なくとも0.5秒
間加熱して、その結果前記3種の各感光性層と反応的に
組み合わさる内部に位置したブロックされた現像主薬が
ブロック解除され、現像主薬を形成し、これによりブロ
ック解除された現像主薬が色素形成カプラーとの反応に
より色素を形成し、カラー画像を形成し、ここで前記ハ
レーション防止色素は少なくとも約50%無色となる、外
部適用される現像主薬無しに前記フィルムを熱現像する
工程;並びに、 (c)前記カラー画像を走査し、表示手段中にポジカラー
画像を作成することができるデジタル電子記録を提供す
る工程。
【0212】(態様19) 熱現像が、水溶液を適用する
ことなく、実質的に乾式法の条件下で実施される、態様
18記載のフォトサーモグラフィ法。
【0213】(態様20) 前記光吸収が、熱現像時に、
低くても90℃の温度への加熱時に2分以内に実質的に無
色となる、態様18記載のフォトサーモグラフィ法。
【0214】(態様21) 熱現像が、前記像様に露光さ
れた要素を、約100〜約180℃の温度で、約0.5〜約60秒
間の時間で処理する工程を含む、態様18記載の方法。
【0215】(態様22) 画像形成が、像様に露光され
及び現像された像形成要素を走査し、前記像様露光の第
一電子画像表象を形成する工程を含む、態様18記載の方
法。
【0216】(態様23) 画像形成が、像様に露光さ
れ、現像され、及び走査された像形成要素から形成され
た第一電子画像表象をデジタル化し、デジタル画像を形
成する工程を含む、態様22記載の方法。
【0217】(態様24) 画像形成が、像様に露光さ
れ、現像され、及び走査された像形成要素から形成され
た第一電子画像表象を変更して第二電子画像表象を形成
する工程を含む、態様18記載の方法。
【0218】(態様25) 像様に露光され、現像され、
そして走査された像形成要素に由来した画像の電子画像
表象を保存し、送信し、印刷し、もしくは表示する工程
を含む、態様18記載の方法。
【0219】(態様26) 画像を印刷する工程が、下記
印刷技術のいずれかにより実現される、態様25記載の方
法:電子写真;インクジェット;感熱色素昇華;又は増
感された印画紙へのCRTもしくはLED印刷。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーク エドワード イルビング アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,ペンフィールド ロード 1062 (72)発明者 デイビッド ハワード レビー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,ハンプシャー ドライブ 114 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB03 AB18 AB23 BB00 BB23 CB00 CB03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個々の感受性が異なる波長領域にある少
    なくとも3個の感光性ユニットを上に有する支持体、及
    び置換又は未置換のヘテロ環式核を末端とするメチン結
    合を有する双性イオン性1-アミノピリジニウム色素を含
    有する少なくとも1個の光吸収層を含んでなり、前記ヘ
    テロ環式核の窒素原子が、アニオン含有基で置換されて
    いるカラーフォトサーモグラフィ要素。
  2. 【請求項2】 (a)支持体、(b)支持体の上にある個々
    の感受性が異なる波長領域にある少なくとも3個の感光
    性像形成層及び(c)前記感光性像形成層の下側にあり、
    (i)置換又は未置換のヘテロ環式核により末端とするメ
    チン結合を有する少なくとも1種の双性イオン性1-アミ
    ノピリジニウム色素を含むようなハレーション防止層を
    含んでなるカラーフォトサーモグラフィ要素であって、
    前記ヘテロ環式核の窒素原子がアニオン含有基で置換さ
    れ、前記色素が平均サイズ0.01〜5μmを有する固体粒子
    の分散物の形であり、そして前記色素が低くとも90℃の
    温度への加熱時に5分以内に少なくとも50%無色とな
    る、カラーフォトサーモグラフィ要素。
JP2002245192A 2001-08-27 2002-08-26 カラーフォトサーモグラフィ要素 Pending JP2003084389A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/940,204 US6492076B1 (en) 2001-08-27 2001-08-27 Thermally bleachable dye for a color photothermographic element
US09/940204 2001-08-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003084389A true JP2003084389A (ja) 2003-03-19

Family

ID=25474414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002245192A Pending JP2003084389A (ja) 2001-08-27 2002-08-26 カラーフォトサーモグラフィ要素

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6492076B1 (ja)
EP (1) EP1288709A1 (ja)
JP (1) JP2003084389A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006091513A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Fuji Photo Film Co Ltd 熱現像感光材料
US8257906B2 (en) * 2006-03-29 2012-09-04 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Multi-layered radiation imageable coating

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3619194A (en) 1969-11-05 1971-11-09 Gary F Mitchell Novel light-absorbing layers for photographic elements containing substituted 1-aminopyridinium dyes
JPS62131255A (ja) * 1985-12-03 1987-06-13 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成方法
US5756269A (en) * 1995-08-22 1998-05-26 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method of forming images
EP0800114B1 (en) * 1996-03-11 2003-11-05 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image forming method and system

Also Published As

Publication number Publication date
US6492076B1 (en) 2002-12-10
EP1288709A1 (en) 2003-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0222938B2 (ja)
JPH0713295A (ja) 感赤外線性光熱写真物品
JP2003156818A (ja) 熱現像可能な赤外感受性画像形成材料
US5413902A (en) Color light-sensitive material
US5427901A (en) Heat-developable color light-sensitive material
US6451516B1 (en) Aqueous thermally bleachable composition useful in a photothermographic element
EP0665465A2 (en) Thermally developable photosensitive element
JP3842633B2 (ja) フォトサーモグラフィ要素
JP2003084389A (ja) カラーフォトサーモグラフィ要素
JP2003167310A (ja) 酸化的反応性がより低いシェルを含んでなるフォトサーモグラフィー用システムのためのコア/シェル型銀供与体
JP3631261B2 (ja) 赤外線増感染料を含有する写真ハロゲン化銀エレメント
US6730462B1 (en) Thermally bleachable yellow filter dye compositions barbituric acid arylidene dyes and base precursors
JPS5917413B2 (ja) カラ−拡散転写用感光要素
US6974662B2 (en) Thermal base precursors
EP0190512B1 (en) Positive image forming method
JP2003167311A (ja) 酸化的反応性がより高いシェルを含んでなるフォトサーモグラフィー用システムのためのコア/シェル型銀供与体
JPH06289555A (ja) 熱現像カラー感光材料
JP3501426B2 (ja) 赤外線感光性熱現像ハロゲン化銀写真感光材料
US6746807B1 (en) Thermally bleachable filter dye compositions comprising benzothiazine-dioxide arylidene dyes and base precursors for use in a photothermographic element
JPH0587819B2 (ja)
US20040185352A1 (en) Photothermographic element comprising improved base precursors and methods for their use
JPH08184936A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びそれを用いる画像形成方法
JPH0812410B2 (ja) 拡散転写法カラ−感光材料
JPS59124330A (ja) 熱現像カラ−感光材料
JPH02239246A (ja) 転写型熱現像カラー感光材料