JP2003084316A - 識別コード表示体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】紙のラベルのように柔軟性を有し、かつ識別コ
ードを自由に書換え可能な識別データ表示体を提供す
る。 【解決手段】識別コード表示体１１の本体１２はプラス
チック、ポリマー、エラストマー等の材料で、薄く柔軟
性を有する構成となっている。表示部１３も電気泳動式
の柔軟性を有する構造になっており、全体として折り曲
げ等が可能な構成となっている。本体１２表面には赤外
線等の光学的信号が入力可能な信号入力部１４が設けら
れており、ここから識別コードに関する情報を取り込
み、表示部１３に識別コードを表示する。必要に応じ、
新たな識別コード情報を信号入力部１４に入力すること
で、表示する識別コードを書換えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、商品の管理等を行
うバーコード等の識別コードを表示する表示体に関し、
より詳細には、表示内容を書き換え可能な識別コード表
示体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、商品の管理等に用いるため
に、アルファベット、数字、記号などを一定のアルゴリ
ズムに従って 一次元の白黒のパターン（実際には幅を
持つ二次元）や図形の組み合わせ等に置き換え、 コン
ピュータにデジタルで入力出来るようにしたバーコード
やカルラコードの如き識別コードが用いられている。

【０００３】このような識別コードは、一般的には、ダ
ンボール等の包装材に印刷をしておくか、ラベル（シー
ル）に印刷しておき、包装材に貼り付けて使用するもの
である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の識別コード表示体は、いったん使用した後
は、内容物が変更されてしまうと同じコードは再利用が
できない。

【０００５】このため、識別コードを表示したラベルを
ケース等に入れて使用し、内容物が変わる度に差し替え
ることも提案されているが、変更の都度、必要な識別コ
ードの付された表示体を用意しなければならなかった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、識別コード情報が入力される入力手段と、前記識別
コード情報に基づき識別コード画像を表示する柔軟性を
有する表示手段を具備することを特徴とする識別コード
表示体である。

【０００７】請求項２に記載の発明は、請求項１記載の
識別コード表示体であって、前記表示手段は所定の色の
荷電性粒子が封入されたカプセルに対して電気的駆動信
号を与えることで画像表示を行うことを特徴とする識別
コード表示体である。

【０００８】請求項３記載の発明は、請求項２記載の識
別コード表示体であって、前記表示手段は電気的駆動信
号の供給切断後も表示状態を維持する不揮発性を有する
ことを特徴とする識別コード表示体である。

【０００９】請求項４記載の発明は、請求項１ないし３
のいずれかに記載の識別コード表示体であって、他の物
品への取付部を具備することを特徴とする識別コード表
示体である。

【００１０】請求項５記載の発明は、請求項１ないし４
のいずれかに記載の識別コード表示体であって、前記入
力手段は無線信号で識別コード情報を受信することを特
徴とする識別コード表示体である。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の識別コード表示体
の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図１
は、本実施例の識別コード表示体の構成を示すブロック
図であり、赤外線等で送信されるバーコード（識別コー
ド）の情報を入力する入力部１と、入力部１で受信した
識別コードをいったん格納し表示情報として出力する表
示制御部２と、表示制御部２からの信号に基づきバーコ
ードを表示する表示部３を備えている。また、時間を管
理するためのタイマー４、表示その他全体の制御を行う
ＣＰＵ５を備えている。

【００１２】図２、図３は識別コード表示体１１の外観
を示す説明図である。本体１２はプラスチック、ポリマ
ー、エラストマー等の材料で、薄く柔軟性を有する構成
となっている。表示部１３も後述するような柔軟性を有
する構造になっており、全体として折り曲げ等が可能な
構成となっている。本体１２表面には赤外線等の光学的
信号が入力可能な信号入力部１４が設けられており、こ
こからバーコードに関する情報を取り込む。

【００１３】本体１２裏面には粘着体からなる取付部１
５を有する。なお、この取付部はマグネット、フック、
粘着テープ、ピン等取付け対象や使用目的に応じて適宜
変更可能である。

【００１４】表示部１３は、折り曲げ可能で薄くフレキ
シブルなものであればよく、表示に際してはバックライ
トが無くても十分なコントラストを有するものを好適に
使用できる。これは柔軟性を有する薄い基板上に、エレ
クトロルミネセンス材料、ポリマー分散型液晶（ＰＤＬ
Ｃ）、ポリマー安定型液晶、スメクティック液晶、強誘
電性液晶、マイクロカプセル型電気泳動方式を用いた表
示体等を組合せることで実現できる。特に、マイクロカ
プセル型電気泳動方式を用いた表示体を用いると、従来
の紙に近い画像の表示が可能となる。

【００１５】この、マイクロカプセル型電気泳動方式を
用いたディスプレイについて詳細に説明する。図６は表
示部１３で用いるディスプレイシート２１の説明図であ
る。ディスプレイシート２１では二つの電極シート２
２、２３を用いるが、表示面側の電極シート２２は可視
光を透過する透明な電極を用いる。電極シート２２、２
３には、図示しないディスプレイドライバに接続されて
おり、各画素に相当する電極間には、ディスプレイドラ
イバにより、画素情報に相当する電界が与えられる。電
極シート２２、２３間には、高分子樹脂層２４によって
ユリア樹脂やアラビアゴムからなり可視光を透過する透
明・球状のマイクロカプセル２５が保持されている。

【００１６】このマイクロカプセル２５の内部には酸化
チタンからなる白の粒子２６とカーボンブラックからな
る黒の粒子２７が封入されている。白の粒子２６は正電
荷を帯びており、一方黒の粒子２７は負電荷を帯びてい
る。そのため、二つの電極シート２２，２３に電界を印
加し、電極シート２２が負極、電極シート２３が正極に
なった場合、正に帯電した白の粒子２６が電極シート２
２側に引かれ、黒の粒子２７が電極シート２３側に引か
れるので、観察者２８からはその部分が白く見える。

【００１７】逆に電極シート２２が正極、電極シート２
３が負極になった場合、正に帯電した白の粒子２６が電
極シート２３側に引かれ、黒の粒子２７が電極シート２
２側に引かれるので、観察者２８からは黒く見えること
になる。ディスプレイシート２１はこのようなマイクロ
カプセル２５を多数有しており、電極シート２２，２３
の各アドレスの電界を制御することで、図６で「ＡＢ」
という文字を黒で表示したように、所望の文字や図形等
を白と黒の画素で表示させることができる。

【００１８】なお、各粒子は、一度電界を印加した後
は、電源が切断されても粒子の位置が変化しないので、
電源を切ってもバーコード等の表示画像が消えない不揮
発性を有する。そのため、画像表示を継続させるための
電力が不用であり、画像を変える際でも、異なった画素
にあたる個所の電極位置の部分のみに電界を印加して画
像を変化させれば良いので、通常のディスプレイに比べ
て大幅に省電力化を図ることが可能である。

【００１９】さらに、ディスプレイシート２１内におい
ては、マイクロカプセル２５の位置配置は多少の変動が
あっても表示に問題は生じない。したがって電極シート
２２、２３を含め、ディスプレイシート２１全体を薄く
可撓性を持たせる材料を用いることで、紙のような柔軟
性を持たせることができる。

【００２０】また、黒い粒子２７のカーボンブラック
は、通常の印刷を行うインクと同じ材料であるので、極
めて紙の印刷物に近い自然な表示を行うことが可能とな
る。

【００２１】次に、上記のように構成した識別コード表
示体１１の動作について説明する。入力部１（信号入力
部１４）に赤外線等の信号により表示したいバーコード
の信号が入力されると、ＣＰＵ５の制御により、表示制
御部２で画像信号化され、表示部３（表示部１３）に送
られる。表示部１３では、上述したように、所定の色の
荷電性粒子が封入されたカプセルに対して電気的駆動信
号を与えることで画像表示を行うようになっており、白
と黒の粒子でバーコードを表示する。

【００２２】いったん、入力部１から信号が入力され、
バーコードの表示がなされた後は、信号の入力がなくな
ったり、電源を切った場合でも、表示部３（表示部１
３）の不揮発性により、バーコードは表示されたままで
ある。そのため、ＣＰＵ５の制御で、新たな信号の入力
が無い場合は電源を切ったり、入力部１のみスタンバイ
状態にしておく。

【００２３】識別コード表示体１１は、全体として柔軟
性を有しており（屈曲可能であり）、取付部１５を利用
することで平面はもちろん、図５に示すように曲面であ
っても取付けが可能である。したがって、これまでの紙
ラベルや印刷によるバーコードと同様にユーザーが所望
の位置に取り付けることができる。

【００２４】なお、タイマー４を利用することで、例え
ば一定時間経過後にバーコードを変更したり、消去した
りすることが可能である。これは、予め時間を設定して
おくか、入力部１から時間データを入力しておき、ＣＰ
Ｕ５がタイマー４を利用して、この設定時間の経過を監
視する。設定時間が経過したら、ＣＰＵ５は表示制御部
２にバーコード画像の書換えを指示する。これによっ
て、例えば消費期限の過ぎた商品を誤って販売するなど
のミスを防ぐことが可能となる。

【００２５】本実施の形態では本体１２に表示部１３、
信号入力部１４、取付部１５等を設けた構成になってい
るが、表示部１２内に信号入力部１４、取付部１５等を
設けることで、更に小型化、薄型化することができる。

【００２６】また、本実施形態では識別コードとしてバ
ーコードを利用したが、これに限定されるものではな
く、他の識別コードを表示してもよい。マイクロカプセ
ル２５内の荷電性粒子に関しても、上記のものに限定さ
れず、同様の機能を有する荷電性粒子であれば利用可能
であり、白と黒以外の色を表示させることも可能であ
る。

【００２７】以上のように、本実施形態の識別コード表
示体は、電気泳動式の表示部１３が不揮発性を有してお
り、電源を切ってもそのまま表示画像が残存するので、
データ書換えの際にのみ電源を入れればよく、電源の消
費が少なくてすむものである。そのため、軽量かつ薄く
することができるので、持ち運びも容易であり、柔軟性
を有することから紙のバーコードラベルと同様に扱うこ
とができる。

【００２８】

【発明の効果】請求項１から５に記載に係る識別コード
表示体は、表示内容を変更することが可能であり、何度
でも利用できるものである。また、柔軟性があり屈曲可
能であるので、従来の紙のバーコードと同様に曲面等に
も取付け可能である。

【００２９】請求項２に記載の発明に係る識別コード表
示体は、更に、軽量で紙印刷物等と同等の画像表示を行
うことができる。

【００３０】請求項３に記載の発明に係る識別コード表
示体は、更に、表示した識別コードの画像が電源の供給
中止後であっても残存するので、画像表示のための消費
電力が少なくてすむものである。

【００３１】請求項４に記載の発明に係る識別コード表
示体は、更に、取付部によって所望の位置に容易に取り
付けることが可能である。

【００３２】請求項５に記載の発明に係る識別コード表
示体は、更に、無線信号によって所望の識別コードを表
示することができるので、容易に表示内容を変えること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態における識別データ表示体
の要部概略構成を示す機能ブロック図である。

【図２】本発明の一実施形態における識別データ表示体
の外観（表示面側）を示す説明図である。

【図３】本発明の一実施形態における識別データ表示体
の外観（裏面側）を示す説明図である。

【図４】本発明の一実施形態における識別データ表示体
の外観を示す説明図である。

【図５】本発明の一実施形態における識別データ表示体
の使用状態を示す説明図である。

【図６】本発明の一実施形態におけるディスプレイシー
トを示す説明図である。

【符号の説明】

１……入力部 ２……表示制御部 ３……表示部 ４……タイマー ５……ＣＰＵ １１……識別コード表示体 １２……本体 １３……表示部 １４……信号入力部 １５……取付部 ２１……ディスプレイシート ２２……電極 ２３……電極 ２４……高分子樹脂層 ２５……マイクロカプセル ２６……白の粒子 ２７……黒の粒子 ２８……観察者

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】識別コード情報が入力される入力手段と、
   前記識別コード情報に基づき識別コード画像を表示する
   柔軟性を有する表示手段を具備することを特徴とする識
   別コード表示体。
2. 【請求項２】請求項１記載の識別コード表示体であっ
   て、前記表示手段は所定の色の荷電性粒子が封入された
   カプセルに対して電気的駆動信号を与えることで画像表
   示を行うことを特徴とする識別コード表示体。
3. 【請求項３】請求項２記載の識別コード表示体であっ
   て、前記表示手段は電気的駆動信号の供給切断後も表示
   状態を維持する不揮発性を有することを特徴とする識別
   コード表示体。
4. 【請求項４】請求項１ないし３のいずれかに記載の識別
   コード表示体であって、他の物品への取付部を具備する
   ことを特徴とする識別コード表示体。
5. 【請求項５】請求項１ないし４のいずれかに記載の識別
   コード表示体であって、前記入力手段は無線信号で識別
   コード情報を受信することを特徴とする識別コード表示
   体。