JP2003084135A - 偏光分離素子およびその製造方法 - Google Patents

偏光分離素子およびその製造方法

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JP2003084135A
JP2003084135A JP2001278620A JP2001278620A JP2003084135A JP 2003084135 A JP2003084135 A JP 2003084135A JP 2001278620 A JP2001278620 A JP 2001278620A JP 2001278620 A JP2001278620 A JP 2001278620A JP 2003084135 A JP2003084135 A JP 2003084135A
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film
diffraction grating
adhesive
anisotropic film
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JP2001278620A
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English (en)
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Shuichi Hikiji
秀一 曳地
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化、低コスト化が可能な信頼性の高い偏
光分離素子、およびそのような偏光分離素子の製造方法
を提供する。 【解決手段】 偏光分離素子10は、透明基板1の上
に、回折格子3が形成されている高分子複屈折膜2(異
方性膜)が接着剤で接着され、等方性接着剤4を回折格
子3に充填したオーバーコート層4が接着剤としての機
能も兼ね、対向透明基板5と接着されている。接着力を
得るために回折格子3が形成されている高分子複屈折膜
2の回折格子素子形成領域外に貫通溝6を設け、上下の
透明基板(1,5)は貫通孔6に充填された接着剤によ
って接合され、偏光分離素子としての接着強度と信頼性
の向上を図っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光分離素子に関
し、特に、特に入射光の異なる振動面に対して屈折率が
異なる異方性膜を接着して備えた偏光分離素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭63-314502号公報、特開平10-3022
91号公報、および特開2000-75130号公報では、簡単な工
程で安価に作製できる偏光分離素子として、透明基板面
と同一平面に回折格子が形成された回折格子を有する複
屈折膜と、その上に等方性のオーバーコート層が被覆あ
るいは装荷されている構造のものが提案されている。こ
れらの中には良好な光学的特性を得るために両面の平坦
性の向上を目的とした構成となっているものがある。こ
れはガラスやプラスチック等の透明基板上の同一平面に
回折格子が形成された回折格子を、接着剤によって接着
することにより該複屈折膜が等方性のオーバーコート層
で覆われ、このオーバーコート層が接着層をも兼ねて透
明基板と接着している構造であるために、素子としての
一定の強度を有し、かつ生産性の高い構成となっている
ものである。しかしながら、高分子フィルム等を回折格
子として用いた場合、その接着性に難点があるために、
素子の接着強度と信頼性とが十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたもので、難接着性の高分子フィルム
などを回折格子として用いた素子の接着強度の向上と、
これによる素子の信頼性向上確保することを目的とす
る。
【0004】
【発明の目的】請求項1乃至6発明は、複屈折膜に高分
子膜を使用した場合、接着力が大きく低下するのに対し
て、難接着性の高分子フィルム等を回折格子として用い
た素子の接着強度の向上とこれによる素子の信頼性向上
を確保する事を目的とする。請求項3発明は、回折格子
の接着強度の確保と、基板上での回折格子の効率的な配
置と低コスト化を目的とする。請求項4乃至7発明は、
回折格子に影響を及ぼすことなく、大きな接着強度有す
る偏光分離素子を提供することを目的とする。請求項8
発明は、低コストな貫通溝の加工方法によって低コスト
な偏光分離素子を提供する事を目的とする。
【0005】請求項9発明は、低コストな接着方法によ
り低コストな偏光分離素子の提供を目的する。請求項1
0発明は、更なる回折格子の接着強度を確保した偏光分
離素子の提供を目的とする。請求項11乃至14の発明
は、小型化、低コスト化された偏光分離素子の提供を目
的とする。請求項15の発明は、素子の接着強度の強固
な、信頼性の高い偏光分離素子の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1による偏
光分離素子は、直交する2つの偏光成分を分離する為、
透明基板上に、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異
なる異方性膜を接着し、前記異方性膜の前記透明基板と
反対側の面に周期的な凹凸格子からなる回折格子が形成
され、前記凹凸格子の凹み部分に等方性の接着剤が充填
され、前記回折格子上の対向する側に対向透明基板が接
着された偏光分離素子において、前記異方性膜には貫通
溝が設けられて、かつ前記貫通溝には接着剤が充填され
ていることを特徴とする。このような構成によって、難
接着性の高分子フィルム等を回折格子や位相差膜として
用いた場合の接着強度を向上させ、生産性に優れた信頼
性の高い偏光分離素子を提供することができる。
【0007】本発明請求項2による偏光分離素子は、請
求項1に記載の偏光分離素子において、前記異方性膜を
挟む前記透明基板および前記対向透明基板が、前記貫通
溝を通して接着剤で貫通接合されていることを特徴とす
る。このよう構成によれば、接着強度の高い生産性に優
れた信頼性の高い偏光分離素子を提供することができ
る。本発明請求項3による偏光分離素子は、請求項1ま
たは2に記載の偏光分離素子において、前記異方性膜に
形成された貫通溝の溝幅が、前記異方性膜の膜厚寸法よ
り大きく、かつ該膜厚の100倍以下であることを特徴
とする。このよう構成によれば、接着強度の高い生産性
に優れた信頼性の高い偏光分離素子を提供することがで
きる。
【0008】本発明請求項4による偏光分離素子は、請
求項1乃至3のいずれか1に記載の偏光分離素子におい
て、前記異方性膜に形成された貫通溝が、前記回折格子
よりも外側に形成されており、ダイシングライン上もし
くはその内側に形成されていることを特徴とする。本発
明請求項5による偏光分離素子は、請求項1乃至4のい
ずれか1に記載の偏光分離素子において、前記異方性膜
に形成された貫通溝が、一本以上であることを特徴とす
る特徴とする。このよう構成によれば、接着強度の高い
生産性に優れた信頼性の高い偏光分離素子を提供するこ
とができる。
【0009】本発明請求項6による偏光分離素子は、請
求項1乃至5のいずれか1に記載の偏光分離素子におい
て、前記異方性膜に形成された貫通溝が、前記回折格子
を取り囲む状態に形成されたことを特徴とする。このよ
う構成によれば、接着強度の高い生産性に優れた信頼性
の高い偏光分離素子を提供することができる。本発明請
求項7による偏光分離素子は、請求項1乃至5のいずれ
か1に記載の偏光分離素子において、前記異方性膜に形
成された貫通溝が、前記回折格子を平行に挟む状態に形
成されたことを特徴とする。このよう構成によれば、接
着強度の高い生産性に優れた信頼性の高い偏光分離素子
を提供することができる。
【0010】本発明請求項8による偏光分離素子は、請
求項1乃至7のいずれか1に記載の偏光分離素子におい
て、前記異方性膜に形成された貫通溝が、ビク型を用い
たうち抜き加工で形成されたことを特徴とする。このよ
う構成によれば、接着強度の高い生産性に優れた信頼性
の高い偏光分離素子を提供することができる。本発明請
求項9による偏光分離素子は、請求項1乃至8のいずれ
か1に記載の偏光分離素子において、前記貫通溝に充填
接着する等方性の接着剤が、光硬化型のアクリル系およ
びエポキシ系の材料から選択された1以上の材料を含む
ことを特徴とする。このよう構成によれば、接着強度の
高い生産性に優れた信頼性の高い偏光分離素子を提供す
ることができる。
【0011】本発明請求項10による偏光分離素子は、
請求項1乃至9のいずれか1に記載の偏光分離素子にお
いて、前記回折格子を挟んで接着剤で貫通接合される前
記透明基板および前記対向透明基板が、溝を設けられて
いることを特徴とする。このよう構成によれば、接着強
度の高い生産性に優れた信頼性の高い偏光分離素子を提
供することができる。本発明請求項11による偏光分離
素子は、請求項1乃至10のいずれか1に記載の偏光分
離素子において、前記回折格子が、高分子複屈折膜を含
むことを特徴とする。このよう構成によれば、接着強度
の高い生産性に優れた信頼性の高い偏光分離素子を提供
することができる。
【0012】本発明請求項12による偏光分離素子は、
請求項1乃至11のいずれか1に記載の偏光分離素子前
記回折格子が、分子鎖が配向した高分子を含むことを特
徴とする。このよう構成によれば、接着強度の高い生産
性に優れた信頼性の高い偏光分離素子を提供することが
できる。本発明請求項13による偏光分離素子は、請求
項11に記載の偏光分離素子において、前記高分子複屈
折膜が、延伸により分子鎖を配向させられた高分子膜で
あることを特徴とする。このよう構成によれば、接着強
度の高い生産性に優れた信頼性の高い偏光分離素子を提
供することができる。
【0013】本発明請求項14の偏光分離素子は、透明
基板1と、前記透明基板上に接着された、入射光の異な
る振動面に対し屈折率が異なる異方性膜2と、前記異方
性膜に形成された周期的な凹凸格子からなる回折格子3
と、前記凹凸格子の凹み部分に充填された等方性の接着
剤4と、前記回折格子の対向する側に接着された対向透
明基板5と、を備える偏光分離素子10において、前記
異方性膜は貫通溝6が形成されて、前記貫通孔6には接
着剤4が充填されて前記透明基板1および前記対向透明
基板5との接着を強化していることを特徴とする。この
よう構成によれば、接着強度の高い生産性に優れた信頼
性の高い偏光分離素子を提供することができる。
【0014】本発明請求項15による偏光分離素子の製
造方法は、透明基板上に、入射光の異なる振動面に対し
屈折率が異なる異方性膜を接着する第1工程と、前記異
方性膜に周期的な凹凸格子からなる回折格子を形成する
第2工程と、前記凹凸格子の凹み部分に等方性の接着剤
を充填する第3工程と、前記回折格子上の対向する側に
対向透明基板を接着する第4工程と、前記回折格子を含
む偏光分離素子を切り出す第5工程と、を備える偏光分
離素子の製造方法において、前記第2工程より後で、か
つ前記第5工程より前に、前記異方性膜に貫通溝を設け
る第6工程と、前記貫通孔に接着剤を充填し前記透明基
板および前記対向透明基板との接着を強化する第7工程
と、を備えたことを特徴とする。このよう構成によれ
ば、接着強度の高い生産性に優れた信頼性の高い偏光分
離素子の製造方法を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、図を
参照しながら本発明の第1の実施の形態(請求項1およ
び14)を説明する。本発明の偏光分離素子の一例を図
1に示した。図1は本発明による偏光分離素子の第1の
実施の形態を示す模式図であり、(1)は模式的断面図
であり、(2)は模式的上平面図である。符号について
説明すると1は透明基板、2は異方性膜(高分子複屈折
膜)、3は回折格子、4はオーバーコート層(当方性接
着剤)、5は対向透明基板、7は接着剤、そして、10
は偏光性分離素子である。偏光分離素子10は、透明基
板1の上に、回折格子3が形成されている高分子複屈折
膜2(異方性膜)が接着剤で接着され、等方性接着剤4
を回折格子3に充填したオーバーコート層4が接着剤と
しての機能も兼ね、対向透明基板5と接着されている。
【0016】ここでは接着力を得るために回折格子3が
形成されている高分子複屈折膜2の回折格子素子形成領
域外に貫通溝6を設けたことを特徴とするものである。
この貫通溝6は回折格子3を形成した素子領域外を取り
囲むように、あるいはそれを平行に挟むように形成し、
上下の透明基板(1,5)は貫通孔6に充填された接着
剤によって接合され、偏光分離素子としての接着強度と
信頼性の向上を可能としている。
【0017】(第2の実施の形態(請求項15)本発明
の第2の実施の形態は、透明基板1上に、入射光の異な
る振動面に対し屈折率が異なる異方性膜2を接着する第
1工程と、前記異方性膜に周期的な凹凸格子からなる回
折格子3を形成する第2工程と、前記凹凸格子3の凹み
部分に等方性の接着剤4を充填する第3工程と、前記回
折格子の対向する側に対向透明基板5を接着する第4工
程と、前記回折格子を含む偏光分離素子を切り出す第5
工程と、を備える偏光分離素子の製造方法において、前
記第2工程より後で、かつ前記第5工程より前に、前記
異方性膜2に貫通溝6を設ける第6工程と、前記貫通孔
6に接着剤を充填し前記透明基板1および前記対向透明
基板5との接着を強化する第7工程と、を備えたことを
特徴とする偏光分離素子の製造方法である。
【0018】
【実施例】(実施例1)本発明の偏光分離素子の実施例
1を図2に示した。即ち、図2は、本発明による偏光分
離素子の実施例1を示す工程図であり、(1)および
(3)は模式的上平面図であり、(2)および(3)は
その模式的断面図である。図3は、本発明による偏光分
離素子の実施例1を示す工程図であり、(1)および
(2)はその模式的断面図である。新たな符号について
説明すると、11、15は反射防止膜、12、13はダ
イシングライン、17は高分子位相差膜、18は接着
剤、21はステンレス台、そして22は加圧装置であ
る。
【0019】図2を参照しながら述べると、ここで、外
径がφ5インチ、厚さ100μmの高分子複屈折膜2に、幅
2mm、φ80mmに内接する長さの貫通溝6を8mmピッ
チで10ライン打ちぬき加工した後、この高分子複屈折
膜2を透明基板1にアクリル樹脂系の光硬化型の接着剤
で接着し、φ4インチBK-7に沿って余分な高分子複屈折
膜を切断した。なお、透明基板1は両面光学研磨後に入
射波長の反射が最小となるよう反射防止膜15を形成し
たφ4インチ、厚み1.0mmのBK-7であり、高分子フィル
ム2の接着面は反射防止膜15を形成した反対面として
いる(図2(1)〜(4))。
【0020】打ちぬき加工の溝幅は加工の容易性から膜
厚と同じかそれ以上の幅が望ましいが、しかしながら、
幅が広くなりすぎると素子の面積に対し、溝の面積が大
きくなり、取り数が減り、効率的ではなくなる。高分子
複屈折膜2はハンドリング性を考慮すると厚みが0.01m
m以上で、光学的な特性から最大厚み0.5mmの範囲で
用いるのが好ましい。より望ましくは0.05〜0.2mmが
よい。
【0021】この接着した高分子複屈折膜2をイソプロ
ピルアルコール等の有機溶媒と純水で洗浄する。その
後、日本ゼオン化社製ZEP-520レジストをスピンコート
により0.5μm厚のレジスト膜を形成し、ベーク後、ニ
コン社製ステッパ装置を用い、ライン&スペース3μm
のパターンを8mmピッチで形成した貫通孔の中心に300
周期繰り返し形成し、回折格子素子とした。回折格子は
素子外形8×8mmの中心に略形状1×2mmで形成してい
る。この後、酸素ガスを主成分とするエッチングガス雰
囲気中で、住友金属社製ECR(Electron Cyclotron R
esonance:電子サイクロトロン共鳴)エッチング装置で
幅3μm、深さ5μmのラインと3μm幅のスペースを300
周期繰り返した回折格子を形成した(図3(1)および
(2))。他のフォトリソは一般に知られているプロセ
スを採用しており、詳細は省略する。
【0022】次に、これを、平面加工したφ200mm、
厚み50mmのステンレス台21上に載置し、回折格子3
を形成した高分子複屈折膜2の表面にアクリル樹脂系の
光硬化型の等方性接着剤4をマイクロシリンジで計量滴
下し、この上に両面光学研磨した外径φ4インチ、厚み
1.0mmの対向透明基板5を載置し、さらにこの上に光
学研磨した石英ガラス(加圧装置)22を載せ、対向透
明基板5に100gf/cm の圧力を印加し、等方性接着
剤4を被接着面全面に広げた。なお、対向透明基板5の
接着面と反対の面に入射波長の反射が最小となるよう反
射防止膜15を積層した。
【0023】この状態で、紫外線照射装置(図示せず)
で150mm上面から放射照度20mW/cm2の紫外光を透
明基板に10分間照射し硬化接着した。次に貫通溝6の
中心を0.2mm厚のダイシングブレードで切断した。こ
れにより、上下透明基板(透明基板1と対向透明基板
5)は接着剤で接合される。切り出す素子形状を8mm
□とした。上記偏光分離素子の等方性接着剤4は、粘性
や屈折率等の特性制御の容易さや接着力および透明性の
点から、アクリル系の接着剤を用いたが、エポキシ系で
も同様に可能である。これらの接着剤は紫外線で硬化す
るので、加圧中硬化が可能であり、プロセスを簡略化し
うる。
【0024】高分子複屈折膜2は、ポリエチレンテレフ
タレート等の高分子膜を布で擦ってラビング処理して配
向膜を形成し、この配向膜上にポリジアセチレンモノマ
ーを真空蒸着して配向させた後、紫外光を照射してポリ
マー化して異方性膜とする方法(参考文献:J.Appl.phy
s.,72,No,3,P938-947)があるが、ここでは、分子鎖が
配向した高分子膜で、特性の均一性を考慮した延伸され
た有機高分子膜を用いた。
【0025】(実施例2)本実施例2は、実施例1の貫
通溝6の加工を回折格子素子3の4辺を囲むように形成
したもので、その工程の概略を図4に示す。即ち、図4
は偏光分離素子の実施例2を示す工程図であり、(1)
および(4)は模式的上平面図であり、(2)および
(3)はその模式的断面図である。
【0026】ここで、外径がφ5インチ、厚さ200μmの
高分子複屈折膜2に、幅3mm、長さ4mm、の貫通孔を
8mmピッチでX-Y両方向に10ライン打ちぬき加工した
後、この高分子複屈折膜2を透明基板1にアクリル樹脂
系の光硬化型の接着剤で接着し、φ4インチBK-7に沿っ
て余分な高分子複屈折膜を切断した。なお、透明基板1
は、両面光学研磨後に入射波長の反射が最小となるよう
反射防止膜11を形成したφ4インチ、厚み1.0mmのBK
-7であり、高分子フィルム2の接着面は反射防止膜11
を形成した反対面としている。図4の(2)は、本実施
例の一部を切取って示した。以下、実施例1と同様に回
折格子素子形成プロセスを実施した後、対向透明基板を
接着し、ダイシングラインに沿って8mm□に素子を切
り出す。本実施例2の場合、回折格子素子の4つの辺を
接着剤で上下透明基板を接合している(図4の
(3))。
【0027】(実施例3)図5は、本発明による偏光分
離素子の実施例3を示す工程図であり、(1)は模式的
上平面図であり、(2)はその模式的断面図である。図
6は、本発明による偏光分離素子の実施例3を示す工程
図であり、(1)は模式的上平面図であり、(2)およ
び(4)はその模式的断面図である。ここでは、両面光
学研磨したφ4インチ、厚み1.0mmのBK-7の片面に入射
波長の反射が最小となるよう反射防止膜(図示せず)を
積層し、この透明基板の反射防止膜と反対面に厚さ200
μmの高分子複屈折膜で外形をφ5インチの大きさに切
断した高分子複屈折膜2をアクリル樹脂系の光硬化型の
接着剤7で接着し、φ4インチBK-7に沿って高分子複屈
折膜2を切断した。
【0028】次にこの高分子複屈折膜をダイシングライ
ンに沿って8mmピッチで接着層(接着剤7の層)に到達
する深さで切削した。用いたブレードの幅は1mmであ
る(図5の(1)および(2))。これにより、高分子
複屈折膜と接着剤が除去された貫通溝6が形成される。
該溝の切削深さは、接着層に到達する深さ以上で、透明
基板1を切断しない深さで良い。
【0029】次に、この透明基板1上の高分子複屈折膜
2をイソプロピルアルコール等の有機溶媒と純水で洗浄
する。その後、日本ゼオン化社製ZEP-520レジストをス
ピンコートにより0.5μm厚のレジスト膜を形成し、ベ
ーク後、ニコン社製ステッパ装置を用い、ライン&スペ
ース3μmのパターンをφ90mmの範囲に形成し、酸素
ガスを主成分とするエッチングガス雰囲気中で、住友金
属社製ECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サ
イクロトロン共鳴)エッチング装置で幅3μm、深さ5μ
mのラインと3μm幅のスペースを300周期繰り返した回
折格子を形成した。各装置のハンドリング等の理由で実
質有効素子形成範囲はφ80mm内にある(図6の(1)
および(2))。他のフォトリソは一般に知られている
プロセスを採用しており、詳細は省略する。
【0030】次に、これを、平面加工したφ200mm、
厚み50mmのステンレス台上に載置し、回折格子3を形
成した高分子複屈折膜の中央部にアクリル樹脂系の光硬
化型の等方性接着剤をマイクロシリンジで計量滴下し、
この上に両面光学研磨した外径φ4インチ、厚み1.0mm
の対向透明基板5を載置し、この上に光学研磨した石英
ガラスを載せ、対向透明基板5に100gf/cm2の圧力
を印加し、等方性接着剤を被接着全面に広げた。この状
態で、図示しない紫外線照射装置で150mm上面から放
射照度20mW/cm2の紫外光を透明基板に10分間照射
し硬化接着した。
【0031】次にダイシングラインの中心を0.2mm厚
のダイシングブレードで切断した。これにより、回折格
子を囲むように接着剤部分が残り、上下透明基板は接着
剤で接合される。切り出された素子形状は8mm□とな
る(図6の(3))。本実施例はX,Y2方向に溝を形成
したが、一方向のみの溝を形成してもよい。その時は、
回折格子を平行に挟むような状態として、溝は形成され
る。
【0032】(実施例4)本実施例は実施例3の溝加工
を、ダイシングラインより内側に形成したもので、図7
に示す。即ち図7は、本発明による偏光分離素子の実施
例4を示す模式図であり、(1)は模式的上平面図であ
り、(2)は模式的断面図である。具体的には、両面光
学研磨したφ4インチ、厚み1.0mmのBK-7の片面に入射
波長の反射が最小となるよう反射防止膜を形成し、この
透明基板の裏面にφ5インチに切断した厚さ200μmの
高分子複屈折膜をアクリル樹脂系の光硬化型の接着剤で
接着し、φ4インチBK-7に沿って高分子複屈折膜を切断
した。
【0033】次にこの高分子複屈折膜側をダイシングラ
インより内側で、回折格子形成範囲より外側に、一組の
接着用溝を接着層に到達するよう貫通溝6として形成し
た。用いたブレードの幅は1mmである。回折格子形成
範囲の一部を図7に示した。これにより、高分子複屈折
膜と接着剤が除去された溝6が形成される。溝の切削深
さは接着層に到達する深さ以上で、透明基板を切断しな
い深さで良い。以下、実施例1と同様に回折格子素子形
成プロセスを実施した後、対向透明基板を接着し、ダイ
シングラインに沿って8mm□に素子を切り出した。
【0034】(実施例5)難接着性の高分子位相差膜1
7を接着した対向透明基板5と、高分子複屈折膜を接着
した透明基板1とを接合した例を図8に示し、本実施例
5を説明する。図8は、本発明による偏光分離素子の実
施例5を示す模式図であり、(1)は高分子位相差膜の
模式的上平面図であり、(2)は高分子複屈折膜の模式
的上平面図であり、(3)は模式的断面図である。
【0035】両面光学研磨したφ4インチ、厚み1.0mm
のBK-7の片面に入射波長の反射が最小となるよう反射防
止膜を形成し、この透明基板の反対面に厚さ200μmの
高分子複屈折膜で外形をφ5インチの大きさに切断した
高分子複屈折膜をアクリル樹脂系の光硬化型の接着剤で
接着し、φ4インチBK-7に沿って高分子複屈折膜を切断
した。
【0036】次にこの高分子複屈折膜側をダイシングラ
インに沿って8mmピッチで接着層に到達する深さで10
ライン切削した。用いたブレードの幅は1mmである。
以下、実施例1と同様に回折格子素子形成プロセスを実
施した。一方の、対向透明基板は両面光学研磨したφ4
インチ、厚み1.0mmのBK-7の片面に入射波長の反射が
最小となるよう反射防止膜を形成し、この対向透明基板
5の裏面に厚さ200μmの高分子位相差膜17を外形φ5
インチの大きさに切断し、アクリル樹脂系の光硬化型の
接着剤で接着し、φ4インチBK-7に沿って高分子位相差
膜を切断した。次にこの対向透明基板の高分子位相差膜
17を、ダイシングラインに沿って8mmピッチで接着層
に到達する深さで10ライン切削した。用いたブレード
の幅は1mmである。一組の透明基板のダイシングライ
ンを基準に位置合わせして、それぞれの高分子膜同士を
等方性の接着剤で接着後、ダイシングラインに沿って8
mm□に素子を切り出す。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の偏光分離素子は
難接着性の高分子フィルム等を回折格子や位相差膜とし
て用いた素子の接着強度の向上と、生産性にも優れ、信
頼性の高い偏光分離素子を提供することができる。即ち
請求項1および2の発明は、難接着性の高分子複屈折膜
に貫通孔を設けたことで、一組の透明基板を接着剤によ
り接合する事で接着の強度が向上し、信頼性の高い偏光
分離素子を提供できる。請求項3の発明は、異方性膜に
形成される貫通孔幅が異方性膜厚より大きく、膜厚の10
0倍以下とする事で、1基板あたりからの素子の取り数
を減らすことなく接着強度を確保でき、低コストな偏光
分離素子を提供できる。
【0038】請求項4の発明は、異方性膜に形成される
貫通孔は回折格子素子より外側であり、ダイシングライ
ン上もしくは内側に有ることで、1基板あたりからの素
子の取り数を減らすことなく接着強度を確保でき、低コ
ストな偏光分離素子を提供できる。
【0039】請求項5,6,7,および10の発明は、
高分子材料などの難接着性材料の接着強度向上が可能と
なる。請求項8の発明は、低コストな孔加工方法による
素子の低コスト化が可能となる請求項9の発明は、偏向
分離素子の低コスト化が可能となる。請求項11乃至1
4の発明は、偏光分離素子の小型化、低コスト化が可能
となる
【0040】請求項15の発明は、小型化、低コスト化
され信頼性の高い偏光分離素子の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による偏光分離素子の第1の実施の形態
を示す模式図であり、(1)は模式的断面図であり、
(2)は模式的上平面図である。
【図2】本発明による偏光分離素子の実施例1を示す工
程図であり、(1)および(3)は模式的上平面図であ
り、(2)および(4)はその模式的断面図である。
【図3】本発明による偏光分離素子の実施例1を示す工
程図であり、(1)および(2)はその模式的断面図で
ある。
【図4】本発明による偏光分離素子の実施例2を示す工
程図であり、(1)および(4)は模式的上平面図であ
り、(2)および(3)はその模式的断面図である。
【図5】本発明による偏光分離素子の実施例3を示す工
程図であり、(1)は模式的上平面図であり、(2)は
その模式的断面図である。
【図6】本発明による偏光分離素子の実施例3を示す工
程図であり、(1)は模式的上平面図であり、(2)お
よび(3)はその模式的断面図である。
【図7】本発明による偏光分離素子の実施例4を示す模
式図であり、(1)は模式的上平面図であり、(2)は
模式的断面図である。
【図8】本発明による偏光分離素子の実施例5を示す模
式図であり、(1)は高分子位相差膜の模式的上平面図
であり、(2)は高分子複屈折膜の模式的上平面図であ
り、(3)は模式的断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 異方性膜(高分子複屈折膜) 3 回折格子 4 オーバーコート層(当方性接着剤) 5 対向透明基板 7 接着剤 10 偏光性分離素子 11、15 反射防止膜 12、13 ダイシングライン 17 高分子位相差膜 18 接着剤 21 ステンレス台 22 加圧装置

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交する2つの偏光成分を分離する為、
    透明基板上に、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異
    なる異方性膜を接着し、前記異方性膜の前記透明基板と
    反対側の面に周期的な凹凸格子からなる回折格子を形成
    し、前記凹凸格子の凹み部分に等方性の接着剤が充填さ
    れ、前記回折格子上の対向する側に対向透明基板が接着
    された偏光分離素子において、前記異方性膜には貫通溝
    が設けられて、かつ前記貫通溝には接着剤が充填されて
    いることを特徴とする偏光分離素子。
  2. 【請求項2】 前記異方性膜を挟む前記透明基板および
    前記対向透明基板が、前記貫通溝を通して接着剤で貫通
    接合されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光
    分離素子。
  3. 【請求項3】 前記異方性膜に形成された貫通溝の溝幅
    が、前記異方性膜の膜厚寸法より大きく、かつ該膜厚寸
    法の100倍以下であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の偏光分離素子。
  4. 【請求項4】 前記異方性膜に形成された貫通溝が、前
    記回折格子よりも外側に形成されており、ダイシングラ
    イン上もしくはその内側に形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1に記載の偏光分離素
    子。
  5. 【請求項5】 前記異方性膜に形成された貫通溝が、一
    本以上であることを特徴とする特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1に記載の偏光分離素子。
  6. 【請求項6】 前記異方性膜に形成された貫通溝が、前
    記回折格子を取り囲む状態に形成されたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1に記載の偏光分離素子。
  7. 【請求項7】 前記異方性膜に形成された貫通溝が、前
    記回折格子を平行に挟む状態に形成されたことを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか1に記載の偏光分離素
    子。
  8. 【請求項8】 前記異方性膜に形成された貫通溝が、ビ
    ク型を用いたうち抜き加工で形成されたことを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれか1に記載の偏光分離素子。
  9. 【請求項9】 前記貫通溝に充填接着する等方性の接着
    剤が、光硬化型のアクリル系およびエポキシ系の材料か
    ら選択された1以上の材料を含むことを特徴とする請求
    項1乃至8のいずれか1に記載の偏光分離素子。
  10. 【請求項10】 前記回折格子を挟んで接着剤で貫通接
    合される前記透明基板および前記対向透明基板が、溝を
    設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れか1に記載の偏光分離素子。
  11. 【請求項11】 前記回折格子が、高分子複屈折膜を含
    むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記
    載の偏光分離素子。
  12. 【請求項12】 前記回折格子が、分子鎖が配向した高
    分子を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    か1に記載の偏光分離素子。
  13. 【請求項13】 前記高分子複屈折膜が、延伸により分
    子鎖を配向させられた高分子膜であることを特徴とする
    請求項11に記載の偏光分離素子。
  14. 【請求項14】 透明基板1と、前記透明基板上に接着
    された、入射光の異なる振動面に対し屈折率が異なる異
    方性膜2と、前記異方性膜に形成された周期的な凹凸格
    子からなる回折格子3と、前記凹凸格子の凹み部分に充
    填された等方性の接着剤4と、前記回折格子の対向する
    側に接着された対向透明基板5と、を備える偏光分離素
    子10において、 前記異方性膜は貫通溝6が形成されて、前記貫通孔6に
    は接着剤4が充填されて前記透明基板1および前記対向
    透明基板5との接着を強化していることを特徴とする偏
    光分離素子。
  15. 【請求項15】 透明基板上に、入射光の異なる振動面
    に対し屈折率が異なる異方性膜を接着する第1工程と、
    前記異方性膜に周期的な凹凸格子からなる回折格子を形
    成する第2工程と、前記凹凸格子の凹み部分に等方性の
    接着剤を充填する第3工程と、前記回折格子の対向する
    側に対向透明基板を接着する第4工程と、前記回折格子
    を含む偏光分離素子を切り出す第5工程と、を備える偏
    光分離素子の製造方法において、 前記第2工程より後で、かつ前記第5工程より前に、前
    記異方性膜に貫通溝を設ける第6工程と、前記貫通孔に
    接着剤を充填し前記透明基板および前記対向透明基板と
    の接着を強化する第7工程と、を備えたことを特徴とす
    る偏光分離素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014228674A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 セイコーエプソン株式会社 回折光学素子、回折光学素子の製造方法、及び電子機器

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JP2014228674A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 セイコーエプソン株式会社 回折光学素子、回折光学素子の製造方法、及び電子機器

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