JP2011033892A - 反射防止フィルム、偏光板、および表示装置 - Google Patents

反射防止フィルム、偏光板、および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、簡易な工程で高効率で製造することが可能であり、カールが抑制され、かつ密着力に優れたモスアイ型反射防止フィルムを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、光透過性基板と、上記光透過性基板上に形成され、硬化性樹脂からなり、かつ表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された凹凸形状を有する反射防止層と、を有する反射防止フィルムであって、上記反射防止層が、上記光透過性基板上に形成された基底部と、上記基底部上に形成され、上記凹凸形状からなるモスアイ構造部とを有するものであり、かつ、上記基底部の厚みが70μm以下であることを特徴とする、反射防止フィルムを提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ等に用いられるモスアイ型の反射防止フィルム、およびこれが用いられた偏光板、表示装置に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、フラットパネルディスプレイの需要が増加している。また、最近においては家庭用の薄型テレビの普及率も高まっており、益々フラットパネルディスプレイの市場は拡大する状況にある。さらに近年普及しているフラットパネルディスプレイは大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。このようなフラットパネルディスプレイとしては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、さらには有機ELディスプレイ等の種々の表示方式のものが採用されており、いずれの方式のディスプレイにおいても映像の表示品質を向上させることを目的とした研究が日々行われている。なかでも、表示品質の向上を目的とした光の反射防止技術の開発は、各方式のディスプレイにおいて共通する重要な技術的課題の一つになっている。
従来、このような反射防止技術としては、例えば、低屈折率の物質からなる薄膜を単層で表面に形成することにより、単一波長の光に対して有効な反射防止効果を得る技術や、低屈折率物質と高屈折率物質の薄膜を交互に形成した複数層を形成することにより、より広い波長範囲の光に対して反射防止効果を得る技術が用いられてきた。なかでも複数層を用いる技術は、その層数を増加させることによって、より広い波長域を有する光に対しても反射防止効果を得ることができる点において有用であったことから、種々の用途において実用化が図られてきた。
しかしながら、このような複数層を用いる技術においても幾つかの問題点があった。
まず第1に、反射防止効果に優れた複数層を形成するには、通常、真空蒸着法などを用いて成膜する必要があるため、表示装置を製造するに際して真空設備を備えることが必要となってしまうという問題点があった。また、真空蒸着法では成膜時間も長時間になるのが一般的であったことから、製造効率の問題も指摘されていた。特に、周囲光が非常に強い環境で使用されるディスプレイに対しては、一層高い反射防止性能が要請されるため、複数層を構成する層数を増加させる必要があることから、製造コストが著しく高くなってしまうという問題点があった。
第2に、技術的観点からしても、複数層による反射防止技術は、光の干渉現象を利用するものであるため、反射防止効果が光の入射角や波長に大きく影響してしまい、望みどおりの反射防止効果を得ることが困難であるという問題点があった。
このような問題点に対し、特許文献1〜6には凹凸の周期が可視光の波長以下に制御された微細な凹凸パターンが表面に形成することによって反射防止を図る技術が開示されている。このような方法は、いわゆるモスアイ(moth eye(蛾の目))構造の原理を利用したものであり、基板に入射した光に対する屈折率を連続的に変化させ、屈折率の不連続界面を消失させることによって光の反射を防止するものである。このようなモスアイ構造を用いた反射防止技術は、簡易な方法によって広い波長範囲の光の反射を防止できる点において有用なものであることから、ディスプレイの分野においてもその実用化が検討されている。
なお、上記モスアイ構造に用いられる凹凸パターンとしては、円錐形や四角錐形などの錐形体が一般的である。
ところで、上記モスアイ構造は、その微細な凹凸形状を反転させた形状を有するスタンパ(金型あるいは鋳型)を用いて、その凹凸の型を任意の樹脂層に転写することによって製造されるのが一般的である。したがって、モスアイ構造を有する反射防止フィルムを作製する方法としては、基板上に硬化性樹脂からなる樹脂層を形成した後、上記のようなスタンパを用いて当該樹脂層の表面にモスアイ構造を賦型し、さらに当該樹脂層を硬化させることによって形成する方法を用いることが可能になる。このような製造方法は、簡易な方法で、かつ高い製造効率で反射防止フィルムを製造することができるという利点があるが、その一方で、形成される反射防止フィルムにカールが生じることが避けられないという問題点があった。
ここで、一般的に、異なる材料からなる複数の層が積層された構成を有する積層体においてカールが生じることを防止する技術としては種々の方法が知られているが、モスアイ構造を有する反射防止フィルムにおいては、単にカールの発生を抑制するのみではなく、モスアイ構造と基材との密着力を保持することが必要である。このため、カール防止と密着力の両立を図ることができる技術が求められるが、従来このような課題を解決可能な技術は見出されていなかった。
特表2001−517319号公報 特開2004−205990号公報 特開2004−287238号公報 特開2001−272505号公報 特開2002−286906号公報 国際公開第2006/059686号パンフレット
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な工程で、かつ高効率で製造することが可能であり、カールが抑制され、かつ基材との密着力に優れたモスアイ型反射防止フィルムを提供することを主目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、モスアイ構造を有する反射防止層が用いられた反射防止フィルムにおいては、反射防止層の形状を一定の形状とすることにより、カールの防止と密着力との両立を図ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち上記課題を解決するために本発明は、光透過性基板と、上記光透過性基板上に形成され、硬化性樹脂からなり、かつ表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された凹凸形状を有する反射防止層とを有する反射防止フィルムであって、上記反射防止層が上記光透過性基板上に形成された基底部と、上記基底部上に形成され、上記凹凸形状からなるモスアイ構造部とを有するものであり、かつ上記基底部の厚みが70μm以下の範囲内であることを特徴とする反射防止フィルムを提供する。
本発明によれば、上記反射防止層の基底部の厚みが上記範囲内であることにより、反射防止層と光透過性基板との密着力を損なうことなく、本発明の反射防止フィルムにカールが生じることを防止することができる。したがって、本発明によれば密着力とカール抑制との両立が図られた反射防止フィルムを得ることができる。
また本発明の反射防止フィルムは、光透過性基板と反射防止層とが積層された構成を有することにより、スタンパを用いて反射防止層の表面に連続的にモスアイ構造を賦型する方法によって製造することが可能になる。このため、本発明の反射防止フィルムは簡易な工程により高効率で製造することが可能である。
このようなことから本発明によれば、簡易な工程で高効率で製造することが可能であり、カールが抑制され、かつ優れた密着力を有する反射防止フィルムを得ることができる。
本発明においては、上記硬化性樹脂の体積収縮率が2%〜20%の範囲内であることが好ましい。これにより、本発明の反射防止フィルムのカールをより一層抑制することが可能になるからである。
また本発明の反射防止フィルムは、上記光透過性基板と、上記反射防止層との間に機能層が形成されているものであってもよい。
さらに本発明の反射防止フィルムは、上記光透過性基板の上記反射防止層が形成された面とは反対面上に、粘着剤からなる粘着層が形成されていてもよい。このような粘着剤が形成されていることにより、例えば、本発明の反射防止フィルムを表示装置に用いる場合に、他の部材と本発明の反射防止フィルムとを貼り合わせることが容易になるからである。
本発明は、偏光子と、上記偏光子の少なくとも一面に貼り合わされた反射防止フィルムとを有する偏光板であって、上記反射防止フィルムが上記本発明に係る反射防止フィルムであることを特徴とする偏光板を提供する。
本発明によれば、上記反射防止フィルムとして上記本発明に係る反射防止フィルムが用いられていることにより、カールが抑制され、かつ可視光領域の広範囲に渡って光反射を防止できる反射防機能を有する偏光板を得ることができる。
また本発明は、上記本発明に係る反射防止フィルムが用いられたことを特徴とする表示装置、および上記本発明に係る偏光板が用いられたことを特徴とする表示装置を提供する。
本発明の表示装置は、上記本発明に係る反射防止フィルム、あるいは上記本発明に係る偏光板が用いられていることにより、表示面に照射される可視光の反射を広い波長領域に渡って防止できる。このため、本発明によれば映像の視認特性に優れた表示装置を得ることができる。
本発明の反射防止フィルムは、簡易な工程で高効率で製造することが可能であり、カールが抑制され、かつ反射防止層と光透過性基板との密着力に優れるという効果を奏する。
本発明の反射防止フィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明における反射防止層の一例を示す概略図である。 本発明におけるモスアイ構造部を特定するパラメーターを説明する概略図である。 本発明の反射防止フィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明の反射防止フィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明の偏光板の一例を示す概略断面図である。 本発明の偏光板の他の例を示す概略断面図である。
本発明は、反射防止フィルム、偏光板、および表示装置に関するものである。以下、これらの各発明について順に説明する。
A.反射防止フィルム
まず、本発明の反射防止フィルムについて説明する。上述したように本発明の反射防止フィルムは、光透過性基板と、上記光透過性基板上に形成され、硬化性樹脂からなり、かつ表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された凹凸形状を有する反射防止層とを有するものであり、上記反射防止層が上記基板上に形成された基底部と、上記基底部上に形成され、上記凹凸形状からなるモスアイ構造部とを有するものであり、かつ上記基底部の厚みが70μm以下の範囲内であることを特徴とするものである。
このような本発明の反射防止フィルムについて図を参照しながら説明する。図1は本発明の反射防止フィルムについて、その一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明の反射防止フィルム10は、光透過性基板1と、上記光透過性基板1上に形成され、硬化性樹脂からなり、かつ表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された凹凸形状を有する反射防止層2とを有するものである。
このような例において、本発明の反射防止フィルム10は上記反射防止層2が、上記光透過性基板1上に形成された基底部2aと、上記基底部2a上に形成され、上記凹凸形状からなるモスアイ構造部2bとを有するものであり、かつ上記基底部2aの厚みが70μm以下の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記反射防止層の基底部の厚みが上記範囲内であることにより、反射防止層と光透過性基板との密着力を損なうことなく、本発明の反射防止フィルムにカールが生じることを防止することができる。したがって、本発明によれば反射防止層と光透過性基板との密着力、およびカール抑制の両立が図られた反射防止フィルムを得ることができる。
また本発明の反射防止フィルムは、光透過性基板と反射防止層とが積層された構成を有することにより、スタンパを用いて反射防止層の表面に連続的にモスアイ構造を賦型する方法によって製造することが可能になる。このため、本発明の反射防止フィルムは簡易な工程により高効率で製造することが可能である。
このようなことから本発明によれば、簡易な工程で、かつ高効率で製造することが可能であり、カールが抑制され、かつ優れた密着力を有する反射防止フィルムを得ることができる。
本発明の反射防止フィルムは、少なくとも光透過性基板と、反射防止層とを有するものであり、必要に応じて他の任意の構成を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.反射防止層
まず、本発明における反射防止層について説明する。本発明における反射防止層は、後述する光透過性基板上に形成され、本発明の反射防止フィルムに所望の反射防止機能を付与するものである。また、本発明における反射防止層は、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された凹凸形状(以下、「モスアイ構造」と称する場合がある。)を有するものである。そして、本発明に用いられる反射防止層は、上記基底部と、上記凹凸形状からなるモスアイ構造部とからなり、当該基底部の厚みが70μm以下の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明に用いられる反射防止層は、基底部の厚みが70μm以下の範囲内であることにより、カール抑制、および反射防止層と光透過性基板との密着力の両立を図ることができるものである。ここで、本発明において基底部の厚みを上記のように規定することにより、カール抑制、および反射防止層と光透過性基板との密着力の両立を図ることができるのは、反射防止層に用いられる硬化性樹脂は、硬化により収縮応力を生じるものであるところ、上記基底部の厚みが上記範囲よりも厚いと、反射防止層の収縮応力が上記光透過性基板のそれと比較して、著しく大きくなってしまい、本発明の反射防止フィルムが反射防止層側にカールしてしまうことを所望の程度に抑制することができないからである。
本発明に用いられる反射防止層における基底部の厚みは、上述した範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも0.5μm〜70μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜50μmの範囲内であることがより好ましく、2μm〜30μmの範囲内であることがさらに好ましい。基底部の厚みが上記範囲内であることにより、反射防止層の収縮応力の程度をより低減することができる結果、後述する光透過性基板等の種類に関わらず、本発明の反射防止フィルムにカールが生じることを防止することが可能になるからである。
本発明に用いられるモスアイ構造部は、凹凸形状からなるものである。本発明におけるモスアイ構造部を構成する凹凸形状としては、可視光領域の波長以下の周期で形成されたものであれば特に限定されるものではなく、本発明の反射防止フィルムの用途等に応じて、任意の形状を選択して用いることができる。なかでも本発明における凹凸形状は、円錐、四角錐等の錐形の構造物が周期的に形成されたものであることが好ましい。
ここで、上記凹凸形状として錐形の構造物が周期的に形成されたものが用いられる場合、当該錐形の構造物としては、頂部が平坦に形成されたものであってもよく、あるいは、頂部が鋭角に形成されたものであってもよい。ここで、上記凹凸形状として錐形の構造物が周期的に形成される場合について図を参照しながら説明する。図2は、本発明におけるモスアイ構造部を構成する凹凸形状の一例を示す概略図である。図2に例示するように、上記凹凸形状として錐形の構造物を周期的に形成されたものが用いられる場合、上記錐形の構造物としては、頂部が平坦に形成されたものであってもよく(図2(a))、あるいは、頂部が鋭角に形成されたものであってもよい(図2(b))。
本発明におけるモスアイ構造部を構成する凹凸形状として、錐形の構造物が周期的に形成されたものが用いられる場合、本発明の反射防止フィルムが備える反射防止機能は、主として当該錐形の構造物が形成された周期、高さ、間隔に依存することになる。
なお、錐形の構造物が形成された周期、高さ、および間隔は、それぞれ図3におけるP、Q、およびRで表される距離を指すものである。
上記錐形の構造物の周期は、可視光領域の波長以下であれば特に限定されるものではなく、本発明の反射防止フィルムの用途等に応じて適宜決定することができる。ここで、上記周期は、本発明に用いられる反射防止層の反射率の波長依存性に影響を及ぼすものであり、その周期が長くなるほど可視光領域の短波長側の光に対する反射率が増加する傾向にある。一方、周期が200nm以下においては、周期の変動に伴う反射率の波長依存性の変化は少なくなるものである。このようなことから、本発明における上記周期は、10nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、30nm〜300nmの範囲内であることがより好ましく、50nm〜200nmの範囲内であることがさらに好ましい。錐形の構造物が形成された周期が上記範囲よりも短いと、個々の構造物の形状が極微小になることから、高精度で構造物を形成することが困難になる場合があるからである。また、周期が上記範囲よりも長いと、本発明における反射防止層の短波長側の光に対する反射防止機能が不十分になってしまう場合があるからである。
上記錐形の構造物の高さについても、本発明における反射防止層に所望の反射防止機能を付与できる範囲内で適宜調整することができるものであり、特に限定されるものではない。ここで、上記高さが高い程、反射防止層の反射率を低くすることができ、一方、低くなると長波長側の反射率が増加する傾向にある。このようなことから、本発明における上記錐形の構造物の高さは、100nm〜600nmの範囲内であることが好ましく、150nm〜400nmの範囲内であることがより好ましく、200nm〜300nmの範囲内であることがさらに好ましい。構造物の高さが上記範囲よりも高いと、個々の構造物が損壊しやすくなってしまう場合があり、また高さが上記範囲よりも低いと、本発明における反射防止層の長波長側の光に対する反射防止機能が不十分になってしまう場合があるからである。
また上記錐形の構造物が形成された間隔は、広くなるほど可視光の全波長領域において反射率が増加する傾向にあり、狭くなるほど可視光の全波長領域において反射率が低下する傾向にある。このようなことから、本発明における上記錐形の構造物が形成された間隔は、本発明における反射防止層に所望の反射防止機能を付与できる範囲内で適宜調整することができるものであり、特に限定されるものではない。
なお、本発明における上記間隔はすべての構造物において均一ではない場合があるが、その場合における上記距離は、単位面積あたりに形成された構造物間の間隔の平均値を指すものとする。
本発明に用いられる反射防止層は硬化性樹脂からなるものであるところ、本発明に用いられる硬化性樹脂としては、所望の形状を有するモスアイ構造部を形成できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる硬化性樹脂は体積収縮率が2%〜20%の範囲内であることが好ましく、2%〜15%の範囲内であることがより好ましく、2%〜10%の範囲内であることがさらに好ましい。これにより、本発明の反射防止フィルムのカールをより一層抑制することが可能になるからである。
ここで、上記体積収縮率は、上記硬化性樹脂の硬化前と硬化後における体積から算出されるものであり、例えば、硬化前の硬化性組成物の密度と硬化後の硬化性組成物の密度を求め、その値から下記の式に従って求めることができる。
体積収縮率={1−(硬化前密度/硬化後密度)}×100(%)
また、本発明に用いられる反射防止層の反射防止機能は、反射防止層に用いられる硬化性樹脂の屈折率、および後述する光透過性基板の屈折率にも依存するものである。すなわち、反射防止層に用いられる硬化性樹脂の屈折率と、光透過性基板の屈折率との差が小さいほど、屈折率の不連続性を是正することができるため、反射防止層の反射防止機能を向上させることができるものである。このような観点から、本発明に用いられる硬化性樹脂の屈折率と、後述する光透過性基板の屈折率との差は、0〜0.05の範囲内であることが好ましく、0〜0.03の範囲内であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。なお、硬化性樹脂の具体的な屈折率の値は、後述する光透過性基板との関係で決定されるものであり、特に好ましい値が特定されるものではないが、通常、1.30〜1.70の範囲内とされる。
本発明に用いられる硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂を挙げることができ、本発明においてはこれらのいずれの硬化性樹脂であっても好適に用いることができる。なかでも本発明においては上記硬化性樹脂として光硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂を用いたプロセスよりも光硬化性樹脂を用いたプロセスの方が硬化時間が短く、高スループットなためである。
本発明に用いられる光硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、スチロール樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、セルロース樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレン−イソプレンゴム等を挙げることができる。本発明においてはこれらの光硬化性樹脂の中から、後述する光透過性基板の屈折率と近い屈折率を有する樹脂を適宜選択して用いることができる。
2.光透過性基板
次に、本発明に用いられる光透過性基板について説明する。本発明に用いられる光透過性基板は、上述した反射防止層を支持するものであり、上記反射防止層と相まって本発明の反射防止フィルムに所望の反射防止機能を付与するものである。
本発明に用いられる光透過性基板は、可視光に対する透過性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、なかでも可視光の全波長範囲に対する光の透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
ここで、上記光透過率は、例えば、株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計、U−4100により測定することができる。
本発明に用いられる光透過性基板は、屈折率が上記反射防止層に用いられる硬化性樹脂の屈折率と同程度であることが好ましい。これにより、本発明の反射防止フィルムにおいて、反射防止層と光透過性基板との界面に、屈折率の不連続界面が形成され、当該不連続界面において光が反射されることにより、本発明の反射防止フィルムの反射防止機能が損なわれることを防止することができるからである。なかでも本発明に用いられる光透過性基板は、当該光透過性基板の屈折率と、上記硬化性樹脂の屈折率との差が0〜0.05の範囲内であることが好ましく、0〜0.03の範囲内であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。
なお、本発明に用いられる光透過性基板の屈折率の値は、上述した硬化性樹脂の屈折率との関係において決定されるものであるから特に好ましい値はないが、通常、1.30〜1.70の範囲内とされる。
本発明に用いられる光透過性基板を構成する材料としては、上述した光透過性を示し、かつ所望の屈折率を有する光透過性基板を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。本発明において光透過性基板に用いられる材料としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等があるが、例えば、日本ゼオン株式会社製の製品名「ゼオノア」、JSR株式会社製の「アートン」等がある)等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、或いは、ガラス(セラミックスを含む)等を挙げることができる。
3.反射防止フィルム
本発明の反射防止フィルムは、少なくとも上記反射防止層と上記光透過性基板とを有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成が用いられていてもよい。本発明に用いられる任意の構成は特に限定されるものではなく、本発明の反射防止フィルムの用途等に応じて、所望の機能を付与することができる構成を適宜選択して用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる任意の構成としては、上記反射防止層と、上記光透過性基板との間に形成されるハードコート層、帯電防止層等の機能層、および上記光透過性基板の上記反射防止層が形成された面とは反対面上に形成される粘着層を挙げることができる。さらに、反射防止層の表面に形成される保護層を用いることもできる。
ここで、上記機能層としてハードコート層が形成されていることにより、本発明の反射防止フィルムの硬度を向上させることができることから、本発明の反射防止フィルムを表示装置に用いた場合に、本発明の反射防止フィルムを保護フィルムとして用いることも可能になるという利点がある。
一方、上記粘着層が形成されていることにより、例えば、本発明の反射防止フィルムを表示装置に用いる場合に、本発明の反射防止フィルムを他の部材に貼り合わせることが容易になるという利点がある。
本発明の反射防止フィルムが上記ハードコート層を有する場合について図を参照しながら説明する。図4は本発明の反射防止フィルムがハードコート層を有する場合の一例を示す概略断面図である。図4に例示するように、本発明の反射防止フィルム10は、反射防止層2と光透過性基板1との間にハードコート層3が形成されていてもよい。
本発明に用いられるハードコート層としては、所望の硬度を有するものであれば特に限定されるものではない。このようなハードコート層を構成する材料としては、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、本発明に用いられるハードコート層の厚みは、上述したハードコート層に用いられる材料の種類に応じて、ハードコート層に所望の硬度を付与することができる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられるハードコート層の厚みは、1μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、3μm〜20μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜15μmの範囲内であることがさらに好ましい。ハードコート層の厚みが上記範囲よりも厚いと、ハードコート層を構成する材料の種類によっては本発明の反射防止フィルムにカールが生じてしまう場合があるからである。一方、上記厚みが上記範囲よりも薄いと、ハードコート層を構成する材料によっては、ハードコート層の硬度を所望の程度にすることが困難になる場合があるからである。
さらに、本発明に用いられるハードコート層は、屈折率が上記反射防止層の屈折率および上記光透過性基板の屈折率と同程度であることが好ましい。これにより、本発明の反射防止フィルムにおいて反射防止層とハードコート層との境界、およびハードコート層と光透過性基板との境界において屈折率の不連続界面が形成されることを防止できるため、これらの境界において光が反射されることに起因して、本発明の反射防止フィルムの反射防止機能が損なわれることを防止できるからである。なかでも本発明に用いられるハードコート層の屈折率と、上記反射防止層および上記光透過性基板との屈折率の差は0〜0.05の範囲内であることが好ましく、0〜0.03の範囲内であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。
次に、本発明の反射防止フィルムに上記粘着層が用いられている場合について図を参照しながら説明する。図5は本発明の反射防止フィルムに粘着層が用いられている場合の一例を示す概略断面図である。図5に例示するように、本発明の反射防止フィルム10は、光透過性基板1の、上記反射防止層2が形成された面とは反対面上に粘着層4が形成されたものであってもよい。
本発明に用いられる粘着層は、本発明の反射防止フィルムの用途に応じて所望の粘着剤からなるものであれば特に限定されるものではない。上記粘着層に用いられる粘着剤としては、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーを挙げることができる。
また、本発明に用いられる粘着層の厚みは、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜50μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜25μmの範囲内であることがさらに好ましいが、特に限定されるものではない。
4.反射防止フィルムの製造方法
次に、本発明の反射防止フィルムの製造方法について説明する。本発明の反射防止フィルムは、いわゆるモスアイ型の反射防止フィルムを製造する方法として一般的に公知の方法を用いて製造することができる。なかでも本発明の反射防止フィルムの製造方法としては、本発明における反射防止層のモスアイ構造部を形成することが可能な形状を有する金型を用い、当該金型に硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を充填する工程と、当該金型に充填された硬化性樹脂組成物上に光透過性基板を配置する工程と、上記硬化性樹脂組成物と上記光透過性基板とが接した状態で上記硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、硬化された硬化性樹脂組成物から上記金型を剥離する工程とを有する製造方法、および上記光透過性基板を用い、当該光透過性基板上に硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を塗工することにより、硬化性樹脂組成物からなる膜を形成する工程と、本発明における反射防止層のモスアイ構造部を形成することが可能な形状を有する金型を用い、上記硬化性樹脂組成物からなる膜にモスアイ構造を賦型する工程と、上記硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、上記金型を剥離する工程とを有する製造方法が好適に用いられる。ここで、上記硬化性樹脂組成物は硬化されることによって、本発明における反射防止層となる。
B.偏光板
次に、本発明の偏光板について説明する。上述したように本発明の偏光板は、偏光子と、上記偏光子の少なくとも一面に貼り合わされた反射防止フィルムとを有するものであって、上記反射防止フィルムが上記本発明に係る反射防止フィルムであることを特徴とするものである。
このような本発明の偏光板について図を参照しながら説明する。図6は本発明の偏光板について説明する概略断面図である。図6に例示するように本発明の偏光板20は、偏光子21と、上記偏光子21の一面に貼り合わされた反射防止フィルム10とを有するものである。
このような例において、本発明の偏光板20は、上記反射防止フィルム10として上記本発明に係る反射防止フィルムが用いられていることを特徴とするものである。
なお、図6に例示するように本発明の偏光板20は、上記偏光子21の上記反射防止フィルム10が貼り合わされた面とは反対側の面上に偏光板保護フィルム22が貼り合わされたものであってもよい。
本発明によれば、上記反射防止フィルムとして上記本発明に係る反射防止フィルムが用いられていることにより、カールが抑制され、かつ可視光領域の広範囲に渡って光反射を防止できる反射防機能を有する偏光板を得ることができる。
本発明の偏光板は、少なくとも反射防止フィルムと、偏光子とが用いられたものであり、必要に応じて他の任意の構成が用いられてもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.反射防止フィルム
本発明に用いられる反射防止フィルムは、上記本発明に係る反射防止フィルムである。そして、本発明の偏光板は、このような反射防止フィルムが用いられていることにより、カールが抑制され、かつ反射防止層と光透過性基板との密着力を保持することができるものである。
ここで、本発明に用いられる反射防止フィルムについては、上記「A.反射防止フィルム」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.偏光子
次に、本発明に用いられる偏光子について説明する。本発明に用いられる偏光子は、本発明の偏光板に所望の偏光特性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置の偏光板に用いられる偏光子を特に制限なく用いることができる。このような偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールからなるフィルムにヨウ素を含浸させ、これを一軸延伸することによってポリビニルアルコールとヨウ素との錯体を形成させたものを挙げることができる。
3.偏光板
本発明の偏光板は、上記偏光子の少なくとも一面に反射防止フィルムが貼り合わされた構成を有するものである。したがって、本発明の偏光板としては偏光子の一方の面のみに反射防止フィルムが貼り合わされたものであってもよく、あるいは偏光子の両面に反射防止フィルムが貼り合わされたものであってもよい。
図7は、本発明の偏光板において偏光子に反射防止フィルムが貼り合わされた態様について説明する概略断面図である。図7に例示するように、本発明の偏光板20においては反射防止フィルム10が、偏光子21の一方の面のみに貼り合わされたものであってもよく(図7(a))、あるいは、偏光子21の両面に反射防止フィルム10が貼り合わされたものであってもよい(図7(b))。ここで、図7(a)に例示するように、本発明の偏光板20において、反射防止フィルム10が偏光子21の一方の面のみに貼り合わされている場合は、他方の面には偏光板保護フィルム22が貼り合わされていることが好ましい。
さらに、本発明の偏光板20においては、図7に例示するように、反射防止フィルム10として、表面に保護層5が形成されたものが用いられてもよい。
また、上記偏光子に上記反射防止フィルムが貼り合わされた態様としては、上記偏光子に上記反射防止フィルムが直接貼り合わされた態様であってもよく、あるいは、上記偏光子に帯電防止層等の他の任意の層を介して貼り合わされた態様であってもよい。
上述したように、本発明の偏光板には偏光板保護フィルムが用いられていることが好ましい場合があるが、本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、本発明の偏光板において偏光子が空気中の水分等に曝されることを防止する機能や、偏光子の寸法変化を防止する機能等を有するものである。
本発明に用いられる偏光板保護フィルムを構成する材料としては、例えば、セルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類等を挙げることができる。なかでも本発明においては、上記セルロース誘導体またはシクロオレフィン系樹脂からなる偏光板保護フィルムが用いられることが好ましい。
上記セルロース誘導体としては、偏光板保護フィルムに、本発明の偏光板において後述する偏光子が空気中の水分等に曝されることを防止する機能と、偏光子の寸法変化を防止する機能とを有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記セルロース誘導体として、平均酢化度が57.5%〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。
一方、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂からなる偏光板保護フィルムの具体例としては、例えば、Ticona社製 Topas、ジェイエスアール社製 アートン、日本ゼオン社製 ZEONOR、日本ゼオン社製 ZEONEX、三井化学社製 アペル等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる偏光板保護フィルムの厚みは、本発明の偏光板の可撓性を所望の範囲内にすることができ、かつ、偏光子と貼り合わせることにより、偏光子の寸法変化を所定の範囲内にできる範囲であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる偏光板保護フィルムの厚みは、5μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、特に15μm〜150μmの範囲内であることが好ましく、さらに30μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記の範囲よりも薄いと、本発明の偏光板の寸法変化が大きくなってしまう場合があるからである。また、厚みが上記の範囲よりも厚いと、例えば、本発明の偏光板を裁断加工する際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があるからである。
本発明に用いられる偏光板保護フィルムは、位相差性を有するものであってもよい。位相差性を有する偏光板保護フィルムを用いることにより、本発明の偏光板を液晶表示装置の視野角補償機能を有するものにできるという利点がある。
C.表示装置
次に、本発明の表示装置について説明する。上述したように本発明の表示装置は、上記本発明に係る反射防止フィルム、あるいは上記本発明に係る偏光板が用いられたことを特徴とするものである。本発明の表示装置は、上記本発明に係る反射防止フィルム、あるいは上記本発明に係る偏光板が用いられていることにより、表示面に照射される可視光の反射を広い波長領域に渡って防止できる。このため、本発明によれば映像の視認特性に優れた表示装置を得ることができる。
本発明の表示装置において上記反射防止フィルムが用いられている態様としては、本発明の表示装置の表示方式等に応じて適宜選択することができる。したがって、反射防止フィルムが用いられる態様としては、本発明の表示装置の最表面に配置される態様であってもよく、あるいは本発明の表示装置の内部に配置される態様であってもよい。
本発明の表示装置としては、例えば、陰極線管表示装置(CRT)、プラズマ表示装置(PDP)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、および液晶表示装置(LCD)等を挙げることができるが、上記反射防止フィルムはこれらのいずれの表示装置においても用いることが可能である。
ここで、上記反射防止フィルムが用いられた本発明の表示装置については、上記本発明に係る反射防止フィルムが用いられていること以外は、一般的に公知の表示装置と同様であるため、ここでの説明は省略する。
一方、本発明の表示装置が、上記本発明に係る偏光板が用いられたものである場合、本発明の表示装置の種類は偏光板が用いられるものに限られる。このため、上記本発明に係る偏光板が用いられた表示装置は、通常、液晶表示装置とされる。
ここで、上記偏光板が用いられた本発明の表示装置については、従来の偏光板に替えて、上記本発明に係る偏光板が用いられていること以外は、一般的に公知の表示装置と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明の表示装置に用いられる反射防止フィルムおよび偏光板は、それぞれ上記「A.反射防止フィルム」および「B.偏光板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
光透過性基板として厚み50μmのPETフィルム(東レ、銘柄:U34)を用い、その一方の面に、モスアイ金型を用い下記の樹脂組成物1を、賦型方法1で賦型し、反射防止フィルムを得た。この時のモスアイ構造部を除いた部分(基底部)の厚みは5μmであった。
<樹脂組成物1>
UV硬化性樹脂(A)
・ODA−N(ダイセル・サイテック株式会社、粘度 3mPa.s(25℃) 2官能 体積収縮率8.3% ) 100.0重量部
・光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製 商品名 イルガキュア184)
3.6重量部
<賦型方法1>
上記組成の樹脂組成物1を、ラミネーター(MAII−550 大成ラミネーター株式会社)用いてラミネートし、紫外線照射装置(フュ−ジョンUVシステムズ社製)を用いて積算光量1000mJ/cmにて硬化させ、その後、金型を反射防止層から剥離することで、光透過性基材/反射防止層からなる積層フィルムを得た。
[実施例2]
モスアイ層のモスアイ構造部を除いた部分(基底部)の厚みを2μmとした以外は実施例1と同様に反射防止フィルムを作製した。
[実施例3]
モスアイ層のモスアイ構造部を除いた部分(基底部)の厚みを50μmとした以外は実施例1と同様に反射防止フィルムを作製した。
[実施例4]
樹脂組成物に配合するUV硬化性樹脂(A)としてODA−Nの代わりにβ―CEA(ダイセル・サイテック株式会社 粘度 75mPa.s(25℃)単官能 体積収縮率 4.2%)を用いた以外は実施例1と同様に反射防止フィルムを作製した。
[実施例5]
樹脂組成物に配合するUV硬化性樹脂(A)としてODA−Nの代わりにHDDA(ダイセル・サイテック株式会社 粘度 6.5mPa.s(25℃)2官能 体積収縮率 19.0%)を用いた以外は実施例1と同様に反射防止フィルムを作製した。
[比較例1]
モスアイ層のモスアイ構造部を除いた部分(基底部)の厚みを90μmとした以外は実施例1と同様に反射防止フィルムを作製した。
[比較例2]
モスアイ層のモスアイ構造部を除いた部分の厚みを0μmとした以外は実施例1と同様に反射防止フィルムを作製した。
[参考例]
樹脂組成物に配合するUV硬化性樹脂(A)としてODA−Nの代わりにTMPTA(ダイセル・サイテック株式会社 粘度 100mPa.s(25℃)3官能 体積収縮率 25.1%)を用いた以外は実施例1と同様に反射防止フィルムを作製した。
[評価]
実施例1〜5、比較例1〜2で作製したモスアイフィルムについて、下記の手段に従って評価を行った。結果を表1に記す。
・カール:10×10cmサイズのサンプルについて4隅の高さを測定し、その平均値をカール高さとした。10mm未満を「特に良好」。10mm以上30mm未満を「良好」、30mm以上を「不良」とした。
・干渉縞:サンプルを黒アクリル(スミペックスE960)に貼り付け、干渉縞を目視で確認した。干渉縞が確認されないものを○、干渉縞が確認されるものを×とした。
表1に示されるように。実施例1〜5から、本発明によりカールの良好、かつ剥離性も良好なモスアイフィルムを得ることができた。
・密着力:ニチバンセロテープ(登録商標)を用い、1mm角碁盤目剥離試験を行った。100マス中モスアイが剥がれたマスが10マス以上の場合を×とした。
表1に示されるように。実施例1〜5から、本発明によりカールの良好、かつ密着力も良好なモスアイフィルムを得ることができた。
Figure 2011033892
1 … 光透過性基板
2 … 反射防止層
2a … 基底部
2b … モスアイ構造部
3 … ハードコート層
4 … 粘着層
20 … 偏光板
21 … 偏光子
22 … 偏光板保護フィルム

Claims (7)

  1. 光透過性基板と、前記光透過性基板上に形成され、硬化性樹脂からなり、かつ表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された凹凸形状を有する反射防止層と、を有する反射防止フィルムであって、
    前記反射防止層が、前記光透過性基板上に形成された基底部と、前記基底部上に形成され、前記凹凸形状からなるモスアイ構造部とを有するものであり、かつ前記基底部の厚みが70μm以下の範囲内であることを特徴とする、反射防止フィルム。
  2. 前記硬化性樹脂の体積収縮率が2%〜20%の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記光透過性基板と、前記反射防止層との間に機能層が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記光透過性基板の前記反射防止層が形成された面とは反対面上に、粘着剤からなる粘着層が形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の反射防止フィルム。
  5. 偏光子と、前記偏光子の少なくとも一面に貼り合わされた反射防止フィルムとを有する偏光板であって、
    前記反射防止フィルムが、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の反射防止フィルムであることを特徴とする偏光板。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の反射防止フィルムが用いられたことを特徴とする、表示装置。
  7. 請求項5に記載の偏光板が用いられたことを特徴とする、表示装置。
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