JP2003081619A - カーボン微粒子の製造装置 - Google Patents
カーボン微粒子の製造装置Info
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Abstract
またはカーボンナノカプセルなどのカーボン微粒子を製
造すること。 【解決手段】 反応槽2内に、CH4をH2で希釈した原
料ガスを供給し、反応槽2の上部にはスロットアンテナ
12を配置し、2.45GHzのマイクロ波を供給し、
反応槽内にグロー放電プラズマ31を形成する。スロッ
トアンテナ12の下方には、凹所を有する捕集電極18
を配置する。捕集電極18には、13.56MHzの高
周波電力または直流電力を印加する。製造されたカーボ
ン微粒子は、凹所32内に捕捉される。
Description
たとえばカーボンナノチューブやカーボンナノカプセル
などの炭素六員環のネットワークで構成された微粒子を
製造するための装置、製造方法、記録媒体に関する。
して、ここ十数年の間に発見されたC60フラーレンやカ
ーボンナノチューブが挙げられる。また、カーボンナノ
カプセルと呼ばれる内部に金属超微粒子を閉じ込めた小
さなグラファイト容器もある。こうした材料単体は、1
nm前後から数十nmの直径を有し、アーク放電法、レ
ーザ蒸発法、熱分解法などで製造されている。
放電を起こして炭素原子を蒸発させ気相中で反応や凝集
によって再び固体となるか、電極の先端に堆積すること
でカーボン微粒子が生成される。レーザ蒸発法では、加
熱した炭素棒にパルスレーザを照射し瞬時に炭素を蒸発
させて微粒子を生成する。熱分解法では、上記のベンゼ
ンを蒸気の触媒金属とともに高温の反応空間に輸送し、
そこでカーボン微粒子を生成する。こうしたカーボン微
粒子の中に、上で述べたフラーレンやナノチューブなど
が含まれている。
炭素原子の滞留時間は数秒以下であり、そのため材料単
体やそれが集合した微粒子のサイズには制限がある。
0.1μm以上の大きさのナノカプセル単体や1μmを
超える長さの単層カーボンナノチューブの集合から成る
微粒子は、これまで作製されていない。また、反応時間
が短いため、空間中で反応過程を制御することは困難で
ある。たとえば長いカーボンナノチューブを製造するこ
とができれば、それを軸線方向に分断することによっ
て、希望する長さを有するカーボンナノチューブを大量
に生産することが容易になる。また比較的長いカーボン
ナノチューブを利用して合成樹脂を繊維強化することが
でき、さらにこのような比較的長いカーボンナノチュー
ブを用いて半導体集積回路などの配線を行うことが可能
になる。
持力Hcを有する一軸磁気異方性を有しており、このC
oの微粒子が酸化することを防ぐために、カーボンナノ
カプセルに内包することが考えられるが、このようなh
cp構造を有するCo微粒子は、それよりも磁気特性が
劣ったfcc構造を有するCo微粒子に比べて、大形で
ある。したがって先行技術では、このようなhcp構造
を有するCo微粒子を、カーボンナノカプセルで被覆す
ることができない。したがって従来では、さらに大きい
カーボンナノチューブおよびカーボンナノカプセルの実
現が要求されている。
ボンナノチューブを長くすることができ、またカーボン
ナノカプセルの外径を大きくすることができるようにし
たカーボン微粒子の製造装置および製造方法を提供する
ことである。
大きい一軸磁気異方性をもったhcp構造を有するCo
微粒子を内包したカーボンナノカプセルを実現し、その
カーボンナノカプセルを有する磁気テープまたは磁気デ
ィスクなどの記録媒体を提供することである。
は、反応槽と、反応槽内に炭素原子を含む原料ガスを供
給する原料ガス供給源と、反応槽内にマイクロ波を供給
してグロー放電プラズマを発生するマイクロ波発生源
と、反応槽内に設けられ、製造されたカーボン微粒子を
捕集する捕集電極とを含むことを特徴とするカーボン微
粒子の製造装置である。
時間閉じ込めて、新しい材料を作製すること、また大き
なサイズのものを得ることができるようなる。このた
め、アーク放電よりも穏やかなグロー放電プラズマを利
用して、反応性気体のプラズマ分解により炭素系ラジカ
ルを生成し、気相中での反応によりフラーレンやナノチ
ューブ、ナノカプセルなどを発生する。また反応過程の
制御により、新しい材料の作製を行う。さらに、これら
の成長によりやや大きくなった微粒子がプラズマ中で負
に帯電する性質を利用して、プラズマ空間中に長時間閉
じ込め、さらに、外径、長さが大きな微粒子へと成長さ
せる。
含む原料ガスが供給される。この原料ガスは、マイクロ
波のエネルギで中性分子から電子が剥ぎ取られて電子と
イオンで構成されるプラズマの状態となる。しかし、こ
うしたプラズマ中では電離度は1%以下であり、ほとん
どが電気的に中性のままで存在する。解離に必要なエネ
ルギは、イオン化に必要なエネルギより低いので、中性
分子に、イオン化するにはエネルギが小さいが解離させ
るには充分のエネルギを有する高速電子が衝突すると、
中性分子はラジカルに変化する。こうしたラジカル同士
あるいはラジカルと分子との衝突・反応により大きな分
子が形成される。こうした過程を経て、巨大分子である
カーボンナノチューブやカーボンナノカプセルが成長す
る。
セルなどの微粒子は、大きくなると負に帯電してプラズ
マ中に閉じ込められるが、プラズマが大きい場合、反応
槽全体に広がってその捕集が困難となる。そのため、反
応槽内には捕集電極が設置される。こうしてカーボン微
粒子が散逸することなく、カーボン微粒子を捕捉するこ
とが容易になる。
生する高周波電源または直流電源が接続され、反応槽内
のマイクロ波が供給される位置よりも下方に、捕集電極
が配置され、捕集電極には、プラズマ側に臨む凹所が形
成され、この凹所付近に、プラズマの高密度領域が形成
されることを特徴とする。
であることを特徴とする。本発明に従えば、マイクロ波
発生手段によって反応槽に供給されるマイクロ波を、パ
ルス状とし、これによってマイクロ波供給口付近への膜
の堆積を抑制、防止し、長時間、マイクロ波を反応槽内
に導入することができるようになる。本件発明者の実験
によれば、石英などから成る窓板への膜堆積防止のため
には、上述のようにマイクロ波をパルス状とすることが
重要であることが判った。この理由は、本件発明者によ
れば、プラズマをオン/オフするときに高速のイオンを
発生し、それが窓板をスパッタリングして膜を剥がして
いると、推測される。この場合、当然、膜の堆積量とマ
イクロ波の印加時間の総和とは、比例しない。窓板にカ
ーボン膜が堆積すると、その膜がマイクロ波を吸収し、
反応槽内にはマイクロ波が伝搬していかなくなる。本発
明はこの問題を解決し、長時間の運転を可能にする。
クロ波よりも低い周波数を有する高周波電力が供給され
る。これによって電極である微粒子捕集部には高周波に
よるバイアスが印加され、電極シースの電界強度が大き
くなると同時に電極シース付近のプラズマ密度が大きく
なる。これにより、微粒子が散逸していくことを防ぐこ
とができ、捕集電極付近に微粒子を捕捉しやすくなる。
ズマ密度は、大きいので、高周波印加のみでは、微粒子
捕集部付近に微粒子を長時間捕捉することができない場
合がある。そこで、さらに微粒子捕集部のプラズマに対
向する面に凹所を設け、高周波ホローカソード放電を発
生させる。したがって高密度となったプラズマが、凹所
の中まで入り込み、その中に微粒子を長時間捕捉する。
このような方法で、たとえば5分間以上、微粒子を微粒
子捕集部の凹所の中に捕捉し、さらに放電停止後、その
底に置いた基板上に成長した微粒子を捕集することがで
きる。なお、微粒子を大量に捕捉するために捕集電極の
凹所を複数設けてもよい。
てもまた、上述と同様な作用、効果が得られる。
要に応じて、有機金属塊を配置することを特徴とする。
5H5)2またはコバルセンなどの有機金属塊を、プラズ
マ中に配置することによって、その有機金属塊が蒸発、
分解されて、たとえばFeまたはCoなどの金属微粒子
を内包したカーボンナノカプセルを製造することができ
る。本発明の実施の他の形態では、有機金属塊をプラズ
マ中に配置する代わりに、原料ガスに金属から成る微粒
子を混合して反応槽に供給するようにしてもよい。
れるグロー放電プラズマに、炭素を含む原料ガスを供給
して分解し、長さ1μm以上を有するカーボンナノチュ
ーブまたは外径100nmφ以上を有するカーボンナノ
カプセルを製造することを特徴とするカーボン微粒子の
製造方法である。
を供給することによって、前記金属の微粒子を内包した
カーボンナノカプセルを製造することを特徴とする。
が大きいカーボンナノチューブおよびカーボンナノカプ
セルなどのカーボン微粒子を製造することができるよう
になる。
子のカプセル化が可能になる。また本発明は、前記金属
が、Coであり、hcp構造を有するCo微粒子を内包
した前記製造方法によって製造されたカーボンナノカプ
セルを有することを特徴とする記録媒体である。
造を有するCo微粒子を内包したカーボンナノカプセル
を実現し、このようなカーボンナノカプセルを、可撓性
合成樹脂製テープに接着などによって固定し、または円
板状ディスクに接着などによって固定し、またはさらに
そのほかの構成によって、記録媒体を実現することがで
きる。
相堆積(CVD)法によって金属製基板上にカーボンナ
ノチューブを成長させる方法があるが、この先行技術で
は、カーボンナノチューブが基板上にしか成長しないの
で大量生産には不向きである。本発明では、プラズマ空
間中でカーボンナノチューブを成長させるので、成長し
た微粒子を捕集電極の凹所に溜め込みながら、連続的に
大量に生産することができる。本発明の微粒子の材料ガ
スは、カーボンを含む化合物でもよい。
カーボン微粒子の製造装置1の全体の構成を示す断面図
である。ステンレス鋼などの金属製反応槽2を構成する
鉛直軸線17を有する直円筒状の筒体7には、その側部
に管路3を介して原料ガス供給源4が接続され、また管
路5を介して真空排気装置6が接続される。反応槽2
は、筒体7の上部に上板8が接続され、下部に下板9が
固定されて構成される。
製造装置1の簡略化した斜視図である。反応槽2の上板
8に形成された透孔には、石英から成る窓板11が配置
され、その上部に、マイクロ波アンテナであるスロット
アンテナ12が配置される。スロットアンテナ12に
は、導波管13を介してマイクロ波発生装置14からマ
イクロ波が供給される。スロットアンテナ12、導波管
13およびマイクロ波発生装置14は、マイクロ波発生
源を構成する。
ある。このスロットアンテナ12は、直方体状の共振器
15の下部に、貫通したスロット16が形成されて構成
される。スロット16は、反応槽2の筒体7の鉛直軸線
17に関して対称に形成され、その長さLは、マイクロ
波の波長をλとするとき、L=λ/2である。スロット
16は、幅tを有する。マイクロ波の周波数は、たとえ
ば500MHz〜4.9GHzであり、たとえば本件実
施の形態では、2.45GHzに選ばれ、したがってス
ロット16の長さLは、約6cmである。幅tは、たと
えば1cmに選ばれる。
発生されるマイクロ波の包絡線を示す図である。マイク
ロ波発生装置14は、マイクロ波をパルス発振し、図4
の期間W1において発生され、次の期間W2では休止さ
れ、こうして周期W3(=W1+W2)が繰返される。
この周期W3は、1m秒以上がよい。デューティ比a
(=W1/W3)が、40%以下であるようにするのが
よい。
直下方で、捕集電極18が配置される。捕集電極18
は、その上面が水平な円板状に形成され、その外径は、
上板8の透孔から反応槽2内に臨む窓板11の径にほぼ
等しい。
む開口3a,5aよりも上方に配置される。これによっ
てプラズマ31中の微粒子が吹き飛ばされるおそれがな
くなり、捕集電極に微粒子を確実に捕集することが容易
になる。
柱19によって支持される。この支柱19は、電気絶縁
性材料から成る支持片21によって基台22に固定され
る。基台22は、支柱23によって下板9に固定され
る。支柱19は、電線24に接続され、下板9に電線絶
縁性材料から成る支持片25によって支持され、電線2
6を介して高周波電源27の一方の端子に接続される。
反応槽2は前述のように金属製であり、また支柱23お
よび基台22もステンレス鋼などの金属製であり、電線
28を介して接地される。高周波電源27の他方の端子
は、接地される。高周波電源27は、捕集電極18に高
周波電力を与え、その周波数はマイクロ波の周波数未満
の周波数であって、たとえば100kHz〜500MH
zであり、たとえば本件実施の形態では13.56MH
zである。
上下の間隔hは、10〜50mmに選ばれる。反応槽2
の筒体7の内径は、たとえば8cmであってもよい。マ
イクロ波発生装置14によって発生されるマイクロ波電
力は、たとえば300Wである。こうして捕集電極18
の上方で窓板11との間には、比較的広い面積にわたっ
て表面波グロー放電プラズマ31が形成される。
れたプラズマ31とを示す簡略化した断面図である。図
5(1)に示されるように捕集電極18の中央には凹所
32が形成される。凹所32は、その内径D1は2〜5
mmφに選ばれ、その上面からの深さd2は、2mm以
上に選ばれる。なお、凹所は、捕集電極18上に複数個
所、設けてもよい。またその穴を捕集電極18で貫通さ
せ、その下で微粒子を捕集してもよい。
カプセルを製造するために、マイクロ波発生装置14か
らマイクロ波を発生し、スロットアンテナ12から窓板
11を通して反応槽2内に導入する。この反応槽2内に
は、原料ガス供給源4から原料ガスを供給される。原料
ガスは、炭素原子を含むガスであるCH4ガス20vo
l%を、H2ガス80vol%で希釈したガスであり、
圧力10Pa〜10kPaで満たされる。プラズマ31
は、図5(1)に示される捕集電極18付近の領域34
において高密度であり、特にその領域34のうち、小領
域35では、凹所32の直上でその凹所32の近傍にか
ら凹所32内にさらに高密度のプラズマとなる。カーボ
ン微粒子は重力で凹所32内に落下して収納される。
周波バイアス電圧を印加することによって、捕集電極1
8付近の電界強度を大きくし、プラズマの密度が高い領
域34を形成し、小領域35(図5(1)参照)におい
てプラズマ密度が特に大きく形成される。これによって
製造されたカーボンナノチューブおよびカーボンナノカ
プセルなどのカーボン微粒子が反応槽2内で散逸してい
くことを防ぐことができ、凹所32付近に微粒子を捕捉
しやすくなる。
に示されるように上面が平坦な捕集電極18aが用いら
れてもよい。
持体37によって支持されて配置される。この有機金属
塊36は、フェロセンFe(C5H5)2またはコバルセ
ンなどである。プラズマ31中で有機金属塊36が蒸
発、分解し、その金属FeまたはCoの微粒子が触媒の
作用を果たすとともに、その金属微粒子を内包したカー
ボンナノカプセルが製造される。
ることによって、窓板11への膜の堆積を防止すること
ができ、長時間、たとえば5時間以上にわたりマイクロ
波を反応槽2内に導入することが可能になる。
の実施の形態におけるプラズマ31中に有機金属塊36
を配置する構成に代えて、金属微粒子を直接、反応槽2
内に供給するようにしてもよい。
ンナノチューブが製造され、この単層カーボンナノチュ
ーブは六員環が1重に形成された構成を有し、また長さ
1μm以上の単層カーボンナノチューブが製造される。
カーボンナノチューブは、六員環のネットワーク状のシ
ート(グラフェンシート)が金網のように円筒状に巻か
れたものであり、その円筒が一重か、同心状に複数であ
るかで、単層、多層に分けて呼ばれる。単層カーボンナ
ノチューブの方が、多くの応用が考えられ、水素貯蔵材
料や分子エレクトロニクス材料などは単層であるのがよ
い。本件発明者の実験によれば、多層のものだけでな
く、単層のカーボンナノチューブも製造されることがで
きる。カーボンナノチューブは、たとえば真空中で28
0℃までの耐熱性があり、引張強度が高力鋼合金の20
倍以上である45Gpaの優れた機械的強度を有する。
このようにカーボンナノチューブは、耐熱性が大きく、
機械的強度が大きく、さらに弾力性が大きく、化学的安
定性が大きい。
がある。先ず、単層カーボンナノチューブが集合した大
きな微粒子は、水素貯蔵材料としての用途が期待でき
る。カーボナノチューブは単位重量当りの水素貯蔵量が
大きく、水素エネルギを利用するための媒体として有望
視されている。しかし、従来では、カーボンナノチュー
ブの量産方法が確立されていないことが実用化のための
障害となっている。本発明による装置で生産することに
より、単層カーボンナノチューブの量産が可能となる。
すなわちこのようなカーボンナノチューブは、水素吸蔵
材料として用いることができる。たとえばその材料の1
0重量%のH2を吸蔵して貯蔵することができる。これ
に比べて先行技術のLaNi5から成る水素吸蔵合金
は、1.4重量%、バナジウム系水素吸蔵合金は、2.
4重量%のH2しか吸蔵することができない。したがっ
て本発明のカーボンナノチューブを用いることによっ
て、軽量でしかも大量にH2を吸蔵する水素吸蔵材料が
実現される。
て電界放出形ディスプレイ用電子源を実現することがで
きる。この構成では、頑健で長寿命であり、高い電流密
度が可能であり、真空の制約が緩くても、希望する特性
を実現することができ、従来からのシリコンに代えて、
本発明を実施することができる。
を用いることによって、たとえば半導体集積回路などに
おける電気的接続のためのリード線として用いることが
できる。
を、合成樹脂に混合して繊維強化された材料を実現する
ことができる。こうして軽量で高強度の材料を製造する
ことができる。このような材料は、たとえば航空機の機
体および宇宙船の船体などの材料として好適である。
ノカプセルは、外径100nm以上である。
平面であるグラフェンシートを球形に丸めた形状を有
し、したがって弾力性に優れている。また前述のように
機械的強度が高く、従来の高分子材料に比べてはるかに
堅牢である。したがって内部に、材料を、完全に封じ込
めることができる。このようなカーボンナノカプセル
は、弾力性が大きく、耐熱性が大きく、機械的強度が大
きく、化学的安定性が大きい。
えばCoの微粒子を内包した構成とすることによって、
外径100nm以上の微粒子を製造し、これによって保
磁力Hcに優れたhcp構造を有する六方最密構造を有
するCo微粒子を内包したカーボンナノカプセルを実現
することができる。このようなカーボンナノカプセルを
用いて、磁気テープに接着などによって固定し、または
円板状のディスクに接着などによって固定して、磁気記
録媒体を製造することができる。このようなCo微粒子
を内方したカーボンナノカプセルを製造するにあたって
は、有機金属塊36は、コバルセンが用いられる。本発
明の実施の他の形態では、有機金属塊36として、前述
のようにフェロセンなどであってもよく、さらにそのほ
かの材料であってもよい。
発光材料などの光学材料を閉じ込めた構成であってもよ
い。カーボンナノカプセルによって発光材料などの光学
的材料を閉じ込める構成とすることによって、発光材料
の変色、退色しないようにすることができる。
ある。図1〜図5に関連して述べたカーボン微粒子の製
造装置1によって製造されたカーボン微粒子の走査形電
子顕微鏡によって得られた写真である。図6(1)で
は、円筒形のカーボンナノチューブが製造されることが
確認された。カーボンナノチューブの外径は、50〜1
00nmφである。カーボンナノカプセルは、図6
(2)に示されるように球形であり、その外径は100
nm以上である。また図6(3)では、立方体の形状で
あって、その一辺は100nm以上であることが確認さ
れた。立方体形状をしたナノカプセルでは、球形のもの
に比べて密に積み重ねることができ、全占有堆積を小さ
くできることから、効率的な金属カプセリングが期待で
きる。
子を長時間閉じ込め、大きいサイズを有するカーボンナ
ノチューブまたはカーボンナノカプセルなどのカーボン
微粒子を製造することができる。
化学気相堆積(CVD)法により、微粒子を穏やかなプ
ラズマ環境の中に長時間閉じ込めることによって、カー
ボンナノチューブやカーボンナノカプセルの形状を自在
に制御することができ、様々な用途に対応した材料を製
造することが可能となる。先行技術では、反応空間に微
粒子を閉じ込めておくことができる時間は、数秒以下で
あるのに対して、本発明では、少なくとも数分間、微粒
子を反応空間におくことができる。本発明によれば、先
行技術に比べてカーボン微粒子の制御を行いやすくな
る。つまり、カーボンナノチューブが触媒金属から発生
していく過程をモニタリング、すなわち微粒子によるレ
ーザ光散乱、プラズマ中のラジカルの分析、触媒金属の
組成[金属/炭素比]などのその場での計測をしなが
ら、その状態に応じて様々な反応条件(圧力、ガス混合
比、マイクロ波パワー、高周波パワーなど)を反応中に
変化させて制御する。どのように変化させるかは、予め
様々な条件で材料を作ってみてそれを評価し所望の材料
(たとえば、単層カーボンナノチューブの直径、多層の
ものを作らずに単層のみの作製、ナノチューブの長さ、
ナノカプセルの直径、ナノカプセルのみの作製、…な
ど)ができたかどうかや、その結果から反応過程を推測
しながら行う。また、モニタリングと制御を行って作っ
た材料がどうであったかという結果からもさらに反応過
程の推測ができ、その推測がさらに確かなものとなって
いく。こうして、制御しながら所望の材料を自在に作り
上げていくということが本発明では行いやすい。
のカーボンナノカプセルが製造できるので、この中に、
比較的大きな微粒子を閉じ込めることができる。ナノカ
プセル中に閉じ込められた金属の微粒子の酸化や融合を
防ぐ機能を有しているが、本発明によって製造される外
径100nmφ以上のサイズのカプセル材料により、大
きな金属微粒子のカプセル化が可能となる。
装置1の全体の構成を示す断面図である。
簡略化した斜視図である。
イクロ波の包絡線を示す図である。
31とを示す簡略化した断面図である。
19)
生する高周波電源または直流電源が接続され、反応槽内
に、捕集電極が配置され、捕集電極には、プラズマ側に
臨む凹所が形成され、この凹所付近に、プラズマの高密
度領域が形成されることを特徴とする。
相堆積(CVD)法によって金属製基板上にカーボンナ
ノチューブを成長させる方法があるが、この先行技術で
は、カーボンナノチューブが基板上にしか成長しないの
で大量生産には不向きである。本発明では、プラズマ空
間中でカーボンナノチューブを成長させるので、成長し
た微粒子を捕集電極の凹所に溜め込みながら、連続的に
大量に生産することができる。本発明の微粒子の材料
は、カーボンを含む化合物でもよい。
Claims (7)
- 【請求項1】 反応槽と、 反応槽内に炭素原子を含む原料ガスを供給する原料ガス
供給源と、 反応槽内にマイクロ波を供給してグロー放電プラズマを
発生するマイクロ波発生源と、 反応槽内に設けられ、製造されたカーボン微粒子を捕集
する捕集電極とを含むことを特徴とするカーボン微粒子
の製造装置。 - 【請求項2】 捕集電極には、高周波を発生する高周波
電源または直流電源が接続され、 反応槽内のマイクロ波が供給される位置よりも下方に、
捕集電極が配置され、 捕集電極には、プラズマ側に臨む凹所が形成され、この
凹所付近に、プラズマの高密度領域が形成されることを
特徴とする請求項1記載のカーボン微粒子の製造装置。 - 【請求項3】 マイクロ波発生源がパルス発振であるこ
とを特徴とする請求項1または2記載のカーボン微粒子
の製造装置。 - 【請求項4】 反応槽のプラズマ中に、有機金属塊を配
置することを特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記
載のカーボン微粒子の製造装置。 - 【請求項5】 マイクロ波によって発生されるグロー放
電プラズマに、炭素を含む原料ガスを供給して分解し、
長さ1μm以上を有するカーボンナノチューブまたは外
径100nmφ以上を有するカーボンナノカプセルを製
造することを特徴とするカーボン微粒子の製造方法。 - 【請求項6】 プラズマ中に、金属微粒子を供給するこ
とによって、前記金属の微粒子を内包したカーボンナノ
カプセルを製造することを特徴とする請求項5記載のカ
ーボン微粒子の製造方法。 - 【請求項7】 前記金属が、Coであり、 hcp構造を有するCo微粒子を内包した請求項6記載
の製造方法によって製造されたカーボンナノカプセルを
有することを特徴とする記録媒体。
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